JP5477111B2 - 窒化高周波焼入れ用鋼及び窒化高周波焼入れ部品 - Google Patents

窒化高周波焼入れ用鋼及び窒化高周波焼入れ部品 Download PDF

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Description

本発明は、特に、自動車等の動力伝達部品に適用される高い面疲労強度を有する部品、特に歯車、無段変速機、軸受け、等速ジョイント、ハブ等の機械構造用部品に好適な、窒化高周波焼入れ用鋼、及び窒化高周波焼入れ用鋼を素材とする窒化高周波焼入れ部品に関する。
機械構造用部品、例えば、自動変速機の歯車や無段変速機のシーブ、軸受け、等速ジョイント、ハブなどの動力伝達部品には、高い面疲労強度が要求される。そのため、これらの部品は、鋼材を所定の形状に加工した後、浸炭焼入れ処理を施し、表面に硬化層を形成し、面疲労強度を高めて使用される。従来は、素材として、Cが0.2%前後の肌焼鋼、例えば、JIS SCr420、SCM420等を用い、浸炭焼入れ処理によって、表層部のC濃度を0.8%前後に高め、マルテンサイト組織の硬化層を形成していた。
浸炭焼入れ処理は、部品を、鋼の組織がオーステナイトとなる950℃前後に加熱し、5〜10時間、場合によっては10時間以上もの長時間保持する雰囲気熱処理である。そのため、結晶粒の粗大化による熱処理変形(焼入れ歪)が大きくなる。自動車のエンジン等の部品では、寸法精度が焼入れ歪によって悪化すると、騒音の発生が問題になる。
従来、自動車のエンジン等の部品など、寸法精度が要求される部品は、浸炭焼入れ処理後、研削やホーニング等の仕上加工を施して製造されていた。しかし、仕上加工を施すと、硬化層が薄くなり、製造コストも上昇する。そのため、近年、浸炭焼入れ処理に比べて熱歪が小さい表面硬化処理である高周波焼入れや窒化処理が注目されるようになっている。
高周波焼入れは、鋼材の表層部を短時間に加熱し、オーステナイト化し、焼入れする方法である。したがって、高周波焼入れは、浸炭焼入れ処理に比べて焼入れ歪が小さく、寸法精度の高い表面硬化部品を得ることが処理方法である。しかし、高周波焼入れは、表層のC濃度を高める方法ではないため、高い面疲労強度が要求される部品の製造には適していない。
一方、窒化処理は、500〜600℃の窒素雰囲気中に2〜4時間保持し、窒素を鋼材表面に拡散浸透させる表面硬化法である。一般に、窒化処理として、ガス窒化、プラズマ窒化、ガス軟窒化処理、塩浴軟窒化などが挙げられる。ガス窒化及びプラズマ窒化は、窒素のみを拡散する方法であり、ガス軟窒化処理、塩浴軟窒化などの軟窒化処理は、窒素を微量の炭素と同時に拡散させる方法である。
窒化処理は、浸炭焼入れ処理に比べて、加熱温度が低く、処理時間も短いため、低歪が要求される部品に適している。しかし、窒化処理によって形成される硬化層は浸炭焼入れ処理に比べて浅く、高い面圧が加わるトランスミッションの歯車等に適用するには、処理時間を長くする必要があり、製造コストの上昇や形状精度の低下が問題になる。
このように、高周波焼入れや、窒化処理では、面疲労強度を十分に向上させることができない。そこで、より優れた機械的性質、特に面疲労強度を向上させる方法として、窒化処理後に高周波焼入れを施す窒化高周波焼入れが提案されている(例えば、特許文献1〜5)。窒化高周波焼入れは、表層の窒素濃度を高め、表層のみに焼入れを施す方法であり、部品の寸法精度を損なうことなく、表層を硬化させることができる。
特開平6−172961号公報 特開平7−90363号公報 特開2007−77411号公報 特開平7−90364号公報 特開平6−346142号公報
しかし、特許文献1の方法では、表面の硬度は高くなるものの、Alの含有量が少なく、窒化処理によって窒素濃度を高めることができず、面疲労強度が不十分である。そのため、摩擦によって表層が高温になる歯車等では、高い面疲労強度を得ることができない。特許文献2及び3の方法では、Al、Cr、Sなどの含有量が不適切であり、高周波焼入れの加熱温度を高くするか、保持時間を長くすることが必要になる。そのため、表面に酸化層が生成し、面疲労強度が劣化することがある。特許文献4、5の方法では、Cr、Alの添加量が最適ではないため、高い面圧が負荷された場合、面疲労強度の低下が懸念される。
窒化高周波焼入れは、合金元素を添加した中炭素鋼に表面硬化処理を施し、表層の高強度化を図る技術である。しかし、鋼材の内部の硬さが上昇すると切削加工時の生産性が低下し、製造コストが上昇する。したがって、鋼材の面疲労強度向上を図りつつ、被削性を確保するため、C含有量の抑制も望まれている。また、面疲労強度が必要とされるような摺動部を有する機械構造用部品は、使用中の寸法精度を維持するために耐摩耗性が高いことが望ましい。これは、耐摩耗性が不十分であると、厳しい摩耗環境では寸法精度が低下し、騒音が発生するようになり、静粛性を損なうためである。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、浸炭焼入処理では実現できないような良好な寸法精度を有し、軟窒化処理のみ、あるいは、高周波焼入れのみでは不足する、表面硬さを向上させ、常温はもちろんのこと、摩擦等に起因して使用環境が300℃前後の高温になった場合でも、高い面疲労強度を有し、高い面圧が負荷される部品にも使用することができる、耐摩耗性に優れた窒化高周波焼入れ部品、及びその素材である窒化高周波焼入れ用鋼を提供するものである。
本発明者らは、窒化高周波焼入れによって形成される焼入れ窒化層の、表面から深さ方向のビッカース硬度及び窒素濃度の分布と、合金元素の含有量との関係について検討し、Mn/Sを適正な範囲とし、SiとAlの合計量を制限することによって、鋼材や部品の表面の窒素濃度が高くなり、より深い位置まで焼入れ窒化層が形成されること、選択的にCrを添加する場合は、1.9Al+Crを適正な範囲にすることが好ましいこと、などを見出した。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、その要旨は、以下のとおりである。
(1) 質量%で、
C:0.30%超、0.60%以下、
Si:0.02〜1.90%、
Mn:0.30〜2.00%、
Al:0.50%超、1.00%以下、
S:0.001〜0.021%、
N:0.001〜0.010%
を含有し、
P:0.030%以下
に制限し、更に、
Mn/S:70〜1500、
Al+Si≦2.50%
を満足し、残部がFe及び不可避不純物からなることを特徴とする窒化高周波焼入れ用鋼。
(2) 質量%で、
Cr:1.60%以下
を含有し、
1.9Al+Cr≦2.60%
を満たすことを特徴とする上記(1)に記載の窒化高周波焼入れ用鋼。
(3) 質量%で、
Cr:1.30%以下
を含有し、
1.9Al+Cr≦2.60%
を満たすことを特徴とする上記(1)に記載の窒化高周波焼入れ用鋼。
) 質量%で、
Ti:0.50%以下、
Nb:0.50%以下
の一方又は双方を含有することを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか1項に記載の窒化高周波焼入れ用鋼。
) 質量%で、
V :1.00%以下、
Mo:0.05〜1.50%以下、
B :0.0050%以下、
Ni:0.05〜2.00%、
Cu:0.01〜2.00%
の1種又は2種以上を含有することを特徴とする上記(1)〜()の何れか1項に記載の窒化高周波焼入れ用鋼。
) 質量%で、
Ca:0.0003〜0.004%
を含有することを特徴とする上記(1)〜()の何れか1項に記載の窒化高周波焼入れ用鋼。
) 母材の成分が、質量%で、
C :0.30%超、0.60%以下、
Si:0.02〜1.90%、
Mn:0.30〜2.00%、
Al:0.50%超、1.00%以下、
S:0.001〜0.021%、
N:0.001〜0.010%
を含有し、更に、
Mn/S:70〜1500、
Al+Si≦2.50%
を満足し、残部がFe及び不可避不純物からなり、表面から0.2mmの深さにおける窒素濃度が0.4%以上であることを特徴とする窒化高周波焼入れ部品。
) 母材の成分が、質量%で、
Cr:1.60%以下
を含有し、
1.9Al+Cr≦2.60%
を満たすことを特徴とする上記()に記載の窒化高周波焼入れ部品。
(9) 母材の成分が、質量%で、
Cr:1.30%以下
を含有し、
1.9Al+Cr≦2.60%
を満たすことを特徴とする上記(7)に記載の窒化高周波焼入れ部品。
10) 母材の成分が、質量%で、
Ti:0.50%以下、
Nb:0.50%以下
の一方又は双方を含有することを特徴とする上記()〜()の何れか1項に記載の窒化高周波焼入れ部品。
11) 質量%で、
V :1.00%以下、
Mo:0.05〜1.50%以下、
B :0.0050%以下、
Ni:0.05〜2.00%、
Cu:0.01〜2.00%
の1種又は2種以上を含有することを特徴とする上記()〜(10)の何れか1項に記載の窒化高周波焼入れ部品。
12) 質量%で、
Ca:0.0003〜0.004%
を含有することを特徴とする上記()〜(11)の何れか1項に記載の窒化高周波焼入れ部品。
13) ビッカース硬さHV700以上の硬化層の深さが、0.2mm以上であることを特徴とする上記()〜(12)の何れか1項に記載の窒化高周波焼入れ部品。
14) 上記()〜(13)の何れか1項に記載の成分組成を有する鋼を部品形状に加工し、窒化処理を施した後、加熱温度をオーステナイト変態点以上930℃未満、保持時間を0.05〜5秒として高周波焼入れを施し、100〜300℃で焼戻すことを特徴とする窒化高周波焼入れ部品の製造方法。
本発明の窒化高周波焼入れ用鋼を素材とする部品は、窒化処理後に高周波焼入れすることで、表面の硬度が著しく上昇し、高い面疲労強度を得ることができる。 本発明の窒化高周波焼入れ部品は、常温はもちろんのこと、300℃前後の高温となる使用条件下においても高い面疲労強度が維持されるため、自動車等の動力伝達部品、例えば、歯車、無段変速機、等速ジョイント、ハブ等に使用することができ、自動車等の小型軽量化や高出力化及び低コスト化等に大きく寄与するなど、産業上の貢献が極めて顕著である。
窒化処理後の鋼材及び窒化高周波焼入れ後の鋼材の表面から深さ方向の硬さ分布の一例である。
本発明において、窒化高周波焼入れ用鋼は、窒化高周波焼入れ部品の素材として用いられる鋼であり、鋼片や、熱間鍛造や熱間加工によって製造される棒鋼、線材や鋼板などの鋼材である。また、本発明の窒化高周波焼入れ部品は、鋼片や鋼材を所定の形状に加工し、必要に応じて切削加工を行い、その後窒化処理、高周波焼入れを行って製造される。なお、本発明の窒化高周波焼入れ部品は、本発明の窒化高周波焼入れ用鋼を棒鋼に加工し、これを素材として熱間加工又は冷間加工してもよく、あるいは鋼片を素材として所定の形状に熱間加工してもよい。
図1に、窒化処理を施した鋼材の表面からの硬度分布を破線で、窒化高周波焼入れを施した鋼材の表面からの硬度分布を実線で示す。窒化高周波焼入れを施した鋼材の最表層には、最も硬度が高い焼入れ窒化層1が形成されている。焼入れ窒化層1と母材3との間には、硬度が母材3よりも高く、焼入れ窒化層1よりも低い焼入れ層2が存在する。一方、窒化処理を施した鋼材の表層には、窒化層4が形成されている。窒化層の表面の近傍には、Fe3N、Fe4N等のFe窒化物、鋼中に含まれる合金元素、例えば、Al、Crなどの窒化物が生成している。なお、このような傾向は、窒化高周波焼入れ部品についても同様である。
本発明者らは、窒化高周波焼入れによって形成される焼入れ窒化層の硬度及び窒素濃度を高め、より深くまで焼入れ窒化層を形成させるため、検討を行った。種々の鋼材に窒化高周波焼入れを施し、合金元素の含有量と、表面から深さ方向のビッカース硬度及び窒素濃度の分布との関係について、以下の知見を得た。なお、以下の知見は、窒化高周波焼入れ部品についても同様である。
まず、Sは、窒素の拡散を阻害する元素であり、表面への濃化を防止することが必要である。Sの濃化はMn/Sを適正な範囲にすることにより、抑制される。これは、MnをS量に対して適切に添加することにより、SをMnSとして固定するためである。したがって、Mn/Sを適正な範囲にすれば、鋼材の表面の窒素濃度が高くなり、より深い位置まで焼入れ窒化層が形成される。
次に、Siの含有量が過剰であると表層の硬化に対する寄与が小さいSi34が形成されて、表面近傍の硬度が低下する。また、Alの含有量が過剰であると窒素の拡散が抑制され、焼入れ窒化層の深さが減少する。そこで、本発明では、SiとAlの合計量の上限を制限する。
また、選択的に添加するCrは、Alと同様、窒化物を形成して窒素の濃化に寄与するが、一方では窒素の拡散を抑制する元素である。そのため、鋼材の表面の窒素濃度を高め、焼入れ窒化層を厚くするために、1.9Al+Crを制限することが好ましい。Alの係数は、Al及びCrの原子濃度の合計が焼入れ窒化層の形成に影響を及ぼすことから、1.9とする。
本発明において、鋼材の化学成分及び部品の母材の化学成分を限定した理由について説明する。以下、%は質量%を意味する。
Cは、焼入れ性を確保し、必要な強度を得るのに有用な元素である。本発明では、鋼材及び部品の母材のフェライト分率を低減し、窒化高周波焼入れ時の硬化能を向上させるために0.30%超を添加する。C量は0.35%以上が好ましい。一方、C量が、0.60%を超えると部品加工時の切削性や鍛造性が著しく低下するため、C量の上限を0.60%以下とする。また、C量が増加すると、窒化高周波焼入れ時に焼割れが発生する可能性が大きくなるため、C量の上限を0.55%以下とすることが好ましい。更に好ましくは、0.50%以下である。
Mnは、焼入れ性を確保するのに有用な元素である。更に、Mnは、鋼中のSをMnSとして固定し、窒化処理時に鋼材の表面への窒素の浸入を抑制するSの濃化を防止するため、0.30%以上を添加する。鋼材及び母材のフェライトの生成を抑制し、硬度を上昇させるには、Mnを0.60%以上添加することが好ましい。一方、Mn量が2.00%を超えると切削加工性が著しく劣化するため、上限を2.00%以下とする。Mn量の上限は、1.25%以下が好ましい。
Sは、被削性を向上させる元素であり、含有量を0.001%以上とする。一方、Sは、窒化処理時に鋼材への窒素の浸入を妨げる元素であり、S量の上限を0.021%以下とする。また、Sを過剰に含有すると、熱間加工性や鍛造性が劣化するため、S量を0.010%以下にすることが好ましい。
本発明では、MnによってSをMnSとして固定し、Sの表面への濃化を防止するため、Sに対してMnを一定以上の比で添加することが重要である。Mn/Sを70以上にすると、極めて効果的にSを無害化することができる。一方、Mn/Sが1500を超えてもSの無害化の効果は飽和する。そのため、本発明では、Mn/Sの範囲を70〜1500に限定する。なお、S量を低下させると製鋼コストが上昇するため、Mn/Sの上限は300以下が好ましい。
Siは、脱酸元素であり、0.02%以上を添加する。また、Siは、焼入れ窒化層及び焼入層の軟化抵抗を増大させる元素であり、面疲労強度を向上させるために、0.05%以上添加することが好ましい。更に好ましくは、Siを0.10%以上添加する。一方、Si量が1.90%を超えると、窒化処理時に表層部の硬化に対する寄与が小さいSi34が生成し、表層部の硬度を高めることが難しくなるため、Si量の上限を1.90%以下とする。Si量は1.40%以下が好ましく、0.70%以下が更に好ましい。
Alは、窒化処理によって表層部に窒化物を形成する元素である。焼入れ窒化層を深くまで形成し、窒素濃度を高め、面疲労強度を向上させるために、0.50%超のAlを添加する。また、Alの添加により、微細なAl窒化物を形成して耐摩耗性を向上させることができる。更に、Alの添加により、被削性を向上させることができる。一方、1.00%超のAlを添加すると、窒素の拡散が抑制されて、焼入れ窒化層の深さが減少するため、上限を1.00%以下とする。Al量の好ましい上限は、0.80%以下である。
Si及びAlの含有量が過剰であると、表層部の硬度が低下し、焼入れ窒化層の深さが減少する。これは、Si量が過剰であるとSi34の生成が顕著になり、Al量が過剰であると窒素の拡散が抑制されるためである。したがって、本発明では、SiとAlの合計量を2.50%以下に制限する。Si量とAl量の合計は、2.00%以下が好ましく、1.50%以下が更に好ましい。
Nは、窒化物を形成する元素であり、組織を微細化するため、含有量を0.0010%以上とする。一方、N量が0.0100%を超えると高温域の延性が低下し、熱間圧延や熱間鍛造時に割れが発生するため、上限を0.0100%以下とする。N量の好ましい上限は、0.0080%以下であり、より好ましくは、0.0060%以下とする。
Pは、不純物であり、含有量を0.030%以下に制限する。P量の下限は規定しないが、製造コストの観点から、0.001%以上が好ましい。
焼入れ窒化層を更に深くするには、Crを添加することが好ましい。
Crは、窒素と親和性があり、窒化処理によって表層部に窒化物を生成する元素である。焼入れ窒化層の窒素濃度を高めるため、0.10%以上のCrを添加することが好ましい。また、Crは、焼入れ窒化層及び焼入れ層の軟化抵抗を向上させる元素であり、面疲労強度を向上させるため、0.20%以上を添加することが更に好ましい。一方、Cr量が1.60%を超えると、窒素の拡散が抑制され、焼入れ窒化層の深さが減少するため、Cr量の上限を1.60%以下にすることが好ましい。Cr量の上限は1.30%以下がより好ましく、0.90%以下が更に好ましい。
また、Crは、Alと同様、窒化物を形成し、窒素の拡散を抑制する元素であり、より深くまで焼入れ窒化層を形成するために、1.9Al+Crを制限することが好ましい。Alの係数を1.9とするのは、Al及びCrの原子濃度の合計が焼入れ窒化層の形成に影響を及ぼすためである。より深くまで焼入れ窒化層を形成するためには、1.9Al+Crを2.60%以下にすることが好ましい。更に好ましくは、1.9Al+Crを2.00%以下とする。なお、1.9Al+Crの下限は規定しないが、Crを含有しない場合、Al量の下限値が0.5%超であるから、1.9Al+Crが0.95%以下になることはない。Cr量の好ましい下限値は0.10%であるため、1.9Al+Crの好ましい下限は1.05%超である。より好ましくは、1.9Al+Crの下限を1.20%以上とし、更に好ましくは1.40%以上とする。
更に、窒化物を形成し、焼入れ窒化層を深くする元素である、Ti、Nbの一方又は双方を添加してもよい。
Ti及びNbは、焼入れ窒化層の硬さや深さを得るために、0.01%以上を添加することが好ましい。一方、Ti、Nbは、0.50%超を添加しても、粗大な炭窒化物が生成し、鋼中の固溶量が増加しないため、効果が飽和する。したがって、Ti、Nbの一方又は双方の含有量は、0.50%以下が好ましい。
更に、焼入れ性を向上させる元素である、Mo、V、B、Ni、Cuの1種又は2種以上を添加してもよい。
Mo及びVは、焼入れ性を確保し、マルテンサイト組織を得るのに有効な元素であり、0.05%以上を添加することが好ましい。また、Vは、Ti、Nbと同様、窒化物を形成し、深い焼入れ窒化層を得るためにも有効な元素である。一方、Moは1.5%超、Vは1.0%超を添加しても効果が飽和する。そのため、コストの上昇を避けるためには、Mo量の上限を1.5%以下、V量の上限を1.0%以下にすることが好ましい。
Bは、微量の添加で焼入れ性を向上させる元素であり、強度を得るために、0.0005%以上を添加することが好ましい。一方、0.0050%超のBを添加しても、効果が飽和するため、B量の上限を0.0050%以下にすることが好ましい。
Niは、焼入れ性の向上に加えて、靭性の改善にも寄与する元素であり、効果を得るには、Ni量を0.05%以上とすることが好ましい。一方、Ni量が2.0%を超えると、被削性を損なうことがあるため、Ni量の上限は2.0%以下が好ましい。
Cuは、焼入れ性の向上に加えて、フェライトの強化や耐食性の向上にも寄与する元素であり、0.01%以上を添加することが好ましい。一方、2.0%を超えるCuを添加しても、機械的性質の向上効果は飽和するため、Cu量の上限は2.0%以下とすることが好ましい。なお、Cuのみを添加すると、熱間延性が低下し、圧延時の疵の原因となりやすいため、Cuは、Niと同時に添加することが好ましい。
更に、硫化物などの介在物の形態を制御するため、Caを添加してもよい。
Caは、鋼の熱間加工性の改善に用いられる元素であり、本発明では、鋼中に存在するMnSの延伸を抑制し、曲げ疲労強度の向上にも寄与する。歯車の曲げ疲労破壊や、軸部品のスプライン底の疲労破壊を抑制するためには、0.0003%以上のCaを添加することが好ましい。一方、0.004%を超えてCaを添加しても、飽和が飽和するため、Ca量の上限は0.004%以下が好ましい。
次に、本発明の窒化高周波焼入れ部品について説明する。
本発明の窒化高周波焼入れ部品は、所定の形状に加工した後、窒化処理、高周波焼入れを施して製造される。本発明の窒化高周波焼入れ部品の最表層には焼入れ窒化層が形成され、母材と焼入れ窒化層との間に焼入れ層が形成されている。即ち、本発明の窒化高周波焼入れ部品の表層には、母材よりも窒素が濃化し、ビッカース硬度が高くなっている。
本発明の窒化高周波焼入れ部品の面疲労強度を高めるには、より深くまでビッカース硬度を高めることが必要である。したがって、本発明の窒化高周波焼入れ部品では、焼入れ窒化層をより深くまで形成することが好ましく、表面から0.2mmの深さにおける窒素濃度を0.4%以上とする。この深さでの窒素濃度の上限は規定しないが、0.8%超にすることは難しい。表面から0.2mmの深さにおける窒素濃度は、部品の断面を研磨し、走査型電子顕微鏡(SEM)に付属する電子線マイクロアナライザー(EPMA)を用いて測定することができる。表面から0.2mmの深さにおける窒素濃度の測定は5箇所で行い、平均値を求める。
また、図1と同様、本発明の窒化高周波焼入れ部品は、最表層のビッカース硬度が最も高く、表面からの深さとともにビッカース硬度が低下する。面疲労強度を高めるには、ビッカース硬度が高いほど、また、硬化層が深いほど好ましい。本発明では、ビッカース硬度の好ましい下限をHV700以上とし、硬化層の深さの好ましい下限を0.2mm以上とする。ビッカース硬度がHV700以上の硬化層の深さの上限は規定しないが、0.5mm超とすることは難しい。ビッカース硬度がHV700以上の硬化層の深さは、部品の断面を研磨し、表面から深さ方向のビッカース硬さをJIS Z 2244に準拠して測定し、求める。
また、本発明の窒化高周波焼入れ部品は、窒化処理によって最表層に形成されたFe3N、Fe4N等のFe窒化物の一部が、高周波加熱によって分解することがある。その結果、本発明の窒化高周波焼入れ部品の最表層には、多数の空孔が形成されることがある。そして、これらの多数の分散された空孔が油溜りとして機能すると、潤滑効果が向上し、鋼材の耐摩耗性、耐久性が一層向上する。
なお、本発明の窒化高周波焼入れ部品の表層は、50%以上のマルテンサイト組織となり、母材はフェライト−パーライト組織のままである。即ち、本発明の窒化高周波焼入れ部品では、表層のみがマルテンサイト変態するため、表層に圧縮残留応力が付与され、面疲労強度を向上させることができる。
次に、本発明の窒化高周波焼入れ用鋼及び窒化高周波焼入れ部品の製造方法について説明する。
本発明の窒化高周波焼入れ用鋼は、鋼を溶製、鋳造して鋼片とする。鋼片を熱間圧延して棒鋼、線材、鋼板とする場合、熱間圧延は常法によって行えばよい。本発明の窒化高周波焼入れ部品は、上記の成分を有する鋼片又は窒化高周波焼入れ用鋼を熱間鍛造などの熱間鍛造によって所定の形状とし、必要に応じて切削加工を施し、窒化処理及び高周波焼入れを施して製造される。
本発明の窒化高周波焼入れ部品に施す窒化処理は、ガス窒化、プラズマ窒化、ガス軟窒化処理、塩浴軟窒化処理の何れでもよい。なお、窒化処理温度は、600℃を超えると、鋼材の熱変形、粒界酸化等が発生することがある。一方、窒化処理温度が500℃未満であると、窒素の浸入が不十分になることがある。したがって、窒化処理によって表層に安定なFe窒化物を形成し、窒素濃度を高めるために、窒化処理の温度を500〜600℃にすることが好ましい。表面から10μm以上の深さにまでFe窒化物を形成し、窒素濃度を高めるためには、軟窒化処理を行うことが好ましく、軟窒化処理温度を580℃以上600℃未満とすることが更に好ましい。
より深くまで安定なFe窒化物を形成し、窒素濃度を高めるために、窒化処理の時間を1時間以上にすることが好ましい。一方、窒化処理の時間が長くなると生産性を損なうため、5時間以下にすることが好ましい。窒化処理後の冷却は、空冷、ガス冷却、油冷の何れの方法で行ってもよい。
窒化処理後、高周波焼入れを施し、最表層に形成されたFe窒化物を分解し、窒素濃度を高めて焼入れし、面疲労強度を高める。高周波加熱によって、表層をオーステナイト化し、窒化処理によって生成したFe3N、Fe4N等のFe窒化物を分解し、焼入れると、窒素が濃化する。表層部に窒素を濃化させて、オーステナイト温度域から焼入れ、表層の金属組織の50%以上をマルテンサイトにすることが好ましい。また、耐摩耗性を高めるには、焼入れ窒化層に空孔を形成することが好ましい。
高周波焼入れの加熱温度は、表層を焼入れによってマルテンサイト変態させるため、オーステナイト変態点以上とする。一方、高周波焼入れの加熱温度が高すぎると、窒素の拡散が促進されて表層の窒素濃度が低下する。そのため、表面から0.2mmの深さでのN濃度を0.4%以上とするには、高周波焼入れの加熱温度を930℃未満にすることが好ましい。高周波焼入れの加熱温度の更に好ましい範囲は、880〜900℃である。
高周波焼入れの加熱温度に保持する時間、即ち、高周波焼入れの保持時間は、表層のFe窒化物を分解して、窒素濃度を高めるため、0.05s以上にする。一方、保持時間が長すぎると、窒素の拡散が促進されて窒素濃度が低下する。そのため、表面から0.2mmの深さでのN濃度を0.4%以上とするには、高周波焼入れの保持時間を5s以下にすることが好ましい。高周波焼入れの保持時間のより好ましい範囲は、0.5〜4sである。
高周波加熱をする際の周波数は、小物部品であれば400kHz前後、大物部品であれば5kHz前後とすることが好ましい。焼入れに用いる冷媒は、水、ポリマー焼入材など水系で冷却能が大きなものを使用するとよい。
高周波焼入れを施した後、焼戻しを施す。高周波焼入れ後は、一般的な浸炭焼入れ品に準じて、150℃前後の低温焼戻しを施して部品の靭性を確保することが好ましい。焼戻しの加熱温度は、低すぎると効果が不十分であり、高すぎると面疲労強度が低下することがあるため、好ましい範囲を100〜300℃とする。
表1、2に示す成分組成を有する鋼を溶製し、鋳造して鋼片とした。鋼片を熱間鍛造し、焼鈍を施して切削加工し、面疲労強度を評価するためのローラーピッチング試験片を製作した。ローラーピッチング試験片は、直径26mm、幅28mmの円筒部を有する小ローラー試験片と、直径130mm、幅18mmの大ローラー試験片である。
次に小ローラー試験片及び大ローラー試験片に軟窒化処理を施し、表3に示す条件で高周波焼入れを行った。軟窒化処理は、N2:NH3:CO2=40:55:5のガス雰囲気中で行い、580℃に加熱して150分保持し、N2ガスで冷却した。高周波焼入れの加熱は、周波数を100kHzとし、冷媒として水を用いた。その後、150℃で60分の焼戻し処理を行った。
小ローラー試験片を、圧延と直角な断面で切断し、樹脂埋込みを行い、鏡面研摩した後に、JIS Z 2244に準拠して、ビッカース硬度を測定した。表面から中心部に向かってHV0.3(2.9N)を測定し、表面から0.05mmのビッカース硬さと硬化層深さを求めた。硬化層深さは表面から深さ方向に測定したビッカース硬度がHV700以上となる表面からの距離とした。
また、樹脂埋込みサンプルを用いて、表面から0.2mmの位置で、SEMに付属したEPMAによって窒素濃度を測定した。窒素濃度は5箇所で測定した平均値とした。
ローラーピッチング疲労試験は、小ローラー試験片に種々のヘルツ応力(面圧)で大ローラー試験片を押し付け、滑り率を−40%として行った。即ち、小ローラー試験片と大ローラー試験片との接触部で、大ローラー試験片の周速を、小ローラー試験片の周速よりも40%大きくした。なお、小ローラー試験片と大ローラー試験片との接触部での回転方向は同一とした。また、小ローラー試験片と大ローラー試験片との接触部に供給するギア油の油温は90℃とした。
試験打ち切り回数は、一般的な鋼の疲労限を示す1000万回(107回)とし、小ローラー試験片においてピッチングが発生せずに1000万回の回転数に達した最大ヘルツ応力を小ローラー試験片の疲労限とした。ピッチング発生の検出は、試験機に備え付けてある振動計によって行い、振動検出後に、小ローラー試験片と大ローラー試験片の両方の回転を停止させ、ピッチングの発生と回転数を確認した。
耐摩耗性は、直径70mm、長さ8mmの円盤試験片を用いて、ピン・オン・ディスク型の試験機によって評価した。円盤試験片(ディスク)は、鍛造、焼鈍を施し、軟窒化処理及び高周波焼入れ、焼戻しを施して製作した。軟窒化処理及び高周波焼入れ、焼戻し処理条件は、ローラー試験片と同様である。ピンは、直径8mm、先端部半径が100mmのJIS SKD11材を用いた。試験条件は、接触圧力を150MPa、回転数を100rpm、総回転数を6万回転とした。この試験後に摺動部の摩耗深さを測定し、耐摩耗性を評価した。
被削性は、鋼片を熱間鍛造し、焼鈍し、軟窒化処理及び高周波焼入れを行わず、直径45mm、長さ100mmの円柱試験片を採取して深穴穿孔試験で評価した。深穴穿孔試験は、歯車やクランクシャフト等の自動車部品の生産に用いられるNCマシニングセンタを用い、試験条件は、切削速度:65m/分、送り:0.17mm/revとした。なお、深穴穿孔試験では、給油は最小量潤滑のミスト給油とし、ドリルサイズ:φ5mm×168mmL、ドリル材質:セラミックコーティング超硬合金、ドリル突出し:105mm、穴開深さ:90mmmとした。この条件で穿孔した際のドリル折損までの穿孔個数を計測した。ただし1000個以上の穿孔を達成したものは、被削性良好として試験を打ち切った。
Figure 0005477111
Figure 0005477111
Figure 0005477111
試験結果を表3に示す。表3に示すように、No.1〜29は本発明例であり、ローラーピッチング疲労試験における1000万回での面疲労強度(最大ヘルツ応力)が3600MPa以上の高い値であり、優れた面疲労強度を有している。また、摩耗深さも8μm以下であり、優れた耐摩耗性を示した。
一方、No.30、32、34は、それぞれC量、Mn量、Al量が少ないため、部品の表面硬さが低く、また耐摩耗性も本発明品より劣った。No.31、35は、それぞれ、Si量、Al量が多いため、硬化層深さが少なくなった。No.36は、Cr量が多いため、十分な硬化層深さが得られず、面疲労強度も劣った。
No.33、37は、それぞれMn量、N量が多いため、被削性が著しく低下した。No.38は、Mn/Sが低いため十分な硬化層深さが得られなかった。No.39はAl+Siが多く、No.40は1.9Al+Crが多いため、十分な硬化層深さが得られず、面疲労強度も劣った。
No.41〜44は、成分組成は本発明の範囲であるが、表面硬さ又は硬化層深さがそれぞれHV700未満又は0.2mm未満であり、その結果、最大ヘルツ応力が3000MPaに満たない。No.41は高周波焼入れの加熱温度が高く、No.43は高周波焼入れの保持時間が長いため、Nが過剰に鋼材の内部まで拡散し、表面硬さが低下した。また、No.42は高周波焼入れの加熱温度が低く、No.44は高周波焼入れの保持時間が短すぎるため、Nの鋼材内部への拡散が不足し、硬化層深さが0.2mm未満であった。
1 窒化焼入れ層
2 焼入れ層
3 母材
4 窒化層

Claims (14)

  1. 質量%で、
    C:0.30%超、0.60%以下、
    Si:0.02〜1.90%、
    Mn:0.30〜2.00%、
    Al:0.50%超、1.00%以下、
    S:0.001〜0.021%、
    N:0.001〜0.010%
    を含有し、
    P:0.030%以下
    に制限し、更に、
    Mn/S:70〜1500、
    Al+Si≦2.50%
    を満足し、残部がFe及び不可避不純物からなることを特徴とする窒化高周波焼入れ用鋼。
  2. 質量%で、
    Cr:1.60%以下
    を含有し、
    1.9Al+Cr≦2.60%
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載の窒化高周波焼入れ用鋼。
  3. 質量%で、
    Cr:1.30%以下
    を含有し、
    1.9Al+Cr≦2.60%
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載の窒化高周波焼入れ用鋼。
  4. 質量%で、
    Ti:0.50%以下、
    Nb:0.50%以下
    の一方又は双方を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の窒化高周波焼入れ用鋼。
  5. 質量%で、
    V :1.00%以下、
    Mo:0.05〜1.50%以下、
    B :0.0050%以下、
    Ni:0.05〜2.00%、
    Cu:0.01〜2.00%
    の1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の窒化高周波焼入れ用鋼。
  6. 質量%で、
    Ca:0.0003〜0.004%
    を含有することを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の窒化高周波焼入れ用鋼。
  7. 母材の成分が、質量%で、
    C :0.30%超、0.60%以下、
    Si:0.02〜1.90%、
    Mn:0.30〜2.00%、
    Al:0.50%超、1.00%以下、
    S:0.001〜0.021%、
    N:0.001〜0.010%
    を含有し、更に、
    Mn/S:70〜1500、
    Al+Si≦2.50%
    を満足し、残部がFe及び不可避不純物からなり、表面から0.2mmの深さにおける窒素濃度が0.4%以上であることを特徴とする窒化高周波焼入れ部品。
  8. 母材の成分が、質量%で、
    Cr:1.60%以下
    を含有し、
    1.9Al+Cr≦2.60%
    を満たすことを特徴とする請求項に記載の窒化高周波焼入れ部品。
  9. 母材の成分が、質量%で、
    Cr:1.30%以下
    を含有し、
    1.9Al+Cr≦2.60%
    を満たすことを特徴とする請求項7に記載の窒化高周波焼入れ部品。
  10. 母材の成分が、質量%で、
    Ti:0.50%以下、
    Nb:0.50%以下
    の一方又は双方を含有することを特徴とする請求項7〜9の何れか1項に記載の窒化高周波焼入れ部品。
  11. 質量%で、
    V :1.00%以下、
    Mo:0.05〜1.50%以下、
    B :0.0050%以下、
    Ni:0.05〜2.00%、
    Cu:0.01〜2.00%
    の1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項10の何れか1項に記載の窒化高周波焼入れ部品。
  12. 質量%で、
    Ca:0.0003〜0.004%
    を含有することを特徴とする請求項11の何れか1項に記載の窒化高周波焼入れ部品。
  13. ビッカース硬さHV700以上の硬化層の深さが、0.2mm以上であることを特徴とする請求項12の何れか1項に記載の窒化高周波焼入れ部品。
  14. 請求項13の何れか1項に記載の成分組成を有する鋼を部品形状に加工し、窒化処理を施した後、加熱温度をオーステナイト変態点以上930℃未満、保持時間を0.05〜5秒として高周波焼入れを施し、100〜300℃で焼戻すことを特徴とする窒化高周波焼入れ部品の製造方法。
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