JP2011512290A - 側壁安定化リブを有するエネルギー吸収体 - Google Patents

側壁安定化リブを有するエネルギー吸収体 Download PDF

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Abstract

車両のバンパシステムは、車両のフレームに取り付けるための細長い補強ビームと、補強ビームの前面に隣接するエネルギー吸収体とを備える。エネルギー吸収体は、車両の衝突時に潰れると共にエネルギーを吸収するように構成された長手方向に細長い中空のクラッシュローブを有し、クラッシュローブは相互に接続された上部壁、底部壁、側壁及び前壁を有する。上部壁及び底部壁のような対向した少なくとも1対の壁は、ほぼ支持されていない拡大領域を形成するように補強ビームの全長に平行方向に細長いが、上記一対の壁は、拡大領域を安定させるために補強ビームの全長に垂直方向に延びる複数の間隔をあけて配置された外部リブをさらに有する。

Description

本発明は、エネルギー吸収体を用いるバンパシステムに関し、より詳細には、例えば車両のフロント又はリアバンパ用の自動車用高分子エネルギー吸収体に関する。しかしながら、本発明の範囲は、バンパエネルギー吸収体及び/又はバンパシステムのみに限定されるように考えられてはいない。
[関連出願の相互参照]
本願は、米国特許法第119条(e)項に基づき、2008年2月14日に出願された、「外部安定化リブを有するエネルギー吸収体(ENERGY ABSORBER WITH EXTERNAL STABILIZER RIBS)」と題する米国仮特許出願第61/028,704号明細書の利益を主張し、さらに、2008年2月14日に出願された「内部で支持されたクラッシュボックスを有するエネルギー吸収体(ENERGY ABSORBER WITH INTERNALLY SUPPORTED CRUSH BOXES)」と題する米国仮特許出願第61/028,700号明細書の利益を主張し、これらはいずれも共に同一人に譲渡されており、その全体が本明細書に援用される。
多くの自動車用バンパシステムは、非常に特殊なエネルギー吸収形態(energy absorption profile)に合わせて調整される金属製補強ビーム及び高分子エネルギー吸収体を備え、歩行者の安全のための「よりソフトな」初期の衝突ストローク、及び車両対不動の物における衝突のためのような「よりハードな」深いストロークの衝突ストロークを含んでいる。衝突中にバンパシステムがストロークする間、エネルギー吸収が一貫し予測可能であることは、非常に重要なことである。多くのエネルギー吸収体は、一貫し且つ予測可能であるエネルギー吸収のために多面のクラッシュボックス(crush box)を有している。例えば、Weissenbornの米国特許第6,575,510号明細書及びEvansの米国特許第6,609,740号明細書に示されているエネルギー吸収体を参照されたい。
しかしながら、エネルギー吸収体の複雑性は、金型を供給する金型工場(mold shop)が必要とするリードタイムに悪影響を及ぼし、そして、例えばダイの費用及び成形サイクル時間及び保守管理を増大させることによって、部品の成形性にさらに悪影響を及ぼす。複雑性は、必要なクラッシュボックスの形状、サイズ及び/又は数量を含む多くの事柄から生じる可能性がある。このことは、設計要件との対立をもたらす。一方で、エネルギー吸収体はより小さなクラッシュボックスを有するように設計することもできるが、バンパ補強材の前面領域をカバーするのに必要なクラッシュボックスの数が増えるため、金型(及び成形工程)はより複雑になる。さらに、エネルギー吸収体は、「追加される」クラッシュボックスにおける増えた壁の材料のため、はるかに重くなり、成形サイクル時間は増えた材料のため増大する。また、壁にある起伏及び他の構造に起因して成形はより複雑になり得る。エネルギー吸収体は、より大きなクラッシュボックスを有するときにより成形し易い(且つより軽量である)が、クラッシュボックスの壁における支持されていない広くなった領域は不安定になる傾向があり、衝突中の早すぎる圧壊(collapse)(すなわち、一貫しないもの)及び/又は乏しいエネルギー吸収につながる。壁を安定させるための取り組みは通常、(例えば、壁の材料厚さを増大させることによって)部品重量を増大させ、そして/又は、(例えば所定の位置に壁を固定するための取り付け具を加えることによって)部品の複雑性を増大させる。
別の考慮すべき事項は、バンパ開発プログラムにおけるリードタイムである。車両業界は、製品を設計して市場に出すリードタイムを減らすための非常に強いプレッシャーを受けている。それでも、機械の準備は多くの場合、そのプログラムにおいて早くに開始されなければならない。それから、補強ビーム及びエネルギー吸収体は、最適なエネルギー吸収形態(すなわち、力対変位)を得るために「調整」される。バンパシステムの「調整」は、特に、より厚い壁又は新しい壁形状を機械製作できるように金型を別の場所に送らなければならない場合、「調整」それ自体が困難であり且つ時間を消費するものとなる可能性がある。
本発明の1つの態様において、車両のバンパシステムは、車両のフレームに取り付けるように適合した細長い補強ビームと、補強ビームの前面に隣接するエネルギー吸収体とを備える。エネルギー吸収体は、車両の衝突時に潰れると共にエネルギーを吸収するように構成された少なくとも1つの中空のクラッシュローブ(crush lobe)を有し、少なくとも1つのクラッシュローブは、相互に接続された上部壁、底部壁、端壁及び前壁を有する。対向した少なくとも1対の壁は、ほぼ支持されていない拡大領域を形成するようにビームの全長に平行に細長くなっているが、上記一対の壁は、拡大領域を安定させるために、例えば早すぎる圧壊を防ぐために壁にスチフナを加えることによって、ビームの全長に垂直に延びる外部リブをさらに有する。
本発明の別の態様において、車両のバンパシステムは、全長を有し、車両のフレームに取り付けるように適合した細長い補強ビームを備える。安定化要素が、ビームの前部に位置付けられ、くぼみ部を形成する隆起領域を有する。エネルギー吸収体が、安定化要素に隣り合っており、車両の衝突時に潰れると共にエネルギーを吸収するように構成された少なくとも1つの中空のクラッシュローブを有する。少なくとも1つのクラッシュローブは相互に接続された上部壁、底部壁、端壁及び前壁を有し、このとき、対向した少なくとも1対の壁が、ほぼ支持されていない拡大領域を形成するようにビームの全長に平行に細長くなっている。少なくとも1つのクラッシュローブは、拡大領域を安定させるためにビームの全長にほぼ垂直に延びる壁支持リブをさらに有する。安定化要素の隆起領域は、少なくとも1つのクラッシュローブ内に部分的に延びる。
本発明の別の態様において、車両のバンパシステムは、全長を有し、車両のフレームに取り付けるように適合した細長い補強ビームを備え、そして、補強ビームの前面に位置付けられるエネルギー吸収体を備える。エネルギー吸収体は、車両の衝突時に潰れると共にエネルギーを吸収するように構成された複数のクラッシュローブを有する。クラッシュローブはそれぞれ、相互に接続された上部壁、底部壁、端壁及び前壁を有する。対向した少なくとも1対の壁が、ほぼ支持されていない拡大領域を形成するようにビームの全長に平行に細長くなっている。上部壁及び底部壁は、拡大領域を安定させるために全長にほぼ垂直に延びる外部リブを有する。端壁は、エネルギー吸収体を調整して補強ビームの全長に沿ってより均一な衝突に対する抵抗をもたらすために、端壁の圧壊剛性を低下する圧壊開始開口を有する。
本発明の別の態様において、所望のエネルギー吸収特性のために車両のバンパシステムを調整する方法は、ビーム及びビームの前部にあるエネルギー吸収体を有するバンパアセンブリを供給するステップを含む。エネルギー吸収体は衝突中のエネルギー吸収のために少なくとも1つのクラッシュローブを有する。本方法は、車両の衝突をシミュレートするようにバンパアセンブリを衝突させることによってバンパアセンブリのエネルギー吸収を試験するステップを含む。本方法はさらに、少なくとも1つのクラッシュローブにある既存の外部リブを変更すること、少なくとも1つのクラッシュローブに新しい外部リブを形成すること、及び/又は少なくとも1つのクラッシュローブの端壁に圧壊開始開口を形成することのうち1つ、2つ又はすべてを行うことによってバンパアセンブリを調整するステップを含む。
本発明は、エネルギー吸収体のクラッシュローブにおける広くなった壁の安定性を外部リブによって大幅に向上させることができるという発見に焦点を合わせている。外部リブは、容易に金型に設置され、そして、成形金型においてたやすく変更することができ、それ故、向上された/より短い成形リードタイム、良質化され簡易化された金型等がもたらされる。加えて、リブは、プログラムの開発段階において試作サンプルで迅速に且つ容易に変更することができる。さらに、外部リブは、例えば、バンパシステム上でフェイシアを支持するためなどの付加的な機能のために用いることができる場合がある。リブは、高さ又は幅又は位置を変えることによって、性能を調整するのに用いることもできる。このことは、より良好な成形条件をもたらす均一な厚さをクラッシュローブの壁が有することを可能にするため、非常に有益である。さらに、外部リブが一貫した間隔をおいて又は重要な部位(critical area)に配置されているとき、エネルギー吸収体の性能はその全長にわたってより一貫したものとなり、このことは、歩行者との衝突のような衝突にとっては非常に望ましいものである。同様に、端壁はその位置においてクラッシュローブが自然に剛性をより有するようにするので、剛性を統一するためにクラッシュローブの端部に向かってリブの設置頻度を減少することができる。
本発明のこれらの態様、目的、及び特徴並びに他の態様、目的及び特徴は、以下の説明、特許請求の範囲、及び添付の図面を検討すると、当業者によって理解及び認識されるであろう。
本発明の概念を具現し且つ前面に取り付けられたエネルギー吸収体と共に補強ビームを備えた本発明のバンパシステムの斜視図である。 図1の部分図である。 図1の断面図である。 図3の分解組立図である。 エネルギー吸収体が補強ビームの全長よりも短い、代替的な実施形態の図である。 エネルギー吸収体の別の代替的な実施形態の図である。 図6の断面図である。 外部リブの様々な構成の1つを含む、変更されたエネルギー吸収体の斜視図である。 外部リブの様々な構成の1つを含む、変更されたエネルギー吸収体の斜視図である。 外部リブの様々な構成の1つを含む、変更されたエネルギー吸収体の斜視図である。 外部リブの様々な構成の1つを含む、変更されたエネルギー吸収体の斜視図である。 外部リブの様々な構成の1つを含む、変更されたエネルギー吸収体の斜視図である。 外部リブの様々な構成の1つを含む、変更されたエネルギー吸収体の斜視図である。 外部リブの様々な構成の1つを含む、変更されたエネルギー吸収体の斜視図である。 別の変更されたエネルギー吸収体の透視図であり、内部リブ及び安定化要素を示すクラッシュローブの長手方向断面図である。
車両バンパシステム20(図1)は、車両のフレームに取り付けるように適合/構成されている端部を有する細長い鋼製のB字形補強ビーム21を備え、さらに、補強ビーム21の前面に隣接するか又は平行でありそして車両RIMフェイシア19の下に位置付けられる(且つフェイシア19を支持している)、高分子エネルギー吸収体22を備えている(エネルギー吸収体22は、フェイシア19及び/又はビーム20に接続され、そしてこれらによって支持され得ることが意図されている)。エネルギー吸収体22は、車両の衝突時に潰れると共にエネルギーを吸収するように構成されている3つの(又はより多いか若しくはより少ない)長手方向に細長い中空のクラッシュローブ23を含んでいる。特に、クラッシュローブ23はそれぞれ、上部側壁24、底部側壁25、端壁26及び27、並びに前壁28を含む、箱形状(「クラッシュボックス」と呼ばれることが多い)を形成する相互に接続された壁構造を有している。エネルギー吸収体22は、クラッシュローブ23を補強ビーム21に保持するために、後壁29並びに上部フランジ30及び底部フランジ31から構成されるフレームをさらに備えている。一体成形されたフック形状の連結部32が、ビーム21の穴33に係合することによりエネルギー吸収体22をビーム21に保持するために、後壁29から延びている。間隙を介して配置され一体成形される複数の外部リブ34が、上部壁24及び底部壁25において、クラッシュローブ23の長手方向の長さに対してほぼ縦であり且つ垂直である(且つビーム21の全長に対して垂直である)方向で形成される。エネルギー吸収体22の前面に対して垂直な方向に衝突を受けた時にエネルギー吸収体22(壁24及び25を含む)が非常に予測可能で一貫し且つ高効率なエネルギー吸収様態で曲がり、潰れ、そして圧壊するように、説明される上部壁24及び底部壁25は、わずかに錐状又は曲線を成した形状である。リブ34は、圧壊の効率(crush efficiency)を大幅に向上している壁24及び25を安定させる。
上部壁24及び底部壁25が特に端壁26及び27から間隔をあけた中間部位の近くにおいて支持されていない拡大領域(広くなった領域)(enlarged area)を形成するように、説明されるクラッシュローブ23は細長くなっている。リブ34が存在していなければ(すなわち、これらの領域が「リブのない」支持されていないものであれば)、これらの領域はクラッシュローブ23の他の領域と比べたとき相対的に不安定であり、そのためこれらの領域は衝突中に最初に圧壊しやすい。さらに、これらの「リブのない」支持されていない領域は、所望されているよりも少ないエネルギーを吸収するかたちで圧壊する傾向があり、エネルギー吸収効率を大幅に低下させる(エネルギー吸収効率は、衝突中のエネルギー吸収体22の能力のことを指し、この能力は、衝突に対する所望のレベルの抵抗を最初に与え、そして衝突ストローク中にその抵抗を引き続き与えると共にエネルギーも吸収する能力である)。例えば、支持されていない領域は、その全長にわたって複数の不規則な位置で「しわ(crinkling)」になり激しく折れ曲がる代わりに単一の中間点で座屈するかもしれない。外部リブ34があることによって、この問題が大きく顕著に低減され、ひいては、驚くほど予想外な程に、エネルギー吸収圧壊の効率が向上する。さらに、リブの長さ、高さ及びテーパは、座屈する箇所がどこに位置するかを定めるのに役立てるために使用することができ、そのため有限要素解析への相関を向上させ、特定の負荷形態(load profile)に適合するように性能を調整するのに役立つ。
本発明の構成により、本発明のエネルギー吸収体22は、高効率な圧壊可能エネルギー吸収体であり、このことは、エネルギー吸収体が、力に対する所望の抵抗にすぐに達し、そして、相当量のエネルギーを吸収しつつ所望の部分の衝突/バンパのストロークにわたってその力に対する抵抗を保つことを意味する。本発明のエネルギー吸収体22は、錐状又は曲線を成す断面形状を有する、横方向に延びた水平な壁24及び25を備えている。しかしながら、本発明の概念の範囲は平面的な壁及び他の壁形状を含むことが意図されている。これらの壁24及び25は外部リブ34を組み込んでおり、外部リブ34はその長さ及び深さを調節することによって性能を調整することができるものであり、それによって、壁24及び25は、良好な成形条件を促進する均一な厚さを維持することができる。リブ34の間隔もまた、最適な壁の安定性及びエネルギー吸収にとって重要である。いくつかの解析では、リブ34が約20mm〜50mm、又はより好ましくは中央で約25mmの間隔をあけて配置されているときに優れた性能に達することが示唆されている。しかしながら、最適なリブ間隔は、車両のためのパッケージング空間特性、パッケージング環境特性及び目的とするパッケージング性能特性に幾分左右されることに留意されたい。特に、外部リブは、側壁の支持されていない領域の中心近くの、端壁から最も離れた位置において特に重要となり得る。また、外部リブは、戦略上重要な位置に配置してよく、側壁の全高に及んで延びる必要はない。例えば、1つの適用例として、各クラッシュボックスの上部壁には及ばない狭くなった端部へ向かって先細になった外部リブの使用がある。
本発明のエネルギー吸収体22で圧壊の効率が向上した結果、説明される構造は、50mmのパッケージ深さを達成することができた、そして、この深さは、最初に提案された構造よりも小さい空間となる。このことは、「より大きな」壁を安定させそれ故より高い圧壊の効率を促進する外側リブ34に大部分が起因している。上部壁24及び底部壁25は、衝突時に圧壊の効率を向上させエネルギー吸収を予測可能とするために曲線を成すか又は「錐状」であったが、しかしながら、本発明の概念は、平面的な壁のセクションのような他の壁の構成に対して機能することが意図されている。本発明の場合では、5kNの目標負荷レベルが達成され、初期の「下側脚部」部分の衝突ストローク中におけるエネルギー吸収の目標最小内部エネルギーは、試験により175Jであった、そして、この値は好ましいエネルギー吸収であった。図示されるような配置、形状及びサイズであるリブを有した説明されるエネルギー吸収体における全体の圧壊の効率は、リブを有しない同様のエネルギー吸収体では76%(パーセント)でしかないことに比べ、88%であった。特定のバンパシステムに対してエネルギー吸収体を最適に調整することによって(すなわち、リブの配置、形状及びサイズの改良することによって)、圧壊の効率は、試験に基づくと、約90%にまで増大することができる。例えば、クラッシュローブ23の中心近くでリブ34の密集度をわずかに増大させること、及び/又はリブ34をクラッシュローブ23の端部からわずかに間隔をあけて配置すること、及び/又はリブ34のサイズ、深さ、形状、密度及び長さを変えることは有益となり得る。このことは、試験によって決定することができる。さらに、このことは、長いリードタイムを伴わない手段で(in tools)極めて迅速に行うことができる。また、開口を端壁26及び27内に形成してクラッシュボックスの両端の剛性を低下させることができ、そして、そのためクラッシュボックスが全長にわたってより均一な剛性を有する(このことは車両製造業者が必要することである場合がある)ことも意図されている。
本発明のエネルギー吸収体は射出成形されており、ビームは高強度鋼から圧延成形されている。例えば、エネルギー吸収体はTPO材から又はPCT/PB材から成形することができ、ビームは、約1.6mmの厚さで120ksiの引張強度をもつシート状の鋼材からB字形断面に圧延成形することができる。しかしながら、種々の樹脂材料及び金属材料を用いてもよいこと、及びそれらの材料を成形するための種々の製法もまた用いてもよいことが意図されている。特に、説明されるBビームは、長手方向に湾曲している(sweep)が、(鉛直方向に)平坦な前壁と、その2つの筒部のそれぞれにわたり中心に位置するエンボス加工された溝部とを有し、溝部は、大きな衝突時に上記前壁を安定させる働きをする。エネルギー吸収体の上部壁及び底部壁は溝部を直接覆うように位置付けすることができ、そのため、衝突時に、上部壁及び底部壁は溝部内におよび、そして溝部は、衝突の初期段階中では上部壁及び底部壁を前壁上で一時的に保持する。別の方法として、エネルギー吸収体の上部壁及び底部壁は、(鉛直方向に)平坦な前壁の平坦な部分に直接係合し良好に機能することが可能である。
さらなる実施形態が、同様若しくは同一の特徴、特性及び態様に対して同様の符号を用いて示されているが、文字「A」、「B」等を加えている。このことは重複する説明を減らすためになされている。初めて記載される事項の各特徴の説明及び記載は、別段明記されていなければ、後に特定される事項を「繰り越す(carry forward)」と共に後に特定される事項に適用されることが意図されている。
図5は、エネルギー吸収体22(図1)と同様であるがビーム21Aの全長よりも短く延びる、別のエネルギー吸収体22Aを示している。例えば、それぞれが単一のクラッシュローブ23Aを形成する3つの別々になったエネルギー吸収体22Aは、単一のエネルギー吸収体22の代わりに用いることができ、そして、エネルギー吸収体22Aはそれぞれ、それぞれの特有の位置及び車両に対して、特有の機能上の特性を有している。
図6及び図7は、クラッシュローブ23Bがエネルギー吸収体22の場合よりも大幅に長く延ばされた、別のエネルギー吸収体22Bを示している。また、壁24B及び25Bの断面形状が、各角部/節部においてより十分な半径を伴って、(非常にわずかに曲がっているだけの状態で)比較的直線になるように変更されている。
図8は、後壁29Cに4つのクラッシュローブ23Cを有するエネルギー吸収体22Cを示しており、各クラッシュローブ23Cは壁24C〜28Cを有している。特に、外側の2つのクラッシュローブ23Cにある前壁28Cは、外側セクション45Cを有しており、外側セクション45Cは、後方向に向かって湾曲してより空力的な形状をした車両のコーナ部を形成するように、他のクラッシュローブ23Cにある前壁28Cよりも傾斜している。壁24C〜27Cを前壁28Cに接合すること(joindure)によって形成される角部は十分に丸みが付けられている。6つの外部リブ34Cが、側壁24C及び25Cの全長にわたって比較的均一に間隔をあけて配置されており、側壁24C及び25Cにおける後壁29Cから離れる方向の距離の約90%で縦方向に延びる。さらに、端壁26C及び27Cのそれぞれに対して比較的近くに、1つのリブ34Cが位置付けられている。
図9は、それぞれが壁24D〜28Dを有するクラッシュローブ23Dを5つ備えたエネルギー吸収体22Dを示している。上部壁24D及び底部壁25Dは、互いに向かって幾分傾斜し、エネルギー吸収体22〜22Cより大きな成形抜き勾配が付けられており、そのため、クラッシュローブ23Dの断面がエネルギー吸収体22〜22Cよりも先が尖った輪郭を有している。特に、外側のクラッシュローブ23Dにおける外側の端部は、エネルギー吸収体22Dが、より後方向に向かって湾曲した部分をフェンダの近くにもつ空力的な形状を有するように、内側の端部よりも短い前後寸法(fore-aft dimension)を有している。外部リブ34Dは、端壁27Dから離れて間隔をあけて配置されており、深さがより浅くなっている。外部リブ34Dは、壁24D及び25Dにおける離れる方向の距離の約80%しか延びていない。また、後壁29Dは、広くなった上部及び底部領域29D’を含み、上部及び底部領域29D’は、クラッシュローブ23Dの鉛直方向の高さの約4倍の全高を形成している。また、後壁29Dは、その外側の端部において後方向に向かって湾曲した、広くなった端部領域29D’’を含んでいる。端部領域29D’’はさらに美的に曲がった形状の輪郭を定め、この形状は、最も外側のクラッシュローブ23Dの上部、底部及び側部から、後方向、上方向及び下方向に向かって、同様の形状をしたフェイシアを支持するようにして延びる形状である。
図10は、それぞれが壁24E〜28Eを有するクラッシュローブ23Eを3つ備えたエネルギー吸収体22Eを示している。上部壁24E及び底部壁25Eは、互いに向かって幾分傾斜しているが、エネルギー吸収体22Eの場合よりも距離が離れるように間隔をあけて配置されている。外部リブ34Eは、互いから相隔てる第1の間隔寸法を形成しているが、外側寄りの外部リブ34Eは、端壁27Eからの離寸法であるより大きな第2の間隔寸法(第1の間隔寸法よりも大きい)を形成している。さらに、外部リブ34Eは、長さが均一ではない。その代わりに、一つおきのリブ34Eは、壁24E及び25Eにおける離れる方向の距離全体の約40%〜50%でしかないように、長い方のリブの約二分の一の長さである。このことは、特定の負荷形態に合うように衝突という事象の最中に負荷を徐々に増大させるために行われた。端壁26E及び27Eのいくつかは、不規則な形状の圧壊開始開口48Eを有し、開口48Eは、端壁26E及び27Eの領域内でクラッシュローブ23Eを弱くする。説明される開口48Eは、端壁26E及び27Eの表面積の約20%〜30%であり、クラッシュローブ23Eの上部から底部に向かう経路(way)の約20%〜30%を延びる。それら開口48Eはより大きくても小さくても又は異なる形状であってもよいことが意図されている。このことは、エネルギー吸収体22Eが、端壁26E又は27Eの一方の近くで狭い表面積を有する物(例えば柱又は歩行者の脚)にぶつかった場合であっても、その全長にわたってより均一な潰れをもたらすようにするためである。
図11は、壁24F〜28Fによって形成される単一のクラッシュローブ23Fを備えたエネルギー吸収体22Fを示している。上部壁24F及び底部壁25Fは、エネルギー吸収体22及び22Aの上部壁及び底部壁と同様に形づくられ配置されている。外部リブ34Fは端壁27Fから遠くに離されていない。外部リブ34Fは、ここでも特定の負荷形態に合うように、壁23F及び24Fの寸法の約60%〜70%にしか延びず、一つおきのリブは隣り合うリブよりも浅くなっている。一体成形された連結部32Fが、後壁29Fに沿って形成されている。特に、後壁29Fは、Bビームの前壁内のエンボス加工された溝部に嵌め合い係合する沈んだ部位46Fを含む(Bビーム21の前壁の2つの溝部を参照)。一体成形された連結部32F(フック)は、ベースフランジ29Fから後ろ向きに延びる。
図12は、エネルギー吸収体22Fと同様であり、壁24G〜28Gによって形成される単一のクラッシュローブ23Gを備えたエネルギー吸収体22Gを示している。外部リブ34Gは端壁27Fから遠くに離されていない。エネルギー吸収体22Gは、わずかに長手方向で湾曲しているが、エネルギー吸収体22Fよりも幾分直線的であり、さらに、クラッシュローブ23Gは、クラッシュローブ23Fよりも幾分幅が広く且つ高さが低い。リブ34Gは、壁23F及び24Fの寸法の約40%〜50%にしか延びず、一つおきのリブ34Gが前壁28Gに近接しており、(交互になっている)その他のリブは後壁29Gに近接している。リブは適度に高く密集しており、これらのリブは極めて浅い。
図13は、後壁29Hに5つのクラッシュローブ23Hを備えたエネルギー吸収体22Hを示しており、クラッシュローブ23Hはそれぞれ、壁24H〜28H及びリブ34Hを有している。エネルギー吸収体22Hは、エネルギー吸収体22Cに全く似ていないというわけではない。しかしながら、端壁26H及び27Hは、不規則な形状の圧壊開始開口48Hを有し、開口48Hは、端壁26H及び27Hの領域内でクラッシュローブ23Hを弱くする。説明される開口48Hは、端壁26H及び27Hの表面積の約50%〜60%であり、クラッシュローブ23Hの上部から底部に延びている。それら開口48Hはより大きくても小さくても又は異なる形状であってもよいことが意図されている。このことは、エネルギー吸収体22Hが、端壁26H又は27Hの一方の近くで狭い表面積を有する物(例えば柱又は歩行者の脚)にぶつかった場合であっても、その全長にわたってより均一な潰れをもたらすようにするためである。
図14は、後壁29Iに5つのクラッシュローブ23Iを備えたエネルギー吸収体22Iを示しており、クラッシュローブ23Iはそれぞれ、壁24I〜28Iを有している。特に、外側の2つのクラッシュローブ23Iの前壁28Iは、後方に向かって湾曲してより空力的な形状をした車両のコーナ部を形成するように、他のクラッシュローブ23Iにある前壁29Iよりも実質的に傾斜している前壁29Iを有している。複数の外部リブ34Iが、側壁24I及び25Iの全長にわたって比較的均一に間隔をあけて配置されており、側壁24I及び25Iにおける離れる方向の距離の約90%で縦方向に延びる。2つの外側寄りのクラッシュローブ23Iは、穴49Iの場所を空けるためにその他のクラッシュローブ23Iからさらに距離を増加させた間隔をあけて配置されている。穴49Iは、2つの牽引フック、又は、配線及び2つのフォグランプの通路を供給する。穴49Iは、バンパアセンブリ(すなわち、バンパビーム、エネルギー吸収体、フェイシア、及び関連する予め組み立てられる部品)を車両のフレームレールの先に取り付け/固定するためのボルト/固定具へのアクセスも与えることができる。
上述のように、エネルギー吸収体のクラッシュローブにおける広くなった壁の安定性は、外部リブがあることによって大幅に向上することができる。外部リブは、容易に金型に設置され、また金型に対する外注作業を伴わずにダイトライアウト(試し加工)人員(die tryout personnel)によって容易に変更することもでき、それ故、結果として成形リードタイムの短縮、金型の良質化及び簡易化等がもたらされる。リブはクラッシュローブの壁が一定の厚さを保つことができるようにし、このことによって金型が簡易化されて部品加工がより容易になる。
図15は、クラッシュローブ23Jを有する別の変更されたエネルギー吸収体22Jの透視図である。クラッシュローブ23Jが外部リブ(34)を有していてもよい(又は有していなくてもよい)ことが意図されている。説明されるクラッシュローブ23Jは内部リブ52Jを有しており、内部リブ52Jは、前壁28Jからベースフランジ29Jまでの距離の約20%で鉛直方向に下方に延び、且つクラッシュローブ23Jの上部壁(特に図示されていない)と底部壁25Jとの間に延びている。これらのリブは、衝突の初期部分の間に迅速に負荷を増大するように前壁を補強する助けとなる。壁安定化要素53Jがエネルギー吸収体22Jの下でビーム21Jに取り付けられている。壁安定化要素53Jは、熱成形(若しくは射出成形若しくは他の方法で高分子材料から成形、又は金属のような別の材料から成形)することができる。要素53Jは、ビーム21Jに係合するベースフランジ54Jを有し、そして、中間壁56Jによって離されるようにして間隔をあけて配置されて前方に延びる複数の突出部55J(「コルゲーション(corrugation)」又は「隆起領域」とも呼ぶ)を有し、それにより複数のくぼみ部57Jを形成している。説明される要素53Jは、要素53J自体が二次的なエネルギー吸収体であるように、高さの低いクラッシュローブである突出部55Jを有している。
くぼみ部57Jは内部リブ52Jと位置合わせされ、そのため、衝突の初期では、クラッシュローブ55Jが圧壊し始めるとき、低レベルのエネルギー吸収が行われる(例えば、このことは、歩行者と衝突している間で望ましい)。次いで、エネルギー吸収は、くぼみ部57Jが接触を受けると増大する。さらに、内部リブ52Jは、後壁56Jに係合し得る。特に、衝突ストロークが生じてクラッシュローブ55Jが圧壊すると、リブ52Jはくぼみ部57J内に移動し、くぼみ部57Jではリブ52Jが閉じ込められる。このことによって、初期の低負荷衝突ゾーンの圧壊の効率が最大化する。さらに衝突が進むと、リブ52Jが、中間壁56Jに係合して衝突中のエネルギー吸収を大幅に増大するようにして潰れ、それ故「段階的に増大する」エネルギー吸収をもたらす。歩行者との衝突には低負荷のエネルギー吸収体を供給するが、車両との衝突にはより高い負荷を供給するように、この「段階的に増大する」ことは望ましい。特に、リブ52Jが大きな衝突エネルギーを吸収しないように横方向に曲がってしまうことも滑ってしまうこともないように、くぼみ部57Jが内部リブ52Jを閉じ込めることが重要である。リブの深さを変更することによって、エネルギー吸収の段階的な増大がより早く生じる。リブの厚さを変更することによって、段階的な増大は大きくなる(すなわち、エネルギー吸収がより早い割合でおこる)。この段階的な増大は、内部リブの数量、位置、形状(shape)及び輪郭(profile)によっても影響を受け得る。例えば、より狭くなった「先端」及びより大きくなった「付け根」を有する内部リブは、エネルギー吸収の段階的な増大をもたらすことに加えて、衝突ストロークのフルストロークにわたる総エネルギー吸収の形態で、異なる形態を生じる傾向もある。説明される突出部55Jは、効果を有するように短くなったクラッシュローブであり、そして、突出部55Jは、エネルギー吸収体22Jが完全に圧壊した状況に達すると、概してビーム21Jが永久変形し始める前に、バンパシステムのエネルギー吸収を増大する。要素53Jを製作するのに用いられる熱成形シートの厚さを変える、及び/又は突出部55Jの高さ、形状若しくはサイズを変えることによって、バンパシステムの総エネルギー吸収もまた、有益となるように作用を受ける/調整されることが可能である。
特に、エネルギー吸収体22J及び安定化要素の内部構造は、外部リブを有する上述のエネルギー吸収体(22−22I)のいずれのものともすることができ、又は、代案として、内部構造は、外部リブを有しないで形成されてもよい。さらに、安定化要素を製作するための設備(tooling)は最小のリードタイムで非常に迅速に行うことができ、またさらに、内部リブは迅速に調整することが可能であり、それ故、バンパ開発プログラムの終わり頃でもエネルギー吸収のためにバンパシステムを最適に調整することが可能となる。
壁安定化固定要素(本明細書中では「二次的なエネルギー吸収体」とも呼ぶ)は、種々の手段(例えば、真空熱成形、射出成形、打抜き、スタンピング等)によって製作することができ、異なる材料(例えば、樹脂、金属、複合材等)であってもよいことが意図されている。説明される要素は、樹脂材料から真空熱成形されている。
バンパ設計の当業者によって理解されるように、エネルギー吸収体は、説明されるエネルギー吸収体20よりもはるかに精巧で複雑になってもよいことが特に意図されている。例えば、多くのエネルギー吸収体は、車両のフロントフェイシアを支持すると共に、配線及び/又は機器(すなわち、ライト、グリル等)の保持のような機能を生じるようにも構成される。また、エネルギー吸収体は、例えば、コーナ衝突、柱への正面衝突、バンパとバンパとの正面衝突等のための特定の位置において、調整されたエネルギー吸収を生じるように通常設計されている。本発明の要素31は、次のようなあらゆるクラッシュボックス21の下に適合するように製作することができ、このクラッシュボックス21とは、クラッシュボックスの位置、形状又は向きにかかわらず、そしてエネルギー吸収体の全体的な形状にかかわらず十分に細長いためにその側壁の安定化が必要となるものである。さらに、内側リブ30及び要素31は、エネルギー吸収体20を安定化及び強化し、それによってエネルギー吸収体20が広範囲の設計を受け入れることができるようにする。
変形及び変更を本発明の概念から逸脱することなく上記の構造に対して行うことができることを理解されたい。さらに、そのような概念は添付の特許請求の範囲が文言によって明示して別段の定めをした場合を除き、これらの特許請求の範囲によって保護されることが意図されることを理解されたい。

Claims (22)

  1. 車両のバンパシステムであって、
    全長を有し、車両のフレームに取り付けるように適合した細長い補強ビームと、
    前記補強ビームの前面に位置付けられ、車両の衝突時に潰れると共にエネルギーを吸収するように構成された少なくとも1つの中空のクラッシュローブを有するエネルギー吸収体であって、前記少なくとも1つのクラッシュローブが、相互に接続された上部壁、底部壁、端壁及び前壁を有し、対向した少なくとも1対の前記壁は、ほぼ支持されていない拡大領域を形成するように前記ビームの全長に平行に細長く、前記拡大領域を安定させるために前記全長にほぼ垂直に延びる外部リブを有する、エネルギー吸収体と
    を備えるバンパシステム。
  2. 前記外部リブは、均一形状であるが前記少なくとも1つのクラッシュローブにわたって不均一に間隔をあけて配置されている請求項1に記載のバンパシステム。
  3. 前記外部リブは、不均一形状であるが前記少なくとも1つのクラッシュローブにわたって均一に間隔をあけて配置されている請求項1に記載のバンパシステム。
  4. 前記外部リブには、他の前記外部リブと異なる全長を有する前記外部リブがある請求項1に記載のバンパシステム。
  5. 前記外部リブは、前記少なくとも1つのクラッシュローブの前後寸法の30パーセント〜90パーセントしかない全長を有する請求項1に記載のバンパシステム。
  6. 前記外部リブの前記全長は、前記少なくとも1つのクラッシュローブの前後寸法の40パーセント〜60パーセントに限定される請求項5に記載のバンパシステム。
  7. 前記外部リブは交互に異なった全長を有する請求項1に記載のバンパシステム。
  8. 前記外部リブは第1の間隔寸法を形成し、前記外部リブのうちの外側の外部リブは前記少なくとも1つのクラッシュローブの前記端壁からの第2の間隔寸法を形成し、前記第1の間隔寸法は前記第2の間隔寸法よりも小さい請求項1に記載のバンパシステム。
  9. 前記外部リブは、より浅い部分及びより深い部分を含み、前記外部リブの全長に沿って異なる断面形状を有する請求項1に記載のバンパシステム。
  10. 前記ビームと前記エネルギー吸収体との間に位置付けられる、中間位置の安定化要素を有する請求項1に記載のバンパシステム。
  11. 前記少なくとも1つのクラッシュローブは、異なる形状をもつ複数のクラッシュローブを含み、様々な異なる前壁形状及び様々な異なる端壁形状を有する請求項1に記載のバンパシステム。
  12. 前記エネルギー吸収体は前記少なくとも1つのクラッシュローブを支持する後壁を有し、前記後壁は、前記少なくとも1つのクラッシュローブから鉛直方向及び水平方向に延びて、前記少なくとも1つのクラッシュローブの少なくとも3倍の縦寸法である断面を形成する請求項1に記載のバンパシステム。
  13. 前記少なくとも1つのクラッシュローブの前記端壁の少なくとも1つは圧壊開始部を有する請求項1に記載のバンパシステム。
  14. 前記圧壊開始部は開口部を有する請求項13に記載のバンパシステム。
  15. 前記開口部は不規則な形状である請求項15に記載のバンパシステム。
  16. 前記エネルギー吸収体は、歩行者又は他の非車両のものとの衝突に対する低レベルのエネルギー吸収を有するように設計される請求項1に記載のバンパシステム。
  17. 車両のバンパシステムであって、
    全長を有し、車両のフレームに取り付けるように適合した細長い補強ビームと、
    前記ビームの前部に位置付けられ、くぼみ部を形成する隆起領域を有する安定化要素と、
    前記安定化要素に隣り合い、車両の衝突時に潰れると共にエネルギーを吸収するように構成された少なくとも1つの中空のクラッシュローブを有するエネルギー吸収体であって、前記少なくとも1つのクラッシュローブが相互に接続された上部壁、底部壁、端壁及び前壁を有し、対向した少なくとも1対の前記壁は、ほぼ支持されていない拡大領域を形成するように前記ビームの全長に平行に細長く、前記拡大領域を安定させるために前記全長にほぼ垂直に延びる壁支持リブを有し、前記隆起領域は前記少なくとも1つのクラッシュローブ内に部分的に延びる、エネルギー吸収体と
    を備えるバンパシステム。
  18. 前記安定化要素の前記隆起領域及び前記くぼみ部は、衝突時にエネルギーを吸収するように構成されるクラッシュローブを形成する請求項17に記載のバンパシステム。
  19. 前記リブは、前記クラッシュローブ内に位置する内部リブであり、前記内部リブは前記少なくとも1つのクラッシュローブの前記くぼみ部と位置合わせされ、それにより、衝突中に前記内部リブが、圧壊の効率を最大化するように及び/又は衝突ストロークの後期段階での安定化のために前記くぼみ部内に移動する請求項17に記載のバンパシステム。
  20. 車両のバンパシステムであって、
    全長を有し、車両のフレームに取り付けるように適合した細長い補強ビームと、
    前記補強ビームの前面に位置付けられ、車両の衝突時に潰れると共にエネルギーを吸収するように構成された複数のクラッシュローブを有するエネルギー吸収体であって、前記クラッシュローブがそれぞれ、相互に接続された上部壁、底部壁、端壁及び前壁を有し、対向した少なくとも1対の前記壁は、ほぼ支持されていない拡大領域を形成するように前記ビームの全長に平行に細長く、前記上部壁及び前記底部壁が、前記拡大領域を安定させるために前記全長にほぼ垂直に延びる外部リブを有し、前記端壁は、前記エネルギー吸収体を調整して前記補強ビームの前記全長に沿ってより均一な衝突に対する抵抗をもたらすように、前記端壁の圧壊剛性を低下する圧壊開始開口を有する、エネルギー吸収体と
    を備えるバンパシステム。
  21. 所望のエネルギー吸収特性のために車両のバンパシステムを調整する方法であって、
    ビーム及び前記ビームの前部にあるエネルギー吸収体を有するバンパアセンブリを供給するステップであって、前記エネルギー吸収体が衝突中のエネルギー吸収のために少なくとも1つのクラッシュローブを有する、バンパアセンブリを供給するステップと、
    車両の衝突をシミュレートするように前記バンパアセンブリを衝突させることによって前記バンパアセンブリのエネルギー吸収を試験するステップと、
    前記少なくとも1つのクラッシュローブにある既存の外部リブを変更すること、前記少なくとも1つのクラッシュローブに新しい外部リブを形成すること、及び/又は前記少なくとも1つのクラッシュローブの端壁に圧壊開始開口を形成することのうち1つ、2つ又はすべてを行うことによって前記バンパアセンブリを調整するステップと
    を含む方法。
  22. 前記調整するステップは既存の外部リブを変更することを含む請求項21に記載の方法。
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