JP2011230995A - 炭素材料複合化粒子及びその製造方法 - Google Patents

炭素材料複合化粒子及びその製造方法 Download PDF

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Misa Sato
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Abstract

【課題】 炭素材料が粒子表面に付着している炭素材料複合化粒子の製造方法において、炭素材料がより均一に複合化された複合化無機粒子及びその製造方法の提供。
【解決手段】 流動させる物体を収納する円筒状の筐体と、前記筐体内の下部に設置された攪拌手段とを有し、前記攪拌手段が、回転させることにより筐体内に収納される物体に上昇流を発生させるための上昇流攪拌羽根と、回転させることにより筐体内に収納される物体をせん断するためのせん断攪拌羽根とを少なくとも有する攪拌装置を用いて、
炭素材料と溶媒とを含有する分散液と、無機粒子と、を前記攪拌装置の筐体内に導入し前記攪拌手段により攪拌してペースト状物を調製する混合工程と、
調製した前記ペースト状物を攪拌しながら前記溶媒を蒸発させて乾燥させる攪拌乾燥工程と、
を有することを特徴とする、炭素材料複合化粒子の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、無機粒子の表面に炭素材料が複合化された炭素材料複合化粒子及びその製造方法に関する。
従来、粒子表面上にカーボンナノチューブを複合化したカーボンナノチューブ複合粒子が開発されてきた。これらの複合粒子は、その応用例は多数に及ぶが、例えば、複合化させて成形固化させたり(特許文献1)、リチウムイオン電池の負極活物質などとして応用されてきた。カーボンナノチューブ複合粒子の製造方法として、一又は複数種の粉体粒子とカーボンナノチューブを混合した状態で圧縮力とせん断力を付与して、粒子表面にカーボンナノチューブを固定又は複合化する方法が提案されている(特許文献2)。
国際公開WO2009/054309号 特開2005−014201号公報
前記複合化粒子の製造方法であっても、炭素材料自体が凝集性を有するため、混合中に炭素材料が塊状となってしまい、得られる複合化粒子に付着している炭素材料の量にバラツキが発生し、均一性が不十分であった。そこで、本発明は、炭素材料が粒子表面に付着している炭素材料複合化粒子の製造方法において、炭素材料がより均一に複合化された複合化無機粒子及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明(1)は、流動させる物体を収納する円筒状の筐体と、前記筐体内の下部に設置された攪拌手段とを有し、前記攪拌手段が、回転させることにより筐体内に収納される物体に上昇流を発生させるための上昇流攪拌羽根と、回転させることにより筐体内に収納される物体をせん断するためのせん断攪拌羽根とを少なくとも有する攪拌装置を用いて、
炭素材料と溶媒とを含有する分散液と、無機粒子と、を前記攪拌装置の筐体内に導入し前記攪拌手段により攪拌してペースト状物を調製する混合工程と、
調製した前記ペースト状物を攪拌しながら前記溶媒を蒸発させて乾燥させる攪拌乾燥工程と、
を有することを特徴とする、炭素材料複合化粒子の製造方法である。
本発明(2)は、前記無機粒子が、金属粒子であり、
前記分散液の溶媒が、アルコール、エーテル、ケトンからなる群から選ばれる一又は二種以上の溶媒であって、含水率が85%以下であることを特徴とする、前記発明(1)の製造方法である。
本発明(3)は、前記炭素材料がカーボンナノチューブであることを特徴とする、前記発明(1)又は(2)の製造方法である。
本発明(4)は、前記攪拌乾燥工程において、前記攪拌手段の上昇流攪拌羽根及びせん断攪拌羽根を回転させることにより発生する摩擦熱によって前記溶媒を蒸発させることを特徴とする、前記発明(1)〜(3)のいずれか一つの製造方法である。
本発明(5)は、前記攪拌乾燥工程において、外部から加熱することを特徴とする、前記発明(1)〜(4)のいずれか一つの製造方法である。
本発明(6)は、前記攪拌乾燥工程において、前記筐体内を減圧にすることを特徴とする、前記発明(1)〜(5)のいずれか一つの製造方法である。
本発明(7)は、前記混合工程において、前記粒子を前記攪拌手段により流動させながら、前記分散液を前記無機粒子に対して混合することを特徴とする、前記発明(1)〜(6)のいずれか一つの製造方法である。
本発明(8)は、前記混合工程において、更に溶媒を導入することを特徴とする、前記発明(1)〜(7)のいずれか一つの製造方法である。
本発明(9)は、前記混合工程において、前記ペースト状物の粘度を100Pa・s以下とすることを特徴とする、前記発明(1)〜(8)のいずれか一つの製造方法である。
本発明(10)は、前記攪拌乾燥工程後、炭素材料複合化粒子を水洗いすることを特徴とする、前記発明(1)〜(9)のいずれか一つの製造方法である。
本発明(11)は、前記発明(1)〜(10)のいずれか一つの製造方法により得られた炭素材料複合粒子を焼結することを特徴とする、炭素材料複合材料の製造方法である。
本発明(12)は、無機粒子と、前記無機粒子表面に複合化された炭素材料とを有し、
炭素材料複合化粒子中の炭素量(wt%)を測定した結果において、標準偏差/炭素量平均値の値が0.1以下であることを特徴とする、炭素材料複合化粒子である。
本発明(13)は、前記炭素材料複合化粒子が、
流動させる物体を収納する筐体と、前記筐体内の下部に設置された攪拌手段とを有し、前記攪拌手段が、回転させることにより筐体内に収納される物体に上昇流を発生させるための上昇流攪拌羽根と、回転させることにより筐体内に収納される物体をせん断するためのせん断攪拌羽根とを少なくとも有する攪拌装置を用いて、
炭素材料と溶媒とを含有する分散液と、無機粒子と、を前記攪拌装置の筐体内に導入し、前記攪拌手段により攪拌してペースト状物を調製し、前記ペースト状物を攪拌しながら前記溶媒を蒸発させて乾燥させることにより得られることを特徴とする、前記発明(12)の炭素材料複合化粒子である。
本発明(14)は、前記無機粒子が、金属粒子であり、
前記分散液の溶媒が、アルコール、エーテル、ケトンからなる群から選ばれる一又は二種以上の溶媒であって、含水率が85%以下であることを特徴とする、前記発明(12)又は(13)の炭素材料複合化粒子である。
本発明(15)は、前記炭素材料がカーボンナノチューブであることを特徴とする、前記発明(12)〜(14)のいずれか一つの炭素材料複合化粒子である。
本発明(16)は、前記発明(12)〜(15)のいずれか一つの炭素材料複合化粒子を焼結することにより得られる、炭素材料複合材料である。
ここで、本明細書において用いる各種用語について説明する。「炭素材料複合化粒子」とは、炭素材料(例えばカーボンナノチューブ)により表面が被覆されている粒子や、炭素材料が表面に付着している粒子や、粒子によって表面が被覆された炭素材料を含む、炭素材料と粒子とが構成に含まれる粒子状材料を意味する。「炭素材料複合材料」とは、炭素材料が、固体材料中に分散している塊状の材料を意味する。
本発明によれば、炭素材料の分散液を用いることにより凝集しやすい炭素材料を分散状態として、無機粒子と混合してペースト状物を調製する工程を経ることにより、炭素材料と無機粒子とが均一に混合される。更に、攪拌しながら溶媒を蒸発させて乾燥させることによって、無機粒子と炭素材料とが均一に複合化した炭素材料複合化粒子を得ることができる。また、使用する攪拌層装置が、上昇流攪拌羽根及びせん断攪拌羽根を有することにより、これらの攪拌羽根の組合せによって、炭素材料がより均一に複合化した無機粒子を得ることができる。
前記分散液の溶媒が、アルコール、エーテル、ケトンからなる群から選ばれる一又は二種以上の溶媒であって、含水率が85%以下であることによって、金属粒子の酸化を抑えることができるという効果を奏する。
本発明に係る炭素材料複合粒子を焼結することにより得られる炭素材料複合材料によれば、高い引張耐力、引張強度、引張延びを有する材料を得ることができる。
図1は、本発明に係る製造方法において使用する攪拌装置の概略構成図である。 図2は、上昇流攪拌羽根の一例を示す概略構成図である。 図3は、せん断攪拌羽根の一例を示す概略構成図である。 図4は、実施例5及び実施例6に係る複合化粒子をXRDにて測定した結果を示す図である。 図5は、酸化試験後のマグネシウム粒子をXRDにて測定した結果を示す図である。 図6は、実施例1〜4に係る複合化粒子の表面を観察した電子顕微鏡写真である。
以下、本発明に係る製造方法おいて使用する装置、材料について説明し、更に各工程について詳細に説明する。
まずは、本発明に係る製造方法において使用する攪拌装置について説明する。図1は、本発明に係る製造方法において使用する攪拌装置の概略構成図である。攪拌装置100は、流動させる物体を収納する円筒状の筐体110と、前記筐体内の下部に設置された攪拌手段120とを有する。筐体110は、その筐体の周辺を加熱する加熱手段111を有する。加熱手段としては、スチーム等の加熱流体が流動するジャケットや、筐体を電気的に加熱するヒータであってもよい。また、前記加熱手段の外部は保温材112により覆われていてもよい。
本発明に係る攪拌装置には、筐体内を減圧下に配するための減圧手段130を有していることが好適である。減圧手段としては特に限定されないが、例えば、真空ポンプが挙げられる。減圧手段は、配管131を介して筐体110に接続されている。
本発明において使用する前記攪拌手段は、回転させることにより筐体内に収納される物体に上昇流を発生させるための上昇流攪拌羽根(下羽根)123と、回転させることにより筐体内に収納される物体をせん断するためのせん断攪拌羽根(上羽根)121とを少なくとも有する。攪拌手段を構成する羽根は、例示として2つ用いた場合を示したが、これに限定されず、三以上の羽根を有していてもよい。
これらの上昇流攪拌羽根123及びせん断攪拌羽根121は回転軸125に接続されおり、当該軸125はモーターなどの回転手段127に接続されており、当該回転手段を回転させることにより、前記羽根が回転し筐体内部に配された物体Mを攪拌する。
上昇流攪拌羽根の形状は、特に限定されないが、例えば、回転軸を嵌合する回転軸中心部と、当該回転軸中心部から延伸した羽根部を有し、当該羽根部の末端が上向きに湾曲された構造を有する。当該羽根部の末端が上向きに湾曲されていることによって、前記筐体内に上昇流を発生させて、物体を筐体内で回転させる。また、上昇流攪拌羽根は、筐体の最底面に設置されることが好ましい。このように最底面に設置されることによって、筐体の下部に溜まった物体をかきあげて、上昇流を発生させるのでより均一に、炭素材料と粒子とが複合化する。
図2は、上昇流攪拌羽根の一例を示す概略構成図である。尚、上昇流攪拌羽根は、この態様に限定されず、具体的な一例として示す。上昇流攪拌羽根1230は、回転軸125に接続可能な回転軸接続部1231と、当該回転軸接続部の周囲に設けられた二つの攪拌羽根1233とを有する。攪拌羽根1233の一側面には、上昇流を発生させるためのエッジ部1235が形成されている。また、攪拌羽根の末端は、上向きに湾曲されている湾曲部1237を有することが好適である。
せん断攪拌羽根の形状は、筐体内部で攪拌することにより、ペースト状物など流動する物体とのせん断力が付加できれば特に限定されない。せん断攪拌羽根は、上昇流攪拌羽根の上部に設置されていることが好適である。このように上部に設置することにより上昇流攪拌羽根により発生した上昇流が、物体M上部に到達すると流れの方向を転換させて、再び底部へと流れを変化させる。このように底部へと流れを変化させた位置にせん断攪拌羽根が配されることによって、より均一に物体がせん断されて、均一に混合される。
図3は、せん断攪拌羽根の概略構成図である。尚、せん断攪拌羽根は、この態様に限定されないが、具体的な一例として示す。せん断攪拌羽根1210は、回転軸125に接続可能な回転軸接続部1211と、輪状支持体1213と、前記輪状支持体と回転軸接続部とを結合するための複数の接合支持体1215と、前記輪状支持体の外周に設けられた羽根1217とを有する。羽根1217の回転方向後部には、起流板1219が設けられていてもよい。ここでは羽根が4枚設けられている態様を示したが、この数には限定されず、例えば2枚であってもよいし、6枚であってもよい。尚、輪状支持体1213は、回転軸接続部1211に対して上方に配されるように構成することが好適である。このような配置にすることによってせん断しやすくなる。
当該攪拌装置内に流動させる物体Mを導入して、前記攪拌手段により攪拌することにより、上昇流攪拌羽根の回転によって上昇流Uが発生し物体全体を流動させてミキサー内で混合することができる。更に、攪拌手段を回転させることによって、流動している物体Mにせん断力を加えることができるため、当該せん断力により物体が好適に混合される。このように、上昇流及びせん断作用を組み合わせることにより、粒子と炭素材料分散液とが好適に混合されるため、得られる炭素材料複合化粒子が特に顕著に均一になる。
無機粒子
本発明において使用される無機粒子(粉体)として、素材には特に限定されないが、例えば、金属、無機酸化物、無機塩が挙げられる。本発明において使用される無機粒子の平均粒径は、特に限定されないが、例えば、0.1μm〜10mm程度が好適である。
金属としては、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、リチウム、アルミニウム、鉄、鋼鉄、銅、銀、金、パラジウム、ロジウム、白金、ニッケル、チタン又はこれらのうち二種類以上の金属からなる合金、ステンレス等が挙げられる。
無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム等が挙げられる。無機塩としては、石灰、ケイ酸塩、βリン酸三カルシウム(β‐TCP)、ハイドロキシアパタイト等のリン酸カルシウム等が挙げられる。
分散液
本発明において使用される分散液は、炭素材料と溶媒とを含有する。任意で分散剤が含有されていることが好適である。
本発明における炭素材料とは、無機系の炭素材料を意味し、より具体的には、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、ナノカーボンなどが挙げられる。これらの炭素材料の中でもナノカーボンが好適であり、ナノカーボンの中でもカーボンナノチューブが好適である。ここでいう「ナノカーボン」とは、1000nm以下の直径を有する炭素材料を意味し、例えば、カーボンナノチューブ(単層・二層・多層タイプ、カップスタック型)、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン又はフラーレンを挙げることができる。カーボンナノチューブとしては、シングルウォールカーボンナノチューブ(SWCNT)であっても、マルチウォールカーボンナノチューブ(MWCNT)であってもよい。カーボンナノチューブの長さは、0.1〜100μmが好適であり、0.1〜50μmがより好適であり、0.1〜20μmが更に好適である。カーボンナノチューブの直径は、5〜200nmが好適であり、8〜160nmがより好適であり、9〜120nmが更に好適である。尚、当該チューブの長さ、直径は、AFM(原子間力顕微鏡)を用いて、所定範囲内に存在する100個以上の構造体について測定し、90%以上の個数が入る範囲とする。
また、カーボンナノチューブの合成法も特に限定されず、いかなる合成方法、例えば、電気放電法(C.Journet et al., Nature 388, 756(1997)及びD.S. Bethune et al., Nature 363, 605(1993))、レーザー蒸着法(R.E.Smally et al., Science 273, 483(1996))、気相合成法(R.Andrews et al., Chem. Phys. Lett.,303,468, 1999)、熱化学気相蒸着法(W.Z.Li et al., Science, 274, 1701(1996)、Shinohara et al., Jpn.J.Appl.Phys. 37, 1257(1998))、プラズマ化学気相蒸着法(Z.F.Ren et al., Science. 282,1105(1998))等により製造されたものでもよい。尚、合成に際し金属触媒が用いられた粗生成物に関しては、酸で処理して金属触媒を除去することが好適である。酸処理に関しては、例えば、特開2001−26410記載のように、酸水溶液としては硝酸溶液又は塩酸溶液を用い、例えば、硝酸溶液は50倍の水に希釈された溶液を、塩酸溶液も50倍の水に希釈された溶液を使用する手法を挙げることができる。そして、このように酸処理した後、洗浄し、フィルタリングし、カーボンナノチューブ水溶液とする。
分散剤としては、特に限定されないが、例えば、リン脂質系界面活性剤、両性イオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等の界面活性剤、シクロデキストリン類といった包摂化合物を形成するホスト化合物、その他核酸やたんぱく質等の天然由来の高分子化合物等が挙げられる。「リン脂質系界面活性剤」とは、リン酸基を官能基とする陰イオン性界面活性剤・両性イオン界面活性剤であり、リン脂質(グリセロリン脂質、スフィンゴリン脂質の両方を含む)及び改質リン脂質(例えば、水素添加リン脂質、リゾリン脂質、酵素変換リン脂質、リゾホスファチジルグリセロール、他の物質との複合体)のいずれでもよい。このようなリン脂質は、生物を構成する細胞の種々の膜系、例えば原形質膜、核膜、小胞体膜、ミトコンドリア膜、ゴルジ体膜、リソソーム膜、葉緑体膜、細菌細胞膜に存在し、好適には、リポソームの調製に用いられるリン脂質が好適である。具体的には、例えば、ホスファチジルコリン{例えば、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトリルホスファチジルコリン(DPPC)}、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジルコリン、スフィンゴミエリンを挙げることができる。特に好適な界面活性剤は、両性イオン界面活性剤である。両性イオン界面活性剤としては、四級アンモニウム塩基/スルホン酸基(−SOH)タイプ、四級アンモニウム塩基/リン酸酸基タイプ(水に可溶)、四級アンモニウム塩基/リン酸酸基タイプ(水に不溶)、四級アンモニウム塩基/カルボキシル基タイプの両性イオン界面活性剤が挙げられる。尚、前記の酸基は塩であってもよい。特に、前記の両性イオン界面活性剤が一分子中に+と−の両電荷を有することが好適であり、前記の酸基の酸解離定数(pKa)が、5以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましく、3以下であることが更に好ましい。具体的には、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアミノ]−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(CHAPSO)、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアミノ]−プロパンスルホン酸(CHAPS)、N,N−ビス(3−D−グルコナミドプロピル)−コラミド、n−オクタデシル−N,N’−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスルホン酸、n−デシル−N,N’−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスルホン酸、n−ドデシル−N,N’−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスルホン酸、n−テトラデシル−N,N’−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスルホン酸{Zwittergent(商標)−3−14}、n−ヘキサデシル−N,N’−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスルホン酸、n−オクタデシル−N,N’−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスルホン酸等のアンモニウムスルホベタイン類、n−オクチルホスホコリン、n−ノニルホスホコリン、n−デシルホスホコリン、n−ドデシルホスホコリン、n−テトラデシルホスホコリン、n−ヘキサデシルホスホコリン等のホスホコリン類、ジラウロイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジリノレオイルホスファチジルコリン等のホスファチジルコリン類が挙げられる。尚、溶媒としては特に限定されないが、取扱や分散の容易から、特に水が好ましい。
本発明において溶媒は、特に限定されないが、例えば水系溶媒や、有機溶媒が挙げられる。
本発明において用いられる水系溶媒とは、水又は水と親水性溶媒(例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン、2−ブタノン(MEK)等のケトン類、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)等のアミド類、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類、が挙げられる。)との混合液を意味する。
有機溶媒は、特に限定されないが、例えば、芳香族炭化水素類であるトルエン、ベンゼン、キシレン、スチレン、エチルベンゼン、塩化芳香族炭化水素類であるクロルベンゼン、オルト−ジクロルベンゼン、塩化脂肪族炭化水素類である塩化メチレン、クロロホルム(トリクロルメタン)、四塩化炭素(テトラクロルメタン)、1,2−ジクロルエタン、1,1,1−トリクロルエタン、1,1,2,2−テトラクロルエタン、1,2−ジクロルエチレン、トリクロルエチレン、トラクロルエチレン(パークロルエチレン)、アルコール類であるメタノール(メチルアルコール)、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、イソペンチルアルコール(イソアミルアルコール)、ブチルアルコール、シクロヘキサノール、エステル類である酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル(酢酸アミル)、酢酸イソペンチル(酢酸イソアミル)、エーテル類であるエチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ケトン類であるアセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホン、グリコールエーテル(セロソルブ)類であるエチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(セロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(セロソルブアセテート)、脂環式炭化水素類並びにその誘導体であるシクロヘキサン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、脂肪族炭化水素類であるノルマルヘキサン、脂肪族又は芳香族炭化水素の混合物であるガソリン、ベンジン、ゴム揮発油、大豆揮発油、ミネラルスピリット、クリーニングソルベント、コールタールナフサ(沸点範囲120〜160℃、120〜180℃、140〜200℃)、石油エーテル、石油ナフサ、石油ベンジン、ミネラルスピリット、脂環族炭化水素(テレビン油)、混合炭化水素(HAWS、ソルベット100、ソルベット150)、グリコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カービトール、ブチルカービトール、メトキシブタノール)及びエステルエーテル類(酢酸セロソルブ、酢酸ブチルセロソルブ、酢酸カービトール、酢酸メトキシブチル)、シリコーンオイル類(ポリジメチルシロキサン、部分オクチル置換ポリジメチルシロキサン、部分フェニル置換ポリジメチルシロキサン)、ハロゲン化炭化水素(クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルム、ブロモベンゼン、ジクロロメタン、トリクロロメタン)、フッ素化物類、その他であるクレゾール、二硫化炭素、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。またこれらを2種以上混合してもよい。これらの溶剤の中でも、分散性と除去・回収の容易性から、メチルエチルケトン、トルエンが好適である。
ここで、粒子が金属粒子である場合、溶媒は、アルコール、エーテル、ケトンからなる群から選ばれる一又は二種以上のものであることが好適である。このような溶媒を選択することによって、金属の酸化を防止することができる。
ここで前記アルコールとしては、特に限定されないが、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、ブタノール等が挙げられる。エーテルとしては、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン等が挙げられる。ケトンとしては、アセトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
当該溶媒の含水率は85%以下が好適であり、50%以下がより好適であり、40%以下が更に好適である。含水率を低めることによって、粒子として金属粒子を用いた場合、当該金属の表面が酸化されにくくなる。
尚、本発明に係る分散液中に含まれる炭素材料の濃度は、0.2〜50wt%が好適であり、0.5〜20wt%がより好適であり、1〜10wt%が更に好適である。また、分散剤成分の炭素材料に対する重量比は、0.01〜100が好適であり、0.05〜20がより好適であり、0.1〜10が更に好適である。
本発明に係る製造方法を前記の攪拌装置を用いた例をとり説明する。本発明に係る製造方法は、攪拌装置を用いて、炭素材料分散液と、無機粒子とを混合してペースト状物を調製する混合工程と、前記ペースト状物を攪拌しながら溶媒を蒸発させて乾燥させる攪拌乾燥工程とを経て、炭素材料複合化粒子を製造する方法である。また、任意で、炭素材料以外の添加剤を追加する工程や、分散剤を洗い流す洗浄工程を有していてもよい。
混合工程
混合工程において、先述の攪拌装置を用いて、炭素材料分散液と無機粒子とを混合してペースト状物を調製する。当該工程において炭素材料分散液を使用することによって、カーボンナノチューブの場合を例にとり説明すれば、粉状のカーボンナノチューブを用いた場合と比較して、カーボンナノチューブの凝集が少なく、更に混合の工程で一旦ペースト状物とすることによって、更にカーボンナノチューブの凝集が起こり難い条件に配することが可能であるため、結果的にカーボンナノチューブが均一に複合化した粒子を得ることが可能となる。
ここで、炭素材料分散液と、無機粒子とを混合する際に、はじめに無機粒子を攪拌装置の筐体内に入れて攪拌手段により攪拌する。粒子を攪拌しながら炭素材料分散液を当該筐体内にゆっくりと入れることにより、粉体が凝集体や凝集物(いわゆる、ダマ)になりにくくなり、均一なペースト状物を得ることができる。また、炭素材料分散液を加えても十分な流動性を有しない場合には、更に溶媒を添加して当該ペースト状物に流動性をもたせてもよい。
ここで、混合工程において調製するペースト状物の粘度は、100Pa・s以下であることが好適であり、50Pa・s以下であることがより好適であり、10Pa・s以下であることが更に好適である。下限は限定されず、粘性測定が困難な程度の液体状であってもよいが、例えば、0.01Pa・sである。但し、液体状になるまで溶媒を加えてしまうと、後述する乾燥工程において溶媒を蒸発させるために多くの時間とエネルギーを費やすこととなってしまうので、作業効率の観点からは好ましくない。
攪拌乾燥工程
攪拌乾燥工程において、混合工程において調製したペースト状物を攪拌しながら、ペースト状物に含まれる溶媒を蒸発させて乾燥させる。このように攪拌乾燥工程を有することにより、攪拌しながら溶媒を揮発させることによって、炭素材料と無機粒子とを均一に複合化することが可能となる。この際、攪拌装置の攪拌羽根を高速で回転させることにより発生する摩擦熱によって溶媒を揮発させることも可能である。このように揮発させることによって製造の際に使用するエネルギーを最小限に抑えることができると共に、羽根の回転によりせん断力を受けながら溶媒が蒸発するため、炭素材料が凝集し難くなり、結果的に均一な複合化粒子を得ることができる。当該攪拌乾燥工程において、例えば、攪拌装置の加熱手段等によって外部から加熱してもよい。加熱することによって、より迅速に溶媒を蒸発させることができるため好適である。
本工程において、筐体内を減圧にすることが好適である。減圧は、例えば、攪拌装置の減圧手段によって行なうことができる。このように、減圧にすることによって、溶媒の沸点が低くなるため、混合物の温度を低く保つことができるので、粒子が熱に弱い材料であったとしても、粒子の性質をほとんど変化させることなく処理することができる。
当該工程によりペースト状物から溶媒が蒸発すると、炭素材料複合化粒子を得ることができる。ここで得られる炭素材料複合化粒子は、当該製造方法により製造されるため、炭素材料が均一に粒子と複合化している。本発明において得られる複合化粒子は、炭素材料により無機粒子が被覆されている態様が好適である。
洗浄工程
攪拌乾燥工程後、炭素材料複合粒子を水洗いする洗浄工程が含まれていることが好適である。当該工程において水洗いすることにより、複合化粒子に付着した分散剤を除去することができるので、当該炭素材料複合化粒子を焼結した際に得られる複合材料の強度が増す。
本発明に係る無機粒子は、燃焼赤外線吸収法による測定方法において、試料内で、任意の3又は5箇所の試料を採取して、試料中に含まれる炭素量(wt%)の測定を行った結果、これらの値の標準偏差/炭素量平均値が0.1以下であることが好適であり、0.05以下がより好適であり、0.03以下が更に好適である。下限値は特に限定されないが例えば、0.001である。このような値を有することにより、均一に炭素材料が複合化した炭素材料複合化粒子となる。
本発明に係る製造方法により得られる炭素材料複合化粒子は、例えば、混練等のプロセスを経て、押出・プレス等の加工を行ったのち、各種成形品として強化材料、導電性材料等に使用することができる。
炭素材料複合材料
炭素材料複合化粒子を焼結することによって、炭素材料複合化材料を得ることができる。本発明に係る方法により製造された炭素材料複合化粒子を用いた場合、炭素材料が均一に粒子と複合化しているため、高い強度を有する複合材料が得られる。
炭素材料複合材料は、炭素材料複合化微粒子を焼結して、押し出し成形することが好適である。これにより、高い強度を有する複合材料を得ることができる。焼結方法は特に限定されないが、例えば、放電プラズマ焼結(SPS)により行なうことが好適である。この際、真空雰囲気中(減圧雰囲気中)で、加熱・プレスすることが好適である。押出成形方法に関しては、特に限定されないが、焼結体ビレットを不活性ガス中で加熱保持した後、直ちに熱間押出加工を施すことが好適である。
(実施例1〜4)
チタン粒子2400gと、カーボンナノチューブ(CNT:昭和電工製VGCF−S、10wt%)と3−(N,N−ジメチルテトラデシルアンモニオ)プロパンスルホネート(Fluka社製分散剤)1.44wt%を含む分散液960gと、水2081gを、円筒状の筐体とその中に設けられた上昇流攪拌羽根とせん断攪拌羽根とが備えられたヘンシェルミキサーFM20BX(日本コークス工業製)に投入し、600rpmで30秒攪拌した。その際のペーストの粘度は9.5Pa・sであった(測定機器:東機産業製TVC−5型粘度計、ロータ:4号、回転数20rpm、測定温度:常温25℃)。スチームを筐体表面を覆うジャケット内に導入して加熱すると同時に、60mmHgまで減圧を行った。更に攪拌しながら水を蒸発させて水が除去された後、CNTが複合化されたチタン粒子を取り出して、実施例1に係る複合粒子を得た。カーボンナノチューブの濃度を1wt%とした以外は実施例1と同様にして、実施例2に係る複合粒子を得た。分散剤を除去する目的で、実施例1及び2に係る複合粒子を不活性ガス雰囲気下で600℃にて処理して、実施例3及び4に係る複合粒子を得た。又、カーボンナノチューブ複合化粒子に含まれる炭素量(wt%)を、燃焼赤外線吸収法でLECO社製CS−200−SC−144DR型により測定した。同一サンプル内でサンプリングする箇所を変えて5回測定し、そのバラツキを評価した。結果は表2に示した。これから、標準偏差/炭素量平均値はいずれも低く、サンプル内でバラツキが少ないことが分かった。また、実施例1〜4の表面を電子顕微鏡にて確認した(図6)。これらの結果より、不活性ガス雰囲気下で600℃で加熱することによって、分散剤が除去されている様子が観測された。
(均一性評価試験)
均一性評価試験においては、試料500g中における、5mm以上の凝集塊の個数で判断した。凝集塊数が0個のものを○、5個未満のものを△、5個以上のものを×とした。
(比較例1〜3)
カーボンナノチューブ分散液の代わりにカーボンナノチューブの粉体を用いて、当該粉体をチタン粒子に対して、0.2wt%(比較例1)、0.4wt%(比較例2)、0.6wt%(比較例3)加えたことを除いて、実施例1と同様の条件で複合粒子を製造した。
(実施例5,6:酸化試験)
実施例5においては、チタン粒子の代わりに、マグネシウム粒子を用い、溶媒としてイソプロピルアルコールを用いて、乾燥温度を80℃又は500℃で行なった以外は実施例1と同様の条件で複合化粒子を製造した。実施例6においては、溶媒として水を用いた以外は実施例5と同様の条件で複合化粒子を製造した。実施例5及び実施例6において得られた炭素材料複合化粒子をXRDにて観察した。結果を図4に示した。溶媒としてイソプロピルアルコールを用いた実施例5においては、MgO及びMg(OH)のシグナルは観察されないが、溶媒として水を用いた実施例6においては、500℃で乾燥した場合、MgOのシグナルが、80℃で乾燥した場合、Mg(OH)のシグナルが観測された。
マグネシウム粒子を、25%イソプロピルアルコール(含水率75%)、50%イソプロピルアルコール(含水率75%)、75%イソプロピルアルコール(含水率25%)、キシレン、シクロヘキサン、酢酸エチルと混合し、130℃にて3時間乾燥させた。得られた粉体をXRDにて観察した。結果を図5に示した。どの溶媒を用いても明確な水酸化物のピークは検出されなかった。但し、25%イソプロピルアルコール(含水率75%)、50%イソプロピルアルコール(含水率75%)においては、水酸化物と思われるピークが若干現れているように見えなくもないが、全ての場合においてマグネシウム粒子は酸化されていなかった。
(実施例7,8、比較例4〜7:複合材料)
複合粒子を下記の焼結条件(1.)及び押出条件(2.)で処理して、実施例7,8、比較例4〜7の複合材料を製造した。ここで、実施例7では実施例3の粒子を用いて、実施例8では実施例4の粒子を用いて、比較例4ではチタン粒子単体を用いて、比較例5では比較例1の粒子を用いて、比較例6では比較例2の粒子を用いて、比較例7では比較例3の粒子を用いて、複合材料を製造した。
1.CNT被覆チタン粉末の焼結条件
上記の粉末をカーボン型(内径40mm)に充填し,これを放電プラズマ焼結(SPS)装置にセットし、真空雰囲気(真空度6Pa)中で加圧(30MPa)、加熱(温度;800℃、保持時間;30分)することで直径40mm、全長約30mmの円柱状焼結体ビレットを作製した。
2.CNT分散チタン焼結ビレットの押出条件
上記の焼結体ビレットをアルゴンガス中で1000℃にて5分間、加熱保持した後、直ちに熱間押出加工を施すことで直径7mm、全長約700mmの棒材を作製した。その際、ビレットを投入するコンテナの内径は42mm、ダイス内径は7mm、コンテナとダイスの温度は共に400℃とした。
引張耐力、引張強度、引張延び試験
平行部の長さが20mm、直径3mmの引張試験片を採取し、これを常温にて歪速度5×10‐4/sの条件で引張試験を行った。当該試験から、引張耐力(YS:MPa)、引張強度(TS:MPa)、引張延び(Elongation:%)を求めて、結果を表3に示した。
本発明に係る炭素材料複合化粒子によれば、カーボンナノチューブ金属複合材料等の炭素材料金属複合材料等に応用することが可能である。
100:攪拌装置
110:筐体
111:加熱手段加熱手段
112:保温材
120:攪拌手段
121:せん断攪拌羽根
123:上昇流攪拌羽根
125:回転軸
127:回転手段
130:減圧手段
131:配管
1210:せん断攪拌羽根
1211:回転軸接続部
1213:輪状支持体
1215:接合支持体
1217:羽根
1219:起流板
1230:上昇流攪拌羽根
1231:回転軸接続部
1233:攪拌羽根
1235:エッジ部
1237:湾曲部
M:物体
U:上昇流

Claims (16)

  1. 流動させる物体を収納する円筒状の筐体と、前記筐体内の下部に設置された攪拌手段とを有し、前記攪拌手段が、回転させることにより筐体内に収納される物体に上昇流を発生させるための上昇流攪拌羽根と、回転させることにより筐体内に収納される物体をせん断するためのせん断攪拌羽根とを少なくとも有する攪拌装置を用いて、
    炭素材料と溶媒とを含有する分散液と、無機粒子と、を前記攪拌装置の筐体内に導入し前記攪拌手段により攪拌してペースト状物を調製する混合工程と、
    調製した前記ペースト状物を攪拌しながら前記溶媒を蒸発させて乾燥させる攪拌乾燥工程と、
    を有することを特徴とする、炭素材料複合化粒子の製造方法。
  2. 前記無機粒子が、金属粒子であり、
    前記分散液の溶媒が、アルコール、エーテル、ケトンからなる群から選ばれる一又は二種以上の溶媒であって、含水率が85%以下であることを特徴とする、請求項1記載の製造方法。
  3. 前記炭素材料がカーボンナノチューブであることを特徴とする、請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 前記攪拌乾燥工程において、前記攪拌手段の上昇流攪拌羽根及びせん断攪拌羽根を回転させることにより発生する摩擦熱によって前記溶媒を蒸発させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項記載の製造方法。
  5. 前記攪拌乾燥工程において、外部から加熱することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項記載の製造方法。
  6. 前記攪拌乾燥工程において、前記筐体内を減圧にすることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項記載の製造方法。
  7. 前記混合工程において、前記粒子を前記攪拌手段により流動させながら、前記分散液を前記無機粒子に対して混合することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項記載の製造方法。
  8. 前記混合工程において、更に溶媒を導入することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項記載の製造方法。
  9. 前記混合工程において、前記ペースト状物の粘度を100Pa・s以下とすることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項記載の製造方法。
  10. 前記攪拌乾燥工程後、炭素材料複合化粒子を水洗いすることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項記載の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項記載の製造方法により得られた炭素材料複合粒子を焼結することを特徴とする、炭素材料複合材料の製造方法。
  12. 無機粒子と、前記無機粒子表面に複合化された炭素材料とを有し、
    炭素材料複合化粒子中の炭素量(wt%)を測定した結果において、標準偏差/炭素量平均値の値が0.1以下であることを特徴とする、炭素材料複合化粒子。
  13. 前記炭素材料複合化粒子が、
    流動させる物体を収納する筐体と、前記筐体内の下部に設置された攪拌手段とを有し、前記攪拌手段が、回転させることにより筐体内に収納される物体に上昇流を発生させるための上昇流攪拌羽根と、回転させることにより筐体内に収納される物体をせん断するためのせん断攪拌羽根とを少なくとも有する攪拌装置を用いて、
    炭素材料と溶媒とを含有する分散液と、無機粒子と、を前記攪拌装置の筐体内に導入し、前記攪拌手段により攪拌してペースト状物を調製し、前記ペースト状物を攪拌しながら前記溶媒を蒸発させて乾燥させることにより得られることを特徴とする、請求項12記載の炭素材料複合化粒子。
  14. 前記無機粒子が、金属粒子であり、
    前記分散液の溶媒が、アルコール、エーテル、ケトンからなる群から選ばれる一又は二種以上の溶媒であって、含水率が85%以下であることを特徴とする、請求項12又は13記載の炭素材料複合化粒子。
  15. 前記炭素材料がカーボンナノチューブであることを特徴とする、請求項12〜14のいずれか一項記載の炭素材料複合化粒子。
  16. 請求項12〜15のいずれか一項記載の炭素材料複合化粒子を焼結することにより得られる、炭素材料複合材料。
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