JP5669042B2 - 摺動部材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、炭素系被膜を有する被膜付き基材およびその製造方法に関するものである。
従来から、多種多用な基材に炭素系被膜を形成することが試みられている。炭素系被膜は、一般的に、機械的特性および化学的安定性等に優れている。
例えば、特開2001−3169号公報(特許文献1)は、基材表面に形成された炭素系被膜の機械的特性(疎水性、耐摩耗性、動摩擦係数等)および電気的特性を向上させることを目的として、基体の表面にプラズマCVD法により炭素系被膜を形成し、該炭素系被膜の表面に、Ar,N,Hのうち、少なくとも一種のガスをプラズマ化して照射して、炭素系被膜の表面を改質することを開示している。
特開平11−100671号公報(特許文献2)は、電気シェーバー刃、コンプレッサの摺動部品等の保護膜として用いて耐摩耗性を発揮し得る硬質炭素系被膜を開示している。この硬質炭素系被膜は、例えば、メタンガスのような炭化水素系ガスを原料ガスとして用いたプラズマCVD法により形成することができる。
特開2001−3169号公報 特開平11−100671号公報
上記の特許文献に開示されたようなプラズマCVD法で形成された炭素系被膜は機械的特性および化学的安定性に優れているものの、硬質であるがゆえに、例えば摺動部品に適用された場合に相手材の表面を損傷させてしまうことがある。言い換えれば、CVD法等の炭化処理によって形成された炭素系被膜は、相手攻撃性が高くなり、摩擦係数が増加する。そのため、従来の炭素系被膜を有する基材は、摺動部品としての使用に必ずしも好適なものとはいえない。
本発明の目的は、炭素系被膜の有する長所を活かしつつ、相手攻撃性を小さくするとともに、摩擦係数を低減できる炭素系被膜を有する被膜付き基材を提供することである。
本発明に従った被膜付き基材は摺動部材であり、基材と、この基材表面を覆う炭素系ナノ材料の積層構造被膜とを備える。炭素系ナノ材料は、カーボンナノチューブまたはグラフェンである。
好ましくは、炭素系ナノ材料は、それぞれが重なり合ってネットワーク構造を形成している。
前記基材は、例えば、チタン、アルミニウム、鉄、銅、マグネシウム、ニッケルおよびこれらの合金からなる群から選ばれた一種の金属または合金である。
好ましくは、基材と積層構造被膜との界面において、基材を構成する元素と炭素系ナノ材料とが反応して化合物を形成している。
本発明に従った被膜付き基材の製造方法は、炭素系ナノ材料を分散させた溶液を準備する工程と、金属または合金の基材表面を炭素系ナノ材料分散溶液で濡らす工程と、溶液で濡れた基材表面を乾燥する工程と、乾燥後の基材を真空雰囲気または不活性ガス雰囲気中において300℃〜600℃の温度範囲で加熱する工程とを備える。
好ましくは、上記の加熱工程後に、さらに基材を真空雰囲気または不活性ガス雰囲気において600℃〜1000℃の温度範囲で加熱する工程を備える。
炭素系ナノ材料を分散させる溶液は、好ましくは、水系溶媒または有機溶媒である。
基材表面を溶液で濡らす工程は、例えば、基材を溶液中に浸漬することや、スプレー等により溶液をミスト状にして基材表面に塗布することである。
上記の本発明の作用効果等は、以下の項で詳しく記載する。
純チタン板および炭素系ナノ材料被膜付きのチタン板を並べて撮影した写真である。 3種類の試料に対する摩擦係数の推移を示す図である。 純チタン材の摩擦試験後の損傷状況を撮影した写真である。 CNT積層構造被膜付きのチタン板の摩擦試験後の表面状態を撮影した写真である。 純アルミニウム板の摩擦係数の推移を示す図である。 CNT積層構造被膜付きのアルミニウム板の摩擦係数の推移を示す図である。 Mg合金製基材表面を覆うグラフェンシートがネットワーク構造を有していることを示す写真である。 2種類の試料に対する摩擦係数の推移を示す図である。
本発明に従った被膜付き基材は、基材と、この基材表面を覆う炭素系ナノ材料の積層構造被膜とを備える。炭素系ナノ材料は、カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン、カーボンブラックおよびケッチェンブラック(登録商標)からなる群から選ばれたものである。
カーボンナノチューブ等の炭素系ナノ材料の積層構造被膜は、CVD法等によって形成された硬質な炭化物層とは異なり、軟質であるので相手攻撃性が弱い。また、炭素原子自体は相手材に対して凝着しないので低摩擦係数の表面特性を発揮する。したがって、炭素系ナノ材料の積層構造被膜は、ベアリング、オートマチックトランスミッションのバルブ、ボルト、ナット、ピストン等の摺動部品や機械要素に好適に使用され得る。
なお、炭素系ナノ材料の積層構造被膜は、電気伝導性および熱伝導性にすぐれているので、これらの特性が要求される用途にも利用可能である。
炭素系ナノ材料のうち、特にカーボンナノチューブやグラフェンは、それぞれが重なり合ってネットワーク構造を形成し、相手材に対して線接触の関係となるので、摩擦係数をより小さくする効果を発揮する。カーボンナノチューブは、多層CNTおよび単層CNTのいずれでも良い。
さらに、エンジンオイルやミッションオイルなどの潤滑油が存在する湿式環境において、カーボンナノチューブやグラフェンのネットワーク構造を基材表面に形成することで、油溜まりができ易くなり、その結果、摺動面において油膜が形成されて低い摩擦係数が安定して発現する。
基材は、金属または合金製であっても良いし、樹脂製であっても良い。金属基材は、例えば、チタン、アルミニウム、鉄、銅、マグネシウム、ニッケルおよびこれらの合金からなる群から選ばれた一種の金属または合金である。
金属または合金製基材と炭素系ナノ材料の積層構造被膜とを強固に接合するために、好ましくは、それらの界面において、基材を構成する元素と炭素系ナノ材料とが反応して化合物を形成している。例えば、チタン製の基材の場合には、適正な熱処理を行うことによって、界面にTiCを形成する。アルミニウム製の基材の場合には、適正な熱処理を行うことによって、界面にAlを形成する。アルミニウムおよびマグネシウムを含む合金製の基材の場合には、界面にAlMgCを形成する。
金属または合金の基材の表面を炭素系ナノ材料の積層構造被膜で覆った被覆付き基材の製造方法は、以下の工程を備える。
a)炭素系ナノ材料を分散させた溶液を準備する工程。
b)基材表面を上記の溶液で濡らす工程。
c)溶液で濡れた基材表面を乾燥する工程。
d)乾燥後の基材を真空雰囲気または不活性ガス雰囲気中において300℃〜600℃の温度範囲で加熱する工程
炭素系ナノ材料を分散させるための溶液は、溶媒と、界面活性剤とを含む。溶媒としては、水系溶媒や有機溶媒を使用し得る。取扱い性の観点を重視するならば、水系溶媒が好ましいかもしれない。ただ、水系溶媒の場合には、水分を蒸発させるために乾燥工程時に100℃まで昇温する必要があるが、その途中の過程で板状基材の表面上に所々に水溜りが残って最終的にその部分において炭素系ナノ材料が濃化するおそれがある。そのようなおそれを無くして基材表面上に均一濃度の炭素系ナノ材料の積層構造被膜を形成するには、気化速度が速いイソアミルアルコールやイソプロピルアルコール等の有機溶媒が好ましい。炭素系ナノ材料は、溶液中に単分散状態で分散する。「単分散状態」とは、炭素系ナノ材料が単独の状態で分散していることを意味するが、ネットワーク状に分散していることも含むものである。
基材表面を溶液で濡らすための一例は、基材を溶液中に浸漬することである。基材の全表面を炭素系ナノ材料の積層構造被膜で覆う場合には、この浸漬法が好ましい。一方、基材の全表面のうち、表面側に位置する面だけを炭素系ナノ材料分散溶液で濡らす場合には、溶液をその表面に向かって吹き付けるようにしても良いし、塗布するようにしても良い。
溶液で濡れた基材表面を乾燥した後に、基材を真空雰囲気または不活性ガス雰囲気中において300℃〜600℃の温度範囲で加熱するのは、界面活性剤の成分を熱分解して除去するためである。
好ましくは、上記の加熱工程後に、さらに基材を真空雰囲気または不活性ガス雰囲気において600℃〜1000℃の温度範囲で加熱する工程を備える。この加熱工程は、金属または合金製基材と炭素系ナノ材料の積層構造被膜とを強固に接合するためのものであり、それらの界面において、基材を構成する元素と炭素系ナノ材料とを反応させて化合物を形成する。例えば、チタン製の基材の場合には、かかる熱処理を行うことによって、界面にTiCを形成する。アルミニウム製の基材の場合には、例えば、界面にAlを形成する。アルミニウムおよびマグネシウムを含む合金製の基材の場合には、例えば、界面にAlMgCを形成する。
分散剤(界面活性剤)としては、特に限定されないが、例えば、リン脂質系界面活性剤、両性イオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等の界面活性剤、シクロデキストリン類といった包摂化合物を形成するホスト化合物、その他核酸やたんぱく質等の天然由来の高分子化合物等が挙げられる。「リン脂質系界面活性剤」とは、リン酸基を官能基とする陰イオン性界面活性剤・両性イオン界面活性剤であり、リン脂質(グリセロリン脂質、スフィンゴリン脂質の両方を含む)及び改質リン脂質(例えば、水素添加リン脂質、リゾリン脂質、酵素変換リン脂質、リゾホスファチジルグリセロール、他の物質との複合体)のいずれでもよい。このようなリン脂質は、生物を構成する細胞の種々の膜系、例えば原形質膜、核膜、小胞体膜、ミトコンドリア膜、ゴルジ体膜、リソソーム膜、葉緑体膜、細菌細胞膜に存在し、好適には、リポソームの調製に用いられるリン脂質が好適である。具体的には、例えば、ホスファチジルコリン{例えば、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトリルホスファチジルコリン(DPPC)}、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジルコリン、スフィンゴミエリンを挙げることができる。特に好適な界面活性剤は、両性イオン界面活性剤である。両性イオン界面活性剤としては、四級アンモニウム塩基/スルホン酸基(−SOH)タイプ、四級アンモニウム塩基/リン酸酸基タイプ(水に可溶)、四級アンモニウム塩基/リン酸酸基タイプ(水に不溶)、四級アンモニウム塩基/カルボキシル基タイプの両性イオン界面活性剤が挙げられる。尚、前記の酸基は塩であってもよい。特に、前記の両性イオン界面活性剤が一分子中に+と−の両電荷を有することが好適であり、前記の酸基の酸解離定数(pKa)が、5以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましく、3以下であることが更に好ましい。具体的には、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアミノ]−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(CHAPSO)、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアミノ]−プロパンスルホン酸(CHAPS)、N,N−ビス(3−D−グルコナミドプロピル)−コラミド、n−オクタデシル−N,N’−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスルホン酸、n−デシル−N,N’−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスルホン酸、n−ドデシル−N,N’−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスルホン酸、n−テトラデシル−N,N’−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスルホン酸{Zwittergent(商標)−3−14}、n−ヘキサデシル−N,N’−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスルホン酸、n−オクタデシル−N,N’−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスルホン酸等のアンモニウムスルホベタイン類、n−オクチルホスホコリン、n−ノニルホスホコリン、n−デシルホスホコリン、n−ドデシルホスホコリン、n−テトラデシルホスホコリン、n−ヘキサデシルホスホコリン等のホスホコリン類、ジラウロイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジリノレオイルホスファチジルコリン等のホスファチジルコリン類が挙げられる。
溶媒は、特に限定されないが、例えば水系溶媒や、有機溶媒が挙げられる。
水系溶媒とは、水又は水と親水性溶媒(例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン、2−ブタノン(MEK)等のケトン類、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)等のアミド類、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類、が挙げられる。)との混合液を意味する。
有機溶媒は、特に限定されないが、例えば、芳香族炭化水素類であるトルエン、ベンゼン、キシレン、スチレン、エチルベンゼン、塩化芳香族炭化水素類であるクロルベンゼン、オルト−ジクロルベンゼン、塩化脂肪族炭化水素類である塩化メチレン、クロロホルム(トリクロルメタン)、四塩化炭素(テトラクロルメタン)、1,2−ジクロルエタン、1,1,1−トリクロルエタン、1,1,2,2−テトラクロルエタン、1,2−ジクロルエチレン、トリクロルエチレン、トラクロルエチレン(パークロルエチレン)、アルコール類であるメタノール(メチルアルコール)、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、イソペンチルアルコール(イソアミルアルコール)、ブチルアルコール、シクロヘキサノール、エステル類である酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル(酢酸アミル)、酢酸イソペンチル(酢酸イソアミル)、エーテル類であるエチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ケトン類であるアセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホン、グリコールエーテル(セロソルブ)類であるエチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(セロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(セロソルブアセテート)、脂環式炭化水素類並びにその誘導体であるシクロヘキサン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、脂肪族炭化水素類であるノルマルヘキサン、脂肪族又は芳香族炭化水素の混合物であるガソリン、ベンジン、ゴム揮発油、大豆揮発油、ミネラルスピリット、クリーニングソルベント、コールタールナフサ(沸点範囲120〜160℃、120〜180℃、140〜200℃)、石油エーテル、石油ナフサ、石油ベンジン、ミネラルスピリット、脂環族炭化水素(テレビン油)、混合炭化水素(HAWS、ソルベット100、ソルベット150)、グリコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カービトール、ブチルカービトール、メトキシブタノール)及びエステルエーテル類(酢酸セロソルブ、酢酸ブチルセロソルブ、酢酸カービトール、酢酸メトキシブチル)、シリコーンオイル類(ポリジメチルシロキサン、部分オクチル置換ポリジメチルシロキサン、部分フェニル置換ポリジメチルシロキサン)、ハロゲン化炭化水素(クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルム、ブロモベンゼン、ジクロロメタン、トリクロロメタン)、フッ素化物類、その他であるクレゾール、二硫化炭素、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。またこれらを2種以上混合してもよい。これらの溶剤の中でも、分散性と除去・回収の容易性から、メチルエチルケトン、トルエンが好適である。
アルコールとしては、特に限定されないが、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、ブタノール等が挙げられる。エーテルとしては、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン等が挙げられる。ケトンとしては、アセトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
当該溶媒の含水率は85%以下が好適であり、50%以下がより好適であり、40%以下が更に好適である。含水率を低めることによって、金属の表面が酸化されにくくなる。
尚、分散液中に含まれる炭素系ナノ材料の濃度は、0.2〜50wt%が好適であり、0.5〜20wt%がより好適であり、1〜10wt%が更に好適である。また、分散剤成分の炭素材料に対する重量比は、0.01〜100が好適であり、0.05〜20がより好適であり、0.1〜10が更に好適である。
ここで、使用する分散剤の濃度は、0.1〜30重量%が好適であり、0.3〜20重量%がより好適であり、1〜10重量%が更に好適である。また、ナノカーボンの濃度は、その種類にもよるが、カーボンナノチューブの場合、0.01〜50重量%が好適であり、0.1〜30重量%がより好適であり、0.3〜20重量%が更に好適である。その他、分散剤/ナノカーボンの重量比は、やはりその種類にもよるが、カーボンナノチューブの場合、0.01〜100が好適であり、0.1〜10がより好適であり、0.2〜5が更に好適である。これらの範囲から外れた場合、ナノカーボンと分散剤のいずれかが過剰となるため組成のバランスが悪く、良好な分散が得られず、また分散液の保存安定性が悪くなることがある。
水分散液は、ナノカーボンの分散度が高く、さらに長期保存安定性に優れる。尚、水分散液は、公知の方法により調製可能であるが、例えば、ビーズミルを用いて調製可能である。水分散液の使用方法としては、例えば、ポリマー溶液と混合して複合体を製造したり、塗料、インキとして用いたりすることが挙げられる。
[実施例1]
イソペンチルアルコール(イソアミルアルコール)を溶媒とし、これに多層カーボンナノチューブ(CNT)を重量基準で1%、CNTの分散成分として界面活性剤を重量基準で0.8%添加した後、超音波攪拌器で混合し、さらにその溶液をビーズミルにて混合・攪拌処理することでCNTの凝集体を解消してイソペンチルアルコール溶液中にCNTが単分散状態で存在する1%濃度CNT分散液を作製した。
このCNT分散液中に純チタン板を浸漬し、取り出した後に70℃で乾燥し、さらに界面活性剤を熱分解すべく、真空雰囲気で600℃にて加熱処理を施した。その後、チタン基材表面にCNTをより強固に固定するため、真空雰囲気で1000℃にて1時間の熱処理を行うことで、チタン板とCNTの接触部に炭化チタニウム(TiC)を形成し、このTiCを介してチタン板表面へのCNTの固着を強化した。これにより、単分散状態のCNTが積層構造の被膜としてチタン表面に形成できる。また、上記と同様の方法により、重量基準で0.5%のCNTと0.4%の界面活性剤を含む分散液(0.5%CNT分散液と記す)を準備し、同様の手法によって積層構造を有するCNT被膜をチタン板表面に作製した。なお、比較として、CNT被膜を有さない純チタン板を準備した。
得られた試料について、大気中においてボールオンディスク式摩耗試験を行い、摩擦係数の測定を行った。相手材は、直径φ4.7mmのSUS304ステンレス鋼球であり、押付け荷重;100gf、滑り速度;25mm/s、滑り時間;1時間(全滑り距離;90m)とした。
図1に各試料の外観写真を示す。0.5%CNT分散液および1%CNT分散液を用いてチタン板表面に作製したCNT積層被膜は均一であることがわかる。
図2に、各試料の摩擦係数の推移を示す。(a)は1%CNT分散液を用いて作製したCNT積層構造被膜、(b)は0.5%CNT分散液を用いて作製したCNT積層構造被膜、(c)は純チタン材の結果である。平均摩擦係数はそれぞれの図中にμ0として示す。
(c)の純チタン材では、平均摩擦係数は0.523となり、CNT積層構造被膜を施した純チタン材のサンプル(a)および(b)と比較して、極めて高い値を示している。つまり、CNT積層構造被膜を形成することで摩擦係数は大幅に低減し、また安定することがわかる。
図3に純チタン材の摩擦試験後の損傷状況を観察した結果を示す。チタン材の摺動部においては、チタン自身が損傷・凝着している領域が観察されており、併せて、相手材であるSUS304鋼球の摩耗粉が確認される。このように純チタンとSUS304鋼球が直接、接触することで双方の摩耗によって損傷が生じた。
図4に1%CNT分散液を用いて作製したCNT積層構造被膜での摩擦試験結果を示す。SUS304鋼球が接触することで摺動跡は確認されるが、CNT積層被膜は存在しており、大きく摩耗損傷していないことが確認できる。
以上のように、純チタン材の表面にCNT積層構造被膜を形成することで、大気中での摩擦試験において、摩擦係数を大幅に低減できることを確認した。
[実施例2]
メチルエチルケトンを溶媒とし、これに多層CNTを重量基準で1%、CNTの分散成分として界面活性剤を重量基準で0.7%添加した後、超音波攪拌器で混合し、さらにその溶液をビーズミルにて混合・攪拌処理することでCNTの凝集体を解消してメチルエチルケトン溶液中にCNTが単分散状態で存在する1%濃度CNT分散液を作製した。このCNT分散液中に純アルミニウム板を浸漬し、取り出した後に80℃で乾燥し、さらに界面活性剤を熱分解すべく、真空雰囲気で500℃にて1時間の加熱処理を施した。その後、アルミニウム基材表面にCNTをより強固に固定するため、真空雰囲気で600℃にて1時間の熱処理を行うことで、アルミニウム板とCNTの接触部に炭化アルミニウム(Al)を形成し、このAlを介してチタン板表面へのCNTの固着を強化した。これにより、単分散状態のCNTが積層構造の被膜としてアルミニウム表面に形成できる。得られた試料について、実施例1と同様の方法・条件においてボールオンディスク式摩耗試験を行い、摩擦係数の測定を行った。また、比較として、純アルミニウム板についても同様の摩耗試験を実施した。
先ず、純アルミニウム板の結果を図5に示す。摩擦係数は0.567と高い値を示し、変動幅も大きいことがわかる。摺動面においては、引っかき摩耗による損傷と、相手材のSUS304鋼球の表面にはアルミニウムの付着が確認された。
次に、CNT積層構造被膜を形成した場合の結果を図6に示す。摩擦係数は0.208と低い値を示しており、変動幅も小さい。また、試験後においても、摺動部においてはCNT積層構造被膜が残存しており、摩擦係数の低減効果と優れた耐摩耗性を有することを確認した。
[実施例3]
イソプロピルアルコールを溶媒とし、これに多層CNTを重量基準で0.5%、CNTの分散成分として界面活性剤を重量基準で0.35%添加した後、超音波攪拌器で混合し、さらに、その溶液をビーズミルにて混合・攪拌処理することでCNTの凝集体を解消してイソプロピルアルコール溶液中にCNTが単分散状態で存在するような0.5%濃度CNT分散液を作製した。また、基材として、重量基準で0.5%のチタン(Ti)を含む銅合金(Cu−0.5%Ti)を準備した。この板材を上記のCNT分散液中に浸漬し、取り出した後に80℃で乾燥し、さらに界面活性剤を熱分解すべく、真空雰囲気で600℃にて1時間の加熱処理を施した。その後、Cu−0.5%Ti合金製基材の表面にCNTをより強固に固定するため、真空雰囲気で950℃にて1時間の熱処理を行うことで、Cu−0.5%Ti合金板とCNTの接触部に炭化チタニウム(TiC)を形成し、このTiCを介してCu−0.5%Ti合金製基材表面へのCNTの固着を強化した。これにより、単分散状態のCNTが積層構造被膜としてCu−0.5%Ti合金表面に形成できる。得られた試料について、実施例1と同様の方法・条件においてボールオンディスク式摩耗試験を行い、摩擦係数の測定を行った。その結果、何も処理を施していないCu−0.5%Ti合金基材を用いた場合の平均摩擦係数は0.593であるのに対して、CNT積層構造被膜を形成した場合の値は、0.184と低く、また変動幅も小さい。さらに、試験後においても、摺動部においてはCNT積層構造被膜が残存しており、摩擦係数の低減効果と優れた耐摩耗性を有することを確認した。
[実施例4]
イソプロピルアルコールを溶媒とし、これにグラフェンを重量基準で1%、グラフェンの分散成分として界面活性剤を重量基準で0.125%添加した後、超音波攪拌器で混合し、さらに、その溶液をビーズミルにて混合・攪拌処理することでグラフェンの凝集体を解消してイソプロピルアルコール溶液中にグラフェンが単分散状態で存在するような1%濃度グラフェン分散液を作製した。また、基材として、重量基準で9%のアルミニウム(Al)を含むマグネシウム合金(Mg−9%Al)を準備した。このMg合金製板材を上記のグラフェン分散液中に浸漬し、取り出した後に80℃で乾燥し、さらに界面活性剤を熱分解すべく、真空脱気後にアルゴンガスを封入した雰囲気中で450℃にて1時間の加熱処理を施した。その後、Mg合金製基材表面において、グラフェンをより強固に固着するため、真空脱気後にアルゴンガスを封入した雰囲気中で500℃にて1時間の熱処理を行うことで、Mg合金板とグラフェンの接触部にAlMgC化合物を形成し、このAlMgC化合物を介してMg合金製基材表面へのグラフェンの固着を強化した。これにより、単分散状態のグラフェンがネットワーク状の積層被膜としてMg合金板表面に形成できる。得られた試料について、実施例1と同様の方法・条件においてボールオンディスク式摩耗試験を行い、摩擦係数の測定を行った。
図7に試料表面の観察結果を示す。グラフェンシートがネットワーク状を呈してMg合金製基材の表面を被覆していることがわかる。
図8に摩耗試験結果を示す。(a)は、被覆処理を施さないMg−9%Al合金製基材を用いた場合の摩擦係数の推移であり、(b)はグラフェンの被膜を形成したMg合金製基材の結果である。グラフェンを用いた場合も同様に、摩擦係数は大幅に減少しており、安定した摩擦摺動状況を形成する効果が確認された。
[実施例5]
実施例1で作製した、1%CNT分散液を用いて純チタン基材表面に作製したCNT積層構造被膜サンプルと、純チタン基材のみのサンプルを準備し、それぞれの表面に鉱物系潤滑エンジンオイル(Motor oil 10W-30 SL/CF)を塗布した。
その状態で、大気中においてボールオンディスク式摩耗試験を行い、摩擦係数の測定を行った。相手材は、直径φ4.7mmのSUS304ステンレス鋼球であり、押付け荷重;100gf、滑り速度;50mm/s、滑り時間;2時間(全滑り距離;360m)とした。平均摩擦係数について、CNT積層構造被膜サンプルでは0.052となり、他方、純チタン基材サンプルでは0.128となった。
特に、前者では、試験開始から終了までの間、変動幅も小さく、安定した摩擦係数を示したが、後者では、試験開始初期の値は0.05〜0.06と低いものの、試験時間の経過と共に、その値は増加し、最終的には0.21〜0.24に増加した。このようにネットワーク構造を有するCNT積層構造被膜を基材表面に形成することで、オイル溜まりが基材表面の各所に維持され、安定した油膜形成が可能となることで低い摩擦係数が安定して発現した。
基材表面に炭素系ナノ材料の積層構造被膜を形成することにより摩擦係数の大幅な低減が可能になるので、本発明は、優れた摺動特性が要求される部材の表面処理技術として有利に利用され得る。

Claims (5)

  1. 基材と、
    前記基材表面を覆う炭素系ナノ材料の積層構造被膜とを備え、
    前記炭素系ナノ材料は、カーボンナノチューブまたはグラフェンであり、
    前記炭素系ナノ材料は、それぞれが重なり合ってネットワーク構造を形成しており、
    前記基材と前記積層構造被膜との界面において、前記基材を構成する元素と前記炭素系ナノ材料とが反応して化合物を形成している、摺動部材。
  2. 前記基材は、チタン、アルミニウム、鉄、銅、マグネシウム、ニッケルおよびこれらの合金からなる群から選ばれた一種の金属または合金である、請求項1に記載の摺動部材
  3. 金属または合金の基材の表面を、カーボンナノチューブまたはグラフェンである炭素系ナノ材料の積層構造被膜で覆った摺動部材の製造方法であって、
    炭素系ナノ材料を分散させた溶液を準備する工程と、
    前記基材表面を前記溶液で濡らす工程と、
    前記溶液で濡れた前記基材表面を乾燥する工程と、
    前記乾燥後の基材を真空雰囲気または不活性ガス雰囲気中において300℃〜600℃の温度範囲で加熱する工程と
    前記加熱工程後に、さらに基材を真空雰囲気または不活性ガス雰囲気中において600℃〜1000℃の温度範囲で加熱する工程とを備える、摺動部材の製造方法。
  4. 前記溶液は、水系溶媒または有機溶媒である、請求項3に記載の摺動部材の製造方法。
  5. 前記基材表面を前記溶液で濡らす工程は、前記基材を前記溶液中に浸漬することである、請求項3または4に記載の摺動部材の製造方法。
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