JP2017183202A - 有機el表示パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】被覆性及び封止性の両立を図りつつも、高温多湿の状況下での耐久性を高めることができる有機EL表示パネル、及びその製造方法を提供する。【解決手段】有機EL表示パネル1であって、基板101a上に形成された複数の表示素子と、複数の表示素子の上に配置された第1封止層108CVD1と、第1封止層を被覆する緩衝層108CVD2と、緩衝層を被覆する第2封止層108CVD3とを備え、第1封止層、緩衝層、及び第2封止層は、窒化シリコン膜であり、緩衝層である窒化シリコン膜におけるアンモニアの脱離ガス量のピーク値は、第1封止層及び第2封止層である窒化シリコン膜におけるアンモニアの脱離ガス量のピーク値の100倍を上回り1000倍を下回る有機EL表示パネル。【選択図】図1

Description

本開示は、有機EL表示パネルに関し、特に、封止膜の耐久性の改良に関する。
有機EL表示パネルでは、2次元状に配設された複数の有機EL表示素子の全体を、水分やガス等による劣化から保護する目的で封止膜が設けられる。従来の封止膜は窒化シリコン(SiN)などで形成され、また、これらの形成方法として、プラズマCVD(Plasma-Enhanced Chemical Vapor Deposition)等が用いられる。窒化シリコン膜の成膜にあたって、膜密度を高めて封止性を高めると、封止膜の曲げに対する耐性がきわめて小さくなり、被覆部位に、段差障壁や異物が存在する場合の被覆性が低下する。そこで、特許文献1の封止保護膜は、高密度膜−低密度膜−高密度膜という3層構造で封止性−段差被覆性の両立を図ろうとしている。
国際公開2007/066719号公報 特開平11−21975号公報 特開2014−203707号公報
しかしながら特許文献1に記載された低密度膜は、高密度膜と比較して、膜密度が少し低い程度のレベルに留まる。膜密度が少し低いというレベルでは、様々な形状の段差障壁や異物を包み込むだけの変形許容性を有しているとはいえない。
本開示の目的は、様々な形状の異物を被覆しつつも、高い封止性で複数の表示素子を保護することができる、有機EL表示パネルを提供することである。
本開示の一態様に係る有機EL表示パネルは、基板上に形成された複数の表示素子と、
前記複数の表示素子の上に配置された第1封止層と、
前記第1封止層を被覆する緩衝層と、
前記緩衝層を被覆する第2封止層とを備え、
前記第1封止層、緩衝層、及び第2封止層は、窒化シリコン膜であり、
前記緩衝層である窒化シリコン膜におけるアンモニアの脱離ガス量のピーク値は、第1封止層及び第2封止層である窒化シリコン膜におけるアンモニアの脱離ガス量のピーク値の100倍を上回り1000倍を下回る。
本開示の一態様に係る有機EL表示パネルでは、第1、第2封止層間に緩衝層が介在するので、第1、第2封止層の形状変化は層の深さ方向において急峻ではなく、連続的なものになる。よって様々な形状の段差障壁や異物を被覆しつつも、高い封止性で複数の表示素子を保護することができる。
実施の形態に係る有機EL表示パネルの断面構造をX−Z平面で表した図である。 (a)は、封止層108CVD2を試料としてTDS分析を行った場合の分析結果の一例であり、(b)は、封止層108CVD1、封止層108CVD3を試料としてTDS分析を行った場合の分析結果の一例である。 被覆されるべき部位に異物が存在する状態の封止層108の断面構造を示す。 有機EL表示パネル1の製造過程を示す模式工程図である。 (a)はプラズマCVD成膜装置200の概略構成図である。(b)は、窒化シリコン膜108CVD1及び窒化シリコン膜108CVD3の成膜条件を示す。 封止層108の成膜の詳細手順を示すフローチャートである。 (a)〜(c)は、以上の封止膜成膜工程による成膜過程を模式的に示す。 (a)は、耐久性試験の試験環境を示し、(b)は、当該封止性評価の結果を示す。
<本開示の一態様に至った経緯>
近年、有機EL表示パネルの製造プロセスでは、段差障壁の発生や異物の混入を少なくする試みが進められている。しかしながら、段差障壁や異物を完全になくすことはできない。また段差障壁の形状や異物の径、形状、配置状況によっては、封止膜との隙間が大きくなり、封止膜に大きな亀裂をもたらす可能性がある。そのように隙間発生を原因とする亀裂は、特許文献1の低密度膜を採用したとしても完全に回避することができない。特許文献1の封止膜で上記の亀裂を完全に回避し得ないと考える理由は以下の通りである。上述したように特許文献1の封止膜において、低密度膜の膜密度は高密度膜の93.5%(≒5.8×1022atom/cm3/6.2×1022atom/cm3)に過ぎない(段落0051、0052参照)。膜密度が少し低い程度であると、低密度膜の変動許容性が充分存在するとはいえない。ここで特許文献1に記載されているような積層構造の封止膜には特有の問題がある。それは、段差被覆率を上げた低密度シリコン膜でも十分に段差による隙間を回避することができないため封止膜(第2封止膜)に亀裂が生じるというものである。特に大きい異物や、低テーパに配置した異物等で大きい隙間がある状態で形成された封止膜は亀裂が生じやすい。最初から亀裂がある膜を高温多湿環境に放置すると水分が隙間を通って、EL素子にダメージを与えることになる。その他、封止膜の被覆性を高めるための層構造が、特許文献2、特許文献3に開示されている。特許文献2に記載された封止膜は、無機パッシベーション膜上に、樹脂封止膜を形成することで構成されるものであり、特許文献3に記載された封止膜は、有機EL表示素子基板と、封止基板との間に、ガス吸着剤や無機ポリマーを介在させたものである。このように、特許文献2、特許文献3に記載された封止膜は、その成膜に2以上の材質を用いるものなので、装置追加や材料改善が必要となり、製造コスト及び材料コストの高騰をもたらすという問題がある。より過酷な状況下でも、水分の進入を阻止することができ、尚且つ、低コストで封止性−段差被覆性を両立させ得る有機EL表示パネルについて検討を行い、本本開示の一態様に係る有機EL表示パネルに想到するに至った。
<本開示の態様>
本開示の一態様に係る有機EL表示パネルは、
基板上に形成された複数の表示素子と、
前記複数の表示素子の上に配置された第1封止層と、
前記第1封止層を被覆する緩衝層と、
前記緩衝層を被覆する第2封止層とを備え、
前記第1封止層、緩衝層、及び第2封止層は、窒化シリコン膜であり、
前記緩衝層である窒化シリコン膜におけるアンモニアの脱離ガス量のピーク値は、第1封止層及び第2封止層である窒化シリコン膜におけるアンモニアの脱離ガス量のピーク値の100倍を上回り1000倍を下回る。
第1封止層、緩衝層、第2封止層を構成する窒化シリコン膜は何れもアモルファスである場合、その組成であるSi−N基、N−H基は、非晶状態になっている。第1封止層と、第2封止層との間に介在する緩衝層は、成膜時に使用したアンモニアが未反応のまま、その内部に残留している。緩衝層からのアンモニアの脱離量は、第1封止層、第2封止層からのアンモニアの脱離量の約100〜1000倍のレベルであるので、未反応アンモニアの残留量は相当大きい。このことから緩衝層は不純物レベルが高く膜構造が整っていない。その反面、緩衝層は変形に対する許容度が大きく、封止膜により被覆されるべき部位に異物や段差障壁が存在したとしても、その異物や段差障壁に沿った緩衝層の形状変化は急峻ではなく連続的なものになる。よって異物や段差障壁に対して、高い被覆性を有する。
異物や段差障壁を被覆する際の緩衝層の形状変化は急峻ではなく、連続的なものになるから、緩衝層の外側に位置する第2封止層の形状変化も連続的なものになり、有機EL表示パネル外部からの水分や酸素の進入が阻止することができる。更に、この緩衝層の内側には、第1封止層が存在することで、有機EL表示パネルの表示素子は、アンモニアによる影響を受けることはない。以上の第1封止層−緩衝層−第2封止層からなる3層構造の採用により、封止性−段差被覆性の両立を図ることができる。
緩衝層からの脱離ガス量のピーク値の上限を、第1封止層、第2封止層からの脱離ガス量のピーク値の1000倍としたのは緩衝層の膜質への影響を考慮したものである。つまり、脱離ガス量が、この上限を上回る程のアンモニアが緩衝層に存在した場合、第1封止層―緩衝層―第2封止層からなる3層構造の膜質が脆くなる等の影響が発生するおそれがあり、これを回避するための臨界量として、脱離ガス量の上限値を1000倍と定めたものである。
緩衝層からの脱離ガス量のピーク値の下限を、第1封止層、第2封止層からの脱離ガス量のピーク値の100倍としたのは、この100倍程度のアンモニアが、緩衝層に包含されていれば、緩衝層の変動許容性が保たれると考えたからである。つまり、緩衝層のアンモニアの包含量が、第1封止層、第2封止層のアンモニアの包含量の100倍程度であれば、急激な段差障壁や異物を包み込むだけの変動許容性が、緩衝層にもたらされると考えたからである。
ここで緩衝層の厚みは以下の具体的なものにすることができる。つまり、緩衝層は、前記第1封止層及び第2封止層の3倍以上50倍以下の厚みをもつことにしてもよい。また前記緩衝層の厚みは、2μm以上10μm以下であってもよい。このように緩衝層が相応の厚みをもつことにより、第2封止層は、曲げに対して耐性を有することになる。
本開示の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法は、
基板上に複数の表示素子を配置し、
前記複数の表示素子を第1封止層で封止し、
前記第1封止層を緩衝層で覆い、
前記緩衝層を第2封止層で覆い、
前記第1封止層、緩衝層、第2封止層は、窒化シリコン膜であり、
前記窒化シリコン膜の成膜は、アンモニアガスを原料としたCVD法によりなされ、
前記緩衝層の成膜時におけるアンモニアガスのガス量を、第1封止層及び第2封止層の成膜時におけるアンモニアガスのガス量の4倍を上回り、20倍を下回る値とする。
前記CVD法の原料は更にシランガスを含み、
前記緩衝層の成膜時におけるシランガスのガス量を、第1封止層及び第2封止層の成膜時におけるシランガスのガス量の2倍を上回り、6倍を下回る値とする。
前記緩衝層の成膜時において、アンモニアガス、シランガス、窒素ガスを反応させるための圧力を、第1封止層及び第2封止層の成膜時において、アンモニアガス、シランガス、窒素ガスの反応時の圧力の2倍を上回り、5倍を下回る値とする。
第1封止層の成膜後、第2封止層の成膜前に、アンモニアのガス量を上記の数値範囲にすることで、緩衝層は成膜されるから、アンモニアのガス流量を変えて、窒化シリコン膜を成膜するという連続成膜により、被覆性と、封止性とを兼ね備えた第1封止層−緩衝層−第2封止層の3層構造を形成することができる。これにより、製造コスト、材料コストの増大を招くことなく、封止性−段差被覆性の両立を実現することができる。
<実施の形態>
[有機EL表示パネルの構成]
以下、本開示に係る有機EL表示パネルの実施形態について図面を参照しながら説明する。本開示の一態様に係る有機EL表示パネルの断面構造について説明する。図1は、本実施形態に係る有機EL表示パネルの表示面を、X−Y平面で表し、有機EL表示パネルの断面構造をX−Z平面で表した図である。
有機EL表示パネル1は、図1に示すように、TFT基板101、平坦化膜102、画素電極103、バンク104、有機発光層105、電子輸送層106、対向電極107、封止層108、パッシベーション膜111、配線層112から構成される。
TFT基板101は、ガラス基板、樹脂基板、アルミナ等の絶縁性材料からなるベース基板101aの上面に、複数のTFTを所定パターンで形成してなるTFT層101bを有する。
平坦化膜102は、ポリイミド系樹脂あるいはアクリル系樹脂等の絶縁材料からなり、パッシベーション膜111の上面の段差を平坦化している。
画素電極103は、コンタクトホール103aを介してTFT層101bと接続されている。例えば、Ag(銀)、APC(銀、パラジウム、銅の合金)、ARA(銀、ルビジウム、金の合金)、MoCr(モリブデンとクロムの合金)、NiCr(ニッケルとクロムの合金)等の光反射性導電材料からなり、各画素に対応した領域に形成されている。
バンク104は、例えば、絶縁性の有機材料(例えばアクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等)からなり、TFT基板101の中央領域内において、画素電極103同士の間に形成されている。
有機発光層105は、バンク104で規定された各画素に対応する領域に形成されており、パネル駆動時に注入されるホールと電子との再結合によってR、GまたはBに発光する有機発光材料で構成されている。
電子輸送層106は、例えば、バリウム、フタロシアニン、フッ化リチウムからなり、対向電極107から注入される電子を有機発光層105へ輸送する機能を有する。
対向電極107は、ITO、IZO等の光透過性導電材料で形成された透明電極であって、バンク104および有機発光層105の上面を覆うように、表示部全体に亘って形成されている。図1の断面構造において、一個の画素電極103を底部とした積層単位、つまり、画素電極103−有機発光層105―電子輸送層106−対向電極107の一部分(対向電極107のうち、有機発光層105と接する部分)からなる積層単位が一個の有機EL表示素子を構成する。この有機EL表示素子が発色することで、画素のRGBの三原色のうち、何れか一色が発色する。
封止層108は、対向電極107の全面を覆うことで、複数の有機EL表示素子を封止する。
パッシベーション膜111は、SiO(酸化シリコン)またはSiNからなる薄膜であり、TFT層101bから引き出された配線層112を覆う。
配線層112は、例えば、Cr、Mo、Al、Ti、Cuなどの金属、あるいは金属を含む合金(例えば、MoW、MoCr、NiCrなど)等の導電材料からなり、封止層108が形成されている領域の外側において、互いに間隔をおいて形成される。
以上、有機EL表示パネル1の構成について説明した。続いて、封止層108の詳細について説明する。
[封止層108の膜構造]
封止層108は、窒化シリコン膜108CVD1、窒化シリコン膜108CVD2、窒化シリコン膜108CVD3からなる3層構造を有する。以下、窒化シリコン膜108CVD1、窒化シリコン膜108CVD2、窒化シリコン膜108CVD3について説明する。
窒化シリコン膜108CVD1は、対向電極107の上面を被覆する。窒化シリコン膜108CVD1は、原材料であるシラン、アンモニアのガス量を少なくし、圧力を低くするという成膜条件で、CVD法により成膜されている。そのような成膜条件で形成されたため、組成物であるSi−N基、N−H基は整った膜構造を構成する。よって窒化シリコン膜108CVD1は抜けがない整った膜構造を有し、高い封止性をもつ。
窒化シリコン膜108CVD2は、窒化シリコン膜108CVD1の上面を被覆しており、単位体積当たりのアンモニア含有量が窒化シリコン膜108CVD1よりも高い。窒化シリコン膜108CVD2は、原材料であるシラン、アンモニアのガス量を多くし、圧力を高くするという成膜条件で、CVD法により成膜されている。そのような成膜条件で成膜されたため、窒化シリコン膜108CVD2は不純物を多く含み膜構造は整っていない。その反面、変形に対する耐性は高い。
窒化シリコン膜108CVD3は、窒化シリコン膜108CVD2の上面を被覆しており、単位体積当たりのアンモニア含有量が窒化シリコン膜108CVD1と同等である。単位体積当たりのアンモニア含有量が窒化シリコン膜108CVD1と同等なので、窒化シリコン膜108CVD3は抜けがない膜構造を有し、高い封止性をもつ。
[昇温脱離ガス分析の結果]
窒化シリコン膜108CVD1、CVD2、CVD3のアンモニア含有について説明する。窒化シリコン膜108CVD1、CVD2、CVD3におけるアンモニア含有量は、昇温脱離ガス分析(Thermal Desorption Spectroscopy(TDS))により分析される。TDSでは、試料に対して昇温加熱を行い、その際、試料の表面及び内部から発生する気体の分子数を、複数の気体分子のそれぞれについて集計する。そして、試料の温度変化に対する気体分子数の変化を、分析結果として出力する。図2(a)は、封止層108CVD2を試料としてTDS分析を行った場合の分析結果の一例であり、図2(b)は、封止層108CVD1、封止層108CVD3を試料としてTDS分析を行った場合の分析結果の一例である。TDSによる分析結果は、横軸を温度範囲とし、縦軸を検出強度(Intensity)としたグラフの変化曲線で表現される。検出強度(Intensity)とは、質量分析計の出力値であり、質量分析計により検出された気体分子数を表す。検出強度を表す数値(1.00×10-12から1.00×10-7までの数値)は、質量分析計により検出された気体分子数に比例したものである。よって、以降の説明では、かかる質量分析計による検出強度を、分子数として扱う。図2(a)、図2(b)における曲線は、質量数(M/Z)=17の分子数が、50℃から200℃までの温度範囲においてどのように変化するかを示す変化曲線である。ここで質量数=17の分子とは、アンモニア分子のことであり、この実線曲線は、アンモニア分子の脱離量が、50℃から200℃までの温度範囲においてどのように変化するかを示している。
[ガス脱離量の変化を示す変化曲線について]
図2(a)のアンモニアの変化曲線に示されるアンモニア分子数を、全ての温度範囲で積分した積分値(図2(a)の実線曲線と、横軸とがなす面積)が、封止層108CVD2に包含されるアンモニア量を表す。同様に、図2(b)の変化曲線に示されるアンモニア分子数を、全ての温度範囲で積分した積分値(図2(b)の実線曲線と、横軸とがなす部分の面積)が、封止層108CVD1、封止層108CVD3に包含されるアンモニア量を表すと考えられる。これらのアンモニア量を、封止層108CVD1、封止層108CVD2、封止層108CVD3のそれぞれについての体積で割ることにより、単位体積当たりのアンモニアの包含量を導びくことができる。以上のように封止層108CVD1、封止層108CVD2、封止層108CVD3に包含されるアンモニア量は、TDS分析の結果である、アンモニアの変化曲線から推定することができる。
[脱離ガス量のピーク値について]
脱離ガス量のピーク値の比較により、封止層108CVD2におけるアンモニア包含量と、封止層108CVD1、封止層108CVD3におけるアンモニア包含量とを比較する。
図2(a)によると、窒化シリコン膜108CVD2からのM/Z=17のアンモニアの脱離ガス量は、50℃から急激に上昇し、80℃前後でピークを迎え、その後、100℃にかけて減少してゆく。この80℃前後のピーク値は、1.00×10-8である。図2(b)によると、窒化シリコン膜108CVD1、窒化シリコン膜108CVD3からのM/Z=17のアンモニアの脱離ガス量は、50℃から上昇し、80℃前後でピークを迎え、その後、100℃にかけて減少してゆく。この80℃前後のピーク値は、1.0×10-11から1.0×10-10(約5.0×10-11)である。
以上のように窒化シリコン膜108CVD2におけるM/Z=17(アンモニア)の脱離ガス量のピーク値は、窒化シリコン膜108CVD1及び窒化シリコン膜108CVD3におけるM/Z=17(アンモニア)の脱離ガス量のピーク値の100倍を上回り、1000倍を下回ることがわかる。
[昇温脱離ガス分析の結果に対する考察のまとめ]
多少の違いはあるものの、封止層108CVD2からのアンモニア脱離量を示す変化曲線の形状は、封止層108CVD1、封止層108CVD3からのアンモニア脱離量を示す変化曲線の形状と類似している。これらは何れも、50℃から立ち上がり80℃でピークを迎えその後低下してゆくという形状変化をなすからである。変化形状が類似していて、ピーク値に100〜1000倍の差があることから、封止層108CVD2におけるアンモニアの包含量は、封止層108CVD1、封止層108CVD3のアンモニア包含量の100〜1000倍を大きく上回ると考えられる。よって封止層108CVD2は、不純物レベルが高く、膜構造が整っていないと推察することができる。
[封止層108の被覆性]
かかる3層構造を有した封止層108の被覆性について述べる。図3は、被覆されるべき部位に異物が存在する状態の封止層108の断面構造を示す。対向電極107の上に存在する異物x1を覆っているため、窒化シリコン膜108CVD2には屈曲CV1が存在する。しかし窒化シリコン膜108CVD2はアンモニアを多く含み、変形に対する耐性を有しているから、窒化シリコン膜108CVD2の屈曲CV1の曲がり具合は急峻ではなく連続的である。窒化シリコン膜108CVD2の形状変化は急峻ではなく、連続的なものなので、窒化シリコン膜108CVD2と接する窒化シリコン膜108CVD1、窒化シリコン膜108CVD3の曲がり具合も急峻ではなく、異物x1を覆っていたとしても亀裂が存在しない。その一方、窒化シリコン膜108CVD2は50℃から80℃までの温度範囲におけるアンモニア脱離量が多く、常温で発生するアンモニアが、下層の表示素子に悪影響を与える恐れがある。しかし、窒化シリコン膜108CVD2と、有機EL表示素子の対向電極107との間には窒化シリコン膜108CVD1が存在していて窒化シリコン膜108CVD2からのアンモニアの進入を遮る。これにより対向電極以下に存在する有機EL表示素子が、アンモニアの影響を受けることはない。以上、窒化シリコン膜108CVD2の構成及び当該構成による保護機能について説明した。
[有機EL表示パネル1の製造方法]
次に、図4を参照しながら有機EL表示パネル1の製造方法について説明する。図4は、有機EL表示パネル1の製造過程を示す模式工程図である。
まず、ベース基板101a上にTFT層101bを形成する(ステップS1)。次に、真空蒸着法またはスパッタ法によって、厚み400[nm]程度の金属材料からなる画素電極103を、サブピクセル毎に形成する(ステップS2)。
次に、フォトリソグラフィー法によるパターニングでバンクを形成し(ステップS3)、バンクの焼成を行う(ステップS4)。バンクの焼成がなされれば、当該バンクが交差している箇所に形成された凹空間に対して、インクジェット法による有機材料の塗布を行い、有機発光層105を形成し、その後、焼成する(ステップS5)。次にバンク上に、電子輸送層106を構成する(ステップS6)。
そして、ITO、IZO等の材料を、スパッタ法等で成膜して、対向電極107を形成する(ステップS7)。次に、対向電極107の表面に、SiN、SiON等の光透過性材料をスパッタ法あるいはCVD法等で成膜して、封止層108を形成する(ステップS8)。以下、封止層108の成膜について詳しく説明する。はじめに、封止層108の成膜に用いられるプラズマCVD成膜装置200について説明する。
[プラズマCVD成膜装置200]
図5(a)はプラズマCVD成膜装置200の概略構成図である。プラズマCVD成膜装置200は、図5(a)に示すように、反応チェンバ201、基板ホルダ202、シャワーヘッド203、排気口204、ガス導入口205、高周波電源206を備える。
反応チェンバ201は、箱体であり、その内部にプラズマ反応のための反応空間を形成する。
基板ホルダ202は、有機EL表示素子が封止されていない状態の有機EL表示パネル1の基板(未封止EL基板207)を載置すると共に、未封止EL基板207を加熱するヒータを備えている。また基板ホルダ202は、プラズマ放電用の一方の電極を兼ね、接地されている。
シャワーヘッド203は、基板ホルダ202と対向して設けられ、ガス導入口205から導入される反応ガスを細孔から噴出する。また、シャワーヘッド203及びガス導入口205は、反応チェンバ201から絶縁され、高周波電源206と接続され、プラズマ放電用の他方の電極を兼ねている。
排気口204は、反応チェンバ201からの排気を行う。この排気により、反応チェンバ201は、所望の圧力を保つ。
ガス導入口205は、反応ガス、クリーニングガスを導入する。
高周波電源206は、プラズマ放電のためのマイクロ波を発生する。以上が、プラズマCVD成膜装置200についての説明である。続いて、成膜対象である未封止EL基板207について説明する。未封止EL基板207は、図1の封止層108形成される前の基板であり、中央部に表示領域41が形成されている状態のものをいう。かかる未封止EL基板207は、マスク208に取り付けられた上、基板ホルダ202に載置される。
マスク208はセラミックスで形成され、外周縁が未封止EL基板207よりも大サイズの長方形枠体状であって、その中央部に開口部209を有する。開口部209は、未封止EL基板207上に封止層108を成膜するときの成膜領域を規定する。以上がプラズマCVD成膜装置200についての説明である。
上記プラズマCVD成膜装置200を用いてCVDによる成膜を行う際、窒化シリコン膜108CVD1及び窒化シリコン膜108CVD3の成膜時と、窒化シリコン膜108CVD2の成膜時とで成膜条件を変化させる。
図5(b)に示される窒化シリコン膜108CVD1及び窒化シリコン膜108CVD3の成膜条件は以下の通りである。これらの成膜時において、シャワーヘッド203から噴出するシランのガス流量は、100sccm(Standard Cubic Centimeter)、シャワーヘッド203から噴出するアンモニアのガス流量は、70sccm、窒素のガス流量は3000sccmとする。反応チェンバ201の圧力は100Pa、膜厚は0.2μmとする。
図5(b)における窒化シリコン膜108CVD2の成膜にあたっての成膜条件は以下の通りである。反応チェンバ201内の圧力は、窒化シリコン膜108CVD1、窒化シリコン膜108CVD3の成膜時の2倍を上回り、5倍を下回る値とする。おおよその値として、約3倍の圧力とするのが望ましい。シャワーヘッド203から噴出するシランのガス流量は、窒化シリコン膜108CVD1、窒化シリコン膜108CVD3の成膜時の2倍を上回り、6倍を下回る値とする。おおよその値として、約4倍のガス量とするのが望ましい。シャワーヘッド203から噴出するアンモニアのガス流量は、窒化シリコン膜108CVD1、窒化シリコン膜108CVD3の成膜時の4倍を上回り、20倍を下回る値とする。おおよその値として、約12倍のガス量とするのが望ましい。窒素のガス流量はほぼ同じでよい。膜厚は、2~10μmとする。ここで封止層108CVD2の厚みは、封止層108CVD1、封止層108CVD3の厚みの3倍以上50倍以下である。封止層108CVD2により被覆される表面積は、181、封止層108CVD3と同じであるから、封止層108CVD2の体積は封止層108CVD1、封止層108CVD3の体積の3倍以上50倍以下の値2〜10μmとなる。一方、図2(a)、(b)のTDS分析によると、アンモニアの包含量は1000倍以上であると推定することができるので、封止層108CVD2の単位体積当たりのアンモニアの包含量は、封止層108CVD1、封止層108CVD3の単位体積当たりの包含量を上回る。
[封止層108の成膜工程]
以下、上記プラズマCVD成膜装置200を用いたCVDによる成膜手順について説明する。図6は、封止層108の成膜の詳細手順を示すフローチャートである。
基板ホルダ202上に未封止EL基板207の載置が完了したかどうかを判定し(S11でNo)、載置が完了すれば(S11でYes)、反応チェンバ201の真空排気を行い(S12)、その上で未封止EL基板207を所定のCVD成膜温度(60℃)に加熱する(S13)。その後、シランガス、アンモニアガス、窒素ガスのガス量を所定量に設定する(S14)。具体的にいうとシランのガス流量を100sccm、アンモニアのガス流量を70sccm、窒素のガス流量を3000sccmに設定する。
その状態で、反応チェンバ201内の圧力を100Pa設定し、未封止EL基板207の表面近傍にプラズマ反応場を形成する(S15)。こうすることで、窒化シリコン膜108CVD1の成膜を開始する。成膜開始後、時間T1が経過するのを待つ(S16でNo)。時間T1は、上記の0.2μmの膜厚を成膜するのに必要な時間である。
時間T1が経過すれば、成膜条件の変更を行う。具体的にいうと、シランのガス流量を2倍を上回り6倍を下回る流量)に設定し、アンモニアのガス流量を4倍を上回り20倍を下回る流量に設定し、窒素ガスをほぼ同じにする(S17)。RF強度は低くしつつも、反応チェンバ201の圧力は2倍を上回り5倍を下回る値にする(S18)。このようにして成膜条件を変更した後、時間T2が経過するのを待つ(S19でNo)。時間T2は、上記の2〜10μmの膜厚を成膜するための時間である。
時間T2が経過すれば(S19でYes)、成膜条件の復元を行う。具体的にいうと、シラン、アンモニア、窒素のガス量を、S14で設定した値に戻し(S20)、圧力を元の値に戻す(S21)。具体的にいうと、シランのガス流量を100sccm、アンモニアのガス流量を70sccm、窒素のガス流量を3000sccmに戻し、反応チェンバ201の圧力を100Paに戻す。以下、時間T1が経過するのを待ち(S22でNo)、経過すれば、図6のフローチャートの処理を終了する。
図7(a)〜(c)は、以上の封止膜成膜工程による成膜過程を模式的に示す。上述したような成膜条件による窒化シリコン膜108CVD1の成膜を、時間T1だけ継続することで(S14〜S16)、図7(a)に示すように、0.2μmの膜厚をもった窒化シリコン膜108CVD1が対向電極107上に形成される。窒化シリコン膜108CVD1が成膜された後、上述したような成膜条件による窒化シリコン膜108CVD2の成膜を、時間T2だけ継続する(S17〜S19)。これにより図7(b)に示すように、2〜10μmの膜厚をもった窒化シリコン膜108CVD2が窒化シリコン膜108CVD1上に形成される。窒化シリコン膜108CVD2が成膜された後、上述したような成膜条件による窒化シリコン膜108CVD3の成膜を、時間T1だけ継続することで(S20〜S22)、図7(c)に示すように、0.2μmの膜厚をもった窒化シリコン膜108CVD3が窒化シリコン膜108CVD2上に形成される。
[封止性評価]
封止層108と同様の3層構造をもつ窒化シリコン膜の試料(窒化シリコン膜108CVD1、窒化シリコン膜108CVD2、窒化シリコン膜108CVD3の3層からなる窒化シリコン膜の試料)を作成して、耐久性評価の試験を行った。図8(a)は、耐久性試験の試験環境を示し、図8(b)は、当該封止性評価の結果を示す。図8(a)の試験環境は、ガラス板301上に、膜片302を配し、その上に封止膜である試料303を覆い被せて、温度が85℃、湿度が85%RHの室内に配置し、どの程度、試料が耐久するかというものである。試料303である封止膜は、膜片302を覆っているから、試料303に微小な亀裂が発生すると、そこから水分が入り込んで試料である試料303がガラス板301から剥がれる。そのような試料が剥がれるまでの時間を耐久時間とする。はじめに上記窒化シリコン膜108CVD1、窒化シリコン膜108CVD2、窒化シリコン膜108CVD3の成膜条件で生成された3層の封止膜をのせ、85℃−85%RHの環境下に晒して、その耐久性を評価した。
比較対象として、ガラス面301上に膜片302をおき、更に、上記窒化シリコン膜108CVD1、窒化シリコン膜108CVD3の成膜条件で生成された1層構造の封止膜をのせて、85℃−85%RHの環境下でその耐久性を評価した。すると、1層の封止膜では、24時間の経過時点で水分の進入による封止膜の剥がれが発生した。これに対して、窒化シリコン膜108CVD1、窒化シリコン膜108CVD2、窒化シリコン膜108CVD3の成膜条件で生成された3層構造の封止膜は、85℃−85%RHの環境下でも剥がれが生じず、200時間以上耐久した。以上の実験により窒化シリコン膜108CVD1、窒化シリコン膜108CVD2、窒化シリコン膜108CVD3の成膜条件で生成された3層構造の封止膜は、85℃−85%RHの環境下での耐久試験でも亀裂が生じず、200時間以上も耐久することが確認された。
[まとめ]
以上説明したように、上記実施の形態に係る有機EL表示パネル1は、様々な形状の異物や段差障壁を包み込むことができるような積層構造をもつ封止層108で、複数の有機EL表示素子を封止しているので、高温多湿の過酷な環境に置かれたとしても、その封止性を持続することができる。よって、実施の形態1に係る有機EL表示パネル1は、過酷な状況での耐久性を維持することができる。
<その他の変形例>
以上、実施の形態に係る有機EL表示パネル1について説明したが、有機EL表示パネル1 を以下のように変形することも可能であり、本開示が上述の実施の形態で示した通りの 有機EL表示パネル1の構成に限られないことは勿論である。
(1)上記実施の形態の封止層108は、複数の表示素子が配置された表示領域41と、周辺領域42とを覆う構成になっていたが、表示領域41のみを覆う構成としてもよい。また、周辺領域42のみを覆う構成としてもよい。更に、表示領域41、周辺領域42の全てではなく、一部のみを覆う構成にしてもよい。
(2)上記実施の形態では、複数の表示素子のそれぞれが、有機発光層105を有する構成としていた。しかしこれは一例であり、複数の表示素子が、一個の有機発光層を共有化する構成であってもよい。また、そのように共有化する有機発光層は、3原色の発光層(R発光層、G発光層、B発光層)を含む白色発光素子を共有化する構成であってもよい。更に、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層を共有化する構成であってもよい。
(3)上記実施の形態では、TFTが設けられた基板に近い側に陽極の画素電極、遠い側に陰極である対向電極が設けられていたが、逆に、TFTが設けられた基板に近い側に陰極、遠い側に陽極が設けられている場合も、同様に実施できる。
≪補足≫
以上で説明した実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程、工程の順序などは一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない工程については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。また、発明の理解の容易のため、上記各実施の形態で挙げた各図の構成要素の縮尺は実際のものと異なる場合がある。また本発明は上記各実施の形態の記載によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。さらに、有機EL表示パネルにおいては基板上に回路部品、リード線等の部材も存在するが、電気的配線、電気回路について当該技術分野における通常の知識に基づいて様々な態様を実施可能であり、本発明の説明として直接的には無関係のため、説明を省略している。尚、上記示した各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。
本開示の一態様に係る有機EL表示パネル1は、例えば、家庭用もしくは公共施設、あるいは業務用の各種表示装置、テレビジョン装置、携帯型電子機器用ディスプレイ等に用いられる有機EL表示装置に利用可能である。
1 有機EL表示パネル1
41 表示領域
42 周辺領域
100 表示パネル
101 TFT基板
101a ベース基板
101b TFT層
102 平坦化膜
103 画素電極
103a コンタクトホール
104 バンク
105 有機発光層
106 電子輸送層
107 対向電極
108 封止層
108CVD1,2,3 窒化シリコン膜

111 パッシベーション膜
112 配線層
200 プラズマCVD成膜装置
201 反応チェンバ
202 基板ホルダ
203 シャワーヘッド
204 排気口
205 ガス導入口
206 高周波電源
207 マスク
208 開口部
301 ガラス板
302 膜片
303 試料

Claims (6)

  1. 有機EL表示パネルであって、
    基板上に形成された複数の表示素子と、
    前記複数の表示素子の上に配置された第1封止層と、
    前記第1封止層を被覆する緩衝層と、
    前記緩衝層を被覆する第2封止層とを備え、
    前記第1封止層、緩衝層、及び第2封止層は、窒化シリコン膜であり、
    前記緩衝層である窒化シリコン膜におけるアンモニアの脱離ガス量のピーク値は、第1封止層及び第2封止層である窒化シリコン膜におけるアンモニアの脱離ガス量のピーク値の100倍を上回り1000倍を下回る
    有機EL表示パネル。
  2. 前記緩衝層は、前記第1封止層及び第2封止層の3倍以上50倍以下の厚みをもつ
    請求項1記載の有機EL表示パネル。
  3. 前記緩衝層の厚みは、2μm以上10μm以下である
    請求項1又は2に記載の有機EL表示パネル。
  4. 有機EL表示パネルの製造方法であって、
    基板上に複数の表示素子を配置し、
    前記複数の表示素子を第1封止層で封止し、
    前記第1封止層を緩衝層で覆い、
    前記緩衝層を第2封止層で覆い、
    前記第1封止層、緩衝層、第2封止層は、窒化シリコン膜であり、
    前記窒化シリコン膜の成膜は、アンモニアガスを原料としたCVD法によりなされ、
    前記緩衝層の成膜時におけるアンモニアガスのガス量を、第1封止層及び第2封止層の成膜時におけるアンモニアガスのガス量の4倍を上回り、20倍を下回る値とする
    製造方法。
  5. 前記CVD法の原料は更にシランガスを含み、
    前記緩衝層の成膜時におけるシランガスのガス量を、第1封止層及び第2封止層の成膜時におけるシランガスのガス量の2倍を上回り、6倍を下回る値とする
    請求項4記載の製造方法。
  6. 緩衝層の成膜時において、アンモニアガス、シランガス、窒素ガスを反応させるための圧力を、第1封止層及び第2封止層の成膜時において、アンモニアガス、シランガス、窒素ガスの反応時の圧力の2倍を上回り、5倍を下回る値とする
    請求項4記載の製造方法。
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