JP6129676B2 - 車両用電動モータの制御装置及び電動パワーステアリング制御装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献2では、インバータ回路を構成する半導体スイッチ素子を全てオフしてから、所定時間経過後に半導体リレーをオフしている。このように、半導体リレーをオフするタイミングを遅らせることで、電動モータへの駆動電流を遮断した直後に発生する大きなサージ電圧が半導体リレーに印加されるのを抑制できる。
また、本発明の電動パワーステアリング制御装置は、電動モータを駆動源としてステアリングの操舵に応じたアシスト力を発生させる電動パワーステアリング制御装置であって、電動モータを駆動制御する駆動回路と、前記駆動回路と前記電動モータとの間の駆動ライン上に配置され、半導体スイッチと、該半導体スイッチの電流通路に対して並列に接続されたダイオードとを有し、前記駆動回路から前記電動モータへの通電を遮断する遮断手段とを備え、前記駆動回路の遅延時間に対応した、所定時間後に前記遮断手段を流れる電流の向きまたは電流値を予測して前記遮断手段を制御し、前記遮断手段で通電を遮断する場合に、前記半導体スイッチに前記ダイオードの順方向と沿う方向に電流が流れているとき、及び前記半導体スイッチの電流通路を流れる電流が、前記ダイオードの向きと逆方向で、且つ該電流の電流値が所定値以下であるときに前記半導体スイッチをオフする、ことを特徴とする。
従って、信頼性を向上しつつ、高精度化または高速化によるコストアップを招くことなく、サージ電圧による故障を抑制できる、車両用電動モータの制御装置及び電動パワーステアリング制御装置を提供できる。
ここでは、車両用電動モータの制御装置の一例として、電動パワーステアリング制御装置について説明する。
図1に示すように、電動パワーステアリング装置、所謂EPS(Electric Power Steering)システムは、ステアリングホイール(ハンドル)100、操舵トルク検出センサ110、アシスト用モータ120及び制御装置130などを含んで構成される。ステアリングシャフト140を内包するステアリングコラム150内には、上記操舵トルク検出センサ110及び減速機160が設けられている。
次に、本発明の第1の実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置の構成例について説明する。図2は、図1に示したEPSシステムにおける制御装置130の具体的な回路構成例を示している。
制御装置130は、アシスト用モータ(本例では3相モータ)120を駆動するインバータ回路1、このインバータ回路1を制御するインバータ用ドライバ回路2、相リレー3U,3V,3W、電源リレー4、電源IC5、マイクロコンピュータ6、電源リレー4用のドライバ7、相リレー3U,3V,3W用のドライバ8U,8V,8W、昇圧回路9、電流検出器(電流検出抵抗)10U,10V,10W、及びリレー保護用のツェナーダイオードZD1〜ZD4などを含んで構成されている。
図示しないが、マイクロコンピュータ6には、操舵トルク信号S1と車速信号S2が供給されている。そして、マイクロコンピュータ6により、駆動回路として働くインバータ用ドライバ回路2とインバータ回路1を経由してアシスト用モータ120を駆動し、走行状態に応じたステアリングアシスト力を発生させる。
ドライバ7は、マイクロコンピュータ6による制御に基づいて、昇圧回路9で昇圧された電圧レベルの制御信号を電源リレー(半導体リレー)4に供給してオン/オフ制御する。電源リレー4は、Nチャネル型MOSFETで構成され、電源から電源ライン13を介してインバータ回路1に動作電源を供給するようになっている。このMOSFETのソース・ゲート間にはツェナーダイオードZD4のアノード、カソードがそれぞれ接続される。
MOSFET1UH,1ULは、電源ライン13と接地点間にドレイン・ソース間が直列接続され、共通接続点に上記駆動ライン14Uの一端が接続される。MOSFET1VH,1VLは、電源ライン13と接地点間にドレイン・ソース間が直列接続され、共通接続点に上記駆動ライン14Vの一端が接続される。また、MOSFET1WH,1WLは、電源ライン13と接地点間にドレイン・ソース間が直列接続され、共通接続点に上記駆動ライン14Wの一端が接続されている。
尚、図2のインバータ回路1、相リレー3U,3V,3W及び電源リレー4を構成する各MOSFETにおいて、ドレイン・ソース間のダイオードD1〜D10は寄生ダイオードである。
また、電流検出器10U,10V,10Wを、駆動ライン14U,14V,14Wのインバータ回路1側に設ける例を示したが、駆動ライン14U,14V,14Wのアシスト用モータ120側に設けても良い。
そして、アシスト用モータ120の駆動時には、電源リレー4を構成する各MOSFETをオン状態、相リレー3U,3V,3Wを構成する各MOSFETをオン状態にする。また、インバータ回路1の各MOSFET1UH,1VH,1WH,1UL,1VL,1WLをオン/オフ制御することで、アシスト用モータ120を駆動ライン14U,14V,14Wを介して3相駆動する。この際、操舵トルク信号S1と車速信号S2などに基づいて、PWM信号のデューティを可変し、アシスト用モータ120の出力トルクを制御する。
<第1の制御動作>
図3のフローチャートに示す第1の制御動作は、電流検出器10U,10V,10Wで検出される電流値が、所定の電流値以下の場合に各相リレー3U,3V,3Wをオフするものである。
ステップS101で、マイクロコンピュータ6により、インバータ回路1とアシスト用モータ120を切り離すべき故障が発生したことを検出すると、ステップS102でインバータ用ドライバ回路2によりインバータ回路1中の各MOSFET1UH,1UL,1VH,1VL,1WH,1WL(1UH〜1WL)をオフ状態に制御する。
そして、ステップS111で、全ての相リレーのオフが完了したか否かを判定し、完了するまでステップS104〜S110の操作を繰り返す。
また、半導体スイッチを流れる電流が、寄生ダイオードD7〜D9の逆方向であっても、比較的小さい電流値であれば半導体スイッチをオフできる。この時には、アシスト用モータ120の逆起電力により比較的小さいサージ電圧が発生するが、半導体スイッチのアバランシェ耐量に対してマージンを考慮した許容電流値K1に設定することで破壊を抑制できる。
本第1の制御動作では、相リレー3U,3V,3Wを流れる電流が、寄生ダイオードD7〜D9の順方向に沿う方向に流れている全期間を相リレー3U,3V,3Wの遮断可能期間とすることで、相リレー3U,3V,3Wのオフ期間を長くでき、オフするタイミングの自由度を向上できる。
よって、相リレー3U,3V,3Wに半導体リレーを採用して信頼性を向上しつつ、相遮断時のアシスト用モータ120の逆起電力により発生するサージ電圧による半導体リレーの故障を抑制できる。しかも、部品点数の増加はなくて済み、高精度化または高速化によるコストアップを招くこともない。
また、ステップS102,S103は、インバータ回路1中の各MOSFETをオフするための動作であるが必須ではない。
更に、ステップS104は、周囲温度により半導体リレーの許容電流、及び電流検出器10U,10V,10Wの検出値が変化するため、これを補正するために設けているが、周囲温度によらず固定値を用いることもできる。
更にまた、ステップS105,S107,S109において、U相、V相、W相の順で判定したが、各相の判定順番は問わない。
本第2の制御動作は、許容電流値K1が所定の電流値以下の場合に相リレー3U,3V,3Wをオフ操作するものである。電流検出器10U,10V,10Wで、電流のピークが分からない場合に電流位相だけで判断し、「0」または負の電流が流れているときに相リレー3U,3V,3Wをオフするようにしている。
また、アシスト用モータ120の回転数を判定し、許容電流値K1を導出する際にオフ遅延時間中の電流変化量を考慮している。
図5に示すフローチャートにおいては、ステップS504でアシスト用モータ120の回転数(Nth[rpm])を判定する点が、図3に示した第1の制御動作と異なっている。また、許容電流値K1を導出する際に、オフ遅延時間中の電流変化量を考慮している。
他の動作は、変形例を含めて第1の制御動作と実質的に同様であるので、詳細な説明は省略する。
このように、運転者のステアリング操作によるアシスト用モータ120の発電電流が規定できる場合には、オフするまでの遅延時間を把握し、それに応じたアシスト用モータ120の回転数の制限を行った上で、所定の電流値以下の時に相リレー3U,3V,3Wをオフする。アシスト用モータ120の回転数で遅延時間を予測することで、相リレー3U,3V,3Wをより正確なタイミングでオフすることができる。
従って、相リレー3U,3V,3Wに半導体リレーを採用して信頼性を向上しつつ、相遮断時のアシスト用モータ120の逆起電力により発生するサージ電圧による半導体リレーの故障を抑制できる。しかも、部品点数の増加はなくて済み、高精度化または高速化によるコストアップを招くこともない。
本第3の制御動作は、相リレー3U,3V,3Wをオフするときに、インバータ用ドライバ回路2及びインバータ回路1の遅延時間を考慮し、この遅延時間後の電流を推定し、所定の電流値以下の場合に相リレーをオフ操作するものである。
図6に示すフローチャートにおいて、ステップS301〜S304は、図3のステップS101〜S104と同様であるので、詳細な説明は省略する。
そして、ステップS317で、全ての相リレーのオフが完了したか否かを判定し、完了するまでステップS304〜S316の操作を繰り返す。
iX=I×sin(ωt−θX)
X=u,v,w
但し、
θX:U相/V相/W相の現在の電流位相
ω:回転角速度(回転方向を含む情報)
I:電流ベクトルの大きさ
である。上式において、tに相リレーの駆動回路の遅延時間を当てはめれば、相リレーをオフした場合に、実際に相リレーがオフする瞬間に流れている電流を推定することができる。
しかも、相リレー3U,3V,3Wを流れる電流値から電流ベクトルの大きさを求め、アシスト用モータ120の回転角度、電流ベクトル及びモータの回転速度に基づいて、相リレー3U,3V,3Wを流れる電流の方向を検出することで、相リレー3U,3V,3Wのオフ作動から実際にオフするまで遅延が生じても、実際にオフするときの電流の方向を推定することができる。
従って、相リレー3U,3V,3Wに半導体リレーを採用して信頼性を向上しつつ、相遮断時のアシスト用モータ120の逆起電力により発生するサージ電圧による半導体リレーの故障を抑制できる。しかも、部品点数の増加はなくて済み、高精度化または高速化によるコストアップを招くこともない。
また、ステップS302,S303は、インバータ回路1中の各MOSFETをオフするためのものであるが必須ではない。
更に、ステップS404は、周囲温度により半導体リレーの許容電流、及び電流検出器10の検出値が変化するため、これを補正するために設けているが、周囲温度によらず固定値を用いることもできる。
更にまた、ステップS305,S309,S313において、U相、V相、W相の順で判定したが、各相の判定順番は問わない。
本第4の制御動作は、アシスト用モータ120がオフ可能な角度範囲の場合に、相リレーをオフ操作するものである。すなわち、モータの各種設計パラメータが分かっていれば、アシスト用モータ120の回転角度を検出することによって、各相に誘起される電圧の位相及び電流位相Qu,Qv,Qwが推定できるので、回転角度に応じて相リレー3U,3V,3Wをオフするようにしている。
図7に示すフローチャートにおいて、ステップS201〜S204は、図3のステップS101〜S104と同様であるので、詳細な説明は省略する。
ステップS205では、アシスト用モータ120が正回転か逆回転かを判定する。正回転の場合には、ステップ206でU相リレー3Uがオフ操作済みか否か判定する。オフ操作済みであればステップS209に移り、V相リレー3Vがオフ操作済みか否か判定する。一方、オフ操作済みでなければ、ステップS207でアシスト用モータ120の回転角度から推定したU相電流位相が「0deg≦θu≦Δθ」または「180deg−Δθ≦θu≦360deg」か否かを判定し、条件を満たす場合には、U相リレー3Uをオフに切り替え操作し(ステップS208)、条件を満たさない場合には、ステップS209に移り、V相リレー3Vがオフ操作済みか否か判定する。
そして、全ての相リレーのオフが完了するまでステップS204〜S214の操作を繰り返す。
尚、上記ステップS210,S213において、電流位相範囲補正量Δθは、半導体スイッチに流れる電流が、寄生ダイオードの逆方向に沿う方向であっても、半導体スイッチのアバランシェ耐量を超えないようにするための補正量である。
よって、相リレー3U,3V,3Wに半導体リレーを採用して信頼性を向上しつつ、相遮断時のアシスト用モータ120の逆起電力により発生するサージ電圧による半導体リレーの故障を抑制できる。しかも、部品点数の増加はなくて済み、高精度化または高速化によるコストアップを招くこともない。
また、ステップS202,S203は、インバータ回路1中の各MOSFETをオフするためのものであるが必須ではない。
更に、ステップS204は、周囲温度により半導体リレーの許容電流、及び電流検出器10U,10V,10Wの検出値が変化するため、これを補正するために設けているが、周囲温度によらず固定値を用いることもできる。
更にまた、ステップS206,S209,S212、ステップS216,S219,S222において、U相、V相、W相の順で判定したが、各相の判定順番は問わない。
また、ステップS204において、「Δθ=0」とし、寄生ダイオードの逆方向に沿う方向に流れている場合にはオフ操作は行わない。
具体的な一例を挙げると、正回転では角度検出値が180deg〜360degの時、逆回転では0deg〜180degの時にU相リレー3Uをオフする。また、角度検出誤差が±5degとすると、正回転では角度検出値が185deg〜355degの時、逆回転では5deg〜175degの時にU相リレー3Uをオフする。V相リレー3V、W相リレー3Wも同様である。
このように、相リレー3U,3V,3Wに半導体リレーを採用して信頼性を向上しつつ、相遮断時のアシスト用モータ120の逆起電力により発生するサージ電圧による半導体リレーの故障を抑制できる。しかも、部品点数の増加、高精度化または高速化によるコストアップを招くこともない。
しかも、外力によるアシスト用モータ120の発電電流が規定できない場合にも、より確実な故障防止が可能となる。
本第5の制御動作は、アシスト用モータ120の回転角度により推定した電流位相が、相リレー3U,3V,3Wをオフ可能な範囲の場合にオフ操作するものである。また、アシスト用モータ120の回転数を判定し、許容電流位相範囲補正量Δθを導出する際にオフ遅延時間中の角度変化量を考慮している。
図9及び図10に示すフローチャートにおいては、ステップS604でアシスト用モータ120の回転数がNth[rpm]以下か判定し、ステップS605で許容電流位相範囲補正量Δθを導出する点が第4の制御動作と異なっている。許容電流位相範囲補正量Δθの導出に際しては、Nth[rpm]の回転によってオフ遅延時間中に進む位相量と、角度検出誤差分を考慮する。
他の動作は、変形例を含めて第4の制御動作と実質的に同様であるので、詳細な説明は省略する。
このような制御動作であっても、相リレー3U,3V,3Wに半導体リレーを採用して信頼性を向上しつつ、相遮断時のアシスト用モータ120の逆起電力により発生するサージ電圧による半導体リレーの故障を抑制できる。しかも、部品点数の増加はなくて済み、高精度化または高速化によるコストアップを招くこともない。
本第6の制御動作は、相リレーオフの遅延時間後の電流位相を推定し、相リレー3U,3V,3Wを構成するMOSFETの寄生ダイオードD7〜D9の順方向に沿う方向に電流が流れている場合に、相リレー3U,3V,3Wをオフ操作するものである。電流検出器10で電流値を測定し、電流のピーク、回転角度、回転方向、及び現在の回転角度が分かれば、インバータ回路1とインバータ用ドライバ回路2の遅延時間により、所定時間後の電流値が予測できる。よって、その予測した電流値にしたがって相リレー3U,3V,3Wをオフするようにしている。
この場合には、遅延時間を考慮することで、実際のオフタイミングよりも、少し前でオフ操作することになる。但し、アシスト用モータ120の慣性により、回転速度は急に変化しない、という仮定での予測になる。
ステップS404で、U相リレー3Uがオフ操作済みと判定されると、ステップS408に移動し、V相リレー3Vがオフ操作済みか否か判定する。U相リレー3Uをオフ操作済みでなければ、ステップS405でアシスト用モータ120の回転速度(±)及び現在のU相電流位相から、リレーオフ時間遅延後のU相電流位相θu’を算出する。続くステップS406で、算出したU相電流位相θu’が「180deg≦θu’≦360deg」か否かを判定し、範囲内であればU相リレー3Uをオフに切り替え操作する(ステップS407)。範囲外の場合には、ステップS408に移り、V相リレー3Vがオフ操作済みか否か判定する。
そして、ステップS416で、全ての相リレーのオフが完了したか否かを判定し、完了するまでステップS404〜S415の操作を繰り返す。
従って、相リレー3U,3V,3Wに半導体リレーを採用して信頼性を向上しつつ、相遮断時のアシスト用モータ120の逆起電力により発生するサージ電圧による半導体リレーの故障を抑制できる。しかも、部品点数の増加はなくて済み、高精度化または高速化によるコストアップを招くこともない。
また、ステップS402,S403は、インバータ回路1中の各MOSFETをオフするためのものであるが必須ではない。
更に、ステップS404は、周囲温度により半導体リレーの許容電流、及び電流検出器10U,10V,10Wの検出値が変化するため、これを補正するために設けているが、周囲温度によらず固定値を用いることもできる。
更にまた、ステップS404,S408,S412において、U相、V相、W相の順で判定したが、各相の判定順番は問わない。
図12に示す第2の実施形態は、上記第1の実施形態において、相リレー3U,3V,3Wを構成するNチャネル型MOSFETのソース・ドレインを逆に配置し、インバータ回路1からアシスト用モータ120に向かって寄生ダイオードD7〜D9を順方向に配置したものである。この配置変更に伴って、ツェナーダイオードZD1〜ZD3のカソード、アノードを、各ドライバ8U,8V,8Wの出力端と、インバータ回路1側の駆動ライン14U,14V,14Wとの間にそれぞれ相毎に接続している。
他の基本的な回路構成は図2と同様であるので、同一構成部に同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
このような構成であっても、基本的には第1の実施形態と同様であり、上述した第1乃至第6の制御動作のいずれか1つを適用することにより、第1の実施形態と実質的に同じ作用効果が得られる。しかも、電流検出器10U,10V,10Wを駆動ライン14U,14V,14W上に配置し、これら電流検出器10U,10V,10Wで検出した電流値に基づいて、相リレー3U,3V,3Wを流れる電流の方向を直接的に検出するので、電流の流れる方向の検出精度を高くできる。
尚、図12においては、図2と同様に、電流検出器10U,10V,10Wを、駆動ライン14U,14V,14Wのインバータ回路1側に設ける例を示したが、駆動ライン14U,14V,14Wのアシスト用モータ120側に設けても良い。
図13に示す第3の実施形態は、前述した第1の実施形態において、相リレー15U,15V,15W、ツェナーダイオードZD5〜ZD7及びドライバ16U,16V,16Wを付加したものである。相リレー15U,15V,15Wはそれぞれ、駆動ライン14U,14V,14W上に、相リレー3U,3V,3Wと直列に配置している。相リレー15U,15V,15Wは、Nチャネル型MOSFETで構成し、インバータ回路1からアシスト用モータ120に向かって寄生ダイオードD11〜D13を順方向に配置している。これらの相リレー15U,15V,15Wは、ドライバ16U,16V,16Wによって制御する。各ドライバ16U,16V,16Wには昇圧回路9から昇圧された電源電圧が供給され、マイクロコンピュータ6の制御に基づき、相リレー15U,15V,15Wとして働く各MOSFETのゲートに制御信号を供給して個別に駆動(オン/オフ制御)する。また、ツェナーダイオードZD5〜ZD7のカソード、アノードを、各ドライバ16U,16V,16Wの出力端と、相リレー3U,3V,3W側の駆動ライン14U,14V,14Wとの間にそれぞれ相毎に接続している。
他の基本的な回路構成は図2及び図12と同様であるので、同一構成部に同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
尚、図13においては、電流検出器10U,10V,10Wを、駆動ライン14U,14V,14Wのインバータ回路1側に設ける例を示したが、駆動ライン14U,14V,14Wのアシスト用モータ120側に設けても良い。
図14に示す第4の実施形態は、上述した第3の実施形態における相リレー3W,15W、ドライバ8W,16W及びツェナーダイオードZD3,ZD7を除去したものである。駆動ライン14U,14V上にそれぞれ2つの相リレー3U,15U及び3V,15Vを、寄生ダイオードD7,D11及びD8,D12の通電方向を逆にして直列に配置することで、相遮断時に、駆動ライン14U,14Vに正及び負の電流が流れるのを阻止できる。よって、3相駆動では2つの相を遮断することで閉ループ回路の構成を抑制できる。
このような構成であっても、基本的には第1乃至第6の制御動作のいずれか1つを適用することで、第1乃至第3の実施形態と実質的に同じ作用効果が得られる。しかも、電流検出器10U,10V,10Wを駆動ライン14U,14V,14W上に配置し、これら電流検出器10U,10V,10Wで検出した電流値に基づいて、相リレー3U,3V,3Wを流れる電流の方向を直接的に検出するので、電流の流れる方向の検出精度を高くできる。
また、相リレー3U,3Vをインバータ回路1側、相リレー15U,15Vをアシスト用モータ120側に配置したが、相リレー15U,15Vをインバータ回路1側、相リレー3U,3Vをアシスト用モータ120側に配置しても、実質的に同様な作用効果が得られる。
図15に示す第5の実施形態は、アシスト用モータ120の駆動電流を検出する電流検出器10を各MOSFET1UL,1VL,1WLのソースと接地点間に接続したものである。電流検出器10で検出した電流値は、図示しない増幅器などで増幅された後、マイクロコンピュータ6に供給される。
他の基本的な回路構成は図2と同様であるので、同一構成部に同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
このような構成では、上述した第4乃至第6の制御動作が好ましく、これらの制御動作を適用することで、第1乃至第4の実施形態と実質的に同様な作用効果が得られる。
図16に示す第6の実施形態は、前述した第5の実施形態において、相リレー3U,3V,3Wを構成するNチャネル型MOSFETのソース・ドレインを逆に配置し、インバータ回路1からアシスト用モータ120に向かって寄生ダイオードD7〜D9を順方向に配置したものである。この配置変更に伴って、ツェナーダイオードZD1〜ZD3のカソード、アノードを、各ドライバ8U,8V,8Wの出力端と、インバータ回路1側の駆動ライン14U,14V,14Wとの間にそれぞれ相毎に接続している。
他の基本的な回路構成は図15と同様であるので、同一構成部に同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
このような構成であっても、基本的には第5の実施形態と同様であり、上述した第4乃至第6の制御動作を適用することで、同様な作用効果が得られる。
図17に示す第7の実施形態は、前述した第5の実施形態において、電流の検出位置を変更したものであり、電流検出器10a,10b,10cを、インバータ回路1における各相のL側MOSFET1UL,1VL,1WLと接地点間にそれぞれ設けている。
他の基本的な回路構成は図15と同様であるので、同一構成部に同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
このような構成であっても、基本的には第5の実施形態と同様であり、上述した第4乃至第6の制御動作を適用することで、同様な作用効果が得られる。
しかも、本第7の実施形態において、第4の制御動作を適用すれば、インバータ回路1における電流検出器10a,10b,10cの接地点側への地絡故障が生じても、相リレー3U,3V,3Wを流れる電流の方向が検出できるので、相リレー3U,3V,3Wを確実にオフすることができる。
図18に示す第8の実施形態は、上記第7の実施形態において、第6の実施形態と同様に、相リレー3U,3V,3Wを構成するNチャネル型MOSFETのソース・ドレインを逆に配置し、インバータ回路1からアシスト用モータ120に向かって寄生ダイオードD7〜D9を順方向に配置したものである。この配置変更に伴って、ツェナーダイオードZD1〜ZD3のカソード、アノードを、各ドライバ8U,8V,8Wの出力端と、インバータ回路1側の駆動ライン14U,14V,14Wとの間にそれぞれ相毎に接続している。
他の基本的な回路構成は図12と同様であるので、同一構成部に同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
このような構成であっても、基本的には第7の実施形態と同様であり、上述した第4乃至第6の制御動作を適用することで、同様な作用効果が得られる。
しかも、本第8の実施形態において、第4の制御動作を適用すれば、インバータ回路1における電流検出器10a,10b,10cの接地点側への地絡故障が生じても、相リレー3U,3V,3Wを流れる電流の方向が検出できるので、相リレー3U,3V,3Wを確実にオフすることができる。
図19に示す第9の実施形態は、前述した第8の実施形態において、相リレー15U,15V,15W、ツェナーダイオードZD5〜ZD7及びドライバ16U,16V,16Wを付加したものである。相リレー15U,15V,15Wはそれぞれ、駆動ライン14U,14V,14W上に、相リレー3U,3V,3Wと直列に配置している。相リレー15U,15V,15Wは、Nチャネル型MOSFETで構成し、インバータ回路1からアシスト用モータ120に向かって寄生ダイオードD11〜D13を順方向に配置している。これらの相リレー15U,15V,15Wは、ドライバ16U,16V,16Wによって制御する。各ドライバ16U,16V,16Wには昇圧回路9から昇圧された電源電圧が供給され、マイクロコンピュータ6の制御に基づき、相リレー15U,15V,15Wとして働く各MOSFETのゲートに制御信号を供給して個別に駆動(オン/オフ制御)する。また、ツェナーダイオードZD5〜ZD7のカソード、アノードを、各ドライバ16U,16V,16Wの出力端と、相リレー3U,3V,3W側の駆動ライン14U,14V,14Wとの間にそれぞれ相毎に接続している。
このような構成であっても、基本的には第7の実施形態と同様であり、上述した第4乃至第6の制御動作を適用することで、同様な作用効果が得られる。
尚、図19においては、相リレー3U,3V,3Wをインバータ回路1側、相リレー15U,15V,15Wをアシスト用モータ120側に配置したが、相リレー15U,15V,15Wをインバータ回路1側、相リレー3U,3V,3Wをアシスト用モータ120側に配置しても、実質的に同様な作用効果が得られる。
図20に示す第10の実施形態は、上述した第9の実施形態における相リレー3W,15W、ドライバ8W,16W及びツェナーダイオードZD3,ZD7を除去したものである。駆動ライン14U,14V上にそれぞれ2つの相リレー3U,15U及び3V,15Vを、寄生ダイオードD7,D11及びD8,D12の通電方向を逆にして直列に配置することで、相リレーの遮断時に、駆動ライン14U,14Vに正及び負の電流が流れるのを阻止できる。よって、3相駆動では2つの相を遮断することで閉ループ回路の構成を抑制できる。
このような構成であっても、基本的には第4乃至第6の制御動作を適用することで実質的に同じ作用効果が得られる。
尚、図20においては、W相の相リレー3W,15W、ドライバ8W,16W及びツェナーダイオードZD3,ZD7を除去したが、U相またはV相の相リレー、ドライバ及びツェナーダイオードを除去しても良い。
また、相リレー3U,3Vをインバータ回路1側、相リレー15U,15Vをアシスト用モータ120側に配置したが、相リレー15U,15Vをインバータ回路1側、相リレー3U,3Vをアシスト用モータ120側に配置しても、実質的に同様な作用効果が得られる。
図21に示す第11の実施形態は、前述した第9の実施形態において、電流の検出位置を変更したものであり、電流検出器10a,10b,10cを、インバータ回路1における各相のL側MOSFET1UL,1VL,1WLと接地点間にそれぞれ設けている。
他の基本的な回路構成は図17と同様であるので、同一構成部に同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
このような構成であっても、基本的には第9の実施形態と同様であり、第4乃至第6の制御動作を適用することで実質的に同じ作用効果が得られる。
尚、図21において、図19と同様に、相リレー3U,3V,3Wをインバータ回路1側、相リレー15U,15V,15Wをアシスト用モータ120側に配置したが、相リレー15U,15V,15Wをインバータ回路1側、相リレー3U,3V,3Wをアシスト用モータ120側に配置しても、実質的に同様な作用効果が得られる。
図22に示す第12の実施形態は、上述した第11の実施形態における相リレー3W,15W、ドライバ8W,16W及びツェナーダイオードZD3,ZD7を除去したものである。駆動ライン14U,14V上にそれぞれ2つの相リレー3U,15U及び3V,15Vを、寄生ダイオードD7,D11及びD8,D12の通電方向を逆にして直列に配置することで、相リレーの遮断時に、駆動ライン14U,14Vに正及び負の電流が流れるのを阻止できる。よって、3相駆動では2つの相を遮断することで閉ループ回路の構成を抑制できる。
このような構成であっても、基本的には第11の実施形態と同様であり、第4乃至第6の制御動作を適用することで同じ作用効果が得られる。
しかも、本第12の実施形態において、第4の制御動作を適用すれば、インバータ回路1における電流検出器10a,10b,10cの接地点側への地絡故障が生じても、相リレー3U,3V,3Wを流れる電流の方向が検出できるので、相リレー3U,3V,3Wを確実にオフすることができる。
また、相リレー3U,3Vをインバータ回路1側、相リレー15U,15Vをアシスト用モータ120側に配置したが、相リレー15U,15Vをインバータ回路1側、相リレー3U,3Vをアシスト用モータ120側に配置しても、実質的に同様な作用効果が得られる。
しかも、相リレーをオフするタイミングがずれても問題にならないので、駆動回路(インバータ回路1及びインバータ用ドライバ回路2)の応答性が悪くても問題にならない。
更に、ハードウェアでサージ電圧を吸収する構成ではないので、部品点数の増加によるコスト上昇も抑制できる。
従って、相リレーに半導体リレーを採用して小型化と信頼性向上を図り、相リレーのオフ時に電動モータの逆起電力により発生するサージ電圧による半導体リレーの故障防止を、部品点数の増加によるコストアップを招くことなく実現できる。
例えば、バイポーラトランジスタ(またはIGBT)と、このバイポーラトランジスタのコレクタ・エミッタ間にダイオードを並列接続した構成などにも適用できる。そして、ダイオードの順方向に沿う方向に電流が流れているときにバイポーラトランジスタをオフすれば良い。あるいはバイポーラトランジスタにダイオードと逆方向に流れる電流が所定値以下の時に、バイポーラトランジスタをオフしても良い。
更に、車両用電動モータの制御装置の一例として、電動パワーステアリング制御装置について説明したが、相リレーを必要とする車両用電動モータであれば、他の装置及びシステムにも同様に適用可能である。
車両用電動モータの制御装置は、その一つの態様において、前記遮断手段を流れる電流値から電流ベクトルの大きさを求め、前記電動モータの回転角度、電流ベクトル及び回転速度に基づいて、前記遮断手段を流れる電流の方向を検出する、車両用電動モータの制御装置。
上記構成によると、遮断手段のオフ作動から実際にオフするまでに遅延が生じても、実際にオフするときの電流の方向を推定できる。
上記構成によると、駆動ライン上の電流値を直接検出できるので、電流の流れる方向の検出精度を高くできる。
Claims (3)
- 電動モータを駆動制御する駆動回路と、
前記駆動回路と前記電動モータとの間の駆動ライン上に配置され、半導体スイッチと、該半導体スイッチの電流通路に対して並列に接続されたダイオードとを有し、前記駆動回路から前記電動モータへの通電を遮断する遮断手段とを備え、
前記駆動回路の遅延時間に対応した、所定時間後に前記遮断手段を流れる電流の向きまたは電流値を予測して前記遮断手段を制御し、前記遮断手段で通電を遮断する場合に、前記半導体スイッチに前記ダイオードの順方向と沿う方向に電流が流れているとき、及び前記半導体スイッチの電流通路を流れる電流が、前記ダイオードの向きと逆方向で、且つ該電流の電流値が所定値以下であるときに前記半導体スイッチをオフする、
車両用電動モータの制御装置。 - 前記電動モータの回転角度を検出し、該電動モータの回転角度に基づいて、前記遮断手段を流れる電流の方向を検出する、請求項1に記載の車両用電動モータの制御装置。
- 電動モータを駆動源としてステアリングの操舵に応じたアシスト力を発生させる電動パワーステアリング制御装置であって、
電動モータを駆動制御する駆動回路と、
前記駆動回路と前記電動モータとの間の駆動ライン上に配置され、半導体スイッチと、該半導体スイッチの電流通路に対して並列に接続されたダイオードとを有し、前記駆動回路から前記電動モータへの通電を遮断する遮断手段とを備え、
前記駆動回路の遅延時間に対応した、所定時間後に前記遮断手段を流れる電流の向きまたは電流値を予測して前記遮断手段を制御し、前記遮断手段で通電を遮断する場合に、前記半導体スイッチに前記ダイオードの順方向と沿う方向に電流が流れているとき、及び前記半導体スイッチの電流通路を流れる電流が、前記ダイオードの向きと逆方向で、且つ該電流の電流値が所定値以下であるときに前記半導体スイッチをオフする、
ことを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
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