JP2011245698A - 化粧シートおよびそれを用いた木質板 - Google Patents

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Abstract

【課題】抗アレルゲン性、耐キャスター性を有し、木質基材の表面凹凸が化粧シートの表面に浮き出ることを抑制できる化粧シートおよび床材を提供する。
【解決手段】基材シート1と、この基材シート1の表面側に配設される単一層または複数層からなる機能層10と、前記基材シート1の裏面側に配設される合成樹脂からなるバッカー層9とを備える。バッカー層9は、線膨張率7.0(10−5/℃)以上12.0(10−5/℃)以下、厚さ100μm以上1000μm以下である。機能層10の最外表面を構成する層8は、フェノール性水酸基を有する非水溶性高分子からなる抗アレルゲン剤を含有する硬化性樹脂組成物の硬化物塗膜で厚さ5μm以上20μm以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、化粧シートおよびそれを用いた木質板に関する。
床材用化粧シートとしては、例えば、基材シート上に表面保護層を含む装飾層を設け、基材シート裏面にポリエステルフィルムからなるバッカー層を設けて、全体として耐キャスター性、耐衝撃性等の特性を発現させてなる床材用化粧シートが知られている(例えば、特許文献1参照)。なお、バッカー層とは、木質基材などの表面凹凸の影響を緩和するとともに、上記特性の発現に有効となる、比較的厚みの大きな合成樹脂層である。
ところで、近年我が国では3人に1人がアトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患を患っていると言われている。アレルギー疾患の原因は、ダニ、花粉、カビ、ペットの毛などに由来するアレルゲンであり、アレルゲンを抑制する抗アレルゲン仕様の加工品が望まれる。特に、床材は、日常接触する機会の多い部分であり、アレルゲンも多いことから抗アレルゲン性が望まれる。
特開2005−290736号公報
床材に効率よく抗アレルゲン性を付与するには、特許文献1記載の床材用化粧シートを構成する表面保護層に抗アレルゲン剤を添加する方法が考えられる。抗アレルゲン剤としては、塗料に相溶し、長期に安定して抗アレルゲン性を発現することができる非水溶性の高分子材料が適している。
この抗アレルゲン剤は、一般的にフェノール性OH基を有しており、平衡吸水率が約6〜15%にも達する。そのため、室内に存在するアレルゲンに対して、十分な抗アレルゲン効果を得るために必要量の抗アレルゲン剤を表面保護層に添加した場合、表面保護層が柔軟に仕上がってしまう。そして、このように表面保護層が柔軟に仕上がった化粧シートを用いて床材を製造すると、木質基材の表面凹凸が化粧シートの表面に浮き出てしまうという問題が生じた。特に木質基材として、表面粗度が悪い植林木合板や国産材合板を採用した場合には、その問題が顕著であった。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、抗アレルゲン性、耐キャスター性を有し、木質基材の表面凹凸が化粧シートの表面に浮き出ることを抑制できる化粧シートおよび床材を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明は、以下のことを特徴としている。
すなわち、本発明の化粧シートにおいては、基材シートと、この基材シートの表面側に配設される単一層または複数層からなる機能層と、前記基材シートの裏面側に配設される合成樹脂からなるバッカー層とを備える。バッカー層は、線膨張率7.0(10−5/℃)以上12.0(10−5/℃)以下、厚さ100μm以上1000μm以下である。機能層の最外表面を構成する層は、フェノール性水酸基を有する非水溶性高分子からなる抗アレルゲン剤を含有する硬化性樹脂組成物の硬化物塗膜で厚さ5μm以上20μm以下である。
また、本発明の化粧シートにおいては、バッカー層を構成する合成樹脂は、無機フィラーおよび木粉を含有することが好ましい。
そして、本発明の木質板においては、上記した化粧シートが板状の木質基材に貼着されている。
また、本発明の木質板においては、木質基材が、植林木合板または国産材合板であることが好ましい。
本発明においては、所定の線膨張率を有する合成樹脂からなるバッカー層、および特定の抗アレルゲン剤を含む塗膜がそれぞれ所定の厚さを有するので、抗アレルゲン性、耐キャスター性を有し、木質基材の表面凹凸が化粧シートの表面に浮き出ることを抑制できる。
本発明の一例を示す化粧シートの断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の化粧シートは、基材シートと、この基材シートの表面側に配設される単一層または複数層からなる機能層と、前記基材シートの裏面側に配設される合成樹脂からなるバッカー層とを備える。そして、バッカー層は、線膨張率7.0(10−5/℃)以上12.0(10−5/℃)以下、厚さ100μm以上1000μm以下である。機能層の最外表面を構成する層は、フェノール性水酸基を有する非水溶性高分子からなる抗アレルゲン剤を含有する硬化性樹脂組成物を塗布、硬化して形成された厚さ5μm以上20μm以下の硬化物塗膜である。
化粧シートに用いられる基材シートとしては、環境問題の観点から、分子中に塩素原子などのハロゲン原子を含まない各種の熱可塑性樹脂が用いられることが好ましい。特に、柔軟性、耐候性等を有するオレフィン系樹脂が用いられることが好ましい。
オレフィン系樹脂は、具体的には、ポリエチレン(低密度、中密度又は高密度)、ポリプロピレン(アイソタクチック型、シンジオタクチック型、又はこれらの混合型)、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレンープロピレンーブテン共重合体、アイオノマー等の高結晶質の非エラストマーポリオレフィン樹脂、あるいは下記に記載した各種のオレフィン系熱可塑性エラストマーが挙げられる。
オレフィン系熱可塑性エラストマーは、主原料がハードセグメントである高密度ポリエチレンまたはポリプロピレンのいずれかからなり、これにソフトセグメントとしてのエラストマー、必要に応じて充填剤を添加してなるものが挙げられる。高密度ポリエチレンとしては、好ましくは、比重0.94〜0.96のポリエチレンであり、低圧法で得られる結晶化度が高く分子に枝分かれ構造の少ない高分子である高密度ポリエチレンが用いられる。ポリプロピレンとしては、好ましくは、アイソタクチック型ポリプロピレンが用いられる。
基材シートは、カレンダー成形、熔融押し出し成形等の常用の方法により、厚さ50μm〜200μm程度に製膜して得られる。
基材シートを構成する熱可塑性樹脂には、必要に応じて、充填剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の各種の添加剤が添加される。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、アクリレート系、サリシレート系、オキザニリド系の有機系紫外線吸収剤、微粒子状の酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム等の無機系紫外線吸収剤が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの紫外線吸収剤を適用する割合は、添加する対象の層の樹脂分に対し、好ましくは、0.1〜2重量%の範囲である。0.1重量%未満では添加効果が乏しく、2重量%を超えても、効果の更なる向上が見られないとともに、特に有機系紫外線吸収剤の場合、経時的に、あるいは熱加工時に表面にブリード(滲出)し易くなる。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系の光安定剤が用いられる。光安定剤を添加する割合は、添加する対象の層の樹脂分に対し、好ましくは、0.1〜2重量%の範囲である。0.1重量%未満では添加効果が乏しく、2重量%を超えても、効果の向上が見られない。
なお、紫外線吸収剤と光安定剤は、それぞれを単独で使用した場合でも効果はあるが、併用した方が、相乗的に効果が向上するため、併用することが望ましい。また紫外線吸収剤と光安定剤は、単に混合しただけでは使用中のブリードが避けがたいために、上記のヒンダードアミン系の光安定剤に代えて、下記の化合物を使用して、ブリードを防止することが望ましい。ヒンダードアミン系の光安定剤に代わる化合物としては、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルビペリジン、または4−(メタ)アクリロイルオキシ−1−ブチル2,2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の(メタ)アクリロイルオキシ基を持つ化合物、もしくは4−クロトノイルオキシ−2,2,6.8−テトラメチルピペリジン、または4−クロトノイルオキシ−1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等のクロトノイルオキシ基を持つ化合物をグラフト共重合させた樹脂等が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂には、顔料等の着色剤が添加されていてもよい。これによって、基材シートは不透明(隠蔽性)に形成される。
基材シートを構成する熱可塑性樹脂としてオレフィン系樹脂を用いた場合には、基材シートの表面にコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の易接着処理を施すことが好ましい。この易接着処理は、この種の基材シートにおいて通常使用される方法を用いることができる。このような易接着処理を行うことによって、オレフィン系樹脂で構成される基材シートの表面に、水酸基、カルボキシル基等の活性水素原子含有官能基を生成することができる。なお、基材シートを熔融押し出し法で製膜する場合には、基材シートの表面に極性官能基がある程度生成されるので、極性官能基の生成が十分であれば、易接着処理は省いてもよい。
本発明においては、上記のとおり、機能層の最外表面を構成する層の形成に用いられる硬化性樹脂組成物には、フェノール性水酸基を有する非水溶性高分子からなる抗アレルゲン剤が配合されている。
抗アレルゲン剤を構成するフェノール性水酸基を有する非水溶性高分子は、そのフェノール性水酸基によりアレルゲン物質を吸着捕捉し、そのエネルギー活性を不活化(抑制)する。また、非水溶性高分子であるため、水の存在下や高湿度条件におけるブリードや溶け出しを防止できる。
フェノール性水酸基を有する非水溶性高分子は、一価のフェノール性水酸基を有する単量体を重合または共重合させたものである。例えば、ポリ(3,4,5−ヒドロキシ安息香酸ビニル)、ポリ(4−ビニルフェノール)等のポリビニルフェノール、ポリチロシン、ポリ(1−ビニル−5−ヒドロキシナフタレン)、ポリ(1−ビニル−6−ヒドロキシナフタレン)、ポリ(1−ビニル−5−ヒドロキシアントラセン)等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、ポリビニルフェノールは、モノフェノールであるため着色レベルが低く、素地の外観を損ねることがなく、加工性が高く、市販品として容易に入手できる点から好ましく用いられる。
抗アレルゲン剤の含有量は、硬化性樹脂組成物の全量に対して好ましくは、3重量%以上15重量%以下である。3重量%より少ないと、十分な抗アレルゲン性を発現することができない場合がある。15重量%より多いと耐ブロッキング性を確保することができない場合がある。
機能層の最外表面を構成する層は、硬化性樹脂組成物を架橋により硬化させて厚さ5μm以上20μm以下の塗膜で形成される。塗膜厚さは、好ましくは、10μm以上18μm以下である。塗膜厚さが5μm以上20μm以下であることにより、特に耐ブロッキング性と耐傷性が向上する。塗膜厚さが5μm未満では、抗アレルゲン剤を効率よく分散させることができず、また、安定に塗布することが困難となり、抗アレルゲン性能が低下する。塗膜厚さが20μmを超える場合には、塗膜割れを起こすなど耐キャスター性が低下する。
硬化性樹脂組成物としては、例えば、硬化性樹脂として活性エネルギー線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂等を用いたものが挙げられる。
活性エネルギー線硬化型樹脂としては、例えば、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂等が挙げられる。
熱硬化型樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
本発明では、短時間で容易に耐久性を有する緻密な硬化物塗膜が得られるので、活性エネルギー線硬化型樹脂が好ましく用いられる。
以下、活性エネルギー線硬化型樹脂を用いた硬化性樹脂組成物について説明する。この硬化性樹脂組成物は、上記した抗アレルゲン剤とともに、活性エネルギー線硬化型樹脂として反応性オリゴマーおよび反応性モノマーから選ばれる少なくとも1種を含有する。
上記の反応性オリゴマーは、これを硬化性樹脂組成物に配合することで、耐汚染性や耐擦傷性等の塗膜強度を向上させることができる。反応性オリゴマーは、好ましくは1分子中に2個以上のアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する光硬化性(メタ)アクリレートモノマーを重合して得られる樹脂である。反応性オリゴマーとしては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、アクリル酸エステル共重合体の側鎖にアクリロイル基またはメタクリロイル基を導入した共重合系(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、フッ素含有オレフィンから誘導されるユニット、重合性不飽和基含有シリコーンから誘導されるユニット、または水酸基含有不飽和エーテルから誘導されるユニットを含有する共重合体であってもよい。
上記の反応性オリゴマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。好ましくは、1分子中に3個以上のアクリロイル基を有するウレタンアクリレートまたはエステル変性されたエポキシアクリレートが用いられる。
反応性オリゴマーの分子量(Mw)は、好ましくは500〜4000の範囲内である。分子量が小さ過ぎると、塗膜強度が不十分となる場合がある。分子量が大き過ぎると、硬化性樹脂組成物の粘度と、耐汚染性と、抗アレルゲン性能との良好なバランスを得ることが困難となる。
反応性オリゴマーの配合量は、硬化性樹脂組成物全量に対して好ましくは10〜70重量%、より好ましくは20〜50重量%である。配合量が少な過ぎると、塗膜強度が不十分となる場合がある。配合量が多過ぎると、塗膜が硬過ぎて脆くなる場合がある。
上記の反応性モノマーは、反応性希釈剤や架橋剤として用いられる。反応性モノマーの具体例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルホルムアミド、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソボニルアクリレート、3−メトキシジブチルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、メトキシトリプロピレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、グリセリントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(ヘキサ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール#400アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記の反応性モノマーの中でも、1〜3個の(メタ)アクリロイル基を有するTg(ガラス転移温度)100℃以上のモノマーは、これを硬化性樹脂組成物に配合することで、硬化性樹脂塗膜の耐汚染性、耐擦傷性、耐クラック性を共に向上させることができる。このようなTg100℃以上のモノマーとしては、例えば、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、アクリロイルモルフォリン、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記の反応性モノマーの中でも、1〜2個の(メタ)アクリロイル基を有する脂肪族炭化水素系モノマーは、これを配合することで、抗アレルゲン性能を低下することなく硬化性樹脂組成物を低粘度化することができる。
抗アレルゲン剤は、通常、水素結合能力の高い官能基を持つため、カルボニル基やエーテル基を有するポリマーとの間に相互作用が働く。しかし、アレルゲン物質を不活化する活性点である水素結合能力の高い官能基とポリマーとの間に水素結合による相互作用が働くと、十分な抗アレルゲン性能が発現しにくくなる場合がある。これに対して、抗アレルゲン剤を分散可能な脂肪族炭化水素系モノマーを用いることにより、抗アレルゲン性能を低下することなく硬化性樹脂組成物を低粘度化することができる。
脂肪族炭化水素系モノマーとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、グリセリントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
脂肪族炭化水素系モノマーの配合量は、抗アレルゲン性能を低下することなく硬化性樹脂組成物の低粘度化を実現すると共に、他の塗膜物性も確保する点からは、硬化性樹脂組成物の固形分に対して好ましくは3〜45重量%、より好ましくは5〜40重量%である。
硬化性樹脂組成物には、抗アレルゲン剤、反応性オリゴマー、および反応性モノマーに加えて、本発明の効果を損なわない範囲内において光重合開始剤を配合することができる。
光重合開始剤としては、水素引き抜き型あるいは分子内開裂型のものを用いることができる。
水素引き抜き型の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン/アミン系、ミヒラーケトン/ベンゾフェノン系、チオキサントン/アミン系の光重合開始剤等が挙げられる。
分子内開裂型の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン型、アセトフェノン型、ベンゾフェノン型、チオキサントン型、アシルフォスフィンオキサイド型の光重合開始剤等が挙げられる。中でも、反応性が高いアセトフェノン型の2,2−ジメトキシー2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、長波長まで吸収端が伸びているアシルフォスフィンオキサイド型のモノアシルフォスフィンオキサイド、ビスアシルフォスフィンオキサイドが好ましい。
光重合開始剤の配合量は、反応性を高め、かつ塗膜物性等も損なわないようにする点からは、硬化性樹脂組成物の固形分に対して好ましくは1〜10重量%、より好ましくは3〜6重量%である。
硬化性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内において、抗アレルゲン剤、反応性オリゴマー、反応性モノマー、および光重合開始剤以外の他の添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、例えば、ワックス、抗菌剤、防黴剤、非反応性希釈剤、重合禁止剤、艶消し材、消泡剤、沈降防止剤、レベリング剤、分散剤、熱安定剤、紫外線吸収剤が挙げられる。
機能層の最外表面を構成する層の形成は、硬化性樹脂組成物を適宜手段で塗工し、紫外線もしくは電子線を照射して硬化させる。硬化性樹脂組成物には、粘度を調整するために、樹脂の成分を溶解可能であり常圧における沸点が70℃〜150℃の溶剤を、硬化性樹脂組成物中に30重量%以下の範囲で用いることができる。溶剤の添加量が30重量%以下の範囲であれば、乾燥がスムーズであり、生産スピードの大きな低下がない。上記の溶剤としては、塗料、インキ等に通常使用されるものが使用できる。具体例としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどの酢酸エステル類、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。なかでも、ケトン類、酢酸エステル類などの電子供与性の高い溶剤は、より溶解しやすく好適である。
硬化性樹脂組成物の塗工は、グラビア(ロール)コート、グラビアリバース(ロール)コート、グラビアオフセットコート、ロールコート、リバースロールコート、キスコート、ディップコート、シルクスクリーンによるベタコート、ワイヤーバーコート、フローコート、コンマコート、かけ流しコート、刷毛塗り、スプレーコート等を用いることができる。好ましいのはリバースロールコートである。
また、機能層の最外表面を構成する層の形成は、転写コーティング法を用いてもよい。これは、基材シートの表面に直接塗工せず、一旦、剥離性を有する薄いシート(フィルム)基材等に硬化性樹脂組成物の塗膜を形成する。次いでこのシート基材を、塗膜を間に挟んで基材シートの表面に積層してこれを被覆、紫外線照射・電子線照射により塗膜を架橋硬化せしめ、しかる後にシート基材を剥離する方法である。なお、薄いシート基材に硬化性樹脂組成物の塗膜を形成する手段は、上記の直接コーティング法と同じ各種のコーティング手段を用いることができる。
本発明においては、上記のとおり、基材シートの裏面側に合成樹脂からなるバッカー層が配設されている。
バッカー層を形成する合成樹脂は、例えば、熱可塑性樹脂であり、必要に応じて、無機フィラー、木粉、相溶化剤、及び着色剤等を所定の含有割合で含有し、これらを混練して、押出成形によって形成されてもよい。無機フィラーおよび木粉を含む合成樹脂(いわゆるウッドプラスチックボード(WPB)とも称される)を用いてバッカー層を形成した場合、表面硬度が高く且つ平滑な表面が得られるので、耐クラック性、耐傷性をより向上させることができる。さらに、温湿度に対する寸法安定性を向上させることができるため、木質基材の表面凹凸が表面に浮き出ることをより効果的に抑制することができる。
本発明においては、バッカー層の線膨張率が7.0(10−5/℃)以上12.0(10−5/℃)以下となる合成樹脂(無機フィラー、木粉、相溶化剤、及び着色剤等を合成樹脂に配合した場合には、これらを含有する合成樹脂)が用いられる。この範囲内の線膨張率のバッカー層を形成することで、耐キャスターおよび耐凹み性が向上する。また、化粧シート表面に木質基材の表面凹凸が浮き出ることを効果的に抑制することもできる。バッカー層の線膨張率が12.0(10−5/℃)を超える場合、木質基材の表面凹凸が浮き出ることを抑制することができない。また、バッカー層の線膨張率が7.0(10−5/℃)未満の場合、、バッカー層が硬すぎて木質基材とバッカー層との密着性が落ち、耐キャスター性が低下する。
熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、AS(アクリロニトリルスチレン)、アクリル等が挙げられる。特に、性能やコスト面等の観点から、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂が好ましく採用される。
必要に応じて配合される無機フィラーとしては、アスペクト比(粒子状無機物の直径を厚みで除した値)が10以上の鱗片状の微粒子が好ましく用いられ、無機物の種類としては、マイカ、アルミナ、タルク等が挙げられる。
必要に応じて配合される木粉としては、例えば、製材工場等で排出される製材屑や、廃木材を破砕、粉砕して得られたもの、合板、MDF、パーティクルボード等のサンダー粉等が採用される。このような木粉としては、成形性及び分散性の観点から、その平均粒径が、10〜150メッシュ程度のものが好ましい。
必要に応じて配合される相溶化剤としては、上記熱可塑性樹脂や上記無機フィラー等の物性に応じて、適宜、選択可能であるが、オレフィン系樹脂を採用した場合には、例えば、マレイン酸変性オレフィン樹脂が選択される。ポリプロピレンを採用した場合には、例えば、マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂が採用される。
無機フィラー、木粉等の含有割合としては、バッカー層全重量中、上記無機フィラーが40〜70重量%程度、上記木粉が、無機フィラーよりも少量となる5〜30重量%程度、上記相溶化剤が1〜10重量%程度含有されていることが好ましい。また、所定量の着色剤が含有されていてもよい。
このように、木粉の含有量を比較的、少量にすることで、寸法安定性を高めることができる。また、比較的、多量の無機フィラーを含有させることで、表面硬度を効果的に高めることができる。また、多量の無機フィラーを含有させた場合においても、上記のような割合で、木粉および相溶化剤を添加することで、分散性および成形性に優れ、バッカー層自体の物性が高められる。
バッカー層は、押出成形やカレンダー成形によって成形される。例えば、公知の二軸混練押出機を用いて、混練と押出しとを同時に行う押出成形によって成形するようにしてもよく、混練した後に、押出成形によって成形するようにしてもよい。あるいは、カレンダー加工により成形するようにしてもよい。
また、このバッカー層は、厚さ100μm〜1000μmの薄板状とされる。より好ましくは、厚さ200μm〜800μm程度の薄板状とされる。これにより、高い表面硬度を有し、耐キャスター性が向上する。また、化粧シート表面に木質基材の表面凹凸が浮き出ることを効果的に抑制することもできる。バッカー層の厚さが100μm未満の場合、木質基材の表面凹凸が浮き出ることを抑制することができない。また、バッカー層の厚さが1000μmを超える場合、バッカー層が脆くなってしまい耐キャスター性が低下する。
バッカー層は、例えば、基材シートの裏面に接着剤層を介して積層される。接着剤層は、2液硬化型のポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などのドライラミネート接着剤が好ましく用いられる。バッカー層の基材シートへの積層は、例えば、接着剤の接着性およびぬれ性を向上させるため、表面処理として合成樹脂バッカー層の表面にコロナ放電処理を施した後、上記接着剤を塗布して、基材シートを重ねてロールラミネーターを用いて圧締することにより行われる。
このようにして得られる本発明の化粧シートは、基材シートの表面に単一層または複数層からなる機能層を備え、機能層の最外表面を構成する層は、硬化性樹脂組成物を塗布、硬化して形成された塗膜である。機能層はこの塗膜の単一層であってもよいが、この塗膜を含む複数層から機能層を構成することもできる。例えば、図1に一例を示すように、基材シート1上に、ベタ層2と絵柄印刷層3からなるインキ絵柄層4、接着剤層5、透明樹脂層6、透明なプライマー層7、そして最外表面を構成する層8として上記した硬化性樹脂組成物の塗膜が順次積層され、これらが機能層10を構成していてもよい。図1の化粧シートは、基材シート1の裏面側にバッカー層9を備えている。
インキ絵柄層4として用いられるベタ層2は、隠蔽性を有しプライマーとしての特性も持つ着色インキにて全面にベタ印刷して形成したものであり、ベタ印刷層であるとともに基材シート1と透明樹脂層6との接着性を改良するためのプライマーとしての機能を有する。ベタ層2は、基材シート1表面の全面を覆うように全面ベタに形成しても、あるいは部分的ベタに形成してもいずれでもよい。ベタ層2の厚みは、例えば、1μm〜5μmとされる。
インキ絵柄層4として用いられる絵柄印刷層3は、木目模様、石目模様、各種抽象模様の絵柄を印刷形成したものである。絵柄印刷層3は、一般的な絵柄印刷用のインキを用いて印刷あるいは塗工することで形成できる。インキは、バインダーと着色剤とからなる。絵柄印刷層3の厚みは、例えば、1μm〜3μmとされる。
インキ絵柄層4は、図1に示すようにベタ層2と絵柄印刷層3の両者から構成されていてもよいが、ベタ層2のみ、あるいは絵柄印刷層3のみから構成されていてもよい。ベタ層2および絵柄印刷層3の形成は、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷等の既知の手段を用いて形成することができる。インキ絵柄層4の形成は、基材シート1の表面に、ベタ層2、絵柄印刷層3の順に設けられる。
接着剤層5は、透明樹脂層6を積層するのに用いられる。接着剤層5としては、2液硬化型のポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などのドライラミネート接着剤が好ましく用いられる。また上記方法以外にも、特に接着剤を用いずに、インキ絵柄層4の表面に、透明樹脂層6を構成する樹脂を熔融押し出し塗工により、透明樹脂層6をシート製膜と同時に積層する方法を用いてもよい。
透明樹脂層6を構成する樹脂は、基材シート1を構成する樹脂と同種または異種の熱可塑性樹脂であり、透明樹脂層6は、基材シート1と同様、カレンダー成形、熔融押し出し成形等の常用の方法により形成される。透明樹脂層6の厚みは、例えば、50μm〜200μmとされる。
透明樹脂層6を構成する熱可塑性樹脂には、基材シート1を構成する熱可塑性樹脂と同様、必要に応じて、充填剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の各種の添加剤が添加される。透明樹脂層6は、非着色の透明に形成されるが、必要に応じて着色剤を添加して着色透明に形成することもできる。透明樹脂層6を構成する樹脂としてオレフィン系樹脂を用いた場合には、基材シート1としてオレフィン系樹脂を用いた場合と同様、表面に、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の易接着処理を施すことができる。また、透明樹脂層6の表面に、樹脂溶液を塗布してプライマー層7を形成することもできる。プライマー層7の樹脂としては、アクリル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン等が挙げられる。
そして、プライマー層7の表面には、上記したように、カレンダー成形、熔融押し出し成形等の常用の方法により最外表面を構成する層8である硬化性樹脂組成物の塗膜が形成される。
次に木質板について説明する。
木質板は、上記した化粧シートを、最外表面を構成する層を外側にして、板状の木質基材に貼着して得られる。
木質基材としては、例えば、合板、LVL(単板積層材)、木質繊維板、パーティクルボード、OSB等の木質板が用いられる。特に、合板は、環境問題、資源の枯渇問題から、植林木や国産材を用いたものが望ましい。この植林木を例示すると、ファルカタ、カメレレ、ユーカリ、ゴム、エリマ、ターミナリア、キャンプノスペルマ、アカシアマンギューム、グメリナ、メルクシパイン、ラジアータパイン、ポプラ等が挙げられる。国産材を例示すると、スギ、ヒノキ、カラマツをはじめ間伐材などが挙げられる。その他、従来から木質基材として使用しているラワン、メランティ、セラヤ、アピトン、カポール等の南洋材等を用いてもよい。合板の構成も特に限定されないが、表裏層に比重が高くて硬い材を、また表裏層間に位置するコア層(芯層)に比重が低くて軟らかい材をそれぞれ配置するのが好ましい。なかでも、比重が重いユーカリ合板などが好ましい。なお、植林木や国産材の合板は、表面粗度が悪く表面凹凸を有しているが、上記した化粧シートを貼着することにより、合板の表面凹凸が化粧シートの表面に浮き出てくることを抑制することができる。
化粧シートを木質基材に貼着する際には、例えば、木質基材の形状に応じて、ラミネーター、ラッピングマシン、真空成形機等により化粧シートを木質基材に積層し接着剤により貼着する。積層時に用いる接着剤としては、例えば、反応型ホットメルト接着剤、溶剤希釈型接着剤、水性の2液ウレタン系接着剤等が挙げられる。
このようにして得られる木質板は、フローリング床等の床材、建具、造作材、室内の壁材、階段、框、ドア、カウンター、家具の側面板および前面板等として用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(硬化性樹脂組成物の調製)
抗アレルゲン剤(丸善化学株式会社製「マルカリンカーS−2P」ポリ−4−ビニルフェノール)8.0重量部、ウレタンアクリレート(日本合成化学社製「UV−7550B」)24.0重量部、反応性モノマー(第一工業製薬社製「ME−3」(メトキシトリエチレングリコールアクリレート)、第一工業製薬社製「L−9CA」(2個のメタアクリロイル基を有する脂肪族炭化水素モノマー)、東亞合成社製「M−220」(トリプロピレングリコールジアクリレート)、東亞合成社製「M−310」(トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート))を各々12.8重量部、14.4重量部、14.4重量部、14.4重量部、艶消し材として、シリカ微粒子(富士シリシア社製「サイロホービック702」(平均粒径4.1μm))4.0重量部、樹脂ビーズ(ガンツ化成社製「GM−0401S」(平均粒径4μm))4.0重量部、光重合開始剤(Ciba社製「ダロキュアMBF」メチルベンゾイルホルマート)4.0重量部を配合し、混合して調整した。なお、電子線照射の場合は、光重合開始剤を添加しない配合とする。また、比較例7については、抗アレルゲン剤を添加しない配合とした。
照射量は下記の通りである。
・紫外線照射:120mW/cm、350mJ/cm
・電子線照射:100kv、50kGy
(化粧シートの作製)
0.06mm厚の着色ポリプロピレン(基材シート)にインキ絵柄層(2μm)を印刷により形成した。次いでインキ絵柄層の上に0.08mm厚の透明性ポリプロピレン系樹脂フィルムを、ウレタン系ドライラミネート用接着剤を用いて接着して透明樹脂層を形成した。次いで透明樹脂層の上に、上記硬化性樹脂組成物を塗布し、紫外線照射もしくは電子線照射して硬化させ、表1に示す塗膜厚さの化粧シートを形成した。
(バッカー層の作製)
下記線膨張率を有するバッカー層を準備した。
・ポリスチレン(PS)樹脂「線膨張率6.5(10−5/℃)」膜厚:500μm
・ポリプロピレン(PP)樹脂「線膨張率9.9(10−5/℃)」膜厚:500μm
・WPB(ウッドプラスチックボード)「線膨張率7.5(10−5/℃)」膜厚:500μm
(WPB:ポリプロピレン(PP)樹脂37重量%、マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂3重量%、タルク50重量%、45メッシュ木粉10重量%)
・塩化ビニル樹脂「線膨張率25.0(10−5/℃)」膜厚:500μm
・ポリプロピレン(PP)「線膨張率9.9(10−5/℃)」膜厚:50μm
・ポリプロピレン(PP)「線膨張率9.9(10−5/℃)」膜厚:1500μm
(木質板の作製)
化粧シートの裏面にウレタン系接着剤を塗布し、バッカー層に貼り付けた。さらに、バッカー層の裏側に、ウレタン変性エチレン-酢酸ビニル系エマルジョン接着剤を用いて下記の木質基材を貼り合せた。
・植林木合板:ユーカリ合板
・国産材合板:スギ−カラマツ複合合板
このようにして得られた実施例および比較例の化粧シートについて、下記の評価を行った。評価結果を表1に示す。
[抗アレルゲン性能]
予め調製したダニ抗原(アサヒビール(株)製、精製ダニ抗原Derf 2)の水溶液0.4mlを化粧シートの塗膜に滴下した(初期濃度33.3ng/ml)。6時間後、化粧シート上のダニ抗原液を回収し、ELISAキット(INDOOR社製)でダニアレルゲン不活化率を測定した。測定結果に基づき下記の基準により抗アレルゲン性能を評価した。
○:初期のダニ抗原濃度に比較して、6時間後にダニ抗原濃度の不活化率が80%以上低下が見られた。
×:初期のダニ抗原濃度に比較して、6時間後にダニ抗原濃度の不活化率が80%以上低下しなかった。
[表面外観/凹凸性]
木質板の化粧シートの表面凹凸を目視外観で確認した。
○:外観異常なし
×:外観に凹凸感あり
〔耐キャスター性〕
25kgの荷重を金属性キャスター(φ:50mm)に載荷し、2000回同一箇所を走行させ、その際の凹み量を計測した。
○:0.15mm以下
×:0.15mm以上、その他割れなど著しい外観以上がある場合
Figure 2011245698
表1より、実施例1〜5の木質板は、抗アレルゲン性能、耐キャスター性に優れ、木質板の外観に異常がないことが確認された。一方、比較例1〜2は、バッカー層の厚さが100μm以上1000μm以下でないので、抗アレルゲン性能、表面外観、耐キャスター性すべてを満足するものではなかった。比較例3〜4は、抗アレルゲン剤を含有する硬化性樹脂組成物の塗膜厚さが5μm以上20μm以下でないので、抗アレルゲン性能、表面外観、耐キャスター性すべてを満足するものではなかった。比較例5〜6は、バッカー層の線膨張率が7.0(10−5/℃)以上12.0(10−5/℃)以下でないので、抗アレルゲン性能、表面外観、耐キャスター性すべてを満足するものではなかった。また、比較例7は、抗アレルゲン剤を含有する硬化性樹脂組成物を使用しなかったので、抗アレルゲン性能、表面外観、耐キャスター性すべてを満足するものではなかった。
1 基材シート
8 最外表面を構成する層
9 バッカー層
10 機能層

Claims (4)

  1. 基材シートと、この基材シートの表面側に配設される単一層または複数層からなる機能層と、前記基材シートの裏面側に配設される合成樹脂からなる線膨張率7.0(10−5/℃)以上12.0(10−5/℃)以下、厚さ100μm以上1000μm以下のバッカー層とを備え、前記機能層の最外表面を構成する層が、フェノール性水酸基を有する非水溶性高分子からなる抗アレルゲン剤を含有する硬化性樹脂組成物の硬化物塗膜で厚さ5μm以上20μm以下であることを特徴とする化粧シート。
  2. 前記バッカー層を構成する合成樹脂は、無機フィラーおよび木粉を含有することを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
  3. 請求項1または2に記載の化粧シートが板状の木質基材に貼着されていることを特徴とする木質板。
  4. 前記木質基材が、植林木合板または国産材合板であることを特徴とする請求項3に記載の木質板。
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