JP2011233784A - 半導体発光素子、半導体発光素子の保護膜及びその作製方法 - Google Patents

半導体発光素子、半導体発光素子の保護膜及びその作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高いマイグレーション防止性、高い透過率、低い成膜コストの全てを満たす半導体発光素子、半導体発光素子の保護膜及びその作製方法を提供する。
【解決手段】基板11上に形成された複数の半導体層12〜14と、複数の半導体層12〜14の電極となる電極部15、16及び電極部17、18とを有する半導体発光素子において、その保護膜として、複数の半導体層12〜14、電極部15、16及び電極部17、18の周囲を、膜中のSi−H結合量が1.0×1021[個/cm3]未満の窒化珪素からなるSiN膜21で被覆する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体発光素子、半導体発光素子の保護膜及びその作製方法に関する。
半導体発光素子として、省エネで長寿命を実現できる白色LED(Light Emitting Diode)は、新しい屋内・屋外照明材料として期待されている。
特開2006−041403号公報 特開2007−189097号公報
現在、省エネと長寿命を両立できる白色LEDは、省電力タイプに限られている。そのため、低消費電力で長寿命なメリットを生かしつつ、既存照明の置き換えをするには、低出力のLEDチップを複数個使用しなければならず、コストが高くなる原因となっていた。
照明の使用LEDチップ数を減らすには、1チップあたりの光出力を上げる必要がある。しかしながら、素子に大電力を投入すると、電極部に用いられているAgのマイグレーションが加速され、短絡が発生しやすくなり、素子の信頼性が低下する。よって、高出力素子で信頼性を得るためには、Agのマイグレーションを抑制する必要がある。
Agは水分と反応することでマイグレーションが加速するので、Agを水分から守る保護膜をLED素子に用いると、マイグレーションが抑制でき、高出力素子の信頼性改善に有効である。一方、この保護膜には、素子内で発生した光を効率よく素子外部まで取り出せるように、高い光透過性が求められる。
ここで、従来例1として、特許文献1のLED素子構造を図8に示して、その問題点を説明する。なお、図8中、符号61は基板、62はn型半導体層、63は活性層、64はp型半導体層、65はp電極、66はpパッド、67はn電極、68はnパッド、71はSiN膜、72はSiO膜である。このp電極65は、Ag/Ni/Ptからなる多層構造である。又、図中の矢印は、透過光の様子を示している。
図8に示す従来のLED素子構造においては、保護膜として、防水性の高いSiN膜71をp電極65の周辺部にのみ用い、その後、全体にSiO膜72を成膜している。上記素子構造においては、SiN膜71をp電極65の周辺部のみ形成するため、SiO膜72を成膜する前に、全体についたSiN71膜を一部除去する工程が必要となり、成膜コストが高くなる。又、p電極65中のAgが半導体側面まで拡散した場合、SiO膜72では防水性が低いため、マイグレーションが進行し易い。又、一般的に、SiN膜71はSiO膜72より光の透過率が低いため、p電極65の周辺で透過率が低くなり、外部への光取出し効率が低下する。
又、従来例2として、特許文献2のLED素子構造を図9に示して、その問題点を説明する。なお、図9において、図8と同等の構成については同じ符号を付す。又、図中の矢印は、透過光の様子を示している。但し、符号81はSiN膜である。
図9に示す従来のLED素子構造においては、保護膜として、素子全体に防水性の高いSiN膜81を用いている。上記素子構造においては、素子全体が透過率の低いSiN膜81で覆われているため、素子から外部への光取出し効率が低下する。又、SiN膜81は、一般的に、SiO膜よりも絶縁耐圧が低いため、絶縁性を確保するには膜厚を厚くする必要があり、成膜に時間がかかり成膜コストが高くなる。
このように、従来のLED素子構造においては、高いマイグレーション防止性、高い透過率、低い成膜コストの全てを満たすことが困難であり、高輝度構造の実現には課題があった。
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、高いマイグレーション防止性、高い透過率、低い成膜コストの全てを満たす半導体発光素子、半導体発光素子の保護膜及びその作製方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する第1の発明に係る半導体発光素子の保護膜は、
基板上に形成された複数の半導体層と、前記複数の半導体層の電極となる複数の電極部とを有する半導体発光素子において、当該半導体発光素子を保護する保護膜であって、
前記保護膜として、前記複数の半導体層及び前記複数の電極部の周囲を被覆する第1の保護膜を設けると共に、
前記第1の保護膜を、膜中のSi−H結合量が1.0×1021[個/cm3]未満の窒化珪素としたことを特徴とする。
上記課題を解決する第2の発明に係る半導体発光素子の保護膜は、
上記第1の発明に記載の半導体発光素子の保護膜において、
更に、前記第1の保護膜の周囲を被覆する第2の保護膜を設けると共に、
前記第1の保護膜を、膜厚10nm以上とし、
前記第2の保護膜を、酸化珪素としたことを特徴とする。
上記課題を解決する第3の発明に係る半導体発光素子の保護膜は、
上記第2の発明に記載の半導体発光素子の保護膜において、
更に、前記第2の保護膜の周囲を被覆する第3の保護膜を設けると共に、
前記第3の保護膜を、前記第1の保護膜と同じく、膜中のSi−H結合量が1.0×1021[個/cm3]未満の窒化珪素とすると共に、当該膜厚を10nm以上としたことを特徴とする。
上記課題を解決する第4の発明に係る半導体発光素子の保護膜は、
上記第3の発明に記載の半導体発光素子の保護膜において、
前記第2の保護膜を、膜中のSi−OH結合量が1.3×1021[個/cm3]以下の酸化珪素とすると共に、当該場合の前記第1の保護膜の膜厚を、5nm以上としたことを特徴とする。
上記課題を解決する第5の発明に係る半導体発光素子の保護膜は、
上記第1〜第4のいずれか1つの発明に記載の半導体発光素子の保護膜において、
前記複数の電極部の少なくとも1つが銀を含有する金属からなることを特徴とする。
上記課題を解決する第6の発明に係る半導体発光素子は、
上記第1〜第5のいずれか1つの発明に記載の半導体発光素子の保護膜を用いたことを特徴とする。
上記課題を解決する第7の発明に係る半導体発光素子の保護膜の作製方法は、
基板上に形成された複数の半導体層と、前記複数の半導体層の電極となる複数の電極部とを有する半導体発光素子において、当該半導体発光素子を保護する保護膜の作製方法であって、
前記保護膜として、前記複数の半導体層及び前記複数の電極部の周囲を被覆する第1の保護膜を設け、膜中のSi−H結合量が1.0×1021[個/cm3]未満の窒化珪素から形成することを特徴とする。
上記課題を解決する第8の発明に係る半導体発光素子の保護膜の作製方法は、
上記第7の発明に記載の半導体発光素子の保護膜の作製方法において、
前記第1の保護膜を、膜厚10nm以上とすると共に、
更に、前記第1の保護膜の周囲を被覆する第2の保護膜を設け、酸化珪素から形成することを特徴とする。
上記課題を解決する第9の発明に係る半導体発光素子の保護膜の作製方法は、
上記第8の発明に記載の半導体発光素子の保護膜の作製方法において、
更に、前記第2の保護膜の周囲を被覆する第3の保護膜を設け、前記第1の保護膜と同じく、膜中のSi−H結合量が1.0×1021[個/cm3]未満の窒化珪素から形成すると共に、当該膜厚を10nm以上とすることを特徴とする。
上記課題を解決する第10の発明に係る半導体発光素子の保護膜の作製方法は、
上記第9の発明に記載の半導体発光素子の保護膜の作製方法において、
前記第2の保護膜を、膜中のSi−OH結合量が1.3×1021[個/cm3]以下の酸化珪素から形成すると共に、当該場合の前記第1の保護膜の膜厚を5nm以上とすることを特徴とする。
上記課題を解決する第11の発明に係る半導体発光素子の保護膜の作製方法は、
上記第7〜第10のいずれか1つの発明に記載の半導体発光素子の製造方法において、
前記複数の電極部の少なくとも1つが銀を含有する金属からなることを特徴とする。
本発明によれば、半導体発光素子において、高いマイグレーション防止性、高い透過率、低い成膜コストの全てを満たすことができ、高輝度構造が実現する。
本発明に係る半導体発光素子の実施形態の一例(実施例1)として、その素子構造を示す断面図である。 図1に示した半導体発光素子のSiN膜を形成するプラズマ処理装置の構成図である。 図1に示した半導体発光素子のSiN膜における透過率と膜中水素量との関係を示すグラフである。 本発明に係る半導体発光素子の実施形態の一例(実施例2)として、その素子構造を示す断面図である。 図4に示した半導体発光素子のSiN膜と従来のSiN膜において、その防水性と膜厚との関係を示すグラフである。 本発明に係る半導体発光素子の実施形態の他の一例(実施例3)として、その素子構造を示す断面図である。 本発明に係る半導体発光素子の実施形態の他の一例(実施例4)として、その素子構造を示す断面図である。 従来のLED素子構造を示す断面図である。 従来の他のLED素子構造を示す断面図である。
以下、本発明に係る半導体発光素子、半導体発光素子の保護膜及びその作製方法について、その実施形態のいくつかを図1〜図7を参照して説明する。なお、以下に示す実施例では、半導体発光素子としてLEDを用いた例について説明する。
(実施例1)
図1は、本実施例のLEDの素子構造を示す断面図である。又、図中の矢印は、透過光の様子を示している。
本実施例のLEDは、サファイアからなる基板11上に、n型GaNからなるn型半導体層12、GaNとInGaNを交互に積層した多重量子井戸構造からなる活性層13、p型GaNからなるp型半導体層14が順次積層された半導体層の素子構造である。なお、n型半導体層12、p型半導体層14は、各々、n型コンタクト層、p型コンタクト層を含む構造となっている。
そして、積層されたp型半導体層14、活性層13及びn型半導体層12の一部を、エッチングにより除去することにより、n型半導体層12のn型コンタクト層を露出し、その露出した部分に、半導体層側からW/Ptを順次積層して、n電極17を形成する。一方、p型半導体層14のp型コンタクト層の上面には、半導体層側からAg/Ni/Pt順次積層して、p電極15を形成している。又、バンプ形成のため、p電極15上には、Auからなるpパッド16を形成し、n電極17上には、Auからなるnパッド18を形成している。このように、p電極15及びpパッド16、そして、n電極17及びnパッド18を、各々、積層した半導体層に対する電極部としている。
上述した素子構造において、pパッド16及びnパッド18におけるバンプのための開口部を除き、半導体層(n型半導体層12、活性層13及びp型半導体層14)及び電極部(p電極15及びpパッド16、n電極17及びnパッド18)の周囲を被覆するように、SiN膜21(第1の保護膜)を積層している。このSiN膜21は、絶縁性を有し、透過率の高いSiNからなり、この1つの層で保護膜を形成している。このように、Agを含有するp電極15の周囲だけでなく、素子全体の周囲を、SiN膜21により保護する構造となる。
前述したように、SiNからなる保護膜は、通常、防水性は高いが、透過率が低く、絶縁耐圧が劣るという問題がある。
そこで、本実施例においては、SiN膜21を、図2に示す、高密度プラズマを用いたプラズマCVD装置により形成しており、これにより、SiN膜でありながら、SiO膜と同等の高い透過率を持つ膜質とすることができる。
ここで、図2を参照して、SiN膜21を形成するためのプラズマCVD装置100を説明する。
図2に示すように、プラズマCVD装置100は、高い真空度を維持する真空容器101を備えている。この真空容器101は、筒状容器102と天井板103からなり、筒状容器102の上部に天井板103を取り付けることで、外気から密閉された空間を形成している。真空容器101には、真空容器101の内部を真空状態にする真空装置104が設置されている。
天井板103の上部にはプラズマを生成させるRFアンテナ105が設置されている。このRFアンテナ105には、整合器106を介して高周波電源であるRF電源107が接続されている。即ち、RF電源107から供給されたRFパワーはRFアンテナ105によりプラズマに供給される。
筒状容器102の側壁の上部には、成膜する膜の原料となる原料ガスや不活性ガスを真空容器101内に供給するガス供給管108が設置されている。ガス供給管108には原料ガスや不活性ガスの供給量を制御するガス供給量制御器が設置されている。本実施例では、原料ガスとして、SiH4、N2等を、不活性ガスとして、Ar等を供給している。これらのガスの供給により、真空容器101の内部上方には、SiH4、N2及びAr等のプラズマが生成されることとなる。
筒状容器102内の下方には、成膜対象である基板109を保持する基板支持台110が設置されている。この基板支持台110は、基板109を保持する基板保持部111と、この基板保持部111を支持する支持軸112とにより構成されている。基板保持部111の内部には加熱のためのヒータ113が設置されており、このヒータ113はヒータ制御装置114により温度が調整されている。これにより、プラズマ処理中の基板109の温度を、例えば、300℃に制御することができる。
支持軸112には、上下駆動機構(図示省略)が設けられており、図2に示すように、高密度のプラズマ領域から基板109を離すこと、つまり、高密度プラズマの影響を受けない位置に基板109を配置可能になっている。具体的には、基板保持部111は、天井板103の下面からの距離が5cm〜30cmとなる位置に移動可能であり、例えば、生成されたプラズマ中心から10cm以上離れた位置に基板109を配置する。このような配置とすることにより、後述の図3に示すように、膜中水素量が少ないSiN膜を形成することができる。又、このSiN膜は、一般的なプラズマCVD装置で成膜したSiN膜と比較して、プラズマダメージも低く、絶縁耐圧も約30%高いという優れた特徴を有している。
そして、上述したプラズマCVD装置100には、RF電源107によるRFパワーと、真空装置104による圧力と、ヒータ制御装置114による基板温度と、ガス供給量制御器によるガス供給量と、上下駆動機構による基板位置とを、各々制御可能な主制御装置119が設置されている。ここで、図2中の一点鎖線は、主制御装置119からRF電源107、真空装置104、ヒータ制御装置114、ガス供給量制御器へ制御信号を送信するための信号線を意味している。
上述したプラズマCVD装置100において、主制御装置119により、RFパワー、圧力、成膜温度、ガス供給量及び基板位置を制御することで、本実施例でのSiN膜の成膜が可能となるが、プラズマCVD装置100では、プラズマ中心から離れた位置に基板109を配置しているので、SiN膜でありながら、SiO膜と同等の高い透過率を持つ膜質とすることができる。
ここで、図3のグラフを参照して、本実施例におけるSiN膜21が、SiN膜でありながら、SiO膜と同等の高い透過率を持つことを説明する。なお、比較のため、一般的なプラズマCVD装置で成膜したSiNを比較例として示している。又、ここでは、膜厚を、保護膜としての最低限の強度を有する400nmとしており、波長350nmで評価した。
SiN膜中の水素量をIR分析(赤外線分析、例えば、FTIR等)により確認してみると、図3に示すように、Si−H結合量(2140cm-1付近に発生するSi−H結合のピーク面積から求めたもの)と透過率には相関があり、Si−H結合量を少なくすると、透過率が高い膜となることがわかる。ところが、一般的なプラズマCVD装置で成膜したSiN膜(比較例)では、一番よいプロセス条件でも、Si−H結合量が2.0×1022[個/cm3]以上となっており、その透過率は88%程度に留まっている。これに対し、本実施例におけるSiN膜21では、Si−H結合量を、その2.0×1022[個/cm3]より小さくすることができ、透過率も高くすることができる。特に、Si−H結合量が1.0×1021[個/cm3]未満の場合には、その透過率も98%以上を達成できている。これは、一般的なプラズマCVD装置で成膜したSiN膜と比較して、膜中の水素、つまり、不純物が少ないことを意味し、そのため、膜自体の消衰係数kが0.005以下と極めて低く、その結果、高い透過率が得られていると考えられる。
又、SiN膜21の膜厚は、素子を物理的に保護可能な膜厚、つまり、素子の半導体層に傷をつけさせない膜厚としており、具体的には、一般的なLEDで使用されている400〜1000nmとしている。このような範囲の膜厚において、SiN膜21は、後述する図5からわかるように、十分な防水性を有し、又、前述したように、絶縁耐圧も高く、透過率も高いという特性を有する。
従って、上記素子構造においては、ごく一部(パッド開口部)を除き、素子全体がSiN膜21に覆われているので、素子の側壁において、内部への水分の侵入を防いで、p電極15中のAgのマイグレーションを抑制することができ、高いマイグレーション防止性が得られる。又、膜自体の絶縁耐圧が高いので、SiN膜21の膜厚を従来のように厚くする必要がなく、又、そのエッチングも不要であるので、成膜コストを抑えることができる。
マイグレーション防止性、透過率、成膜コスト及び高輝度構造の実現性について、前述した従来例1、従来例2と比較すると、表1に示すようになる。なお、表1においては、後述する実施例2、実施例3、実施例4も併記している。
Figure 2011233784
表1に示すように、本実施例におけるマイグレーション防止性は、素子全体がSiN膜21に覆われているので、従来例1より高く、従来例2と同等であり、素子の信頼性が向上する。
又、本実施例における透過率は、膜厚500nm、光の波長350nmの条件で比較した場合、その保護膜全体の透過率は99.6%である。これは、従来例2より高く、従来例1と略同等であり(p電極付近の透過率も考慮した場合)、光取出し効率が改善する。
又、本実施例における成膜コストは、通常のSiN膜より絶縁耐圧が高く、保護膜全体の厚みを薄くできるので、エッチング工程が必要な従来例1や膜厚が厚くなる従来例2より、低くなっている。
このように、本実施例では、高いマイグレーション防止性と高い透過率、そして、低い成膜コストの全てをみたすことが可能となり、高輝度構造の実現性が従来と比べ向上した。
(実施例2)
図4は、本実施例のLEDの素子構造を示す断面図である。なお、図4において、実施例1(図1参照)で示した構成と同等の構成については同じ符号を付し、重複する説明は省略する。又、図中の矢印は、透過光の様子を示している。
本実施例のLEDは、半導体層の素子構造は、実施例1(図1参照)で示したLEDと同等の構成である。又、実施例1と同様に、pパッド16及びnパッド18におけるバンプのための開口部を除き、半導体層及び電極部の周囲を被覆するように、保護膜を形成しているが、この保護膜の構成が、実施例1とは相違する。
具体的には、保護膜として、絶縁性を有し、透過率の高いSiNからなるSiN膜31(第1の保護膜)と、絶縁性を有するSiOからなるSiO膜32(第2の保護膜)とを順次積層している。つまり、第1層目をSiN膜31、第2層目をSiO膜32とした2層構造の保護膜を形成している。このように、Agを含有するp電極15の周囲だけでなく、素子全体の周囲を、SiN膜31及びSiO膜32の2層構造により保護する構造となる。
これらのSiN膜31、SiO膜32のうち、SiN膜31は、図2で示したプラズマCVD装置により形成されている。一方、SiO膜32は、図2で示したプラズマCVD装置でもよいが、通常のプラズマCVD法(装置)でもよく、特に、高密度プラズマを用いたプラズマCVD法(装置)が好適である。なお、同様のSiO膜を形成できれば、他の方法、例えば、スパッタリング法(装置)、真空蒸着法(装置)等を用いることもできる。
前述したように、SiNからなる保護膜は、通常、防水性は高いが、透過率が低く、絶縁耐圧が劣るという問題がある。
そこで、本実施例においては、SiN膜31を、図3で説明したように、透過率を高くすると共に、防水性を保てる膜厚としている。更に、このSiN膜31の外側に、防水性は劣るが、透過率が高く、絶縁耐圧が高いSiO膜32を積層する構造としている。
ここで、図5のグラフを参照して、SiN膜31における防水性と膜厚の関係を説明する。図5では、比較例として、一般的なプラズマCVD装置で成膜したSiNにおける防水性と膜厚のグラフを点線で併記した。なお、図5における防水性とは、サンプルとして、コバルト−鉄の膜上に、評価対象のSiN膜、膜中水分量の多いSiO膜を順次形成し、形成したサンプルにおいて、コバルト−鉄の磁化劣化を測定することで、評価対象のSiN膜の防水性を評価したものである。
図5のグラフに示すように、比較例では、SiN膜の膜厚が35nm未満の場合は、膜厚が薄くなるに従って、防水性が低下しているが、SiN膜の膜厚が35nm以上の場合は、防水性が良好であることがわかる。一方、本実施例では、SiN膜の膜厚が10nm未満の場合は、膜厚が薄くなるに従って、防水性が低下しているが、SiN膜の膜厚が10nm以上の場合は、防水性が良好であることがわかる。このように、比較例では、35nm以上でなければ、良好な防水性は得られなかったが、本実施例では、SiN膜31の膜厚を10nm以上とすることで、良好な防水性を得ることができる。つまり、SiN膜31において、10nm以上が、防水性を保てる膜厚となる。
又、SiO膜32は、SiN膜31との合計の膜厚が、素子を物理的に保護可能な膜厚、つまり、素子の半導体層に傷をつけさせない膜厚としている。具体的には、合計の膜厚を、一般的なLEDで使用されている400〜1000nmとしている。
上記素子構造においては、ごく一部(パッド開口部)を除き、素子全体がSiN膜31に覆われているので、素子の側壁において、内部への水分の侵入を防いで、p電極15中のAgのマイグレーションを抑制することができ、高いマイグレーション防止性が得られる。又、SiN膜31の膜厚を厚くする必要もなく、そのエッチングも不要であるので、成膜コストを抑えることができる。
そして、表1に示すように、本実施例におけるマイグレーション防止性は、素子全体がSiN膜31に覆われているので、従来例1より高く、素子の信頼性が向上する。
又、本実施例における透過率は、膜厚500nm、光の波長350nmの条件で比較した場合(本実施例のSiN膜31の膜厚は35nm、その透過率99.9%)、その保護膜全体の透過率は99.9%である。これは、従来例2より高く、従来例1と略同等であり(p電極付近の透過率も考慮した場合)、又、実施例1より高く、光取出し効率が改善する。
又、本実施例における成膜コストは、SiO膜32の積層により、絶縁耐圧が高く、保護膜全体の厚みを薄くできるので、エッチング工程が必要な従来例1や膜厚が厚くなる従来例2より、低くなっており、又、実施例1と同等である。
このように、本実施例では、高いマイグレーション防止性と高い透過率、そして、低い成膜コストの全てをみたすことが可能となり、高輝度構造の実現性が従来と比べ向上した。
(実施例3)
図6は、本実施例のLEDの素子構造を示す断面図である。なお、図6において、実施例1(図1参照)で示した構成と同等の構成については同じ符号を付し、重複する説明は省略する。又、図中の矢印は、透過光の様子を示している。
本実施例のLEDは、半導体層の素子構造は、実施例1(図1参照)で示したLEDと同等の構成である。又、実施例1と同様に、pパッド16及びnパッド18におけるバンプのための開口部を除き、半導体層及び電極部の周囲を被覆するように、保護膜を形成しているが、この保護膜の構成が、実施例1、実施例2とは相違する。
具体的には、保護膜として、絶縁性を有し、透過率の高いSiNからなるSiN膜41(第1の保護膜)と、絶縁性を有するSiOからなるSiO膜42(第2の保護膜)と、絶縁性を有し、透過率の高いSiNからなるSiN膜43(第3の保護膜)とを順次積層している。つまり、第1層目をSiN膜41、第2層目をSiO膜42、第3層目をSiN膜43とした3層構造の保護膜を形成している。このように、Agを含有するp電極15の周囲だけでなく、素子全体の周囲を、SiN膜41、SiO膜42及びSiN膜43の3層構造により保護する構造となる。
これらのSiN膜41、SiO膜42及びSiN膜43のうち、SiN膜41、43は、図2で示したプラズマCVD装置により形成されている。一方、SiO膜42は、図2で示したプラズマCVD装置でもよいが、通常のプラズマCVD法(装置)でもよく、特に、高密度プラズマを用いたプラズマCVD法(装置)が好適である。なお、同様のSiO膜を形成できれば、他の方法、例えば、スパッタリング法(装置)、真空蒸着法(装置)等を用いることもできる。
前述したように、SiNからなる保護膜は、通常、防水性は高いが、透過率が低く、絶縁耐圧が劣るという問題がある。又、SiOからなる保護膜は、元々水を通しやすく、更に、保持もしやすいため、膜中に一度水分を多く含むと、水分の供給源となり、その内側にSiNからなる保護膜を形成しても、その膜厚が薄いと、僅かではあるが、保護膜を透過して、素子側に水が浸入する問題がある。
そこで、本実施例においては、SiN膜41を、図3で説明したように、透過率を高くすると共に、図5で説明したように、防水性を保てる膜厚10nm以上としている。更に、このSiN膜41の外側に、防水性は劣るが、透過率が高く、絶縁耐圧が高いSiO膜42を積層し、更に、SiO膜42の外側に、透過率が高く、防水性を保てる膜厚10nm以上のSiN膜43を積層する構造としている。
又、SiO膜42は、SiN膜41及びSiN膜43との合計の膜厚が、素子を物理的に保護可能な膜厚、つまり、素子の半導体層に傷をつけさせない膜厚としている。具体的には、合計の膜厚を、一般的なLEDで使用されている400〜1000nmとしている。
上記素子構造においては、ごく一部(パッド開口部)を除き、素子全体がSiN膜41に覆われているので、素子の側壁において、内部への水分の侵入を防いで、p電極15中のAgのマイグレーションを抑制することができ、高いマイグレーション防止性が得られる。更に、本実施例の場合、SiO膜42の外側に更にSiN膜43を設けているので、保護膜内部、特に、SiO膜42の内部に侵入する水分を低減することができ、そのため、素子側に侵入する水分を低減することができる。その結果、実施例1、実施例2に比べて、更に、マイグレーション防止性を向上させることができた。又、SiN膜41、43の膜厚を従来のように厚くする必要もなく、そのエッチングも不要であるので、成膜コストを抑えることができる。
そして、表1に示すように、本実施例におけるマイグレーション防止性は、従来例1より高く、又、実施例2よりも高く、素子の信頼性が更に向上する。
又、本実施例における透過率は、膜厚500nm、光の波長350nmの条件で比較した場合(本実施例のSiN膜41、43の膜厚は35nm、その透過率99.9%)、保護膜全体の透過率は99.9%である。この透過率は、従来例2より高く、従来例1と略同等であり(p電極付近の透過率も考慮した場合)、又、実施例1より高く、実施例2と同等であり、光取出し効率が改善する。これは、実施例2と同様に、透過率の低いSiN膜41、43の膜厚が保護膜全体の膜厚に対し薄く、透過率の高いSiO膜42の膜厚が厚いため、保護膜全体で高い透過率を得ることができるからである。
又、本実施例における成膜コストは、SiN膜43を更に積層するので、実施例2よりは若干高くなるが、保護膜全体としては、SiO膜42の積層により、絶縁耐圧が高く、保護膜全体の厚みを薄くできるので、エッチング工程が必要な従来例1や膜厚が厚くなる従来例2より、低くなっている。
このように、本実施例では、高いマイグレーション防止性と高い透過率、そして、低い成膜コストの全てをみたすことが可能となり、高輝度構造の実現性が従来と比べ向上した。
(実施例4)
図7は、本実施例のLEDの素子構造を示す断面図である。なお、図7において、実施例1(図1参照)で示した構成と同等の構成については同じ符号を付し、重複する説明は省略する。又、図中の矢印は、透過光の様子を示している。
本実施例のLEDは、半導体層の素子構造は、実施例1(図1参照)で示したLEDと同等の構成である。又、実施例1と同様に、pパッド16及びnパッド18におけるバンプのための開口部を除き、半導体層及び電極部の周囲を被覆するように、保護膜を形成しているが、この保護膜の構成が、実施例1、実施例2とは相違する。更に、実施例3とは、SiO膜の膜質が相違する。
具体的には、保護膜として、絶縁性を有し、透過率の高いSiNからなるSiN膜51(第1の保護膜)と、絶縁性を有し、膜中水分量が少ないSiOからなるSiO膜52(第2の保護膜)と、絶縁性を有し、透過率の高いSiNからなるSiN膜53(第3の保護膜)とを順次積層している。つまり、第1層目をSiN膜51、第2層目をSiO膜52、第3層目をSiN膜53とした3層構造の保護膜を形成している。このように、Agを含有するp電極15の周囲だけでなく、素子全体の周囲を、SiN膜51、SiO膜52及びSiN膜53の3層構造により保護する構造となる。
これらのSiN膜51、SiO膜52及びSiN膜53のうち、SiN膜51、53は、図2で示したプラズマCVD装置により形成されている。一方、SiO膜52は、通常のプラズマCVD法(装置)で形成されており、特に、高密度プラズマを用いたプラズマCVD法(装置)、例えば、図2に示したようにプラズマCVD装置が好適である。なお、同様のSiO膜を形成できれば、他の方法、例えば、スパッタリング法(装置)、真空蒸着法(装置)等を用いることもできる。
前述したように、SiNからなる保護膜は、通常、防水性は高いが、透過率が低く、絶縁耐圧が劣るという問題がある。又、SiOからなる保護膜は、元々水を通しやすく、更に、保持もしやすいため、膜中に一度水分を多く含むと、水分の供給源となり、その内側にSiNからなる保護膜を形成しても、その膜厚が薄いと、僅かではあるが、保護膜を透過して、半導体層側に水が浸入する問題がある。
そこで、本実施例においては、SiN膜51、SiO膜52及びSiN膜53の3層構造において、SiO膜52として、膜中水分量が少ないSiO膜を用いている。即ち、SiO膜として、Si−OH結合量(3738cm-1付近に発生するSi−OH結合のピーク面積から求めたもの)が、IR分析の測定により、1.3×1021[個/cm3]以下となる膜質とすれば、昇温脱離ガス分析(TDS:Thermal Desorption Spectroscopy)の測定でも、膜中の水分量は十分低い値を示す。下記表2に、実施例2、実施例3で用いた通常のSiO膜と本実施例で用いる低水分量のSiO膜との比較を示す。通常のSiO膜のSi−OH結合量及び水分量は、2.6×1021[個/cm3]であるのに対して、本実施例の低水分SiO膜では、共に、その1/2の量となっている。
Figure 2011233784
実施例3においては、第3層にSiN膜43を設けているので、SiO膜42への外部からの水侵入はほとんどなくなったが、SiO膜42はもともと水分を多く含むため、SiO膜42から素子側への水分拡散を防止する第1層のSiN膜41の膜厚を薄くすることができなかった。これに対して、表2に示すように、本実施例でのSiO膜の膜中水分量は、通常のSiO膜の1/2となるので、素子側への水分拡散を防止するSiN膜51を薄くすること、具体的には、図2で説明した防水性を保てる最低膜厚10nmを、その1/2である5nmとすることができ、これにより、実施例3より高い透過率を得ることができる。
そして、本実施例においても、SiN膜51の外側に、透過率が高く、絶縁耐圧が高いSiO膜52を積層し、更に、SiO膜52の外側に、SiN膜53を積層する3層構造としているが、SiN膜51を、図3で説明したように、透過率を高くすると共に、SiO膜52の膜中水分量が少ないので、上述したように、膜厚5nm以上としている。更に、SiO膜52の外側に、透過率が高く、防水性を保てる膜厚10nm以上のSiN膜53を積層する構造としている。
又、SiN膜51、SiO膜52及びSiN膜53との合計の膜厚が、素子を物理的に保護可能な膜厚、つまり、素子の半導体層に傷をつけさせない膜厚としており、具体的には、合計の膜厚を、一般的なLEDで使用されている400〜1000nmとしている。
上記素子構造においては、ごく一部(パッド開口部)を除き、素子全体がSiN膜51に覆われているので、素子の側壁において、内部への水分の侵入を防いで、p電極15中のAgのマイグレーションを抑制することができ、高いマイグレーション防止性が得られる。本実施例の場合、SiN51の膜厚は、実施例3のSiN膜41より薄いが、上述したように、SiO膜52自体の膜中水分が少ないので、十分に高いマイグレーション防止性が得られる。更に、本実施例の場合、SiO膜52自体の膜中水分量が低く、その外側に更にSiN膜53を設けているので、保護膜内部、特に、SiO膜52の内部に侵入する水分を低減することができ、そのため、素子側に侵入する水分を低減することができる。その結果、実施例2に比べて、更に、マイグレーション防止性を向上させることができた。又、SiN膜51、53の膜厚を従来のように厚くする必要もなく、そのエッチングも不要であるので、成膜コストを抑えることができる。
そして、表1に示すように、本実施例におけるマイグレーション防止性は、従来例1より高く、又、実施例2よりも高く、素子の信頼性が更に向上する。
又、本実施例における透過率は、膜厚500nm、光の波長350nmの条件で比較した場合(本実施例のSiN膜51、53の膜厚は35nm、その透過率99.9%)、保護膜全体の透過率は99.9%である。この透過率は、従来例2より高く、従来例1と略同等であり(p電極付近の透過率も考慮した場合)、又、実施例1より高く、実施例2、3と同等であり、光取出し効率が改善する。これは、実施例2、実施例3と同様に、透過率の低いSiN膜51、53の膜厚が保護膜全体の膜厚に対し薄く、透過率の高いSiO膜52の膜厚が厚いため、保護膜全体で高い透過率を得ることができるからである。
又、本実施例における成膜コストは、SiN膜53を更に積層するので、実施例2よりは若干高くなるが、SiN膜51の膜厚が薄いので、実施例3よりは若干低い。保護膜全体としては、SiO膜52の積層により、絶縁耐圧が高く、保護膜全体の厚みを薄くできるので、エッチング工程が必要な従来例1や膜厚が厚くなる従来例2より、低くなっている。
このように、本実施例では、高いマイグレーション防止性と高い透過率、そして、低い成膜コストの全てをみたすことが可能となり、高輝度構造の実現性が従来と比べ向上した。
なお、上記実施例1〜4において、LEDの半導体層の材料、構成は、上述した構成に限らず、他の材料、構成でもよい。例えば、各半導体層は、III族原子であるIn、Al、Ga等とV族原子であるNとからなる窒化物半導体等でもよい。又、活性層13は、多重量子井戸構造に限らず、単一の量子井戸構造や歪量子井戸構造等でもよい。又、基板11も、サファイア基板に限らず、GaN基板などでもよい。又、各半導体層の製造方法も、公知の製造方法、例えば、有機金属気相成長(MOVPE:Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)や有機金属化学気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)等を用いることができる。
又、p電極15は多層構造となっているが、マイグレーションのおそれがあるAg、Cu等の金属を含んでいれば、Ni、Pt以外の他の金属を含む構成でもよい。又、その製造方法は、公知の製造方法、例えば、スパッタリング法や真空蒸着法等を用いることができ、積層後、例えば、リフトオフ法によって、所望のパターンに形成している。従来は、Ag等のマイグレーションを考慮して、Ag層等の上下の層を他の金属で構成する多層構造(サンドイッチ構造)とすることがあったが、上記実施例1〜4の保護膜で素子全体を覆っているので、このようなサンド構造を必ずしも採用しなくても、Ag等のマイグレーションを十分に抑制可能である。
又、pパッド16、n電極17、nパッド18は、単層構造又は多層構造となっており、その製造方法は、p電極15と同様に、公知の製造方法、例えば、スパッタリング法や真空蒸着法等を用いることができ、積層後、例えば、リフトオフ法によって、所望のパターンに形成している。
なお、窒化珪素は、代表的なものとして、Si34があり、その組成比に応じて、Sixyと表記することもあるが、ここでは表記を簡単にするため、SiNと記載した。同様に、酸化珪素は、代表的なものとして、SiO2があり、その組成比に応じて、Sixyと表記することもあるが、ここでは表記を簡単にするため、SiOと記載した。
本発明は、半導体発光素子に適用するものであり、特に、白色LEDに好適なものである。
11 基板
12 n型半導体層
13 活性層
14 p型半導体層
15 p電極(電極部)
16 pパッド(電極部)
17 n電極(電極部)
18 nパッド(電極部)
21、31、41、51 SiN膜(第1の保護膜)
32、42、52 SiO膜(第2の保護膜)
43、53 SiN膜(第3の保護膜)

Claims (11)

  1. 基板上に形成された複数の半導体層と、前記複数の半導体層の電極となる複数の電極部とを有する半導体発光素子において、当該半導体発光素子を保護する保護膜であって、
    前記保護膜として、前記複数の半導体層及び前記複数の電極部の周囲を被覆する第1の保護膜を設けると共に、
    前記第1の保護膜を、膜中のSi−H結合量が1.0×1021[個/cm3]未満の窒化珪素としたことを特徴とする半導体発光素子の保護膜。
  2. 請求項1に記載の半導体発光素子の保護膜において、
    更に、前記第1の保護膜の周囲を被覆する第2の保護膜を設けると共に、
    前記第1の保護膜を、膜厚10nm以上とし、
    前記第2の保護膜を、酸化珪素としたことを特徴とする半導体発光素子の保護膜。
  3. 請求項2に記載の半導体発光素子の保護膜において、
    更に、前記第2の保護膜の周囲を被覆する第3の保護膜を設けると共に、
    前記第3の保護膜を、前記第1の保護膜と同じく、膜中のSi−H結合量が1.0×1021[個/cm3]未満の窒化珪素とすると共に、当該膜厚を10nm以上としたことを特徴とする半導体発光素子の保護膜。
  4. 請求項3に記載の半導体発光素子の保護膜において、
    前記第2の保護膜を、膜中のSi−OH結合量が1.3×1021[個/cm3]以下の酸化珪素とすると共に、当該場合の前記第1の保護膜の膜厚を、5nm以上としたことを特徴とする半導体発光素子の保護膜。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の半導体発光素子の保護膜において、
    前記複数の電極部の少なくとも1つが銀を含有する金属からなることを特徴とする半導体発光素子の保護膜。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の半導体発光素子の保護膜を用いたことを特徴とする半導体発光素子。
  7. 基板上に形成された複数の半導体層と、前記複数の半導体層の電極となる複数の電極部とを有する半導体発光素子において、当該半導体発光素子を保護する保護膜の作製方法であって、
    前記保護膜として、前記複数の半導体層及び前記複数の電極部の周囲を被覆する第1の保護膜を設け、膜中のSi−H結合量が1.0×1021[個/cm3]未満の窒化珪素から形成することを特徴とする半導体発光素子の保護膜の作製方法。
  8. 請求項7に記載の半導体発光素子の保護膜の作製方法において、
    前記第1の保護膜を、膜厚10nm以上とすると共に、
    更に、前記第1の保護膜の周囲を被覆する第2の保護膜を設け、酸化珪素から形成することを特徴とする半導体発光素子の保護膜の作製方法。
  9. 請求項8に記載の半導体発光素子の保護膜の作製方法において、
    更に、前記第2の保護膜の周囲を被覆する第3の保護膜を設け、前記第1の保護膜と同じく、膜中のSi−H結合量が1.0×1021[個/cm3]未満の窒化珪素から形成すると共に、当該膜厚を10nm以上とすることを特徴とする半導体発光素子の保護膜の作製方法。
  10. 請求項9に記載の半導体発光素子の保護膜の作製方法において、
    前記第2の保護膜を、膜中のSi−OH結合量が1.3×1021[個/cm3]以下の酸化珪素から形成すると共に、当該場合の前記第1の保護膜の膜厚を5nm以上とすることを特徴とする半導体発光素子の保護膜の作製方法。
  11. 請求項7から請求項10のいずれか1つに記載の半導体発光素子の保護膜の作製方法において、
    前記複数の電極部の少なくとも1つが銀を含有する金属からなることを特徴とする半導体発光素子の保護膜の作製方法。
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