JP2011250746A - ビソクラミス属に属する菌類の検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド対からなる群より選ばれる少なくとも1種のオリゴヌクレオチド対を用いてビソクラミス属に属する菌類の種レベルでの同定を行う工程を含む、ビソクラミス属に属する菌類の検出方法。ビソクラミス属に属する菌類がビソクラミスファルバ(Byssochlamysfulva)、ビソクラミスニベア(Byssochlamysnivea)、ビソクラミスラガンクラリエ(Byssochlamyslagunculariae)及びビソクラミスゾレルニア(Byssochlamyszollernia)等のビソクラミス(Byssochlamys)属に属する耐熱性菌類。
【選択図】なし
Description
加熱殺菌処理後の飲食品からも検出されることがある汚染事故の原因菌の主な耐熱性菌類の1つとして、ビソクラミス ファルバ(Byssochlamys fulva)、ビソクラミス ニベア(Byssochlamys nivea)、ビソクラミス ラガンクラリエ(Byssochlamys lagunculariae)及びビソクラミス ゾレルニア(Byssochlamys zollernia)等のビソクラミス(Byssochlamys)属に属する耐熱性菌類が知られている。飲食品及びこれらの原材料中の耐熱性菌類による事故防止のためには、ビソクラミス属に属する耐熱性菌類の検出が重要である。また、ビソクラミス属の菌種は他のカビよりも酸素要求性が低く、飲料などの低酸素分圧下でも増殖が可能であり、さらにはペクチン分解酵素を合成して食品の物性変化を引き起こす。このため、ビソクラミス属の菌種は食品業界で重要危害菌として警戒されている。
そのため、迅速かつ信頼性の高いビソクラミス属に属する耐熱性菌類の検出が求められる飲食品の衛生管理の現場においては、ビソクラミス属に属する菌類を迅速に種レベルで検出することが求められている。さらには、ビソクラミス属に属する菌類は菌種によってカビ毒の生産能に差があり、例えば、真菌によって産生されるカビ毒の一種であるパツリンはビソクラミス ニベアのみが生産することが知られている(非特許文献1等参照)。このため、ビソクラミス属に属する菌類の種レベルでの同定が必要となる。
(a)配列番号1に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号1に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(b)配列番号2に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号2に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(c)配列番号3に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号3に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(d)配列番号4に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号4に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(e)配列番号5に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号5に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(f)配列番号6に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号6に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(g)配列番号7に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号7に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(h)配列番号8に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号8に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(i)配列番号9に記載のβ−チューブリン遺伝子の部分塩基配列又はその相補配列
(j)配列番号9に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換、挿入又は付加されておりかつビソクラミス ファルバ(Byssochlamys fulva)の検出に使用できる塩基配列、又はその相補配列
(k)配列番号10に記載のβ−チューブリン遺伝子の部分塩基配列又はその相補配列
(l)配列番号10に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換、挿入又は付加されておりかつビソクラミス ニベア(Byssochlamys nivea)の検出に使用できる塩基配列、又はその相補配列
(m)配列番号11に記載のβ−チューブリン遺伝子の部分塩基配列又はその相補配列
(n)配列番号11に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換、挿入又は付加されておりかつビソクラミス ラガンクラリエ(Byssochlamys lagunculariae)の検出に使用できる塩基配列、又はその相補配列
(o)配列番号12に記載のβ−チューブリン遺伝子の部分塩基配列又はその相補配列
(p)配列番号12に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換、挿入又は付加されておりかつビソクラミス ゾレルニア(Byssochlamys zollernia)の検出に使用できる塩基配列、又はその相補配列
発明者等は、図1〜2に示すように、ビソクラミス属を含めた種々の真菌類のβ−チューブリン遺伝子の塩基配列を決定し、真菌種間での遺伝的距離と塩基配列の相同性の解析を行った。すなわち、シークエンシング法により各真菌のβチューブリン遺伝子の塩基配列を決定し、アライメント解析により一致する塩基領域の検討を行った。その結果、β−チューブリン遺伝子中に同一の種内では保存性が高いが異なる種間で塩基配列の保存性が低く、種によって固有の塩基配列を有する領域(可変領域)を見い出した。この可変領域においてビソクラミス属に属する菌類は種固有の塩基配列を有している。そのため、当該領域はビソクラミス属に属する菌類を種レベルで識別・同定するための遺伝学的な指標として有用である。
(a)配列番号1に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号1に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(b)配列番号2に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号2に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(c)配列番号3に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号3に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(d)配列番号4に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号4に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(e)配列番号5に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号5に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(f)配列番号6に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号6に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(g)配列番号7に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号7に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(h)配列番号8に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号8に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
前記(a)のオリゴヌクレオチド(本明細書において、B.fulva1Fともいう)及び前記(b)のオリゴヌクレオチド(本明細書において、B.fulva1Rともいう)はそれぞれ、図1〜2に示すように、配列番号9に記載の塩基配列のうち116位〜135位までの領域及び330位〜348位までの領域にストリンジェントな条件でハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドである。これらの領域は真菌種間での塩基配列の保存性が低い可変領域であり、ビソクラミス ファルバとその他の真菌種間での塩基配列の保存性が特に低い領域であること、これらの領域の塩基配列はビソクラミス ファルバが固有に有する塩基配列であること、を本発明者らが見出した。したがって、前記(a)及び(b)のオリゴヌクレオチドを用いて、ビソクラミス ファルバを種レベルで特異的に識別・同定することができる。具体的には、本領域にポリメラーゼによるDNAの伸長方向であるプライマーの3’末端5塩基以上がハイブリダイズするように設計すればビソクラミス ファルバに特異的なプライマーに用いることが可能であり、それらのプライマーを用いたPCR反応による同定が可能となる。また、本領域を10塩基以上ハイブリダイズするように設計したプローブは、ビソクラミス ファルバと特異的にハイブリダイズするため、ハイブリダイズの有無によりビソクラミス ファルバを同定することが可能となる。
(i)配列番号9に記載のβ−チューブリン遺伝子の部分塩基配列又はその相補配列
(j)配列番号9に記載の塩基配列において1又は数個(好ましくは1〜25個、より好ましくは1〜20個、さらに好ましくは1〜15個、特に好ましくは1〜10個、最も好ましくは1〜5個)の塩基が欠失、置換、挿入又は付加されておりかつビソクラミス ファルバの検出に使用できる塩基配列、又はその相補配列
前記(c)のオリゴヌクレオチド(本明細書において、B.nivea1Fともいう)及び前記(d)のオリゴヌクレオチド(本明細書において、B.nivea1Rともいう)はそれぞれ、図1〜2に示すように、配列番号10に記載の塩基配列のうち43位〜62位までの領域及び343位〜362位までの領域にストリンジェントな条件でハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドである。これらの領域は真菌種間での塩基配列の保存性が低い可変領域であり、ビソクラミス ニベアとその他の真菌種間での塩基配列の保存性が特に低い領域であること、これらの領域の塩基配列はビソクラミス ニベアが固有に有する塩基配列であること、を本発明者らが見出した。したがって、前記(c)及び(d)のオリゴヌクレオチドを用いて、ビソクラミス ニベアを種レベルで特異的に識別・同定することができる。具体的には、本領域にポリメラーゼによるDNAの伸長方向であるプライマーの3’末端5塩基以上がハイブリダイズするように設計すればビソクラミス ニベアに特異的なプライマーに用いることが可能であり、それらのプライマーを用いたPCR反応による同定が可能となる。また、また、本領域を10塩基以上ハイブリダイズするように設計したプローブは、ビソクラミス ニベアと特異的にハイブリダイズするため、ハイブリダイズの有無によりビソクラミス ニベアを同定することが可能となる。
(k)配列番号10に記載のβ−チューブリン遺伝子の部分塩基配列又はその相補配列
(l)配列番号10に記載の塩基配列において1又は数個(好ましくは1〜25個、より好ましくは1〜20個、さらに好ましくは1〜15個、特に好ましくは1〜10個、最も好ましくは1〜5個)の塩基が欠失、置換、挿入又は付加されておりかつビソクラミス ニベアの検出に使用できる塩基配列、又はその相補配列
前記(e)のオリゴヌクレオチド(本明細書において、B.lag1Fともいう)及び前記(f)のオリゴヌクレオチド(本明細書において、B.lag1Rともいう)はそれぞれ、図1〜2に示すように、配列番号11に記載の塩基配列のうち90位〜109位までの領域及び468位〜487位までの領域にストリンジェントな条件でハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドである。これらの領域は真菌種間での塩基配列の保存性が低い可変領域であり、ビソクラミス ラガンクラリエとその他の真菌種間での塩基配列の保存性が特に低い領域であること、これらの領域の塩基配列はビソクラミス ラガンクラリエが固有に有する塩基配列であること、を本発明者らが見出した。したがって、前記(e)及び(f)のオリゴヌクレオチドを用いて、ビソクラミス ラガンクラリエを種レベルで特異的に識別・同定することができる。具体的には、本領域にポリメラーゼによるDNAの伸長方向であるプライマーの3’末端5塩基以上がハイブリダイズするように設計すればビソクラミス ラガンクラリエに特異的なプライマーに用いることが可能であり、それらのプライマーを用いたPCR反応による同定が可能となる。また、本領域を10塩基以上ハイブリダイズするように設計したプローブは、ビソクラミス ラガンクラリエと特異的にハイブリダイズするため、ハイブリダイズの有無によりビソクラミス ラガンクラリエを同定することが可能となる。
(m)配列番号11に記載のβ−チューブリン遺伝子の部分塩基配列又はその相補配列
(n)配列番号11記載の塩基配列において1又は数個(好ましくは1〜25個、より好ましくは1〜20個、さらに好ましくは1〜15個、特に好ましくは1〜10個、最も好ましくは1〜5個)の塩基が欠失、置換、挿入又は付加されておりかつビソクラミス ラガンクラリエの検出に使用できる塩基配列、又はその相補配列
前記(g)のオリゴヌクレオチド(本明細書において、B.zol1Fともいう)及び前記(h)のオリゴヌクレオチド(本明細書において、B.zol1Rともいう)はそれぞれ、図1〜2に示すように、配列番号12に記載の塩基配列のうち36位〜55位までの領域及び319位〜338位までの領域にストリンジェントな条件でハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドである。これらの領域は真菌種間での塩基配列の保存性が低い可変領域であり、ビソクラミス ゾレルニアとその他の真菌種間での塩基配列の保存性が特に低い領域であること、これらの領域の塩基配列はビソクラミス ゾレルニアが固有に有する塩基配列であること、を本発明者らが見出した。したがって、前記(g)及び(h)のオリゴヌクレオチドを用いて、ビソクラミス ゾレルニアを種レベルで特異的に識別・同定することができる。具体的には、本領域にポリメラーゼによるDNAの伸長方向であるプライマーの3’末端5塩基以上がハイブリダイズするように設計すればビソクラミス ゾレルニアに特異的なプライマーに用いることが可能であり、それらのプライマーを用いたPCR反応による同定が可能となる。また、本領域を10塩基以上ハイブリダイズするように設計したプローブは、ビソクラミス ゾレルニアと特異的にハイブリダイズするため、ハイブリダイズの有無によりビソクラミス ゾレルニアを同定することが可能となる。
(o)配列番号12に記載のβ−チューブリン遺伝子の部分塩基配列又はその相補配列
(p)配列番号12記載の塩基配列において1又は数個(好ましくは1〜25個、より好ましくは1〜20個、さらに好ましくは1〜15個、特に好ましくは1〜10個、最も好ましくは1〜5個)の塩基が欠失、置換、挿入又は付加されておりかつビソクラミス ゾレルニアの検出に使用できる塩基配列、又はその相補配列
塩基配列の相同性については、Lipman−Pearson法(Science,227,1435,1985)等によって計算される。具体的には、遺伝情報処理ソフトウェアGenetyx-Win(ソフトウェア開発製)のホモロジー解析(Search homology)プログラムを用いて、パラメーターであるUnit size to compare(ktup)を2として解析を行うことにより算出することができる。
また、前記オリゴヌクレオチドは、固相担体に結合させて捕捉プローブとして用いることもできる。この場合、捕捉プローブと、標識核酸プローブの組み合わせでサンドイッチアッセイを行うこともできるし、標的核酸を標識して捕捉することもできる。
本発明において、PCR法により増幅反応を行いビソクラミス属に属する菌類の検出を行う場合について説明する。
前記(a)及び(b)のオリゴヌクレオチド対は、ビソクラミス属に属する菌類(具体的には、ビソクラミス ファルバ)検出用オリゴヌクレオチド対とすることができる。
前記(c)及び(d)のオリゴヌクレオチド対は、ビソクラミス属に属する菌類(具体的には、ビソクラミス ニベア)検出用オリゴヌクレオチド対とすることができる。
前記(e)及び(f)のオリゴヌクレオチド対は、ビソクラミス属に属する菌類(具体的には、ビソクラミス ラガンクラリエ)検出用オリゴヌクレオチド対とすることができる。
前記(g)及び(h)のオリゴヌクレオチド対は、ビソクラミス属に属する菌類(具体的には、ビソクラミス ゾレルニア)検出用オリゴヌクレオチド対とすることができる。
PCRの反応条件の好ましい一例としては、例えば、前記(a)及び(b)オリゴヌクレオチド対を核酸プライマーとして用いてPCR法を行う場合、2本鎖DNAを1本鎖にする熱変性反応を95〜98℃で10〜60秒間行い、プライマー対を1本鎖DNAにハイブリダイズさせるアニーリング反応を50〜63℃で約60秒間行い、DNAポリメラーゼを作用させる伸長反応を約72℃で約60秒間行い、これらを1サイクルとしたものを約30〜35サイクル行う。また、前記(c)及び(d)オリゴヌクレオチド対を核酸プライマーとして用いてPCR法を行う場合、2本鎖DNAを1本鎖にする熱変性反応を95〜98℃で10〜60秒間行い、プライマー対を1本鎖DNAにハイブリダイズさせるアニーリング反応を50〜60℃で約60秒間行い、DNAポリメラーゼを作用させる伸長反応を約72℃で約60秒間行い、これらを1サイクルとしたものを約30〜35サイクル行う。また、前記(e)及び(f)オリゴヌクレオチド対を核酸プライマーとして用いてPCR法を行う場合、2本鎖DNAを1本鎖にする熱変性反応を95〜98℃で10〜60秒間行い、プライマー対を1本鎖DNAにハイブリダイズさせるアニーリング反応を50〜63℃で約60秒間行い、DNAポリメラーゼを作用させる伸長反応を約72℃で約60秒間行い、これらを1サイクルとしたものを約30〜35サイクル行う。また、前記(g)及び(h)オリゴヌクレオチド対を核酸プライマーとして用いてPCR法を行う場合、2本鎖DNAを1本鎖にする熱変性反応を95〜98℃で10〜60秒間行い、プライマー対を1本鎖DNAにハイブリダイズさせるアニーリング反応を50〜63℃で約60秒間行い、DNAポリメラーゼを作用させる伸長反応を約72℃で約60秒間行い、これらを1サイクルとしたものを約30〜35サイクル行う。
具体的には、検体にビソクラミス ファルバが含まれる場合、前記(a)及び(b)のオリゴヌクレオチド対を核酸プライマーとして用いてPCR反応を行うと、約250bpのDNA断片が増幅される。検体にビソクラミス ニベアが含まれる場合、前記(c)及び(d)のオリゴヌクレオチド対を核酸プライマーとして用いてPCR反応を行うと、約320bpのDNA断片が増幅される。検体にビソクラミス ラガンクラリエが含まれる場合、前記(e)及び(f)のオリゴヌクレオチド対を核酸プライマーとして用いてPCR反応を行うと、場合は約390bpのDNA断片が増幅される。検体にビソクラミス ゾレルニアが含まれる場合、前記(g)及び(h)のオリゴヌクレオチド対を核酸プライマーとして用いてPCR反応を行うと、約300bpのDNA断片が増幅される。
このような操作を行うことにより、検体にビソクラミス属に属する菌類が含まれているかを確認することができる。
塩基配列を解析・決定する方法としては特に限定されず、通常行われているRNA又はDNAシークエンシングの手法を用いることができる。
具体的には、マクサム−ギルバート法、サンガー法等の電気泳動法、質量分析法、ハイブリダイゼーション法等が挙げられる。サンガー法においては、放射線標識法、蛍光標識法等により、プライマー又は、ターミネーターを標識する方法が挙げられる。
検体からDNAを調製する方法としては、ビソクラミス属に属する菌類の検出を行うのに十分な精製度及び量のDNAが得られるのであれば特に制限されず、未精製の状態でも使用できるが、さらに分離、抽出、濃縮、精製等の前処理をして使用することもできる。例えば、フェノール及びクロロホルム抽出を行って精製したり、市販の抽出キットを用いて精製して、核酸の純度を高めて使用することができる。また、被検体中のRNAを逆転写して得られるDNAを用いることもできる。
下記の方法により、ビソクラミス属各種のβ−チューブリン遺伝子の塩基配列を決定した。
ポテトデキストロース寒天斜面培地にて30℃、7日間、暗所培養したビソクラミス属に属する菌類及び各種菌類の菌体からGenとるくんTM(タカラバイオ(株)社製)を使用し、DNAを抽出した。目的とする部位のPCR増幅は、PuRe TaqTM Ready-To-Go PCR Beads(GE Health Care UK LTD製)を用いて、プライマーとしてBt2a(5’-GGTAACCAAATCGGTGCTGCTTTC-3’:配列番号13)、Bt2b(5’-ACCCTCAGTGTAGTGACCCTTGGC-3’:配列番号14)(Glass and Donaldson,Appl Environ Microbiol 61:1323−1330,1995)を使用した。増幅条件は、変性温度95℃、アニーリング温度59℃、伸長温度72℃、35サイクルで実施した。PCR産物は、Auto SegTM G−50(Amersham Pharmacia Biotech社製)を使用し精製した。PCR産物は、BigDye terminator Ver. 1.1(商品名:Applied Biosystems社製)を使用してラベル化し、ABI PRISM 3130 Genetic Analyzer(Applied Biosystems社製)で電気泳動を実施した。電気泳動時の蛍光シグナルからの塩基配列の決定には、ソフトウエアー“ATGC Ver.4”(Genetyx社製)を使用した。
シークエンシング法により決定したビソクラミス属各種や各種菌類の公知のβ−チューブリン遺伝子の塩基配列情報をもとに、DNA解析ソフトウエア(商品名:Clustal W(DNA Data bank of Japan)、http://clustalw.ddbj.nig.ac.jp/top-j.html)を用いてアライメント解析を行い、ビソクラミス属に属する菌類各種に特異的な塩基配列を含有するβ−チューブリン遺伝子の中の特定領域を決定した。
上記で得られたビソクラミス属に属する菌類各種に特異的な塩基配列領域を基に、配列番号1の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドからなるプライマー(B.fulva1Fプライマー)、配列番号2の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドからなるプライマー(B.fulva1Rプライマー)、配列番号3の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドからなるプライマー(B.nivea1Fプライマー)、配列番号4の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドからなるプライマー(B.nivea1Rプライマー)、配列番号5の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドからなるプライマー(B.lag1Fプライマー)、配列番号6の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドからなるプライマー(B.lag1Rプライマー)、配列番号7の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドからなるプライマー(B.zol1Fプライマー)、及び配列番号8の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドからなるプライマー(B.zol1Rプライマー)を設計し、シグマ アルドリッチ ジャパン社に合成依頼し(脱塩精製品、0.02μmolスケール)、購入した。
前記の各プライマーは、図1〜2に示すように、ビソクラミス ファルバ、ビソクラミス ニベア、ビソクラミス ラガンクラリエ及びビソクラミス ゾレルニアのβ−チューブリン遺伝子の各特定領域の塩基配列に基づき設計したものである。
設計したプライマーの有効性の評価に用いる真菌類、すなわちビソクラミス属とその他の耐熱性カビ及び一般カビとしては表1〜3に記載した菌株を使用した。これらの菌類に関しては、独立行政法人製品評価技術基盤機構が保管しNBRCナンバーにより管理されている株、千葉大学医学部真菌医学研究センターが保管しIFMナンバーにより管理されている株、The Centraalbureau voor Schimmelculturesが保管しCBSナンバーにより管理されている株、独立行政法人理化学研究所バイオリソースセンターが管理しIAMナンバーで管理された株、独立行政法人理化学研究所バイオリソースセンターが管理しJCMナンバーで管理された株、及び財団法人発酵研究所が管理しIFOナンバーで管理されている株を入手し、使用した。
各菌体を至適条件下で培養した。培養条件についてはポテトデキストロース培地(商品名:パールコア ポテトデキストロース寒天培地、栄研化学株式会社製)を用いて至適温度、すなわち一般カビは25℃、耐熱性カビは30℃で7日間培養した。
各菌体を寒天培地から白金耳を用いて回収し、ポテトデキストロース寒天培地(組成:培地1000L当り馬鈴薯抽出液200g、ブドウ糖20g及び寒天15g、栄研化学株式会社)に播種した。25〜30℃の培養条件下で2〜5日間培養し、1白金耳量の菌糸を回収した。
ゲノムDNA調製用キット(アプライドバイオシステムズ社製PrepMan ultra(商品名))を用いて、回収した菌体からゲノムDNA溶液を調製した。DNA溶液の濃度は5ng/μLに調製した。
DNAテンプレートとして、前記(4)で調製したゲノムDNA溶液1μL、Pre Mix Taq(商品名、タカラバイオ社製)13μL、無菌蒸留水10μLを混合し、配列番号1に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドからなるプライマー(B.fulva1Fプライマー、20pmol/μL)0.5μL及び配列番号2に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドからなるプライマー(B.fulva1Rプライマー、20pmol/μL)0.5μLを加え、25μLのPCR反応液を調製した。
PCR反応液について、自動遺伝子増幅装置サーマルサイクラーDICE(タカラバイオ)を用いて遺伝子増幅処理を行った。PCR反応条件は、(i)95℃、1分秒間の熱変性反応、(ii)59℃、1分間のアニーリング反応、及び(iii)72℃、1分間の伸長反応を1サイクルとしたものを35サイクル行った。
DNAテンプレートとして、前記(4)で調製したゲノムDNA溶液1μL、Pre Mix Taq(商品名、タカラバイオ社製)13μL、無菌蒸留水10μLを混合し、配列番号3に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドからなるプライマー(B.nivea1Fプライマー、20pmol/μL)0.5μL及び配列番号4に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドからなるプライマー(B.nivea1Rプライマー、20pmol/μL)0.5μLを加え、25μLのPCR反応液を調製した。
PCR反応液について、自動遺伝子増幅装置サーマルサイクラーDICE(タカラバイオ)を用いて遺伝子増幅処理を行った。PCR反応条件は、(i)95℃、1分秒間の熱変性反応、(ii)55℃、1分間のアニーリング反応、及び(iii)72℃、1分間の伸長反応を1サイクルとしたものを35サイクル行った。
DNAテンプレートとして、前記(4)で調製したゲノムDNA溶液1μL、Pre Mix Taq(商品名、タカラバイオ社製)13μL、無菌蒸留水10μLを混合し、配列番号5に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドからなるプライマー(B.lag1Fプライマー、20pmol/μL)0.5μL及び配列番号6に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドからなるプライマー(B.lag1Rプライマー、20pmol/μL)0.5μLを加え、25μLのPCR反応液を調製した。
PCR反応液について、自動遺伝子増幅装置サーマルサイクラーDICE(タカラバイオ)を用いて遺伝子増幅処理を行った。PCR反応条件は、(i)95℃、1分秒間の熱変性反応、(ii)59℃、1分間のアニーリング反応、及び(iii)72℃、1分間の伸長反応を1サイクルとしたものを35サイクル行った。
DNAテンプレートとして、前記(4)で調製したゲノムDNA溶液1μL、Pre Mix Taq(商品名、タカラバイオ社製)13μL、無菌蒸留水10μLを混合し、配列番号7に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドからなるプライマー(B.zol1Fプライマー、20pmol/μL)0.5μL及び配列番号8に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドからなるプライマー(B.zol1Rプライマー、20pmol/μL)0.5μLを加え、25μLのPCR反応液を調製した。
PCR反応液について、自動遺伝子増幅装置サーマルサイクラーDICE(タカラバイオ)を用いて遺伝子増幅処理を行った。PCR反応条件は、(i)95℃、1分秒間の熱変性反応、(ii)59℃、1分間のアニーリング反応、及び(iii)72℃、1分間の伸長反応を1サイクルとしたものを35サイクル行った。
Claims (19)
- 下記(a)及び(b)のオリゴヌクレオチド対、下記(c)及び(d)のオリゴヌクレオチド対、下記(e)及び(f)のオリゴヌクレオチド対、並びに下記(g)及び(h)のオリゴヌクレオチド対からなる群より選ばれる少なくとも1種のオリゴヌクレオチド対を用いてビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの同定を行う工程を含むことを特徴とするビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の検出方法。
(a)配列番号1に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号1に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(b)配列番号2に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号2に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(c)配列番号3に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号3に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(d)配列番号4に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号4に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(e)配列番号5に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号5に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(f)配列番号6に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号6に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(g)配列番号7に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号7に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(h)配列番号8に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号8に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド - 同定を行うために、前記(a)及び(b)のオリゴヌクレオチド対、前記(c)及び(d)のオリゴヌクレオチド対、前記(e)及び(f)のオリゴヌクレオチド対、並びに前記(g)及び(h)のオリゴヌクレオチド対からなる群より選ばれる少なくとも1種のオリゴヌクレオチド対を用いて、ビソクラミス属に属する菌類のβ−チューブリン遺伝子の部分塩基配列を増幅し、増幅産物の有無を確認することを特徴とする請求項1記載の検出方法。
- 前記増幅反応をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法によって行う請求項2記載の検出方法。
- 前記(a)及び(b)のオリゴヌクレオチド対を核酸プライマーとして用いて前記ポリメラーゼ連鎖反応法を行い、ビソクラミス ファルバ(Byssochlamys fulva)のβ−チューブリン遺伝子の部分塩基配列を増幅する、請求項3記載の検出方法。
- 前記(c)及び(d)のオリゴヌクレオチド対を核酸プライマーとして用いて前記ポリメラーゼ連鎖反応法を行い、ビソクラミス ニベア(Byssochlamys nivea)のβ−チューブリン遺伝子の部分塩基配列を増幅する、請求項3記載の検出方法。
- 前記(e)及び(f)のオリゴヌクレオチド対を核酸プライマーとして用いて前記ポリメラーゼ連鎖反応法を行い、ビソクラミス ラガンクラリエ(Byssochlamys lagunculariae)のβ−チューブリン遺伝子の部分塩基配列を増幅する、請求項3記載の検出方法。
- 前記(g)及び(h)のオリゴヌクレオチド対を核酸プライマーとして用いて前記ポリメラーゼ連鎖反応法を行い、ビソクラミス ゾレルニア(Byssochlamys zollernia)のβ−チューブリン遺伝子の部分塩基配列を増幅する、請求項3記載の検出方法。
- 下記(a)及び(b)のオリゴヌクレオチド対、下記(c)及び(d)のオリゴヌクレオチド対、下記(e)及び(f)のオリゴヌクレオチド対、並びに下記(g)及び(h)のオリゴヌクレオチド対からなる群より選ばれる少なくとも1種のオリゴヌクレオチド対を用いて、下記(i)〜(p)のいずれかの塩基配列で表される核酸の存在を確認することを特徴とするビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の検出方法。
(a)配列番号1に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号1に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(b)配列番号2に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号2に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(c)配列番号3に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号3に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(d)配列番号4に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号4に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(e)配列番号5に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号5に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(f)配列番号6に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号6に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(g)配列番号7に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号7に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(h)配列番号8に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号8に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(i)配列番号9に記載のβ−チューブリン遺伝子の部分塩基配列又はその相補配列
(j)配列番号9に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換、挿入又は付加されておりかつビソクラミス ファルバ(Byssochlamys fulva)の検出に使用できる塩基配列、又はその相補配列
(k)配列番号10に記載のβ−チューブリン遺伝子の部分塩基配列又はその相補配列
(l)配列番号10に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換、挿入又は付加されておりかつビソクラミス ニベア(Byssochlamys nivea)の検出に使用できる塩基配列、又はその相補配列
(m)配列番号11に記載のβ−チューブリン遺伝子の部分塩基配列又はその相補配列
(n)配列番号11に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換、挿入又は付加されておりかつビソクラミス ラガンクラリエ(Byssochlamys lagunculariae)の検出に使用できる塩基配列、又はその相補配列
(o)配列番号12に記載のβ−チューブリン遺伝子の部分塩基配列又はその相補配列
(p)配列番号12に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換、挿入又は付加されておりかつビソクラミス ゾレルニア(Byssochlamys zollernia)の検出に使用できる塩基配列、又はその相補配列 - 前記(a)及び(b)のオリゴヌクレオチド対、前記(c)及び(d)のオリゴヌクレオチド対、前記(e)及び(f)のオリゴヌクレオチド対、並びに前記(g)及び(h)のオリゴヌクレオチド対からなる群より選ばれる少なくとも1種のオリゴヌクレオチド対を用いて、前記(i)〜(p)のいずれかの塩基配列の一部を増幅し、増幅産物の有無を確認し、前記(i)〜(p)のいずれかの塩基配列で表される核酸の存在を確認することを特徴とする請求項8記載の検出方法。
- 前記増幅反応をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法によって行う請求項9記載の検出方法。
- 前記(a)及び(b)のオリゴヌクレオチド対を核酸プライマーとして用いて前記ポリメラーゼ連鎖反応法を行い、前記(i)又は(j)の塩基配列の一部を増幅する、請求項10記載の検出方法。
- 前記(c)及び(d)のオリゴヌクレオチド対を核酸プライマーとして用いて前記ポリメラーゼ連鎖反応法を行い、前記(k)又は(l)の塩基配列の一部を増幅する、請求項10記載の検出方法。
- 前記(e)及び(f)のオリゴヌクレオチド対を核酸プライマーとして用いて前記ポリメラーゼ連鎖反応法を行い、前記(m)又は(n)の塩基配列の一部を増幅する、請求項10記載の検出方法。
- 前記(g)及び(h)のオリゴヌクレオチド対を核酸プライマーとして用いて前記ポリメラーゼ連鎖反応法を行い、前記(o)又は(p)の塩基配列の一部を増幅する、請求項10記載の検出方法。
- 下記(a)〜(h)のいずれかのオリゴヌクレオチドであって、ビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出用オリゴヌクレオチドとして使用できる、ビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類検出用オリゴヌクレオチド。
(a)配列番号1に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号1に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(b)配列番号2に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号2に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(c)配列番号3に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号3に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(d)配列番号4に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号4に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(e)配列番号5に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号5に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(f)配列番号6に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号6に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(g)配列番号7に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号7に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(h)配列番号8に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号8に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド - 下記(i)〜(p)のいずれかの塩基配列で表される核酸にハイブリダイズすることができ、ビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類を種レベルで特異的に検出するための核酸プローブ又は核酸プライマーとして機能し得る請求項15記載の検出用オリゴヌクレオチド。
(i)配列番号9に記載のβ−チューブリン遺伝子の部分塩基配列又はその相補配列
(j)配列番号9に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換、挿入又は付加されておりかつビソクラミス ファルバ(Byssochlamys fulva)の検出に使用できる塩基配列、又はその相補配列
(k)配列番号10に記載のβ−チューブリン遺伝子の部分塩基配列又はその相補配列
(l)配列番号10に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換、挿入又は付加されておりかつビソクラミス ニベア(Byssochlamys nivea)の検出に使用できる塩基配列、又はその相補配列
(m)配列番号11に記載のβ−チューブリン遺伝子の部分塩基配列又はその相補配列
(n)配列番号11に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換、挿入又は付加されておりかつビソクラミス ラガンクラリエ(Byssochlamys lagunculariae)の検出に使用できる塩基配列、又はその相補配列
(o)配列番号12に記載のβ−チューブリン遺伝子の部分塩基配列又はその相補配列
(p)配列番号12に記載の塩基配列において1又は数個の塩基が欠失、置換、挿入又は付加されておりかつビソクラミス ゾレルニア(Byssochlamys zollernia)の検出に使用できる塩基配列、又はその相補配列 - 前記オリゴヌクレオチドが核酸プライマーであることを特徴とする、請求項15又は16記載の検出用オリゴヌクレオチド。
- 下記(a)及び(b)のオリゴヌクレオチド対、下記(c)及び(d)のオリゴヌクレオチド対、下記(e)及び(f)のオリゴヌクレオチド対、又は下記(g)及び(h)のオリゴヌクレオチド対で示されるビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類検出用オリゴヌクレオチド対。
(a)配列番号1に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号1に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(b)配列番号2に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号2に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(c)配列番号3に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号3に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(d)配列番号4に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号4に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(e)配列番号5に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号5に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(f)配列番号6に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号6に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(g)配列番号7に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号7に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド
(h)配列番号8に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチド、又は配列番号8に記載の塩基配列において1若しくは数個の塩基が欠失、置換、挿入若しくは付加されておりかつビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類の種レベルでの検出に使用できるオリゴヌクレオチド - 請求項18記載のオリゴヌクレオチド対を含むビソクラミス(Byssochlamys)属に属する菌類検出キット。
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