JPH1025501A - 複合粉末の製造方法及び該方法により製造された複合粉末 - Google Patents

複合粉末の製造方法及び該方法により製造された複合粉末

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JPH1025501A
JPH1025501A JP18060196A JP18060196A JPH1025501A JP H1025501 A JPH1025501 A JP H1025501A JP 18060196 A JP18060196 A JP 18060196A JP 18060196 A JP18060196 A JP 18060196A JP H1025501 A JPH1025501 A JP H1025501A
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graphite
graphite powder
metal
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JP18060196A
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Kojiro Ishikawa
幸治郎 石川
Nobuhiro Tsuji
宣浩 辻
Hiroshi Watanabe
弘志 渡辺
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Nippon Graphite Industries Ltd
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Nippon Graphite Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 黒鉛粉末と金属粉又は酸化金属粉との混合に
おいて、黒鉛粉末の偏析がなく、黒鉛粉末が均一に被覆
された複合粉末を製造する。 【解決手段】 平均粒径0.1〜100μmの黒鉛粉末
を液体中に分散させ、この分散液中の黒鉛粉末と、平均
粒径5〜1000μmの金属粉又は酸化金属粉とを、最
大値が0.01〜1000kgf/cm 2の静止圧力を
加えた状態で摩擦混合して、金属粉又は酸化金属粉の表
面に黒鉛粉末を均一に被覆する。得られた複合粉末は、
黒鉛の飛散がなく、かつ流動性、導電性、成型性等に優
れた粉末である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一次電池、二次電池及
び粉末冶金部品に利用できる金属粉又は酸化金属粉の表
面に、黒鉛粉末を均一に被覆した複合粉末に関し、特
に、このような複合粉末を一度に多量に得る製造方法及
び該製造方法にて得られた複合粉末に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】黒鉛粉末は、導電性、潤滑性、耐熱性及
び耐薬品性に優れた特性を有しており、広範囲な分野で
使用されている。これらの分野の中で、一次電池の正極
合剤の導電材として、黒鉛粉末を使用する場合には、正
極活物質と導電材としての黒鉛粉末とを混合し、これを
成型して使用される。
【0003】この際、正極活物質に比べて黒鉛粉末の見
掛け密度が非常に低く、比重差が大きいために、従来よ
りのV型ブレンダーや攪拌ニーダー、或いはミキサーに
よる乾式混合法では均一に混合することが困難である。
また、混合の際にかなりの粉塵が発生する。作業環境面
の配慮から、集塵機等の粉塵を除去する装置を備え付け
て作業を行うと、混合する際に、比較的比重の小さい黒
鉛粉末が飛散し、黒鉛粉末だけが集塵機に吸われてしま
う。このような場合、正極活物質と導電材としての黒鉛
粉末との配合比が変わり、成型性、導電性及び電池性能
上にも悪影響を及ぼす。
【0004】また、配合比が変わらなくても、正極活物
質と黒鉛粉末が均一に混合されなければ、電気化学的な
還元反応に関与しない正極活物質同士の接触点が増加す
る。すると、電池内部抵抗が増大して、正極合剤全体と
して正極活物質の利用効率が向上しないため、電池とし
て高負荷に耐えられない、寿命が短い等の問題が生じて
しまう。
【0005】また、リチウム二次電池の正極合剤の導電
材として黒鉛粉末を使用する場合には、正極活物質と黒
鉛粉末とを液体中にて懸濁させて、アルミニウム箔に塗
布して使用している。この場合、作業中の黒鉛粉末の飛
散は抑えられるが、黒鉛粉末の均一化は困難であり、前
述のような問題が発生する。
【0006】粉末冶金部品においても、比重の大きい金
属粉と比重の小さい黒鉛粉末とを混合する際には、偏析
が最も大きな問題となる。また、混合時だけでなく、混
合粉を次の工程に送る際に、金属粉と黒鉛粉末とが振動
等によっても上下に分離するし、混合粉を金型に充填す
るときなども上下に分離するという問題がある。混合粉
中で黒鉛粉末が偏析していれば、圧縮成型性が悪くな
り、また、歩留まりも悪くなり、生産効率の低下の原因
となる。
【0007】このような問題を解決するための方法とし
て、粉末冶金の分野では、黒鉛粉末の表面にワックス処
理を施す方法が考えられている。この方法によれば、黒
鉛粉末の飛散の問題、偏析の問題はいくらか改善される
が、なお十分ではない。また、本来なら不必要なワック
ス等を使うため、コスト的な問題も残されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題を解決し、金属粉又は酸化金属粉の表面に黒鉛粉
末を均一に被覆した複合粉末を、一度に多量に低コスト
で得る製造方法、及び該製造方法にて得られた、流動
性、導電性及び成型性に優れた複合粉末を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意研究した結果、金属粉又は酸化金
属粉と黒鉛粉末が均一に混じり合うためには、単に金属
粉又は酸化金属粉と黒鉛粉末とを乾式混合法で混合する
のではなく、黒鉛粉末を液体中に分散させ、該液体中に
金属粉又は酸化金属粉を作用させて、金属粉又は酸化金
属粉の表面に黒鉛粉末を均一に被覆すればよいというこ
とを見出した。さらに、本発明者らは、金属粉又は酸化
金属粉に、小さい粒径から大きい粒径の順に黒鉛粉末を
被覆した複合粉末を利用することにより、より成型性、
導電性を向上させ、高性能な一次電池、二次電池及び粉
末冶金部品ができることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明では、平均粒径0.1〜1
00μmの黒鉛粉末を液体中に分散させ、この分散液中
の前記黒鉛粉末と平均粒径5〜1000μmの金属粉又
は酸化金属粉とを接触又は衝突させ、前記黒鉛粉末を前
記金属粉又は酸化金属粉の表面に被覆して、複合粉末を
製造する。接触又は衝突させる方法としては、種々の方
法を用いることができ、黒鉛粉末が金属粉等の表面を被
覆するような手段で、両粉末を作用させる方法であれ
ば、特に問題はない。例えば、黒鉛粉末を分散させた分
散液に0.01〜1000kgf/cm2 の圧力を加え
た状態で、黒鉛粉末を金属粉又は酸化金属粉と接触又は
衝突させ、該金属粉又は酸化金属粉の表面に黒鉛粉末を
均一に被覆する方法である。また、具体的には、本発明
では、黒鉛粉末の分散液と金属粉又は酸化金属粉とを容
器中に入れて、黒鉛粉末と、金属粉又は酸化金属粉と
を、最大値が0.01〜1kgf/cm2 の静止圧力を
加えた状態にして、摩擦混合する。この場合、容器とし
ては、ボールミル、サンドミル、アトライタ等の粉砕
機、分散機等を使うことができる。
【0011】或いはまた、本発明の複合粉末の製造方法
では、黒鉛粉末の分散液中に金属粉又は酸化金属粉を入
れて懸濁させ、この懸濁液を均一に保ちながら、懸濁液
同士を10〜1000kgf/cm2 の射出圧力で衝突
させる。
【0012】或いは、本発明の複合粉末の製造方法で
は、黒鉛粉末の分散液と、金属粉又は酸化金属粉の分散
液とを、10〜1000kgf/cm2 の射出圧力で衝
突させてやる。
【0013】即ち、本発明の複合粉末の製造方法の特徴
は、黒鉛粉末を液体中に分散させ、該分散液中に金属粉
又は酸化金属粉を接触又は衝突させて、該金属粉又は酸
化金属粉の表面に黒鉛粉末を均一に被覆することであ
る。この際、上記黒鉛粉末の平均粒径は0.1〜100
μmであり、上記金属粉又は酸化金属粉の平均粒径は5
〜1000μmであることが好ましく、これらの黒鉛粉
末と金属粉又は酸化金属粉とを用いることにより、金属
粉又は酸化金属粉の表面に黒鉛粉末を均一に被覆した複
合粉末を製造することが可能となる。本発明の複合粉末
は、カルボキシメチルセルロース樹脂やフッ素樹脂等の
接着剤を必要とせず、液体中に黒鉛粉末を分散させ、金
属粉又は酸化金属粉を作用させるだけの簡単な装置で、
一度に多量に、低コストで製造することができ、工業的
規模の製造方法に適した複合粉末である。
【0014】本発明において用いる黒鉛粉末としては、
天然鱗状黒鉛粉末、人造黒鉛粉末、土状黒鉛粉末、膨張
黒鉛粉末、また用途によっては、カーボンブラックも利
用することができる。
【0015】また、これらの黒鉛粉末等は、平均粒径が
0.1〜100μmのものである。平均粒径が0.1μ
m未満の黒鉛粉末は、工業的に量産することが困難であ
り、仮に工業的に生産できたとしても、非常に高コスト
になり、適切でない。また、平均粒径が100μmを超
える黒鉛粉末は、金属粉又は酸化金属粉の表面に均一に
被覆することができず、不可である。
【0016】次に、本発明で用いる金属粉又は酸化金属
粉としては、使用する目的に応じて、種々の金属又は酸
化金属を用いることができる。これらのうち、金属粉と
しては、鉄粉、銅粉、ニッケル粉、銀粉、亜鉛粉、スズ
粉等が挙げられ、酸化金属粉としては、二酸化マンガ
ン、酸化銀、酸化亜鉛、酸化スズ等が挙げられる。
【0017】これらの金属粉又は酸化金属粉は、平均粒
径が5〜1000μmのものである。5μm未満の平均
粒径の金属粉又は酸化金属粉は、前記の黒鉛粉末と同様
に、工業的生産が困難であり、複合粉末としても工業的
に量産することが困難である。また1000μmを超え
る平均粒径の金属粉又は酸化金属粉は、一次電池、二次
電池、粉末冶金の分野での利用価値が乏しく、実用的で
ない。
【0018】また、本発明で用いる液体としては、水を
用いて被覆処理を行うことが好ましいが、悪影響を及ぼ
さなければ、有機溶剤も使用することができる。有機溶
剤としては、メタノール、メチルエチルケトン、イソプ
ロピルアルコール、エタノール、キシレン、プロピレン
グリコールモノメチルエーテル等を問題なく用いること
ができる。
【0019】黒鉛粉末分散液中の黒鉛粉末の量は、1〜
30重量%が好ましい。黒鉛粉末の添加量が1重量%未
満では、黒鉛粉と金属粉或いは酸化金属粉との接触又は
衝突が十分でないため適切でない。また、黒鉛粉末の添
加量が30重量%を超えると、分散液の粘度が高くなり
すぎ、均一性に問題があり、好ましくない。
【0020】分散液及び懸濁液の金属粉又は酸化金属
粉:黒鉛粉末の重量比は、99:1〜65:35が好ま
しい。この重量比が99:1未満の黒鉛粉末だと、金属
粉等の量に対して被覆する黒鉛粉末の量が少なく、均一
に被覆することができないため適切でない。また、この
重量比が65:35を超える黒鉛粉末では、その数量か
らして十分すぎ、遊離している黒鉛粒子が多くなるた
め、好ましくない。
【0021】本発明で黒鉛粉末を金属粉等に被覆するた
めに、これらの粉末に加える圧力は、0.01〜100
0kgf/cm2 である。本発明の一例で、ボールミル
等の混合機を用いる場合、この圧力は、0.01〜1k
gf/cm2 に設定する。この圧力は、これらの混合機
に添加した各粉末及び液体の全重量で規定される。混合
機の底部にある黒鉛粉末と金属粉又は酸化金属粉には、
これらの添加した各成分の全重量で示される力がかか
る。この本発明の例では、この全重量を混合機の底面積
で割った値を静止圧力とし、この圧力を加えた状態の黒
鉛粉末と金属粉又は酸化金属粉とを混合機により摩擦混
合する。この圧力が0.01kgf/cm 2 未満の場
合、圧力が小さいため、金属粉又は酸化金属粉の表面を
充分に被覆することができず不可である。また、圧力が
1kgf/cm2 を超える場合、金属粉又は酸化金属粉
が多くなり、均一に摩擦混合されにくく、不可である。
【0022】本発明の他の例では、黒鉛粉末の分散液中
に金属粉又は酸化金属粉を入れて均一な懸濁液を形成
し、この懸濁液同士を10〜1000kgf/cm2
射出圧力で衝突させる。この例では、圧力を射出圧力で
規定する。射出圧力が10kgf/cm2 未満の場合、
圧力が小さいため、金属粉又は酸化金属粉の表面を黒鉛
粉末で充分に被覆することができず不可である。また、
圧力が1000kgf/cm2 を超える場合、金属粉又
は酸化金属粉の粉砕が進むため好ましくなく、装置の耐
久性等に問題が生じ不可である。この範囲の射出圧力で
あれば、金属粉等の表面を充分に被覆することができ、
金属粉等の粉砕が起こらない。
【0023】更に、本発明の他の例では、黒鉛粉末の分
散液と、金属粉又は酸化金属粉の分散液とを、10〜1
000kgf/cm2 の射出圧力で衝突させる。この例
においても、圧力を射出圧力で規定する。この射出圧力
の範囲も、前述した懸濁液同士の衝突に必要な圧力と同
様の理由で、設定した範囲である。
【0024】このような本発明にかかる被覆処理によ
り、黒鉛粉末は金属粉又は酸化金属粉を被覆し、表面に
黒鉛粒子が均一に被覆された複合粒子を得ることができ
る。被覆処理後、濾過を行って、加熱乾燥することによ
り液体を除去すれば、複合粉末を得ることができる。
【0025】また、本発明では、このような被覆処理を
繰り返すことにより、より小さい粒径の黒鉛粉末を被覆
した後、より大きい粒径の黒鉛粉末を、粒径の小さい順
に被覆した複合粒子を得ることが好ましい。
【0026】小さい粒径の黒鉛粉末としては、粒径が、
平均粒径で0.1〜5μmであるのが好ましい。平均粒
径が0.1μm未満では、工業的に量産が非常に困難で
あるし、導電性等の特性も悪くなるため不適切である。
平均粒径が5μmを超えると、被覆しようとする金属粉
又は酸化金属粉によっては、黒鉛の方が大きくなり被覆
性が悪くなるため、好ましくない。
【0027】また、より大きい粒径の黒鉛粉末として
は、粒径が、平均粒径で5〜100μmであるのが好ま
しい。平均粒径が5μm未満では、成形性、導電性等の
特性が悪くなるため不適切である。平均粒径が100μ
mを超えると、黒鉛の粒径が大きくなりすぎるため、被
覆性が悪くなり、好ましくない。
【0028】これらの黒鉛粉末における、より小さい粒
径とより大きい粒径との差は、平均粒径で5〜50μm
の範囲内であるのが好ましい。5μm未満の差では、粒
径の差が小さいため、繰り返し被覆することの特性がで
ないことから不適切である。50μmを超える差は、大
きすぎて、被覆性が悪くなるため好ましくない。
【0029】本発明では、より小さい粒径の黒鉛粉末を
被覆した後、より大きい粒径の黒鉛粉末を粒径の小さい
順に繰り返して被覆することが好ましい。この場合、前
述した小さい粒径とより大きい粒径との間の粒径の黒鉛
粒子であり、粒径の差が前述した範囲内にある黒鉛粒子
を2種以上適宜選択して、これらの黒鉛粒子を金属粉又
は酸化金属粉に粒径の小さいものから順次被覆する。
【0030】本発明の方法によって得られる複合粉末
は、金属粉又は酸化金属粉の表面に黒鉛粉末が均一に被
覆されているため、流動性、導電性及び成型性に優れ、
また、作業の簡易化、材料運搬の簡易化及び粉塵問題か
らみても優れた複合粉末である。この優れた特性から、
種々の用途に利用が可能である。例えば、本発明の複合
粉末は導電性に優れるため、電池の正極合剤として有用
である。この場合、電池は内部抵抗が低減し、正極活物
質の利用効率も向上するため高寿命になる。また、本発
明の複合粉末は流動性及び成型性にも優れているため、
粉末冶金の分野においても有用である。本発明の複合粉
末を用いると、作業効率が向上し、かつ製品歩留まりも
向上する。
【0031】本発明の複合粉末の製造方法については、
金属粉、酸化金属粉の製造工程途中に入れることもでき
る。例えば、本発明は粉体の湿式混合であるため、二酸
化マンガンの場合のように、電解後の粉砕、水洗、中和
後の湿粉状態をそのまま利用することができる。
【0032】
【実施例】以下、更に具体的に本発明の実施例、比較例
を説明する。 (実施例1)平均粒径7μmの黒鉛粉末10重量%を水
90重量%に分散させ、この分散液200kgをボール
ミル中に入れ、更に平均粒径60μmの二酸化マンガン
200kgをこのボールミル中に入れ(静止圧力の最大
値が40gf/cm2 に相当)、10時間ローリング
し、脱水、乾燥工程を経て、二酸化マンガンの表面に黒
鉛粉末が均一に被覆された複合粉末を得た。
【0033】得られた複合粉末の被覆性については、こ
の複合粉末を30cmの高さから落下させたが、黒鉛粉
末の飛散は認められなかった。また、均一性について
は、ランダムに10ケ所からサンプリングし、黒鉛粉末
の比率を測定したが、バラツキは認められなかった。結
果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】(実施例2)平均粒径10μmの黒鉛粉末
1重量%をメタノール99重量%に分散させ、この分散
液200kgをボールミルに入れ、更に平均粒径100
μmの鉄粉200kgをこのボールミルに入れ(静止圧
力の最大値が10gf/cm2 に相当)、10時間ロー
リングし、脱水、乾燥工程を経て、鉄粉の表面に黒鉛粉
末が均一に被覆された複合粉末を得た。得られた複合粉
末を用いて、実施例1と同じ評価を行った。表1には、
それらの結果を示す。
【0036】(実施例3)平均粒径100μmの黒鉛粉
末30重量%をメチルエチルケトン70重量%に分散さ
せ、この分散液20kgをボールミルに入れ、更に平均
粒径1000μmの銅粉20kgをこのボールミルに入
れ(静止圧力の最大値が10gf/cm2に相当)、2
0時間ローリングし、脱水、乾燥工程を経て、銅粉の表
面に黒鉛粉末が均一に被覆された複合粉末を得た。得ら
れた複合粉末を用いて、実施例1と同じ評価を行った。
表1には、それらの結果を示す。
【0037】(実施例4)実施例2の平均粒径10μm
の黒鉛粉末の変わりに、平均粒径1μmの黒鉛粉末を用
いた以外は実施例2と同様にして、鉄粉の表面に黒鉛粉
末が均一に被覆された複合粉末を得た。得られた複合粉
末を用いて、実施例1と同じ評価を行った。表1には、
それらの結果を示す。
【0038】(実施例5)平均粒径10μmの黒鉛粉末
10重量%を水90重量%に分散させ、この分散液10
kgに平均粒径40μmの二酸化マンガン15kgを入
れ、この系(黒鉛+水+二酸化マンガン)同士を射出圧
200kgf/cm2 で衝突させて、二酸化マンガンの
表面に黒鉛粉末が均一に被覆された複合粉末を得た。得
られた複合粉末を用いて、実施例1と同じ評価を行っ
た。結果を表1に示す。
【0039】(実施例6)平均粒径20μmの黒鉛粉末
10重量%を水90重量%に分散させた分散液10kg
と、平均粒径40μmの二酸化マンガン10重量%を水
90重量%に分散させた分散液20kgとを、射出圧1
00kgf/cm2 で衝突させて、二酸化マンガンの表
面に黒鉛粉末が均一に被覆された複合粉末を得た。得ら
れた複合粉末を用いて、実施例1と同じ評価を行った。
結果を表1に示す。
【0040】(実施例7)実施例5の二酸化マンガンの
代わりに、平均粒径150μmの鉄粉を用い、また、水
の代わりにメタノールを用いた以外は実施例5と同様に
して、鉄粉の表面に黒鉛粉末が均一に被覆された複合粉
末を得た。得られた複合粉末を用いて、実施例1と同じ
評価を行った。結果を表1に示す。
【0041】(実施例8)平均粒径0.3μmの黒鉛粉
末及び平均粒径10μmの銅粉を用い、また、水の代わ
りにイソプロピルアルコールを用いた以外は実施例6と
同様にして、銅粉の表面に黒鉛粉末が均一に被覆された
複合粉末を得た。得られた複合粉末を用いて、実施例1
と同じ評価を行った。結果を表1に示す。
【0042】(実施例9)平均粒径0.5μmの黒鉛粉
末5重量%を水95重量%に分散させ、この分散液10
kgに平均粒径60μmの二酸化マンガン15kgを入
れ、この系(黒鉛+水+二酸化マンガン)同士を射出圧
300kgf/cm2 で衝突させた。二酸化マンガンの
表面に黒鉛粉末が均一に被覆された平均粒径60.2μ
mの複合粉末を得た。次に、この系に平均粒径20μm
の黒鉛粉末0.5kgを入れて分散させ、この新たな系
(黒鉛被覆二酸化マンガン複合粉+水+黒鉛粉末)同士
を射出圧150kgf/cm2 で衝突させ、二酸化マン
ガンの表面に黒鉛粉末が二層に均一に被覆された複合粉
末を得た。得られた複合粉末を用いて、実施例1と同じ
評価を行った。結果を表1に示す。
【0043】(比較例1)実施例1に用いた黒鉛粉末
9.1重量%と、二酸化マンガン90.1重量%とを攪
拌ニーダーで混合し、実施例1と同じ評価を行った。結
果を表1に示す。
【0044】(比較例2)実施例5に用いた黒鉛粉末
6.25重量%と、二酸化マンガン93.75重量%と
をミキサーで混合し、実施例1と同じ評価を行った。結
果を表1に示す。
【0045】(比較例3)実施例9に用いた0.5μm
の黒鉛粉末3.125重量%と、二酸化マンガン93.
75重量%とをまずミキサーで混合し、次に平均粒径2
0μmの黒鉛粉末3.125重量%を添加して、同様に
ミキサーで混合し、実施例1と同じ評価を行った。結果
を表1に示す。
【0046】(比較例4)実施例2に用いた黒鉛粉末
0.99重量%と、鉄粉99.01重量%とをV型ブレ
ンダーで混合し、実施例1と同じ評価を行った。結果を
表1に示す。
【0047】(比較例5)実施例3に用いた黒鉛粉末2
3.08重量%と、銅粉76.92重量%とをV型ブレ
ンダーで混合し、実施例1と同じ評価を行った。結果を
表1に示す。
【0048】表1からわかるように、結果として、実施
例1〜実施例9で得られた複合粉末には、黒鉛粉末の飛
散は認められず、黒鉛粉末の比率にバラツキは認められ
なかった。なお、実施例5〜実施例9の複合粉末には、
特にきれいに黒鉛粉末が被覆されていた。一方、比較例
1〜比較例5で製造した粉末は、いずれにも黒鉛粉末の
飛散性が認められ、黒鉛粉末の比率にもかなりのバラツ
キが認められた。
【0049】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の複合粉末の
製造方法により、金属粉又は酸化金属粉の表面に均一に
黒鉛粉末が被覆された、取り扱い上粉塵の飛散のない、
複合粉末を提供することができる。また、この複合粉末
を用いることによって、流動性、導電性、成型性等に優
れた加工品を提供することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 黒鉛粉末が金属粉又は酸化金属粉の表面
    に被覆されている複合粉末を製造するにあたり、平均粒
    径0.1〜100μmの黒鉛粉末を液体中に分散させ、
    この分散液中の前記黒鉛粉末と平均粒径5〜1000μ
    mの金属粉又は酸化金属粉とを接触又は衝突させ、前記
    黒鉛粉末を前記金属粉又は酸化金属粉の表面に被覆する
    ことを特徴とする、複合粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記黒鉛粉末と、前記金属粉又は酸化金
    属粉とを、最大値が0.01〜1kgf/cm2 の静止
    圧力を加えた状態で、摩擦混合することを特徴とする、
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記の黒鉛粉末分散液に、前記金属粉又
    は酸化金属粉を添加して、均一な懸濁液を形成し、この
    懸濁液同士を10〜1000kgf/cm2 の射出圧力
    で衝突させることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記の黒鉛粉末分散液と、前記金属粉又
    は酸化金属粉の分散液とを、10〜1000kgf/c
    2 の射出圧力で衝突させることを特徴とする、請求項
    1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記黒鉛粉末を前記金属粉又は酸化金属
    粉の表面に被覆するにあたり、より小さな粒径の黒鉛粉
    末を被覆した後に、この黒鉛粉末より大きな粒径の黒鉛
    粉末を被覆する操作を、少なくとも1回繰り返して、粒
    径の小さい順に黒鉛粉末を被覆することを特徴とする、
    請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
  6. 【請求項6】 黒鉛粉末が金属粉又は酸化金属粉の表面
    に被覆されている複合粉末であって、請求項1〜5のい
    ずれか一項記載の方法により製造されたことを特徴とす
    る、複合粉末。
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