JP2008010581A - 半導体発光素子およびその製造方法 - Google Patents

半導体発光素子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】活性層の輝度の向上を図ることができる、半導体発光素子およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】この半導体発光素子1では、p型GaN層5およびp型AlGaN層6がp型クラッド層をなす。そして、p型クラッド層上にMQW活性層7が設けられ、MQW活性層7上にn型クラッド層としてのn型GaN層8が設けられている。p型GaN層5を成長させる工程の初期の段階では、成長室の内面などにp型不純物であるMgが付着して奪われるが、それ以降は、成長室の内面などへのMgの新たな付着はない。したがって、p型クラッド層の上層部には、十分な量のMgが取り込まれる。p型クラッド層上にMQW活性層7が設けられるので、p型クラッド層のMQW活性層7との界面付近のMg濃度を十分に高くすることができる。その結果、MQW活性層7の輝度の向上を図ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体発光素子およびその製造方法に関する。
最近、照明灯やディスプレイのバックライトなどに、GaN(窒化ガリウム)系半導体発光素子が用いられてきている。
図3は、従来のGaN系半導体発光素子の構造を模式的に示す断面図である。
GaN系半導体発光素子91は、サファイア(Al単結晶)基板92上に、AlN(窒化アルミニウム)からなるバッファ層93と、n型不純物がドープされたGaNからなるn型クラッド層94と、MQW(Multiple Quantum Well:多重量子井戸)活性層95と、p型不純物がドープされたp型クラッド層96とを、この順にサファイア基板92側から積層した構造を有している。n型クラッド層94、MQW活性層95およびp型クラッド層96の一部は、p型クラッド層96側から掘り下げて除去されており、この除去された部分から、n型クラッド層94が露出している。そして、その露出したn型クラッド層94上には、n側電極97が形成されている。また、p型クラッド層96上には、透明導電層98が形成され、この透明導電層98上には、p側電極99が形成されている。
GaN系半導体発光素子91の製造工程では、サファイア基板92が成長室内に搬入され、この成長室内において、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属化学気相成長)法により、サファイア基板92上に、バッファ層93、n型クラッド層94、MQW活性層95およびp型クラッド層96が順次に形成される。この後、p型クラッド層96上にレジストのパターンが形成され、そのレジストをマスクとするエッチングにより、n型クラッド層94、MQW活性層95およびp型クラッド層96の一部が除去される。そして、p型クラッド層96上からレジストが除去された後、そのp型クラッド層96上に透明導電層98が形成される。つづいて、p型クラッド層96のp型不純物を活性化させるためのアニールが行われた後、スパッタリング法などにより、n型クラッド層94および透明導電層98上にそれぞれn側電極97およびp側電極99が形成される。
特開2003−218052号公報
p型クラッド層96のMQW活性層95との界面付近のp型不純物(たとえば、Mg)の濃度が高いほど、p型クラッド層96からMQW活性層95に流れ込む正孔の数が多くなり、MQW活性層95の輝度が高くなる。ところが、p型クラッド層96を成長させる工程の初期の段階では、成長室内にp型不純物を含むドーパントガスを導入する配管や成長室の内面にp型不純物が付着して奪われるので、成長室内の雰囲気に含まれるp型不純物の濃度が低い。そのため、成長工程の初期の段階で形成される下層部(MQW活性層95との界面付近)のp型不純物の濃度が低くなってしまう。
下層部におけるp型不純物の濃度が十分に高いp型クラッド層96を得るために、MQW活性層95を成長させる工程の後、そのMQW活性層95が形成されたサファイア基板92を成長室から一旦取り出して、成長室内へのp型不純物を含むドーパントガスの導入を開始し、成長室内の雰囲気中のp型不純物の濃度を十分に上昇させたうえで、サファイア基板92を成長室に戻して、MQW活性層95上にp型クラッド層96を成長させることが考えられる。ところが、この手法では、サファイア基板92が成長室外に出されている間に、MQW活性層95の表面が酸化する。そのため、MQW活性層95上に良好な結晶性のp型クラッド層96を成長させることができない。
また、p型クラッド層96を成長させる工程は1000℃以上の高温下で行われるため、この成長工程が30分以上の長時間にわたって行われると、MQW活性層95の結晶が熱ダメージにより崩れ、MQW活性層95の輝度が低下する。そのため、p型クラッド層96を成長させる工程を30分未満の短時間で終わらせなければならず、p型クラッド層96を厚く形成することができない。p型クラッド層96が薄いと、p型クラッド層96における電流の拡がりが小さいので、p側電極99からの電流をp型クラッド層96の端部付近にまで拡げるための透明導電層98が不可欠となる。しかし、透明導電層98が存在していると、p型クラッド層96と透明導電層98との屈折率差により、その界面で光の反射が生じ、外部への光の取り出し効率が低下する。
そこで、本発明の目的は、活性層の輝度の向上を図ることができる、半導体発光素子およびその製造方法を提供することである。
前記の目的を達成するための本発明の半導体発光素子は、基板と、前記基板上に積層され、p型不純物がドープされたIII族窒化物からなるp型半導体層と、前記p型半導体層上に積層され、p型不純物およびアルミニウムを含むアルミニウム含有層と、前記アルミニウム含有層上に積層された活性層と、前記活性層上に積層され、n型不純物がドープされたIII族窒化物からなるn型クラッド層とを含むことを特徴とする(請求項1)。
この半導体発光素子では、p型半導体層およびアルミニウム含有層がp型クラッド層をなす。そして、p型クラッド層上に活性層が設けられ、活性層上にn型クラッド層が設けられている。
このような構造を有する半導体発光素子は、たとえば、成長室内において、基板上に、p型不純物がドープされたIII族窒化物からなるp型半導体層を成長させるp型半導体層成長工程と、前記成長室内において、前記p型半導体層上に、p型不純物およびアルミニウムを含むアルミニウム含有層を成長させるアルミニウム含有層成長工程と、前記成長室内において、前記アルミニウム含有層上に、活性層を成長させる活性層成長工程と、前記成長室内において、前記活性層上に、n型不純物がドープされたIII族窒化物からなるn型クラッド層を成長させるn型クラッド層成長工程とを含むことを特徴とする、半導体発光素子の製造方法により製造することができる(請求項3)。
p型クラッド層をなすp型半導体層およびアルミニウム含有層は、それぞれp型半導体層成長工程およびアルミニウム含有層成長工程において、MOCVD法などの結晶成長法により形成される。p型半導体層成長工程の初期の段階では、成長室内にp型不純物を含むドーパントガスを導入するための配管や成長室の内面にp型不純物が付着して奪われるが、それ以降は、配管や成長室の内面へのp型不純物の新たな付着はない。したがって、p型クラッド層の上層部には、十分な量のp型不純物が取り込まれる。
前記の構造では、p型クラッド層上に活性層が設けられるので、p型クラッド層の活性層との界面付近のp型不純物濃度を十分に高くすることができ、p型クラッド層から活性層に流れ込む正孔の数を増加させることができる。その結果、活性層の輝度の向上を図ることができる。
前記半導体発光素子の製造方法は、前記アルミニウム含有層成長工程後に、前記成長室内において、前記アルミニウム含有層上に、アルミニウムを含まない保護層を成長させる保護層成長工程と、前記保護層成長工程後に、前記成長室内から前記基板を取り出す基板取出工程と、前記基板取出工程後、前記基板が前記成長室外に出されている間に、前記成長室にクリーニングガスを導入するクリーニング工程と、前記クリーニング工程後に、前記基板を前記成長室内に戻す基板戻し工程と、前記基板戻し工程後であって、前記活性層成長工程前に、前記成長室内において、前記保護層を除去して、前記アルミニウム含有層を露出させる保護層除去工程とをさらに含むことが好ましい(請求項4)。
アルミニウム含有層上に保護層を形成し、この保護層で表面が覆われた基板を成長室から取り出した後、成長室内にクリーニングガスを導入することにより、成長室内にガスを供給するための配管や成長室の内面に付着したp型不純物を除去することができる。これにより、基板が成長室内に戻された後、基板上に形成される活性層へのp型不純物の混入を防止することができる。
また、基板が成長室外に出されている間に、保護層の表面が酸化するが、基板が成長室内に戻された後、その保護層は除去される。保護層が除去されることにより、アルミニウム含有層の清浄な表面が露出するので、活性層成長工程では、その清浄な表面上に活性層を成長させることができる。よって、良好な結晶性を有する活性層を得ることができ、活性層の輝度の一層の向上を達成することができる。
前記n型クラッド層成長工程では、前記成長室内がIII族金属、アンモニアおよびn型不純物を含む窒素ガス雰囲気とされ、前記成長室内の温度が700〜950℃の範囲内とされることが好ましい(請求項5)。
n型クラッド層の成長時に、成長室内の温度が700〜950℃にされることにより、p型半導体層およびアルミニウム含有層に対するアニールを達成することができ、p型半導体層およびアルミニウム含有層に含まれるp型不純物を活性化させることができる。
また、成長室内が窒素ガス雰囲気とされていることにより、n型クラッド層の成長時に、p型半導体層などから窒素原子が抜けるのを防止でき、それらの結晶性の低下を防止することができる。
さらには、700〜950℃の低温度下であれば、活性層に熱ダメージを与えるおそれがないので、n型クラッド層の成長を長時間にわたって続けることにより、n型クラッド層を厚く形成することができる。n型クラッド層が厚いと、n型クラッド層上に設けられるn側電極からの電流がn型クラッド層内で横方向(基板の表面と平行な方向)に十分に拡がるので、活性層の横方向の端部付近にもn型クラッド層からの電子を流れ込ませることができる。そのため、n型クラッド層上に電流拡散のための透明導電層を設ける必要がない。したがって、透明導電層を設けることによる光の取り出し効率の低下を防止することができる。
なお、前記n型クラッド層成長工程では、前記成長室内のガス中のIII族金属に対するアンモニアのモル比率が2000以下、好ましくは1〜2000の範囲内に調節されることが好ましい。このようなモル比率とすることにより、アンモニアに含まれる水素原子がp型半導体層およびアルミニウム含有層内に取り込まれるのを防止することができる。
また、前記保護層除去工程では、前記成長室内の温度が1000℃以上とされることが好ましい(請求項6)。成長室内の温度を1000℃以上にすることにより、保護層を良好に除去することができる。
前記アルミニウム含有層は、前記p型半導体層の一部領域上に形成されており、前記半導体発光素子は、前記p型半導体層の前記アルミニウム含有層から露出する領域上に形成され、金からなる下層およびニッケルからなる上層の積層構造を有するp側電極と、前記n型クラッド層上に形成され、アルミニウムからなる下層およびニッケルからなる上層の積層構造を有するn側電極と、前記p型半導体層および前記n型クラッド層を覆うように形成され、前記p側電極および前記n側電極を露出させるための開口を有する絶縁膜とをさらに含んでいてもよい(請求項2)。p側電極およびn側電極の上層がニッケルからなるので、絶縁膜に開口を形成するためのドライエッチング時に、そのp側電極およびn側電極の上層をエッチングストップ層として機能させることができる。
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体発光素子の構造を模式的に示す断面図である。
この半導体発光素子1は、サファイア基板2上に、AlNからなる第1バッファ層3と、アンドープ(不純物がドープされていない)GaNからなる第2バッファ層4と、p型不純物がドープされたGaNからなるp型半導体層としてのp型GaN層5と、p型不純物がドープされたAlGaN(アルミニウムガリウムナイトライド)からなるアルミニウム含有層としてのp型AlGaN層6と、InGaN/GaNからなるMQW活性層7と、n型不純物がドープされたGaNからなるn型GaN層8とを、この順にサファイア基板2側から積層した構造を有するGaN系半導体発光素子である。
p型GaN層5の上層部、p型AlGaN層6、MQW活性層7およびn型GaN層8は、それらの一部が除去されることにより、第1バッファ層3、第2バッファ層4およびp型GaN層5の下層部よりもサファイア基板2の表面と平行な方向に幅狭なメサ形状に形成されている。
この半導体発光素子1では、p型GaN層5およびp型AlGaN層6がp型クラッド層をなし、p型AlGaN層6から露出するp型GaN層5上には、Au(金)/Ni(ニッケル)の積層構造を有するp側電極9が形成されている。また、n型GaN層8がn型クラッド層をなし、このn型GaN層8上には、Al(アルミニウム)/Ni(ニッケル)の積層構造を有するn側電極10が形成されている。
そして、この半導体発光素子1の表面は、SiO(酸化シリコン)からなる絶縁膜11により覆われている。この絶縁膜11には、p側電極9およびn側電極10をそれぞれ露出させるための開口12,13が形成されている。
サファイア基板2上の各層の厚さの一例を示すと、第1バッファ層3の厚さは200Å(=0.02μm)であり、第2バッファ層4の厚さは0.4μmであり、p型GaN層5の第2バッファ層4との界面からp型AlGaN層6との界面までの厚さは3.5μmであり、p型AlGaN層6の厚さは0.1μmであり、MQW活性層7の厚さは0.1μmであり、n型GaN層8の厚さは0.5μmであり、p側電極9の下層であるAu層14の厚さは2000Å(=0.2μm)であり、p側電極9の上層であるNi層15の厚さは500Å(=0.05μm)であり、n側電極10の下層であるAl層16の厚さは2000Å(=0.2μm)であり、n側電極10の上層であるNi層17の厚さは500Å(=0.05μm)である。
図2A〜図2Hは、図1に示す半導体発光素子の製造工程を説明するための断面図である。
半導体発光素子1の製造工程では、まず、図2Aに示すように、サファイア基板2が成長室21内に搬入される。
その後、図2Bに示すように、サファイア基板2上に、MOCVD法により、第1バッファ層3、第2バッファ層4、p型GaN層5およびp型AlGaN層6がこの順に形成される。p型GaN層5およびp型AlGaN層6の成長時には、図示しないガス導入配管から成長室21内に、p型不純物としてのMg(マグネシウム)を含むガスが導入される。
つづいて、図2Cに示すように、MOCVD法により、p型AlGaN層6上にアンドープGaNからなる保護層22が形成される。この保護層22は、たとえば、厚さ0.01μmに形成される。
この後、図2Dに示すように、サファイア基板2上に第1バッファ層3、第2バッファ層4、p型GaN層5、p型AlGaN層6および保護層22を積層してなる積層体が、成長室21から一旦取り出される。そして、図示しないガス導入配管から成長室21内に、クリーニングガスとしてのN(窒素)ガスが導入されることにより、そのガス導入配管および成長室21の内面に付着したMgが除去される。
このクリーニングが完了すると、図2Eに示すように、成長室21から取り出された積層体が成長室21内に戻される。
次いで、成長室21内に微量のNH(アンモニア)を含むNガスが導入され、成長室21内がNHを含むNガス雰囲気とされる。その一方で、成長室21内の温度が、約1000℃以上の高温に上げられる。これにより、図2Fに示すように、サファイア基板2上の保護層22が熱エッチングされて除去される。このとき、p型AlGaN層6は、熱エッチングされないので、保護層22の熱エッチングに対するエッチングストップ層として機能する。保護層22が除去されることにより、p型AlGaN層6の清浄な表面が現れる。
その後、図2Gに示すように、p型AlGaN層6上に、MOCVD法により、MQW活性層7およびn型GaN層8がこの順に形成される。具体的には、まず、成長室21内の温度が700〜800℃に下げられて、p型AlGaN層6上にMQW活性層7が形成される。次に、成長室21内の温度が700〜950℃にされ、Ga、NH、Nおよびn型不純物であるSi(シリコン)を含むガスが導入されて、Ga、NHおよびSiを含むNガス雰囲気下で、MQW活性層7上にn型GaN層8が形成される。
このとき、成長室21内のガス中のGaに対するNHのモル比率が2000以下、好ましくは1〜2000の範囲内に調節される。このようなモル比率とすることにより、NHに含まれるH原子がp型GaN層5およびp型AlGaN層6内に取り込まれるのを防止することができる。また、成長室21内の温度が700〜950℃にされることにより、n型GaN層8の成長と同時に、p型GaN層5およびp型AlGaN層6に対するアニールを達成することができ、p型GaN層5およびp型AlGaN層6のMgを活性化させることができる。さらに、成長室21内がNガス雰囲気とされていることにより、n型GaN層8の成長時に、p型GaN層5、p型AlGaN層6およびMQW活性層7からN原子が抜けるのを防止でき、それらの結晶性の低下を防止することができる。
n型GaN層8の形成後は、サファイア基板2上に第1バッファ層3、第2バッファ層4、p型GaN層5、p型AlGaN層6、MQW活性層7およびn型GaN層8を積層してなる積層体が、成長室21から取り出される。そして、n型GaN層8上にその一部を露出させる開口を有するレジストパターンがフォトリソグラフィにより形成された後、そのレジストパターンをマスクとして、たとえば、RIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)により、p型GaN層5の上層部、p型AlGaN層6、MQW活性層7およびn型GaN層8の一部が除去される。この後、レジストパターンは、n型GaN層8上から除去される。つづいて、図2Hに示すように、p型GaN層5上に、Au層14およびNi層15が順に積層されることにより、p側電極9が形成される。また、nGaN層8上に、Al層16およびNi層17が順に積層されることにより、n側電極10が形成される。Au層14、Ni層15、Al層16およびNi層17は、たとえば、スパッタリング法または真空蒸着法などにより形成することができる。
その後、サファイア基板2上の全面に、絶縁膜11が形成される。そして、絶縁膜11に開口12,13が形成されると、図1に示す構造の半導体発光素子1が得られる。開口12,13は、ドライエッチングにより形成される。p側電極9およびn側電極10がそれぞれNi層15およびNi層17を上層に有しているので、そのドライエッチング時に、それらのNi層15およびNi層17をエッチングストップ層として機能させることができ、ドライエッチングによるp側電極9およびn側電極10の侵食を防止することができる。
以上のように、この半導体発光素子1では、p型GaN層5およびp型AlGaN層6がp型クラッド層をなす。そして、そのp型クラッド層上にMQW活性層7が設けられ、MQW活性層7上にn型クラッド層としてのn型GaN層8が設けられている。
p型GaN層5およびp型AlGaN層6は、MOCVD法などの結晶成長法により、連続して形成される。p型GaN層5を成長させる工程の初期の段階では、成長室21内にMgを含むガスを導入するためのガス導入配管や成長室21の内面にMgが付着して奪われるが、それ以降は、ガス導入配管や成長室21の内面へのMgの新たな付着はない。したがって、p型GaN層5およびp型AlGaN層6からなるp型クラッド層の上層部には、十分な量のMgが取り込まれる。
p型クラッド層上にMQW活性層7が設けられるので、p型クラッド層(p型AlGaN層6)のMQW活性層7との界面付近のMg濃度を十分に高くすることができ、p型クラッド層からMQW活性層7に流れ込む正孔の数を増加させることができる。その結果、MQW活性層7の輝度の向上を図ることができる。
また、この半導体発光素子1の製造工程においては、p型AlGaN層6上に保護層22が形成され、この保護層22で表面が覆われたサファイア基板2が成長室21から取り出された後、成長室21内にNガスが導入される。これにより、成長室21内にガスを導入するためのガス導入配管や成長室21の内面に付着したMgを除去することができる。これにより、サファイア基板2が成長室21内に戻された後、そのサファイア基板2上に形成されるMQW活性層7へのMgの混入を防止することができる。
また、サファイア基板2が成長室21外に出されている間に、保護層22の表面が酸化するが、サファイア基板2が成長室21内に戻された後、その保護層22は除去される。保護層22が除去されることにより、p型AlGaN層6の清浄な表面が露出するので、その清浄な表面上にMQW活性層7を成長させることができる。よって、良好な結晶性を有するMQW活性層7を得ることができ、MQW活性層7の輝度の一層の向上を達成することができる。
さらにまた、n型GaN層8の成長時には、成長室21内の温度が700〜950℃にされる。これにより、n型GaN層8の成長と同時に、p型GaN層5およびp型AlGaN層6に対するアニールを達成することができ、p型GaN層5およびp型AlGaN層6に含まれるMgを活性化させることができる。
また、このとき成長室21内がNガス雰囲気とされていることにより、n型GaN層8の成長時に、p型GaN層5、p型AlGaN層6およびMQW活性層7からN原子が抜けるのを防止でき、それらの結晶性の低下を防止することができる。
さらには、700〜950℃の低温度下であれば、MQW活性層7に熱ダメージを与えるおそれがないので、n型GaN層8の成長を長時間にわたって続けることにより、n型GaN層8を0.3μm以上、好ましくは1.0μm以上、より好ましくは2.0μm以上の厚さに形成することができる。n型GaN層8が厚いと、n側電極10からの電流がn型GaN層8内で横方向(サファイア基板2の表面と平行な方向)に十分に拡がるので、MQW活性層7の横方向の端部付近にもn型GaN層8からの電子を流れ込ませることができる。そのため、n型GaN層8上に電流拡散のための透明導電層を設ける必要がない。したがって、透明導電層を設けることによる光の取り出し効率の低下を防止することができる。
以上、この発明の一実施形態を説明したが、この発明は他の形態で実施することもできる。たとえば、半導体発光素子1はLED構造を有しているが、半導体発光素子1はレーザ構造を有していてもよい。この場合、p型GaN層5とp型AlGaN層6との間およびMQW活性層7とn型GaN層8との間に、p型AlGaN層6とは異なる組成のp型AlGaN層が光閉じ込め層として介在される。
また、p型GaN層5とMQW活性層7との間に介在される層は、アルミニウムを含有する層であれば、保護層22の熱エッチングに対するエッチングストップ層として機能することができるので、p型AlGaN層6に代えて、p型AlGaInN(アルミニウムガリウムインジウムナイトライド)層が設けられてもよいし、p型AlN(窒化アルミニウム)層が設けられてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
本発明の一実施形態に係る半導体発光素子の構造を模式的に示す断面図である。 図1に示す半導体発光素子の製造工程を説明するための断面図である。 図2Aの次の工程を示す断面図である。 図2Bの次の工程を示す断面図である。 図2Cの次の工程を示す断面図である。 図2Dの次の工程を示す断面図である。 図2Eの次の工程を示す断面図である。 図2Fの次の工程を示す断面図である。 図2Gの次の工程を示す断面図である。 従来のGaN系半導体発光素子の構造を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 半導体発光素子
2 サファイア基板
5 p型GaN層
6 p型AlGaN層
7 MQW活性層
8 n型GaN層
9 p側電極
10 n側電極
11 絶縁膜
12 開口
13 開口
14 Au層
15 Ni層
16 Al層
17 Ni層
21 成長室
22 保護層

Claims (6)

  1. 基板と、
    前記基板上に積層され、p型不純物がドープされたIII族窒化物からなるp型半導体層と、
    前記p型半導体層上に積層され、p型不純物およびアルミニウムを含むアルミニウム含有層と、
    前記アルミニウム含有層上に積層された活性層と、
    前記活性層上に積層され、n型不純物がドープされたIII族窒化物からなるn型クラッド層とを含むことを特徴とする、半導体発光素子。
  2. 前記アルミニウム含有層は、前記p型半導体層の一部領域上に形成されており、
    前記p型半導体層の前記アルミニウム含有層から露出する領域上に形成され、金からなる下層およびニッケルからなる上層の積層構造を有するp側電極と、
    前記n型クラッド層上に形成され、アルミニウムからなる下層およびニッケルからなる上層の積層構造を有するn側電極と、
    前記p型半導体層および前記n型クラッド層を覆うように形成され、前記p側電極および前記n側電極を露出させるための開口を有する絶縁膜とをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 成長室内において、基板上に、p型不純物がドープされたIII族窒化物からなるp型半導体層を成長させるp型半導体層成長工程と、
    前記成長室内において、前記p型半導体層上に、p型不純物およびアルミニウムを含むアルミニウム含有層を成長させるアルミニウム含有層成長工程と、
    前記成長室内において、前記アルミニウム含有層上に、活性層を成長させる活性層成長工程と、
    前記成長室内において、前記活性層上に、n型不純物がドープされたIII族窒化物からなるn型クラッド層を成長させるn型クラッド層成長工程とを含むことを特徴とする、半導体発光素子の製造方法。
  4. 前記アルミニウム含有層成長工程後に、前記成長室内において、前記アルミニウム含有層上に、アルミニウムを含まない保護層を成長させる保護層成長工程と、
    前記保護層成長工程後に、前記成長室内から前記基板を取り出す基板取出工程と、
    前記基板取出工程後、前記基板が前記成長室外に出されている間に、前記成長室にクリーニングガスを導入するクリーニング工程と、
    前記クリーニング工程後に、前記基板を前記成長室内に戻す基板戻し工程と、
    前記基板戻し工程後であって、前記活性層成長工程前に、前記成長室内において、前記保護層を除去して、前記アルミニウム含有層を露出させる保護層除去工程とをさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載の半導体発光素子の製造方法。
  5. 前記n型クラッド層成長工程では、前記成長室内がIII族金属、アンモニアおよびn型不純物を含む窒素ガス雰囲気とされ、前記成長室内の温度が700〜950℃の範囲内とされることを特徴とする、請求項3または4に記載の半導体発光素子の製造方法。
  6. 前記保護層除去工程では、前記成長室内の温度が1000℃以上とされることを特徴とする、請求項3ないし5のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法。
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