JP2011231393A - 銅合金板材および銅合金板材の製造方法、電気・電子部品 - Google Patents

銅合金板材および銅合金板材の製造方法、電気・電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】導電率30%IACS以上、0.2%耐力900MPa以上で、優れた曲げ加工性および耐応力緩和特性を同時に具備する銅合金板材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】1.0〜3.5質量%のNi、0.5〜2.0質量%のCo、0.3〜1.5質量%のSiを含み、かつ、Co/Ni質量比が0.15〜1.5、(Ni+Co)/Si質量比が4〜7であり、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金板材であって、圧延面において、EBSP測定による結晶粒界性格及び結晶方位の観察結果が、全結晶粒界中の双晶境界密度が40%以上、Cube方位結晶粒の面積率が20%以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は、コネクタ、リードフレーム、リレー、スイッチなどの電気・電子部品に適した銅合金板材であって、高強度と良好な導電性を維持しながら、優れた曲げ加工性および対応力緩和特性を有する銅合金板材およびその製造方法、その銅合金板材を用いた電気・電子部品に関する。
コネクタ、リードフレーム、リレー、スイッチなどの通電部品として電気・電子部品に使用される材料には、通電によるジュール熱の発生を抑制するために良好な導電性が要求されるとともに、電気・電子機器の組立時や作動時に付与される応力に耐え得る高い強度が要求される。また、コネクタなどの電気・電子部品は、一般にプレス打ち抜き後に曲げ加工により成形されることから、優れた曲げ加工性が要求される。
更に、近年、電気・電子部品が過酷な環境で使用される用途の増加に伴い、耐応力緩和性に対する要求も厳しくなっている。例えば、自動車用コネクタのように高温に曝される環境下で使用される場合、耐応力緩和性が特に重要となる。応力緩和とは、電気・電子部品を構成する素材のばね部の接触圧力が、常温では一定の状態に維持されても、比較的高温(例えば100〜200℃)の環境下では時間とともに低下するという、一種のクリープ現象である。すなわち、金属材料に応力が付与されている状態において、マトリックスを構成する原子の自己拡散や固溶原子の拡散によって転位が移動して、塑性変形が生じることにより、付与されている応力が緩和される現象である。
特に近年、コネクタなどの電気・電子部品は、小型化および軽量化が進む傾向にあり、それに伴って、素材である銅合金の板材には、例えば板厚が0.15mm以下、あるいは更に0.10mm以下等、薄肉化の要求が高まっている。そのため、素材に要求される強度レベルは一層厳しくなっている。具体的には0.2%耐力が850MPa以上、好ましくは900MPa以上、更に好ましくは950MPa以上の強度レベルが望まれる。
また、コネクタなどの電気・電子部品は、高集積化、密装化および大電流化が進む傾向にあり、それに伴って、素材である銅や銅合金の板材には、高導電率の要求が高まっている。具体的には0.2%耐力が900MPa以上を維持したうえで、30%IACS以上、好ましくは35%IACS以上の導電率レベルが望まれる。
従来、高強度銅合金としては、Cu−Be系合金(例えば、C17200(Cu−2質量%Be))、Cu−Ti系銅合金(例えば、C19900(Cu−3.2質量%Ti))、Cu−Ni−Sn系銅合金(例えば、C72700(Cu−9質量%Ni−6質量%Sn))が挙げられる。
しかしながら、コストと環境負荷の視点から、近年Cu−Be系合金を敬遠する傾向がある。また、Cu−Ti系銅合金およびCu−Ni−Sn系銅合金は、固溶元素が母相内に周期的な濃度変動を有する変調構造(スピノーダル構造)であり、強度が高いものの、導電率が10〜15%IACS程度と低い特徴がある。
Cu−Ni−Si系合金は、強度と導電性の間の特性バランスに比較的に優れた材料として注目されている。例えば、Cu−Ni−Si系銅合金板材は、溶体化処理、冷間圧延、時効処理、仕上げ冷間圧延および低温焼鈍を基本とする工程により、30〜50%IACS程度の比較的高い導電率を維持しながら、0.2%耐力を700MPa以上にすることができる。しかし、Cu−Ni−Si系合金板材は、例えば0.2%耐力が900MPa以上という更なる強度の向上を達成するのが困難であることが、一般的に知られている。
Cu−Ni−Si系銅合金板材において、高強度化の手段として、Ni、Siの多量添加や時効処理後の仕上げ圧延(調質処理)率の増大などの一般的手法が知られている。
しかしながら、Ni、Siの添加量の増加に伴って強度は増大するが、一定量、例えばNiが3質量%、Siが0.7質量%程度以上になると、強度の増大が飽和する傾向にあり、0.2%耐力が900MPa以上を達成することが困難である。また、Ni、Siの過量添加は、導電率の低下を伴うとともに、Ni−Si系析出物が粗大化しやすく曲げ加工性が低下しやすい。時効処理後の仕上げ圧延率を大きくすることにより、強度を向上させることはできるが、銅合金板材の曲げ加工性、特に圧延方向を曲げ軸とする曲げ(いわゆるBadWay曲げ)加工性の著しい低下を伴う。
そのため、強度レベルが、例えば0.2%耐力が900MPa以上を達成できる程度に高くても、電気・電子部品には加工できない場合がある。
近年、Cu−Ni−Si系銅合金板材の高強度化のために、Coを比較的多量(例えば0.5〜2.0質量%Co以上)に添加する銅合金板材、いわゆるCu−Ni−Co−Si系銅合金が、例えば特許文献1〜3等において提案されている。更に、例えば特許文献4、5等では、曲げ加工性を改善するために、双晶の存在量(結晶粒中に含まれる双晶境界の数)を制御する銅合金が提案されている。
特開2007−169765号公報 特開2008−248333号公報 特開2009−007666号公報 特開2008−106356号公報 国際公開番号2009−123140
よく知られているように、Cu−Ni−Si系銅合金とCu−Co−Si系銅合金には、それぞれ長所と短所がある。Cu−Ni−Si系銅合金の場合、強度を向上させるためには、Ni−Si系化合物の析出に加えて更に圧延を行うと、加工硬化により強度が向上しやすく、また耐応力緩和特性が優れる。ただし、加工硬化による強化は曲げ加工性の低下を招きやすいので、圧延率をできるだけ下げることが一般的である。一方、Cu−Co−Si系銅合金の場合、Cu−Ni−Si系銅合金と比較して、同等な合金元素量では、時効後のCo−Si系化合物の析出により強度が比較的高くなるが、更に圧延を行うと、曲げ加工性の低下は少ないものの加工硬化率が低く、強度を更に向上させにくいという欠点がある。また、耐応力緩和特性がCu−Ni−Si系銅合金よりも劣る傾向がある。
従って、Cu−Ni−Co−Si系銅合金において、Ni−Si系化合物の析出とCo−Si系化合物の析出を適切に制御できれば、強度、曲げ加工性、耐応力緩和特性が同時に向上する可能性がある。
しかしながら、Ni−Si系化合物の最適な時効温度とCo−Si系化合物の最適析出温度が異なるため、この二種類を析出するための最適条件を同時に達成することが難しい。
Ni−Si系化合物の最適な時効温度は450℃前後(一般に425〜475℃)であり、時効温度が高すぎると、いわゆる過時効といわれる状態になってピーク硬さが低くなり、またNi−Si系析出物が粗大化しやすい。時効温度が低すぎると、析出速度が遅く、析出物が粗大化しないが、析出物の生成が遅いあるいは生成しない可能性がある。
一方、Co−Si系化合物の最適析出温度はNi−Si系化合物よりも高く、520℃前後(一般に500〜550℃)である。従って、Cu−Ni−Co−Si系銅合金において、450℃前後の温度で時効処理する場合、Co−Si系化合物の析出量が少なく、520℃前後の温度で時効処理する場合、Ni−Si系析出物が粗大化してしまう。いずれにおいても、二種類の析出物を同時に利用することができない。また、中間的な温度、例えば480℃で時効処理しても、二種類の析出物の最適状態を同時に達成することが難しい。すなわち、例えば亜時効−ピーク時効−過時効の3段階に分ければ、時効時間が短い場合、Ni−Si系析出物がピーク時効で、Co−Si系析出物はまだ少ない。より長時間でCo−Si系析出物がピーク時効になると、Ni−Si系析出物が粗大化してしまって強度に寄与しない。
特許文献1には、粗大析出物の抑制により第二相密度を制御して特性を向上させたCu−Ni−Co−Si系銅合金が開示されている。この銅合金は、導電率が41%IACS以上と比較高く、曲げ加工性が優れているものの、0.2%耐力が600〜770MPaの強度レベルである。
特許文献2には、特許文献1と同様に粗大析出物の抑制により第二相密度を制御することに加え、更に加工硬化を組み合わせて強度を向上させ、0.2%耐力が810〜920MPaのCu−Ni−Co−Si系銅合金が開示されている。ただし、粗大析出物を抑制するために、熱間圧延の終了温度は850℃以上が必要であり、一般的な工業的熱間圧延設備では、コスト面で実現が困難である。また、車載用コネクタ等に使用できるレベルの応力緩和特性を得ることは困難である。
特許文献3には、平均結晶粒および集合組織の制御によって特性が向上したCu−Ni−Co−Si系銅合金が開示されているが、強度レベルは0.2%耐力が652〜862MPaであり、900MPa以上には至っていない。
一方、多結晶金属の双晶の存在量(結晶粒中に含まれる双晶境界の数)が多いほど、曲げ加工性や耐応力緩和特性などに有利であることが、昨今の研究により明確になっているが、双晶の存在量の制御方法は、理論的にも試験的にもほとんど分らないのが現状である。
特許文献4、5は、双晶の存在量の測定方法が異なるが、いずれも結晶粒当たりの双晶境界の平均数が高々1〜3個程度、強度レベルは引張強さが600〜830MPaであり、特性改善の効果が限定されている。また、特許文献5には、双晶境界密度を高めるために、高温で焼鈍を行う熱処理が必要であることが記載されており、その結果結晶粒が粗大化してしまい、曲げ加工性が悪くなる。
したがって、Ni−Si系化合物とCo−Si系化合物の最適な析出温度と時間が一致しない(ずれる)ことや、双晶生成のメカニズムが不明であることにより、公知の製造方法で二種類の析出物を同時に十分利用することはできず、また、高密度の双晶と適切な結晶粒径を有する組織になるように制御できなかった。そのため、高強度および優れた曲げ加工性と耐応力緩和特性を同時に達成することが困難であった。
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、導電率30%IACS以上、0.2%耐力900MPa以上で、優れた曲げ加工性を有し、車載用コネクタ等の過酷な使用環境での信頼性を担う耐応力緩和特性を同時に具備する銅合金板材およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、Cu−Ni−Co−Si系銅合金において、析出物は主にNi−Si系とCo−Si系の二種類の化合物で構成され、ほかに少量のNi−Co−Si系の化合物が存在することが確認され、Ni−Si系とCo−Si系の二種類の析出物を制御できる方法を見出した。また、結晶粒の内部の双晶境界の密度を高めることによって、応力緩和特性と曲げ加工性を同時に改善できることを見出した。更に、異方性の少ない{100}方位(Cube方位)とする結晶粒の割合を増大させることによって、曲げ加工性を向上できると同時に、曲げ加工性の異方性を顕著に改善できる。これらによって、高導電率を維持しながら、高強度であり、更に応力緩和特性と曲げ加工性およびその異方性に顕著な改善が同時に達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による銅合金板材は、1.0〜3.5質量%のNi、0.5〜2.0質量%のCo、0.3〜1.5質量%のSiを含み、かつ、Co/Ni質量比が0.15〜1.5、(Ni+Co)/Si質量比が4〜7であり、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金板材であって、圧延面において、EBSP測定による結晶粒界性格及び結晶方位の観察結果が、全結晶粒界中の双晶境界密度が40%以上、Cube方位結晶粒の面積率が20%以上であることを特徴とする。
この銅合金板材において、Fe、Cr、Mg、Mn、Ti、V、Zr、Sn、Zn、AL、B、P、Ag、Beおよびミッシュメタルのうち、少なくとも1種以上を、合計2質量%以下の範囲で更に含んでもよい。また、板材表面において、JIS H0501の切断法を用いて、双晶境界を含まずに測定した平均結晶粒径が3〜60μmであることが好ましく、0.2%耐力が900MPa以上、導電率が30%IACS以上であることが好ましい。
また、本発明による銅合金板材の製造方法は、1.0〜3.5質量%のNi、0.5〜2.0質量%のCo、0.3〜1.5質量%のSiを含み、残部がCuおよび不可避不純物である組成を有する銅合金の原料を溶解して鋳造する溶解・鋳造工程と、前記溶解および鋳造工程の後に熱間圧延を行う熱間圧延工程と、前記熱間圧延工程の後に冷間圧延を行う第1の冷間圧延工程と、前記第1の冷間圧延工程の後に加熱温度500〜650℃で熱処理を行う中間焼鈍工程と、前記中間焼鈍工程の後に圧延率70%以上で冷間圧延を行う第2の冷間圧延工程と、前記第2の冷間圧延工程の後に溶体化処理を行う溶体化処理工程と、前記溶体化処理工程の後に400〜500℃で時効処理を行う時効処理工程とからなり、前記溶体化処理工程は、800〜1020℃での加熱工程、その後500〜800℃まで急冷する第1の急冷工程、500〜800℃で10〜600秒間保持する保温工程、その後300℃以下まで急冷する第2の急冷工程を有することを特徴とする。
前記中間焼鈍工程の際、前記中間焼鈍工程後の導電率が40%IACS以上、ビッカース硬さがHV150以下を満たすように、500〜650℃で0.1〜20時間熱処理を行うことが好ましい。さらに、前記溶体化処理工程後の平均結晶粒径を3〜60μmとすることが好ましい。
前記時効処理工程の後に、圧延率10〜80%で冷間圧延を行う仕上げ冷間圧延工程を有してもよい。さらに、前記仕上げ冷間圧延工程の後に、150〜550℃で加熱処理を行う低温焼鈍工程を有してもよい。
前記銅合金板材の製造方法において、前記銅合金が、更にFe、Cr、Mg、Mn、Ti、V、Zr、Sn、Zn、AL、B、P、Ag、Beおよびミッシュメタルのうち、少なくとも1種以上を合計2質量%以下の範囲で含んでもよい。
さらにまた、本発明は、前記銅合金板材を材料として用いたことを特徴とする電気・電子部品を提供する。前記電気・電子部品が、コネクタ、ソケット、リードフレーム、リレーまたはスイッチでもよい。
本発明によれば、導電率30%IACS以上を保持しつつ、0.2%耐力900MPa以上の高強度、且つ、優れた曲げ加工性と耐応力緩和特性を同時に有する銅合金板材が実現できる。
実施例1の銅合金板材の光学顕微鏡組織写真である。 実施例2の銅合金板材の光学顕微鏡組織写真である。 比較例1の銅合金板材の光学顕微鏡組織写真である。 比較例2の銅合金板材の光学顕微鏡組織写真である。
本発明の銅合金板材は、1.0〜3.5質量%のNi、0.5〜2.0質量%のCo、0.3〜1.5質量%のSiを含み、かつCo/Ni質量比が0.15〜1.5、(Ni+Co)/Si質量比が4〜7であり、残部がCuおよび不可避不純物からなる。また、この銅合金板材の圧延面において、EBSP測定による結晶粒界性格及び結晶方位の観察結果、全結晶粒界中の双晶境界(Σ3対応晶界)の密度が40%以上、立方体方位(Cube方位)結晶粒の面積率が20%以上を有している。
この銅合金板材は、必要に応じて、Fe、Cr、Mg、Mn、Ti、V、Zr、Sn、Zn、AL、B、P、Ag、Beおよびミッシュメタルのうち、少なくとも1種以上を、合計2質量%以下の範囲で、更に含んでいる。
以下、この銅合金板材およびその製造方法について詳細に説明する。
先ず、合金組成について説明する。本発明の銅合金は、Cu−Ni−Co−Si系銅合金である。なお、本明細書では、Cu−Ni−Co−Siの基本成分にSn、Zn、Mg、Fe、Cr、Mn、Ti、V、Zrやその他の合金元素を添加した銅合金も、包括的にCu−Ni−Co−Si系銅合金と称する。
Niは、Ni−Si系析出物を形成して、銅合金板材の強度と導電性を向上させる効果を有する。Ni含有量が1.0質量%未満の場合には、この効果を十分に発揮させるのが困難である。そのため、Ni含有量は、1.0質量%以上にするのが好ましく、1.5質量%以上にするのが更に好ましく、2.0質量%以上にするのが一層好ましい。一方、Ni含有量が多過ぎると、強度向上効果が飽和するうえ、導電率が低下する。また、粗大な析出物が生成し易く、曲げ加工時の割れの原因になる。そのため、Ni含有量は、3.5質量%以下にするのが好ましく、3.0質量%以下にするのが更に好ましい。
Coは、Co−Si系の析出物を形成して、銅合金板材の強度と導電性を向上させる効果を有する。特に、Ni−Si系析出物を分散化させる効果があり、これにより二種類の析出物が共存すれば、強度向上の相乗効果がある。これらの作用を十分に発揮させるには、0.5質量%以上のCo含有量を確保することが望ましい。ただし、Coの融点はNiよりも高いので、含有量が2.0質量%以上になると、完全固溶は困難であり、未固溶の部分は強度に寄与しない。また、二種類の析出物の共存による強度向上の相乗効果を発揮するために、CoとNiの質量比Co/Niを0.15〜1.5にするのが好ましく、0.2〜1.0にするのが更に好ましい。このため、Co含有量は0.5〜1.5質量%の範囲に調整することが一層好ましい。
Siは、Ni−Si系析出物及びCo−Si系析出物を生成する。Ni−Si系析出物はNiSiを主体とする化合物であり、Co−Si系析出物はCoSiの形式であると考えられる。但し、合金中のNi、CoおよびSiは、時効処理によって全てが析出物になるとは限らず、ある程度はCuマトリックス中に固溶した状態で存在する。固溶状態のNi、CoおよびSiは、銅合金板材の強度を若干向上させるが、析出状態と比べてその効果は小さく、また、導電率を低下させる要因になる。そのため、Siの含有量は、一般的には、できるだけ析出物NiSi及びCoSiの組成比に近づけるのが好ましい。すなわち、(Ni+Co)/Si質量比を、約4.2を中心として3〜5に調整するのが一般的である。
ところが、本発明者らは、Cu−Ni−Co−Si系銅合金の特性に対して、(Ni+Co)/Si質量比が及ぼす影響を詳細に調査した結果、(Ni+Co)/Si質量比が3〜7の範囲内において、最終強度と導電率はあまり変わらないが、双晶密度と集合組織が大きく変わることを知見した。また、過剰なSiによって、双晶密度とCube方位粒の面積率が低下することがわかった。すなわち、Si含有量は、(Ni+Co)/Si質量比が4〜7になるように調整する必要があり、好ましくは4.0〜6.5、更に好ましくは4.2〜5.5の範囲になるように調整するのが望ましい。従って、Si含有量は0.3〜1.5質量%の範囲にするのが好ましく、0.5〜1.2質量%の範囲にするのが更に好ましい。
本発明の銅合金板材には、必要に応じて、Fe、Cr、Mg、Mn、Ti、V、Zr、Sn、Zn、AL、B、P、Ag、Be等の元素やミッシュメタルなどを添加してもよい。例えば、SnとMgは耐応力緩和特性の向上効果があり、Znは銅合金板材のはんだ付け性および鋳造性を改善する効果があり、Fe、Cr、Mn、Ti、V、Zrなどは強度を向上させる作用を有する。そのほかに、Agは、導電率を大きく低下させることなく固溶強化する効果を有する。Pは脱酸効果を有し、Bは鋳造組織の微細化効果を有し、熱間加工性を向上させる効果を有する。また、更に、ミッシュメタルはCe、La、Dy、Nd、Yなどを含む希土類元素の混合物であり、結晶粒の微細化効果や、析出物の分散化効果を有する。
なお、銅合金板材がFe、Cr、Mg、Mn、Ti、V、Zr、Sn、Zn、AL、B、P、Ag、Beおよびミッシュメタルのうち1種以上を含有する場合には、各元素を添加した効果を十分に得るために、これらの総量が0.01質量%以上であるのが好ましい。しかし、総量が2質量%を超えると、導電率の低下、熱間加工性または冷間加工性の低下を招くうえ、コスト的にも不利になる。したがって、これらの元素の総量は2質量%以下、好ましくは1質量%以下、0.5質量%以下であるのが更に好ましい。
次に、双晶境界について説明する。双晶とは、隣接する二つの結晶粒の結晶格子が、ある面(双晶境界と呼ばれ、一般に{111}面である)に関して鏡映対称の関係にある一対の結晶粒のことである。銅及び銅合金中の最も一般的な双晶は、結晶粒中に二つの平行な双晶境界で挟まれた、双晶帯と呼ばれる部分である。
結晶粒界の性格は、EBSP(Electron Back Scattering
Pattern)法で、隣接結晶粒の原子配向により測定される。一般的な粒界は、両側の結晶粒のそれぞれの結晶格子点の対応関係がなく、ランダム粒界とも呼ばれる。一方、粒界を挟む二つの結晶粒のそれぞれの結晶格子点のうち、ある一定の割合(Σ値で現れる)の格子点が両結晶粒で共通である方位関係にある粒界が対応粒界であり、その中のΣ3対応粒界が双晶境界である。
双晶境界は粒界エネルギーが最も低い粒界であり、粒界としての曲げ加工性向上の役割を十分に果すことがある一方、一般的な粒界に比べて境界に沿った原子配列の乱れが少なく構造的に緻密であり、原子の拡散や不純物の偏析や析出物の形成がしにくく、境界に沿って破壊しにくいなどの性質を持つ。すなわち、双晶境界が多いほど、応力緩和特性および曲げ加工性の向上に有利である。
双晶境界の密度(頻度)は、
(Σ3対応粒界の長さの総和)/(結晶粒界の長さの総和)×100%
で計算できる。双晶境界の密度は40%以上、更に50%を超えることが好ましく、60%以上が一層好ましい。
双晶境界の形成のメカニズムは現在解明されていないが、本発明者らの調査により、(Ni+Co)/Si質量比、溶体化(再結晶)処理前の合金元素の存在状態(固溶か析出か)および溶体化処理条件、仕上げ圧延率などに左右されることが判明した。
一般的な製造方法で製造した銅合金の双晶境界の密度は、10〜20%程度(光学顕微鏡組織では、結晶粒当たりの平均双晶帯の数が0.5個程度に相当)であるのに対し、本発明では、後述の合金組成と製造条件によって、60%以上(結晶粒当たりの平均双晶帯の数が3個以上に相当)を得ることができる。
次に、結晶方位について説明する。立方体方位({100}<001>方位)は、圧延面の厚さ方向ND、圧延方向LD、圧延方向に対して直角方向TDの三つの方向に同様な特性を示し、通常Cube方位と呼ばれる。また、LD:<001>とTD:<010>のいずれもすべりに寄与し得るすべり面とすべり方向の組み合わせは、12通り中8通りで、その全てのシュミット因子は0.41である。更に、{100}結晶面上のすべり線は、曲げ軸に対して45°および135°と対称性を良好にすることができるため、せん断帯を形成することなく曲げ変形が可能であることがわかった。すなわち、Cube方位はGoodWayとBadWayの両方の曲げ加工性がともに良好であると同時に、異方性がないという特徴がある。
そのため、銅合金板材の表面において、EBSP法で測定した結晶粒方位分布マップOIM(Orientation Imaging Microscopy)像に、{100}方位との方位差が10°以内にある方位を持つ結晶粒の面積分率は、20%以上が望ましく、30%以上が更に望ましい。
Cube方位は純銅型再結晶集合組織の主方位であることが良く知られているが、銅合金について、一般的な製造条件では、Cube方位を発達させることは困難である。しかしながら、本発明では、以下の製造工程に示すように、特定条件下での中間焼鈍工程と適切な溶体化処理条件とを組み合わせることにより、高いCube方位を有する結晶配向の銅合金板材を得ることができた。
平均結晶粒径は、小さいほど曲げ加工性の向上に有利であるが、小さすぎるとCube方位の面積分率や耐応力緩和特性が低下しやすい。また、最終的な平均結晶粒径は、溶体化処理後の段階における結晶粒径によってほぼ決まってくる。従って、平均結晶粒径が小さすぎると、溶体化処理後に溶質元素が十分固溶されずに最終強度が低くなる可能性が高い。種々検討の結果、最終的にJIS H0501の切断法を用いて、双晶境界を含めずに測定した、通常意味の平均結晶粒径が3μm以上、好ましくは5μm以上、更に好ましくは8μmを超える値であれば、車載用コネクタの用途でも満足できるレベルの耐応力緩和特性を確保しやすく、好適であることが判明した。ただし、あまり平均結晶粒径が大きくなりすぎると曲げ部表面の肌荒れが起こりやすく、曲げ加工性の低下を招く場合があるので、60μm以下の範囲とすることが望ましい。8〜20μmの範囲に調整することが、より好ましい。最終的な平均結晶粒径は、溶体化処理後の段階における結晶粒径によってほぼ決まってくる。したがって、平均結晶粒径のコントロールは、後述の溶体化処理条件によって行うことができる。
次に、銅合金板材の特性について説明する。
コネクタなどの電気電子部品を小型化および薄肉化するためには、素材である銅合金板材の0.2%耐力を900MPa以上にするのが好ましく、930MPa以上にするのが更に好ましい。曲げ加工性は、GoodWayおよびBadWayのいずれも、90°W曲げ試験における最小曲げ半径Rと板厚tの比R/tが2.0以下であるのが好ましく、1.5以下であるのが更に好ましい。
また、コネクタなどの電気電子部品は、高集積化、密装化および大電流化が進む傾向にあり、それに伴って、素材である銅や銅合金の板材には、高導電率の要求が高まっている。具体的には30%IACS以上が好ましく、更に好ましくは35%IACS以上の導電率レベルが望まれる。
耐応力緩和特性は、車載用コネクタなどの用途ではTDの値が特に重要であるため、長手方向がTDである試験片を用いた応力緩和率で応力緩和特性を評価することが望ましい。板材表面の最大負荷応力が0.2%耐力の80%である状態にして、150℃で1000時間保持した場合に、応力緩和率が7%以下であることが好ましく、5%以下であることが一層好ましい。
次に、本発明にかかる銅合金板材の製造方法について説明する。
上述の特性を有する銅合金板材は、本発明の銅合金板材の製造方法によって製造される。本発明による銅合金板材の製造方法は、上述の組成を有する銅合金の原料を溶解して鋳造する溶解・鋳造工程と、この溶解・鋳造工程の後に行う熱間圧延工程と、この熱間圧延工程の後に圧延率70%以上で冷間圧延を行う第1の冷間圧延工程と、この第1の冷間圧延工程の後に加熱温度500〜650℃で熱処理を行う中間焼鈍工程と、この中間焼鈍工程の後に圧延率70%以上で冷間圧延を行う第2の冷間圧延工程と、この第2の冷間圧延工程の後に溶体化処理を行う溶体化処理工程と、この溶体化処理工程の後に400〜500℃で時効処理を行う時効処理工程を有している。
また、溶体化処理工程は、800〜1020℃で加熱する加熱工程、その後500〜800℃まで急冷する第1の急冷工程、500〜800℃で10〜600秒間保持する保温工程、その後300℃以下まで急冷する第2の急冷工程を有している。
なお、中間焼鈍工程の際には、中間焼鈍後の銅合金板材の導電率が40%IACS以上、ビッカース硬さがHV150以下を満たすように、500〜650℃で0.1〜20時間熱処理を実施することが好ましい。
更に、時効処理工程の後に、圧延率10〜80%の仕上げ冷間圧延工程を有することが好ましく、仕上げ冷間圧延工程の後に、150〜550℃で加熱処理を行う低温焼鈍工程を有することが好ましい。また、熱間圧延後には、必要に応じて面削を行い、溶体化処理工程の後には、必要に応じて酸洗、研磨、脱脂等を行ってもよい。以下に、各工程について、更に詳細に説明する。
溶解・鋳造工程
一般的な銅合金の溶製方法と同様の方法により、銅合金の原料を溶解した後、連続鋳造や半連続鋳造などにより鋳片を製造する。この工程は、SiとCoの酸化を防止するために、不活性ガス雰囲気内、または真空溶解炉で行うのがよい。
熱間圧延工程
鋳片の熱間圧延は、1000℃から500℃に温度を下げながら数パスに分けて行う。トータルの圧延率は、概ね80〜95%にすればよい。熱間圧延終了後には、水冷などにより急冷するのが好ましい。また、熱間圧延後に、必要に応じて面削や酸洗を行ってもよい。
第1の冷間圧延工程
第1の冷間圧延工程では、圧延率を70%以上にする必要があり、80%以上にするのが更に好ましい。このような圧延率で加工された材料に対して、次工程で中間焼鈍工程を施すことにより、析出物の量を増加させることができる。
中間焼鈍工程
次に、析出を目的として中間焼鈍工程を行う。従来の銅合金板材の製造工程では、この中間焼鈍工程を行わないか、または、次工程の圧延負荷を軽減するために、板材を軟化あるいは再結晶させるための高温の熱処理を行っていた。ところが、これらの場合にはいずれも、溶体化処理工程後に、再結晶粒内の双晶境界の密度やCube方位を主方位成分とする再結晶集合組織の形成が不十分であった。
本発明者らが詳細に調査、研究した結果、再結晶過程中の双晶及びCube方位の形成は、再結晶直前の母相の積層欠陥エネルギーの影響を受けることが判明した。積層欠陥エネルギーが低い方が、焼鈍双晶が形成されやすい。逆に、積層欠陥エネルギーが高い方が、Cube方位が形成されやすい。例えば、積層欠陥エネルギーが低いのは、黄銅、純銅、純アルミの順であり、黄銅は焼鈍双晶の密度が高いが、Cube方位は形成しにくい。一方、純アルミはCube方位が形成されやすいが、焼鈍双晶の密度が低い。これに対し、純銅はCube方位と焼鈍双晶の密度がともに、比較的高い。したがって、積層欠陥エネルギーが純銅に近い析出型銅合金では、焼鈍双晶とCube方位の密度をともに高く生成できる可能性がある。
焼鈍双晶とCube方位の密度をともに高く生成させるためには、中間焼鈍工程でNi、Co、Siなどを析出して固溶元素量を減少させる。これにより、積層欠陥エネルギーを高くすることができる。中間焼鈍工程を500〜650℃の温度で行い、熱処理時間が0.1〜20時間の範囲内で時効析出させると、良好な結果が得られる。
焼鈍温度が低すぎるか、または焼鈍時間が短すぎると、十分に析出できず、固溶元素量が高くなり導電率の回復が不十分で、積層欠陥エネルギーの向上が少ない。焼鈍温度が高すぎると、固溶元素の固溶限が高くなり、焼鈍時間を長くしても、十分に析出できない。いずれにしても、焼鈍双晶とCube方位の密度をともに高く生成させることができない。具体的には、中間焼鈍工程の際に、中間焼鈍工程後の導電率が40%IACS以上、ビッカ−ス硬さがHV150以下を満たすようにすることが好ましい。
第2の冷間圧延工程
続いて、2度目の冷間圧延である第2の冷間圧延工程を行う。第2の冷間圧延工程では、圧延率を70%以上にするのが好ましい。この第2の冷間圧延工程では、前工程による析出物の存在により、効率よく歪エネルギーを導入することができる。歪エネルギーが不足すると、溶体化処理時に生じる再結晶粒径が不均一になる可能性があるとともに、双晶境界の密度やCube方位を主方位成分とする再結晶集合組織の形成が不十分になる。
溶体化処理工程
従来の溶体化処理は、溶質元素のマトリックス中への再固溶と再結晶化を主目的としていたが、本発明では更に、高い密度の双晶の形成、およびCube方位を主方位成分とする再結晶集合組織の形成をも、重要な目的としている。
この溶体化処理工程では、成分に応じ、800〜1020℃で、10〜600秒間の加熱処理を行うのが好ましい。温度が低すぎると、再結晶が不完全で溶質元素の固溶も不十分となる。また、焼鈍双晶の密度やCube方位を主方位とする成分が低くなる傾向があり、最終的に曲げ加工性に優れ且つ高強度の銅合金板材を得るのが困難になる。一方、温度が高すぎると結晶粒が粗大化してしまい、曲げ加工性の低下を招き易い。
具体的に、溶体化処理工程における加熱工程では、再結晶粒の平均結晶粒径(双晶境界を結晶粒界とみなさない)が3〜60μmとなるように、800〜1020℃域の保持時間および到達温度に設定して熱処理を実施することが望ましく、平均結晶粒径が8〜20μmとなるように調整することが一層好ましい。再結晶粒径が微細になりすぎると、焼鈍双晶の密度が低くなる。また、耐応力緩和特性を向上させる上でも不利となる。再結晶粒径が粗大になりすぎると、曲げ加工部の表面肌荒れが発生し易い。再結晶粒径は、溶体化処理前の冷間圧延率や化学組成によって変動するが、予め実験によりそれぞれの合金について溶体化処理ヒートパターンと平均結晶粒径との関係を求めておくことにより、800〜1020℃域の保持時間および到達温度を設定することができる。具体的には、本発明の化学組成の銅合金では、800〜980℃の温度で10〜600秒間保持する加熱条件が、適正条件として設定できる。
溶体化処理工程において、上記の加熱工程後の冷却は、冷却途中の化合物の析出を極力避けるため、析出が起こらない温度まで一気に急冷するのが一般的である。ところが、前述のように、Ni−Si系化合物とCo−Si系化合物の最適な析出温度と時間が一致しない(ずれる)ため、従来は2種類の析出物を同時に十分活用できず、それが、導電率を保持したまま900MPa以上の高い耐力と、更には良好な曲げ加工性、耐応力緩和特性を同時に実現できない原因であった。そこで、本発明では、急冷過程の特定温度域において一定時間保持した後、再度急冷する冷却パターンを用いる。すなわち、本発明では、予めNi−Si系化合物がほとんど析出しない温度域で、Co−Si系化合物を微細に析出させるように冷却を行う。
具体的には、800〜1020℃の加熱温度で熱処理を行う加熱工程の後の冷却パターンは、500〜800℃の温度域まで10℃/s以上、好ましくは50℃/s以上、更に好ましくは100℃/s以上の冷却速度で急冷する第1の急冷工程、その後500〜800℃の温度域で10〜600秒間保持する保温工程、更にその後300℃以下まで再び10℃/s以上、好ましくは50℃/s以上、更に好ましくは100℃/s以上の冷却速度で急冷する第2の急冷工程からなる。なお、前記第1の急冷工程の冷却速度は800〜1020℃から500〜800℃の保温工程の保持温度までの平均冷却速度であり、前記第2の急冷工程の冷却速度は保温工程の保持温度である500〜800℃から300℃以下までの平均冷却速度である。500〜800℃で10〜600秒間の範囲で行う保温工程は、Ni−Si系化合物がほとんど析出しない温度域で、Co−Si系化合物を微細に析出させるためのものである。保温工程の保持温度が高すぎると、Co−Si化合物の析出の駆動力が小さくなり、析出物が少なくなる一方で粗大化しやすい。逆に、保持温度が低すぎると、Co−Si系化合物が析出するのに長時間を要するため、実質上析出が起こらず、従来の製造方法と同様に2種類の析出物を同時に十分活用できない。すなわち、最終的に、良好な導電率を保持したまま900MPa以上の高い耐力と良好な曲げ加工性および優れた耐応力緩和特性を全て満たすことができなくなってしまう。また、保持時間が長すぎると、Co−Si系析出物が粗大化しやすく、保持時間が短すぎると、Co−Si系析出物が少なくなる。
具体的には、本発明の組成の銅合金では、保温工程は、500〜800℃の温度で10〜600秒間保持することが適正条件と設定できる。550℃〜750℃の温度(または550℃を超え750℃以下の温度)で20〜300秒間保持することが更に好ましく、50〜300秒間保持することが一層好ましい。
第1の急冷工程時に、800℃よりも高い温度域まで急冷を行い保温すると、Co−Si系化合物の析出、粗大化が起こりやすく、500℃よりも低い温度域まで急冷を行い保温すると、Co−Si系化合物の析出量が少ない。いずれの場合にも、最終的に高い耐力と良好な曲げ加工性および優れた耐応力緩和特性を全て満たすことができなくなってしまう。
溶体化処理工程は、連続炉で一連の流れの中で行うのがコスト的には望ましいが、設備等の制約のために、800〜1020℃に加熱した後300℃以下まで急冷する加熱工程および第1の急冷工程と、再び加熱して500〜800℃で10〜600秒間保持する保温工程および300℃以下まで急冷する第2の急冷工程とに工程を分けて行うこともできる。更に、2つに分けて行う場合は、Co−Si系化合物の析出を更に促進するために、それらの間に50%以下の冷間圧延加工を挟んでもよい。しかしながら、一連の流れで熱処理を行うことで組織制御が可能になるので、コスト面からは、連続炉内で行うことが望ましい。
更に、引き続き行うNi−Si系化合物の析出を促進するために、第2の急冷工程後に、50%以下の冷間圧延加工を行ってもよい。しかしながら、熱処理後、圧延前には酸洗浄やバフ研磨など表面性状を改善する工程が必要になり、工程が複雑になると同時にコスト的にも不利になる。本発明の製造方法では、後述する時効処理条件と相まってこの冷間圧延加工を省略することができる。
以上の加熱工程、第1の急冷工程、保温工程、第2の急冷工程からなる溶体化処理工程は、例えば通常の加熱ゾーンおよび冷却ゾーンで構成される溶体化処理炉を改造し、加熱ゾーン、冷却ゾーン、保温ゾーン、冷却ゾーンの4ゾーンで構成される溶体化処理炉で実施することができる。板材の加熱ゾーンと保温ゾーンの滞在時間は、ゾーンの長さと通板速度の調整で制御できる。また、冷却ゾーンでの冷却速度は冷却ファンの回転速度で制御することが可能である。なお、冷却方法は上記に限定されることなく、水冷、油冷、ガス急冷、ソルトバスによる冷却など冷却速度を制御できれば良い。
時効処理工程
続いて行う時効処理は、Ni−Si系化合物の析出が主な目的である。時効処理温度が高くなり過ぎると、Ni−Si系析出物が粗大化しやすく、同時に前述の溶体化処理工程の急冷工程で生成されたCo−Si系析出物も粗大化しやすくなる。一方、時効温度が低過ぎると、Ni−Si系化合物が十分に析出せず、また時効時間を長くする必要があるために生産性の面で不利になる。よって、合金組成に応じて時効処理で硬さがピークになる温度、時間を予め調整して条件を決めるのが好ましい。具体的には、400℃〜500℃で行うのが好ましく、425〜475℃の温度で行うのが更に好ましい。時効処理時間は、概ね1〜10時間程度で良好な結果が得られる。
仕上げ冷間圧延工程
この仕上げ冷間圧延は、強度レベルの向上、特に0.2%耐力の向上のために重要である。仕上げ冷間圧延の圧延率が低過ぎると、強度を高める効果を十分に得ることができない。一方、仕上げ冷間圧延の圧延率が高過ぎると、TD方向の曲げ加工性が悪くなる可能性がある。
この仕上げ冷間圧延の圧延率は、10%以上、好ましくは15%以上にする必要がある。但し、圧延率の上限は80%とし、60%を超えないように設定することが、より望ましい。最終的な板厚としては、板材の用途によるが、概ね0.05〜1.0mmにするのが好ましく、0.08〜0.5mmにするのが更に好ましい。
低温焼鈍工程
仕上げ冷間圧延工程の後に、低温焼鈍硬化による強度の向上、板条材の残留応力の低減、ばね限界値と耐応力緩和特性の向上を目的として、低温焼鈍を施すことが好ましい。加熱温度は、150〜550℃になるように設定するのが好ましい。これにより板材内部の残留応力が低減され、導電率を向上させる効果もある。この加熱温度が高過ぎると、短時間で軟化し、バッチ式でも連続式でも特性のバラツキが生じ易くなる。一方、加熱温度が低過ぎると、上述した特性を改善する効果が十分に得られない。加熱時間は5秒以上が好ましく、通常1時間以内で良好な結果が得られる。
以下、本発明による銅合金板材およびその製造方法の実施例について説明する。
表1に示す組成の原料をそれぞれ溶解し、縦型半連続鋳造機を用いて鋳造して鋳片を得た。
それぞれの鋳片を980℃に加熱し、980℃から500℃まで温度を下げながら熱間圧延を行って厚さ10mmの板材にした後、水冷(10℃/s以上の冷却速度)によって急冷し、その後、表層の酸化層を機械研磨により除去(面削)した。
次いで、それぞれ圧延率86%で第1の冷間圧延を行った後、本発明を適用した実施例1〜13については、500〜640℃で3〜8時間の中間焼鈍熱処理を行った。実施例1〜13の中間焼鈍後の導電率は40〜57%IACSで、硬さはHV96〜148であった。その後、それぞれ圧延率80〜90%で第2の冷間圧延を行った。
次いで、圧延板の表面における(JIS H0501の切断法による)平均結晶粒径が5μmより大きく且つ30μm以下になるように、合金の組成に応じて860〜1000℃の範囲内で調整した温度で1分間保持して、溶体化工程の加熱処理を行った。この加熱処理における温度と時間は、それぞれの実施例の合金の組成に応じて最適な温度と時間を予備実験により求め、決定した。
次いで、加熱処理後に、ソルトバスへの浸漬により、700℃の温度まで15℃/s以上の冷却速度で急冷してから、700℃の温度で52秒間保持した後、50℃/s以上の冷却速度で室温まで急冷(水冷)した。その後、450℃で2〜4時間の時効処理を行った。時効処理時間は、合金組成に応じて450℃の時効で硬さがピークになる時間に調整した。
次いで、圧延率15〜55%で仕上げ冷間圧延を行い、最後に425℃で1分間の低温焼鈍を行って、実施例1〜13の銅合金板材を得た。なお、必要に応じて途中で面削を行い、または、第2の冷間圧延工程で圧延率を80〜90%に調整して、銅合金板材の板厚を0.15mmに揃えた。製造条件を表2に示す。
次に、得られた各銅合金板材から試料を採取し、双晶境界密度、Cube方位粒の面積率、平均結晶粒径、導電率、強度(0.2%耐力)、曲げ加工性、耐応力緩和特性を、以下のように調べた。
圧延板材の表面を#1500耐水ペーパーで研磨したのち、表面に研磨ひずみを入れないために振動研磨法で仕上げ研磨し、その表面を、日本電子(株)製FESEM(電界放出形走査電子顕微鏡:Field Emission Scanning Electron Microscope)によるEBSP法により、CSL(対応粒界:Coincidence Site Lattice boundary)の分布図および結晶粒方位分マップ(OIM像)を測定した。Σ3対応粒界(双晶境界に相当)の密度(割合)は、
(Σ3対応粒界の長さの総和)/(粒界の長さの総和)×100(%)
で計算して求めた。また、結晶粒方位分布マップ(OIM像)より、{100}方位との方位差が10°以内にある方位を持つ結晶粒を抽出し、その面積率をCube方位の面積率として求めた。
平均結晶粒径は、圧延板表面を研磨したのちエッチングし、その面を光学顕微鏡で観察し、JIS H0501の切断法(双晶境界を含めない)で求めた。銅合金板材の導電率は、JIS H0505の導電率測定方法に従って測定した。
0.2%耐力としては、銅合金板材のLD(圧延方向)の引張試験用の試験片(JIS Z2241の5号試験片)をそれぞれ3個ずつ採取し、JIS Z2241に準拠した引張試験を行い、その平均値を求めた。
また、曲げ加工性を評価するために、銅合金板材から長手方向がLD(圧延方向)の曲げ試験片(幅10mm)とTD(圧延方向および板厚方向に対して垂直な方向)の曲げ試験片(幅10mm)をそれぞれ3個ずつ採取し、それぞれの試験片について、JIS H3110に準拠した90°W曲げ試験を行った。この試験後の試験片について、曲げ加工部の表面および断面を光学顕微鏡によって50倍の倍率で観察して、割れが発生しない最小曲げ半径Rを求め、この最小曲げ半径Rを銅合金板材の板厚tで除することによって、LDとTDのそれぞれのR/t値を求めた。LDおよびTDのそれぞれ3個の試験片のうち、それぞれ最も悪い結果の試験片の結果を採用した。
更に、各供試材から長手方向がTDの曲げ試験片(幅10mm)を採取し、試験片の長手方向における中央部の表面応力が0.2%耐力の80%の大きさとなるようにアーチ曲げした状態で固定した。なお、表面応力(MPa)は、6Etδ/L として求められる。ただし、Eは弾性係数(MPa)、tは試料の厚さ(mm)、δは試料のたわみ高さ(mm)である。この状態の試験片を大気中150℃の温度で1000時間保持した後の曲げ癖から、応力緩和率(%)を
(L−L)/(L−L)×100(%)
として算出した。ただし、Lは治具の長さ、すなわち試験中に固定されている試料端間の水平距離(mm)、Lは試験開始時の試料長さ(mm)、Lは試験後の試料端間の水平距離(mm)である。
以上のようにして調べた双晶境界密度、Cube方位結晶粒の面積率、平均結晶粒径、導電率、強度(0.2%耐力)、曲げ加工性、耐応力緩和特性の結果を表3に示す。
表3に示すように、本発明を適用した実施例1〜13は、いずれも900MPa以上の0.2%耐力、35%IACS以上の導電率、5%以下の応力緩和率、最小曲げ半径Rと板厚tの比R/tが1.5以下の曲げ加工性を有していた。また、図1および図2に示す光学顕微鏡組織写真からわかるように、双晶が極めて多く見られた。双晶境界を測定した結果、実施例1、2の双晶境界密度は、それぞれ73%、78%であった。
また、表1〜3に示すように、本発明の範囲を外れた比較例1〜8の板材を製造し、実施例1〜13と同様に、各板材の性質を調べた。
比較例1は、実施例1とほぼ同じ量のNiとCoを有し、Si量が過剰で、(Ni+Co)/Si=3.8となる組成であり、実施例1と同様の製造条件で製造した。得られた銅合金板材は、中間焼鈍後の導電率が低く、硬さの値が高くなった。その結果、図3に示すように双晶が少なく、最終の双晶境界密度、Cube方位粒の面積率ともに低くなった。また、Si量の過剰が原因で、時効処理中の析出物が少なく、結果的に導電率、0.2%耐力、曲げ加工性、耐応力緩和特性ともに、やや低い性能となった。
比較例2〜5は、実施例2と同じ組成で、中間焼鈍を行わない場合(比較例2)、または、溶体化処理工程の冷却途中に700℃での保温工程を行わない場合(比較例3〜5)であり、従来の製造方法で製造した銅合金板材である。
比較例2は、中間焼鈍工程を行わないことを除く製造条件は実施例2と同様であり、図4に示すように双晶が少なく、最終の双晶境界密度、Cube方位粒の面積率ともに低くなった。また、曲げ加工性および耐応力緩和特性の性能が低くなった。
比較例3は、中間焼鈍工程時の温度が低いこと、および溶体化処理工程の冷却途中に700℃での保温工程を行わないこと以外の製造条件は実施例2と同様であり、最終の双晶境界密度とCube方位粒の面積率とともに低くなった。溶体化処理工程における700℃での保温工程を省略したため、Co−Si系化合物が十分に析出せず、導電率、0.2%耐力、曲げ加工性、耐応力緩和特性ともに、性能が低くなった。
比較例4は、時効条件としてCo−Si系化合物の最適時効温度と考えられる500℃で6時間時効処理したこと以外は、比較例3と同様の製造条件で製造した。得られた銅合金板材のNi−Si系析出物が既に粗大化していたため、結果的に比較例3よりも導電率および0.2%耐力が高くなったが、本発明を適用した実施例の銅合金と比べると、特性が大幅に劣っていた。
比較例5は、時効条件としてCo−Si系析出物とNi−Si系化合物の最適時効温度の中間位置と考えられる475℃で8時間時効処理したこと以外は、比較例3と同様の製造条件で製造した。得られた銅合金板材は、比較例3および4よりも導電率と0.2%耐力のバランスが改善されたものの、同じ組成の実施例2と比べると、導電率以外の特性が大幅に劣っていた。
比較例6は、Niが1.46質量%、Coが2.46質量%、Siが0.82質量%、残部がCu及び不可避不純物からなる組成であり、この原料を溶製し、縦型半連続鋳造機を用いて鋳造して鋳片を得た。Coの添加量が2.0質量%を超え多過ぎたことにより、鋳造過程中に形成した粗大な晶出物が熱間圧延前の加熱中に固溶せず、熱延途中に激しく割れたため、その後の工程を中断した。
比較例7は、実施例2と同じ組成であり、中間焼鈍条件が異なること以外は実施例2と同様の製造条件で銅合金板材を製作した。導電率と0.2%耐力は良好であったが、中間焼鈍の温度条件が高すぎたために(前述の特許文献5の条件)、結果的に双晶境界密度とCube方位粒の面積率がともに低くなり、BWの曲げ加工性と耐応力緩和特性がともに悪くなった。
比較例8は、中間焼鈍、および、溶体化処理工程の冷却途中で700℃での保温工程を行わない場合であり、従来の製造方法で製造した銅合金板材である。なお、比較例8は、熱間圧延工程中に、析出物の粗大化を抑制するために、熱間終了温度を(圧延パス毎に、試料を900℃炉中に5min保持して)850℃以上とし、その後15℃/s以上で急冷した。更に、曲げ加工性の低下を抑制するために、時効処理後の仕上げ圧延を行わず、代わりに時効処理前(溶体化処理後)に圧延率50%の冷間圧延を行った。表2に示す製造条件以外は、実施例1と同様の製造条件で製造した。その結果、導電率、0.2%耐力と曲げ加工性は良好であったが、双晶境界密度が低くなり、耐応力緩和特性が悪くなった。
以上のように、比較例1〜8は、組成または製造条件が本発明の範囲を外れたことにより、本発明の銅合金板材の性能を具備することができず、いずれの比較例も、本発明を適用した実施例1〜13と比較して、特性が大きく劣っていることがわかった。
本発明は、高導電率、高強度、および優れた曲げ加工性と耐応力緩和特性を同時に備えた銅合金板材および銅合金板材の製造方法として適用できる。

Claims (12)

  1. 1.0〜3.5質量%のNi、0.5〜2.0質量%のCo、0.3〜1.5質量%のSiを含み、かつ、Co/Ni質量比が0.15〜1.5、(Ni+Co)/Si質量比が4〜7であり、残部がCuおよび不可避不純物からなる銅合金板材であって、
    圧延面において、EBSP測定による結晶粒界性格及び結晶方位の観察結果が、全結晶粒界中の双晶境界密度が40%以上、Cube方位結晶粒の面積率が20%以上であることを特徴とする、銅合金板材。
  2. Fe、Cr、Mg、Mn、Ti、V、Zr、Sn、Zn、AL、B、P、Ag、Beおよびミッシュメタルのうち、少なくとも1種以上を、合計2質量%以下の範囲で更に含むことを特徴とする、請求項1記載の銅合金板材。
  3. 板材表面において、JIS H0501の切断法を用いて、双晶境界を含まずに測定した平均結晶粒径が3〜60μmであることを特徴とする、請求項1または2に記載の銅合金板材。
  4. 0.2%耐力が900MPa以上、導電率が30%IACS以上であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の銅合金板材。
  5. 1.0〜3.5質量%のNi、0.5〜2.0質量%のCo、0.3〜1.5質量%のSiを含み、残部がCuおよび不可避不純物である組成を有する銅合金の原料を溶解して鋳造する溶解・鋳造工程と、
    前記溶解および鋳造工程の後に熱間圧延を行う熱間圧延工程と、
    前記熱間圧延工程の後に冷間圧延を行う第1の冷間圧延工程と、
    前記第1の冷間圧延工程の後に加熱温度500〜650℃で熱処理を行う中間焼鈍工程と、
    前記中間焼鈍工程の後に圧延率70%以上で冷間圧延を行う第2の冷間圧延工程と、
    前記第2の冷間圧延工程の後に溶体化処理を行う溶体化処理工程と、
    前記溶体化処理工程の後に400〜500℃で時効処理を行う時効処理工程とからなり、
    前記溶体化処理工程は、800〜1020℃での加熱工程、その後500〜800℃まで急冷する第1の急冷工程、500〜800℃で10〜600秒間保持する保温工程、その後300℃以下まで急冷する第2の急冷工程を有することを特徴とする、銅合金板材の製造方法。
  6. 前記中間焼鈍工程の際、前記中間焼鈍工程後の導電率が40%IACS以上、ビッカース硬さがHV150以下を満たすように、500〜650℃で0.1〜20時間熱処理を行うことを特徴とする、請求項5に記載の銅合金板材の製造方法。
  7. 前記溶体化処理工程後の平均結晶粒径を3〜60μmとすることを特徴とする、請求項5または6に記載の銅合金板材の製造方法。
  8. 前記時効処理工程の後に、圧延率10〜80%で冷間圧延を行う仕上げ冷間圧延工程を有することを特徴とする、請求項5〜7のいずれかに記載の銅合金板材の製造方法。
  9. 前記仕上げ冷間圧延工程の後に、150〜550℃で加熱処理を行う低温焼鈍工程を有することを特徴とする、請求項8に記載の銅合金板材の製造方法。
  10. 前記銅合金が、更にFe、Cr、Mg、Mn、Ti、V、Zr、Sn、Zn、AL、B、P、Ag、Beおよびミッシュメタルのうち、少なくとも1種以上を合計2質量%以下の範囲で含むことを特徴とする、請求項5〜9のいずれかに記載の銅合金板材の製造方法。
  11. 請求項1〜4のいずれかに記載の銅合金板材を材料として用いたことを特徴とする、電気・電子部品。
  12. 前記電気・電子部品が、コネクタ、ソケット、リードフレーム、リレーまたはスイッチであることを特徴とする、請求項11に記載の電気・電子部品。
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