JP2011239489A - モータ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な回路構成および制御動作により、フェールセーフ用の半導体スイッチング素子がスパイク電圧により破壊されるのを防止する。
【解決手段】異常検出部10が異常を検出した場合に、インバータ駆動部2は、制御部1からの指令信号に基づいて、インバータ回路3の各半導体スイッチング素子Q1〜Q6を全てOFFにする。その後、所定時間が経過した時点で、フェールセーフ駆動部5は、制御部1からの指令信号に基づいて、フェールセーフ回路4の各半導体スイッチング素子Zu、Zv、Zwを全てOFFにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)信号により駆動されるインバータ回路を備えたモータ駆動装置に関し、特に、インバータ回路とモータとの間に設けられるフェールセーフ用の半導体スイッチング素子を、モータで発生する逆起電力から保護するための技術に関する。
車両の電動パワーステアリング装置においては、ハンドルの操舵トルクに応じた操舵補助力をステアリング機構に与えるために、3相ブラシレスモータなどの電動式モータが設けられる。このモータを駆動する装置として、PWM制御方式によるモータ駆動装置が知られている。
一般に、PWM制御方式のモータ駆動装置では、所定のデューティを持ったPWM信号により駆動されるインバータ回路を備えている。インバータ回路は、上アームと下アームにそれぞれ半導体スイッチング素子を有する上下一対のアームが3組設けられた、いわゆる3相ブリッジから構成されている。そして、PWM信号に基づいて各スイッチング素子がON・OFF動作を行うことにより、インバータ回路からモータへ各相の電圧が供給され、モータが駆動される。
また、回路の故障が検出された場合に、インバータ回路からモータへ(あるいはモータからインバータ回路へ)電流が流れないようにするため、インバータ回路とモータとの間に、フェールセーフ用の機械式リレーを設けたモータ駆動装置も知られている(例えば特許文献1、2)。
ここで、回路の故障には、モータ駆動装置において発生する様々な故障が含まれる。例えば、インバータ回路の各スイッチング素子がON状態からOFF状態へ変化せず、ON状態になったままとなるON故障や、スイッチング素子以外の配線部分に生じる短絡故障などがある。そのほか、インバータ回路を制御するCPUの内部で異常が生じ、CPUが本来とは異なる制御を行ってしまうような故障もある。
上記のような回路の故障が検出された場合、インバータ回路の各スイッチング素子が全てOFF状態となるような制御や、インバータ回路と車両用バッテリとの間に設けられている電源リレーがOFF状態となるような制御が行われる。これにより、インバータ回路やモータへの電力供給が停止され、インバータ回路の破壊や、運転者が予期しない方向にアシストが行われるなどの誤動作が防止される。
回路の故障が検出されると、モータによる操舵補助力の付与は行われないため、運転者はハンドルを人力で操舵することとなる。その際、モータがハンドルの操舵に合わせて連れ回ってしまい、モータが発電機として機能することになる。したがって、モータとインバータ回路とが電気的に接続されたままでは、モータの発電動作によって、ハンドル操作に大きな抵抗がかかってしまう。つまり、ハンドルを回すために多大の力を必要とすることになる。そこで、これを防ぐために、特許文献1、2のように、インバータ回路とモータとの間を電気的に切断できるフェールセーフ用の機械式リレーが設置されている。
しかしながら、電動パワーステアリング装置では、制御用の回路を車両内に搭載するため、モータへの供給電力が大きいわりには、制御回路をより小型にしなければならないという要求がある。そのため、特許文献1、2のように機械式リレーを用いた場合は、リレーそれ自体が大型となって上記要求を満足できなくなる。そこで、後掲の特許文献3のように、機械式リレーに代えて、フェールセーフ用の半導体スイッチング素子をインバータ回路とモータとの間に設けたモータ駆動装置が知られている(例えば特許文献3)。
特許文献3のモータ駆動装置においては、モータとインバータ回路との間の給電ラインにFET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)を設け、インバータ回路に短絡などの異常が発生した場合に、各給電ラインのFET群と、インバータ回路を構成しているFET群とを共にOFFにするようにしている。
しかしながら、この構成において、異常が発生した場合に、モータへの通電中に給電ラインのFETをOFFにすると、モータのインダクタンスに起因する逆起電力が発生し、これがスパイク電圧(瞬間的な大電圧)としてFETに加わる。このため、FETが破壊されてしまうことがある。
そこで、後掲の特許文献4では、モータとインバータ回路との間の給電ラインにフェールセーフ用のFETを設けたモータ駆動装置において、上述したスパイク電圧から半導体スイッチング素子を保護するための技術が提案されている。特許文献4では、異常発生時に、インバータ回路のFETを全てOFFした後、給電ライン上のフェールセーフ用のFETを全て一斉にOFFするのではなく、各相の電流値を検出し、その電流値が所定の基準値以下になった相から順次FETをOFFにしてゆく。これにより、スパイク電圧を抑制して、FETの破壊を防止することができる。
特許第3686471号公報 特開2005−199746号公報 特開2009−274686号公報 特開2009−220705号公報
特許文献4のモータ駆動装置では、異常が発生した場合に、電流値が所定値以下となった相のフェールセーフ用FETから順次OFFすることでインバータ回路とモータとを切断するので、各相のそれぞれに流れる電流値を常に検出しなければならない。このため、各相ごとにシャント抵抗などの電流検出素子を設ける必要があり、回路が大型化してしまう。また、各相の電流値を基準値と比較したり、フェールセーフ用のFETごとにOFF制御を行ったりするなど、制御内容も複雑であり、回路の誤動作や複雑化を招来する結果となる。
そこで、本発明の目的は、簡単な回路構成および制御動作により、フェールセーフ用の半導体スイッチング素子がスパイク電圧により破壊されるのを防止できるモータ駆動装置を提供することにある。
本発明に係るモータ駆動装置は、上アームと下アームにそれぞれ半導体スイッチング素子を有する上下一対のアームが少なくとも3組設けられ、PWM信号による各半導体スイッチング素子のON・OFF動作に基づいてモータに電圧を供給するインバータ回路と、このインバータ回路の各半導体スイッチング素子に対して、PWM信号を出力するインバータ駆動部と、インバータ回路とモータとの間に設けられ、インバータ回路からモータへの電圧供給を遮断するための半導体スイッチング素子を各相ごとに有するフェールセーフ回路と、このフェールセーフ回路の半導体スイッチング素子をON・OFFさせる信号を出力するフェールセーフ駆動部と、インバータ駆動部に対して、インバータ回路の各半導体スイッチング素子の駆動を指令する指令信号を出力し、フェールセーフ駆動部に対して、フェールセーフ回路の各半導体スイッチング素子の駆動を指令する指令信号を出力する制御部と、異常を検出する異常検出手段とを備える。そして、異常検出手段が異常を検出した場合に、インバータ駆動部は、制御部からの指令信号に基づいて、インバータ回路の各半導体スイッチング素子を全てOFFさせるように制御を行い、その後所定時間が経過した時点で、フェールセーフ駆動部は、制御部からの指令信号に基づいて、フェールセーフ回路の各半導体スイッチング素子を全てOFFさせるように制御を行う。
このように構成したことにより、異常が発生した場合には、まずインバータ回路の半導体スイッチング素子が全てOFFとなり、その後所定時間が経過すると、次にフェールセーフ回路の半導体スイッチング素子が全てOFFになる。このため、インバータ回路の半導体スイッチング素子が全てOFFとなった後も、所定時間が経過するまでは、フェールセーフ回路のON状態にある半導体スイッチング素子を介して、モータで発生した逆起電力がインバータ回路側に吸収される。したがって、フェールセーフ回路の半導体スイッチング素子にスパイク電圧が印加されないので、素子の破壊を防止することができる。また、フェールセーフ回路の半導体スイッチング素子をOFFするタイミングを制御すればよいので、特許文献4のように電流検出素子を設けて各相の電流値を常に検出する必要がなく、複雑な制御も必要としない。
本発明において、フェールセーフ駆動部は、フェールセーフ回路の各半導体スイッチング素子を同時に全てOFFにするのが好ましい。これにより、フェールセーフ駆動部は、半導体スイッチング素子を個別に制御する必要がないので、素子に対する制御を容易に行うことができる。
本発明において、フェールセーフ駆動部は、所定時間が経過するまで、フェールセーフ回路の各半導体スイッチング素子をON状態に維持してもよい。あるいは、これに代えて、所定時間が経過するまで、フェールセーフ回路の各半導体スイッチング素子をPWM駆動してもよい。
本発明では、インバータ回路と、当該インバータ回路に電力を供給する電源との間に、制御部により開閉制御される開閉器が設けられていてもよい。このようなモータ駆動装置においては、異常検出手段が異常を検出した場合に、制御部は、インバータ駆動部に対して、インバータ回路の各半導体スイッチング素子を全てOFFにする指令信号を出力すると同時に、開閉器を開状態にして、インバータ回路と電源とを電気的に切り離すのが好ましい。これによると、インバータ駆動部からの指令のみでインバータ回路の半導体スイッチング素子をOFFにするだけでなく、開閉器によりインバータ回路を電源から遮断するので、インバータ回路を確実に動作停止状態とすることができ、安全性が向上する。
本発明では、インバータ回路およびフェールセーフ回路の各半導体スイッチング素子は、それぞれNチャンネル型MOS−FETから構成するのが好ましい。これによると、MOS−FETのソース・ドレイン間に存在する寄生ダイオードを利用して、モータで発生した逆起電力を容易にインバータ回路側に吸収させることができる。また、Nチャンネル型MOS−FETは、Pチャンネル型MOS−FETに比べて回路設計が容易であるという利点がある。
本発明によれば、簡単な回路構成および制御動作により、フェールセーフ用の半導体スイッチング素子がスパイク電圧により破壊されるのを防止することができる。
本発明の実施形態に係るモータ駆動装置の回路図である。 第1実施形態によるモータ駆動装置の動作を示したタイミングチャートである。 正常時の電流経路を示した図である。 異常時の電流経路を示した図である。 インバータ回路とモータとの間が遮断された状態を示した図である。 第1実施形態による制御の手順を表したフローチャートである。 第2実施形態によるモータ駆動装置の動作を示したタイミングチャートである。 スパイク電圧の波形を拡大した図である。 第2実施形態による制御の手順を表したフローチャートである。 比較例によるモータ駆動装置の動作を示したタイミングチャートである。 比較例における異常時の電流経路を示した図である。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照しながら説明する。ここでは、車両の電動パワーステアリング装置に用いられるモータ駆動装置を例に挙げる。なお、図面中、同一部分または対応する部分には同一符号を付してある。
最初に、本発明の第1実施形態に係るモータ駆動装置の構成を、図1を参照しながら説明する。図1において、モータ駆動装置100は、制御部1、インバータ駆動部2、インバータ回路3、フェールセーフ回路4、フェールセーフ駆動部5、コンデンサC、電源リレーRY、電源Bを備えている。電源リレーRYは、本発明における開閉器の一例である。モータ駆動装置100により駆動されるモータ6は、例えば3相ブラシレスモータである。
インバータ回路3は、上アームと下アームにそれぞれ半導体スイッチング素子(以下、単に「スイッチング素子」という)を有する上下一対のアームがU相、V相、W相に対応して3組設けられた3相ブリッジから構成されている。U相の上アームa1および下アームa2は、それぞれスイッチング素子Q1、Q2を有しており、V相の上アームa3および下アームa4はそれぞれスイッチング素子Q3、Q4を有しており、W相の上アームa5および下アームa6はそれぞれスイッチング素子Q5、Q6を有している。スイッチング素子Q1、Q2の接続点pからはU相電圧が取り出され、スイッチング素子Q3、Q4の接続点qからはV相電圧が取り出され、スイッチング素子Q5、Q6の接続点rからはU相電圧が取り出される。
本実施形態では、これらのスイッチング素子Q1〜Q6は、Nチャンネル型MOS−FETから構成されている。各スイッチング素子において、Sはソース、Dはドレイン、Gはゲート、dはソースSとドレインDとの間に存在する寄生ダイオードを表している。寄生ダイオードdの導通方向は、各スイッチング素子Q1〜Q6の導通方向(ドレインD→ソースS)とは逆の方向となっている。スイッチング素子Q1、Q3、Q5の各ドレインDは共通に接続されていて、この接続点mは電源リレーRYを介して電源Bに接続されている。コンデンサCは、上記接続点mとグランドとの間に接続されている。また、スイッチング素子Q2、Q4、Q6の各ソースSは共通に接続されていて、この接続点nは電流検出抵抗Rを介してグランドに接続されている。インバータ回路3には、電源リレーRYを介して電源Bから電力が供給される。
インバータ回路3のスイッチング素子Q1〜Q6の各ゲートGには、インバータ駆動部2から出力される6種類のPWM信号が個別に与えられる。スイッチング素子Q1〜Q6は、このPWM信号に基づいてON・OFF動作を行い、その結果、インバータ回路3から上述したU相電圧、V相電圧、W相電圧の3相電圧が出力される。この3相電圧は、フェールセーフ回路4を介して、モータ6へ供給される。
フェールセーフ回路4は、インバータ回路3とモータ6との間に設けられており、U相電圧の給電ラインにスイッチング素子Zu、V相電圧の給電ラインにスイッチング素子Zv、W相電圧の給電ラインにスイッチング素子Zwをそれぞれ有している。本実施形態では、これらの各スイッチング素子Zu、Zv、Zwは、インバータ回路3のスイッチング素子Q1〜Q6と同様に、Nチャンネル型MOS−FETから構成されている。各スイッチング素子において、Sはソース、Dはドレイン、Gはゲート、dはソースSとドレインDと間に存在する寄生ダイオードを表している。寄生ダイオードdの導通方向は、各スイッチング素子Zu、Zv、Zwの導通方向(ドレインD→ソースS)とは逆の方向となっている。
スイッチング素子ZuのソースSは、スイッチング素子Q1、Q2の接続点pに接続されており、スイッチング素子ZvのソースSは、スイッチング素子Q3、Q4の接続点qに接続されており、スイッチング素子ZwのソースSは、スイッチング素子Q5、Q6の接続点rに接続されている。また、スイッチング素子ZuのドレインDは、モータ6のU相巻線6uに接続されており、スイッチング素子ZvのドレインDは、モータ6のV相巻線6vに接続されており、スイッチング素子ZwのドレインDは、モータ6のW相巻線6wに接続されている。
フェールセーフ回路4のスイッチング素子Zu、Zv、Zwの各ゲートGには、フェールセーフ駆動部5から制御信号が入力される。フェールセーフ駆動部5は、スイッチング素子Zu、Zv、ZwをONにする場合は、「H」(High)レベルの制御信号を出力し、スイッチング素子Zu、Zv、ZwをOFFにする場合は、「L」(Low)レベルの制御信号を出力する。スイッチング素子Zu、Zv、Zwは、この制御信号に基づいてON・OFF動作を行う。スイッチング素子Zu、Zv、ZwがON状態のときは、インバータ回路3からモータ6へ給電が行われ、スイッチング素子Zu、Zv、ZwがOFF状態になると、インバータ回路3からモータ6への給電が遮断される。
制御部1は、CPUやメモリ等から構成されていて、異常検出部10を備えている。異常検出部10は、本発明における異常検出手段の一例である。制御部1は、電流検出抵抗Rに生じる電圧に基づいて、モータ電流の検出電流値を算出するとともに、図示しないトルクセンサから入力される操舵トルクに基づいて、モータ電流の目標電流値を算出する。そして、これらの検出電流値および目標電流値から、各相のPWM信号のデューティを設定し、当該デューティのPWM信号を生成させるための指令信号をインバータ駆動部2へ出力する。また、制御部1は、異常検出部10が短絡故障等の異常を検出した場合に、電源リレーRY、インバータ駆動部2、およびフェールセーフ駆動部5に対して、後述するような制御を行う。
インバータ駆動部2は、制御部1から与えられる指令信号に基づいて、所定のデューティを持った6種類のPWM信号を生成し、このPWM信号をインバータ回路3の各スイッチング素子Q1〜Q6のゲートGへ出力する。
次に、上述したモータ駆動装置100の動作について、図2〜図5を参照しながら説明する。図2のタイミングチャートにおいて、時刻t1以前では回路に異常が発生しておらず、(a)に示すように、電源リレーRYとインバータ回路3は共にON状態にあり、また(b)に示すように、フェールセーフ回路4もON状態にある。
すなわち、異常検出部10が異常を検出していない場合、制御部1は電源リレーRYを閉状態(ON)に制御する。また、制御部1はインバータ駆動部2に指令信号を出力し、スイッチング素子Q1〜Q6のうち所定の素子をONさせて、インバータ回路3を動作状態とする。さらに、制御部1は、フェールセーフ駆動部5に指令信号を出力し、スイッチング素子Zu、Zv、Zwを全てONさせて、フェールセーフ回路4を導通状態とする。
この状態(正常時)では、例えば、図3のような電流経路(太線)が形成される。ここでは、インバータ回路3のスイッチング素子Q1、Q6がONしている時の電流経路を示している。図3において、電源B→電源リレーRY→スイッチング素子Q1(ドレインD〜ソースS)→スイッチング素子Zuの寄生ダイオードd→モータ6のU相巻線6uの経路で、U相電流が流れる。また、モータ6のW相巻線6w→スイッチング素子Zw(ドレインD〜ソースS)→スイッチング素子Q6(ドレインD〜ソースS)→電流検出抵抗R→グランドの経路で、W相電流が流れる。図2(c)は、これらのU相電流とW相電流を示している。また、図2(d)はモータ6のU相巻線6uの端子に印加されるU相電圧、図2(e)はモータ6のW相巻線6wの端子に印加されるW相電圧をそれぞれ示している。なお、U相電圧とW相電圧は、実際にはPWM制御されたパルス電圧となるが、図では便宜上、直流電圧として表現してある。
次に、異常が発生した場合の動作について説明する。異常検出部10が短絡故障等の異常を検出すると、制御部1は、電源リレーRYを閉状態(ON)から開状態(OFF)に切り替えるとともに、インバータ駆動部2に対して、インバータ回路3の動作を停止させるための指令信号を出力する。電源リレーRYが開状態に切り替わることで、インバータ回路3と電源Bとが電気的に切り離される。また、インバータ駆動部2は、制御部1からの指令信号に基づいて、インバータ回路3へのPWM信号の出力を停止する。これにより、インバータ回路3のスイッチング素子Q1〜Q6は全てOFFとなる。
しかしながら、上記のように電源リレーRYやスイッチング素子Q1〜Q6がOFF状態となるように制御を行っても、リレーや回路が故障しているとインバータ回路3からモータ6へ電流が流れるおそれがある。そこで、これを阻止するために、フェールセーフ回路4のスイッチング素子Zu、Zv、Zwを全てOFFにして、インバータ回路3とモータ6との間を遮断することで、フェールセーフ機能を担保する。
ところで、比較例を示す図10の(a)、(b)のように、インバータ回路3をOFFにするタイミングt1と同じタイミングt1でフェールセーフ回路4をOFFにすると、モータ6に発生する逆起電力により、フェールセーフ回路4のスイッチング素子が破壊されるという問題が生じる。以下、これについて詳しく説明する。
図11は、図3で示した正常状態から異常が発生した場合に、インバータ回路3のスイッチング素子Q1〜Q6のOFFと同時に、フェールセーフ回路4のスイッチング素子Zu、Zv、ZwをOFFさせたときの、逆起電力に基づいて流れる電流の経路を示している。逆起電力により、モータ6におけるU相巻線6uの端子の極性は、図3の+から−へ反転し、W相巻線6wの端子の極性は、図3の−から+へ反転する。
この結果、U相については、太実線で示したように、グランド→電流検出抵抗R→スイッチング素子Q2の寄生ダイオードd→スイッチング素子Zuの寄生ダイオードd→モータ6のU相巻線6uという電流経路が形成されるため、この電流経路によってモータ6で発生した逆起電力が吸収される。したがって、U相のスイッチング素子Zuに大きなスパイク電圧が印加されることはない。
ところが、W相については、モータ6のW相巻線6wからインバータ回路3へ太点線で示したように電流が流れようとしても、スイッチング素子Zwの寄生ダイオードdの導通方向が電流の方向とは逆であるため、太点線の経路は形成されない。このため、W相巻線6wにおける+極性の逆起電力が吸収されず、スイッチング素子Zwに大きなスパイク電圧が印加されて、スイッチング素子Zwが破壊される。
上述した現象を図10で説明すると、インバータ回路3のスイッチング素子Q1〜Q6のOFFと同時に、フェールセーフ回路4のスイッチング素子Zu、Zv、ZwをOFFにすることにより、(c)に示すようにモータ6のU相電流とW相電流は急激に減少する。モータ6に発生する逆起電力は、電流の変化率(di/dt)が大きくなるほど増大するから、(c)のような急激な電流変化によって大きな逆起電力が発生する。しかし、U相については、上述した通り逆起電力の吸収経路が形成されるので、U相電圧には(d)に示すようにスパイク電圧X6は発生しない。一方、W相については、上述した通り逆起電力の吸収経路が形成されないので、W相電圧には(e)に示すようにスパイク電圧X7が発生する。
そこで、本実施形態においては、スパイク電圧による素子破壊を防止するため、図2(a)、(b)に示したように、異常が発生して電源リレーRYおよびインバータ回路3がOFFとなった時刻t1から、所定時間Tが経過した時刻t2で、フェールセーフ回路4をOFFにする。以下、この制御動作について詳しく説明する。
時刻t1で異常検出部10が異常を検出すると、制御部1は、電源リレーRYを開状態(OFF)にするとともに、インバータ駆動部2に対して、スイッチング素子Q1〜Q6をOFFさせる指令信号を出力する。インバータ駆動部2は、この指令信号を受け取ると、インバータ回路3へのPWM信号の出力を停止する。すなわち、インバータ駆動部2は、スイッチング素子Q1〜Q6を全てOFFさせるように制御を行う。これにより、インバータ回路3のスイッチング素子Q1〜Q6は全てOFFとなる。
なお、ここでは異常として、例えば、制御部1のCPU等における異常を想定している。インバータ回路3のスイッチング素子Q1〜Q6は、全て正常にON・OFF動作を行えるものとする。また、その他の異常として、図示は省略するが、インバータ回路3のスイッチング素子Q1〜Q6のいずれかがON状態のままとなるON故障なども考えられる。
さらに、制御部1は、時刻t1から所定時間Tが経過した時刻t2の時点で、フェールセーフ駆動部5に対して、スイッチング素子Zu、Zv、ZwをOFFさせる指令信号を出力する。フェールセーフ駆動部5は、この指令信号を受け取ると、フェールセーフ回路4のスイッチング素子Zu、Zv、Zwの各ゲートGへ「L」レベルの制御信号を出力する。すなわち、フェールセーフ駆動部5は、スイッチング素子Zu、Zv、Zwを全てOFFさせるように制御を行う。これにより、フェールセーフ回路4のスイッチング素子Zu、Zv、Zwは全てOFFとなる。
したがって、時刻t1から時刻t2での間は、インバータ回路3のスイッチング素子Q1〜Q6は全てOFFとなっており、フェールセーフ回路4のスイッチング素子Zu、Zv、Zwは全てONとなっている。このため、図3で示した正常状態から異常が発生した場合は、図4に太線で示すような電流経路が形成される。
すなわち、U相については、図11の場合と同様に、グランド→電流検出抵抗R→スイッチング素子Q2の寄生ダイオードd→スイッチング素子Zuの寄生ダイオードd→モータ6のU相巻線6uという電流経路が形成され、この電流経路によってモータ6で発生した逆起電力が、インバータ回路3側に吸収される。また、W相については、スイッチング素子ZwがONであるため、W相巻線6w→スイッチング素子Zw(ドレインD〜ソースS)→スイッチング素子Q5の寄生ダイオードd→コンデンサC→グランドという電流経路が形成され、この電流経路によってモータ6で発生した逆起電力が、インバータ回路3側に吸収される。
このように、インバータ回路3のスイッチング素子Q1〜Q6がOFFになってから、所定時間Tが経過するまでの間、フェールセーフ回路4のスイッチング素子Zu、Zv、ZwをON状態に維持することにより、異常時にモータ6で発生した逆起電力を、フェールセーフ回路4を介してインバータ回路3側に吸収することができる。その結果、図2(c)に示すようにモータ6のU相電流とW相電流は緩やかに減少する。このため、図2(d)に示すようにU相電圧にスパイク電圧X1は発生せず、図2(e)に示すようにW相電圧にもスパイク電圧X2は発生しない。したがって、スイッチング素子Zu、Zwに大きなスパイク電圧が印加されることはなく、素子の破壊を防止することができる。
そして、所定時間Tが経過して時刻t2になると、フェールセーフ回路4のスイッチング素子Zu、Zv、Zwは同時に全てOFFとなる。この結果、図5に示すように、電源リレーRY、インバータ回路3のスイッチング素子Q1〜Q6、フェールセーフ回路4のスイッチング素子Zu、Zv、Zwは全てOFF状態となるので、モータ6をモータ駆動装置100から確実に遮断することができる。
以上においては、インバータ回路3のスイッチング素子のうちQ1とQ6がONとなっている例を挙げて、U相電圧とW相電圧が現れる場合の電流経路について説明したが、U相電圧とV相電圧が現れる場合の電流経路や、V相電圧とW相電圧が現れる場合の電流経路についても、同様の原理が適用される。
上述した所定時間Tは、例えば次のようにして決定することができる。一般に、I:モータ電流、L:モータのインダクタンス、VDSS:MOS−FETのドレイン−ソース耐圧定格値、VBAT:バッテリ電圧としたとき、モータ負荷の切断時に発生するアバランシェエネルギーEAVは、
AV=1/2・L・I・[VDSS/(VDSS−VBAT)]
であり、このアバランシェエネルギーEAVの放出時間tAVは、
AV=(L・I)/(VDSS−VBAT
となる。したがって、tAV≦Tとなるように所定時間Tを決定すればよい。Tの上限値については、異常発生時に規定時間内にモータをインバータ回路から切断することが車の仕様として決められるので、その規定時間が上限値となる。
なお、異常時にモータ6の逆起電力がインバータ回路3側に吸収される間は、回生動作となるので、理論的にはモータ6に電気制動がかかって操舵が重くなるが、実際には、時間Tは例えば1ms(ミリ秒)以下の小さい値なので、操舵には殆ど影響がない。
図6は、以上説明した第1実施形態による制御の手順を表したフローチャートである。このフローチャートの各ステップは、制御部1を構成するCPUにより実行される。
図6において、ステップS1では、異常検出部10が異常を検出したか否かを監視する。異常検出部10が異常を検出しなければ(ステップS1:NO)、ステップS1を繰り返し実行し、異常検出部10が異常を検出すると(ステップS1:YES)、ステップS2、S3へ進む。ステップS2では、インバータ回路3の全てのスイッチング素子Q1〜Q6をOFFにし、これと同時に、ステップS3で電源リレーRYを開状態(OFF)にする。そして、この時点から、制御部1に備わる図示しないタイマで時間を計測し、所定時間Tが経過したか否かをステップS4で判定する。所定時間Tが経過していなければ(ステップS4:NO)、ステップS4を繰り返し実行し、所定時間Tが経過すると(ステップS4:YES)、ステップS5へ進んで、フェールセーフ回路4の全てのスイッチング素子Zu、Zv、ZwをOFFにする。
このように、上述した第1実施形態によれば、モータ6で発生した逆起電力が、フェールセーフ回路4を介して、インバータ回路3側に吸収されるので、フェールセーフ回路4のスイッチング素子Zu、Zv、Zwが大きなスパイク電圧により破壊されるのを防止することができる。また、フェールセーフ回路4のスイッチング素子Zu、Zv、ZwをOFFにするタイミングを制御すればよいので、特許文献4のように電流検出素子を設けて各相の電流値を常に検出し、検出電流値を基準値と比較するなどの処理が不要となり、図6で示したような簡単な制御で済む。
また、第1実施形態によれば、フェールセーフ回路4のスイッチング素子Zu、Zv、Zwを同時に全てOFFさせることにより、フェールセーフ駆動部5は、スイッチング素子Zu、Zv、Zwを個別に制御する必要がないので、素子に対する制御を容易に行うことができる。
また、第1実施形態によれば、異常が発生した場合に、制御部1はインバータ回路3をOFFにするための指令信号を出力するだけでなく、同時に電源リレーRYを開状態に制御するので、インバータ回路3は電源Bから電気的に切り離される。このため、インバータ回路3を確実に動作停止状態とすることができ、安全性が向上する。
さらに、第1実施形態によれば、インバータ回路3とフェールセーフ回路4のスイッチング素子が、Nチャンネル型MOS−FETから構成されている。このため、各FETのソース・ドレイン間に存在する寄生ダイオードdを利用して、モータ6で発生した逆起電力を容易にインバータ回路3側に吸収させることができる。また、Nチャンネル型MOS−FETは、Pチャンネル型MOS−FETに比べて回路設計が容易であるという利点がある。
次に、本発明の第2実施形態について、図7〜図9を参照しながら説明する。なお、第2実施形態によるモータ駆動装置の構成は図1と同じであり、正常時の電流経路も図3と同じであるので、図1および図3を第2実施形態として引用する。
第2実施形態においては、図7(b)に示すように、異常が発生した時刻t1から所定時間Tが経過するまでの間、フェールセーフ回路4のスイッチング素子Zu、Zv、ZwがPWM駆動される。すなわち、時刻t1の時点で、制御部1は、スイッチング素子Zu、Zv、ZwをPWM駆動するための指令信号をフェールセーフ駆動部5に出力する。フェールセーフ駆動部5は、この指令信号を受け取ると、PWM信号を生成してフェールセーフ回路4へ出力する。本実施形態では、デューティが一定の(時間と共に変化しない)PWM信号がフェールセーフ駆動部5で生成され、スイッチング素子Zu、Zv、Zwの各ゲートGに与えられる。スイッチング素子Zu、Zv、Zwは、このPWM信号に応じてON・OFF動作を行なう。
したがって、時刻t1から時刻t2までの間は、インバータ回路3のスイッチング素子Q1〜Q6は全てOFFとなっているが、フェールセーフ回路4のスイッチング素子Zu、Zv、ZwはON・OFF動作を繰り返している。このため、スイッチング素子がONとなる区間では、第1実施形態と同様に、モータ6で発生した逆起電力が、フェールセーフ回路4を介して、インバータ回路3側に吸収される。
この結果、図7(c)に示すようにモータ6のU相電流とW相電流は、スイッチング素子Zu、Zv、ZwのPWM動作に応じて段階的に減少する。したがって、図7(d)に示すようにU相電圧にスパイク電圧X3は発生せず、図7(e)に示すようにW相電圧にもスパイク電圧X4は発生しない。しかしながら、PWM駆動されるスイッチング素子にはOFFとなる区間があるため、W相電圧に関しては、スイッチング素子ZwのOFF区間において、図11と同様に逆起電力を吸収できない状況が発生する。このため、図7(e)にX5で示したスパイク電圧が、瞬間的にスイッチング素子Zwに印加されることになる。図8は、スパイク電圧X5の波形を拡大した図である。
しかるに、この場合のスパイク電圧X5は、本来のスパイク電圧X4に比べてピーク値が小さい。したがって、このピーク値がスイッチング素子Zwの破壊に至らない程度の値となるように、PWM信号のデューティを設定しておけば、スパイク電圧X5による素子破壊を防止することができる。
図9は、以上説明した第2実施形態による制御の手順を表したフローチャートである。このフローチャートの各ステップは、制御部1を構成するCPUにより実行される。
図9において、ステップS11では、異常検出部10が異常を検出したか否かを監視する。異常検出部10が異常を検出しなければ(ステップS11:NO)、ステップS11を繰り返し実行し、異常検出部10が異常を検出すると(ステップS11:YES)、ステップS12〜S14へ進む。ステップS12では、インバータ回路3の全てのスイッチング素子Q1〜Q6をOFFにし、これと同時に、ステップS13で電源リレーRYを開状態(OFF)にする。また、この時点から、ステップS14でフェールセーフ回路4の全てのスイッチング素子Zu、Zv、ZwをPWM駆動するとともに、制御部1に備わる図示しないタイマで時間を計測する。次に、所定時間Tが経過したか否かをステップS15で判定し、所定時間Tが経過していなければ(ステップS15:NO)、ステップS14へ戻ってPWM駆動を継続する。そして、所定時間Tが経過すると(ステップS15:YES)、ステップS16へ進み、PWM駆動を停止して、フェールセーフ回路4の全てのスイッチング素子Zu、Zv、ZwをOFFにする。
上述した第2実施形態によっても、第1実施形態と同様に、異常発生時にフェールセーフ回路4のスイッチング素子Zu、Zv、Zwが大きなスパイク電圧により破壊されるのを防止することができる。また、第2実施形態の場合も、スイッチング素子Zu、Zv、ZwをOFFするタイミングを制御すればよいので、電流検出素子を設けて各相の電流値を常に検出し、検出電流値を基準値と比較するなどの処理が不要となり、図9で示したような簡単な制御で済む。第2実施形態によるその他の効果については、第1実施形態と同じであるので、説明を省略する。
本発明では、以上述べた以外にも種々の実施形態を採用することができる。以下にその例を挙げる。
上記実施形態では、異常検出部10を制御部1に設けているが(図1)、異常検出部10を、制御部1とは別に独立して設けてもよい。また、異常検出部10で検出される異常には、短絡故障だけでなく、あらゆる異常が含まれる。
上記実施形態では、所定時間Tを計測するタイマ(図示省略)を制御部1に設けているが、フェールセーフ駆動部5にタイマを設けて、フェールセーフ駆動部5が所定時間Tを管理するようにしてもよい。また、タイマに代えて遅延回路を、制御部1とフェールセーフ駆動部5との間、またはフェールセーフ駆動部5とフェールセーフ回路4との間に設けてもよい。
上記実施形態では、所定時間Tが経過した時点で、フェールセーフ回路4のスイッチング素子Zu、Zv、Zwを同時にOFFしたが、これらのスイッチング素子を順次OFFするようにしてもよい。
上記実施形態では、フェールセーフ駆動部5からデューティが一定のPWM信号が出力されるが(図7(b))、デューティが時間とともに小さくなるようなPWM信号を出力してもよい。
上記実施形態では、開閉器として電源リレーRYを例に挙げたが、電源リレーRYに代えて、大電流開閉用の半導体スイッチング素子を用いてもよい。
上記実施形態では、スイッチング素子としてNチャンネル型MOS−FETを使用したが、Pチャンネル型MOS−FETを使用してもよい。また、MOS−FETに代えて、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラモードトランジスタ)のような他のスイッチング素子を使用してもよい。
上記実施形態では、モータとして3相モータを例に挙げたが、本発明は、4相以上の多相モータを駆動する場合にも適用することができる。
上記実施形態では、モータとしてブラシレスモータを例に挙げたが、本発明は、誘導モータや同期モータなどを駆動する装置にも適用することができる。
上記実施形態では、本発明を車両の電動パワーステアリング装置に用いられるモータ駆動装置に適用した例を挙げたが、本発明は、インバータ回路とモータとの間にフェールセーフ回路を備えたモータ駆動装置全般に適用することができる。
1 制御部
2 インバータ駆動部
3 インバータ回路
4 フェールセーフ回路
5 フェールセーフ駆動部
6 モータ
10 異常検出部
100 モータ駆動装置
a1〜a6 アーム
Q1〜Q6 スイッチング素子
Zu、Zv、Zw スイッチング素子
RY 電源リレー
B 電源

Claims (6)

  1. 上アームと下アームにそれぞれ半導体スイッチング素子を有する上下一対のアームが少なくとも3組設けられ、PWM(Pulse Width Modulation)信号による各半導体スイッチング素子のON・OFF動作に基づいてモータに電圧を供給するインバータ回路と、
    前記インバータ回路の各半導体スイッチング素子に対して、前記PWM信号を出力するインバータ駆動部と、
    前記インバータ回路と前記モータとの間に設けられ、前記インバータ回路から前記モータへの電圧供給を遮断するための半導体スイッチング素子を各相ごとに有するフェールセーフ回路と、
    前記フェールセーフ回路の半導体スイッチング素子をON・OFFさせる信号を出力するフェールセーフ駆動部と、
    前記インバータ駆動部に対して、前記インバータ回路の各半導体スイッチング素子の駆動を指令する指令信号を出力し、前記フェールセーフ駆動部に対して、前記フェールセーフ回路の各半導体スイッチング素子の駆動を指令する指令信号を出力する制御部と、
    異常を検出する異常検出手段と、を備え、
    前記異常検出手段が異常を検出した場合に、前記インバータ駆動部は、前記制御部からの指令信号に基づいて、前記インバータ回路の各半導体スイッチング素子を全てOFFさせるように制御を行い、その後所定時間が経過した時点で、前記フェールセーフ駆動部は、前記制御部からの指令信号に基づいて、前記フェールセーフ回路の各半導体スイッチング素子を全てOFFさせるように制御を行うことを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 請求項1に記載のモータ駆動装置において、
    前記フェールセーフ駆動部は、前記フェールセーフ回路の各半導体スイッチング素子を同時に全てOFFにすることを特徴とするモータ駆動装置。
  3. 請求項1に記載のモータ駆動装置において、
    前記フェールセーフ駆動部は、前記所定時間が経過するまで、前記フェールセーフ回路の各半導体スイッチング素子をON状態に維持することを特徴とするモータ駆動装置。
  4. 請求項1に記載のモータ駆動装置において、
    前記フェールセーフ駆動部は、前記所定時間が経過するまで、前記フェールセーフ回路の各半導体スイッチング素子をPWM駆動することを特徴とするモータ駆動装置。
  5. 請求項1に記載のモータ駆動装置において、
    前記インバータ回路と、当該インバータ回路に電力を供給する電源との間に、前記制御部により開閉制御される開閉器を設け、
    前記異常検出手段が異常を検出した場合に、前記制御部は、前記インバータ駆動部に対して、前記インバータ回路の各半導体スイッチング素子を全てOFFにする指令信号を出力すると同時に、前記開閉器を開状態にして、前記インバータ回路と前記電源とを電気的に切り離すことを特徴とするモータ駆動装置。
  6. 請求項1に記載のモータ駆動装置において、
    前記インバータ回路および前記フェールセーフ回路の各半導体スイッチング素子は、それぞれNチャンネル型MOS−FETからなることを特徴とするモータ駆動装置。
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