JP2015003688A - バンパーアブソーバー - Google Patents

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【課題】最適な衝撃吸収性を付与するための調整が容易なバンパーアブソーバーを提供する【解決手段】本発明の自動車のバンパーシステム内に配置されるバンパーアブソーバー2は、自動車の前後方向に延び、水平に配置されるか、または、水平方向に対して10?以下の角度を有するように前方が後方よりも上方に位置する平板状の下脚2cと、下脚の上方に設けられる平板状の上脚2bであって、前方よりも後方が上方に位置し、前後方向の断面において、該上脚2bの内面2b1と下脚2cの内面2c1とで傾斜角θが形成される、平板状の上脚2bと、下脚2cの前方と上脚2bの前方とをつなぐ側部2dと、を有する。傾斜角θは、20?<θ<45?である。【選択図】図2

Description

本発明は、自動車のバンパーシステム内に配置されるバンパーアブソーバーに関する。
従来から、自動車の車体の前後には、車体の保護や、衝突時の乗員あるいは被衝突物の損傷の抑制を目的としてバンパーシステムが設けられている。特に最近では、対人事故において、歩行者の脚部に対して与える負荷を小さくして、歩行者の傷害値を軽減することができるバンパーシステムの開発が行われている。
バンパーシステムは、通常、バンパーフェイシアと、バンパーリンフォースと、バンパーアブソーバーとから構成されている。
バンパーリンフォースは、車体に取り付けられて、車体を補強、保護するものである。また、バンパーリンフォースは、所定の強度を必要とされるため、金属製で、内部に補強用の仕切壁が形成された中空筒状の構造を有するのが一般的である。
バンパーアブソーバーは、バンパーリンフォースの外側(外面側)に配置されて、衝突事故の際に、歩行者の脚などの被衝突物と、バンパーリンフォースとの間で、変形し、または押し潰されることによって、衝突のエネルギーを吸収し、特に、被衝突物への反力を軽減する働きをする。また、バンパーアブソーバーは、軟質樹脂発泡体、軟質樹脂粒子発泡成形体、あるいは中空樹脂成形体などからなるのが一般的である。
バンパーフェイシアは、バンパーリンフォースおよびバンパーアブソーバーを車体外部から覆い隠し、車体の意匠性を高めると共に、バンパーアブソーバーを外部環境から保護し、バンパーアブソーバーの性能が低下するのを防ぐ働きをする。また、バンパーフェイシアは、合成樹脂などを射出成形するなどして形成されるのが一般的である。
バンパーリンフォースは、バンパーアブソーバーの取付け座、および、バンパーアブソーバーが潰れて衝撃を吸収する際の台座としても機能する。バンパーアブソーバーは、突出形成により成形された取付け用の凸部を、バンパーリンフォースに設けられた開孔に嵌め合わせることによって、バンパーリンフォースに取付け固定されるのが一般的である。しかし、バンパーアブソーバーのバンパーリンフォースへの取付け方法はこれに限られるものではなく、バンパーアブソーバーをバンパーリンフォースとバンパーフェイシアとの間に配置するのみで、特別な固定手段を用いないものも知られている。
また、バンパーアブソーバーの一例が特許文献1に開示されている。特許文献1のバンパーアブソーバーは熱可塑性樹脂を発泡成形することで形成されている。図8に示すように、バンパーアブソーバーである衝撃吸収部材100は、基部101と、この基部101の少なくとも一方の面側に形成され、基部101から垂直方向に突出する複数のリブ102とを有している。このようなリブ102を設けることによって、衝撃吸収部材100の圧縮ひずみが大きくなっても急激な圧縮応力の上昇を抑制可能となる。さらに、リブ102を、基部101側からリブ102の先端側に向かって幅がテーパ状に減少するように形成することによって、衝撃吸収部材100の衝撃吸収性能が高められる。
しかしながら、特許文献1のバンパーアブソーバーでは、リブ102の座屈時の曲げの起点となる位置のバラツキが大きい。特許文献1では、バンパーアブソーバーは先細りの複数のリブ102を等間隔に並列させた構造となっている。このようにリブ102の先端を先細りにすると、先端部側ほど応力が集中するため、衝撃荷重を受けると、リブ102の曲げの起点が、リブ102の中央部よりも先端部側に偏る。すなわち、先細りのリブ102を有するバンパーアブソーバー100では、リブ102の先端付近で座屈が起こりやすい。
このようにリブ102の先端付近で座屈が起こった場合、その座屈に伴う変位ストローク(バンパーアブソーバーの、衝撃荷重の作用方向(リブの突出方向)への潰れ量)が少なくなり、したがって、反力をほぼ一定とすることができる変位ストローク範囲が小さくなる。このことは、バンパーアブソーバーによる衝撃吸収性能を十分に引き出すことができないことを意味する。すなわち、バンパーアブソーバーは、バンパーシステム内の限られたスペースに配置されるために大きさが制限される一方で、最大限の衝撃吸収量が得られるようにするためには、座屈に伴う変位ストロークを最大限に確保することが望まれる。
また、特許文献1のバンパーアブソーバー100では、衝撃荷重を受けたときに、隣接するリブ102同士が接近する方向に曲がって、互いに干渉し合う恐れがある。このように、リブ102同士が干渉し合うと、曲げが抑制されるため、被衝突物への反力が大きくなり、良好な衝撃吸収性が阻害される恐れがある。
上記の課題を解決するバンパーアブソーバーが特許文献2に開示されている。図9に示すように、このバンパーアブソーバー200は、車体の前後方向に延びる上脚200bおよび下脚200cを有し、上脚200bと下脚200cとは車体前方側で架橋部200dを介してつながっている。つまり、上脚200bと下脚200cは、架橋部200dから突出するリブとなっている。また、バンパーアブソーバー200の車体前後方向の断面は略V形状をしている。上脚200bと下脚200cには、衝撃荷重を受けた時に起こる座屈の起点となる座屈誘起部200fが設けられている。座屈誘起部200fは、上脚200bと下脚200cとが対向する面(内側面)の傾斜角度が変化する角度変移部として形成されている。
特許文献2に記載のバンパーアブソーバー200では、座屈誘起部200fが上脚200bと下脚200cとに設けられているため、上脚200bと下脚200cの座屈位置のバラツキを抑制してバンパーアブソーバー200の衝撃吸収性能を高めることができる。
また、バンパーアブソーバー200の車体前後方向の断面は略V形状をしているため、衝撃荷重を受けた時に上脚200bと下脚200cとが干渉し合うことが防止される。
特開2003−341449号公報 特開2008−213577号公報
バンパーアブソーバーは各種自動車に搭載されるため、各種自動車に対応するように調整される。バンパーアブソーバーが最適な衝撃吸収性を発揮するためには、応答荷重−変位ストローク曲線において、(a)被衝突物への反力である応答荷重値が一定である領域をできるだけ長い変位ストローク範囲にわたって形成し、(b)応答荷重値が一定である領域での応答荷重値を各種自動車の要求に対応する値にする、という条件を満たす必要がある。
しかしながら、特許文献2のバンパーアブソーバーでは、各種自動車に対応するように調整するためには、各々の脚部200b、200cの厚み、座屈誘発部200fの位置、角度といった、互いに相関性のある多くのパラメータを適宜最適な値へと変更する必要があり、多くの手間、工数が費やされる。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、最適な衝撃吸収性を付与するための調整が容易なバンパーアブソーバーを提供することを目的とする。
本発明の自動車のバンパーシステム内に配置されるバンパーアブソーバーは、自動車の前後方向に延び、水平に配置されるか、または、水平方向に対して10°以下の角度を有するように前方が後方よりも上方に位置する平板状の下脚と、下脚の上方に設けられる平板状の上脚であって、前方よりも後方が上方に位置し、前後方向の断面において、該上脚の内面と下脚の内面とで傾斜角θが形成される、平板状の上脚と、下脚の前方と上脚の前方とをつなぐ側部と、を有する。傾斜角θは、20°<θ<45°である。
本発明のバンパーアブソーバーによれば、少ない調整で、各種自動車に対応した最適な衝撃吸収性を有することができる。
本発明のバンパーアブソーバーを適用したバンパーシステムを示す分解斜視図である。 自動車の前後方向に沿ったバンパーアブソーバーの断面の概略図である。 傾斜角のみを変化させたときの応答荷重−変位ストローク曲線である。 下脚の高さのみを変化させたときの応答荷重−変位ストローク曲線である。 上脚の高さのみを変化さえたときの応答荷重−変位ストローク曲線である。 本発明のバンパーアブソーバーの、衝撃試験における変形の様子を示す写真である。 本発明のバンパーアブソーバーの他の実施例を示す概略構成図である。 関連技術の一例のバンパーアブソーバーの概略斜視図である。 関連技術の他の一例のバンパーアブソーバーの概略斜視図である。
以下に、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態の詳細について説明する。なお、同一の機能を有する構成には添付図面中、同一の番号を付与し、その説明を省略することがある。
本発明のバンパーアブソーバーを適用したバンパーシステムの一実施形態を説明する。図1は、本発明のバンパーアブソーバーを適用したバンパーシステムを示す分解斜視図である。図2は、自動車の前後方向に沿ったバンパーアブソーバーの断面の概略図である。本発明のバンパーアブソーバーは、自動車の後部に設けられるバンパーシステムにも適用可能なものであるが、説明を簡潔にするため、以下では、自動車の前部のバンパーアブソーバーを例にとって説明する。
バンパーシステム10は、自動車の車体に取り付けられたバンパーリンフォース1と、バンパーリンフォース1の前面(外面)に当接するように配置されたバンパーアブソーバー2と、これらを覆うバンパーフェイシア3を有している。
バンパーリンフォース1は、鋼製で、車幅方向に水平に延び、ほぼ直方体の外形の中空筒状の構造を有している。バンパーリンフォース1の中空内部には、補強用の仕切壁1aが設けられている。バンパーリンフォース1の構造はこれに限られるものではないが、このような構造とすることによって、比較的軽量としながら、所要の強度を持たせることができる。それによって、車体重量の増加を最低限に抑えながら、車体を補強、保護することができる。
バンパーアブソーバー2は、衝撃吸収性に優れた素材から形成される。このような素材としては、いわゆるビーズ発泡体やブロー成形体などが好適である。ビーズ発泡体は、熱可塑性樹脂からなる発泡性の樹脂粒子を、所望の形状となるよう成形型のキャビティ内で発泡させて、隣接する樹脂粒子間で融着させて一体化することによって形成される。熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリスチレン/ポリエチレン共重合体などが適している。ブロー成形体は、溶融樹脂を中空シート状に押出し、内部にエアを吹き込みながら中空成形品とすることによって形成される。
バンパーリンフォース1は、バンパーアブソーバー2の取付け座、および、バンパーアブソーバー2が潰れて衝撃を吸収する際の台座としても機能する。バンパーアブソーバー2の、バンパーリンフォース1に対向する面に形成された係合突起(不図示)をバンパーリンフォース1の前面に形成された係合孔(不図示)に係合させることで、バンパーアブソーバー2をバンパーリンフォース1に容易に固定することができる。しかしながら、バンパーアブソーバー2の、バンパーリンフォース1への取付け方法はこれに限定されない。
バンパーフェイシア3は、自動車の外部から見て、バンパーリンフォース1とバンパーアブソーバー2を覆い隠している。それによって、バンパーフェイシア3は、バンパーシステム10に、自動車の前方の構成部材として好ましい意匠性を付与する働きをしている。また、バンパーフェイシア3は、バンパーアブソーバー2を外部環境から保護する機能も有している。
バンパーフェイシア3は、衝撃荷重を受けた場合は、比較的小さな荷重で変形または破断することが好ましい。それによって、衝撃荷重がバンパーアブソーバー2に容易に伝達されるようにし、バンパーアブソーバー2の衝撃吸収機能がバンパーフェイシア3によって阻害されるのを抑制することができる。このため、バンパーフェイシア3としては、合成樹脂をプレス成形または射出成形などして形成された薄肉の成形体が好適に用いられる。
次に、本発明のバンパーアブソーバー2の構造について、より詳細に説明する。バンパーアブソーバー2は、自動車の幅方向に延びて、自動車の幅に近い長さを有している。また、バンパーアブソーバー2の、自動車の前後方向に沿った断面形状は、自動車の車幅方向におよそ均一であり、通常、全体が一体的に成形される。
本発明のバンパーアブソーバー2は、自動車の前後方向の断面において、自動車の前後方向に対して水平な平板状である一方(下側)の下脚2cと、下脚2cの上方に位置し、前方が後方よりも下に位置し、前後方向の断面において、下脚2cの内面2c1と傾斜角θを形成する内面2b1を有する他方(上側)の上脚2bと、上脚2bと下脚2cを自動車前方方向で繋ぐとともにバンパーフェイシア3に対向する面を有する側部2dと、を有する。なお、本実施形態では傾斜角θ=30°である。また、下脚2cと上脚2bとが対向する面同士は直接的にはつながっていない。側部2dの前面は、衝突事故の際に、被衝突物からの衝撃を受け止める衝突面として機能する。
本発明のバンパーアブソーバー2では、側部2dによって受け止められた衝撃荷重が、下脚2cおよび上脚2bに伝達される。そして、下脚2cは、前後方向に荷重が加わって押し潰され座屈する。一方、上脚2bは、傾斜角θが大きくなるように開くように変形を起こして荷重を受け止める役割を果たす。このようなプロセスでは、被衝突物への反力、すなわち応答荷重は、図3に示す、傾斜角θを変化させたときの応答荷重−変位ストローク曲線において、実線で示すように推移する。変位ストロークが小さい初期の間(図3では変位ストロークが0mm〜20mmの間)は、主としてバンパーアブソーバー2が弾性的な圧縮変形をしており、応答荷重が変位ストロークにほぼ比例するように増加する。その後、さらに変位ストロークが大きくなると、下脚2cが座屈し、かつ上脚2bが開き変形するので、応答荷重値がほぼ一定となる。さらに変位ストロークが大きくなると、応答荷重値が急激に大きくなっており、これはバンパーアブソーバー2によるエネルギー吸収の限界に相当している。
ここで、本発明のバンパーアブソーバー2は、傾斜角θが20°<θ<45°であることを好適とする。これは、図3の応答荷重−変位ストローク曲線に示すように、傾斜角θを20°<θ<45°の範囲とすることによって、変位ストロークが20mm〜60mmの間に、応答荷重値が一定の領域を形成することができる。一方、傾斜角θが20°以下の場合には応答荷重が右肩上がりとなり、傾斜角θが45°以上の場合は右肩下がりとなり、いずれも応答荷重値が一定の領域を形成することができない。
また、本実施形態のバンパーアブソーバー2では、自動車の前方から衝撃荷重が加わると、下脚2cは、自動車の前後方向に押し潰され座屈し、一方、上脚2bは、傾斜角θが大きくなるように開き変形を起こすため、上脚2bと下脚2cが干渉し合って応答荷重が不安定になるのを抑制し、優れた衝撃吸収特性を安定して得られるようにすることができる。
上述のように構成された本発明のバンパーアブソーバー2によって、歩行者の脚部などの被衝突物に加わる力が過大にならないようにしながら、衝突のエネルギーをバンパーアブソーバー2によって吸収することができる。すなわち、被衝突物へのダメージを抑制できる優れた衝撃吸収特性を得ることができる。
以下、本発明のバンパーアブソーバー2の好ましい実施例について、図2を用いて説明する。バンパーアブソーバー2の外形の高さ(自動車の高さ方向の長さ)H1、厚み(自動車の前後方向の長さ)L1は搭載される自動車に合わせて適宜設定されるが、本実施例では、H1=100mm、L1=80mmである。そして、上述したように、傾斜角θは20°<θ<45°であることが好適であるため、本実施例では傾斜角θ=30°である。なお、本実施例では、バンパーアブソーバー2はポリプロピレン樹脂発泡粒子を発泡倍率20倍で発泡成形することで成形されている。
側部2dの厚み(自動車の前後方向の長さ)L2は、バンパーアブソーバー2の厚みL1の10%〜30%の範囲にあることが好ましく、本実施例では、L2=15mmである。側部2dの厚みL2が10%以上であれば、応答荷重−変異ストローク曲線において衝突初期の立ち上がりが早くなり、30%以下であれば、歩行者脚部などの被衝突物への反力が過大になるのを抑制できる。
下脚2cの高さ(自動車の高さ方向の長さ)H2は、実質脚厚み(L1−L2)の24%〜38%であることが好ましく、本実施例では、H2=20mmとされている。図4に示すように、下脚2cの高さH2が24%以下の場合、座屈に伴って下脚2cが割れるなどして、応答荷重−変異ストローク曲線における応答荷重の波形が右肩下がりとなる。一方、下脚2cの高さH2が38%以上の場合、圧縮変形による応答荷重の上昇が過大となって、応答荷重−変異ストローク曲線における応答荷重の波形が右肩上がりとなる。そのため、どちらの場合も、応答荷重−変異ストローク曲線において応答荷重値が一定の領域が形成されない、つまり衝撃吸収性能が悪化する。よって本発明においては、下脚2cの高さH2を調整することで、応答荷重−変異ストローク曲線において応答荷重値が一定の領域を形成することができるため、長い変位ストローク範囲にわたって応答荷重値を所定の値で一定とするための調整を容易に行うことができる。
上脚2bの高さ(自動車の高さ方向の長さ)H3は、本実施例ではH3=20mmであるが、図5に示すように、上脚2bの高さH3を増加させると、応答荷重−変異ストローク曲線において応答荷重が一定の領域における応答荷重値を増減させることができる。よって本発明においては、上脚2bの高さH3を調整することで応答荷重−変異ストローク曲線において応答荷重値が一定の領域での応答荷重値を各自動車の要求に合わせて容易に調整が可能となる。
以上の通り、H1、L1、L2、H2、H3の値が決定されると、図2に示す残りの値H4(側部2dの高さ)、H5(下脚2cと上脚2bの間隔)は自動的に定められる。したがって、本発明のバンパーアブソーバー2は、応答荷重−変位ストローク曲線において長い変位ストローク範囲で応答荷重値が一定の領域を形成でき、さらに、その領域での応答荷重値を要求される応答荷重値に調整することを容易に行える。そのため、特許文献1、2など関連技術のバンパーアブソーバーに比べ、外形形状を決定するまでの手間、工数を大幅に削減することが可能となる。
図6は、本発明のバンパーアブソーバー2の、衝撃試験における変形の様子を示す写真であって、(a)は衝撃子の衝突前、(b)は衝撃子の衝突途中の様子である。
図3、4、5で示した応答荷重−変位ストローク曲線を測定するため、以下のような条件でバンパーアブソーバー単体での衝撃試験を行なった。各バンパーアブソーバーを図6(a)に示すように、直方体形状の受具に、上脚と下脚の先端を当接させて取付けた。そして、衝撃子を、バンパーアブソーバーの側部の側から、衝撃子の軸線がバンパーアブソーバーの長手方向に対して90°の向きとなる姿勢で、約20km/hの速度で衝突させた。衝撃子としては、鋼材製のφ75円柱、重量22.3kgのものを用いた。
図6(b)に示すように、本発明のバンパーアブソーバー2は、側部2dによって受け止められた衝撃荷重が、下脚2cおよび上脚2bに伝達され、下脚2cは、前後方向に荷重が加わって押し潰されていく。一方、上脚2bは、傾斜角θが大きくなるように開き変形を起こしている様子が分かる。
以上説明したバンパーアブソーバー2の構成は、本発明を例示するものであり、本発明の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、図7に示すように、上脚2bの先端(自動車後方)に座面2eを形成するなどしてもよく、この場合にはバンパーリンフォース1への取付け及び固定が容易となる。
また、下脚2cは、自動車の前後方向に対して水平な平板状であったが、成形型の抜き角の都合上、自動車の前後方向で前方が傾斜角δでわずかながら上方に傾斜していてもよいが、その傾斜角αは10°以下とすることが好ましい。
また、側部2dの内面2fは、上述の実施形態のように上脚2bと下脚2cの根元を間接的に繋ぐ形状に限定されず、図7に示すように、上脚2bの内面2b1と下脚2cの内面2c1が直接的に繋がる湾曲形状とされてもよい。ただし、その場合、自動車の前後方向の断面において、上脚2bの内面2b1と下脚2cの内面2c1を延長して交差する交点2gが、側部2dの外面よりも外側に位置し、その交差する角度である傾斜角θ’が、20°<θ’<45°となるようすることが好適である。
さらに、上記の実施形態及び実施例の説明では、上脚2bが下脚2cに対して上方に傾斜していたが、この構成を逆にし、上脚2bを水平にし、下脚2cを上脚2bに対して傾斜するような構成にしてもよい。但し、対人事故における衝突時に歩行者の脚部を上方に払いやすくするため、上脚2bが下脚2cに対して上方に傾斜する構成のほうが好ましい。
なお、上述の説明は自動車に取付けるバンパーシステムで説明したが、バンパーシステムが取付けられるのは自動車に限定されるものではない。
2 バンパーアブソーバー
2b 上脚
2c 下脚
2d 側部
10 バンパーシステム

Claims (6)

  1. 自動車のバンパーシステム内に配置されるバンパーアブソーバーであって、
    自動車の前後方向に延び、水平に配置されるか、または、水平方向に対して10°以下の角度を有するように前方が後方よりも上方に位置する平板状の下脚と、
    前記下脚の上方に設けられる平板状の上脚であって、前方よりも後方が上方に位置し、前後方向の断面において、該上脚の内面と前記下脚の内面とで傾斜角θが形成される、平板状の上脚と、
    前記下脚の前方と前記上脚の前方とをつなぐ側部と、
    を有し、
    前記傾斜角θは、20°<θ<45°である、バンパーアブソーバー。
  2. 前記側部の、自動車の前後方向の長さは、前記バンパーアブソーバーの、自動車の前後方向の長さの10〜30%である、請求項1に記載のバンパーアブソーバー。
  3. 前記下脚の、自動車の高さ方向の長さは、前記バンパーアブソーバーの、自動車の前後方向の長さから前記側部の自動車の前後方向の長さを引いた実質脚厚みの24〜38%である、請求項1または2に記載のバンパーアブソーバー。
  4. 前記下脚の内面と前記上脚の内面とが直接的につながっており、前後方向の断面において、前記下脚の内面の延長線と前記上脚の内面の延長線との交点が前記側部よりも自動車の前後方向で前方に位置する、請求項1から3のいずれか1項に記載のバンパーアブソーバー。
  5. 前記側部に衝撃が加わった時に、前記下脚が押し潰され、前記上脚が前記下脚から離れるように変形する、請求項1から4のいずれか1項に記載のバンパーアブソーバー。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のバンパーアブソーバーの製造方法であって、
    応答荷重−変異ストローク曲線において応答荷重値が一定の領域を形成するために、前記下脚の、自動車の高さ方向の長さを変化させ、
    前記応答荷重値が一定の領域での前記応答荷重値を所定の値に増減させるために前記上脚の、自動車の高さ方向の長さを変化させる、バンパーアブソーバーの製造方法。
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