JP2011512223A - 超音波を使用して毛髪を処理するための装置 - Google Patents
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Abstract
ジョイント(4)を介して互いに接続されると共に旋回する2つのクランプ(2、3)を有する、超音波を使用して毛髪を処理するための装置(1)を用いた場合、振動体(5)がクランプ(3)の内側(6)に配置される。振動体(5)は、クランプが閉じられたときにクランプ(2、3)の間に締め付けられる毛髪の束(7)が、振動体(5)と接触するか、又は振動体(5)に触れるように位置付けられる。超音波発生器(8)及び共振体(9)は、互いに接続され、超音波周波数を振動体(5)に発生させる。超音波振動が毛髪の束(7)に伝達され、製品(27)が毛髪内により良好に分配されるばかりではなく、また、毛髪上に製品のより急速な反応が発生するように、振動体(5)を熱発生器として更に設計することが示唆される。これは、振動体(5)の振動の方向(11)が、振動体(5)を有するクランプ(3)が延在する方向(12)と同一であるが故に達成される。
Description
本願の主題は、サロン業界、及びその中で超音波を使用して毛髪を処理するための装置に関する。
超音波は、液体の手動式の分配、例えば櫛の使用と比較して、毛髪内への液体の供給を改善するために、毛髪を処理するのに使用される。この装置により発生される超音波は、毛髪の束の濡れを改善するのみならず、個々の毛髪と液体との接触を改善する。
欧州特許出願公開第1728450号明細書には、超音波を使用して毛髪を処理するための装置が開示されている。この装置は、ジョイント及びスイベルを介して互いに接続された2つのクランプと、一方のクランプの内側の振動体とを有する。振動体は、クランプが閉じられるときにクランプの間に締め付けられる毛髪の束を、振動体と接触させるように配置される。超音波発生器及び共振体は、超音波を発生させるのに使用される。超音波振動を振動体に伝達するために、超音波発生器が、共振体を介して振動体に接続される。
既知の装置は、処理されるべき毛髪又は毛髪上に付着されるべき液体のいずれも加熱せず、それにより、処理時間が比較的長いという欠点がある。
したがって、本目的は、直接的に、及びそれ故に効果的に毛髪を加熱すると共に、毛髪を処理するために液体が使用される場合、その液体もまた加熱する容易及び経済的な方法で、加熱装置を収容し得るように、請求項1に記載のプリアンブルによる装置を設計することであった。
本目的は、請求項1の特徴部分によって達成される。それに従い、振動体の振動の方向は、振動体を有するクランプ又はクランプの一部が延在する方向と同一に進むように設定される。
示唆された装置は、超音波振動を振動体のクランプの方向に整合することにより、加熱装置の機能が得られるという利点を有する。この技術的解決策は、既知の従来技術とは異なり、追加の構成要素を必要としないので、容易及び経済的である。その一方、既知の振動体を用いた場合、超音波振動が、振動体を収容するクランプの一部の整合に対して直角に進み、その結果、クランプの間に締め付けられる毛髪の束に加熱が発生しないのに対して、示唆された振動の方向は、毛髪の束、並びに毛髪の束を濡らすための液体が加熱される程度まで、振動体と毛髪の束との間に摩擦を発生させる。したがって、この装置は、例えば、熱を適用することでパーマネントウェーブ液に毛髪内でのより急速な効果を与え、次に、毛髪をより急速に変形可能にし、その間に又はその後に、超音波を使用して毛髪を滑らかにするために使用することができる。したがって、他の方法において必要とされる、毛髪を潜在的に傷める恐れのある比較的高温の平らなアイロンを、省略することができる。示唆された装置は、(平らなアイロンの場合のように)毛髪を傷める200℃まで加熱せず、それでも尚、パーマネントウェーブ液を使用するときに化学反応(イオウ結合の破壊)を著しく加速する熱を発生させる。
示唆された装置の有利な実施形態が、請求項2〜11に記載されている。
請求項2の記載に従って、超音波発生器、共振体、及び振動体が、クランプの方向に順々に一列に並んで配置されるとき、熱及び超音波を発生させるためのユニットの特に効果的及びコンパクトな設計が達成される。
クランプの方向又はクランプが延在する方向とは、クランプが整合するか、又はほぼ整合する方向を意味するものと解される。この場合、クランプにおける折れ又は屈曲は、クランプが一方向にほぼ整合するという仮説を裏付けるのに十分な程である。語句「クランプの一部」とは、クランプの、振動体が位置付けられる部分を意味するものと解される。この方法では、この部分は、クランプの整合と一致する方向(x方向)に、又はこれに対して垂直な方向(y又はz方向)に振動することができる。唯一重要なのは、摩擦を利用して毛髪の束を加熱するために、この方向が、締め付けられる毛髪の束に対して横断方向であることである。既知の従来技術を用いた場合、超音波振動が、常に毛髪に向かって、及び毛髪から離れて適用され、即ち、毛髪に対して垂直方向に実施され(これは、毛髪がいわば超音波周波数により圧縮及び解放されることを意味する)、それにより、毛髪は超音波により加熱されることがない。
一方の側の共振体及び振動体と、もう一方の側のクランプとの間に隙間が設けられる場合、これらの振動構成要素とクランプハウジング構成要素との間に接触が存在せず(請求項3)、その結果、クランプ自体が超音波により加熱されるのを防ぐ。これにより、クランプに対するあらゆる損傷、特に、クランプを構成するプラスチックの溶解が防止される。
請求項4に従い(装置を閉じた状態で)、それぞれのクランプ上で振動体に関して互いに反対側となるそれぞれで接触面が形成され、閉じたクランプが該接触面上で互いに重なり合う場合、毛髪の束は、装置内に確実に締め付けられ得る。
請求項5に従い、振動体を有するクランプに対して旋回するクランプが、クランプが閉じられたときに振動体と接触しないように、旋回されたクランプに凹部が設けられる場合、旋回されたクランプはまた、超音波によって生じる直接的な加熱から保護される。
振動体の比較的狭い処理面、及びそれ故に、特定位置の(location-specific)より強力な有効面は、振動体が丸い横断面を有する、好ましくは円筒の形状で設計されるときに達成され、及び、接触面は、振動体の最も高い領域より下方に位置付けられる(請求項6)。加えて、その際、接触面が振動体に対して斜めに及び接線方向に整合するとき、毛髪の束において一定の幅の処理面が達成される(請求項7)。
装置が閉じたときに超音波のスイッチを自動的に入れるための、及び装置が開いたときにスイッチを切るための、容易及び信頼性のある技術は、請求項8に従い、ジョイントが、ジョイント本体の軸の周りで回転するリングを有するとともに、カムが該リングに設けられるときに達成される。この方法では、リングは、可動なクランプに剛直に接続され、カムは、クランプが閉じたときにスイッチを活性化するように設計され、及び該スイッチは、カムがスイッチを作動させている間、電流を供給線から超音波発生器に供給する。特に好ましい実施形態では、装置の操作のためにその一定の閉鎖角を予め選択し得るように、カムをリングに沿って変位し得るか、又はスイッチの高さを調整し得る。コンパクトな設計において、スイッチは、プリント回路基板と接続することができ、このプリント回路基板が、少なくとも1つの線を介して超音波発生器に接続される(請求項9)。次に、超音波発生器用の電気及び電子的構成要素が、スイッチと共に、1つのアセンブリに組み立てられ得る。
請求項2に従い、クランプの間にクランプを開放位置に維持するためのバネが設けられる場合、装置は、クランプを共に押し付けることにより、バネの力に逆らって操作することができ、その後、クランプはそれらの元の位置に戻る。
毛髪を滑らかにするために装置を使用する前に、最初に毛髪をパーマネントウェーブ液で浸潤する。一定の暴露期間の後、毛髪を水ですすぐ。次に、毛髪の束を分離させ、装置の振動体上に配置する。クランプを共に押し付けることにより、振動体は、スイッチが入り、毛髪の束に対して接線方向に旋回する。共に押し付けられるとき、装置は、毛髪の束に沿って引っ張られ、毛髪は、接触面を介して振動体に押し当てられ、それらの長手方向に締め付けられる。その際、超音波振動が毛髪に伝達される。パーマネントウェーブ液で浸潤した毛髪は、発生する摩擦により大幅に加熱され、それにより、パーマネントウェーブ液の化学反応が著しく加速する。これにより、毛髪内のイオウ結合がより急速に破壊される。加えて、イオウ結合は、音波による機械的応力を受け、より容易に破壊される。その上、超音波の使用によりパーマネントウェーブ液が更に移動し、それにより、毛髪内へのその浸透が改善される。この作用、特に毛髪内に発生した熱は、より穏やかな方法で、パーマネントウェーブ液の濃度を低減し得ること、及び、毛髪を変形し得ること、すなわち、例えば滑らかにし得ることを確実にする。
請求項11に従い、振動体がリザーバを備えた容器として設計され、リザーバが、振動体を保持するクランプの内側に向かって製品を分配するための、少なくとも1つの通路を有し、毛髪処理用剤が製品として供給される場合、毛髪の処理に適した液体は、経済的な方法で、毛髪変形の箇所に直接的に適用され得る。次に、操作中に、超音波により支持された装置は、製品を振動体から束の加熱及び処理された箇所に直接的に分配する。
示唆された装置は、2つの代表的な実施形態を示す図を用いて、以下により詳細に説明される。次のものが図示されている。
閉鎖状態における、超音波を使用して毛髪を処理するためのクランプ状装置の側面図。
開放状態における、図1による装置の部分垂直切欠き側面図。
超音波を提供する振動体を横断して毛髪の束が配置される、図1及び2による装置の下方クランプの一部の平面図。
閉じた装置における、図3の毛髪の束の図1のA−Aに沿った断面図。
毛髪処理用製品を分配するための通路を備えた容器として設計される、振動体の側面図。
超音波を使用して毛髪を処理するための装置1において、2つのクランプ2、3は、ジョイント4及びスイベルを介して互いに接続される(図1及び2)。振動体5は、クランプ3の内側6に配置され、それにより、クランプが閉じられたときに2つのクランプ2、3の間に締め付けられる毛髪の束7は、振動体5と接触するか、振動体5に触れるようになる(図3及び4)。超音波発生器8及び共振体9は、能動側クランプ3に設置され、振動体5は、接続部10を介して共振体9線に接続される。振動体5の振動の方向11は、振動体5を有するクランプ3が延在する方向12と同一である。超音波発生器8、共振体9、及び振動体5は、クランプ3の方向12に、互いの下に一列に並んで配置される。これらの振動構成要素と該構成要素を保持するクランプ3との間に接触が存在しないように、一方の側の共振体9及び振動体5と、もう一方の側のクランプ3との間に、隙間13が設けられる。これにより、能動側クランプ3のプラスチックが過度に加熱するのを防ぐ。
振動体5に関して互いに反対側となるそれぞれで形成された接触面14が、クランプ3の方向12に延在しており、クランプ2、3は、接触面14上で互いに重なり合い、その際、毛髪の束7を適所に維持する。振動体5を有するクランプ3に対して旋回し得る受動側クランプ2に、凹部15が設けられ、これは、クランプ2、3が閉じられたときにこのクランプ2が振動体5と全く接触せず、及び、このクランプ2が過度に加熱されないことを意味する。
振動体5は、丸い横断面を有し、円筒の形状で設計される。接触面14は、振動体5の最も高い領域16より下方に位置付けられる。接触面14は、締め付けられる毛髪の束7が、振動体16に関して互いに反対側となるそれぞれから上部領域16まで接線方向に導かれるように、斜めに配置される(図4)。次に、装置1が、閉じた状態で毛髪の束7に沿って引っ張られ、パーマネントウェーブ液で浸潤された変形された毛髪は、毛髪の束7の移動に対して横断方向に振動している振動体5の摩擦により、加熱され滑らかにされる。
先に手動で加えられた閉鎖力を解除することにより、クランプ2、3の間にあるバネ22は、装置1の開放を確実にする(図2)。ジョイント4は、ジョイント本体18の軸17の周りで回転するリング19を有し、カム20がリング19上に設けられる。リング19は、受動側クランプ2に剛直に接続される。カム20は、クランプ2、3が閉じられたときにスイッチ21を作動させるように設計され、このスイッチ21は、カム20がスイッチ21を作動させている間、供給線24から超音波発生器8に電流を供給する。したがって、手動で加えられた閉鎖圧が解除された後、装置1は、自動的にスイッチが切れる。スイッチ21は、プリント回路基板23に、及び、追加の線24を介して超音波発生器8に接続される。
装置1の使用前に毛髪の束7を濡らすことを必要とする代わりに、振動体5により超音波を適用する間に、毛髪を濡らすこともできる。そのために、振動体5は、リザーバ25を備えた容器として設計される(図5)。リザーバ25は、振動体5を保持しているクランプ3の内側6に向けて、製品を分配するための通路26の列を有する。リザーバ25内には、パーマネントウェーブ剤が、製品27として収容される。これは濡れた毛髪内に少量で分布し得るように、比較的高い濃度を有する。改善された均一な製品の流動のために、製品27は、リザーバ25内で吸収性材料内に保持され、吸収性材料から分配され得る。
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうしたそれぞれの寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
1 装置
2、3 クランプ
4 ジョイント
5 振動体
6 内側
7 毛髪の束
8 超音波発生器
9 共振体
10 接続部
11 振動の方向
12 クランプ3の方向
13 隙間
14 接触面
15 凹部
16 振動体の領域
17 軸
18 ジョイント本体
19 リング
20 カム
21 スイッチ
22 バネ
23 プリント回路基板
24 線
25 リザーバ
26 通路
27 製品
2、3 クランプ
4 ジョイント
5 振動体
6 内側
7 毛髪の束
8 超音波発生器
9 共振体
10 接続部
11 振動の方向
12 クランプ3の方向
13 隙間
14 接触面
15 凹部
16 振動体の領域
17 軸
18 ジョイント本体
19 リング
20 カム
21 スイッチ
22 バネ
23 プリント回路基板
24 線
25 リザーバ
26 通路
27 製品
Claims (11)
- ジョイント(4)を介して互いに接続されるとともに旋回する2つのクランプ(2、3)と、クランプ(3)の内側(6)にある振動体(5)とを備えた、超音波を使用して毛髪を処理するための装置(1)であって、該振動体は、該クランプ(2、3)が閉じられるときに該クランプ(2、3)の間に締め付けられる毛髪の束(7)が、超音波発生器(8)及び共振体(9)を備えた該振動体(5)と接触するか、又は該振動体(5)に触れるように構成され、該振動体(5)は、接続部(10)を介して該共振体(9)に接続され、該振動体(5)の振動の方向(11)は、該振動体(5)を有する該クランプ(3)又は該クランプ(3)の一部が延在する方向(12)と同一であることを特徴とする、装置。
- 前記超音波発生器(8)、前記共振体(9)、及び前記振動体(5)が、前記クランプ(3)の前記方向(12)に、順々に一列に並んで配置されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
- 一方の側の前記共振体(9)及び前記振動体(5)と、もう一方の側の前記クランプ(3)との間に隙間(13)が設けられ、これは、これらの振動構成要素と該構成要素を収容する該クランプ(3)との間に接触が存在しないことを意味することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の装置。
- 接触面(14)が、前記振動体(5)に関して互いに反対側となるそれぞれで前記クランプ(2、3)上に形成され、閉じた前記クランプ(2、3)は、該接触面(14)上で互いに重なり合うことを特徴とする、請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の装置。
- 前記振動体(5)を有する前記クランプ(3)に対して旋回する凹部(15)がクランプ(2)に設けられ、これは、該クランプ(2、3)が閉じたときに、該クランプ(2)が該振動体(5)と接触しないことを意味することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
- 前記振動体(5)が、丸い横断面を有し、好ましくは円筒の形状で設計されること、及び、前記接触面(14)が、前記振動体(5)の最も高い領域(16)より下方に位置付けられることを特徴とする、請求項4及び請求項5に記載の装置。
- 前記接触面(14)が、前記振動体(5)に対して斜めに及び接線方向に整合することを特徴とする、請求項6に記載の装置。
- 前記ジョイント(4)が、ジョイント本体(18)の軸(17)の周りで回転するリング(19)を有し、カム(20)がこのリング(19)に設けられること、該リング(19)が、前記可動なクランプ(2)に剛直に接続されること、該クランプ(2、3)が閉じられるときに、該カム(20)がスイッチ(21)を作動させるように設計されること、及び、該カム(20)が該スイッチ(21)を作動させている間、このスイッチ(21)が、電流を供給線(22)から前記超音波発生器(8)に供給することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
- 前記スイッチ(22)が、プリント回路基板(23)に接続され、該プリント回路基板(23)が、少なくとも1つの線(24)を介して前記超音波発生器(8)に接続されることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
- 前記クランプ(2、3)を開放位置に維持するために、バネ(25)が該クランプ(2、3)の間に設けられることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置。
- 前記振動体(5)が、リザーバ(25)を備えた容器として設計されること、該リザーバ(25)が、該振動体(5)を保持する前記クランプ(3)の前記内側(6)に製品を分配するための少なくとも1つの通路(26)を有すること、及び、毛髪処理用剤、特に、パーマネントウェーブ剤が製品(27)として供給されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置。
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