JP2005199746A - ステアリングシステム - Google Patents

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Hiroshi Suzuki
浩 鈴木
Hiroaki Terabe
宏明 寺部
Shigeto Urasaki
成人 浦崎
Toshiaki Kondo
利昭 近藤
Mitsuya Atoyama
満也 後山
Kenichi Abe
健一 安部
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Koyo Seiko Co Ltd
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Toyoda Koki KK
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Abstract

【課題】 非常時において人力によるステアリング操作の負荷を軽減するための相開放リレーを、通常時において発熱を抑えることが可能であると共に、安定して閉状態に保持することが可能なステアリングシステムを提供する。
【解決手段】 本発明のステアリングシステム10によれば、ECU50やバッテリー60の異常時には、相開放リレー56が開かれ、ステアリング操作に伴うモータ24の連れ回り抵抗が低減される。一方、通常時には、リレーコイル59を励磁することで相開放リレー56を閉じ、モータ24に給電することで、車両の操舵系にモータ24によるアシスト力を付与することができる。しかも、リレー制御スイッチ62及びリレー制御部71を備えたことで、種々の状況に対応して、相開放リレー56のリレーコイル59への駆動電流をPWM制御することができ、相開放リレー56の発熱を抑え、かつ安定して閉状態に保持することが可能になる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、車両の操舵系にモータの駆動力を付与可能としたステアリングシステムに関する。
従来、この種のステアリングシステムとして知られる電動パワーステアリングでは、1対の操舵輪の間を連結するロッドにアシスト用のモータの出力軸を連結すると共に、ステアリングシャフトに係るトルクをトルクセンサで検出し、運転者のステアリング操作を補助するためのアシスト力をモータから出力する構成になっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−103348号公報(段落[0025]、第1図)
ところで、上記した電動パワーステアリングでは、例えば、モータの駆動回路が失陥した場合には、運転者の人力のみにより操舵輪を転舵することになる。このとき、運転者のステアリング操作に連動してモータも連れ回りして、発電機として機能する。そして、従来のステアリングシステムでは、モータの電力線には、モータ駆動回路及びバッテリーが接続されていたので、これらモータ駆動回路等の電気抵抗が負荷トルクになり、人力のみによるステアリング操作の妨げになっていた。
これに対し、本願出願人は、フェールセーフの観点から、アシスト用のモータには、電力線の途中に常開の相開放リレーを設けた構成を検討した。これにより、異常時には、相開放リレーが開状態になることで、モータの連れ回りによる負荷トルクが抑えられ、人力のみによるステアリング操作に係る負荷の低減を図ることができた。
しかしながら、相開放リレーを備えたシステムでは、車両始動時に相開放リレーにオン動作用電流を流し、通常走行を継続する間、そのオン動作用電流を相開放リレーに流し続ける構成にした場合には、リレーコイルの発熱が懸念される。また、バッテリーの出力が低下した場合には、相開放リレーを閉状態に保持するための磁力の低下が懸念される等の種々の事項があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、非常時において人力によるステアリング操作の負荷を軽減するための相開放リレーを、通常時において発熱を抑えることが可能であると共に、安定して閉状態に保持することが可能なステアリングシステムの提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るステアリングシステムは、車両の操舵系にモータの駆動力を付与可能とすると共に、異常時に、モータの電力線を開放するための常開の相開放リレーを設け、通常時には、相開放リレーに備えたリレーコイルを励磁することで相開放リレーを閉じて、モータに給電可能としたステアリングシステムにおいて、リレーコイルに接続されたリレー制御スイッチと、リレー制御スイッチをオンオフしてリレーコイルへの駆動電流をPWM制御するPWM制御部とを備えたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のステアリングシステムにおいて、PWM制御部にはPWM制御で用いる複数のDUTYが設定され、それらDUTYには、開状態の相開放リレーを閉じることが可能なオン動作用のDUTYと、オン動作用のDUTYより小さく設定されかつ、閉状態の相開放リレーを閉状態に保持することが可能なオン保持用のDUTYとが含められ、PWM制御部は、始動時にオン動作用のDUTYを用いて常開の相開放リレーを閉じ、オン保持用のDUTYを用いて相開放リレーを閉状態に保持するように構成されたところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項2に記載のステアリングシステムにおいて、PWM制御部は、オン保持用のDUTYとオン動作用のDUTYとを切り替えて、相開放リレーを閉状態に保持するように構成されたところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項3に記載のステアリングシステムにおいて、PWM制御部は、少なくとも単位時間中の一部の時間帯では、オン動作用のDUTYを用いるように構成されたところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項3に記載のステアリングシステムにおいて、相開放リレーに係る衝撃を検出するための衝撃センサを備え、PWM制御部は、衝撃センサが所定の大きさ以上の衝撃を検出した場合に、オン動作用のDUTYを用いるように構成されたところに特徴を有する。
請求項6の発明は、請求項3に記載のステアリングシステムにおいて、PWM制御部は、相開放リレーが開放されたか否かを監視し、相開放リレーが開放された場合に、オン動作用のDUTYを用いるように構成されたところに特徴を有する。
請求項7の発明は、請求項2乃至6の何れかに記載のステアリングシステムにおいて、PWM制御部は、モータの相電流に応じて、PWM制御で用いるDUTYを変更するように構成されたところに特徴を有する。
請求項8の発明は、請求項7に記載のステアリングシステムにおいて、PWM制御部は、モータの相電流が所定値以下の場合には、オン保持用のDUTYを用いる一方、モータの相電流が所定値を超えた場合には、オン動作用のDUTYを用いるように構成されたところに特徴を有する。
請求項9の発明は、請求項7に記載のステアリングシステムにおいて、PWM制御部は、モータの相電流が徐々に減少した場合には、PWM制御用のDUTYを徐々に下げる一方、モータの相電流が徐々に増加した場合には、PWM制御用のDUTYを徐々に上げるように構成されたところに特徴を有する。
請求項10の発明は、請求項2乃至6の何れかに記載のステアリングシステムにおいて、モータは、ブラシレスモータであり、PWM制御部は、モータのq軸指令電流又はq軸実電流に応じて、PWM制御で用いるDUTYを変更するように構成されたところに特徴を有する。
請求項11の発明は、請求項10に記載のステアリングシステムにおいて、PWM制御部は、モータのq軸指令電流又はq軸実電流が所定値以下の場合には、オン保持用のDUTYを用いる一方、モータのq軸指令電流又はq軸実電流が所定値を超えた場合には、オン動作用のDUTYを用いるように構成されたところに特徴を有する。
請求項12の発明は、請求項10に記載のステアリングシステムにおいて、PWM制御部は、モータのq軸指令電流又はq軸実電流が徐々に減少した場合には、PWM制御用のDUTYを徐々に下げる一方、モータのq軸指令電流又はq軸実電流が徐々に増加した場合には、PWM制御用のDUTYを徐々に上げるように構成されたところに特徴を有する。
請求項13の発明は、請求項2乃至6の何れかに記載のステアリングシステムにおいて、操舵系には、ハンドルに付与される操作トルクを検出するためのトルクセンサが備えられ、PWM制御部は、トルクセンサの検出結果に応じて、PWM制御で用いるDUTYを変更するように構成されたところに特徴を有する。
請求項14の発明は、請求項13に記載のステアリングシステムにおいて、PWM制御部は、トルクセンサが検出した操作トルクが所定値以下の場合には、オン保持用のDUTYを用いる一方、トルクセンサが検出した操作トルクが所定値を超えた場合には、オン動作用のDUTYを用いるように構成されたところに特徴を有する。
請求項15の発明は、請求項13に記載のステアリングシステムにおいて、PWM制御部は、トルクセンサが検出した操作トルクが徐々に減少した場合には、PWM制御用のDUTYを徐々に下げる一方、トルクセンサが検出した操作トルクが徐々に増加した場合には、PWM制御用のDUTYを徐々に上げるように構成されたところに特徴を有する。
請求項16の発明は、請求項2乃至15の何れかに記載のステアリングシステムにおいて、PWM制御部は、操舵系に備えたハンドルの角速度を取得し、そのハンドルの角速度に応じて、PWM制御で用いるDUTYを変更するように構成されたところに特徴を有する。
請求項17の発明は、請求項16に記載のステアリングシステムにおいて、モータは、ハンドルの操作に連動回転するように操舵系に連結され、PWM制御部は、ハンドルの角速度としてモータの角速度を取得するように構成されたところに特徴を有する。
請求項18の発明は、請求項16又は17に記載のステアリングシステムにおいて、PWM制御部は、ハンドルの角速度が所定値以下の場合には、オン保持用のDUTYを用いる一方、ハンドルの角速度が所定値を超えた場合には、オン動作用のDUTYを用いるように構成されたところに特徴を有する。
請求項19の発明は、請求項16又は17に記載のステアリングシステムにおいて、PWM制御部は、ハンドルの角速度が徐々に減少した場合には、PWM制御用のDUTYを徐々に下げる一方、ハンドルの角速度が徐々に増加した場合には、PWM制御用のDUTYを徐々に上げるように構成されたところに特徴を有する。
請求項20の発明は、請求項2乃至19の何れかに記載のステアリングシステムにおいて、PWM制御部は、車両の走行速度を取得し、その走行速度に応じて、PWM制御で用いるDUTYを変更するように構成されたところに特徴を有する。
請求項21の発明は、請求項20に記載のステアリングシステムにおいて、PWM制御部は、走行速度が所定値を超えた場合には、オン保持用のDUTYを用いる一方、走行速度が所定値以下の場合には、オン動作用のDUTYを用いるように構成されたところに特徴を有する。
請求項22の発明は、請求項20に記載のステアリングシステムにおいて、PWM制御部は、車速が徐々に上がった場合には、PWM制御用のDUTYを徐々に下げる一方、車速が徐々に下がった場合には、PWM制御用のDUTYを徐々に上げるように構成されたところに特徴を有する。
請求項23の発明は、請求項2乃至22の何れかに記載のステアリングシステムにおいて、PWM制御部は、操舵系に備えたハンドルの中立点に対する角度を絶対角として取得し、ハンドルの絶対角に応じて、PWM制御で用いるDUTYを変更するように構成されたところに特徴を有する。
請求項24の発明は、請求項23に記載のステアリングシステムにおいて、PWM制御部は、ハンドルの絶対角が所定値以下の場合には、オン保持用のDUTYを用いる一方、ハンドルの絶対角が所定値を超えた場合には、オン動作用のDUTYを用いるように構成されたところに特徴を有する。
請求項25の発明は、請求項23に記載のステアリングシステムにおいて、PWM制御部は、ハンドルの絶対角が徐々に下がった場合には、PWM制御用のDUTYを徐々に下げる一方、ハンドルの絶対角が徐々に上がった場合には、PWM制御用のDUTYを徐々に上げるように構成されたところに特徴を有する。
請求項26の発明は、請求項2乃至12の何れかに記載のステアリングシステムにおいて、車両には、直進しているか否かを判定するための直進判定手段が備えられ、PWM制御部は、直進判定手段が直進と判定した場合には、オン保持用のDUTYを用いる一方、直進判定手段が直進と判定しなかった場合には、オン動作用のDUTYを用いるように構成されたところに特徴を有する。
請求項27の発明は、請求項2乃至12の何れかに記載のステアリングシステムにおいて、車両には、ヨーレートを演算するためのヨーレート演算部が備えられ、PWM制御部は、ヨーレート演算部が演算したヨーレートが所定値以下の場合には、オン保持用のDUTYを用いる一方、ヨーレート演算部が演算したヨーレートが所定値を超えた場合には、オン動作用のDUTYを用いるように構成されたところに特徴を有する。
請求項28の発明は、請求項2乃至27の何れかに記載のステアリングシステムにおいて、相開放リレーの温度を検出するための温度検出手段を設け、PWM制御部は、温度検出手段の検出温度に応じて、PWM制御で用いるDUTYを変更するように構成されたところに特徴を有する。
請求項29の発明は、請求項28に記載のステアリングシステムにおいて、温度検出手段は、リレーコイルに流れる駆動電流から相開放リレーの温度を推定するように構成されたところに特徴を有する。
請求項30の発明は、請求項28又は29に記載のステアリングシステムにおいて、PWM制御部は、温度検出手段の検出温度が所定値を超えた場合に、PWM制御用のDUTYを下げる一方、温度検出手段の検出温度が所定値以下の場合に、PWM制御用のDUTYを上げるように構成されたところに特徴を有する。
請求項31の発明は、請求項28又は29に記載のステアリングシステムにおいて、PWM制御部は、温度検出手段の検出温度が徐々に上昇した場合には、PWM制御用のDUTYを徐々に下げる一方、温度検出手段の検出温度が徐々に下降した場合にPWM制御用のDUTYを徐々に上げるように構成されたところに特徴を有する。
請求項32の発明は、請求項1乃至31の何れかに記載のステアリングシステムにおいて、PWM制御部は、リレーコイルの電源の出力電圧を取得し、電源の出力電圧の低下に応じて、PWM制御で用いるDUTYを変更するように構成されたところに特徴を有する。
請求項33の発明は、請求項32に記載のステアリングシステムにおいて、電源の設計上の出力電圧を、基準電圧V1とし、PWM制御部が取得した実際の電源の出力電圧を、実測電圧V2とし、PWM制御で用いる複数のDUTYは、基準電圧V1に対応させて設定され、PWM制御部は、下記式によって補正値βを演算し、補正値β=基準電圧V1/実測電圧V2、その補正値βを、複数のDUTYに乗じて、それらDUTYの補正を行うように構成されたところに特徴を有する。
[請求項1の発明]
請求項1のステアリングシステムでは、異常時には、リレーコイルが励磁されなくなることで、相開放リレーが開かれ、モータに電気的な負荷がかからない状態になる。これにより、ステアリング操作に伴うモータの連れ回り抵抗が低減される。即ち、人力のみでステアリング操作を行う異常時において、モータの連れ回り抵抗を低減することができ、スムーズに異常事態に対処することができる。一方、通常時には、相開放リレーに備えたリレーコイルを励磁することで相開放リレーを閉じ、モータに給電することで、車両の操舵系にモータのアシスト力を付与することができる。しかも、本発明のステアリングシステムには、リレー制御スイッチ及びPWM制御部を備えたことで、種々の状況に対応して、相開放リレーのリレーコイルへの駆動電流をPWM制御することができる。
[請求項2の発明]
一般にリレーは、開状態から閉状態にするために必要なオン動作用の駆動電流より、一度閉状態になったリレーを閉状態に保持するために必要なオン保持用の駆動電流の方が小さい。この点に鑑み、請求項2のステアリングシステムでは、オン動作用のDUTYと、オン動作用のDUTYより小さいオン保持用のDUTYとが設定されており、始動時にオン動作用のDUTYを用いて常開の相開放リレーを閉じてから、オン保持用のDUTYを用いて相開放リレーを閉状態に保持するので、常時、オン動作用の駆動電流をリレーコイルに流して相開放リレーを閉状態に保持する場合に比べて、省エネ及びリレーコイルの発熱を抑えることができる。
[請求項3,4,5,6の発明]
請求項3のステアリングシステムでは、PWM制御部は、オン保持用のDUTYとオン動作用のDUTYとを切り替えて、相開放リレーを閉状態に保持するので、振動等により閉状態から開状態に移行しそうになった相開放リレーを、閉状態に留めることができる。具体的には、少なくとも単位時間中の一部の時間帯では、オン動作用のDUTYを用いるように構成すればよい。(請求項4の発明)。なお、その単位時間を切り替えるための時間変更手段を備えて、単位時間を、例えば、1秒、0.1秒、0.01秒のように変更してもよい。また、相開放リレーに係る衝撃を検出するための衝撃センサを備え、衝撃センサが所定の大きさ以上の衝撃を検出した場合に、オン動作用のDUTYを用いる構成にしてもよい(請求項5の発明)。さらに、相開放リレーが開放されたか否かを監視し、相開放リレーが開放された場合に、オン動作用のDUTYを用いるように構成してもよい(請求項6の発明)。
[請求項7,8,9の発明]
モータが操舵系に付与するアシスト力は、モータの相電流に相関する。そして、請求項7のステアリングシステムでは、モータの相電流に応じてDUTYを変更することで、モータの相電流が大きいとき、即ちアシスト力が大きいときに、相開放リレーをより強固に閉状態に保持し、アシスト力を確実に操舵系に付与することが可能になる。具体的には、モータの相電流が所定値以下の場合には、オン保持用のDUTYを用いる一方、モータの相電流が所定値を超えた場合には、オン動作用のDUTYを用いるように構成することができる(請求項8の発明)。また、PWM制御部は、モータの相電流が徐々に減少した場合には、PWM制御用のDUTYを徐々に下げる一方、モータの相電流が徐々に増加した場合には、PWM制御用のDUTYを徐々に上げるように構成してもよい(請求項9の発明)。
[請求項10、11,12の発明]
モータがブラシレスモータである場合には、そのモータが操舵系に付与するアシスト力は、モータのq軸指令電流又はq軸実電流に相関する。そして、請求項10のステアリングシステムでは、モータをブラシレスモータとし、そのモータのq軸指令電流又はq軸実電流に応じて、PWM制御で用いるDUTYを変更することで、モータのq軸指令電流又はq軸実電流が大きいとき、即ちアシスト力が大きいときに、相開放リレーをより強固に閉状態に保持して、アシスト力を確実に操舵系に付与することが可能になる。具体的には、モータのq軸指令電流又はq軸実電流が所定値以下の場合には、オン保持用のDUTYを用いる一方、モータの相電流が所定値を超えた場合には、オン動作用のDUTYを用いるように構成することができる(請求項11の発明)。また、PWM制御部は、モータのq軸指令電流又はq軸実電流が徐々に減少した場合には、PWM制御用のDUTYを徐々に下げる一方、モータのq軸指令電流又はq軸実電流が徐々に増加した場合には、PWM制御用のDUTYを徐々に上げるように構成してもよい(請求項12の発明)。
[請求項13,14,15の発明]
ハンドルを操作している間は、ハンドルに操作トルクが付与される。そして、請求項13のステアリングシステムでは、ハンドルに付与される操作トルクをトルクセンサで検出し、その検出結果に応じてPWMで用いるDUTYを変更することで、ハンドル操作中により強固に相開放リレーを閉状態に保持し、モータによるアシスト力を確実に操舵系に付与することが可能になる。具体的には、トルクセンサが検出した操作トルクが所定値以下の場合には、オン保持用のDUTYを用いる一方、トルクセンサが検出した操作トルクが所定値を超えた場合には、オン動作用のDUTYを用いるように構成することができる(請求項14の発明)。また、トルクセンサが検出した操作トルクが徐々に減少した場合には、PWM制御用のDUTYを徐々に下げる一方、トルクセンサが検出した操作トルクが徐々に増加した場合には、PWM制御用のDUTYを徐々に上げるように構成してもよい(請求項15の発明)。
[請求項16,17,18,19の発明]
ハンドルを回転操作している間は、ハンドルの角速度が変化する。請求項16のステアリングシステムでは、ハンドルの角速度に応じて、PWM制御で用いるDUTYを変更することで、ハンドル操作中により強固に相開放リレーを閉状態に保持して、モータによるアシスト力を確実に操舵系に付与することが可能になる。ここで、モータが、ハンドルの操作に連動回転するように操舵系に連結されたものでは、PWM制御部は、ハンドルの角速度としてモータの角速度を取得するように構成することができる(請求項17の発明)。また、制御における具体的な構成としては、ハンドルの角速度が所定値以下の場合には、オン保持用のDUTYを用いる一方、ハンドルの角速度が所定値を超えた場合には、オン動作用のDUTYを用いるように構成することができる(請求項18の発明)。さらに、ハンドルの角速度が徐々に減少した場合には、PWM制御用のDUTYを徐々に下げる一方、ハンドルの角速度が徐々に増加した場合には、PWM制御用のDUTYを徐々に上げるように構成してもよい(請求項19の発明)。
[請求項20,21,22の発明]
請求項20のステアリングシステムでは、車両の走行速度に応じて、PWM制御で用いるDUTYを変更することで、ハンドル操作が頻繁に行われる低速走行中に、より強固に相開放リレーを閉状態に保持して、モータによるアシスト力を確実に操舵系に付与することが可能になる。具体的には、走行速度が所定値を超えた場合には、オン保持用のDUTYを用いる一方、走行速度が所定値以下の場合には、オン動作用のDUTYを用いるように構成することができる(請求項21の発明)。また、車速が徐々に上がった場合には、PWM制御用のDUTYを徐々に下げる一方、車速が徐々に下がった場合には、PWM制御用のDUTYを徐々に上げるように構成してもよい(請求項22の発明)。
[請求項23,24,25の発明]
請求項23のステアリングシステムでは、ハンドルの絶対角に応じて、PWM制御で用いるDUTYを変更することで、ハンドルを切った状態で、より強固に相開放リレーを閉状態に保持して、モータによるアシスト力を確実に操舵系に付与することが可能になる。具体的には、ハンドルの絶対角が所定値以下の場合には、オン保持用のDUTYを用いる一方、ハンドルの絶対角が所定値を超えた場合には、オン動作用のDUTYを用いるように構成することができる(請求項24の発明)。また、ハンドルの絶対角が徐々に下がった場合には、PWM制御用のDUTYを徐々に下げる一方、ハンドルの絶対角が徐々に上がった場合には、PWM制御用のDUTYを徐々に上げるように構成してもよい(請求項25の発明)。
[請求項26の発明]
請求項26のステアリングシステムでは、ハンドル操作により車両が非直進状態の場合に、オン動作用のDUTYを用いることで、強固に相開放リレーを閉状態に保持して、モータによるアシスト力を確実に操舵系に付与することが可能になる。
[請求項27の発明]
請求項27のステアリングシステムでは、ヨーレートが所定値を超えた場合には、オン動作用のDUTYを用いることで、ヨーレートが所定値を超えたときに強固に相開放リレーを閉状態に保持して、モータによるアシスト力を確実に操舵系に付与することが可能になる。
[請求項28,29,30,31の発明]
請求項28のステアリングシステムでは、温度検出手段にて検出した相開放リレーの温度に応じて、PWM制御で用いるDUTYを変更するので、相開放リレーの温度が高いときにDUTYを下げ、相開放リレーの温度上昇を抑えることができる。ここで、温度検出手段は、リレーコイルに流れる駆動電流から相開放リレーの温度を推定するように構成することができる(請求項29の発明)。そして、制御における具体的な構成としては、温度検出手段の検出温度が所定値を超えた場合に、PWM制御用のDUTYを下げる一方、温度検出手段の検出温度が所定値以下の場合に、PWM制御用のDUTYを上げるように構成することができる(請求項30の発明)。また、温度検出手段の検出温度が徐々に上昇した場合には、PWM制御用のDUTYを徐々に下げる一方、温度検出手段の検出温度が徐々に下降した場合には、PWM制御用のDUTYを徐々に上げるように構成してもよい(請求項31の発明)。
[請求項32,33の発明]
請求項32のステアリングシステムでは、電源の出力電圧の低下に応じて、PWM制御で用いるDUTYを変更することで、電源の出力電圧の低下を補って、相開放リレーを閉状態に安定して保持することができる。具体的には、電源の設計上の出力電圧を、基準電圧V1とし、PWM制御部が取得した実際の電源の出力電圧を、実測電圧V2とし、PWM制御で用いる複数のDUTYは、基準電圧V1に対応させて設定され、PWM制御部は、下記式によって補正値βを演算し、補正値β=基準電圧V1/実測電圧V2、その補正値βを、複数のDUTYに乗じて、それらDUTYの補正を行うように構成することができる(請求項33の発明)。
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。図1には、本実施形態のステアリングシステム10の全体構成が示されている。このステアリングシステム10は、ハンドル11に連結されたステアリングシャフト12の先端に、本発明に係るトルクセンサ13の一端を連結して備え、ハンドル11に付与される操作トルクが検出可能となっている。
トルクセンサ13は、図2に詳細形状が示されている。同図に示すように、トルクセンサ13は、筒形ケース14の内側に、ステアリングシャフト12に回転連動するトーションバー15を軸支して備える。また、筒形ケース14とトーションバー15との間には、1対のレゾルバ16,17が設けられている。そして、筒形ケース14に対し、トーションバー15の一端部の回転角を一方のレゾルバ16で検出すると共に、トーションバー15の他端部の回転角を他方のレゾルバ17で検出し、これら両レゾルバ16,17での検出角の差分と、トーションバー15の捩れ剛性とに基づいて、ステアリングシャフト12に係るトルクが検出される。また、トーションバー15におけるステアリングシャフト12と反対側の端部には、ピニオンギヤ18が固定されている。
図1に示すように、トルクセンサ13の筒形ケース14は、操舵輪19,19の間に差し渡されたアクチュエータ20のラックケース21に固定されている。そして、ラックケース21の内部に備えたラック22と、トルクセンサ13に備えた前記ピニオンギヤ18とが噛合している。これにより、ハンドル11の操作によってアクチュエータ20内でトーションバー15の回転に伴いピニオンギヤ18が回転して、ラックケース21内をラック22が直動する。さらに、図1に示すように、ラック22の両端と操舵輪19,19との間は、タイロッド23,23によって連結されている。これにより、ハンドル11の操作によりラック22が直動することで操舵輪19,19が転舵される。なお、図5における右下部分には、アクチュエータ20にトルクセンサ13を取り付けた状態の外観詳細形状が示されている。
アクチュエータ20には、ステアリング操作を補助するためのモータ24が内蔵されている。このモータ24のロータ25は、図3の断面図に示すように円筒状をなし、その外周面に複数の界磁用マグネット26を備える。また、ロータ25の内側には、前記したラック22が貫通し、このラック22とロータ25との間には図示しないボールネジ機構が備えられている。そして、このボールネジ機構によりロータ25の回転をラック22の軸方向の推力に変換し、操舵輪19を転舵するための補助力を操舵系に付与している。
モータ24は、車両に搭載されたECU50によって駆動制御されている(図1参照)。詳細には、モータ24は、三相ブラシレスモータであって、モータ24のステータ27(図3参照)に備えた複数のティース27Tには、U相と、V相と、W相とのステータコイル28が巻回されている。そして、図4に示すように、モータ24のステータコイル28を構成する3本の電線28U,28V,28Wが、ECU50に備えたモータ駆動回路51に接続されている。
モータ駆動回路51は、所謂、三相ブリッジ回路であって、1対のFET52,52を接続してなるFET直列回路を3つ並列にしてバッテリー60の正極とグランドGNDとの間に接続した構成になっている。そして、モータ駆動回路51の各FET直列回路における両FET52,52の間に、モータ24のステータコイル28を構成する3本の電線28U,28V,28Wがそれぞれ接続されている。そして、ECU50に備えたマイコン53により、モータ駆動回路51における各FET52をPWM制御によりオンオフさせ、電線28U,28V,28Wに流す三相交流電流を生成し、モータ24をPI制御(比例積分制御)している。
図5には、マイコン53に備えたモータ制御部70の構成がブロック図にして示されている。同図に示すように、アクチュエータ20には、モータ24の回転角を検出する回転角センサ54が備えられており、この回転角センサ54の検出結果がECU50に備えられた回転角センサ回路インターフェース54Aを通すことでデジタル信号に変換されてマイコン53に取り込まれている。また、モータ駆動回路51に接続されたU相及びV相の電線28U,28Vの途中には、電流センサ55が備えられ、各電流センサ55の検出結果が電流検出回路インターフェース55Aを通すことでデジタル信号に変換されてマイコン53に取り込まれている。さらに、前記したトルクセンサ13の検出結果も、トルクセンサ回路インターフェース13Aを通すことでデジタル信号に変換されてマイコン53に取り込まれている。
図5に示すように、マイコン53では、三相交流機としてのモータ24のU相、V相、W相の変数をd−q軸変換した後、PI制御を行っている。具体的には、トルクセンサ13が検出したハンドル11の操作トルクThに基づいて、モータ24の出力トルクに係るq軸電流Iq*(本発明における「q軸指令電流」に相当する)を決定する。また、図示しない演算部がd軸電流Id*を決定する。そして、これらq軸電流Iq*と実電流Iqの差ΔIq、d軸電流Id*と実電流Idの差ΔIdを、比例(P)及び積分(I)し、かつ、U相制御電圧、V相制御電圧、W相制御電圧に逆変換し、これらU相制御電圧、V相制御電圧、W相制御電圧に応じたDUTYでモータ駆動回路51の各FET52をオンオフする。これにより、モータ24にU相、V相、W相の三相交流が流される。実際にモータ24に流されたU相及びV相の電流Iu,Ivは、電流センサ55により検出されると共に、モータ24のモータ回転角θが回転角センサ54により検出され、これら電流Iu,Ivを、モータ回転角θを使ってd−q変換して求めたd軸電流Idとq軸電流Iqとがフィードバックされる。
以上の構成により運転者がハンドル11を操作すると、その操作トルクThと運転状況とに応じてモータ24が操舵系に補助力を付与する。そして、運転者による人力と、モータ24の補助トルクとの合力により操舵輪19,19が転舵される。
ところで、モータ24を電気駆動することができなくなった場合には、運転者による人力のみにより操舵輪19,19を転舵する必要がある。しかしながら、このときモータ24も連れ回りする。具体的には、運転者がハンドル11を回転動作すると、ラック22が直動する。すると、このラック22の直動に連動して、ボールネジ機構がラック22の軸移動を、モータ24におけるロータ25の回転運動に変換する。これにより、モータ24は発電機として作動し、電線28U,28V,28Wを通してモータ駆動回路51に三相交流電流が流される。ここで、モータ駆動回路51の各FET52には、図示しない寄生ダイオードが備えられており、この寄生ダイオードを通してバッテリー60に電流が流れ、バッテリー60には、モータ24によって発電された電力が給電されることになる。即ち、モータ24が発電機として作動したときには、電気抵抗としてのバッテリー60に給電するための電気エネルギーが、ロータ25を回転させるための運動エネルギーとして必要とされ、これがロータ25の回転抵抗になる。そして、このロータ25の回転抵抗が、ボールネジ機構によって増幅されてハンドル11の回転抵抗になる。
そこで、本実施形態では、図4に示すように、モータ24を駆動するための部位が失陥した場合に備え、モータ24とモータ駆動回路51との間における電線28U,28Vの途中に相開放リレー56,56がそれぞれ設けられている。
相開放リレー56は、電磁吸引形リレー(継電器)であって、1対のリレー端子58,58と、それらリレー端子58,58の両方に接続可能な可動導電部57とを対向配置して備える。そして、一方の電線28Uの途中部分を切断して、両切断部分が相開放リレー56のリレー端子58,58に接続されると共に、他方の電線28Vも同様に途中部分を切断して、両切断部分が別の相開放リレー56のリレー端子58,58に接続されている。
また、可動導電部57は、図示しない弾性部材(例えば、圧縮コイルバネ、板バネ)によって、常には1対のリレー端子58,58から離間した位置に保持されている。さらに、相開放リレー56には、鉄心に電線を巻回してなるリレーコイル59が備えられ、このリレーコイル59に駆動電流を流して励磁すると、可動導電部57が弾性部材に抗して移動する。
リレーコイル59は、可動電動部57をリレー端子58,58から離れている位置(リレーオフ位置)から、リレー端子58,58に接続している位置(リレーオン位置)へ移動する磁力より少ない磁力で、リレーオン位置に保持できる。このため、リレーコイル59に流す駆動電流値は、可動電動部57をリレーオン位置で保持する方が少なくできる。具体的には、リレーコイル59に流れる駆動電流値が所定の第1基準電流値を超えた場合には、可動電動部57がリレーオフ位置からリレーオン位置まで移動して、相開放リレー56が閉状態となる。そして、相開放リレー56が閉状態になると、リレーコイル59に流す駆動電流を、前記した第1基準電流値より小さい所定の第2基準電流値まで下げても、相開放リレー56を閉状態(可動電動部57がリレーオン位置)に保持することができる。なお、本実施形態の相開放リレー56では、第2基準電流値を、第1基準電流値の例えば1/2とする。
リレーコイル59,59は、バッテリー60に対して並列に配されており、バッテリー60の正極とグランドGNDとの間に接続されてなる。詳細には、バッテリー60には、大電流が流される車両駆動用ライン60Aと、小電流が流される車両制御用ライン60Bとが並列に接続されている。そして、車両制御用ライン60Bには、イグニッションスイッチ66と電源IC67とが直列に配され、それらイグニッションスイッチ66と電源IC67との間から分岐した電力ラインが、リレーコイル59,59に接続されている(図4における2つの「Vb」参照)。なお、電源IC67は、例えば、バッテリー60の出力電圧を変圧し、マイコン53に給電すると共に、制御用のバックアップ電源68を充電している。
車両駆動用ライン60Aには、電源リレー65が配され、前記したモータ駆動回路51に接続されている。また、電源リレー65とイグニッションスイッチ66との共通接続部と、電源IC67との間には、車両駆動用ライン60Aから車両制御用ライン60B側に電流を流すためのダイオード69が設けられている。そして、イグニッションスイッチ66のオン操作により車両制御用ライン60Bが通電状態となると共に、このオン操作に連動して電源リレー65もオンし、車両駆動用ライン60Aが通電状態になる。
リレーコイル59,59との共通接続部分とグランドGNDとの間には、リレー制御スイッチ62とコンデンサ63とが並列接続されている。リレー制御スイッチ62は、例えば、MOS形NチャンネルのFETであって、ドレインDがリレーコイル59側に接続される一方、ソースSがグランドGND側に接続され、さらに、ゲートGがマイコン53に備えたリレー制御部71(本発明に「PWM制御部」に相当する)に接続されている。なお、コンデンサ63は、リレーコイル59の励磁を停止した際に逆起電流を流すために設けられている。
リレー制御部71は、図6に制御構成の詳細をブロック線図にして示されている。同図に示すように、リレー制御部71には、例えば、第1及び第2のDUTYパラメータ81,82が設定されている。そして、何れかのDUTYパラメータ81,82に基づいて所定のDUTYが決定され、その決定されたDUTYに応じて、PWM出力部86が所定幅に矩形波を生成し、その矩形波をリレー制御スイッチ62のゲートGに付与してリレー制御スイッチ62をオンオフする。
具体的には、PWM出力部86は、所謂、PWMモジュールであって、例えば、図7(A)に示すように、所定周期で連続した基準三角波86Aを出力する基準回路(図示せず)と、決定されたDUTYに基づいて、所定のDUTY指令電圧86Bを出力する指令電圧回路(図示せず)とを備える。そして、同図に示すように、DUTY指令電圧86Bが、1周期毎の基準三角波86Aを横切る交点の位相P1,P2が求められ、それぞれの基準三角波86Aにおける2つの交点P1,P2の位相差を幅とした所定周期の連続矩形波86C(図7(B)参照)がPWM出力部86から出力される。
従って、50%のDUTYでは、DUTY指令電圧86Bの電圧は、例えば図7(A)においては基準三角波86Aのピーク電圧の半分となり、基準三角波86Aの1/2の高さの部分で交差する。そして、PWM出力部86の出力は、所定周期でオンオフが反転して繰り返されかつ、オン時間とオフ時間が共に50%の矩形が出力される。また、100%のDUTYでは、DUTY指令電圧86Bの電圧は、例えば0[V]となって基準三角波86Aの底辺部分で交差し、PWM出力部86の出力が連続してオンとなる。これらの結果、50%のDUTYでリレー制御部71(詳細には、PWM出力部86)がリレー制御スイッチ62を駆動した場合に相開放リレー56のリレーコイル59に流れる駆動電流は、100%のDUTYでリレー制御部71がリレー制御スイッチ62を駆動した場合に相開放リレー56のリレーコイル59に流れる駆動電流に対して半分になる。
ここで、相開放リレー56には、前述したようにオフ状態(開状態)からオン状態(閉状態)にする場合にリレーコイル59に必要な駆動電流としての第1基準電流値と、オン状態(閉状態)に保持する場合にリレーコイル59必要な駆動電流としての第2基準電流値とが設定されている。そして、本実施形態では、バッテリー60が正常時であり、かつリレー制御部71が80%Dutyでリレー制御スイッチ62を駆動したとき、リレーコイル59に流れる駆動電流が第1基準電流値となる。また、バッテリー60が正常であり、かつリレー制御部71が40%Dutyでリレー制御スイッチ62を駆動したとき、リレーコイル59に流れる駆動電流が第2基準電流値となるスペックの相開放リレー56が選定されている。そして、図6に示す第1DUTYパラメータ81には、DUTYとして80%が設定され、第2DUTYパラメータ82には、DUTYとして40%が設定されている。
ところで、バッテリー60の出力電圧が低下した場合には、バッテリー60が正常時の場合と同じDUTYでリレー制御部71がリレー制御スイッチ62を駆動しても、相開放リレー56のリレーコイル59に流れる駆動電流も低下する。そこで、リレー制御部71の補正値演算部85は、バッテリー60の出力電圧(図4のVb)を取り込み、DUTYを補正するための補正値βを演算している。具体的には、補正値演算部85には、バッテリー60の設計上の出力電圧(正常時の出力電圧)が基準電圧V1として記憶されている。ここで、バッテリー60の実際の出力電圧を実測電圧V2とすると、補正値演算部85では、次式(1)によって補正値βを演算している。
補正値β=基準電圧V1/実測電圧V2 ・・・・・(1)
これにより、バッテリー60の出力電圧の低下の有無とは無関係に、リレー制御部71がβ×80%のDUTYでリレー制御スイッチ62をPWM駆動したとき、リレーコイル59に流れる駆動電流が、常に第1基準電流値となり、リレー制御部71がβ×40%のDUTYでリレー制御スイッチ62をPWM駆動した場合に、リレーコイル59に流れる駆動電流が、常に第2基準電流値となる。そして、本実施形態では、このβ×80%のDUTYが、本発明に係る「オン動作用のDUTY」に相当し、β×40%のDUTYが、本発明に係る「オン保持用のDUTY」に相当する。
ここで具体例をあげると、バッテリー60が正常状態における設計上の出力電圧、即ち、上記式(1)における基準電圧V1を12[V]とし、実測電圧V2が10[V]であったとする。すると、この場合には、下記式(2)から補正値β=1.2、になる。
補正値β=12[V]/10[V]=1.2 ・・・・・(2)
そして、オン動作用のDUTY(β×80%)は、96%(=1.2×80%)になり、このDUTYにてPWM制御が行われる。
また、例えば、バッテリー60の出力電圧が低下して実測電圧V2=8[V]になった場合には、下記式(3)から補正値β=1.5、になる。
補正値β=12[V]/8[V]=1.5 ・・・・・(3)
すると、オン動作用のDUTY(β×80%)は、120%(=1.5×80%)になり、PWM制御を行うことができなくなる。そこで、上記したPWM出力部86では、オン動作用のDUTY(β×80%)と、オン保持用のDUTY(β×40%)とが、100%を超えた場合には、そのDUTYが100%であるものとして、PWM制御用の矩形波を生成するように構成されている。
リレー制御部71におけるDUTY決定部80は、第1DUTYパラメータ81及び第2DUTYパラメータ82のうち何れかのDUTYを用いるかを決定する。上記した補正値演算部85及びDUTY決定部80は、リレー制御部71が実行するリレー制御プログラムPG1によって構成されており、図8には、そのリレー制御プログラムPG1の構成がフローチャートにして示されている。
このリレー制御プログラムPG1は、マイコン53に備えた図示しないROMに記憶されており、イグニッションスイッチ66のオン操作により、ECU50が受電すると、マイコン53によって実行される。すると、マイコン53は、バッテリー60の実測電圧V2に基づいて、上記式(1)から補正値βを演算する(S1)。そして、補正値βと第1DUTYパラメータ81に設定された値である80%との積(=β×80%)から求められるDUTY、即ち、オン動作用のDUTYを決定してPWM出力部86に付与する(S2)。これにより、PWM出力部86が、オン動作用のDUTY(β×80%)でリレー制御スイッチ62をオンオフし、リレーコイル59に流れる駆動電流が、相開放リレー56の第1基準電流値となり、オフ状態の相開放リレー56がオン状態になる。
次いで、前記した補正値βを再度演算して求めてから(S3)、相開放リレー56が開状態(オフ状態)になっているか否かをチェックする(S4)。具体的には、リレー制御部71には、図5に示すように、電流センサ55の検出結果を取り込んで、電線28U,28Vが絶縁状態か否かをチェックすることで、相開放リレー56が開状態(オフ状態)になっているか否かをチェックしている。そして、相開放リレー56が開状態になっていた場合には(S4でYES)、オン動作用のDUTY(β×80%)を決定してPWM出力部86に付与する(S12)。即ち、本実施形態では、相開放リレー56が開状態になっていた場合には、即座に、オン動作用のDUTY(β×80%)で、相開放リレー56のリレーコイル59が励磁される。即ち、リレー制御プログラムPG1の実行周期が、長くても例えば0.02秒だとすると、相開放リレー56が何らかの原因で開状態になっていた時点から0.02秒以内にオン動作用のDUTY(β×80%)でリレーコイル59が励磁され、相開放リレー56が閉状態に戻される。
相開放リレー56が開状態になってなかった場合には(S4でNO)、リレー制御部71は、カウンタCの値を取り込み、このカウンタCの10進法における3桁目が0であるか否かをチェックする(S5)。ここで、カウンタCは、リレー制御プログラムPG1の実行サイクルとは別個に、1msec(0.001秒)毎に1インクリメントされている。従って、カウンタCは、1秒ごとに1000ずつ増加するので、1秒の周期のうち0.1秒間だけカウンタCの値の3桁目が0となる。そして、カウンタCの値の3桁目が0の場合には(S5でYES)、オン動作用のDUTY(β×80%)をPWM出力部86に付与する(S12)。即ち、本ステップS5を設けたことにより、少なくとも1秒のうち0.1秒間は必ず、オン動作用のDUTY(β×80%)でリレーコイル59が励磁される。
カウンタCの値の3桁目が0でなかった場合には(S5でNO)、リレー制御部71は、車速センサ73(図1参照)が検出した左右の操舵輪19の平均角速度を車速vとして取り込み、この車速vが、基準値v1より低いか否かをチェックする(S6)。そして、車速vが基準値v1より低かった場合には(S6でYES)、PWM制御用のDUTYをオン動作用のDUTY(β×80%)に決定してPWM出力部86に付与する(S12)。ここで、ステアリング操作が頻繁に行われるのは低速走行中であるので、本ステップS6を設けたことにより、低速走行時には、必ずオン動作用のDUTY(β×80%)でリレーコイル59を励磁することで、強固に相開放リレー56を閉状態に保持して、モータ24によるアシスト力を確実に操舵系に付与することが可能になる。
車速vが基準値v1以上の場合には(S6でNO)、リレー制御部71は、トルクセンサ13の両レゾルバ16,17の検出角を平均して、これをハンドル絶対角θabとして取り込み、このハンドル絶対角θabが、基準値θab1を超えたか否かをチェックする(S7)。ここで、ハンドル絶対角θabは、車両を直進する際のハンドルの中立位置が0度となっており、ハンドル11が中立位置から回転した角度として求められる。そして、ハンドル絶対角θabが、基準値θab1を超えていた場合には(S7でYES)、PWM制御用のDUTYをオン動作用のDUTY(β×80%)に決定してPWM出力部86に付与する(S12)。即ち、本ステップS7を設けたことにより、ハンドル11を所定角以上に切った状態では、必ずオン動作用のDUTY(β×80%)でリレーコイル59を励磁することで、強固に相開放リレー56を閉状態に保持して、モータ24によるアシスト力を確実に操舵系に付与することが可能になる。
ハンドル絶対角θabが、基準値θab1を超えていなかった場合には(S7でNO)、リレー制御部71は、前記したハンドル絶対角θabを微分してハンドル角速度ωを求め、ハンドル角速度ωが、基準値ω1を超えたか否かをチェックする(S8)。そして、ハンドル角速度ωが、基準値ω1を超えていた場合には(S8でYES)、PWM制御用のDUTYをオン動作用のDUTY(β×80%)に決定してPWM出力部86に付与する(S12)。ここで、ハンドル11を急峻に切った場合に、ハンドル角速度ωは基準値ω1を超える。そして、本ステップS8を設けたことにより、急峻なステアリング操作を行っている際中では、必ずオン動作用のDUTY(β×80%)でリレーコイル59を励磁することで、強固に相開放リレー56を閉状態に保持して、モータ24によるアシスト力を確実に操舵系に付与することが可能になる。
ハンドル角速度ωが、基準値ω1を超えていなかった場合には(S8でNO)、リレー制御部71は、トルクセンサ13が検出した操作トルクThを取り込み、その操作トルクThが、基準値Th1を超えたか否かをチェックする(S9)。そして、操作トルクThが、基準値Th1を超えていた場合には(S9でYES)、PWM制御用のDUTYをオン動作用のDUTY(β×80%)に決定してPWM出力部86に付与する(S12)。ここで、運転者がハンドル11を切るために大きな力をかけた場合には、操作トルクThが上昇するので、モータ24のアシスト力は必要になる。そして、本ステップS9を設けたことにより、運転者がハンドル11を切るために大きな力をかけた場合には、必ずオン動作用のDUTY(β×80%)でリレーコイル59を励磁することで、強固に相開放リレー56を閉状態に保持して、モータ24によるアシスト力を確実に操舵系に付与することが可能になる。
操作トルクThが、基準値Th1を超えていなかった場合には(S9でNO)、リレー制御部71は、モータ制御部70から本発明のおける「q軸指令電流」としてのq軸電流Iq*を取り込み、そのq軸電流Iq*が、基準値Iq1を超えたか否かをチェックする(S10)。そして、q軸電流Iq*が、基準値Iq1を超えていた場合には(S10でYES)、PWM制御用のDUTYをオン動作用のDUTY(β×80%)に決定してPWM出力部86に付与する(S12)。ここで、モータ24が所定値以上のアシスト力を出力している場合には、q軸電流Iq*が基準値Iq1を超える。一方、q軸電流Iq*が、基準値Iq1を超えていなかった場合には(S10でNO)、PWM制御用のDUTYをオン保持用のDUTY(β×40%)に決定してPWM出力部86に付与する(S11)。即ち、本ステップS10を設けたことにより、モータ24が所定値以上のアシスト力を出力している場合には、必ずオン動作用のDUTY(β×80%)でリレーコイル59を励磁することで、強固に相開放リレー56を閉状態に保持して、モータ24によるアシスト力を確実に操舵系に付与することが可能になる。
そして、オン動作用のDUTY(β×80%)又はオン保持用のDUTY(β×40%)の何れかのDUTYに決定してPWM出力部86に付与してから(S12、S11)、再び、前記したステップS3に戻り、以下、同じ動作を繰り返す。
次に、上記構成からなる本実施形態の動作を説明する。
車両からイグニッションキーを抜いた状態では、イグニッションスイッチ66及び電源リレー65によって、バッテリー60とECU50との間が絶縁されている。そして、車両にイグニッションキーを挿入してイグニッションスイッチ66をオン操作すると、イグニッションスイッチ66及び電源リレー65がオンして、バッテリー60からECU50への給電が開始される。この給電開始を条件にして、ECU50に備えたマイコン53が、各部位の異常チェックを行ってからリレー制御プログラムPG1を実行する。すると、まずは、バッテリー60の実測電圧V2に基づいて、上記式(1)から補正値βを演算する(図8のS1)。
ここで、バッテリー60が正常状態における設計上の出力電圧、即ち、上記式(1)における基準電圧V1が、例えば12[V]であるとすると、実測電圧V2=12[V]、の場合には、下記式(4)から、補正値β=1、になる。また、実測電圧V2=10[V]、の場合には、下記式(5)から、補正値β=1.2、になる。さらに、通常と異なる誤ったバッテリー60が取り付けられていた場合などで、例えば、実測電圧V2=15[V]、になった場合には、下記式(6)から、補正値β=0.8、になる。
補正値β=12[V]/12[V]=1 ・・・・・(4)
補正値β=12[V]/10[V]=1.2 ・・・・・(5)
補正値β=12[V]/15[V]=0.8 ・・・・・(6)
そして、このようにして求めた補正値βを要素として含む、オン動作用のDUTY(β×80%)でリレー制御スイッチ62がオンオフされ、リレーコイル59に駆動電流が流される。即ち、バッテリー60の出力電圧に応じた補正値βを演算してオン動作用のDUTY(β×80%)を決定する要素とすることで、バッテリー60の出力電圧がどのような状態であっても、常に、同じ大きさの駆動電流がリレーコイル59に流され、相開放リレー56が安定して、オフ状態からオン状態に切り替わる。また、以下説明するように、相開放リレー56をオン状態に保持する場合も、バッテリー60の出力電圧に応じた補正値βを要素に含む、オン動作用のDUTY(β×80%)及びオン保持用のDUTY(β×40%)を用いるので、バッテリー60の出力電圧がどのような状態であっても、常に同じ大きさの駆動電流がリレーコイル59に流され、相開放リレー56が安定して、オン状態に保持される。
ところで、車両を停車状態から発進する低速走行時には、中高速走行時に比べて、進行方向を変更するために、ステアリング操作を行う頻度が高い。即ち、低速走行時には、モータ24のアシスト力が必要になる頻度が高い。これに対し、本実施形態のステアリングシステム10では、車両が停車している場合も含め低速走行時には、オン動作用のDUTY(β×80%)で相開放リレー56がオン状態に保持されているから(S6のYESからS12)、モータ24に確実に相電流が流れ、モータ24のアシスト力を得ながら、容易にステアリング操作を行うことができる。
車両が低速走行を脱し、中高速域における直進状態になると、ステアリング操作を行う頻度、即ち、モータ24のアシスト力が必要になる頻度が低くなる。これに対し、本実施形態のステアリングシステム10では、車両が中高速域における直進状態になると、オン保持用のDUTY(β×40%)で相開放リレー56をオン状態に保持する。つまり、相開放リレー56をオフ状態からオン動作させるときにリレーコイル59に必要な駆動電流に対して、その半分の駆動電流をリレーコイル59に流して相開放リレー56をオン状態に保持する。これにより、リレーコイル59の発熱を抑えることができる。
また、車両が中高速域で直進走行していても、振動が相開放リレー56にかかることで、相開放リレー56がオン状態からオフ状態に切り替わってしまうことが懸念される。しかしながら、車両が中高速域で直進走行している際に、急峻にハンドル11を切ることは極めて希であるから、かりに、相開放リレー56がオン状態からオフ状態に切り替わっても影響はない。なぜなら、本実施形態のステアリングシステム10では、万が一、相開放リレー56がオン状態からオフ状態に切り替わった場合には、即座に(前述したように0.02秒以内に)、オン動作用のDUTY(β×80%)をリレーコイル59に流して、相開放リレー56をオン状態に戻すからである(S4のYESからS12)。さらに、オン保持用のDUTY(β×40%)で相開放リレー56をオン状態に保持している間も、1秒毎の0.1秒間を、オン動作用のDUTY(β×80%)で相開放リレー56をオン状態に保持するので(S5のYESからS12)、振動等がかかっても、相開放リレー56がオン状態からオフ状態に切り替わることを未然に防ぐこともできる。
これに対し、車両を中高速域で走行している間に、不意な飛び出しに応じてハンドル11を急峻に切った場合や(S8でYES)、オーバルコースを走行するときのように、ハンドル11を大きく切ったまま保持した場合や(S7でYES)、その他不測の事態により、ハンドル11に大きな操作トルクをかけた場合(S9でYES)、例えばボールネジ機構の破損等からモータ24に大きなトルクを出力する必要が生じた場合には(S10でYES)、直ちに、オン動作用のDUTY(β×80%)で相開放リレー56をオン状態に保持するので(S12)、ステアリング操作が必要な状況で確実にモータ24から操舵系にアシスト力が付与され、運転者はスムーズにステアリング操作を行うことができる。
さて、走行中にECU50が失陥した場合、モータ24に給電することができなくなる。しかしながら、運転者がハンドル11を操作した際には、モータ24のロータ25が連れ回りするので、そのモータ24の回転抵抗を可能な限り低くする必要がある。これに対し、本実施形態のステアリングシステム10では、相開放リレー56が常開のリレーになっているので、ECU50やバッテリー60が失陥し、相開放リレー56のリレーコイル59に給電が行われなくなると、相開放リレー56が開状態になって、モータ24の給電ラインとしての電線28U,28Vが断絶状態になる。これにより、モータ24に電気抵抗としてのバッテリー60等が接続されていない状態となり、モータ24の回転抵抗が低減される。従って、運転者は、人力のみでハンドル11を操作することが可能となり、例えば、道路の路肩等に避難することができる。
このように本実施形態のステアリングシステム10によれば、ECU50やバッテリー60の異常時には、相開放リレー56が開かれ、ステアリング操作に伴うモータ24の連れ回り抵抗が、モータ24に電気抵抗としてのバッテリー60等が接続されている場合に比べて低くなる。一方、通常時には、リレーコイル59を励磁することで相開放リレー56を閉じ、モータ24に給電することで、車両の操舵系にモータ24によるアシスト力を付与することができる。しかも、リレー制御スイッチ62及びリレー制御部71(本発明に係る「PWM制御部」)を備えたことで、種々の状況に対応して、相開放リレー56のリレーコイル59への駆動電流をPWM制御することができ、相開放リレー56の発熱を抑え、かつ安定して閉状態に保持することが可能になる。
なお、本実施形態では、「q軸指令電流」としてのq軸電流Iq*を取り込み、そのq軸電流Iq*と、基準値Iq1との大小を比較する構成であったが、実際にモータ24に流されたモータ相電流と基準値との大小を比較する構成にしてもよい。また、実際にモータ24に流されたモータ相電流をq軸実電流に換算し、そのq軸実電流と基準値との大小を比較する構成にしてもよい。
また、本実施形態では、トルクセンサ13の両レゾルバ16,17の検出角を平均してハンドル絶対角θabを演算していたが、ステアリングシャフト12に、ハンドル11の絶対角を検出するための角度センサを別途設けてもよい。さらに、本実施形態では、モータ24に備えた回転角センサ54が、ハンドル11に連動する構成であるから、回転角センサ54の検出結果に基づいて、ハンドル絶対角θabを演算してもよい。そして、このように本実施形態と異なる構成によって求めたハンドル絶対角θabを微分してハンドル角速度ωを求めてもよい。
[第2実施形態]
本実施形態は、図9及び図10に示されている。以下、前記第1実施形態と異なる構成に関してのみ説明し、同一の構成の部位に関しては、同一符合を付して重複説明は省略する。
本実施形態のステアバイワイヤシステムでは、図9に示すように温度センサ72(例えば、サーミスタ)にて相開放リレー56の周辺温度を実測し、その実測値をA/D変換してリレー制御部71に取り込んでいる。また、リレー制御部71には、リレーコイル59を構成する電線の外皮であるエナメルの融解温度に基づいて、所定の基準温度Tmp1が設定されている。さらに、本実施形態のリレー制御プログラムPG2は、図10に示すように、第1実施形態のリレー制御プログラムPG1のうちステップS10とステップS11との間にステップS13を設けた構成になっている。
この構成により、本実施形態では、前記第1実施形態で説明したq軸電流Iq*が、基準値Iq1を超えていなかった場合には(S10でNO)、リレー制御部71は、温度センサ72にて実測した相開放リレー56の周辺温度を取り込んで相開放リレー56の温度Tmp(以下、「リレー温度Tmp」という)を推測する。そして、その推定したリレー温度Tmpが、基準温度Tmp1を超えたか否かをチェックする(S13)。ここで、リレー温度Tmpが、基準温度Tmp1を超えていた場合には(S13でYES)、オン保持用のDUTY(β×40%)に決定してPWM出力部86に付与し(S11)、基準温度Tmp1を超えていなかった場合には(S13でNO)、オン動作用のDUTY(β×80%)に決定してPWM出力部86に付与する(S12)。即ち、本ステップS13を設けたことにより、リレーの発熱が問題ない範囲であれば、必ず、オン動作用のDUTY(β×80%)でリレーコイル59を励磁して、強固に相開放リレー56を閉状態に保持することができる。
なお、本実施形態では、温度センサ72により相開放リレー56の周辺温度を検出する構成であったが、リレーコイル59に流れる電流に基づいて、リレーコイル59の発熱温度を演算し、その発熱量と気温とからリレー温度Tmpを推定する構成としてもよい。
[第3実施形態]
本実施形態は、前記第2実施形態と同様に、温度センサ72にて相開放リレー56の周辺温度を実測し、その実測値をA/D変換してリレー制御部71に取り込んでいる。そして、本実施形態では、前記第2実施形態のリレー制御プログラムPG2に代えて、図11に示したリレー制御プログラムPG3をマイコン53が実行する。
このリレー制御プログラムPG3は、前記第1実施形態のリレー制御プログラムPG1のステップS4〜S12に代えて、ステップS30〜S33を備え、リレー温度Tmpのみに基づいてPWM出力部86に付与するDUTYを切り替える構成になっている。具体的には、リレー制御部71には、第1の基準温度Tmp11(例えば、70度)と、その第1の基準温度Tmp11より低い第2の基準温度Tmp12(例えば、50度)とが設定されている。そして、リレー制御プログラムPG3が実行されると、リレー温度Tmpが、第1の基準温度Tmp11に達したか否かをチェックし(S30)、次にリレー温度Tmpが第2の基準温度Tmp12以下になったか否かをチェックする(S31)。そして、リレー温度Tmpが、第1の基準温度Tmp11に達した場合には(S30でYES)、リレー温度Tmpが第2の基準温度Tmp12以下まで下がらない限り、オン保持用のDUTY(β×40%)に決定してPWM出力部86に付与し続ける(S30,S33を含むループ)。また、リレー温度Tmpが、第2の基準温度Tmp12以下まで下がった場合には(S31でYES)、リレー温度Tmpが第1の基準温度Tmp11に達しない限り、オン動作用のDUTY(β×80%)に決定してPWM出力部86に付与し続ける(S31,S32を含むループ)。
このように、第1基準温度Tmp11と第2基準温度Tmp12とでヒステリシスをとることにより、リレー温度Tmpにより決定されるオン動作用のDuty(β×80%)とオン保持用のDuty(β×40%)との切替が緩やかになる。つまり、リレー温度TmpによるDuty値の振幅を抑えることができる。
本実施形態のように構成することで、リレー温度Tmpの過度の上昇と、リレーコイル59の磁力の過度の低下を抑えることができ、かつリレー温度TmpによるDuty値の振幅を抑え、相開放リレー56をオン状態に安定させることが可能になる。
[第4実施形態]
本実施形態は、前記第2実施形態と同様に、温度センサ72にて相開放リレー56の周辺温度を実測し、その実測値をA/D変換してリレー制御部71に取り込んでいる。そして、本実施形態では、前記第2実施形態のリレー制御プログラムPG2に代えて、図12に示したリレー制御プログラムPG4をマイコン53が実行する。また、リレー制御部71には、図13に示すように、各リレー温度Tmpと基本DUTYとを対応させたマップが設定されている。
本実施形態では、マイコン53は、所定周期でリレー制御プログラムPG4のステップS34を実行するたびに、リレー温度Tmpに対応した基本DUTYを、図13に示したマップから読み込み、補正値βと基本DUTYとの積として求めたDUTYに決定してPWM出力部86に付与する(S35)。このマップでは、下方基準温度以下のリレー温度Tmpに対しては、基本DUTYが80%で一定値に設定され、下方基準温度と上方基準温度との間のリレー温度Tmpに対しては、例えば、リレー温度Tmpの上昇に応じてリニアに基本DUTYが下がるように設定され、さらに、上方基準温度を超えたリレー温度Tmpに対しては、基本DUTYが40%で一定値に設定されている。
この構成により、リレー温度Tmpに適切なDutyを決定し、相開放リレー56をオン状態に安定させることが可能になる。
なお、本実施形態では、リレー温度Tmpが徐々に変化した場合には、DUTYも徐々に変化させる構成であったが、モータの相電流、q軸指令電流、q軸実電流、ハンドルトルク、ハンドルの絶対角、ハンドル角速度、車速に関しても、それら相電流、q軸指令電流等が徐々に変化した場合に、DUTYも徐々に変化させる構成としてもよい。
[第5実施形態]
本実施形態は、図14に示されており、前記第1実施形態とはリレー制御プログラムPG1の構成のみが異なる。即ち、本実施形態のリレー制御プログラムPG5では、第1実施形態のリレー制御プログラムPG1におけるステップ6,7を削除し、代わりにステップS10とステップS11との間にステップS14とS15とを設けた点が異なる。以下、前記第1実施形態と異なる構成に関してのみ説明し、同一の構成の部位に関しては、同一符合を付して重複説明は省略する。
本実施形態のリレー制御プログラムPG5では、車速vが基準値v1より低い場合にのみ(S14でYES)、このハンドル絶対角θabが、基準値θab1を超えたか否かをチェックし(S15)、車速vが基準値v1以上の場合には(S14でNO)、ハンドル絶対角θabに関するチェックを行わず、オン保持用のDUTY(β×40%)に決定してPWM出力部86に付与する一方(S11)、車速vが基準値v1より低く(S14でYES)、かつハンドル絶対角θabが、基準値θab1を超えていた場合には(S15でYES)、オン動作用のDUTY(β×80%)に決定してPWM出力部86に付与する(S12)。また、ハンドル絶対角θabが、基準値θab1を超えていなかった場合には(S15でNO)、オン保持用のDUTY(β×40%)に決定してPWM出力部86に付与する(S11)。
この構成により、ステアリング操作が頻繁に行われ得る低速走行中にのみ、ハンドル絶対角θabに関するチェックを行い、低速走行中であってもステアリングが切られていない場合(即ち、ハンドル絶対角θabが基準値θab1を超えていない場合)には、オン保持用のDUTY(β×40%)に決定してPWM出力部86に付与するので、低速走行中であれば無条件にオン動作用のDUTY(β×80%)に決定してPWM出力部86に付与する構成のものに比べて、相開放リレー56の発熱を抑えることができる。
[第6実施形態]
本実施形態では、ECU50は、図15に示した直進状態検出プログラムPG7(本発明に係る「直進判別手段」に相当する)を所定周期で実行している。この直進状態検出プログラムPG7が実行されると、ハンドル絶対角θabが、所定の基準値θab1以下であるかがチェックされる(S20)。ここで、ハンドル絶対角θabが基準値θab1以下であった場合には(S20でYES)、ハンドル絶対角θabの継続時間を所定のタイマーにて測定し、その計測時間が基準時間を越えたか否かをチェックする(S21)。具体的には、ハンドル絶対角θabが基準値θab1以下になったときに、タイマーが計測を行っていなければ計測を開始し、この直進状態検出プログラムPG7から抜ける(S21のNO)。そして、所定周期で直進状態検出プログラムPG7が繰り返される間に、ハンドル絶対角θabが基準値θab1以下の状態が継続して、タイマーの計測時間が基準時間を越えたときに(S21のYES)、「車両が直進状態である」と判定する(S22)。一方、所定周期で直進状態検出プログラムPG7が繰り返される間に、ハンドル絶対角θabが基準値θab1以下ではなくなった場合に(S20でNO)、「車両が直進状態でない」と判定する(S23)。
また、本実施形態のリレー制御プログラムPG6は、図16に示すように、第1実施形態のリレー制御プログラムPG1におけるステップ7に代えてステップS16を備えた構成になっている。このステップS16が実行されると、直進状態検出プログラムPG7の判定結果を取得し、「車両が直進状態でない」という判定結果の場合には(S16でNO)、オン動作用のDUTY(β×80%)に決定してPWM出力部86に付与する(S12)。また、「車両が直進状態である」という判定結果の場合には(S16でYES)、次のステップS8に進む。このような構成にしても前記第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
本実施形態では、ECU50が実行する直進状態検出プログラムPG7の判定結果に基づいて、オン動作用のDUTY(β×80%)とオン保持用のDUTY(β×40%)とに切り替える構成であったが、ECU50にヨーレート演算プログラム(図示せず)を実行させ、ヨーレートが所定値以下の場合には、オン保持用のDUTY(β×40%)に決定してPWM出力部86に付与する一方、ヨーレートが所定値を超えた場合には、オン動作用のDUTY(β×80%)に決定してPWM出力部86に付与する構成にしてもよい。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記各実施形態において、オン動作用のDutyとオン保持用のDUTYとに補正値βを掛けているが、バッテリ60の信頼性が高いものであれば補正値βを掛けなくてもよい。
(2)前記各実施形態において、オン動作用のDUTYは、80%又はβ×80%に限定されるものではなく、それ以外の値であってもよい。同様に、オン保持用のDUTYも、40%又はβ×40%に限定されるものではない。
(3)前記各実施形態の他に、相開放リレーに係る衝撃を検出するための衝撃センサを備え、その衝撃センサが所定の大きさ以上の衝撃を検出した場合に、オン動作用のDUTYを用いるように構成してもよい。
(4)前記各実施形態において、相開放リレーの導電状況により、相開放リレーの開閉状況を監視し、相開放リレーが開状態となった場合には、オン動作用のDUTYを用いて閉状態にする構成にしてもよい。
本発明の第1実施形態に係るステアリングシステムの概念図 トルクセンサの断面図 モータの断面図 ステアリングシステムの電気的な構成を示すブロック図 モータ制御部の電気的な構成を示すブロック図 リレー制御部の電気的な構成を示すブロック図 PWM出力部の信号処理の構成を説明するためのグラフ リレー制御プログラムのフローチャート 第2実施形態のステアリングシステムの電気的な構成を示すブロック図 リレー制御プログラムのフローチャート 第3実施形態のリレー制御プログラムのフローチャート 第4実施形態のリレー制御プログラムのフローチャート 基本DUTYとリレー温度の対応を示したグラフ 第5実施形態のリレー制御プログラムのフローチャート 第6実施形態の直進状態検出プログラムのフローチャート 第6実施形態のリレー制御プログラムのフローチャート
符号の説明
10 ステアリングシステム
11 ハンドル
13 トルクセンサ
19 操舵輪
24 モータ
28U,28V,28W 電線
53 マイコン
55 電流センサ
56 相開放リレー
57 可動導電部
59 リレーコイル
60 バッテリー
62 リレー制御スイッチ
71 リレー制御部
72 温度センサ
73 車速センサ
86 PWM出力部
PG1〜PG6 リレー制御プログラム
PG7 直進状態検出プログラム(直進判別手段)

Claims (33)

  1. 車両の操舵系にモータの駆動力を付与可能とすると共に、異常時に、前記モータの電力線を開放するための常開の相開放リレーを設け、通常時には、前記相開放リレーに備えたリレーコイルを励磁することで前記相開放リレーを閉じて、前記モータに給電可能としたステアリングシステムにおいて、
    前記リレーコイルに接続されたリレー制御スイッチと、前記リレー制御スイッチをオンオフして前記リレーコイルへの駆動電流をPWM制御するPWM制御部とを備えたことを特徴とするステアリングシステム。
  2. 前記PWM制御部には前記PWM制御で用いる複数のDUTYが設定され、
    それらDUTYには、開状態の前記相開放リレーを閉じることが可能なオン動作用のDUTYと、前記オン動作用のDUTYより小さく設定されかつ、閉状態の前記相開放リレーを閉状態に保持することが可能なオン保持用のDUTYとが含められ、
    前記PWM制御部は、始動時に前記オン動作用のDUTYを用いて常開の前記相開放リレーを閉じ、前記オン保持用のDUTYを用いて前記相開放リレーを閉状態に保持するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のステアリングシステム。
  3. 前記PWM制御部は、前記オン保持用のDUTYと前記オン動作用のDUTYとを切り替えて、前記相開放リレーを閉状態に保持するように構成されたことを特徴とする請求項2に記載のステアリングシステム。
  4. 前記PWM制御部は、少なくとも単位時間中の一部の時間帯では、前記オン動作用のDUTYを用いるように構成されたことを特徴とする請求項3に記載のステアリングシステム。
  5. 前記相開放リレーに係る衝撃を検出するための衝撃センサを備え、
    前記PWM制御部は、前記衝撃センサが所定の大きさ以上の衝撃を検出した場合に、前記オン動作用のDUTYを用いるように構成されたことを特徴とする請求項3に記載のステアリングシステム。
  6. 前記PWM制御部は、前記相開放リレーが開放されたか否かを監視し、前記相開放リレーが開放された場合に、前記オン動作用のDUTYを用いるように構成されたことを特徴とする請求項3に記載のステアリングシステム。
  7. 前記PWM制御部は、前記モータの相電流に応じて、前記PWM制御で用いるDUTYを変更するように構成されたことを特徴とする請求項2乃至6の何れかに記載のステアリングシステム。
  8. 前記PWM制御部は、前記モータの相電流が所定値以下の場合には、前記オン保持用のDUTYを用いる一方、前記モータの相電流が所定値を超えた場合には、前記オン動作用のDUTYを用いるように構成されたことを特徴とする請求項7に記載のステアリングシステム。
  9. 前記PWM制御部は、前記モータの相電流が徐々に減少した場合には、前記PWM制御用のDUTYを徐々に下げる一方、前記モータの相電流が徐々に増加した場合には、前記PWM制御用のDUTYを徐々に上げるように構成されたことを特徴とする請求項7に記載のステアリングシステム。
  10. 前記モータは、ブラシレスモータであり、
    前記PWM制御部は、前記モータのq軸指令電流又はq軸実電流に応じて、前記PWM制御で用いるDUTYを変更するように構成されたことを特徴とする請求項2乃至6の何れかに記載のステアリングシステム。
  11. 前記PWM制御部は、前記モータのq軸指令電流又はq軸実電流が所定値以下の場合には、前記オン保持用のDUTYを用いる一方、前記モータのq軸指令電流又はq軸実電流が所定値を超えた場合には、前記オン動作用のDUTYを用いるように構成されたことを特徴とする請求項10に記載のステアリングシステム。
  12. 前記PWM制御部は、前記モータのq軸指令電流又はq軸実電流が徐々に減少した場合には、前記PWM制御用のDUTYを徐々に下げる一方、前記モータのq軸指令電流又はq軸実電流が徐々に増加した場合には、前記PWM制御用のDUTYを徐々に上げるように構成されたことを特徴とする請求項10に記載のステアリングシステム。
  13. 前記操舵系には、ハンドルに付与される操作トルクを検出するためのトルクセンサが備えられ、前記PWM制御部は、前記トルクセンサの検出結果に応じて、前記PWM制御で用いるDUTYを変更するように構成されたことを特徴とする請求項2乃至6の何れかに記載のステアリングシステム。
  14. 前記PWM制御部は、前記トルクセンサが検出した操作トルクが所定値以下の場合には、前記オン保持用のDUTYを用いる一方、前記トルクセンサが検出した操作トルクが所定値を超えた場合には、前記オン動作用のDUTYを用いるように構成されたことを特徴とする請求項13に記載のステアリングシステム。
  15. 前記PWM制御部は、前記トルクセンサが検出した操作トルクが徐々に減少した場合には、前記PWM制御用のDUTYを徐々に下げる一方、前記トルクセンサが検出した操作トルクが徐々に増加した場合には、前記PWM制御用のDUTYを徐々に上げるように構成されたことを特徴とする請求項13に記載のステアリングシステム。
  16. 前記PWM制御部は、前記操舵系に備えたハンドルの角速度を取得し、そのハンドルの角速度に応じて、前記PWM制御で用いるDUTYを変更するように構成されたことを特徴とする請求項2乃至15の何れかに記載のステアリングシステム。
  17. 前記モータは、前記ハンドルの操作に連動回転するように前記操舵系に連結され、
    前記PWM制御部は、前記ハンドルの角速度として前記モータの角速度を取得するように構成されたことを特徴とする請求項16に記載のステアリングシステム。
  18. 前記PWM制御部は、前記ハンドルの角速度が所定値以下の場合には、前記オン保持用のDUTYを用いる一方、前記ハンドルの角速度が所定値を超えた場合には、前記オン動作用のDUTYを用いるように構成されたことを特徴とする請求項16又は17に記載のステアリングシステム。
  19. 前記PWM制御部は、前記ハンドルの角速度が徐々に減少した場合には、前記PWM制御用のDUTYを徐々に下げる一方、前記ハンドルの角速度が徐々に増加した場合には、前記PWM制御用のDUTYを徐々に上げるように構成されたことを特徴とする請求項16又は17に記載のステアリングシステム。
  20. 前記PWM制御部は、前記車両の走行速度を取得し、その走行速度に応じて、前記PWM制御で用いるDUTYを変更するように構成されたことを特徴とする請求項2乃至19の何れかに記載のステアリングシステム。
  21. 前記PWM制御部は、前記走行速度が所定値を超えた場合には、前記オン保持用のDUTYを用いる一方、前記走行速度が所定値以下の場合には、前記オン動作用のDUTYを用いるように構成されたことを特徴とする請求項20に記載のステアリングシステム。
  22. 前記PWM制御部は、前記車速が徐々に上がった場合には、前記PWM制御用のDUTYを徐々に下げる一方、前記車速が徐々に下がった場合には、前記PWM制御用のDUTYを徐々に上げるように構成されたことを特徴とする請求項20に記載のステアリングシステム。
  23. 前記PWM制御部は、前記操舵系に備えたハンドルの中立点に対する角度を絶対角として取得し、前記ハンドルの絶対角に応じて、前記PWM制御で用いるDUTYを変更するように構成されたことを特徴とする請求項2乃至22の何れかに記載のステアリングシステム。
  24. 前記PWM制御部は、前記ハンドルの絶対角が所定値以下の場合には、前記オン保持用のDUTYを用いる一方、前記ハンドルの絶対角が所定値を超えた場合には、前記オン動作用のDUTYを用いるように構成されたことを特徴とする請求項23に記載のステアリングシステム。
  25. 前記PWM制御部は、前記ハンドルの絶対角が徐々に下がった場合には、前記PWM制御用のDUTYを徐々に下げる一方、前記ハンドルの絶対角が徐々に上がった場合には、前記PWM制御用のDUTYを徐々に上げるように構成されたことを特徴とする請求項23に記載のステアリングシステム。
  26. 前記車両には、直進しているか否かを判定するための直進判定手段が備えられ、
    前記PWM制御部は、前記直進判定手段が直進と判定した場合には、前記オン保持用のDUTYを用いる一方、前記直進判定手段が直進と判定しなかった場合には、前記オン動作用のDUTYを用いるように構成されたことを特徴とする請求項2乃至12の何れかに記載のステアリングシステム。
  27. 前記車両には、ヨーレートを演算するためのヨーレート演算部が備えられ、
    前記PWM制御部は、前記ヨーレート演算部が演算したヨーレートが所定値以下の場合には、前記オン保持用のDUTYを用いる一方、前記ヨーレート演算部が演算したヨーレートが所定値を超えた場合には、前記オン動作用のDUTYを用いるように構成されたことを特徴とする請求項2乃至12の何れかに記載のステアリングシステム。
  28. 前記相開放リレーの温度を検出するための温度検出手段を設け、
    前記PWM制御部は、前記温度検出手段の検出温度に応じて、前記PWM制御で用いるDUTYを変更するように構成されたことを特徴とする請求項2乃至27の何れかに記載のステアリングシステム。
  29. 前記温度検出手段は、前記リレーコイルに流れる駆動電流から前記相開放リレーの温度を推定するように構成されたことを特徴とする請求項28に記載のステアリングシステム。
  30. 前記PWM制御部は、前記温度検出手段の検出温度が所定値を超えた場合に、前記PWM制御用のDUTYを下げる一方、前記温度検出手段の検出温度が所定値以下の場合に、前記PWM制御用のDUTYを上げるように構成されたことを特徴とする請求項28又は29に記載のステアリングシステム。
  31. 前記PWM制御部は、前記温度検出手段の検出温度が徐々に上昇した場合には、前記PWM制御用のDUTYを徐々に下げる一方、前記温度検出手段の検出温度が徐々に下降した場合に前記PWM制御用のDUTYを徐々に上げるように構成されたことを特徴とする請求項28又は29に記載のステアリングシステム。
  32. 前記PWM制御部は、前記リレーコイルの電源の出力電圧を取得し、前記電源の出力電圧の低下に応じて、前記PWM制御で用いるDUTYを変更するように構成されたことを特徴とする請求項1乃至31の何れかに記載のステアリングシステム。
  33. 前記電源の設計上の出力電圧を、基準電圧V1とし、
    前記PWM制御部が取得した実際の前記電源の出力電圧を、実測電圧V2とし、
    前記PWM制御で用いる複数のDUTYは、前記基準電圧V1に対応させて設定され、 前記PWM制御部は、下記式によって補正値βを演算し、
    補正値β=基準電圧V1/実測電圧V2、
    その補正値βを、前記複数のDUTYに乗じて、それらDUTYの補正を行うように構成されたことを特徴とする請求項32に記載のステアリングシステム。
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