JP2011249340A - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】制御回路3は、鍋の材質に応じて共振コンデンサ2fの容量を切り替えて共振周波数を変更する切替手段と、鍋の温度を検出する温度検出手段と、切替手段によって変更された共振周波数近傍の高周波電流を加熱コイルに供給するインバータ2と、インバータ2に流れる電流を検出する電流検出手段と、電流検出手段の検出結果に基づいて、鍋がアルミ鍋などの非磁性低抵抗鍋か鉄鍋などの磁性鍋かを識別する鍋材質識別手段と、温度検出手段によって検出された鍋の温度に基づき、インバータ2を制御する制御手段とを備え、制御手段は、鍋材質識別手段の識別結果が非磁性低抵抗鍋と判定した場合、上限値以上の電力投入を禁止するとともに、調理時間の経過または投入電力の積算値の増加に応じて上限値を下げる。
【選択図】図1
Description
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、アルミ鍋などの非磁性低抵抗鍋を加熱する場合でも、温度センサでの温度検知が正確に行うことができる誘導加熱調理器を得るものである。
図1はこの発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の構成を示す図である。
図において、インバータ2は、商用交流電源1をダイオードブリッジ2a、コンデンサ2bによって変換して得られる直流電力を、高周波電力に変換して、加熱コイル5に供給するものであり、スイッチング素子2c及び2dで構成され、これに共振コンデンサ2e及び2f、共振コンデンサ切り換えリレー2g、電流検出用抵抗2hが接続されている。制御回路3は、操作パネル4、加熱コイル5、鍋8を積載するトッププレート6、温度センサ7と接続される。なお、操作パネル4には、開始スイッチ4a、終了スイッチ4b、保温スイッチ4c、湯沸かしスイッチ4d、煮込みスイッチ4e、揚げ物スイッチ4f、火力調整ダイヤル4gが設けられている。
次に、この実施の形態1の動作を図1および図2に基づいて説明する。
図2のステップS01にて操作パネル4の開始スイッチ4aが押されると、制御回路3は、ステップS02にて鍋材質判定を行なう。このとき制御回路3は、リレー2gをオンにし、スイッチング素子2cと2dを交互に動作させて、交流電源1をダイオードブリッジ2aとコンデンサ2bにより直流に変換した電力を高周波の電力に変換して加熱コイルに供給する(ハーフブリッジ式)。このときのスイッチング素子2cと2dは、加熱コイル5のインダクタンス値と共振コンデンサ2eと2fの合成キャパシタンスで決まる共振周波数を避けてそれよりも高い周波数で駆動することで鍋8には大きな電力が入らないようにする。この状態で、制御回路3は、電流検出用抵抗2hに流れる電流を検出し、所定値以上の電流が流れれば載置されている鍋は低抵抗非磁性鍋、所定値以下であれば磁性鍋と判定する。
実施の形態1では、比較的投入電力の少ない煮込み、保温のみを許可することで浮き上がりを防止した。実施の形態2では、低抵抗非磁性鍋加熱時に損失増による加熱コイル自身の温度上昇が温度センサに与える影響や、鍋の浮き上がりを防止して揚げ物、湯沸しの温度制御を実現する方法について述べる。
実施の形態2における加熱調理器の構成は、上記実施の形態1の図1と同様であるので、ここでの構成図及び説明を省略する。図3はこの発明の実施の形態2における制御回路の動作を示すフローチャートであり、図4はこの発明の実施の形態2における投入電力上限値と調理時間との関係を示すグラフである。
次に、実施の形態2の動作を図1、図3および図4に基づいて説明する。
図3のステップS101において開始スイッチが押されると、制御回路3は、ステップS102にて初期処理として、調理時間を示すタイマTをゼロにクリアする。次に、制御回路3は、ステップS103において、鍋材質を判定する。鍋材質の判定方法と磁性鍋と判定した場合の処理については実施の形態1と同様であるのでフローチャート及び動作説明を省略する。非磁性低抵抗鍋と判定した場合、制御回路3は、ステップS104〜ステップS123の処理を実施する。この場合、制御回路3は、ステップS104〜ステップS107にて保温スイッチ、煮込みスイッチ、揚げ物スイッチ、湯沸しスイッチが押されたかどうかを判定し、保温スイッチが押されれば、ステップS108にてスイッチが押されたときの温度を目標温度T0に設定する。煮込みスイッチが押されれば、ステップS109にて目標温度T0に60℃を設定する。揚げ物スイッチが押されればステップS110にて目標温度T0に160℃を設定する。
湯沸しスイッチが押されれば、ステップS111にて目標温度T0に100℃を設定する。ステップS104〜ステップS107でいずれのスイッチも押されなければ、ステップS112〜ステップS116にて火力調整ダイヤルが火力大方向に回されれば電力を増加させ、火力小方向に回されれば電力を減少させる方向に制御する。また、ステップS115にて最大火力を2.5kWに制限する。
Wmax=W(T)
ただし、W(T)=1.5(0<T<A)、
W(T)=−kT+(kA+1.5)(A<T<B)、
W(T)=n(B<T)
ここで、Tはタイマ値、A、Bはそれぞれ異なる所定時間、k、nは定数である。
あるいは、図4のような調理時間Tと最大電力Wmaxとの関係をテーブルとして図示しない記憶装置に保存しておき、このテーブルを参照することでタイマTに対応するWmaxを取得するようにしてもよい。
ステップS119にて目標温度と現行温度の比較を行い、現行温度が目標温度より高いときはステップS122にて電力を下げる。現行温度が目標温度より低い場合は、ステップS121にて電力を増加させるが、ステップS120にて電力が最大電力Wmaxに達している場合はそれ以上の増加は行わない。この動作をステップS123にて終了スイッチが押されるまで継続する。
なお、調理時間に応じて火力上限値を下げているが投入電力の積算値に応じて火力上限値を下げても良い。この場合は投入電力を積算し、図14に示すように、積算電力に応じた投入電力上限値により投入電力を制限することにより同様の効果が得られる。
実施の形態3における加熱調理器の構成は、上記実施の形態1の図1と同様であるので、ここでの構成図及び説明を省略する。図5はこの発明の実施の形態3における制御回路の動作を示すフローチャートであり、図6はこの発明の実施の形態3における目標温度と調理時間との関係を示すグラフである。
次に、実施の形態3の動作を図1、図5および図6に基づいて説明する。
図5のステップS201にて開始スイッチが押されると、制御回路3は、ステップS202において、初期処理として、調理時間を示すタイマTをゼロにクリアする。次に、制御回路3は、ステップS203において、鍋材質を判定する。鍋材質の判定方法と磁性鍋と判定した場合の処理については実施の形態1と同様であるのでフローチャート及び動作説明を省略する。ステップS203にて非磁性低抵抗鍋と判定した場合、制御回路3は、ステップS204〜ステップS223を実施する。この場合、制御回路3は、ステップS204〜ステップS207にて保温スイッチ、煮込みスイッチ、揚げ物スイッチ、湯沸しスイッチが押されたかどうかを判定し、押されたと判定した場合は、ステップS208〜ステップS211にてそれぞれのスイッチに対応した目標温度を設定する。ここで目標温度は例えば図6の揚げ物時の目標温度に示すように調理経過時間Tに応じて変えていく。調理開始直後は最終目標温度に対して低く、ステップS217にてカウントするタイマTに応じて徐々に最終目標に到達するようにする。保温、煮込み、湯沸しの場合についても同様に徐々に最終目標温度に到達するようにする。ステップS219にて目標温度と現行温度の比較を行い、現行温度が目標温度より高いときはステップS220にて電力を下げ、現行温度が目標温度より低い場合は、ステップS219にて電力を増加させることで、現行温度が目標温度になるように制御する。また、ステップS221とステップS222にて調理開始から所定時間経過しても最終温度に到達しない場合は強制的に終了する。ステップS212〜ステップS216の動作は保温スイッチ、煮込みスイッチ、揚げ物スイッチ、湯沸しスイッチが押されない場合の処理で実施の形態1のステップS25〜ステップS28の処理と同じであるので説明を省略する。以上の動作をステップS223にて終了スイッチが押されるまで継続する。
実施の形態4における加熱調理器の構成は、上記実施の形態1の図1と同様であるので、ここでの構成図及び説明を省略する。図7は、この発明の実施の形態4における制御回路の動作を示すフローチャートである。
次に、実施の形態3の動作を図1および図7に基づいて説明する。
図7のステップS301にて開始スイッチが押されると、制御回路3は、ステップS302において、初期処理として、リトライ回数を示すカウンタNをゼロにクリアする。次に、制御回路3は、ステップS303において、鍋材質を判定する。鍋材質の判定方法と磁性鍋と判定した場合の処理については実施の形態1と同様であるのでフローチャート及び動作説明を省略する。ステップS303にて非磁性低抵抗鍋と判定した場合、制御回路3は、ステップS304〜ステップS325を実施する。この場合、制御回路3は、ステップS304〜ステップS307にて保温スイッチ、煮込みスイッチ、揚げ物スイッチ、湯沸しスイッチが押されたかどうかを判定し、押されたと判定した場合は、ステップS308〜ステップS311にてそれぞれのスイッチに対応した目標温度を設定する。次に、制御回路3は、ステップS317では鍋の動きを検出する。スイッチング素子2c及び2dの駆動周波数が変化していないのにも拘わらず、電流検出用抵抗2hで検出した電流が所定値以上変化した場合、制御回路3は、鍋が浮き上がりにより鍋が動いたと判定する。これは、加熱コイル5と鍋8との位置関係が変化して加熱コイル5から見たインピーダンスが変化する為、加熱コイルを流れる電流が変わるからである。
実施の形態5における加熱調理器の構成は、上記実施の形態1の図1と同様であるので、ここでの構成図及び説明を省略する。図8は、この発明の実施の形態5における制御回路の動作を示すフローチャートであり、図9及び図10は実施の形態5の動作を説明するものである。なお、図9は、この発明の実施の形態5における鍋と内容物との合計重量と、所定電力積算値投入後の温度上昇との関係を示すグラフであり、或る一定の電力を加熱コイルに供給した場合、鍋と内容物の合計重量が重いほど鍋の温度上昇は小さく、軽いほど温度上昇が大きくなることを示している。また、図10は、この発明の実施の形態5における最大投入電力と、鍋と内容物との合計重量との関係を示すグラフであり、鍋と内容物との合計重量に対して、鍋の浮き上がりを発生しない範囲で最大投入できる電力を示している。
次に、実施の形態5の動作を図1、図8〜図10に基づいて説明する。
図8のステップS401にて開始スイッチが押されると、制御回路3は、ステップS402にて、鍋材質を判定する。鍋材質の判定方法と磁性鍋と判定した場合の処理については実施の形態1と同様であるのでフローチャート及び動作説明を省略する。ステップS402にて非磁性低抵抗鍋と判定した場合、制御回路3は、ステップS403〜ステップS422を実施する。この場合、制御回路3は、ステップS403では所定の電力を所定時間投入して温度センサの温度上昇を計測する。鍋と内容物の合計重量が多ければ、比熱も大きくなるので温度上昇と重量の関係は図9のようになる。そこで、制御回路3は、温度上昇値から図9の関係を示す数式または図9の関係を登録した図示しない記憶装置のテーブルを参照することで、鍋と内容物の合計重量を推定する。さらに、制御回路3は、ステップS404で図10のグラフに基づき上記と同様にして推定重量から最大電力Wmaxを決定する。
実施の形態6における加熱調理器の構成は、上記実施の形態1の図1と同様であるので、ここでの構成図及び説明を省略する。また、実施の形態6における鍋+内容物の重量検知については実施の形態5における図9の説明と同様であるので説明を省略する。図11は、この発明の実施の形態6における制御回路の動作を示すフローチャートであり、図12は、この発明の実施の形態5における電力下げ量と、鍋と内容物との合計重量との関係を示すグラフである。
次に、実施の形態6の動作を図1、図9、図11および図12に基づいて説明する。
図11のステップS501にて開始スイッチが押されると、制御回路3は、ステップS502にて、鍋材質を判定する。鍋材質の判定方法と磁性鍋と判定した場合の処理については実施の形態1と同様であるのでフローチャート及び動作説明を省略する。ステップS502にて非磁性低抵抗鍋と判定した場合、制御回路3は、ステップS503〜ステップS522を実施する。この場合、制御回路3は、ステップS503で所定の電力を所定時間投入して温度センサの温度上昇を計測する。鍋と内容物の合計重量が多ければ、比熱も大きくなるので温度上昇と重量の関係は図9のようになる。そこで、制御回路3は、温度上昇値から図9の関係を表す数式または図9の関係を登録した図示しない記憶装置のテーブルを参照することで、鍋と内容物の合計重量を推定する。さらに、制御回路3は、ステップS504で図12のグラフに基づき推定重量から上記と同様にして電力下げ量ΔWを決定する。
実施の形態7における加熱調理器の構成は、上記実施の形態1の図1と同様であるので、ここでの構成図及び説明を省略する。また、実施の形態7における鍋+内容物の重量検知については図9の実施の形態5と同様であるので説明を省略する。
図1において図示していないが音声出力手段または表示手段をもち、制御回路3は推定した重量を使用者に連絡する機能を有する。
実施の形態8における加熱調理器の構成を図13に示す。図13では、上記実施の形態1の図1に対してスイッチング素子2cに流れる電流を検知する電流検出用抵抗2iを追加した。他は同様であるので、説明を省略する。制御回路3は、鍋材質判定を行なう。このとき制御回路3は、リレー2gをオンにし、スイッチング素子2cと2dを交互に動作させて、交流電源1をダイオードブリッジ2aとコンデンサ2bにより直流に変換した電力を高周波の電力に変換して加熱コイルに供給する(ハーフブリッジ式)。加熱コイル5のインダクタンス値をL、抵抗分をR、共振コンデンサ2eと2fのキャパシタンス(以下、容量という)をC1、スイッチング素子の駆動周波数をfとすると、
Claims (9)
- 鍋を誘導加熱する加熱コイルと、
この加熱コイルと直列または並列に接続された共振コンデンサと、
前記鍋の材質に応じて前記共振コンデンサの容量を切り替えて共振周波数を変更する切替手段と、
前記鍋の温度を検出する温度検出手段と、
前記切替手段によって変更された共振周波数近傍の高周波電流を前記加熱コイルに供給するインバータと、
このインバータに流れる電流を検出する電流検出手段と、
この電流検出手段の検出結果に基づいて、前記鍋がアルミ鍋などの非磁性低抵抗鍋か鉄鍋などの磁性鍋かを識別する鍋材質識別手段と、
前記温度検出手段によって検出された前記鍋の温度に基づき、前記インバータを制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記鍋材質識別手段の識別結果が非磁性低抵抗鍋と判定した場合、上限値以上の電力投入を禁止するとともに、調理時間の経過または投入電力の積算値の増加に応じて前記上限値を下げることを特徴とする誘導加熱調理器。 - 鍋と内容物の合計重量を推定する重量推定手段を備え、
前記制御手段は、前記鍋材質識別手段の識別結果が非磁性低抵抗鍋の場合、前記重量推定手段によって推定された推定重量に応じて最大投入電力を決定し、最大投入電力以上の電力供給を禁止することを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。 - 鍋と内容物の合計重量を推定する重量推定手段を備え、
前記制御手段は、前記鍋材質識別手段の識別結果が非磁性低抵抗鍋の場合、前記電流検出手段の検出結果に基づいて鍋移動の有無を検出し、鍋移動を検出した場合は、前記重量推定手段によって推定された推定重量と投入電力積算値から電力下げ量を決定することを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。 - 鍋と内容物の合計重量を推定する重量推定手段と、
音声または表示を行う報知手段と、を備え、
前記制御手段は、前記鍋材質識別手段の識別結果が非磁性低抵抗鍋の場合、前記報知手段に音声または表示により報知させ、鍋と内容物の重量の確認を使用者に促すことを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。 - 前記重量推定手段は、入力電力の積算値と温度センサの変化率から鍋と内容物の合計重量を推定することを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
- 前記制御手段は、前記切替手段動作直後または加熱開始時は、前記加熱コイルに流す電流が少なくなるように前記インバータを制御し、このときの前記電流検出手段によって検出された前記加熱コイルへ供給する高周波電流値に基づいて前記切替手段の故障を検知することを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
- 前記制御手段は前記共振コンデンサを非磁性低抵抗鍋加熱から磁性鍋加熱に切替えたにもかかわらず、前記電流検出手段が検出した前記インバータの電流が所定値以上の場合は前記切替手段が故障したと判定することを特徴とする請求項6記載の誘導加熱調理器。
- 前記制御手段は前記共振コンデンサを磁性鍋加熱から非磁性低抵抗鍋加熱に切替えたにもかかわらず、前記電流検出手段が検出した前記インバータの電流が所定値以下の場合は前記切替手段が故障したと判定することを特徴とする請求項6記載の誘導加熱調理器。
- 報知手段を備え、
前記制御手段は前記切替手段が故障していると判定した場合は、前記インバータに前記加熱コイルの駆動を禁止させて、前記報知手段に故障である事を報知させることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
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