JP2003332616A - 化合物半導体素子およびその製造方法 - Google Patents

化合物半導体素子およびその製造方法

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JP2003332616A
JP2003332616A JP2002138574A JP2002138574A JP2003332616A JP 2003332616 A JP2003332616 A JP 2003332616A JP 2002138574 A JP2002138574 A JP 2002138574A JP 2002138574 A JP2002138574 A JP 2002138574A JP 2003332616 A JP2003332616 A JP 2003332616A
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silicon nitride
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nitride film
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Nobuyuki Watanabe
信幸 渡邊
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保護膜として十分な能力を持った窒化シリコ
ン膜を備えた化合物半導体素子およびその製造方法を提
供すること。 【解決手段】 メサエッチング又はハーフダイシングを
行って、チップ本体の側面をなすべき溝9を形成した
後、プラズマCVD法により、チップ本体の上面および
側面を覆うように保護膜としての窒化シリコン膜(Si
N膜)を形成する。この窒化シリコン膜は、屈折率が
1.80〜1.90の範囲内であり、かつ水素含有率が
20%未満である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は化合物半導体素子
に関し、より詳しくは、GaAlAs発光ダイオードな
どに代表される化合物半導体素子に関する。また、この
発明は、そのような化合物半導体素子を作製する化合物
半導体素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、GaAlAs発光ダイオードなど
に代表される化合物半導体素子では、素子の信頼性を高
めるために、素子の表面(上面や側面)に保護膜が形成
される。この保護膜の材料としては窒化シリコン、酸化
シリコン、アルミナ等が挙げられる。これらの膜は、C
VD(化学気相成長)法、プラズマCVD法、蒸着法な
どによって形成されている。その中でも、酸化を助長さ
せる水分の侵入防止能力(耐水性)、素子特性低下の原
因となる金属イオンやアルカリイオンの阻止能力、成膜
の簡便性などの観点から、保護膜としてはプラズマCV
Dによる窒化シリコン膜が使用されることが多い。その
理由は、プラズマCVDによる窒化シリコン膜によれ
ば、例えば自然酸化膜を利用する場合に比して、保護膜
の割れ、ハガレなどを低減させることができるからであ
る。なお、保護膜として自然酸化膜を利用する場合は、
膜質や膜厚が下地のAl(アルミニウム)混晶比に依存
するため、例えばAlを含む層と含まない層とが露出し
ている素子側面で保護膜の不均一が生ずる。
【0003】従来は、化合物半導体素子の保護膜として
のプラズマCVDによる窒化シリコン膜(窒化珪素膜)
として、屈折率1.8〜2.0であって水素含有量が2
0〜40%の範囲にあるものが知られている(特開平1
−226181号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、プラズマC
VDによる窒化シリコン膜であっても、成膜条件によっ
て膜質が変化する。例えば、膜自身が強いストレスを有
したり、耐水性など保護膜としての能力が低くなること
がある。
【0005】そこで、この発明の課題は、保護膜として
十分な能力を持った窒化シリコン膜を備えた化合物半導
体素子およびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の化合物半導体
素子は、化合物半導体材料からなるチップ本体の少なく
とも上面の上に、保護膜としてプラズマCVD法による
窒化シリコン膜が形成された化合物半導体素子である。
そして、上記課題を解決するため、上記窒化シリコン膜
は、屈折率が1.80乃至1.90の範囲内であり、か
つ水素含有率が20%未満であることを特徴とする。
【0007】なお、化合物半導体素子としては、例えば
GaAlAs発光ダイオードがあげられる。
【0008】「水素含有率」は、膜中の原子数比、つま
り、水素原子数/全原子数で定義される。
【0009】この発明の化合物半導体素子では、化合物
半導体材料からなるチップ本体の少なくとも上面に、保
護膜としてプラズマCVD法による窒化シリコン膜が形
成されている。したがって、この安定した保護膜によっ
て、素子の信頼性に影響を及ぼす水分の侵入、不純物イ
オンの侵入を阻止することができる。また、保護膜の割
れ、剥れなどによるアセンブリ上の問題も回避すること
ができる。また、上記保護膜としてのプラズマCVD法
による窒化シリコン膜は、屈折率が1.80乃至1.9
0の範囲内であり、かつ水素含有率が20%未満であ
る。このように屈折率が1.80以上で、かつ水素含有
率が20%未満であれば、耐水性を良好に実現できる。
また、屈折率が1.90以下であれば、膜割れ、膜剥れ
などの不具合を確実に防止できる。なお、裏付けデータ
については後に詳述する。
【0010】一実施形態の化合物半導体素子は、上記保
護膜として、上記窒化シリコン膜と、屈折率が1.80
未満の窒化シリコン膜とが積層されていることを特徴と
する。
【0011】この一実施形態の化合物半導体素子では、
上記保護膜として、上記窒化シリコン膜と、屈折率が
1.80未満の窒化シリコン膜とが積層されている。こ
れにより、上記保護膜が、屈折率が1.80乃至1.9
0の範囲内であり、かつ水素含有率が20%未満である
窒化シリコン膜のみからなる場合に比して、膜自身が持
つストレスが緩和される。したがって、膜割れ、膜剥れ
などの不具合をさらに確実に防止できる。
【0012】一実施形態の化合物半導体素子は、上記保
護膜としての窒化シリコン膜は、上記チップ本体の上面
に連なる側面の上にも形成されていることを特徴とす
る。
【0013】この一実施形態の化合物半導体素子では、
上記保護膜としての窒化シリコン膜は、上記チップ本体
の上面に連なる側面の上にも形成されている。つまり、
上記チップ本体の表面(露出面)のうち信頼性に影響す
る部分が、上記保護膜としての窒化シリコン膜によって
覆われている。したがって、素子の信頼性を高めること
ができる。
【0014】また、この発明の化合物半導体素子の製造
方法は、上記一実施形態の化合物半導体素子の化合物半
導体素子を製造する方法である。そして、上記化合物半
導体材料の表面からメサエッチング又はハーフダイシン
グを行って、上記チップ本体の側面をなすべき溝を形成
した後、プラズマCVD法により、上記チップ本体の上
面および側面を覆うように上記保護膜としての窒化シリ
コン膜を形成することを特徴とする。
【0015】この発明の化合物半導体素子の製造方法で
は、チップ本体をなすべき化合物半導体材料の表面から
メサエッチング又はハーフダイシングを行って、上記チ
ップ本体の側面をなすべき溝を形成する。しかる後、プ
ラズマCVD法により、上記チップ本体の上面および側
面を覆うように、保護膜としての窒化シリコン膜を形成
する。この窒化シリコン膜は、屈折率が1.80乃至
1.90の範囲内であり、かつ水素含有率が20%未満
であるものとする。このようにした場合、化合物半導体
材料からなるチップ本体の少なくとも上面に、保護膜と
してプラズマCVD法による窒化シリコン膜が形成され
る。したがって、この安定した保護膜によって、素子の
信頼性に影響を及ぼす水分の侵入、不純物イオンの侵入
を阻止することができる。また、保護膜の割れ、剥れな
どによるアセンブリ上の問題も回避することができる。
また、上記保護膜としてのプラズマCVD法による窒化
シリコン膜は、屈折率が1.80乃至1.90の範囲内
であり、かつ水素含有率が20%未満である。このよう
に屈折率が1.80以上で、かつ水素含有率が20%未
満であれば、耐水性を良好に実現できる。また、屈折率
が1.90以下であれば、膜割れ、膜剥れなどの不具合
を確実に防止できる。また、上記保護膜としての窒化シ
リコン膜は、上記チップ本体の上面に連なる側面の上に
も形成される。つまり、上記チップ本体の表面(露出
面)のうち信頼性に影響する部分が、上記保護膜として
の窒化シリコン膜によって覆われる。したがって、素子
の信頼性を高めることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の化合物半導体素
子およびその製造方法を図示の実施の形態により詳細に
説明する。
【0017】図1は、この発明の一実施形態の化合物半
導体素子としてのGaAlAs発光ダイオード(チッ
プ)の断面構造を示している。
【0018】このGaAlAs発光ダイオードは、p型
GaAs基板7上に、p型Ga1-xAlxAsクラッド層
(混晶比x=0.6、厚み20μm)6、ノンドープ活
性層(混晶比x=0.2、厚み1μm)5、n型Ga
1-xAlxAsクラッド層(混晶比x=0.4、厚み10
μm)4およびn型Ga1-xAlxAsコンタクト層(混
晶比x=0.6、厚み30μm)3を、この順に備えて
いる。これらの基板7および各層6,5,4,3がチッ
プ本体を構成している。チップ本体の両側には、チップ
本体の側面の一部(上部)をなすように、コンタクト層
3の上面から基板7の上面まで達するメサ溝9,9が形
成されている。この例では、コンタクト層3の上面、つ
まりチップ本体の上面を覆うように、保護膜としてプラ
ズマCVD法による窒化シリコン膜(以下「SiN膜」
という。)2が形成されている。1,8は電極を示して
いる。この例では、チップ本体(基板7)はダイシング
して分割されている。
【0019】このGaAlAs発光ダイオードは、次の
ようにして作製される。
【0020】i) 先ず液層エピタキシャル成長法によ
り、p型GaAs基板7の表面上にp型クラッド層6、
ノンドープ活性層5、n型クラッド層4、n型コンタク
ト層3の計4層を形成する。p型ドーパントとしてマグ
ネシウム、n型ドーパントとしてテルルを用いる。この
ように基板7上にエピタキシャル層6,5,4,3が形
成された状態のものを、エピタキシャルウエハと呼ぶ。
【0021】ii) 次に、p型GaAs基板7の裏面を
エッチングして、エピタキシャルウエハを所定の厚みと
する。このときp型GaAs基板7を全て除去する必要
はない。
【0022】iii) 次に、フォトリソグラフィを行っ
て、エピタキシャルウエハの表面に、この例では矩形パ
ターンのレジスト(図示せず)を設ける。レジストの隙
間は格子状パターンとなる。そして、このレジストをマ
スクとしてメサエッチングを行って、コンタクト層3の
上面から基板7の上面まで達するメサ溝9,9を形成す
る。なお、メサエッチングによるメサ溝形成に代えて、
ハーフダイシングを行って、コンタクト層3の上面から
基板7の上面まで達するダイシング溝を形成し、その
後、ダイシング溝の内面をエッチングして上記ダイシン
グによるダメージ層を除去する方法を採ってもよい。上
記何れの方法を採っても、上記エピタキシャルウエハ上
に、素子分割の目安(素子分割ライン)となる格子状パ
ターンの溝を形成することができる。
【0023】iv) 次に、プラズマCVD法によって、
エピタキシャルウエハ上の全域に保護膜としてのSiN
膜2を形成する。このとき、成膜条件として、基板(エ
ピタキシャルウエハ)の温度を250℃、RFパワーを
100W、チャンバ内の圧力を66Pa(約500mT
orr)にそれぞれ設定する。さらに、原料ガスである
アンモニアとシランの総流量を250sccm(一定)
となるように設定した上、SiN膜2の屈折率が1.8
0〜1.90となり、かつ水素含有率が20%未満にな
るように原料ガス流量比(NH3/SiH4)を設定す
る。詳しくは後述するが、この例ではSiN膜2の膜質
を確認するために、アンモニアとシランの流量比(NH
3/SiH4)を様々に変更して複数の試料を作製した。
この例では、成膜期間中、原料ガス流量比(NH3/S
iH4)は一定とした。
【0024】v) 次に、このウエハ上に感光性レジス
トを塗布し、フォトリソグラフィを行って、上記レジス
トのうち電極1を形成すべき領域およびメサ溝9の内面
上の部分に開口を形成する。続いて、残っているレジス
トをマスクとしてエッチングを行って、SiN膜2のう
ち上記レジストの開口に相当する部分、つまり電極1を
形成すべき領域およびメサ溝9の内面上の部分を除去す
る。
【0025】vi) 次に、上記レジストを除去した後、
蒸着またはスパッタリングにより、ウエハの表面、裏面
の各全域に電極材料層を形成する。先のSiN膜のパタ
ーン加工と同様に、フォトリソグラフィおよびエッチン
グを行って、ウエハ表面の電極材料層のうち不要部分を
除去して、コンタクト層3の上面上の部分(図1中に示
す部分)のみを残す。なお、ウエハ裏面の電極材料層は
そのまま残す。
【0026】vii) 最後に、ダイシングまたは裏面に
罫書きラインを入れたスクライブ方式によって、上記ウ
エハを図1中に示すような各発光ダイオード素子(チッ
プ)に分割する(作製完了)。
【0027】さて、既述のように、この例ではSiN膜
2の膜質を確認するために、プラズマCVD法で原料ガ
スであるアンモニアとシランの流量比を様々に変更して
複数の試料を作製した(上記iv)。なお、他の成膜条件
は、基板(エピタキシャルウエハ)の温度が250℃、
RFパワーが100W、チャンバ内の圧力が66Pa
(約500mTorr)、原料ガスであるアンモニアと
シランの総流量が250sccm(一定)である。
【0028】SiN膜の膜質(特性)は、プラズマCV
D成膜時において原料流量比(NH 3/SiH4)、温
度、RF(高周波)パワー、圧力を変更することによっ
て変化する。成膜装置によっても膜質が変化することが
ある。中でも、原料流量比(NH3/SiH4)は窒化シ
リコンの特性を決める大きな要因であり、図3〜図5に
示すように、原料ガス流量比(NH3/SiH4)を変更
することによりSiN膜の膜質が大きく変化する。
【0029】図3は、原料ガス流量比(NH3/Si
4)と、得られたSiN膜の屈折率との関係を示して
いる。この屈折率は、ウエハの上に堆積されたSiN膜
を、楕円分光法を用いる市販の屈折率測定装置によって
測定した。分かるように、原料ガス流量比(NH3/S
iH4)が小さくなればSiN膜の屈折率が大きくなる
一方、原料ガス流量比(NH3/SiH4)が大きくなれ
ばSiN膜の屈折率が小さくなっている。なお、図4、
図5の各試料の測定データはこの屈折率のデータと対応
付けられている。
【0030】図4は、原料ガス流量比(NH3/Si
4)と、得られたSiN膜の酸素起因の特性X線強度
との関係を示している。この酸素起因の特性X線強度
は、GaAs基板上に堆積されたSiN膜であって、耐
水性を確認するために純水でボイルされたものを、蛍光
X線分析法によって測定した。図中の○印、△印はそれ
ぞれ純粋ボイルを12時間、24時間受けた試料の測定
データを示している。特性X線強度50はバックグラウ
ンドレベルであり、酸素起因の特性X線は検出されてい
ないことを現す。純粋ボイルを12時間受けた試料の特
性X線強度データ(○印)では、原料ガス流量比(NH
3/SiH4)=85/165以下の試料がバックグラウ
ンドレベルを維持しているが、原料ガス流量比(NH3
/SiH4)=100/150の試料では酸素(水分)
が検出されている。純粋ボイルを24時間受けた試料の
特性X線強度データ(△印)では、原料ガス流量比(N
3/SiH4)=60/90以下の試料がバックグラウ
ンドレベルを維持しているが、原料ガス流量比(NH3
/SiH4)=85/165以上の試料では酸素(水
分)が検出されている。原料ガス流量比(NH3/Si
4)が小さくなれば耐水性が低下する一方、原料ガス
流量比(NH3/SiH4)が大きくなれば耐水性が向上
している。
【0031】この図4の純粋ボイルを12時間受けた試
料の特性X線強度データ(○印)と図3の屈折率データ
とを併せれば、SiN膜が十分な耐水性を有するために
は、その屈折率が1.80以上であること要することが
分かる。純粋ボイルを24時間受けた試料の特性X線強
度データ(△印)を見れば、屈折率が1.85以上であ
れば、さらに望ましいことが分かる。
【0032】一方、屈折率を1.90としたSiN膜2
を有する発光ダイオードでは、素子化の過程でSiN膜
2自身のストレスに起因する膜割れが約5%の頻度で発
生した。したがって、膜割れを回避するためにはSiN
膜の屈折率は1.90以下であるのが望ましいことが分
かる。
【0033】また、図5は、原料ガス流量比(NH3
SiH4)と、得られたSiN膜のバッファードふっ酸
(NH4F:HF=15:2)によるエッチングレート
との関係を示している。なお、図3に示した屈折率デー
タも併せて示している。分かるように、原料ガス流量比
(NH3/SiH4)が小さくなればエッチングレートが
小さくなる一方、原料ガス流量比(NH3/SiH4)が
大きくなればエッチングレートが大きくなっている。
【0034】さらに、図示しないが、赤外吸収スペクト
ルの測定結果によれば、屈折率が1.80のSiN膜
(つまり原料流量比(NH3/SiH4)=85/165
のもの)の水素含有率(原子数比)は21%であった。
他の条件で得られたSiN膜の水素含有量は未測定であ
る。しかし、一般的に、エッチングレートが小さければ
水素含有率が多く、エッチングレートが大きければ水素
含有率が少ないという傾向があることが知られている。
ここで図5の結果を踏まえれば、上述の成膜条件で得ら
れた屈折率1.8〜1.9のSiN膜の水素含有率は2
0%未満となっていることが分かる。
【0035】以上に述べたように、保護膜としてのSi
N膜2の屈折率が1.80以上で、かつ水素含有率が2
0%未満であれば、耐水性を良好に実現できる。また、
屈折率が1.90以下であれば、膜割れ、膜剥れなどの
不具合を確実に防止できる。
【0036】なお、上述のGaAlAs発光ダイオード
の作製例では、保護膜としてのSiN膜2の成膜期間
中、原料ガス流量比(NH3/SiH4)は一定とした
が、これに限られるものではない。SiN膜2の形成初
期は屈折率が1.80以下となるように原料ガス流量比
を設定し、形成終了直前で屈折率が1.80〜1.90
の範囲内になるように原料ガス流量比を段階的または連
続的に切り替えて設定しても良い。これにより、上記保
護膜としてのSiN膜が、屈折率が1.80〜1.90
の範囲内であり、かつ水素含有率が20%未満である部
分のみからなる場合に比して、膜自身が持つストレスを
緩和できる。したがって、膜割れ、膜剥れなどの不具合
をさらに確実に防止できる。
【0037】また、上述のGaAlAs発光ダイオード
の作製例では、SiN膜2のうちメサ溝9の内面上の部
分を除去したが、これに限られるものではない。フォト
リソグラフィを行って、上記レジストのうち電極1を形
成すべき領域およびメサ溝9の内面上の部分に開口を形
成する工程で、フォトリソグラフィのレジストマスクパ
ターンを変更して、図2に示すように、メサ溝9の内面
上にSiN膜2を残すようにしても良い。このようにし
た場合、チップ本体の表面(露出面)のうち信頼性に影
響する部分を、保護膜としてのSiN膜2によって覆う
ことができる。したがって、素子の信頼性を高めること
ができる。なお、このようにメサ溝9の内面上にSiN
膜を残す場合であっても、素子分割ライン上のSiN膜
は除去するのが望ましい。この理由は、素子分割時に分
割ラインからの膜割れが生ずるのを防止するためであ
る。
【0038】以上は、本発明をGaAlAs発光ダイオ
ードおよびその製造方法に適用した場合について述べ
た。本発明は、それに限られるものではなく、屋内及び
屋外用表示パネル、車載用表示ランプ、信号機、携帯電
話用バックライト等で使用される高輝度化合物半導体発
光ダイオード、フォトインタラプタ、フォトカプラ等の
機能デバイスに使用する発光ダイオード、およびそれら
の製造方法に広く適用される。
【0039】
【発明の効果】以上より明らかなように、この発明の化
合物半導体素子は、保護膜として十分な能力を持った窒
化シリコン膜を備える。したがって、この安定した保護
膜によって、素子の信頼性に影響を及ぼす水分の侵入、
不純物イオンの侵入を阻止することができる。また、保
護膜の割れ、剥れなどによるアセンブリ上の問題も回避
することができる。
【0040】また、この発明の化合物半導体素子の製造
方法によれば、そのような化合物半導体素子を作製でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態の化合物半導体素子の
断面構造を示す図である。
【図2】 上記化合物半導体素子の変形例を示す図であ
る。
【図3】 原料ガス流量比(NH3/SiH4)と、得ら
れたSiN膜の屈折率との関係を示す図である。
【図4】 原料ガス流量比(NH3/SiH4)と、得ら
れたSiN膜の酸素起因の特性X線強度との関係を示す
図である。
【図5】 原料ガス流量比(NH3/SiH4)と、得ら
れたSiN膜のバッファードふっ酸によるエッチングレ
ートとの関係を示す図である。
【符号の説明】
1 電極 2 SiN膜 3 n型コンタクト層 4 n型クラッド層 5 活性層 6 p型クラッド層 7 p型GaAs基板 9 メサ溝

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化合物半導体材料からなるチップ本体の
    少なくとも上面の上に、保護膜としてプラズマCVD法
    による窒化シリコン膜が形成された化合物半導体素子で
    あって、 上記窒化シリコン膜は、屈折率が1.80乃至1.90
    の範囲内であり、かつ水素含有率が20%未満であるこ
    とを特徴とする化合物半導体素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の化合物半導体素子にお
    いて、 上記保護膜として、上記窒化シリコン膜と、屈折率が
    1.80未満の窒化シリコン膜とが積層されていること
    を特徴とする化合物半導体素子。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の化合物半導体素子にお
    いて、 上記保護膜としての窒化シリコン膜は、上記チップ本体
    の上面に連なる側面の上にも形成されていることを特徴
    とする化合物半導体素子。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の化合物半導体素子を製
    造する方法であって、 上記化合物半導体材料の表面からメサエッチング又はハ
    ーフダイシングを行って、上記チップ本体の側面をなす
    べき溝を形成した後、プラズマCVD法により、上記チ
    ップ本体の上面および側面を覆うように上記保護膜とし
    ての窒化シリコン膜を形成することを特徴とする化合物
    半導体素子の製造方法。
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