JP2011225936A - 水素脆性型の面疲労強度に優れた浸炭窒化鋼 - Google Patents

水素脆性型の面疲労強度に優れた浸炭窒化鋼 Download PDF

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Abstract

【課題】肌焼鋼をベースとして浸炭窒化処理を行うことにより、使用条件によって水素脆性剥離が生じるような場合においても優れた面疲労強度を有する浸炭窒化鋼を提供する。
【解決手段】浸炭窒化鋼を質量%でC:0.10〜0.40%,Si:0.05〜0.35%,Mn:0.80〜1.50%,P:0.030%以下,S:0.030%以下,Cr:1.50〜3.00%,Al:0.050%以下,O:0.0015%以下,N:0.025%以下,Mn+Cr:2.50〜4.00%,残部Fe及び不可避的成分の組成を有する、浸炭窒化焼入れ焼戻し処理された鋼であって、焼戻し処理後の表層C濃度が0.80〜1.50質量%、表層N濃度が0.10〜1.00質量%で表面硬さがHRC58以上64未満であり、表層に分散析出した窒化物のうち粒径300nm未満のCr窒化物及びMn窒化物合計の全窒化物に対する個数割合が70%以上で且つ個数が10個/mm以上であるものとする。
【選択図】 なし

Description

この発明は水素脆性型の面疲労強度に優れた浸炭窒化鋼に関する。
近年、自動車や産業機器に用いられる歯車,新しい変速機構であるCVT(コンティニュアスリー・バリアブル・トランスミッション),軸受部品等の面疲労負荷を受ける部品は高性能化,高速化に伴って使用条件が過酷化しており、更にCVTをはじめ使用される潤滑油の種類も多様化しており、こうした状況の下で従来とは異なる剥離形態による早期剥離を起す問題が生じている。
これら面疲労負荷を受ける部品において、近年、高振動,高荷重,急加減速等の厳しい負荷条件下で、且つ特殊な潤滑油や水混入条件等が複合した場合に、通常の転がり疲労寿命よりも著しく短寿命の早期剥離を発生する問題が生じている。
この早期剥離の原因は、転がり過程において転走面に水素が発生し、それが内部に侵入することにより水素脆性を生じ、著しい剥離寿命の低下をもたらすものと考えられている。
例えば自動車のオルタネーター用軸受で、従来型の組織変化であるヘルツ応力場に起因した、傾きを有するホワイトバンド(30°バンド、80°バンド)とは異なる樹木状の白色層の組織変化を伴う早期剥離が生じる場合がある。
これは、高振動、高荷重、急加減速等の厳しい負荷条件下で油膜厚さが不十分となって一部で金属接触を生じ、潤滑油が分解して転走面に水素が発生して、これが内部に侵入することにより水素脆性剥離が生じたためと考えられている。
オルタネータ用軸受では潤滑油を変えることにより、この早期剥離に対処してきた。
しかしながら同様の水素起因の早期剥離現象は、面疲労負荷を受ける部品の使用条件の過酷化及び多様化により、発生する部品や環境条件に広がりを生じており、単に潤滑油を変えるだけでは対処できなくなりつつある。
このような状況の下で、本出願人は下記特許文献1においてバナジウム(以下V)を添加することによりV系炭化物を生ぜしめて、これにより水素トラップする技術を用い、耐水素脆性を改善した高炭素高クロム軸受鋼を開示している。
更に下記特許文献2において、鋼材の初期炭素量を下げ、Vとモリブデン(以下Mo)を複合添加することにより、水素脆性型の面疲労強度に優れ且つ歯車、CVT部品等の幅広い部品に適用可能な肌焼鋼を開示している。
しかしながら同様の水素起因の早期剥離現象は、CVTのトラクション油を用いた場合にも発生しており、面疲労負荷を受ける部品の高速回転化と高負荷化、使用条件の過酷化及び潤滑油の多様化等により、水素脆性による早期剥離が発生する部品や環境条件が増加する傾向にあり、現状水素脆性型の面疲労破壊を未だ十分には防止できておらず、水素脆性型の面疲労強度により優れた材料の開発が求められていた。
特開2006−213981号公報 特開2008−280583号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、肌焼鋼をベースとして浸炭窒化処理を行うことにより、使用条件によって水素脆性剥離が生じるような場合においても優れた面疲労強度を有する浸炭窒化鋼を提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1の浸炭窒化鋼は、質量%でC:0.10〜0.40%,Si:0.05〜0.35%,Mn:0.80〜1.50%,P:0.030%以下,S:0.030%以下,Cr:1.50〜3.00%,Al:0.050%以下,O:0.0015%以下,N:0.025%以下,Mn+Cr:2.50〜4.00%,残部Fe及び不可避的成分の組成を有する、浸炭窒化焼入れ焼戻し処理された鋼であって、焼戻し処理後の表層C濃度が0.80〜1.50質量%、表層N濃度が0.10〜1.00質量%で表面硬さがHRC58以上64未満であり、表層に分散析出した窒化物のうち粒径300nm未満のCr窒化物及びMn窒化物合計の全窒化物に対する個数割合が70%以上で且つ個数が10個/mm以上であることを特徴とする。
また請求項2のものは、請求項1において、質量%でMo:0.50%以下,Ni:0.50%未満,Nb:0.100%以下,Ti:0.500%以下のうち何れか1種又は2種以上を更に含有していることを特徴とする。
水素脆性による材料強度の低下現象は上記のように以前から知られており、例えば、ばねやボルト部品では水等の分解により暴露環境から侵入する拡散性水素が遅れ破壊の原因となっている。
耐遅れ破壊性に優れたばね、ボルト用鋼としてV,Ti,Nb等の微細な炭化物を多数析出させ、拡散性水素をトラップして、粒界や応力集中部への水素の拡散を抑えた鋼が開発されている。
この場合、水素トラップとして働くのは、焼入れ時に固溶したV,Ti,Nb等の合金元素が450℃以上での高温焼戻しにより整合析出した厚さ数nm程度の微細な炭化物と考えられる。
しかしながら450℃以上の高温焼戻しでは表面硬度が低下してしまうため、高い面疲労強度を得ることができない。
そこで本出願人は、先にも述べたように高炭素高クロム軸受鋼において、Vを添加することにより、焼入れ時に未固溶の状態で存在している500nm以下のV系炭化物を多数生成することにより、450℃以上の高温焼戻しをしなくても引張圧縮疲労条件下での水素脆性による寿命低下を抑え得る点を特許文献1において開示している。
但しこの特許文献1に開示のものでは、溶解や鋳造の過程で粗大なV系炭化物が多数残存してしまう。これは特許文献1に開示の高炭素クロム鋼は初期の炭素量が高いことによる。
このように溶解や鋳造の過程で多数残存した粗大なV系炭化物は水素トラップサイトとしての効果が低く、そこで本出願人は更に、初期の炭素量を0.40%以下に抑えることで、溶解や鋳造の過程で粗大なV系炭化物が生成するのを抑制し、V系炭化物のうち粒径100nm未満の微細なV系炭化物の個数割合を80%以上とすることにより、水素脆性型の転動疲労寿命を更に向上し得ることを見出し、特許文献2においてこれを開示している。
この特許文献2ではまた、水素脆性型の面疲労破壊は、水素が粒界に優先的にトラップされ、水素により粒界すべりが促進されて粒界亀裂が発生、伝播することにより生じること、その粒界強化にMo添加が有効であることを明らかにし、VとMoを複合添加した肌焼鋼を開示している。
しかし水素脆性型の面疲労強度の環境は過酷化しており、未だこれを完全に防止することはできていない。
そこで本発明者は種々の材料,熱処理条件について研究を行った結果、浸炭材に比べて浸炭窒化材の寿命改善効果がより大きいことを見出した。
そしてこの知見に基づいて、浸炭窒化処理での強度改善効果を最大化するための材料組成と熱処理条件の研究を行った結果、更に以下の知見を得た。
具体的には、水素脆性型の転動疲労において長寿命を得るための表層C濃度,表層N濃度にはそれぞれ適正条件があり、表層C濃度については窒化により最表層のC濃度が低下してしまうため、通常の浸炭よりも高めの0.80〜1.50%が適していること、他方表層N濃度は高過ぎると粗大な窒化物を形成してしまうため、0.10〜1.00%が適していることが判明した。
また浸炭窒化処理では1μm以上の粗大な窒化物生成を抑制し、微細窒化物を多数分布させること、具体的には表層に生成する窒化物のうち粒径300nm未満の微細な窒化物を10個/mm以上存在させることが、水素脆性型の面疲労寿命を改善するために必要であることが明らかとなった。
これは、寿命改善メカニズムが粒径300nm未満の微細な窒化物、特に粒径100〜200nm程度の微細窒化物による水素トラップであるためと考えられる。
更に、窒化物の種類としてはCr窒化物であるCrNとMn窒化物であるMnSiNが水素トラップサイトとして有効であり、CrNとMnSiN全体の個数割合を70%以上とすることにより、水素トラップ効果を十分に得られることが判明した。
Siを含有した鋼では、窒化物としてSi単独の窒化物も生成し得るが、このSi窒化物は1μm以上の粗大な窒化物を生成する。これを抑制するためにはSiの窒化物をMnとSiの複合窒化物とすることが有効である。
この場合、Si系窒化物を全てSi,Mn複合窒化物MnSiNとするためには、原子量比からSi添加量をMn添加量の0.5倍以下とすること、特に0.25倍以下とすることが望ましいこと、またSi添加は鋼の水素脆性感受性を高めるため、出来る限りSi添加を抑制することが望ましいことが併せて判明した。
一方、浸炭材において有効であったV添加は、浸炭窒化では効果がないかむしろ鋼を短寿命化する。これは、V添加による窒化物生成が表面硬さを上昇せしめ、その結果水素脆性の感受性が高くなるためと考えられる。
従って浸炭窒化処理では、Vを添加しない鋼が寿命に優れることが明らかとなった。
このようにして得られた窒化物による水素脆性型の面疲労強度の改善効果は、前述したV系炭化物による改善効果よりも十分に大きい。
これは、微細窒化物による水素トラップ効果がV系炭化物によるそれよりも大きいためと考えられる。
因みに図1は、V非添加浸炭窒化材,V添加浸炭材の昇温脱離水素分析での水素放出プロファイル、即ち温度上昇に伴う水素放出速度(放出量)を比較して示している。
図1において、V非添加浸炭窒化材は各温度においてV添加浸炭材に比べて水素放出速度、つまり放出量が高くなっており、特に180℃付近の高温側での水素放出速度が高くなっている。
これは窒化物にトラップされた水素の脱離活性化エネルギーが、V系炭化物にトラップされた水素の脱離活性化エネルギーよりも高いこと、つまり窒化物による水素のトラップ力がV系炭化物によるそれよりも高いことを示すもので、このことが水素脆性型の面疲労強度の改善に対して窒化物の効果が大きいことの要因と考えられる。
これは粒径100nm未満のV系炭化物に比べて300nm以下の窒化物、特に100〜300nmの窒化物による水素トラップが有効に働いているためと考えられる。
本発明の浸炭窒化鋼は以上のような知見に基づいて開発されたものである。
尚、図1のV非添加浸炭窒化材は後述の表2の鋼種No.7の鋼を用いた発明例のものであり、V非添加浸炭材は表1の鋼種No.7の鋼を用い、またV添加浸炭材は鋼種No.7に0.4%V添加した鋼を用い、次の条件で浸炭処理したものである。具体的にはメタノール滴下式分解ガスを用い、カーボンポテンシャル0.8%、温度910℃で浸炭し、830℃で焼入れ、160℃で焼戻ししたものである。
V添加浸炭材に存在するV系炭化物は平均粒径が約60nmである。V非添加浸炭窒化材の表層に存在する窒化物は粒径100〜200nm程度とやや大きい。
測定は直径3mm、長さ30mmの試験片を用い、水素チャージ後、10分以内にガスクロマトグラフを用いて昇温脱離水素分析を行った。ここで昇温速度は100℃/hとし、室温から600℃まで分析を行った。水素チャージは3%塩化ナトリウム溶液1L中に3gのチオシアン酸アンモニウム溶解した電解液を用い、電流密度0.1mA/cmで24時間の陰極チャージを行った。
次に本発明の水素脆性型の面疲労強度に優れた浸炭窒化鋼の各化学成分の添加理由及び限定理由を以下に説明する。
C:0.10〜0.40%
Cは転がり軸受として心部強度を確保するために必須の元素であり、所定の熱処理後硬さを維持するためには0.10%以上含有させる必要があるため、C含有量の下限を0.10%に規定した。
但しC量を0.40%を超えて含有させた場合、鍛造や旋削加工等の製造性を低下させるため、C量の上限値は0.40%とした。
Si:0.05〜0.35%
Siは鋼を製造する際に脱酸剤として用いられる。Siはまた鋼の強度、転動疲労寿命を向上するため0.05%以上含有させる。一方でSi添加は鋼の靭性を低下させるとともに熱間加工性を低下させ、水素脆性感受性を高める。0.35%を超えて添加すると水素脆性型の転動疲労寿命が低下するため、上限値を0.35%とした。
Mn:0.80〜1.50%
Mnは本発明において重要な添加元素である。Mnは浸炭窒化により窒化物を形成して水素トラップサイトとして働き、水素脆性型面疲労強度を改善する。またMnは鋼を製造する際に脱酸に用いられる元素であるとともに、焼入れ性を改善する元素である。これらのためにはMnを0.80%以上含有させる必要がある。
但し1.50%を超えて多量にMnを含有させると被削性が大幅に低下するため、Mn含有量の上限を1.50%に規定した。
Mnの好ましい含有量は0.90%以上である。
P:0.030%以下
Pは鋼のオーステナイト粒界に偏析し、靭性や転動疲労寿命の低下を招く。特に水素脆性型転動疲労の特徴である粒界強度を大きく低下させるため、0.030%をP含有量の上限とした。
S:0.030%以下
Sは鋼の熱間加工性を害し、鋼中での非金属介在物を形成して靭性や転動寿命を低下させ、水素脆性型転動疲労強度を低下させるため、可及的に少なくすることが望ましいが、Sは切削加工性を向上する効果も有しているため0.030%をSの上限値とした。
Cr:1.50〜3.00%
Crは本発明において重要な添加元素である。Crは浸炭窒化により窒化物を形成して水素トラップサイトとして働き、水素脆性型面疲労強度を改善する。また、Crは焼入れ性の改善と炭化物による硬さの確保と寿命改善とのために添加される。
所定の炭窒化物を得るためには1.50%以上の添加が必要であるためCr含有量の下限値を1.50%に規定した。
しかし3.00%を超えて多量に含有させると浸炭性を劣化させ、大型の炭窒化物を生成して転動疲労寿命を低下させるためCr含有量の上限を3.00%とした。
Crの好ましい含有量は1.80〜2.50%である。
Al:0.050%以下
Alは鋼の製造時の脱酸剤として使用されるが、硬質の非金属介在物を生成し、転動疲労寿命を低下させるため低減することが望ましい。0.050%を超えてAlを多量に含有させると顕著な転動疲労寿命の低下が認められるため、Al含有量の上限を0.050%とした。なお、Al含有量を0.005%未満とするためには鋼製造コストの上昇が生じるため、Alの含有量の下限を0.005%にすることが好ましい。
O:0.0015%以下
N:0.025%以下
O及びNは鋼中に酸化物、窒化物を形成し非金属介在物として疲労破壊の起点となり、転動疲労寿命を低下させるため、O:0.0015%、N:0.025%を各元素の上限とした。
Mn+Cr:2.50〜4.00%
MnとCrは単独添加でも水素脆性型の面疲労強度を改善するが、十分な効果を得るためには両者を適正に複合添加することが必要である。Mn+Crの含有量が2.50%以下では水素脆性に対する改善効果を十分に得ることができないため下限値を2.50%とした。一方、Mn+Cr含有量が4.00%を超えると鍛造や旋削性等の製造性が低下するため上限値を4.00%とした。
Mn+Crの好ましい含有量は2.80〜3.50%である。
表面硬さ:HRC58以上64未満
焼戻し後の表面硬さと転動疲労寿命には相関が認められ、表面硬さが高いほど転動疲労寿命は長くなる傾向がある。特に、焼戻し処理後の表面硬さがHRC58以下になると急激に転動疲労寿命が低下し、寿命のばらつきも大きくなるため、焼戻し処理後の表面硬さをHRC58以上とした。
一方、表面硬さが高くなると水素脆性に対する感受性が高くなり、表面硬さがHRC64以上になると水素脆性型の面疲労強度が著しく低下するため、上限をHRC64未満とした。なお、Hv硬さに換算すると約650Hv以上800Hv未満に相当する。
粒径300nm未満のCrおよびMn窒化物の個数割合:全窒化物のうち70%以上かつ10個/mm以上含有させる
窒化物のうち、水素トラップに有効な窒化物はCr窒化物であるCrNと、Mn窒化物であるMnSiNである。全窒化物個数のうちCrおよびMn窒化物の個数割合が70%未満であると水素トラップの効果が低下し、水素脆性型面疲労強度の改善効果が十分に得られなくなる。このためCrおよびMn窒化物の個数割合を70%以上とした。
窒化物は水素をトラップすることにより、水素脆性型の面疲労剥離を抑制する効果がある。その効果を得るためには微細な窒化物を多数析出させる必要がある。窒化物生成数が少ない場合や、粒径300nm以上の窒化物が多数生成し、粒径300nm未満の微細な窒化物が10個/mm未満となると、水素トラップによる水素脆性型面疲労強度の改善効果が急速に低下する。このため粒径300nm未満の窒化物を10個/mm以上含有させるものとした。
表層C濃度:0.80〜1.50%
Cは転がり軸受として強度を確保するために必須の元素であり、所定の熱処理後硬さを維持するためには0.80%以上含有する必要があるため、C含有量の下限を0.80%に限定した。しかし、C量が1.50%を超えて含有された場合、大型の炭化物が生成し、転動疲労寿命の低下が生じることが判明したため、C量の上限値は1.50%とした。
表層N濃度:0.10〜1.00%
Nは鋼の軟化抵抗性を改善することにより転動寿命を向上する。また、微細な窒化物を表層に生成することにより水素トラップサイトとして働き、耐水素脆性を改善する。これらの効果を得るためにはNを0.10%以上含有させる必要があるため下限を0.10%とした。しかしN量が1.00%を超えると残留γの生成により表面硬さを低下させ、所定の表面硬さが得られなくなるため、N量の上限値を1.00%とした。
Mo:0.50%以下
Moは粒界破壊を抑制することにより、水素脆性型の面疲労強度を向上する。また、Moは鋼の焼入れ性を改善するとともに、炭化物中に固溶することにより、焼戻し時の硬さの低下を抑制する効果がある。しかし、0.50%を超えて多量に含有させると鋼材のコストが上昇する外、熱間加工性や切削性が低下するため、Moの上限値を0.50%とした。
Ni:0.50%未満
Niは転動疲労過程での組織変化を抑制、転動疲労寿命を向上する。また、Niの添加は靭性および耐食性の改善にも効果がある。しかし、0.50%以上に多量に含有させると鋼の焼入れ時に多量の残留オーステナイトを生成し、所定の硬さが得られなくなるとともに、鋼材のコストが上昇するため、Ni含有量の上限値を0.50%未満とした。
Nb:0.100%以下
Nbの炭化物も微細であり、水素トラップサイトとして有効に働くことにより、水素脆性型の面疲労強度を改善する。また、Nbは結晶粒の粗大化を抑制する。そして結晶粒の微細化により耐水素脆性の改善に有効である。しかし0.100%を超えて多量にNbを含有させてもその効果が飽和するため、Nb含有量の上限値を0.100%とした。
Ti:0.500%以下
Tiの炭化物も微細であり、水素トラップサイトとして有効に働くことにより、水素脆性型の面疲労強度を改善する。しかし、Tiは鋼中に酸化物、窒化物を形成し非金属介在物として疲労破壊の起点となり、転動疲労寿命を低下させるため、Ti:0.500%を上限とした。
以上のような本発明によれば、浸炭窒化処理を行うことにより、使用条件によって水素脆性型の面疲労剥離が生じる場合においても、優れた面疲労強度を有する浸炭窒化鋼を提供することができる。
V非添加浸炭窒化材とV添加浸炭材、V非添加浸炭材の水素放出速度−温度プロファイル比較を示した図である。 浸炭窒化焼入れ焼もどし処理における温度、保持時間、カーボンポテンシャルアンモニア濃度および冷却条件の一例を示した図である。 窒化物の走査型電子顕微鏡観察とEDX分析例を示した図である。 浸炭窒化材の窒化物の透過型電子顕微鏡による観察例を示した図である。 転動疲労試験の方法の説明図である。 2円筒ころがり疲労試験の方法の説明図である。
次に本発明の実施形態を以下に説明する。
表1に示す化学成分(尚表1中のNi,Moの欄の−は不純物レベルを示す。また表1において残部はFeである)の材料を50kgの真空溶解炉で溶製し、熱間鍛造により直径28mmの棒鋼を製造した。
この後、焼ならし処理として920℃に加熱し、2時間保持した後空冷した。
更に球状化焼鈍し処理として760℃に加熱し、3時間保持した後、−15℃/時間で650℃まで冷却した後空冷し、各試験の素材とした。
その素材から直径φ25mm,長さ100mmの試験片を削り出し、種々の浸炭窒化条件で処理を行った。浸炭窒化処理は浸炭ガス(ここではRXガスを使用)にアンモニアガスを加えた混合雰囲気中で各種浸炭窒化条件(浸炭窒化温度,浸炭窒化時間,カーボンポテンシャル,アンモニア濃度)で処理を行い、焼入れ焼戻し処理を行った。
オーステナイト中のN濃度が高くなることでマルテンサイト変態開始温度(Ms点)が低下し、焼入れ後の残留オーステナイト量が増加し、表層硬さが不足する場合には、表層硬さを所定の範囲に高めるため、840℃で2次焼入れを行った。
図2は、用いた浸炭窒化条件の一例を示している。
また必要に応じて2次焼入れ前に、650℃で1時間保持する中間焼鈍を行った。
尚図2中CPはカーボンポテンシャルを、OQは油焼入れを、ACは空冷をそれぞれ表している。
以上の浸炭窒化焼入れ焼戻し処理を行った後、外周を深さ0.2mm研削した後、5点平均でロックウェル硬さ(JIS Z2245に準拠)を求めた。
その後、同試験片の縦断面を埋め込んで研磨仕上げし、表層部のC,N濃度をEPMAで分析した。
ここで表層C,N濃度は最表面から深さ10μmの位置までのC,N濃度の最大値(ピーク値)とした。
更に電解研磨を行って薄膜を作製し、透過型電子顕微鏡を用いて表層の窒化物のマッピングを行い、一定領域に存在する粒径10nm以上300nm未満の窒化物を全て同定し、観察領域の面積で除して、粒径300nm未満の微細な窒化物の個数密度(個/mm)を求めた。
またEDX分析により窒化物の組成分析を行い、Cr窒化物及びMn窒化物か、Si窒化物,Al窒化物或いはその他の窒化物であるかを判定し、Cr窒化物及びMn窒化物の個数割合を求めた。
図3は、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察結果と、そこで観察された窒化物のEDX分析を行って、Mn窒化物MnSiN(図3(イ))と、Cr窒化物CrN(図3(ロ))と判定したEDX分析例を示している。
図3(イ)では、Feの他にMnとSiとNのピークが表れており、従ってEDXにより分析された粒子はMn,Si窒化物であると同定できる。
一方図3(ロ)では、Feの他にCrとNのピークが表れており、従ってEDXにより分析された粒子はCr窒化物であると同定できる。
尚、図4は透過型電子顕微鏡による観察結果の一例を示している。
図中白く点状に表れている部分が窒化物粒子である。
因みに、図3及び図4は表2の発明例(鋼種No.7を用いたもの)についての分析及び観察例である。
また同素材から直径12.3mm,長さ22.6mmの転動疲労試験片を粗加工し、各鋼種をそれぞれ前述と同じ浸炭窒化処理条件で浸炭窒化焼入れ焼戻し処理を行い、試験表面を直径12mmに研削仕上げし、長さ22mmの試験片を作製した。
同試験片を3%塩化ナトリウム溶液1L中に3gのチオシアン酸アンモニウム溶解した電解液を用い、電流密度0.2mA/cmで24時間の陰極チャージを行った。そして水素チャージ後、10分以内に転動疲労試験を開始した。
ここで転動疲労試験は、図5に示す方法で行った。
具体的には、試験片10に対してJIS SUJ2のボール12を相手球として2個所定の面圧で押し付け、そしてガイドローラ14によるガイドの下で、駆動ローラ16により試験片10を駆動し転動させた。
ここで試験条件は、面圧5.9GPaで、潤滑はタービン#68を飛沫給油し、負荷速度46240rpmで試験を行った。
そして同一条件で10点の試験を行い、ワイブル分布の累積破損確率が10%となるL10寿命を求めて評価寿命とした。
尚水素脆性型の面疲労はすべりに伴い、潤滑油の分解、新生面の生成等により水素侵入することが原因と考えられている。水素を陰極チャージした試験片10を用いた転動疲労試験で、水素脆性型の早期剥離現象を再現できることが確認されている。
また同素材から粗加工後、各鋼種を各々前述と同じ浸炭窒化処理を行い、試験面直径26mmの円筒試験片を作製し、その試験片を用いて、図6に示す方法で2円筒ころがり疲労試験を行った。
図6において18は円筒の試験片で、この図6に示す方法では、試験片18に対してJIS SUJ2の焼入れ焼戻し材から成る相手円筒20を所定面圧で押し付け、その状態でモータ22により軸24を介して試験片18を回転させるとともに、モータ22の回転をギア26,28を介して軸30に伝達して、相手円筒20を回転させることにより行った。
ここで相手円筒20は、軸方向に曲率半径150mmのクラウニングを有する直径130mmの形状の円筒である。
試験条件は、水素脆性型の面疲労剥離を再現する条件で行った。
具体的には、水素脆性を生じる潤滑油を用い、水素脆性型の早期転動疲労破壊が生じる試験条件(油温90℃,すべり率−60%,面圧3GPa,回転数1500rpm)で試験を行った。
ここですべり率とは、円筒形状の試験片18と相手円筒20との周速の差と試験片18の周速の比率である。
試験は同一条件で4点行い、平均寿命を求めた。
表2にその結果が示してある。
表2の結果において、本発明例はいずれも表面硬さHRC58以上64未満であり、粒径300nm未満の微細な窒化物を10個/mm以上含有する。表層C量は0.80〜1.50%の範囲、表層N量は0.10〜1.00%の範囲である。
発明例の水素チャージ材の転動疲労のL10寿命は24.0〜35.4×10回と優れる。一方比較例では、同L10寿命は0.7〜9.5×10回と、いずれも水素脆性型の早期転動疲労破壊が生じて低寿命である。
本発明により水素脆性型の転動寿命が1オーダ程度改善していることがわかる。
発明例の2円筒試験の平均寿命は14.0〜24.2×10回と優れる。一方比較例では、同平均寿命は0.2〜6.7×10回と、いずれも水素脆性により低寿命である。本発明により水素脆性型の転動寿命が1オーダ程度改善していることがわかる。
表2の比較例で鋼種No.13を用いたものは化学成分の内Mn量が低いため、No.14を用いたものはCr量が低いため、No.15を用いたものはSi量が高いため低寿命となった例である。
比較例で鋼種No.1〜No.6を用いたものは、化学成分は請求範囲内にあるが以下の理由により低寿命となった例である。
鋼種No.1,2を用いたものは浸炭窒化条件が適性でないため、表層の300nm未満の窒化物が10個/mm未満であり、低寿命となった例である。
同様にNo.3を用いたものはCrおよびMn窒化物の個数割合が70%未満であるため低寿命となった例である。同様の理由で鋼種No.4を用いたものは表層硬さが低く、低寿命となった例であり、鋼種No.5,6を用いたものは浸炭処理を行ったため表層N濃度が低く、低寿命となった例である。

Claims (2)

  1. 質量%で
    C:0.10〜0.40%
    Si:0.05〜0.35%
    Mn:0.80〜1.50%
    P:0.030%以下
    S:0.030%以下
    Cr:1.50〜3.00%
    Al:0.050%以下
    O:0.0015%以下
    N:0.025%以下
    Mn+Cr:2.50〜4.00%
    残部Fe及び不可避的成分の組成を有する、浸炭窒化焼入れ焼戻し処理された鋼であって、焼戻し処理後の表層C濃度が0.80〜1.50質量%、表層N濃度が0.10〜1.00質量%で表面硬さがHRC58以上64未満であり、表層に分散析出した窒化物のうち粒径300nm未満のCr窒化物及びMn窒化物合計の全窒化物に対する個数割合が70%以上で且つ個数が10個/mm以上であることを特徴とする水素脆性型の面疲労強度に優れた浸炭窒化鋼。
  2. 請求項1において、質量%で
    Mo:0.50%以下
    Ni:0.50%未満
    Nb:0.100%以下
    Ti:0.500%以下
    のうち何れか1種又は2種以上を更に含有していることを特徴とする水素脆性型の面疲労強度に優れた浸炭窒化鋼。
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