JP2011228262A - 面状発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光取り出し効率を向上でき、且つ、耐候性および防水性を高めることが可能な面状発光装置を提供する。
【解決手段】第1の透光性基板11の一表面側に発光層を含む有機EL層13が形成された有機EL素子10であって厚み方向の一面側から光を取り出す有機EL素子10と、有機EL素子10における上記一面側に配置され第1の透光性基板11よりも屈折率が低く且つ第1の透光性基板11よりも防水性および耐候性が高い第2の透光性基板21と、有機EL素子10の厚み方向の他面側を覆い第2の透光性基板21とともに有機EL素子10への水分の到達を阻止する保護部30と、有機EL素子10の上記一面と第2の透光性基板21との間に設けられ発光層から放射された光の上記一面での反射を抑制する光取出し構造部50とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、面状発光装置に関するものである。
従来から、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と略称する)を利用した面状発光装置が各所で研究開発されている。
有機EL素子としては、例えば、透光性基板(透明基板)の一表面側に、陽極となる透明電極、ホール輸送層、発光層(有機発光層)、電子注入層、陰極となる電極の積層構造を備えたものが知られている。この種の有機EL素子では、陽極と陰極との間に電圧を印加することによって発光層で発光した光が、透明電極および透光性基板を通して取り出される。
有機EL素子は、自発光型の発光素子であること、比較的高効率の発光特性を示すこと、各種の色調で発光可能であること、などの特徴を有するものである。このため、有機EL素子は、表示装置(例えば、フラットパネルディスプレイなどの発光体など)や、光源(例えば、液晶表示機器のバックライトや照明光源など)としての適用が期待されており、一部では既に実用化されている。
しかしながら、近年では、これらの用途に有機EL素子を応用展開するために、より高効率・長寿命・高輝度の有機EL素子の開発が望まれている。
有機EL素子の効率を支配する要因は、主として、電気−光変換効率、駆動電圧、光取り出し効率の3つである。
電気−光変換効率については、発光層の材料として燐光発光材料を用いることにより、外部量子効率が20%を超えるものが報告されている。この外部量子効率が20%という値は、内部量子効率に換算すると略100%であると考えられ、電気−光変換効率の観点では、いわゆる限界値に到達した例が実験的に確認されたといえる。また、駆動電圧の観点では、発光層のエネルギーギャップに相当する電圧の10〜20%増し程度の電圧で比較的高輝度の発光を示す有機EL素子が得られるようになってきている。したがって、これら2つの要因(電気−光変換効率、駆動電圧)の改善による有機EL素子の効率向上は、あまり期待できない。
一方、有機EL素子の光取り出し効率は、一般的に20〜30%程度と言われている(この値は、発光パターンや、陽極と陰極との間の層構造によって多少変化する)。光取り出し効率は、光を発生する部位およびその周辺部を構成する材料が、高屈折率、吸光性、などの特性を有するため、屈折率の異なる材料どうしの界面での全反射、材料による光の吸収などによって、発光を観測する側の外界へ光を有効に伝搬できないために、上述のような低い値になるものと考えられる。すなわち、光取り出し効率が20〜30%ということは、いわゆる発光として有効に活用できない光が全発光量の70〜80%を占める、ということであり、光取り出し効率の向上による有機EL素子の効率の向上の期待値は非常に大きい。
上述の背景に伴い、有機EL素子の分野においては、有機EL素子の光取り出し効率を向上させるための研究開発が各所で行われており、特に、発光層から透光性基板へ到達する光を増やす試みが多くなされている。ここで、有機EL素子では、発光層の屈折率が1.7程度、透明電極として一般的なITOの屈折率が1.8〜2.0程度、透光性基板として一般的なガラス基板(ソーダライムガラス基板、無アルカリガラス基板など)の屈折率が1.5程度であるため、仮に透明電極の屈折率が1.7であるとしても、透明電極と透光性基板との界面で発生する全反射ロスは、全反射光の約50%に達する。なお、この約50%という値は、点光源近似で得られる値であり、発光が有機分子からの3次元放射光の積算であることを考慮して求めた値である。
したがって、有機EL素子においては、発光層−透光性基板間の全反射ロスを低減することにより、光取り出し効率を大きく改善することが可能である。
ここにおいて、発光層−透光性基板間の全反射ロスを低減するための最もシンプルで効果的なアプローチは、発光層−透光性基板間に存在する界面での屈折率差を低減することである。このようなアプローチにおいては、発光層の屈折率を下げる試みと、透光性基板の屈折率を上げる試みとが考えられる。前者の試みに関しては、材料の制約が大きく、場合によっては発光効率や寿命が大きく劣化する原因となるため、難しいのが現状である。一方、後者の試みに関しては、例えば、有機EL素子を形成する透光性基板として屈折率が1.85の高屈折率ガラス基板を用いることにより、光取り出し効率が向上することが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、透光性基板として、酸素、水分などの気体を透過させないガスバリア性を有するガスバリア層が設けられ一般的なガラス基板よりも屈折率の高いプラスチック基板を用いることも知られている(特許文献2,3参照)。上記特許文献2,3に開示されたものでは、防水性の向上を図りつつ光取り出し効率を向上させることが可能となる。上記特許文献2に開示された発光装置は、プラスチック基板の一表面側のバリア層上に形成された陽極と発光層と陰極との積層構造が、誘電体層からなる媒質を介してエポキシ樹脂からなる保護部により覆われており、プラスチック基板の他表面から光が出射される。
また、水蒸気などのガスに起因した素子劣化防止効果を高めた有機EL素子としては、プラスチック基材上に、透明陽極層、発光媒体層、陰極層を順次積層した積層体を、ガラス基板と耐湿性フィルムとで密閉したものが提案されている(特許文献4参照)。上記特許文献4に開示された有機EL素子では、プラスチック基材の水分含有率を、重量分率で0.2%以下としている。また、上記特許文献4には、プラスチック基材の一表面側(透明陽極層に接する面側)、あるいは、上記一表面側および他表面側に、ガスバリア層を形成しておくことにより、素子劣化防止効果を更に高めることができる旨が記載されている。
米国特許第7053547号明細書 米国特許第5693956号明細書 特開2004−322489号公報 特開2002−373777号公報
上記特許文献1に開示されたように高屈折率ガラス基板を用いた有機EL素子では、高屈折率ガラス基板が高価であり、産業上の利用可能性が低いのが現状である。また、高屈折率ガラス基板は、一般的に重金属などの様々な不純物が含まれているため、脆くなったり耐候性が不十分なものが多い。
また、上記特許文献2,3のように、透光性基板としてバリア層が設けられたプラスチック基板を用いた有機EL素子では、高屈折率ガラス基板を用いる場合に比べて、低コスト化を図れる。しかしながら、上記特許文献2,3に開示された有機EL素子では、光取り出し面となるプラスチック基板の上記他表面に傷が付きやすい。また、有機材料は、ガラスに比べて耐候性が低く、紫外線に弱いので、例えば屋外で使用する場合などに、プラスチック基板および発光層の長期信頼性が低下してしまう懸念がある。また、バリア層が設けられたプラスチック基板は、バリア層を設けていない一般的なプラスチック基板に比べて高価であり、コスト面でのデメリットがある。
また、上記特許文献4に開示された有機EL素子では、発光媒体層−大気(採光側の大気)間に存在する界面(屈折率界面)の数が増えるので、全反射ロスおよびフレネルロスが増えてしまい、光取り出し効率が低下してしまう。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、光取り出し効率を向上でき、且つ、耐候性および防水性を高めることが可能な面状発光装置を提供することにある。
本発明の面状発光装置は、第1の透光性基板の一表面側に発光層が形成された有機EL素子であって厚み方向の一面側から光を取り出す前記有機EL素子と、前記有機EL素子における前記一面側に配置され前記第1の透光性基板よりも屈折率が低く且つ前記第1の透光性基板よりも防水性および耐候性が高い第2の透光性基板と、前記有機EL素子の前記厚み方向の他面側を覆い前記第2の透光性基板とともに前記有機EL素子への水分の到達を阻止する保護部と、前記有機EL素子の前記一面と前記第2の透光性基板との間に設けられ前記発光層から放射された光の前記一面での反射を抑制する光取出し構造部とを備えることを特徴とする。
この面状発光装置において、前記光取出し構造部が前記有機EL素子の前記一面側に設けられた凹凸構造部であり、当該凹凸構造部と前記第2の透光性基板との間に空間が存在することが好ましい。
この面状発光装置において、前記凹凸構造部の屈折率が、前記第1の透光性基板の屈折率を下回らないことが好ましい。
この面状発光装置において、前記凹凸構造部の一部と前記第2の透光性基板とを面接触させてなることが好ましい。
この面状発光装置において、前記第2の透光性基板における前記有機EL素子側に前記凹凸構造部が収納される凹部を有し、当該凹部の内面と前記凹凸構造部の表面との間が前記空間を構成していることが好ましい。
この面状発光装置において、前記光取出し構造部が前記有機EL素子の前記一面側に設けられた凹凸構造部であり、当該凹凸構造部と前記第2の透光性基板との間に、前記第2の透光性基板の屈折率以下の屈折率の透光性材料からなる透光部を有することが好ましい。
この面状発光装置において、前記光取出し構造部は、前記有機EL素子において前記光取出し構造部に接する部位の屈折率を下回らない屈折率を有する透光性材料からなる母材と、前記母材に分散され前記母材とは屈折率の異なる光拡散体とからなることが好ましい。
この面状発光装置において、前記光拡散体は空孔であることが好ましい。
この面状発光装置において、前記光拡散体は微粒子であることが好ましい。
この面状発光装置において、前記光取出し構造部が前記第2の透光性基板における前記有機EL素子との対向する側に設けられた凹凸構造部であり、当該凹凸構造部と前記第1の透光性基板との間に、前記第1の透光性基板の屈折率以上の屈折率の透光性材料からなる透明部を有することが好ましい。
この面状発光装置において、前記有機EL素子の前記他面と前記保護部との間に介在し前記有機EL素子で発生した熱を前記保護部側へ放熱させる放熱部材を備え、前記有機EL素子が前記保護部のみに固定されてなることが好ましい。
この面状発光装置において、前記第2の透光性基板の厚み方向の少なくとも一面にアンチリフレクションコートが設けられてなることが好ましい。
この面状発光装置において、前記第2の透光性基板の厚み方向の少なくとも一面側にモスアイ構造が設けられてなることが好ましい。
この面状発光装置において、前記第1の透光性基板が、プラスチック基板であり、前記第2の透光性基板が、ガラス基板であることが好ましい。
この面状発光装置において、前記第2の透光性基板と前記保護部とで囲まれる空間内に、前記有機EL素子を複数個備え、前記複数個の前記有機EL素子が前記第2の透光性基板に平行な一平面内で並んで配置されてなることが好ましい。
この面状発光装置において、前記保護部の一面側に光反射部を有することが好ましい。
この面状発光装置において、前記保護部は、前記保護部において前記光取出し構造部側とは反対の一面側に、前記保護部の他の部分に比べて熱伝導率の高い材料により形成された伝熱部を有することが好ましい。
本発明の面状発光装置においては、光取り出し効率を向上でき、且つ、耐候性および防水性を高めることが可能となる。
実施形態1の面状発光装置を示し、(a)は概略断面図、(b)は概略平面図、(c)は要部概略平面図である。 同上の要部説明図である。 同上における光取出し構造部の形成方法の説明図である。 同上における光取出し構造部の説明図である。 同上における光取出し構造部の説明図である。 同上における光取出し構造部の説明図である。 同上の要部説明図である。 同上の要部説明図である。 同上の動作説明図である。 同上の要部説明図である。 同上の要部説明図である。 モスアイ構造の概略断面図である。 可視光域における光の反射率の説明図である。 実施形態2の面状発光装置の概略断面図である。 実施形態3の面状発光装置の概略断面図である。 実施形態4の面状発光装置の概略断面図である。 同上における有機EL素子の説明図である。 同上の面状発光装置の製造方法の説明図である。 実施形態5の面状発光装置の概略断面図である。 同上の面状発光装置の製造方法の説明図である。 実施形態6の面状発光装置の概略断面図である。 同上の面状発光装置の要部概略平面図である。 同上の面状発光装置の他の構成例の要部概略平面図である。 同上の面状発光装置の他の構成例の製造方法の説明図である。 実施形態7の面状発光装置の概略断面図である。 同上における有機EL素子の説明図である。 同上の面状発光装置の要部説明図である。 実施形態8の面状発光装置に関し、(a)は概略断面図、(b)は要部概略平面図である。 実施形態9の面状発光装置に関し,(a)は要部の平面レイアウト図、(b)は(a)のA−A’概略断面図である。 実施形態10の面状発光装置の概略断面図である。 実施形態11の面状発光装置の概略断面図である。 実施形態12の面状発光装置の概略断面図である。 実施形態13の面状発光装置の概略断面図である。 実施形態14の面状発光装置の概略断面図である。 実施形態15の面状発光装置の概略断面図である。
(実施形態1)
以下、本実施形態の面状発光装置について、図1に基づいて説明する。
本実施形態の面状発光装置は、第1の透光性基板11の一表面側に発光層を含む有機EL層13が形成された有機EL素子10であって厚み方向の一面側から光を取り出す有機EL素子10と、有機EL素子10における上記一面側に配置され第1の透光性基板11よりも屈折率が低く且つ第1の透光性基板11よりも防水性および耐候性が高い第2の透光性基板21と、有機EL素子10の厚み方向の他面側を覆い第2の透光性基板21とともに有機EL素子10への水分の到達を阻止する保護部30と、有機EL素子10の上記一面と第2の透光性基板21との間に設けられ発光層から放射された光の上記一面での反射を抑制する光取出し構造部50とを備えている。
有機EL素子10は、陽極12と陰極14との間に介在する有機EL層13が、陽極12側から順に、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層を備えている。ここにおいて、有機EL素子10は、陽極12を第1の透光性基板11の上記一表面側に積層してあり、陽極12における第1の透光性基板11側とは反対側で、陰極14が陽極12に対向している。
本実施形態における有機EL素子10では、陽極12を透明電極により構成するとともに、陰極14を発光層からの光を反射する電極により構成してあり、第1の透光性基板11の他表面を上記一面としている。
上述の有機EL層13の積層構造は、上述の例に限らず、例えば、発光層の単層構造や、ホール輸送層と発光層と電子輸送層との積層構造や、ホール輸送層と発光層との積層構造や、発光層と電子輸送層との積層構造などでもよい。また、陽極12とホール輸送層との間にホール注入層を介在させてもよい。また、発光層は、単層構造でも多層構造でもよく、例えば、所望の発光色が白色の場合には、発光層中に赤色、緑色、青色の3種類のドーパント色素をドーピングするようにしてもよいし、青色正孔輸送性発光層と緑色電子輸送性発光層と赤色電子輸送性発光層との積層構造を採用してもよいし、青色電子輸送性発光層と緑色電子輸送性発光層と赤色電子輸送性発光層との積層構造を採用してもよい。また、陽極12と陰極14とで挟んで電圧を印加すれば発光する機能を有する有機EL層13を1つの発光ユニットとして、複数の発光ユニットを光透過性および導電性を有する中間層を介して積層して電気的に直列接続したマルチユニット構造(つまり、1つの陽極12と1つの陰極14との間に、厚み方向に重なる複数の発光ユニットを備えた構造)を採用してもよい。
また、有機EL素子10の厚み方向の他面側から光を出射させる場合には、第1の透光性基板11の上記他表面にAl膜などからなる反射膜を設け、陰極14の表面側に光取出し構造部50を設ければよい。
また、第1の透光性基板11の平面視形状は、矩形状としてあるが、矩形状に限らず、例えば、円形状、三角形状、五角形状、六角形状などでもよい。
陽極12は、発光層中にホールを注入するための電極であり、仕事関数の大きい金属、合金、電気伝導性化合物、あるいはこれらの混合物からなる電極材料を用いることが好ましく、HOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)準位との差が大きくなりすぎないように仕事関数が4eV以上6eV以下のものを用いるのが好ましい。陽極12の電極材料としては、例えば、ITO、酸化錫、酸化亜鉛、IZO、ヨウ化銅など、PEDOT、ポリアニリンなどの導電性高分子および任意のアクセプタなどでドープした導電性高分子、カーボンナノチューブなどの導電性光透過性材料を挙げることができる。ここにおいて、陽極12は、第1の透光性基板11の上記一表面側に、スパッタ法、真空蒸着法、塗布法などによって薄膜として形成すればよい。
なお、陽極12のシート抵抗は数百Ω/□以下とすることが好ましく、特に好ましくは100Ω/□以下がよい。ここで、陽極12の膜厚は、陽極12の光透過率、シート抵抗などにより異なるが、500nm以下、好ましくは10nm〜200nmの範囲で設定するのがよい。
また、陰極14は、発光層中に電子を注入するための電極であり、仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物からなる電極材料を用いることが好ましく、LUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)準位との差が大きくなりすぎないように仕事関数が1.9eV以上5eV以下のものを用いるのが好ましい。陰極14の電極材料としては、例えば、アルミニウム、銀、マグネシウムなど、およびこれらと他の金属との合金、例えばマグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金を例として挙げることができる。また、金属の導電材料、金属酸化物など、およびこれらと他の金属との混合物、例えば、酸化アルミニウムからなる極薄膜(ここでは、トンネル注入により電子を流すことが可能な1nm以下の薄膜)とアルミニウムからなる薄膜との積層膜なども使用可能である。また、陰極14側から光を取り出す場合には、例えば、ITO、IZOなどを採用すればよい。
発光層の材料としては、有機エレクトロルミネッセンス素子用の材料として知られる任意の材料が使用可能である。例えばアントラセン、ナフタレン、ピレン、テトラセン、コロネン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、トリス(5−フェニル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、トリ−(p−ターフェニル−4−イル)アミン、1−アリール−2,5−ジ(2−チエニル)ピロール誘導体、ピラン、キナクリドン、ルブレン、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ジスチリルアミン誘導体および各種蛍光色素など、上述の材料系およびその誘導体を始めとするものが挙げられるが、これらに限定するものではない。また、これらの化合物のうちから選択される発光材料を適宜混合して用いることも好ましい。また、上記化合物に代表される蛍光発光を生じる化合物のみならず、スピン多重項からの発光を示す材料系、例えば燐光発光を生じる燐光発光材料、およびそれらからなる部位を分子内の一部に有する化合物も好適に用いることができる。また、これらの材料からなる発光層は、蒸着法、転写法などの乾式プロセスによって成膜しても良いし、スピンコート法、スプレーコート法、ダイコート法、グラビア印刷法など、湿式プロセスによって成膜するものであってもよい。
上述のホール注入層に用いられる材料は、ホール注入性の有機材料、金属酸化物、いわゆるアクセプタ系の有機材料あるいは無機材料、p−ドープ層などを用いて形成することができる。ホール注入性の有機材料とは、ホール輸送性を有し、また仕事関数が5.0〜6.0eV程度であり、陽極1との強固な密着性を示す材料などがその例であり、例えば、CuPc、スターバーストアミンなどがその例である。また、ホール注入性の金属酸化物とは、例えば、モリブデン、レニウム、タングステン、バナジウム、亜鉛、インジウム、スズ、ガリウム、チタン、アルミニウムのいずれかを含有する金属酸化物である。また、1種の金属のみの酸化物ではなく、例えばインジウムとスズ、インジウムと亜鉛、アルミニウムとガリウム、ガリウムと亜鉛、チタンとニオブなど、上記のいずれかの金属を含有する複数の金属の酸化物であっても良い。また、これらの材料からなるホール注入層は、蒸着法、転写法などの乾式プロセスによって成膜しても良いし、スピンコート法、スプレーコート法、ダイコート法、グラビア印刷法などの湿式プロセスによって成膜するものであってもよい。
また、ホール輸送層に用いる材料は、例えば、ホール輸送性を有する化合物の群から選定することができる。この種の化合物としては、例えば、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)、2−TNATA、4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)、4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニル(CBP)、スピロ−NPD、スピロ−TPD、スピロ−TAD、TNBなどを代表例とする、アリールアミン系化合物、カルバゾール基を含むアミン化合物、フルオレン誘導体を含むアミン化合物などを挙げることができるが、一般に知られる任意のホール輸送材料を用いることが可能である。
また、電子輸送層に用いる材料は、電子輸送性を有する化合物の群から選定することができる。この種の化合物としては、Alq等の電子輸送性材料として知られる金属錯体や、フェナントロリン誘導体、ピリジン誘導体、テトラジン誘導体、オキサジアゾール誘導体などのヘテロ環を有する化合物などが挙げられるが、この限りではなく、一般に知られる任意の電子輸送材料を用いることが可能である。
また、電子注入層の材料は、例えば、フッ化リチウムやフッ化マグネシウムなどの金属フッ化物、塩化ナトリウム、塩化マグネシウムなどに代表される金属塩化物などの金属ハロゲン化物や、アルミニウム、コバルト、ジルコニウム、チタン、バナジウム、ニオブ、クロム、タンタル、タングステン、マンガン、モリブデン、ルテニウム、鉄、ニッケル、銅、ガリウム、亜鉛、シリコンなどの各種金属の酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物など、例えば酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、窒化アルミニウム、窒化シリコン、炭化シリコン、酸窒化シリコン、窒化ホウ素などの絶縁物となるものや、SiOやSiOなどをはじめとする珪素化合物、炭素化合物などから任意に選択して用いることができる。これらの材料は、真空蒸着法やスパッタ法などにより形成することで薄膜状に形成することができる。
第1の透光性基板11としては、無アルカリガラス基板やソーダライムガラス基板などの安価なガラス基板に比べて安価であり、且つ、当該ガラス基板よりも屈折率が大きなプラスチック基板の一種であるポリエチレンテレフタラート(PET)基板を用いている。プラスチック基板のプラスチック材料としては、PETに限らず、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリカーボネート(PC)などを採用してもよく、所望の用途や、屈折率、耐熱温度などに応じて適宜選択すればよい。下記表1に、代表的なプラスチック材料の物性値などを示す。なお、PETは、非常に安価で安全性の高いプラスチック材料である。また、PENは、PETと比べて、屈折率が高く耐熱性も良好であるが、高価である。
Figure 2011228262
ところで、第1の透光性基板11としてガラス基板を用いる場合には、第1の透光性基板11の上記一表面の凹凸が有機EL素子10のリーク電流などの発生原因となることがある(有機EL素子10の劣化原因となることがある)。このため、第1の透光性基板11としてガラス基板を用いる場合には、上記一表面の表面粗さが小さくなるように高精度に研磨された素子形成用のガラス基板を用意する必要があり、コストが高くなってしまう。なお、第1の透光性基板11の上記一表面の表面粗さについては、JIS B 0601−2001(ISO 4287−1997)で規定されている算術平均粗さRaを、数nm以下にすることが好ましい。
これに対して、本実施形態では、第1の透光性基板11としてプラスチック基板を用いているので、特に高精度な研磨を行わなくても、上記一表面の算術平均粗さRaが数nm以下のものを低コストで得ることができる。
第2の透光性基板21としては、高屈折率ガラス基板に比べて安価なガラス基板である無アルカリガラス基板を用いているが、これに限らず、例えば、ソーダライムガラス基板を用いてもよい。また、第2の透光性基板21で用いるガラス基板については、有機EL素子10を形成するためのものではないので、算術平均粗さRaが数100nm以上のガラス基板を用いることができ、素子形成用のガラス基板を用いて有機EL素子を形成した面状発光装置に比べて低コスト化を図ることが可能となる。
本実施形態における有機EL素子10は、第1の透光性基板11の周部を全周に亘って第2の透光性基板21と接合してある。ここにおいて、有機EL素子10と第2の透光性基板21とを接合する接合部29は、例えば、接着用フィルム、熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂、接着剤(例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂など)などにより構成すればよい。なお、有機EL素子10は、第1の透光性基板11の上記他表面のうち、平面視において陽極12、有機EL層13、陰極14の3つが重複する領域が発光面となる。
保護部30は、ガラス基板(例えば、ソーダライムガラス基板、無アルカリガラス基板などの安価なガラス基板)を用いて形成してある。ここにおいて、保護部30は、第2の透光性基板21との対向面に、有機EL素子10を収納する収納凹所31が形成されており、上記対向面における収納凹所31の周部を全周に亘って第2の透光性基板21と接合してある。しかして、有機EL素子10は、第2の透光性基板21と保護部30とで囲まれた気密空間内に収納されることとなる。ただし、第2の透光性基板21の一表面側には、有機EL素子10の陽極12、陰極14それぞれと電気的に接続される給電用の外部接続電極22,24が設けられており、保護部30の上記周部の一部は各外部接続電極22,24に接合されている。陽極12、陰極14それぞれと外部接続電極22,24とは、導電性ペースト(例えば、銀ペーストなど)からなる接続部62,64を介して電気的に接続してある。接続部62,64は、導電性ペーストに限らず、例えば、ボンディングワイヤや、金属膜などにより構成してもよい。
保護部30と第2の透光性基板21とを接合する接合部39は、例えば、低融点ガラス、接着用フィルム、熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂、接着剤(例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂など)などにより構成すればよい。外部接続電極22,24は、例えば、Au膜、Al膜やITO膜などにより構成すればよいが、材料や層構造は特に限定するものではなくて、下地との密着性や電気的に接続する部位の接触抵抗などを考慮して適宜設定すればよく、単層構造に限らず、多層構造でもよい。
また、保護部30は、収納凹所31の内底面に、水分を吸着する吸水材40を貼り付けてある。なお、吸水材40としては、例えば、酸化カルシウム系の乾燥剤(酸化カルシウムを練り込んだゲッタ)などを用いればよい。
また、保護部30は、有機EL素子10を封止するエポキシ樹脂やシリコーン樹脂などにより構成してもよい。
本実施形態の面状発光装置は、上述の光取出し構造部50が、有機EL素子10の上記一面側に設けられた凹凸構造部51により構成され、当該凹凸構造部51と第2の透光性基板21との間に空間70が存在している。しかして、本実施形態の面状発光装置では、発光層から放射され第2の透光性基板21まで到達した光の反射ロスを低減でき、光取り出し効率の向上を図れる。また、本実施形態の面状発光装置では、第2の透光性基板21における有機EL素子10側に凹凸構造部51が収納される凹部21aを有し、当該凹部21aの内面と凹凸構造部51の表面との間が上述の空間70を構成している。しかして、本実施形態の面状発光装置では、第2の透光性基板21に凹部21aを設けるだけで、凹凸構造部51と第2の透光性基板21との間に空間70を形成することができるとともに、凹凸構造部51を保護することができる。
ところで、有機EL素子10の発光層および第1の透光性基板11それぞれの屈折率は、光が取り出される外部雰囲気である空気の屈折率に比べて大きい。したがって、上述の光取出し構造部50が設けられずに第1の透光性基板11と第2の透光性基板21との間の空間が空気雰囲気となっている場合には、第1の透光性基板11からなる第1の媒質と空気からなる第2の媒質との界面で全反射が生じ、全反射角以上の角度で当該界面に入射する光は反射される。そして、第1の媒質と第2の媒質との界面で反射された光が有機EL層13または第1の透光性基板11内部において多重反射し、外部に取り出されずに減衰するので、光取出し効率が低下する。また、第1の媒質と第2の媒質との界面に全反射角未満の角度で入射した光についても、フレネル反射が発生するため、さらに光取り出し効率が低下する。
これに対して、本実施形態では、有機EL素子10の上記一面側に上述の光取出し構造部50を設けてあるので、有機EL素子10の外部への光取り出し効率を向上させることができる。
光取出し構造部50を構成する凹凸構造部51は、2次元周期構造を有している。ここで、当該2次元周期構造の周期P(図1(a)参照)は、発光層で発光する光の波長が300〜800nmの範囲内にある場合、媒質内の波長をλ(真空中の波長を媒質の屈折率で除した値)とすれば、波長λの1/4〜10倍の範囲で適宜設定することが望ましい。
周期Pを例えば5λ〜10λの範囲で設定した場合には、幾何光学的な効果、つまり、入射角が全反射角未満となる表面の広面積化により、光取り出し効率が向上する。また、周期Pを例えばλ〜5λの範囲で設定した場合には、回折光による全反射角以上の光を取り出す作用により、光の取り出し効率が向上する。また、周期Pをλ/4〜λの範囲で設定した場合には、凹凸構造部51付近の有効屈折率が第1の透光性基板11の上記一表面からの距離が大きくなるにつれて徐々に低下することとなり、第1の透光性基板11と空間70との間に、凹凸構造部51の媒質の屈折率と空間70の媒質の屈折率との中間の屈折率を有する薄膜層を介在させるのと同等となり、フレネル反射を低減させることが可能となる。要するに、周期Pをλ/4〜10λの範囲で設定すれば、反射(全反射あるいはフレネル反射)を抑制することができ、有機EL素子10の光取り出し効率が向上する。ただし、幾何光学的な効果による光取り出し効率の向上を図る際の周期Pの上限としては、1000λまで適用可能である。また、凹凸構造部51は、必ずしも2次元周期構造などの周期構造を有している必要はなく、凹凸のサイズがランダムな凹凸構造や周期性のない凹凸構造でも光取り出し効率の向上を図れる。なお、異なるサイズの凹凸構造が混在する場合(例えば、周期Pが1λの凹凸構造と5λ以上の凹凸構造とが混在する場合)には、その中で最も凹凸構造部51における占有率の大きい凹凸構造の光取り出し効果が支配的になる。
光取出し構造部50の凹凸構造部51は、プリズムシート(例えば、株式会社きもと製のライトアップ(登録商標)GM3のような光拡散フィルムなど)により構成してあるが、これに限るものではない。例えば、第1の透光性基板11の上記他表面に凹凸構造部51をインプリント法(ナノインプリント法)により形成してもよいし、第1の透光性基板11を射出成形により形成するようにし、適宜の金型を用いて第1の透光性基板11に凹凸構造部51を直接形成してもよい。上述のプリズムシートに用いられている素材は、通常、屈折率が1.4〜1.6程度の樹脂である(つまり、屈折率がガラス基板の屈折率に近い一般的な樹脂である)場合が多く、屈折率が一般的な樹脂に比べて高い高屈折率の樹脂ではない。このため、本実施形態のように、第1の透光性基板11としてガラス基板に比べて屈折率の高いプラスチック基板を用いており、凹凸構造部51の屈折率が第1の透光性基板11の屈折率よりも低い場合、図2(b)中に矢印で示した光線の軌跡のように、第1の透光性基板11と凹凸構造部51との界面(屈折率界面)で全反射が発生し、光取り出しロスが生じる。そこで、本実施形態の面状発光装置では、第1の透光性基板11としてガラス基板に比べて屈折率の高いプラスチック基板を用いながらも、凹凸構造部51の屈折率を第1の透光性基板11の屈折率以上とする(凹凸構造部51の屈折率が、第1の透光性基板11の屈折率を下回らないようにする)ことにより、図2(a)中に矢印で示した光線の軌跡のように、第1の透光性基板11と凹凸構造部51との界面での全反射を防止することが可能となり、光取り出し効率の向上を図ることが可能となる。下記表2に、第1の透光性基板11の屈折率と凹凸構造部51の屈折率との組み合わせを異ならせた4つの例について、発光層からの光の光線軌跡を光線追跡法によりシミュレーションした結果から求めた光取り出し効率を示す。なお、このシミュレーションでの凹凸構造部51は、高さが5μm、底角が45°の四角錐が10μmピッチで2次元アレイ状に配列された構造とした。
Figure 2011228262
表2から、第1の透光性基板11の屈折率が同じ1.75の場合について、凹凸構造部51の屈折率を1.5〜2.0の範囲で変化させると、凹凸構造部51の屈折率が1.75以上で飽和する傾向にあることが分かる。したがって、本実施形態の面状発光装置では、凹凸構造部51の屈折率を第1の透光性基板11の屈折率以上とすることにより、第1の透光性基板11と凹凸構造部51との界面での全反射ロスを低減することが可能となり、光取り出し効率の向上を図ることが可能となる。
第1の透光性基板11の屈折率が例えば1.75の場合、第1の透光性基板11よりも屈折率の高い凹凸構造部51を得る方法としては、上述のインプリント法が挙げられる。
ここで、インプリント法により、凹凸構造部51を形成する方法について図3に基づいて簡単に説明する。
まず、PET基板、PEN基板などからなる第1の透光性基板11の上記他表面上に、凹凸構造部51の基礎となる高屈折率の透明材料151a(例えば、TiOのナノ粒子を混入させた熱硬化性樹脂)からなる転写層151(図3(b)参照)を、スピンコート法を利用して形成する。具体的には、第1の透光性基板11の上記他表面上に上記透明材料151a(図3(a)参照)をスピンコート法により塗布し(図3(a)中の矢印は第1の透光性基板11の回転方向を示している)、プリベークを行うことにより転写層151を形成する。次に、凹凸構造部51の形状に応じてパターン設計した凹凸パターンを形成したモールド141(図3(B)、図3(c1)参照)を、転写層151に押し付けて当該転写層151を変形させ硬化させる(例えば、熱硬化させる)ことにより凹凸構造部51(図3(d1)参照)を形成し、モールド141を凹凸構造部51(図3(d1)参照)から離す。図3(c1)中の矢印付きの波線は、全体として熱伝達の方向を示しており、図3(c1)における転写層151中の矢印は、転写層151の一部の流動方向を模式的に示している。ここにおいて、モールド141としては、例えば、周期が2μm、高さが1μmの微細突起(例えば、錐状(四角錐状、円錐状など)、半球状、円柱状などの微細突起)が2次元アレイ状にパターニングされたNi製モールドやSi製モールドを用いればよい。
インプリント法としては、上述のように熱硬化性樹脂を転写層151の透明材料151aとして用いる熱インプリント法(熱ナノインプリント法)に限らず、転写層151の材料として光硬化性樹脂を用いる光インプリント法(光ナノインプリント法)を採用してもよい。この場合には、粘度の低い光硬化性樹脂層からなる転写層151をモールド141により変形させて、その後に紫外線を照射して光硬化性樹脂を硬化させ、モールド141を転写層151から離すようにすればよい。インプリント法では、モールド141用の金型140(図3(A)参照)さえ1度作れば、凹凸構造部51を再現性良く形成することができ、低コスト化を図れる。ここで、金型140がマスターモールドを構成し、モールド141が反転モールドを構成する。図3(c3)中の上向きの矢印F1は、第1の透光性基板11側からの紫外線の照射方向を示しており、図3(c3)における転写層151中の矢印は、転写層151の一部の流動方向を模式的に示している。第1の透光性基板11がPEN基板のような紫外線を透過しないものである場合には、モールド141として、例えば、紫外線を透過する透明樹脂(例えば、PDMS(ポリジメチルシロキサン)など)で形成した樹脂製モールドを使用し、モールド141側から紫外線を照射するようにすればよい。図3(c3)中の下向きの矢印F2は、モールド141側からの紫外線の照射方向を示している。
また、熱インプリント法では、図3(c2)に示すようにモールド141を直接、第1の透光性基板11の上記他表面側に押し付けて熱を加えることにより、第1の透光性基板11を変形させることで凹凸構造部51(図3(d2)参照)を形成し、モールド141を凹凸構造部51(図3(d2)参照)から離すようにしてもよい。図3(c2)中の矢印付きの波線は、全体として熱伝達の方向を示しており、図3(c2)における第1の透光性基板11中の矢印は、第1の透光性基板11の一部の流動方向を模式的に示している。
また、本実施形態では、第2の透光性基板21に凹部21aを設けることで、凹凸構造部51の表面と第2の透光性基板21との間に空間70を確保している。これに対し、第2の透光性基板21に凹部21を設けなくても、有機EL素子10と第2の透光性基板20とを接合する接合部29の厚み寸法などを適宜設定することにより、凹凸構造部51の表面と第2の透光性基板21との間に空間70を確保することも可能である。ただし、この場合には、凹凸構造部51の表面に傷が付くのを防止するためのハードコートを施すか、あるいは、硬度が十分に高いプリズムシートを用いるか、あるいは、硬化後の硬度が十分に高い透明材料を用いることが望ましい。ハードコートを施すためのハードコート剤としては、例えば、東洋インキ製のTYZシリーズ(〔平成21年12月22日検索〕、インターネット<URL:http://www.toyoink.co.jp/products/lioduras/index.html>)などの高屈折率タイプ(屈折率が1.63〜1.74程度)のハードコート剤を採用することができる。なお、TYZシリーズは、エポキシ樹脂などにフィラーとして酸化ジルコニウムを混入させた紫外線硬化型のハードコート剤である。また、たとえ第2の透光性基板21と凹凸構造部51とが接触したとしても、第2の透光性基板21と凹凸構造部51との間に空間70があれば、光取り出し効率の向上を図れる。
ここにおいて、本実施形態の面状発光装置では、凹凸構造部51の一部と第2の透光性基板21とを面接触させておくことにより、全反射ロスを低減することが可能となり、光取り出し効率の向上を図ることが可能となる。ここで、凹凸構造部51の形状の例として、図4に示すような6種類の形状について検討した結果を説明する。
図4の上段は、凹凸構造部51が多数の凸部51aを有した形状の例であり、凸部51aの形状が、左側から順に、四角錐、半球、円柱となっている。また、図4の下段は、凹凸構造部51が多数の凹部51bを有した形状であり、凹部51bの形状が、左側から順に、四角錐状、半球状、円柱状となっている。したがって、多数の四角錐の凸部51aを有する凹凸構造部51、多数の半球の凸部51aを有する凹凸構造部51では、凹凸構造部51が第2の透光性基板21と点接触する箇所しかないのに対して、それ以外の凹凸構造部51では、凹凸構造部51が第2の透光性基板21と面接触する領域を有している。
凹凸構造部51の一部と第2の透光性基板21とが接触するように凹凸構造部51と第2の透光性基板21とを近づけて配置した各構造について、凹凸構造部51の屈折率を1.7、第2の透光性基板21の屈折率を1.5、空間70中の媒質および大気の屈折率を1として、光線追跡法によるシミュレーションを行い光取り出し効率の計算を行った。その結果を下記表3に示す。ただし、下記表3では、後述の面積占有率を50%とした場合について、凹凸構造部51の一部と第2の透光性基板21とを接触させた構造での光取り出し効率の、凹凸構造部51の一部と第2の透光性基板21とを接触させていない構造での光取り出し効率に対する倍率を記載してある。なお、凹凸構造部51と第2の透光性基板21とを接触させない構造に関して、凹凸構造部51と第2の透光性基板21との距離は、光取り出し効率の計算値に影響しなかった。
Figure 2011228262
表3から、本実施形態の面状発光装置では、凹凸構造部51の一部と第2の透光性基板21とを面接触させることにより、接触させない場合や、点接触させる場合に比べて、光取り出し効率の向上を図ることが可能となることが分かる。なお、第2の透光性基板21と面接触させる凹凸構造部51の形状は、上述の4つの形状の例に限らず、例えば、凸部51aの形状が六角柱、凹部51bの形状が六角柱状でもよいし、また、凹凸構造部51が回折格子型の形状でもよい。
また、本願発明者らは、凹凸構造部51の一部と第2の透光性基板21とを接触させる構造に関して、面接触させる領域の面積が光取り出し効率に与える影響を調べるために、面積占有率という新規のパラメータを規定して、この面積占有率と光取り出し効率との関係を調べた。ここで、個々の凸部51aまたは個々の凹部51bを単位形状とし、
面積占有率(%)={〔単位形状の平面視において中心を通る直線と交差する2点間の最大寸法〕/〔単位形状の中心間距離〕}×100 (1)式
と規定した。面積占有率を求める(1)式の分母である単位形状の中心間距離については、単位形状のピッチP(図5(b),(c)参照)であり、単位形状が存在しない場合には無限大とみなした。また、面積占有率を求める式の分子である最大寸法は、単位形状が円柱であれば、円の直径、単位形状が四角錐であれば、四角錐の底面における1つの対角線の長さとなる。ここで、例えば、単位形状を円柱の凸部51aとした場合には、図5(c)に示すように多数の凸部51aが隣り合う凸部51aと接して配置されていれば、面積占有率が100%となる。また、図5(b)に示すように、凸部51aのピッチPが直径の2倍であれば、面積占有率が50%となり、図5(a)のように、凸部51aが存在しなければ面積占有率が0%となる。
ところで、上述の凹凸構造部51の6つの形状について検討した表3の結果からは、円柱の凸部51aを有する凹凸構造部51を採用した場合に、倍率が最も高くなっていることが分かる。ここにおいて、円柱の凸部51aを有する凹凸構造部51を採用した例について、面積占有率と光取り出し効率の倍率との関係は、図6のようになった。ただし、図6のA1は、凹凸構造部51と第2の透光性基板21とを接触させていない場合の倍率の計算値であり、図6のA2は、凹凸構造部51と第2の透光性基板21とを接触させていない場合の倍率の計算値である。
図6から、凹凸構造部51と第2の透光性基板21との接触面積が大きければ大きいほど倍率が高くなるのではなく、最適な面積占有率が存在するものと考えられる。すなわち、図6から、円柱の凸部51aを有する凹凸構造部51を採用した場合には、面積占有率を100%ではなく、75%程度に設定することが好ましい。
ここにおいて、有機EL層13と陽極12とで構成される薄膜内での光の干渉により得られる配光パターンと光線追跡法によるシミュレーションとによって、光取り出し効率の倍率を高める効果の高い凹凸構造部51の形状(凹凸パターン)を設計することが可能である。上述の配光パターンは、第1の透光性基板11への入射配光特性と略等しい。この入射配光特性は、図7(a)に示すように、発光面より十分大きな径の半球レンズ210を第1の透光性基板11における陽極12側とは反対側に配置した構成について、放射光強度の角度依存性(配光パターン)を測定することにより、求めることが可能である。第1の透光性基板11として屈折率が1.77のPEN基板を用いる場合には、半球レンズ210として屈折率が1.77の高屈折率ガラスレンズを用い、第1の透光性基板11と半球レンズ210との間に、屈折率が1.77のマッチングオイルを介在させればよい。このような半球レンズ210を配置しない場合には、図7(b)に示すように、第1の透光性基板11に到達した光が第1の透光性基板11と空気との界面で屈折して角度が変化したり、全反射により空気中へ取り出せない光が増加してしまうので、入射配光特性を測定することができない。これに対して、図7(a)に示す構成とすれば、有機EL層13の層構成が変化して入射配光特性が変化した場合でも、入射配光特性を精度良く得ることが可能となる。これにより、例えば、図8(a)に一点鎖線で示す配光パターンのように指向性が高い場合、図8(b)に一点鎖線で示す配光パターンのように指向性が低い場合、それぞれについて、適切な凹凸構造部51の形状を設計することが可能となる。
また、凹凸構造部51と第2の透光性基板21とを面接触させることによって光取り出し効率が向上する原因について、本願発明者らは、図9(b)のようなモデルを推考した。図9(b)のモデルでは、第1の透光性基板11の厚みに比べて、陽極12と有機EL層13とを合わせた厚みが無視できる程度に小さいので、厚み方向における発光位置が、反射電極を兼ねる陽極14の第2の透光性基板21側の表面と略同じ位置となるものとして、発光位置からの光線の進行経路の一例を、矢印付きの実線で示してある。また、図9(b)のモデルでは、凹凸構造部51、第1の透光性基板11、陽極12、および有機EL層13の屈折率が同じn3であるとして、各界面の図示を省略してある。また、図9(b)のモデルでは、空間70の媒質(空気)の屈折率をn1、第2の透光性基板21の屈折率をn2、第2の透光性基板21の光取り出し側において第2の透光性基板21に接する外部の空気の屈折率をn1としてある(n1<n2<n3)。また、図9(a)には、凹凸構造部51と第2の透光性基板21とを接触させていない場合のモデルについて、発光位置からの光線の進行経路の一例を、矢印付きの実線で示してある。図9(a)のモデルでは、凹凸構造部51と空間70との界面での全反射と陰極14による反射とが繰り返されるモード(導波モード)に陥り、最終的に陰極14に吸収されてしまう光線が存在する。発明者らは、光線追跡法によるシミュレーションの結果、発光位置から放射される光線のうち、このようなモードで陰極14に吸収される成分が存在することを確認している。また、発明者らは、凹凸構造部51を設けずに空間70と第1の透光性基板11との界面がフラットになっている場合、この成分が更に増加することも確認している。一方、図9(b)のモデルでは、凹凸構造部51と第2の透光性基板21との界面について、スネルの法則により、全反射の臨界角が大きくなる。したがって、図9(b)のモデルでは、図9(a)のモデルにおいて上述のモードに陥ってしまうような光線の一部が、凹凸構造部51と第2の透光性基板21との界面で全反射せずに第2の透光性基板21を透過することとなる。また、スネルの法則によれば、第2の透光性基板21を透過する光線の一部は、第2の透光性基板21と外部の空気との界面で全反射されるが、図9(b)のモデルでは陰極14と凹凸構造部51の表面との間で光線が折り返される周期性がなくなっている。このため、図9(b)のモデルでは、第2の透光性基板21と第2の透光性基板21の外部の空気との界面で全反射された光線が陰極14で反射された場合でも、凹凸構造部51と空間70の媒質との界面に対して全反射の臨界角よりも小さな角度で入射し、結果的に第2の透光性基板21を透過して空気中へ取り出すことが可能となる。したがって、図9(b)のモデルでは、光取り出し効率が向上するものと考えられる。また、図9(b)のモデルでは、上述の図9(a)のモデルで説明したモードの光線に限らず、光線の陰極14での反射回数が減り、吸収ロスが低減することによっても、光取り出し効率が向上する。
ところで、光取出し構造部50は、凹凸構造部51の表面と第2の透光性基板21との間に空間70が存在することが重要である。仮に、凹凸構造部51の表面が、当該凹凸構造部51と第2の透光性基板21との界面であるとした場合には、第2の透光性基板21と外部の空気との屈折率界面が存在するため、当該屈折率界面で再び全反射が生じる。これに対して、本実施形態の面状発光装置では、有機EL素子10の光を一旦、空間70へ取り出すことができるので、空間70の空気と第2の透光性基板21との界面、第2の透光性基板21と外部の空気との界面で全反射ロスが生じなくなる。
ここにおいて、第1の透光性基板11を屈折率が1.65のPET基板とし、第2の透光性基板21を屈折率が1.5のガラス基板とした場合について、各媒質中へ光取り出し効率を計算した結果は、図10(a)の右側に示すようになった。また、参考例として、第1の透光性基板11を屈折率が1.5のガラス基板とし、第2の透光性基板21を備えていない場合について、発光層の発光領域が十分に小さな点光源であるとみなす点光源近似で計算した結果は、図10(b)の右側に示すようになった。
この光取り出し効率の計算は、発光層の屈折率を1.7とし、発光層と第1の透光性基板11との間に介在する部位(ホール輸送層、陽極12など)との屈折率が同じであるものと仮定して、図10(a),(b)に示すように発光層と第1の透光性基板11とが接する簡単なモデルについて行った。図10(a),(b)中に記載の「n」は、屈折率である。また、上述の点光源近似では、相対的に屈折率が高い媒質(屈折率をn2とする)からなる発光層と相対的に屈折率が低い媒質(屈折率をn1とする)からなる第1の透光性基板11との境界面に立てた法線の方向の透過光の強度をI0、当該法線とのなす角度がθの方向における透過光の単位立体角当たりの強度を2πI0sinθとして、発光層から第1の透光性基板11へ透過する光の確率ηを光取り出し効率とした。ここで、確率ηは、臨界角をθc(=sin-1(n1/n2))として、下記(2)式により求めた。また、図10(a),(b)いずれのモデルについても、光取り出し効率は、凹凸構造部51から空気中へ光が出射する確率を60%と仮定して計算した。また、図10(a)のモデルについては、第2の透光性基板21から空気中へ光が透過する際のフレネルロスを8%として光取り出し効率を計算した。
Figure 2011228262
図10(a),(b)から、図10(a)の例では、同図(b)の参考例に比べて、光取り出し効率が約1.3倍となっており、光取り出し効率が向上することが分かる。
ただし、光取出し構造部50を構成する凹凸構造部51と第2の透光性基板21との間に空間70が存在しない場合には、第2の透光性基板21と空気との界面で全反射が発生する。
したがって、光取出し構造部50を構成する凹凸構造部51の表面と第2の透光性基板211との間には、空間70が存在することが望ましい。しかしながら、面状発光装置の機械的強度や製造プロセスの簡易性を考慮して空間70を透光性材料により充実させた方が好ましい場合がある。この場合には、当該凹凸構造部51と第2の透光性基板21との間に、第2の透光性基板21の屈折率以下の屈折率の透光性材料からなる透光部を有するようにすれば、全反射ロスを低減でき、光取り出し効率の向上を図れる。ここにおいて、透光部の透光性材料としては、例えば、シリカエアロゲル(n=1.05)のような屈折率が極めて1に近いもの、つまり、屈折率が空気の屈折率と同等とみなせる程度に小さい低屈折率材料が特に好ましい。
以上説明した本実施形態の面状発光装置は、有機EL素子10の第1の透光性基板11とは別途に第2の透光性基板21を備えているので、第1の透光性基板11として高屈折率ガラス基板やバリア層が設けられたプラスチック基板を用いることなく防水性および耐候性を高めることが可能となる。また、本実施形態の面状発光装置は、第1の透光性基板11としてソーダライムガラス基板や無アルカリガラス基板のような一般的なガラス基板に比べて屈折率が高いものを用いることができるので、発光層−第1の透光性基板11間の全反射ロスを低減できる。また、本実施形態の面状発光装置は、有機EL素子10の上記一面と第2の透光性基板21との間に設けられ発光層から放射された光の上記一面での全反射を抑制する光取出し構造部50を備えているので、光取り出し効率の向上を図れる。しかして、本実施形態の面状発光装置によれば、光取り出し効率を向上でき、且つ、耐候性および防水性を高めることが可能となる。
また、本実施形態の面状発光装置では、第1の透光性基板11として、バリア層なしのプラスチック基板を用い、第2の透光性基板21として、ソーダライムガラス基板や無アルカリガラス基板のようなガラス基板を用いているので、低コスト化を図れるとともに、外部からの紫外線による有機EL素子10の長期信頼性の低下を防止することができる。
ところで、第2の透光性基板21を光が透過する際にフレネル反射による損失(フレネルロス)が生じる。ここで、図11に示すように、入射光と境界面(絶対屈折率がn1の媒質と絶対屈折率がn2の媒質との界面)に立てた法線とを含む面を入射面とし、入射光を、入射面内にあるp波と、入射面に垂直なs波とに分解して考える。また、法線と入射光との間の角度である入射角をα、法線と屈折光(透過光)との間の角度である屈折角をβとすれば、p波の反射率rpおよび透過率tp、s波の反射率rsおよび透過率tsそれぞれは、フレネルの式を用いて下記(3)〜(6)式で求められる。
Figure 2011228262
ここにおいて、空間70の空気中から第2の透光性基板21への入射を考えた場合には、有機EL層13から放射された光がランバーシャンの配光分布(放射光強度の放射角依存性がランバート(Lambert)型分布で近似される配光分布)であると仮定し、n1=1.51、n2=1としたとき、p偏向(p波)、s偏向(s波)のトータルの反射率は、それぞれ約3%、10%となる。さらに、第2の透光性基板21から外部の空気への入射でp偏向(p波)、s偏向(s波)のトータルの反射率は同じく約3%、10%となり、p偏向成分、s偏向成分が等しいとすれば、トータルで13%〔=(3+10)/2+(3+10)/2〕の光が反射する。有機EL素子10の発光特性の測定においては、ガラス基板からなる第2の透光性基板21を通したときと通さないときとで、第2の透光性基板21を通したときの方が、効率が約8〜15%低下している。ただし、効率ロスは、配光パターンの違いによって変動し、レーザのように垂直入射方向への指向性が強い光では小さくなる。なお、有機EL素子10の発光特性の評価にあたっては、定電流電源から有機EL素子10に2mA/cmの定電流を流して、分光器(浜松ホトニクス株式会社製のマルチチャネルアナライザPMA−11)により、放射光強度を−85°〜85°の放射角の範囲で5°ごとに測定し、投影面積を考慮して全光束(または外部量子効率)および正面輝度それぞれに比例する値を算出した。
一方、界面に垂直(つまり、入射角α=0)な入射光のみに着目すると、s偏向、p偏向とも反射率が等しくなり、反射率rは、下記(7)式で求められる。
Figure 2011228262
ここで、空間70の空気中から第2の透光性基板21への入射を考えた場合、反射率rは約4%となる。さらに、第2の透光性基板21から外部の空気への入射の場合も、反射率rは約4%となるので、結局は、トータルで8%の光が反射する。実際の有機EL素子10の発光特性の測定においても、ガラス基板からなる第2の透光性基板21を通したときと通さないときとで、第2の透光性基板21を通したときの方が、正面輝度が約8%低下した。
したがって、本実施形態の面状発光装置では、第2の透光性基板21を透過する際のフレネルロスを低減することが望ましい。フレネルロスを抑制する手段としては、例えば、第2の透光性基板21の厚み方向の少なくとも一面に、単層もしくは多層の誘電体膜からなるアンチリフレクションコート(anti-reflection coat:以下、AR膜と略称する)を設けることが考えられる。要するに、本実施形態の面状発光装置では、第2の透光性基板21における有機EL素子10側の凹部21aの内底面と、第2の透光性基板21における有機EL素子10側とは反対側の表面との少なくとも一面にAR膜を設けることが考えられる。ここにおいて、AR膜を例えば屈折率nが1.38のフッ化マグネシウム膜(MgF膜)により構成する場合には、設計波長λを550nmとすれば、AR膜の厚さをλ/4n=550/(4×1.38)=99.6nmとすればよい。同様に、AR膜を例えば屈折率nが1.58の酸化アルミニウム膜(Al膜)により構成する場合には、設計波長λを550nmとすれば、AR膜の厚さをλ/4n=550/(4×1.58)=87.0nmとすればよい。また、AR膜は、厚さが99.6nmのフッ化マグネシウム膜と厚さが87.0nmの酸化アルミニウム膜との積層膜(2層AR膜)としてもよい。なお、誘電体膜の材料は、フッ化マグネシウムや酸化アルミニウム以外の材料を採用してもよい。
本実施形態の面状発光装置では、AR膜を第2の透光性基板21の厚み方向の少なくとも一面、好ましくは両面に設けることにより、フレネルロスを低減でき、光取り出し効率の向上を図れる。第2の透光性基板21の厚み方向の両面にフッ化マグネシウム膜からなるAR膜を設けた場合、正面輝度が8%、外部量子効率が6%、それぞれ向上した。
また、フレネルロスを抑制する他の手段としては、第2の透光性基板21の厚み方向の少なくとも一面側に図12に示すようなモスアイ(蛾の目)構造80を設けることが考えられる。モスアイ構造80は、先細り状の微細突起81が2次元アレイ状に配列されて2次元周期構造を有しており、多数の微細突起81と隣り合う微細突起81間に入り込んだ媒質(図12の例では、空気)82とで反射防止部83が構成されることとなる。ここにおいて、第2の透光性基板21をナノインプリント法により加工してモスアイ構造80を形成した場合には、微細突起81の屈折率が第2の透光性基板21の屈折率と同じとなる。この場合、反射防止部83の有効屈折率は、当該反射防止部83の厚さ方向において第2の透光性基板21の屈折率(=1.51)と媒質82の屈折率(=1)との間で連続的に変化し、フレネルロスの原因となる屈折率界面がなくなった状態が擬似的に得られる。したがって、モスアイ構造80では、AR膜に比べて、波長や入射角に対する依存性を小さくでき、かつ、反射率も小さくすることができる。
モスアイ構造80における微細突起81の高さおよび微細突起81の周期Pは、それぞれ200nm、100nmに設定してあるが、これらの数値は一例であり、特に限定するものではない。
ここで、第2の透光性基板21の一面に対して、AR膜もモスアイ構造80も設けない場合、フッ化マグネシウム膜からなるAR膜を設けた場合、フッ化マグネシウム膜と酸化アルミニウム膜との積層膜からなるAR膜を設けた場合、モスアイ構造80を設けた場合、それぞれについて可視光域での反射率をシミュレーションした結果を、それぞれ図13中のA1、A2、A3、A4に示す。なお、AR膜の反射率のシミュレーションは、フレネル係数解析法を利用して行い、モスアイ構造80の反射率のシミュレーションは、厳密結合波解析法(別名、Rigorous Coupled Wave Analysis:RCWA法)を利用して行った。
図13からも、フレネルロスを抑制する手段として、モスアイ構造80を設けた場合(図13のA4、AR膜を設けた場合(図13のA2、A3)に比べて、フレネルロスを低減できて、光取り出し効率の向上を図れるとともに、反射率の角度依存性および波長依存性を小さくできる。
上述のモスアイ構造80は、例えば、ナノインプリント法により形成することができるが、ナノプリント法以外の方法(例えば、レーザ加工技術)で形成してもよい。また、モスアイ構造80は、例えば、三菱レイヨン株式会社製のモスアイ型無反射フィルムにより構成してもよい。
(実施例1)
本実施例の面状発光装置における有機EL素子10は、図1に示した実施形態1の構成において、陽極12と陰極14との間の有機EL層13が、ホール輸送層と発光層と電子輸送層と電子注入層1との積層構造を有している。
本実施例の面状発光装置の有機EL素子10の製造にあたっては、まず、PET基板からなる第1の透光性基板11の一表面側に膜厚が100nmのITO膜をスパッタ法により成膜した。次に、第1の透光性基板11の上記一表面側の全面にポジ型のレジスト(東京応化工業株式会社製のOFPR800LB)をスピンコート法により塗布してからベーキングを行った。続いて、別途用意したガラスマスクを利用して紫外線露光を行い、レジストの露光部を現像液(東京応化製のNMD−W)で除去することにより、レジストのパターニングを行った。その後、レジストをマスクとして、ITO膜のうちレジストにより覆われていない部分をエッチング液(関東化学株式会社製のITO−06N)によりエッチングすることでパターニングされたITO膜からなる陽極12を形成した。続いて、レジスト剥離液(東京応化工業株式会社製の剥離液106)でレジストを剥離した。なお、スパッタ法によりITO膜の成膜条件としては、ターゲットとしてITOターゲットを用い、成膜温度を100℃とした。
上述の陽極12が形成された第1の透光性基板11を、中性洗剤、純水で各10分間ずつ超音波洗浄し、その後、真空中において所定の乾燥温度(80℃)で所定の乾燥時間(2時間)の乾燥を行い、次に、紫外線(UV)とオゾン(O)とによる所定時間(10分)の表面清浄化処理を施した。
その後、第1の透光性基板11を真空蒸着装置のチャンバ内に配置し、α−NPDを40nmの膜厚でホール輸送層として成膜した。続いて、このホール輸送層上に、アルミニウム−トリス[8−ヒドロキシキノリン](以下、Alqと略称する)に5%のルブレンをドーピングした40nmの膜厚の発光層を成膜した。続いて、この発光層上に、Alqを40nmの膜厚で電子輸送層として成膜した。その後、電子輸送層上に、フッ化リチウム(LiF)を1nmの膜厚で電子注入層として成膜し、次に、アルミニウムを80nmの膜厚で陰極14として成膜した。
上述の有機EL素子10を製造した後、有機EL素子10を、露点−86℃以下のドライ窒素雰囲気のグローブボックスに、大気に暴露することなく搬送した。その後、第1の透光性基板11の上記他表面に、あらかじめ真空乾燥しておいて粘着材付きのプリズムシート(凹凸構造の周期が約3μm)からなる光取出し構造部50を貼り付けた。次に、第1の透光性基板11と第2の透光性基板21とを接合部29を介して接合した。さらにその後、酸化カルシウムを練り込んだゲッタからなる吸水材40を収納凹所31の内底面に貼り付けたガラス基板からなる保護部30を用意し、保護部30と第2の透光性基板21とを接合部39を介して接合した。
(実施例2)
実施例2として、実施例1と同じ構成であり、第1の透光性基板11としてPEN基板を用いた面状発光装置を作製した。
(実施例3)
実施例3として、実施例1と同じ構成であり、第1の透光性基板11としてPES基板を用いた面状発光装置を作製した。
(比較例1)
比較例1として、実施例1と同じ構成であり、第1の透光性基板11として屈折率が波長550nmでの屈折率が1.5の無アルカリガラス基板を用いた面状発光装置を作製した。
実施例1〜3および比較例1それぞれで用いた有機EL素子10について、定電流電源から有機EL素子10に2mA/cmの定電流を流して、発光特性を分光器(浜松ホトニクス株式会社製のマルチチャネルアナライザPMA−11)で測定し正面輝度および外部量子効率を求めた結果、下記表4に示す結果が得られた。なお、表4における正面輝度および外部量子効率それぞれは、第1の透光性基板11の基板材料が無アルカリガラスのもの(比較例1で用いた有機EL素子10)の値を1として規格化した値である。
Figure 2011228262
表4から、実施例1〜3それぞれで作製した有機EL素子10は、比較例1の有機EL素子10に比べて正面輝度および外部量子効率が向上していることが確認された。しかして、第1の透光性基板11の基板材料として無アルカリガラスに比べて屈折率の高いPET、PEN、PESを採用することにより、光取り出し効率が向上することが確認された。
(実施形態2)
図14に示す本実施形態の面状発光装置の基本構成は実施形態1と略同じであり、光取出し構造部50の構造などが相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態における光取出し構造部50は、有機EL素子10において当該光取出し構造部50に接する部位の屈折率(図14の例では、第1の透光性基板11の屈折率)を下回らない屈折率(図14の例では、第1の透光性基板11の屈折率以上の屈折率)を有する透光性材料からなる母材52と、母材52に分散され母材52とは屈折率の異なる多数の光拡散体53とで構成されている。ここにおいて、光拡散体53は、母材52との屈折が異なる材料であればよく、拡散性を高める上では、母材52との屈折率差が大きな材料が好ましく、また、光を吸収しない材料が好ましい。また、光拡散体53は、微粒子でもよいし、空孔でもよい。このような条件を満たす光取り出し構造部50としては、光拡散体53として、ナノ金属粒子や酸化チタン(TiO)粒子などからなる光拡散体53が樹脂からなる母材52に分散された構造や、空孔からなる光拡散体53が樹脂からなる母材52に分散された構造などが考えられる。
また、母材52については、熱硬化型もしくは紫外線硬化型の樹脂を採用することにより、有機EL素子10の第1の透光性基板11と第2の透光性基板21とを接合する接着剤としての機能を持たせることが可能である。勿論、母材52に接着剤の機能を持たせることなく、母材52とは別の接着剤により第1の透光性基板11と第2の透光性基板21とを接合するようにしてもよいことは勿論である。
上述の光拡散体53の平均サイズは、0.5μm〜50μmの範囲内、好ましは0.7μm〜10μm程度であることが望ましい。光拡散体53の平均サイズが0.5μmよりも小さい場合には、光と光拡散体53との相互作用(屈折、干渉)が起きないため、光の進行方向が変化しない。逆に光拡散体53の平均サイズが大きくなりすぎると、光取り出し構造部50の全光線透過率が低下して光取り出し効率が低下する可能性がある。拡散性を定量的に示す値としては、ヘイズ値という指標が一般的に用いられている。ヘイズ値は、試験片の拡散光透過率を全光線透過率で除した値を百分率で示したものである。一般的に、ヘイズ値が高くなると、全光線透過率が低くなるが、ヘイズ値、全光線透過率とも高いことが望ましい。例えば、母材52の樹脂として、紫外線硬化型の高屈折率樹脂の一種である三菱ガス化学株式会社製のLPB−1101(n=1.71)を用い、光拡散体53として平均粒径が2μmのTiO粒子をフィラーとして分散させた場合、ヘイズ値は90%程度、全光線透過率は80〜90%程度である。
なお、本実施形態では、有機EL素子10の陰極14と外部接続電極24とを接続する接続部64が、陰極14と同じ材料で陰極14と同時に形成されているが、実施形態1と同様に、陰極14とは別に形成してもよいことは勿論である。
以上説明した本実施形態の面状発光装置では、有機EL層13の発光層から放射され第2の透光性基板21まで到達した光の全反射ロスを低減でき、光取り出し効率の向上を図れる。ここにおいて、光拡散体53を空孔により構成した場合には、母材52と光拡散体53との屈折率差を大きくし易く、拡散効果を高めることができ、しかも、光の吸収が起こりにくく、光取り出し効率の向上を図れる。また、光拡散体53を微粒子により構成した場合には、光拡散体53である微粒子を分散させた母材52を有機EL素子10と第2の透光性基板21との間に介在させることにより光取出し構造部50を形成できるので、光取出し構造部50を容易に形成する可能となる。
なお、本実施形態の面状発光装置において、第2の透光性基板21における有機EL素子10側とは反対側の表面に実施形態1にて説明したモスアイ構造80をナノインプリント法により形成した場合には、正面輝度および外部量子効率それぞれが4%向上した。また、本実施形態の面状発光装置では、第2の透光性基板21における有機EL素子10側とは反対側の表面に実施形態1にて説明したAR膜を設けてもよい。
(実施形態3)
本実施形態の面状発光装置の基本構成は実施形態1と略同じであり、図15に示すように、光取出し構造部50の凹凸構造部51が第2の透光性基板21における有機EL素子10と対向する側に設けられており、当該凹凸構造部51と第1の透光性基板11との間に、第1の透光性基板11の屈折率以上の屈折率の透光性材料からなる透明部54を有している相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
ここにおいて、第2の透光性基板21は、ガラス基板により構成してあり、凹凸構造部51は、第2の透光性基板21を構成するガラス基板をインプリント法やブラスト法などによって加工することにより形成してある。ブラスト法により形成した場合の凹凸構造部51は、すりガラス状となる。
発光層の屈折率を1.7とし、発光層と第1の透光性基板11との間に介在する部位(ホール輸送層、陽極12など)との屈折率が同じであるとし、第1の透光性基板11の材料として屈折率が1.71のPETを採用する場合、透明部54の透光性材料としては、例えば、紫外線硬化型の高屈折率樹脂の一種である三菱ガス化学株式会社製のLPB−1101(n=1.71)や、屈折率が1.7以上のマッチングオイルなどを用いればよい。また、第1の透光性基板11の材料として屈折率が1.75のPENを採用する場合には、透明部54の透光性材料としては、例えば、屈折率が1.75以上のマッチングオイルを用いればよい。
しかして、本実施形態の面状発光装置においても、光取出し構造部50が設けられていることにより、発光層から放射された光の反射を抑制することができ、光取り出し効率の向上を図れる。また、本実施形態の面状発光装置では、第2の透光性基板21と有機EL素子10との間に空間70が存在する場合に比べて、第2の透光性基板21において有機EL素子10側でのフレネルロスをなくすことができるという利点がある。
また、本実施形態の面状発光装置において、第2の透光性基板21における有機EL素子10側とは反対側の表面側に実施形態1にて説明したAR膜やモスアイ構造80(図12参照)を設ければ、正面輝度および外部量子効率それぞれを向上させることが可能となる。
(実施形態4)
本実施形態の面状発光装置の基本構成は実施形態1と略同じであり、図16に示すように、保護部30を平板状のガラス基板により構成し、保護部30と第2の透光性基板21とを接合する接合部39をフリットガラスにより形成してある点などが相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
また、本実施形態の面状発光装置は、有機EL素子10の上記他面側に、有機EL素子10で発生した熱を保護部30側へ伝熱させる伝熱部34を設けてある。ここにおいて、伝熱部34は、第1の透光性基板11の上記一表面側において陽極12、有機EL層13および陰極14それぞれの露出部位を覆うように形成してある。このような伝熱部34は、例えば、不活性ガスに比べて熱伝導率の高いゲル状のシリコーン樹脂やゲル状のフッ素系樹脂、熱伝導グリースなど、あるいは、不活性ガスに比べて熱伝導率の高い液体(例えば、シリコーンオイル、パラフィンオイルなど)により形成すればよい。
本実施形態における有機EL素子10は、図17(a)に示すような平面レイアウトを有しており、第1の透光性基板11(図16参照)の上記他表面のうち陽極12、有機EL層13(図16参照)、陰極14の3つが重複する領域が発光面となる。ここで、有機EL素子10は、図17(a)に示すように、平面視で陽極12と陰極14とを互いに交差する形状とし、且つ、陽極12を、陰極14に対して交差する方向(図17(a)の右横に示したxy座標平面のx軸方向)において透光性基板11の全長に亘って形成するとともに、陰極14を、陽極12に対して交差する方向(図17(a)の右横に示したxy座標平面のy軸方向)において透光性基板11の全長に亘って形成してある。
また、この有機EL素子10は、図17(b)に示すように、第1の透光性基板11の多数個取りが可能なプラスチック基板(プラスチックフィルム)110に、多数個の有機EL素子10を形成してから、個々の有機EL素子10に分割することによって形成してある。ここにおいて、図17(b)に示した例では、x軸方向において隣り合う有機EL素子10の陽極12同士が連続し、y軸方向において隣り合う有機EL素子の陰極14同士が連続するように、多数個取りが可能なプラスチック基板110に多数個の有機EL素子10をマトリクス配置してある。したがって、多数個の有機EL素子10を形成したプラスチック基板110を、隣り合う有機EL素子10同士の境界(図17(b)中に一点鎖線で示してある)に沿ってカットすることで、多数個取りが可能なプラスチック基板110からの材料取りが向上し、材料歩留まりの向上を図れる。また、有機EL素子10の陽極12、陰極14それぞれへの電気的な接続部位を確保しつつ発光面の面積の増大を図れるとともに、第1の透光性基板11のうち上記一表面側において露出する部位の面積を小さくすることができる。多数個の有機EL素子10が形成されたプラスチック基板110をカットする手段としては、例えば、円板状のブレードを用いればよい。
なお、本実施形態では、陽極12、陰極14それぞれと外部接続電極22,24とを電気的に接続する接続部62,64を、ボンディングワイヤにより構成してある。しかして、接続部62,64からの脱ガスがない。
本実施形態の面状発光装置では、有機EL素子10と保護部30との間に伝熱部34を設けてあるので、有機EL素子10で発生した熱を保護部30側へ効率良く放熱させることが可能となり、有機EL素子10の長寿命化を図れるとともに、高輝度化を図れる。
また、本実施形態の面状発光装置では、保護部30と第2の透光性基板21とを接合する接合部39をフリットガラスにより形成してあるので、接合部39からの出ガスを防止することができるとともに耐湿性を高めることができ、長期的な信頼性を高めることが可能となる。また、接合部39を熱硬化性樹脂などの樹脂材料により形成する場合には、気密性を確保するために3mm以上の封止代を設けることが好ましいが、本実施形態では、接合部39をフリットガラスにより形成してあるので、封止代を1mm程度にしながらも気密性を確保することができる。したがって、本実施形態の面状発光装置の正面視における非発光部の面積を低減することができる。
以下、本実施形態の面状発光装置の製造方法について図18を参照しながら説明する。
まず、外部接続電極22,24が一表面側に形成された第2の透光性基板21の上記一表面側に、接着用フィルム、熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂、接着剤(例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂など)などからなる接合部29を配置することによって、図18(a)に示す構造を得る。
その後、図18(b)に示すように、有機EL素子10を第2の透光性基板21の上記一表面側に対向させて位置合わせを行い、図18(c)に示すように、有機EL素子10の第1の透光性基板11を第2の透光性基板21の上記一表面側に接合部29を介して接合してから、有機EL素子10の陽極12、陰極14それぞれと外部接続電極22,24とを、ボンディングワイヤからなる接続部62,64により電気的に接続する。
その後、有機EL素子10の上記他面側にゲル状のシリコーン樹脂などからなる伝熱部34を設けることによって、図18(d)に示す構造を得る。
伝熱部34を設けた後、第2の透光性基板21の上記一表面側にガラスフリットからなる接合部39を配置し、続いて、保護部30を第2の透光性基板21の上記一表面側に対向させて位置合わせを行う(図18(e)参照)。続いて、保護部30を接合部39に接触させ、接合部39をレーザ光などにより加熱して第2の透光性基板21および保護部30それぞれと接合すればよい。この場合、フリットガラスがレーザ光により加熱されやすいように適宜の不純物をフリットガラスに添加しておいてもよい。なお、加熱は、レーザ光に限らず、例えば、赤外線により行ってもよい。また、伝熱部34を液体により構成する場合には、例えば、あらかじめ保護部30に液体の注入孔および空気抜き孔を設けておき、接合部39を第2の透光性基板21および保護部30それぞれと接合した後で、注入孔から液体を注入することで伝熱部34を設け、その後、注入孔および空気抜き孔を接着剤などにより封止すればよい。
上述の接合部39は、第2の透光性基板21と保護部30との間のスペーサとして機能するものであり、接合部39は、フリットガラスのみを用いて形成する場合に限らず、例えば、合金からなる枠部材と、当該枠部材における第2の透光性基板21および保護部30それぞれとの対向面に形成されたフリットガラスとを用いて形成してもよい。ここにおいて、枠部材の材料である合金としては、熱膨張係数が第1の透光性基板21および保護部30の熱膨張係数に近いコバール(Kovar)を用いることが好ましいが、コバールに限らず、例えば、42合金などを用いてもよい。コバールは、鉄にニッケル、コバルトを配合した合金であり、常温付近での熱膨張係数が、金属の中で低いものの一つで、無アルカリガラス、青ソーダガラス、硼珪酸ガラスなどの熱膨張係数に近い値を有している。コバールの成分比の一例は、重量%で、ニッケル:29重量%、コバルト:17重量%、シリコン:0.2重量%、マンガン:0.3重量%、鉄:53.5重量%である。コバールの成分比は、特に限定するものではなく、コバールの熱膨張係数が、第2の透光性基板21および保護部30の熱膨張係数に揃うように適宜成分比のものを採用すればよい。また、この場合のフリットガラスとしては、熱膨張係数を合金の熱膨張係数に揃えることができる材料を採用することが好ましい。ここで、合金がコバールの場合には、フリットガラスの材料として、コバールガラスを用いることが好ましい。また、このような接合部39の形成にあたっては、例えば、コバールなどの合金からなる板材の厚み方向の両面に、フリットガラスを所定パターン(本実施形態では、矩形枠状のパターン)となるように塗布し、乾燥、焼成後、プレス抜き加工を行うことにより、接合部39を形成することができる。
(実施形態5)
本実施形態の面状発光装置の基本構成は実施形態1と略同じであり、図19に示すように、保護部30を平板状のガラス基板として、有機EL素子10と保護部30との間に、有機EL素子10で発生した熱を保護部30側へ放熱させる放熱部材35を介在させてある点などが相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
放熱部材35としては、例えば、放熱用のシリコーンフィルム(例えば、ゲル状のサーコン(登録商標)シートなど)やカーボンフィルムなどの放熱シートや、熱伝導グリースなどを用いればよい。
また、本実施形態の面状発光装置は、保護部30における第2の透光性基板21と対向する一表面側に、有機EL素子10の陽極12、陰極14それぞれと電気的に接続される外部接続電極22,24を設けてあり、有機EL素子10を保護部30のみに固定してある。ここにおいて、有機EL素子10は、陰極14が放熱部材35により保護部30に固定されるとともに、陽極12、陰極14それぞれが、導電性ペースト(例えば、銀ペーストなど)からなる接続部62,64により、保護部30の外部接続電極22,24に固定されて電気的に接続されている。
以下、本実施形態の面状発光装置の製造方法について図20を参照しながら説明する。
まず、図20(a)に示すように、外部接続電極22,24が一表面側に形成されたガラス基板からなる保護部30の上記一表面側に、サーコン(登録商標)シートなどの電気絶縁性を有し且つ熱伝導性を有するゲル状の放熱シートからなる放熱部材35を対向させて位置合わせを行う。なお、外部接続電極22,24は、例えば、めっき法や、スパッタ法や、印刷法などにより形成すればよい。ここで、外部接続電極22,24をめっき法により形成する場合、外部接続電極22,24の材料としては、例えば、PdNiAuなどを採用すればよい。また、スパッタ法により形成する場合、外部接続電極22,24の材料としては、例えば、MoAl、CrAg、AgPdCu(:APC)などを採用すればよい。また、印刷法により形成する場合、外部接続電極22,24の材料としては、例えば、銀を採用すればよい。なお、外部接続電極22,24の材料が銀であり、印刷法により形成する場合には、銀ペースト(例えば、Henkel社製のQMI516Eなど)を利用すればよい。
その後、図20(b)に示すように、放熱部材35を保護部30の上記一表面上に固定してから、ディスペンサ100により、接続部62,64となる導電性ペースト(銀ペーストなど)を塗布する。
その後、図20(c)に示すように、有機EL素子10の第1の透光性基板11の上記他表面側を吸着コレット90により吸着保持して、有機EL素子10を保護部30の上記一表面側に対向させて位置合わせを行う。ここにおいて、本実施形態では、有機EL素子10の製造時に、アルミニウムなどからなる陰極14を、マスクを利用して蒸着する際に、2つのアライメントマーク(図示せず)を第1の透光性基板11の上記一表面における1本の対角線の両端部付近に、陰極14と同時に形成している。しかして、有機EL素子10を第1の透光性基板11の上記他表面側から撮像するCCDカメラなどの撮像装置と、撮像装置から得た画像を画像処理してアライメントマークを認識する画像処理装置と、画像処理装置の認識結果に基づいて、吸着コレット90を先端部に備えたロボットアームを制御するコンピュータなどからなる制御装置とを備えた実装装置を用いればよい。ここで、制御装置のコンピュータには、ロボットアームを制御するために適宜のプログラムを搭載すればよい。なお、吸着コレット90には、有機EL素子10を吸着するための吸着孔(真空吸引孔)91が形成されている。ここで、吸着コレット90は、第1の透光性基板11や凹凸構造部51に傷が付くのを抑制するために、樹脂(例えば、全芳香族ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、イミド樹脂など)により形成してあることが好ましい。また、吸着コレット90における吸着面(図20(c)の下面)には、凹凸構造部51を収納可能な凹部92を設けてあるが、凹凸構造部51による凹凸の高低差は小さいので、必ずしも凹部92を設ける必要はなく、第1の透光性基板11の上記他表面側の全体を吸着するようにしてもよい。
その後、有機EL素子10の陰極14と放熱部材35とを接触させるとともに、陽極12、陰極14それぞれを接続部62,64と接触させてから、導電性ペーストを硬化させ、続いて、真空中でのベークを行うことにより、図20(d)に示す構造を得る。
その後、保護部30の上記一表面側にガラスフリットからなる接合部39を配置し、続いて、第2の透光性基板21を保護部30の上記一表面側に対向させて位置合わせを行い、続いて、第2の透光性基板21を接合部39に接触させ、接合部39をレーザ光などにより加熱して保護部30および第2の透光性基板21それぞれと接合することによって図20(e)に示す構造を得ればよい。この場合、フリットガラスがレーザ光により加熱されやすいように適宜の不純物をフリットガラスに添加しておいてもよい。なお、加熱は、レーザ光に限らず、例えば、赤外線により行ってもよい。
以上説明した本実施形態の面状発光装置では、実施形態1にて説明した接合部29が第2の透光性基板21の凹部21aを設けることなく、空間70を確保することができる。
ところで、実施形態1の面状発光装置では、正面視において接合部29(図1(a)参照)が見えて見栄えが低下する懸念や、接合部29と第1の透光性基板11との界面や、接合部29と第2の透光性基板21との界面に、ボイドが形成される懸念がある。
これに対して、本実施形態の面状発光装置では、第1の透光性基板11と第2の透光性基板21との間に実施形態1で説明した接合部29(図1参照)が不要なので、正面視による見栄えがよくなるとともに、ボイドの心配をする必要がなくて製造時の外観検査が容易になる。また、本実施形態の面状発光装置では、上述のように、製造時に、吸着コレット90により第1の透光性基板11の上記他表面側の全体を吸着するようにすれば、第1の透光性基板11の反りを低減することが可能となる。
また、本実施形態の面状発光装置では、製造時に、有機EL素子10を吸着コレット90により取り扱う際に、第1の透光性基板11の上記他表面側を吸着して取り扱うことができるので、陰極14が剥離したり陰極14に傷が付く可能性を低減でき、製造歩留まりの向上を図ることが可能となる。
また、本実施形態の面状発光装置において、第2の透光性基板21の厚み方向の少なくとも一面に実施形態1で説明したAR膜を設けてもよいし、第2の透光性基板21の厚み方向の少なくとも一面側にモスアイ構造80(図12参照)を設けてもよく、いずれの場合も、正面輝度および外部量子効率それぞれを向上させることが可能となる。
(実施形態6)
本実施形態の面状発光装置の基本構成は実施形態4と略同じであり、図21に示すように、第2の透光性基板21と保護部30とで囲まれる空間内に、有機EL素子10を複数個備え、これら複数個の有機EL素子10が第2の透光性基板21に平行な一平面内で並んで配置されている点などが相違する。なお、実施形態4と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
ところで、陽極12を透明導電膜により構成した有機EL素子10では、発光面の面積を大きくすると、陽極12のシート抵抗が金属膜を用いた陰極14のシート抵抗に比べて大きいため、陽極12での電位勾配が大きくなって、陽極12と陰極14との間の有機EL層13にかかる電圧が大きくなり、輝度むらが大きくなるとともに、効率の低下、短寿命化の原因となる。また、このような有機EL素子10では、陽極12と陰極14との間がショートするリスクが高くなる。また、有機EL素子10は、大面積化を図るほど、陽極12、有機EL層13、陰極14などの厚みの面内均一性が低下するとともに、材料の利用効率が低下する。
これに対して、本実施形態の面状発光装置では、複数個の有機EL素子10を並べて配置してあるので、大面積の発光面積を確保する場合に、有機EL素子10が1個の場合に比べて、各有機EL素子10の発光面の面積を小さくすることができるから、輝度むらを低減できるとともに、効率の向上を図れ、また、長寿命化を図れる。
ここにおいて、例えば、16個の有機EL素子10を図22に示すような4×4のマトリクス状に配置するとともに、外部接続電極22を櫛形状の形状とし、この櫛形状の外部接続電極22の隣り合う櫛歯22b間に、複数個(図示例では、4個)の有機EL素子10が櫛歯22bの延長方向に並ぶようにし、櫛歯22bと各有機EL素子10の陽極12とを接続部62により電気的に接続するようにした面状発光装置では、有機EL素子10の電流集中を抑制することが可能となる。また、このような面状発光装置では、面積の小さな有機EL素子10を多数形成した後で良品の有機EL素子10のみを配置することができるから、低コスト化を図れる。
また、面状発光装置は、図22の構成に限らず、例えば、図23に示すように、有機EL素子10を、短冊状の第1の透光性基板11の長手方向に沿って陽極12の両端部が露出するようにし、各櫛歯22bと陽極12とを陽極12の長手方向の略全長に亘って櫛歯22bと接続するようにしてもよい。
また、面状発光装置における有機EL素子10の個数は特に限定するものではない。例えば、面状発光装置は、4個の有機EL素子10を2×2のマトリクス状に配置したものでもよい。
以下、この面状発光装置の製造方法について図24を参照しながら説明する。
まず、図24(a)に示すように、多数個取りが可能なプラスチック基板110に多数個の有機EL素子10を形成する。
その後、図24(b)に示すように、このプラスチック基板110を円板状のブレード120を利用して切断することにより、個々の有機EL素子10に分離する。
続いて、図24(c)に示すように、外部接続電極22,24が一表面側に形成された第2の透光性基板21を用意する。
その後、図24(d)に示すように、第2の透光性基板21の上記一表面側に各有機EL素子10を実装する。なお、有機EL素子10を実装する際には、有機EL素子10の第1の透光性基板11を第2の透光性基板21の上記一表面側に接合部(図示せず)を介して接合する。
その後、外部接続電極22,24から、複数個の有機EL素子10に給電できるように、図24(e)に示すように、ボンディングワイヤからなる接続部62,63,64により、適宜、電気的接続を行う。なお、接続部62,63,63は、ボンディングワイヤに限らず、例えば、導電性ペーストや導電性テープなどを採用してもよい。
その後、各有機EL素子10の上記他面側にゲル状のシリコーン樹脂などからなる伝熱部34を設けることによって、図24(f)に示す構造を得る。
伝熱部34を設けた後、図24(g)に示すように、第2の透光性基板21の上記一表面側にガラスフリットからなる接合部39を配置し、続いて、保護部30を第2の透光性基板21の上記一表面側に対向させて位置合わせを行う。続いて、保護部30を接合部39に接触させ、接合部39をレーザ光などにより加熱して第2の透光性基板21および保護部30それぞれと接合すればよい。この場合、フリットガラスがレーザ光により加熱されやすいように適宜の不純物をフリットガラスに添加しておいてもよい。なお、加熱は、レーザ光に限らず、例えば、赤外線により行ってもよい。また、伝熱部34を液体により構成する場合には、例えば、あらかじめ保護部30に液体の注入孔および空気抜き孔を設けておき、接合部39を第2の透光性基板21および保護部30それぞれと接合した後で、注入孔から液体を注入することで伝熱部34を設け、その後、注入孔および空気抜き孔を接着剤などにより封止すればよい。
また、本実施形態の面状発光装置において、第2の透光性基板21の厚み方向の少なくとも一面に実施形態1で説明したAR膜を設けてもよいし、第2の透光性基板21の厚み方向の少なくとも一面側にモスアイ構造80(図12参照)を設けてもよく、いずれの場合も、正面輝度および外部量子効率それぞれを向上させることが可能となる。
(実施形態7)
本実施形態の面状発光装置の基本構成は実施形態5と略同じであり、図25に示すように、複数個の有機EL素子10を保護部30に固定してある点などが相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
ここで、有機EL素子10は、図26(c1)に示した平面図、図26(c2)に示した断面図から分かるように、第1の透光性基板11の平面視形状を矩形状としてあり、透光性基板11の長手方向の両端部それぞれにおいて、第1の透光性基板11の短手方向の両端部に陽極12の一部を露出させ、この短手方向の中央部に陰極14の一部を設けてある。また、この短手方向において陽極12と陰極14との間には、第1の透光性基板11の一部が露出している。なお、図26(a1),(a2)それぞれに、第1の透光性基板11の上記一表面側に陽極12を形成した状態の平面図、断面図を示し、図26(b1),(b2)に、第1の透光性基板11の上記一表面側に陽極12および有機EL層13を形成した状態の平面図、断面図を示す。
本実施形態では、図27に示すように、陽極12、陰極14それぞれに両面導電テープ162,164を接着しており、これらの両面導電テープ162,164により保護部30に固定されている。なお、両面導電テープ162,164は、厚み方向に導電性を有するものであり、例えば、寺岡製作所製の導電性ベースレス両面テープ7025などを用いることができる。
しかして、本実施形態では、導電性ペーストを用いることなく、有機EL素子10を保護部30に固定するとともに電気的に接続することができ、有機EL素子10の実装工程の低温化を図れる。
また、本実施形態の面状発光装置において、第2の透光性基板21の厚み方向の少なくとも一面に実施形態1で説明したAR膜を設けてもよいし、第2の透光性基板21の厚み方向の少なくとも一面側にモスアイ構造80(図12参照)を設けてもよく、いずれの場合も、正面輝度および外部量子効率それぞれを向上させることが可能となる。
(実施形態8)
本実施形態の面状発光装置の基本構成は実施形態7と略同じであり、図28に示すように、隣り合う有機EL素子10の一部同士を重ねて、陽極12同士を両面導電テープ162により電気的に接続するとともに、陰極同士14を両面導電テープ164により電気的に接続している点が相違する。なお、実施形態7と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
しかして、本実施形態の面状発光装置では、実施形態7に比べて、隣り合う有機EL素子10間に形成される非発光部の面積を小さくすることが可能となる。
また、本実施形態の面状発光装置において、第2の透光性基板21の厚み方向の少なくとも一面に実施形態1で説明したAR膜を設けてもよいし、第2の透光性基板21の厚み方向の少なくとも一面側にモスアイ構造80(図12参照)を設けてもよく、いずれの場合も、正面輝度および外部量子効率それぞれを向上させることが可能となる。
(実施形態9)
本実施形態の面状発光装置の基本構成は実施形態1と略同じであり、図29に示すように、複数(図示例では、4つ)の有機EL素子10を備え、これら複数の有機EL素子10で第1の透光性基板11を共有している点が相違する。なお、他の構成は実施形態1と同じなので、図示および説明を省略する。
本実施形態では、4つの有機EL素子10が2×2のマトリクス状に配置され、これら4つの有機EL素子10を直列に接続してある。具体的には、第1の透光性基板11の上記一表面側において、隣り合う有機EL素子10のうちの一方の有機EL素子10の陰極14と他方の有機EL素子10の陽極12とを両者に跨る導電層により電気的に接続してある。しかして、本実施形態の面状発光装置では、発光部の大面積化を図ることができるとともに、隣り合う有機EL素子10間に形成される非発光部の面積を小さくすることが可能となる。また、有機EL素子10の輝度むらを低減できるとともに、電流集中に伴う発熱に起因した効率の低下や、短寿命化を抑制することが可能となる。
また、本実施形態の面状発光装置において、第2の透光性基板21の厚み方向の少なくとも一面に実施形態1で説明したAR膜を設けてもよいし、第2の透光性基板21の厚み方向の少なくとも一面側にモスアイ構造80(図12参照)を設けてもよく、いずれの場合も、正面輝度および外部量子効率それぞれを向上させることが可能となる。
(実施形態10)
本実施形態の面状発光装置の基本構成は実施形態5と略同じであり、図30に示すように、保護部30の上記一表面側に複数個の有機EL素子10を並べて配置し、隣り合う有機EL素子10同士を導電性ペーストからなる接続部63により直列に接続してある点が相違する。なお、実施形態5と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の面状発光装置では、数個の有機EL素子10を並べて配置してあるので、大面積の発光面積を確保する場合に、有機EL素子10が1個の場合に比べて、各有機EL素子10の発光面の面積を小さくすることができるから、輝度むらを低減できるとともに、効率の向上を図れ、また、長寿命化を図れる。
また、本実施形態の面状発光装置において、第2の透光性基板21の厚み方向の少なくとも一面に実施形態1で説明したAR膜を設けてもよいし、第2の透光性基板21の厚み方向の少なくとも一面側にモスアイ構造80(図12参照)を設けてもよく、いずれの場合も、正面輝度および外部量子効率それぞれを向上させることが可能となる。
(実施形態11)
本実施形態の面状発光装置の基本構成は実施形態5と略同じであり、図31に示すように、複数の有機EL素子10を備え、これら複数の有機EL素子10で第1の透光性基板11を共有している点が相違する。なお、実施形態5と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の面状発光装置では、数個の有機EL素子10を並べて配置してあるので、大面積の発光面積を確保する場合に、有機EL素子10が1個の場合に比べて、各有機EL素子10の発光面の面積を小さくすることができるから、輝度むらを低減できるとともに、効率の向上を図れ、また、長寿命化を図れる。
また、本実施形態では、各有機EL素子10の陰極14を蒸着法により同時に形成する際に、隣り合う有機EL素子10のうちの一方の有機EL素子10の陰極14の一部と他方の有機EL素子10の陽極12の一部とが第1の透光性基板11の厚み方向において重なり電気的に接続されるようにレイアウト設計してあるので、非発光部の面積を低減することが可能となる。
また、本実施形態の面状発光装置において、第2の透光性基板21の厚み方向の少なくとも一面に実施形態1で説明したAR膜を設けてもよいし、第2の透光性基板21の厚み方向の少なくとも一面側にモスアイ構造80(図12参照)を設けてもよく、いずれの場合も、正面輝度および外部量子効率それぞれを向上させることが可能となる。
(実施形態12)
図32に示す本実施形態の面状発光装置は、実施形態6と略同じ基本構成を有しており、保護部30の一面側に光反射部190を有している点、有機EL素子10の数などが相違する。なお、実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
光反射部190の材料は、有機EL素子10から放射される光に対する反射率の高い材料であれば特に限定するものではないが、例えば、アルミニウム、銀、銀合金などを採用することが可能である。
ところで、面状発光装置は、第1の透光性基板11を透過した光の一部が、第2の透光性基板21と空間70との界面、第2の透光性基板21と外部の大気との界面でフレネル反射する。第2の透光性基板21としてガラス基板を用いている場合には、各界面で約4%の光がフレネル反射するので、計算上は、合計で約8%の光がロスすることになる。ただし、実際には、フレネル反射した光は、有機EL層13における陰極14側で再び反射されて取り出されるので、8%よりも小さなロスとなる。
しかしながら、陰極14で反射されずに保護部30を透過したり、保護部30で吸収される光はロスとなる。一方で、実施形態6の面状発光装置では、光取出し構造部50において光の角度を変換する作用があるため、光取出し構造部50で取り出されなかった光の中には、拡散反射光の成分が生じる。この拡散反射光の成分が陰極14に当たらずに保護部30へ到達しロスとなる光も僅かながら存在する。
これに対して、本実施形態の面状発光装置では、保護部30に光反射部190を設けてあるので、光取り出し効率を向上させることが可能となる。図32のように、保護部30における有機EL素子10側の一面の略全域に亘って光反射部190を設けた場合には、光反射部190を設けていない場合に比べて、光取り出し効率が、約2%、向上した。なお、他の実施形態の面状発光装置において光反射部190を設けてもよい。
また、本実施形態の面状発光装置において、第2の透光性基板21の厚み方向の少なくとも一面に実施形態1で説明したAR膜を設けてもよいし、第2の透光性基板21の厚み方向の少なくとも一面側にモスアイ構造80(図12参照)を設けてもよく、いずれの場合も、正面輝度および外部量子効率それぞれを向上させることが可能となる。
(実施形態13)
図33に示す本実施形態の面状発光装置は、実施形態10と略同じ基本構成を有しており、保護部30の一面側に光反射部190を有している点が相違する。なお、実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
光反射部190の基本的な機能、つまり、光を反射する機能については、実施形態12と同様であるが、本実施形態における光反射部190は、隣り合う有機EL素子10のうちの一方の有機EL素子10の陽極12、他方の有機EL素子10の陰極14それぞれが接続部63,63を介して電気的に接続される補助電極を兼ねている。ただし、光反射部190は、必ずしも補助電極を兼ねる必要はない。
本実施形態の面状発光装置では、保護部30に光反射部190を設けてあるので、光反射部190を設けていない場合に比べて、光取り出し効率を向上させることが可能となる。なお、他の実施形態の面状発光装置において光反射部190を設けてもよい。
また、本実施形態の面状発光装置において、第2の透光性基板21の厚み方向の少なくとも一面に実施形態1で説明したAR膜を設けてもよいし、第2の透光性基板21の厚み方向の少なくとも一面側にモスアイ構造80(図12参照)を設けてもよく、いずれの場合も、正面輝度および外部量子効率それぞれを向上させることが可能となる。
(実施形態14)
図34に示す本実施形態の面状発光装置は、実施形態12と略同じ基本構成を有しており、保護部30が、保護部30において光取出し構造部50側とは反対の一面側に、保護部30の他の部分に比べて熱伝導率の高い材料により形成された伝熱部200を有する点などが相違する。なお、実施形態12と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
伝熱部200は、銅箔により構成してあるが、これに限らず、例えば、アルミニウム箔などにより構成してもよい。
伝熱部200の材料は、銅やアルミニウムに限らず、例えば、金、銀、シリコンなどを採用することも可能である。なお、熱伝導率は、銅:398W/(m・K)、アルミニウム236W/(m・K)、金:320W/(m・K)、銀:420W/(m・K)、シリコン:168W/(m・K)である。
ところで、面状発光装置の大面積化を図ったり、高輝度化のために駆動電圧を大きくするほど、面状発光装置の中央部と端部とでの輝度差が大きくなり、消費エネルギ分布に起因する温度分布が大きくなる。そのため、面状発光装置の部分的な素子劣化(有機EL素子10の劣化)や効率変動に起因する輝度むら、色むらが現れる可能性がある。
これに対して、本実施形態の面状発光装置では、保護部30における光取出し構造部50側とは反対の一面側に伝熱部200を備えているので、熱分布の均一化を図ることが可能となり、有機EL素子10の劣化を抑制することが可能となる。また、本実施形態の面状発光装置では、器具本体に取り付けて使用するような場合に、伝熱部200を器具本体あるいは器具本体の放熱部材と接合などして熱結合させることにより、放熱性を向上させることが可能となり、長寿命化を図ることが可能となる。
また、本実施形態の面状発光装置においても、光反射部190を備えていることにより、実施形態12と同様に、光取り出し効率が、約2%、向上する。
なお、他の実施形態の面状発光装置において伝熱部200を設けてもよい。また、本実施形態の面状発光装置では、保護部30が光反射部190を備えているが、光反射部190は必ずしも備えている必要はない。
(実施形態15)
図35に示す本実施形態の面状発光装置は、実施形態13と略同じ基本構成を有しており、保護部30が、保護部30において光取出し構造部50側とは反対の一面側に、保護部30の他の部分に比べて熱伝導率の高い材料により形成された伝熱部200を有する点などが相違する。なお、実施形態13と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。また、伝熱部200については、実施形態14と同様なので、説明を省略する。
本実施形態の面状発光装置では、保護部30における光取出し構造部50側とは反対の一面側に伝熱部200を備えているので、熱分布の均一化を図ることが可能となり、有機EL素子10の劣化を抑制することが可能となる。また、本実施形態の面状発光装置では、器具本体に取り付けて使用するような場合に、伝熱部200を器具本体あるいは器具本体の放熱部材と接合などして熱結合させることにより、放熱性を向上させることが可能となり、長寿命化を図ることが可能となる。
また、本実施形態の面状発光装置においても、光反射部190を備えていることにより、光取り出し効率が向上する。
10 有機EL素子
11 第1の透光性基板
12 陽極
13 有機EL層
14 陰極
21 第2の透光性基板
21a 凹部
30 保護部
35 放熱部材
50 光取出し構造部
51 凹凸構造部
52 母材
53 光拡散体(空孔、微粒子)
54 透明部
70 空間
80 モスアイ構造
190 光反射部
200 伝熱部

Claims (17)

  1. 第1の透光性基板の一表面側に発光層が形成された有機EL素子であって厚み方向の一面側から光を取り出す前記有機EL素子と、前記有機EL素子における前記一面側に配置され前記第1の透光性基板よりも屈折率が低く且つ前記第1の透光性基板よりも防水性および耐候性が高い第2の透光性基板と、前記有機EL素子の前記厚み方向の他面側を覆い前記第2の透光性基板とともに前記有機EL素子への水分の到達を阻止する保護部と、前記有機EL素子の前記一面と前記第2の透光性基板との間に設けられ前記発光層から放射された光の前記一面での反射を抑制する光取出し構造部とを備えることを特徴とする面状発光装置。
  2. 前記光取出し構造部が前記有機EL素子の前記一面側に設けられた凹凸構造部であり、当該凹凸構造部と前記第2の透光性基板との間に空間が存在することを特徴とする請求項1記載の面状発光装置。
  3. 前記凹凸構造部の屈折率が、前記第1の透光性基板の屈折率を下回らないことを特徴とする請求項2記載の面状発光装置。
  4. 前記凹凸構造部の一部と前記第2の透光性基板とを面接触させてなることを特徴とする請求項2または請求項3記載の面状発光装置。
  5. 前記第2の透光性基板における前記有機EL素子側に前記凹凸構造部が収納される凹部を有し、当該凹部の内面と前記凹凸構造部の表面との間が前記空間を構成していることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の面状発光装置。
  6. 前記光取出し構造部が前記有機EL素子の前記一面側に設けられた凹凸構造部であり、当該凹凸構造部と前記第2の透光性基板との間に、前記第2の透光性基板の屈折率以下の屈折率の透光性材料からなる透光部を有することを特徴とする請求項1記載の面状発光装置。
  7. 前記光取出し構造部は、前記有機EL素子において前記光取出し構造部に接する部位の屈折率を下回らない屈折率を有する透光性材料からなる母材と、前記母材に分散され前記母材とは屈折率の異なる光拡散体とからなることを特徴とする請求項1記載の面状発光装置。
  8. 前記光拡散体は空孔であることを特徴とする請求項7記載の面状発光装置。
  9. 前記光拡散体は微粒子であることを特徴とする請求項7記載の面状発光装置。
  10. 前記光取出し構造部が前記第2の透光性基板における前記有機EL素子との対向する側に設けられた凹凸構造部であり、当該凹凸構造部と前記第1の透光性基板との間に、前記第1の透光性基板の屈折率以上の屈折率の透光性材料からなる透明部を有することを特徴とする請求項1記載の面状発光装置。
  11. 前記有機EL素子の前記他面と前記保護部との間に介在し前記有機EL素子で発生した熱を前記保護部側へ放熱させる放熱部材を備え、前記有機EL素子が前記保護部のみに固定されてなることを特徴とする請求項1記載の面状発光装置。
  12. 前記第2の透光性基板の厚み方向の少なくとも一面にアンチリフレクションコートが設けられてなることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の面状発光装置。
  13. 前記第2の透光性基板の厚み方向の少なくとも一面側にモスアイ構造が設けられてなることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の面状発光装置。
  14. 前記第1の透光性基板が、プラスチック基板であり、前記第2の透光性基板が、ガラス基板であることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の面状発光装置。
  15. 前記第2の透光性基板と前記保護部とで囲まれる空間内に、前記有機EL素子を複数個備え、前記複数個の前記有機EL素子が前記第2の透光性基板に平行な一平面内で並んで配置されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の面状発光装置。
  16. 前記保護部の一面側に光反射部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項15のいずれか1項に記載の面状発光装置。
  17. 前記保護部は、前記保護部において前記光取出し構造部側とは反対の一面側に、前記保護部の他の部分に比べて熱伝導率の高い材料により形成された伝熱部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項16のいずれか1項に記載の面状発光装置。
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