JP2015140276A - 複合粒子及び成形品 - Google Patents

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拓治 小向
麻季 鬼塚
Maki Onizuka
麻季 鬼塚
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広美 輝平
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【課題】CNT由来の機能を発揮することができる複合粒子及び成形品を提供する。【解決手段】母粒子12と、前記母粒子12表面に形成された構造体14とを備える複合粒子10Aにおいて、前記構造体14は、複数のカーボンナノチューブ16を含み、前記複数のカーボンナノチューブ16が、互いに直接接続されたネットワーク構造を形成していると共に、前記母粒子12表面に直接固定されていることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、複合粒子及び成形品に関し、特に母粒子表面にカーボンナノチューブを含む構造体が形成されている複合粒子に関する。
母粒子表面に複数のカーボンナノチューブ(以下「CNT」という)を含む構造体が形成された複合粒子においては、CNTが、母粒子表面に均一に固定され、互いに接続されたネットワーク構造を形成していることが、導電性などの機能を発揮する上で望ましい。
このような複合粒子は、CNTがナノレベルで分散した分散液の中に母粒子を投入し、母粒子表面にCNTが付着した後、分散液中から母粒子を取り出し乾燥させることで形成される。
ところが、CNTはファンデルワールス力により分散液中で不可逆に凝集するので、母粒子表面にCNTを均一に固定するには、溶液中に、多量に分散剤を投入してCNTを分散させる必要がある。
また、CNTを分散させる方法として、CNT、分散剤としての界面活性剤を含む分散液に対して補助的に超音波照射をする方法が開示されている(例えば、特許文献1)。分散剤はCNTの分散に必要であり、一般に複合素材の製造過程では必須のものとして使用されていた。
さらにCNTを加えた分散液には、前記分散剤に加えて、母粒子表面にCNTを接着させるために接着剤やその他の添加剤等も投入されている。
こうして製造された複合粒子は、母粒子にCNTが複合していることにより、母粒子の機能に加え、複合粒子としてCNT由来の電気導電性、熱伝導性、耐衝撃性等が向上することが期待される。
特開2010-59561号公報
しかしながら上記特許文献1の場合、分散剤がCNTの表面を覆ってしまうので、CNT由来の電気導電性や熱伝導性が発揮できない、という問題がある。また、CNTは、接着剤により母粒子表面に固定されるので、剥離しやすいという問題がある。
そこで、本発明は、CNT由来の機能を発揮することができる複合粒子及び成形品を提供することを目的とする。
本発明に係る複合粒子は、母粒子と、前記母粒子表面に形成された構造体とを備える複合粒子において、前記構造体は、複数のカーボンナノチューブを含み、前記複数のカーボンナノチューブが、互いに直接接続されたネットワーク構造を形成していると共に、前記母粒子表面に直接固定されていることを特徴とする。
本発明に係る成形品は、上記複合粒子を含むことを特徴とする。
本発明によれば、複合粒子は、複数のCNTが互いに直接接続されたネットワーク構造を形成しているので、CNT由来の機能、すなわち電気導電性及び熱伝導性を発揮することができる。
第1実施形態に係る複合粒子の構成を模式的に示す概念図である。 第1実施形態に係る複合粒子の構成を模式的に示す縦断面図である。 第1実施形態に対応する実施例1に係る複合粒子のSEM像であり、図3Aは拡大像、図3Bは全体像である。 第1実施形態に対応する実施例3に係る複合粒子のSEM像であり、図4Aは拡大像、図4Bは全体像である。 第1実施形態に対応する実施例1及び実施例2に係る複合粒子の電気導電性を示すグラフである。 第1実施形態の変形例に係る複合粒子の構成を模式的に示す概念図である。 第1実施形態の変形例に対応する実施例4に係る複合粒子のSEM像であり、図7Aは拡大像、図7Bは全体像である。 第1実施形態の変形例に対応する実施例5に係る複合粒子のSEM像であり、図8Aは拡大像、図8Bは全体像である。 第1実施形態の変形例に対応する実施例6に係る複合粒子のSEM像であり、図9Aは拡大像、図9Bは全体像である。 第1実施形態の変形例に対応する実施例7に係る複合粒子のSEM像であり、図10Aは拡大像、図10Bは全体像である。 第1実施形態の変形例に対応する実施例8に係る複合粒子のSEM像であり、図11Aは拡大像、図11Bは全体像である。 第1実施形態の変形例に対応する実施例9に係る複合粒子のSEM像である。 第1実施形態の変形例に対応する実施例4に係る複合粒子の電気導電性を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
1.第1実施形態
(1)構成
図1に示すように、複合粒子10Aは、母粒子12と、母粒子12表面に形成された構造体14とを備える。本実施形態の場合、母粒子12は、球状であって、ガラスビーズ、シリカゲル、金属粒子、高分子粒子等を用いることができる。金属粒子は、例えば、窒化アルミニウムや酸化アルミニウム、窒化チタン、窒化ケイ素、窒化ホウ素、酸化クロム、ニッケル、酸化ニッケル、酸化マグネシウム、ケイ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、チタン、酸化チタン、炭化チタン、タングステン、炭化タングステン、亜鉛、酸化亜鉛、酸化すず、すずで形成することができる。高分子粒子は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン-スチレン共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテルで形成することができる。
母粒子12は、直径が1μm以上150μm以下であるのが好ましい。この場合、母粒子12の直径は、レーザー回折法を用いて測定した平均粒径とする。母粒子12は、直径が1μm未満であると母材12へCNT16が付着するのではなく、母材12とCNT16が混在した凝集塊となり易く、粒子としての母材12の機能が発現できにくくなる。母粒子12は、直径が150μm超であると、CNT16由来の機能を発現させるためにCNT16が大量に必要となる。
構造体14は、均等に分散した複数のCNT16を含む。複数のCNT16は、互いに直接接続されており、ネットワーク構造を形成している。すなわちCNT16は、分散剤などで覆われておらず、互いに絡み合った状態で直接接続されている。ここでいう接続とは、物理的な接続(単なる接触)と、化学的な接続とを含む。
構造体14は、厚さが500nm以下であるのが好ましい。構造体14の厚さが500nm超の場合、母粒子12表面を覆うCNT16が過剰になる。そうするとCNT16が凝集する割合が高くなってしまい電気導電性や熱伝導性が低下すると共に、構造体14が母粒子12由来の機能を制限してしまう。構造体14の厚さは、15nm以上100nm以下であるのがより好ましい。構造体14の厚さが上記範囲内であれば、CNT16が、母粒子12表面に分散して、互いに直接接続することで良好なネットワーク構造を形成することができる。ここでネットワーク構造とは、母粒子12表面の全体で一つのネットワークを形成している場合に限らず、複数のネットワークが独立または部分的に直接接続されている構造を含む。
CNT16は、多層であるのが好ましい。またCNT16は、長さが0.2μm以上15μm以下であるのが好ましい。CNT16は長さが0.2μm以上であると、CNT16同士が絡まり合って直接接続される。またCNT16は長さが15μm以下であると、均等に分散しやすくなる。一方、CNT16は長さが0.2μm未満であるとCNT16同士が絡まりにくくなる。またCNT16は長さが50μm超であると凝集しやすくなる。
CNT16は、直径が30nm以下であるのが好ましい。CNT16は直径が30nm以下であると、柔軟性に富み、母粒子12表面の曲率に沿って変形するので、ネットワーク構造を形成することができる。一方、CNT16は直径が30nm超であると、柔軟性がなくなり、母粒子12表面に沿って変形しにくくなるので、ネットワーク構造を形成しにくくなる。CNT16の直径は、20nm以下であるのがより好ましい。なおCNT16の直径は、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)画像を用いて測定した平均直径とする。
このように構成されたCNT16は、母粒子12に対し0.001wt%以上20wt%以下の濃度で、母粒子12表面に固定されているのが好ましい。CNT16が上記範囲内の濃度である場合、母粒子12表面においてCNT16で覆われていない部分が形成される。このCNT16で覆われていない部分は、接着剤などで覆われておらず、母粒子12の表面が露出している。これにより母粒子12は、CNT16によって機能が損なわれることがない。CNT16の濃度は、母粒子12に対し0.01wt%以上5wt%以下であるのがより好ましい。
またCNT16は、図2に示すように、母粒子12表面に直接固定されている。すなわち、CNT16は、母粒子12表面との間に、界面活性剤などの分散剤や接着剤等が介在せず、直接母粒子12表面に固定されている。ここでいう固定とは、ファンデルワールス力による結合をいう。
(2)製造方法
次に、複合粒子10Aの製造方法を説明する。複合粒子10Aは、CNT16を作製し、当該CNT16を用いて分散液を生成し、当該分散液を用いて母粒子12表面に構造体14を形成することにより製造することができる。以下、各工程について順に説明する。
(CNTの作製)
CNT16は、例えば特開2007−126311号公報に記載されているような熱CVD法を用いて作製することができる。すなわち、シリコン基板上にアルミ、鉄からなる触媒膜を成膜し、触媒粒子を形成する。次いで、加熱雰囲気中で炭化水素ガスを触媒粒子に接触させることにより、触媒粒子からCNT16を成長させてCNT16を作製することができる。アーク放電法、レーザ蒸発法などその他の製造方法により、CNT16を得ることもできるが、CNT16以外の不純物を極力含まないものを使用することが好ましい。この不純物についてはCNT16を製造した後、不活性ガス中での高温アニールにより除去してもよい。このようにして作製されたCNT16は、長さが数百から数千という高いアスペクト比で、直線的に配向される。
(分散液の生成)
分散液は、上記のようにして作製されたCNT16を、溶媒に投入し、ホモジナイザーや高圧せん断、超音波分散機などによりCNT16の分散の均一化を図る。溶媒としては、水、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類やトルエン、アセトン、THF、MEK、ヘキサン、ノルマルヘキサン、エチルエーテル、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチルなどの有機溶媒を用いることができる。これにより、CNT16が1本ずつ物理的に分離して絡み合っていない状態で溶媒中に分散しており、2以上のCNT16が凝集した集合物の割合が10%以下である分散液を得る。分散液は、母粒子12及びCNT16の機能を制限しない限り、分散剤、界面活性剤、接着剤、添加剤等を含有していてもよい。
(構造体の形成)
上記のようにして生成された分散液に、せん断や超音波等の機械的エネルギーを付与する。これにより、分散液中では、CNT16が分散する状態と凝集する状態とが常時発生する可逆的反応状態が作り出される。この可逆的反応状態にある分散液中に母粒子12を浸漬すると、母粒子12表面においてもCNT16の分散状態と凝集状態との可逆的反応状態が生じる。CNT16が分散状態から凝集状態へ移る際に、母粒子12表面にCNT16が付着する。
CNT16が凝集する際は、母粒子12とCNT16間にファンデルワールス力が作用しており、このファンデルワールス力により母粒子12表面にCNT16が付着する。その後で、母粒子12を分散液から引き出し、乾燥させることにより、母粒子12表面にCNT16が直接固定される。このようにして、互いに直接接続されたネットワーク構造を有する構造体14が母粒子12表面に形成された複合粒子10Aを得ることができる。
なお、上記構造体14を形成する工程を繰り返すことにより、構造体14の厚さを厚くした複合粒子10Aを形成することとしてもよい。この場合、2回目以降において使用する分散液は、その都度、CNT16を所定量追加してCNT16の濃度を調整すると共に、機械的エネルギーを付与しCNT16を分散させる。
(3)作用及び効果
上記のように構成された複合粒子10Aは、無数に集めた状態(以下、「粒子群」という)で用いられる。粒子群に含まれる複合粒子10A同士は、構造体14を介して互いに接触する。そうすると構造体14を構成する複数のCNT16によって、粒子群の全体に導電パス及び熱伝導パスが形成される。
本実施形態に係る複合粒子10Aは、複数のCNT16が互いに直接接続されたネットワーク構造を形成しているので、CNT16由来の機能、すなわち電気導電性及び熱伝導性を発揮することができる。しかも複合粒子10Aは、CNT16の母粒子12に対する濃度を、従来に比べ低くしても、CNT16由来の機能を発揮することができる。したがって複合粒子10Aは、構造体14によって母粒子12由来の機能を損なうことがないので、CNT16由来の機能に加え、母粒子12由来の機能を発現することができる。
構造体14は、複数のCNT16が、互いに直接接続されたネットワーク構造を形成して母粒子12表面に直接固定されているので、母粒子12表面から剥離しにくい。したがって構造体14は、母粒子12と複合粒子10Aの結合力が強いので、複合粒子10Aの耐衝撃性を向上することができる。
上記「(2)製造方法」に示す手順にしたがって、実施例1に係る複合粒子10Aを作製した。CNT16は基板法CVDによりシリコン基板上に直径10〜15nm、長さ100μm以上に成長させたMW−CNT(Multi-walled Carbon Nanotubes、多層カーボンナノチューブ)を用いた。CNT16の触媒残渣除去には硫酸と硝酸の1:1混酸を用い、洗浄後に濾過乾燥した。CNT16の切断は分散溶媒中で0.5〜10μm長さになるまで超音波ホモジナイザーで粉砕した。CNT分散溶媒としてメチルエチルケトンを用いて分散液を調整した。分散液におけるCNT16の濃度は0.01wt%とした。分散液に対し、28kHz及び40kHzの超音波を付与しながら、当該分散液中に、母粒子12として窒化アルミニウム粒子(古河電子(株)製、商品名:F−30 、粒径30μm)を投入し、10秒間保持した。その後、分散液から母粒子12を濾過により取り出して、80℃のホットプレート上で乾燥し、母粒子12表面に構造体14を形成した。このようにして母粒子12に対しCNT16の濃度を約0.1wt%とした実施例1に係る複合粒子10Aを得た。さらに構造体14を形成する工程を追加で3回(合計4回)行い、構造体14の厚さを厚くした実施例2に係る複合粒子10Aを作製した。この場合、分散液は、CNT16の濃度が1回目と同じになるように、その都度調整した。
図3に実施例1に係る複合粒子10Aの走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)像を示す。本図から、構造体14は、複数のCNT16が、均等に分散して母粒子12表面に直接固定されており、さらに互いに直接接続されネットワーク構造を形成していることが確認できた。また複合粒子10Aは、母粒子12に対するCNT16の濃度が低いので、構造体14から母粒子12の表面が露出している部分があることが確認できた。
また母粒子12としてガラスビーズ((株)ユニチカ製、商品名:SPM−16、粒径16μm)を用いた以外は上記と同様にして、実施例3に係る複合粒子10Aを作製した。図4に実施例3に係る複合粒子10AのSEM像を示す。実施例3においても実施例1と同様に構造体14が形成されていることが確認できた。
次いで、実施例1、2に係る複合粒子10Aの電気導電性を測定した。測定には、直径3mmの粉体抵抗率測定用セルとデジタルマルチテスター(カイセ(株)製、KU1188)を用いた。また、測定時には粉体に圧力をかけながら測定を行った。その結果を図5に示す。本図において、横軸は複合粒子10Aの密度(g/cm)、縦軸は体積抵抗率(Ω・cm)、「◆」が実施例1、「■」が実施例2の特性を示す。なお密度は、複合粒子10Aの粒子群に対し、圧力を加えることにより変化させた。本図から密度が高くなるにしたがい、体積抵抗率が低下することが確認できた。このことから複合粒子10Aは、構造体14を備えることにより、本来絶縁体である窒化アルミニウムの母粒子12に対し、導電性を付与できることがわかった。また、構造体14の厚さを厚くすることにより、導電性が向上することがわかった。
(4)変形例
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更することが可能である。本実施形態の場合、母粒子12は球状粒子である場合について説明したが、本発明はこれに限られない。例えば図1と同様の構成について同様の符号を付した図6に示すように、複合粒子10Bは、不定形状の母粒子18を備えることとしてもよい。この場合、母粒子18は、カーボン粒子、蛍光粒子、セラミックス粒子、樹脂粒子、金属粒子等を用いることができる。
母粒子18を変えた以外は実施例1と同様にして、実施例4〜9に係る複合粒子10Bを作製した。母粒子は、実施例4がカーボン粒子(フタムラ化学(株)製、商品名:太閤S、平均粒径35μm)、実施例5が蛍光粒子(日亜化学工業(株)製、商品名:NP−340−408)、実施例6が窒化ケイ素粒子((株)ニラコ製、平均粒径45μm)、実施例7が酸化チタン粒子((株)レアメタリック製、商品名:TI−25−20−0100、平均粒径2.7μm)、実施例8が窒化チタン粒子((株)ニラコ製、粒径約45μm)、実施例9が窒化クロム粒子((株)ニラコ製、粒径約5μm)を用いた。図7〜図12に、各実施例に係る複合粒子10BのSEM像を示す。実施例4〜9においても実施例1と同様に構造体14が形成されていることが確認できた。
次いで、実施例4に係る複合粒子10Bについて、実施例1と同様に、電気導電性を測定した。また比較として、カーボン粒子単体についても電気導電性を測定した。その結果を図13に示す。本図において、横軸は複合粒子10Bの密度(g/cm)、縦軸は体積抵抗率(Ω・cm)、L1が実施例4に係る複合粒子10Bの特性線、L2がカーボン粒子単体の特性線を示す。本図から、複合粒子10Bは、カーボン粒子単体に比べ体積抵抗率が大幅に低下することが確認できた。このことから複合粒子10Bは、構造体14を備えることにより、CNT16由来の機能に加え、導電性であるカーボン粒子由来の機能を発揮し得ることがわかった。
2.第2実施形態
本実施形態に係る成形品は、所定形状に成形された母材と、上記第1実施形態に係る複合粒子とを備える。複合粒子は、母材内に分散されている。母材は、樹脂、金属、及び金属酸化物等の無機物を用いることができる。
樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂(ユリア樹脂)、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、熱硬化性ポリイミドなどの熱硬化性樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル/スチレン樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、超高分子量ポリエチレン、ポリカーボネイト等のエンジニアリングプラスチック、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、ポリテトラフロロエチレン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリイミド等のスーパーエンジニアリングプラスチックを例示することができる。
金属としては、アルミニウム、銅、チタン、シリコン等を用いることができる。
本実施形態の場合、複合粒子を母材内に均一に分散させるため、分散剤、接着剤、その他の添加剤を用いてもよい。分散剤としては、両性イオン界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤を挙げることができる。
両性イオン界面活性剤には、スルホベタイン類、ホスホベタイン類、カルボキシベタイン類、イミダゾリウムベタイン類、アルキルアミンオキサイド類などがある。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのC6-24アルキルベンゼンスルホン酸塩など)、アルキルナフタレンスルホン酸塩(例えば、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのジC3-8アルキルナフタレンスルホン酸塩など)、アルキルスルホン酸塩(例えば、ドデカンスルホン酸ナトリウムなどのC6-24アルキルスルホン酸塩など)、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩(例えば、ジ2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムなどのジC6-24アルキルスルホコハク酸塩など)、アルキル硫酸塩(例えば、硫酸化脂、ヤシ油の還元アルコールと硫酸とのエステルのナトリウム塩などのC6-24アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレン(平均付加モル数2〜3モル程度)アルキルエーテル硫酸塩など)、アルキルリン酸塩(例えば、モノ〜トリ−ラウリルエーテルリン酸などのリン酸モノ〜トリ−C8-18アルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩など)などがある。
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩(例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロライドなどのモノ又はジC8-24アルキル−トリ又はジメチルアンモニウム塩など)、トリアルキルベンジルアンモニウム塩[例えば、セチルベンジルジメチルアンモニウムクロライドなどのC8-24アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩(塩化ベンザルコニウム塩など)など]、アルキルピリジニウム塩(例えば、セチルピリジニウムブロマイドなどのC8-24アルキルピリジニウム塩など)などがある。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテルなどのポリオキシエチレンC6-24アルキルエーテル)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンC6-18アルキルフェニルエーテルなど)、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エステル[例えば、ポリオキシエチレングリセリンステアリン酸エステルなどのポリオキシエチレングリセリンC8-24脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンステアリン酸エステルなどのポリオキシエチレンソルビタンC8-24脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンショ糖C8-24脂肪酸エステルなど]、ポリグリセリン脂肪酸エステル(例えば、ポリグリセリンモノステアリン酸エステルなどのポリグリセリンC8-24脂肪酸エステル)などがある。
接着剤としては、接着性樹脂、例えば、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂などがある。
添加剤としては、表面処理剤(例えば、シランカップリング剤などのカップリング剤など)、着色剤(染顔料など)、色相改良剤、染料定着剤、光沢付与剤、金属腐食防止剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、分散安定化剤、増粘剤又は粘度調整剤、チクソトロピー性賦与剤、レベリング剤、消泡剤、殺菌剤、充填剤などがある。
上記のように構成された成形品は、複合粒子の粒子群が収容された容器に、母材として例えばエポキシ樹脂を投入することにより作製することができる。この場合、母粒子の表面にCNTで形成されたネットワーク構造を有する構造体が形成されているので、エポキシ樹脂が複合粒子と強固に接着する。したがって成形品は、複合粒子が母材から脱落することがない。
このように形成された成形品は、複合粒子を備えるので、母材の特徴や機能を有効に生かしつつ、成形品としての耐衝撃性、電気導電性、熱伝導性を向上することができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更することが可能である。
10A 複合粒子
10B 複合粒子
12 母粒子
14 構造体
18 母粒子

Claims (6)

  1. 母粒子と、
    前記母粒子表面に形成された構造体と
    を備える複合粒子において、
    前記構造体は、
    複数のカーボンナノチューブを含み、
    前記複数のカーボンナノチューブが、互いに直接接続されたネットワーク構造を形成していると共に、前記母粒子表面に直接固定されている
    ことを特徴とする複合粒子。
  2. 前記構造体の厚さが500nm以下であることを特徴とする請求項1記載の複合粒子。
  3. 前記母粒子の直径が1μm以上150μm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の複合粒子。
  4. 前記カーボンナノチューブは、多層であり、長さが0.2μm以上15μm以下、直径が30nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の複合粒子。
  5. 前記カーボンナノチューブは、直径が20nm以下であることを特徴とする請求項4記載の複合粒子。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の複合粒子を含むことを特徴とする成形品。
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