JP7031428B2 - 浸窒焼入れ処理用鋼、浸窒焼入れ部品及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、浸窒焼入れ処理用鋼、浸窒焼入れ部品及びその製造方法に関する。
自動車部品などをはじめとする機械構造部品は、機械構造部品の素材である鋼を所定の形状に加工した後に浸炭焼入れ処理、窒化処理などの表面硬化処理を行うことによって一般に製造されている。
近年、自動車の品質及び性能を向上させることを目的として、自動車部品の寸法精度及び表面強度に対する要求が厳しくなっている。一般に、寸法精度は、熱処理ひずみを低減させることによって高めることができ、また、表面強度は、表面硬化処理層を厚くすることによって高めることができる。
しかしながら、浸炭焼入れ処理は、表面強度を高めることが容易であるものの、処理温度が高いため、熱処理ひずみが大きく、寸法精度を高めることができないという問題がある。
一方、窒化処理は、処理温度が比較的低温であるため、熱処理ひずみが小さく、寸法精度を高めることができる。しかしながら、窒化処理は、表面硬化処理層を厚くすることができないことから、高強度化が難しいという問題がある。
そこで、寸法精度及び表面硬度の両方を高める技術として、特許文献1には、被処理品を鉄-窒素系平衡状態図のオーステナイトと鉄窒化物(Fe4N)の混相域温度で浸窒した後、被処理品を急冷及び再加熱して、被処理品表面にFe162と窒素マルテンサイトとの2層構造を生成させる浸窒焼入れ処理が提案されている。
なお、浸窒焼入れ処理とは、一般に、鉄-窒素系平衡状態図のA1点以上の温度域で鋼表面から窒素を拡散浸透させて窒素オーステナイトを表層部に形成した後、焼入れ(急冷)することによって硬質な窒素マルテンサイトを生成させる表面硬化法である。浸窒焼入れ処理は、浸炭焼入れ処理に比べて低温で処理を行うため熱ひずみが小さく、また、窒化処理に比べて高温で処理を行うため処理時間が短いという利点がある。以下、窒素の拡散浸透(浸窒処理)によって鋼の表層部に形成された層を「浸窒層」、浸窒層が形成されなかった部分(浸窒層よりも内側の部分)を「母材」といい、浸窒層の焼入れによって生成した層を「硬化層」という。
特開2015-25161号公報
近年、自動車部品などの機械構造部品には、寸法精度及び表面強度だけでなく靭性及び疲労強度に対する要求も増している。
しかしながら、特許文献1では、機械構造部品(浸窒焼入れ部品)の靭性及び疲労強度については十分に検討されていない。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、靭性及び疲労強度に優れた浸窒焼入れ部品を製造可能な浸窒焼入れ処理用鋼を提供することを目的とする。
また、本発明は、靭性及び疲労強度に優れた浸窒焼入れ部品及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、浸窒焼入れ処理用鋼の合金組成に着目して鋭意研究を行った結果、浸窒焼入れ処理用鋼を浸窒焼入れ処理した後に靭性及び疲労特性が低下する原因が、浸窒層及び硬化層における結晶粒の粗大化及び結晶粒間のフェライトに主に起因しているという知見を得た。そして、本発明者らは、Mn及び/又はNiを所定の割合で含有させることにより、浸窒層のオーステナイト化を促進してオーステナイト結晶粒間に存在するフェライトを低減し、その結果として硬化層のマルテンサイト結晶粒間のフェライトも低減し得ることを見出した。また、本発明者らは、浸窒処理時に窒化物を生成する元素を所定の割合で含有させることにより、浸窒層におけるオーステナイト結晶粒の粗大化を抑制し、その結果として硬化層におけるマルテンサイト結晶粒の粗大化も抑制し得ることを見出した。本発明は、これらの知見に基づき完成されたものである。
すなわち、本発明は、
C:0.6質量%以下、
Mn及び/又はNi:合計で0.4~3.0質量%、
P:0.03質量%以下、
S:0.03質量%以下、並びに
V:0.01~1.5質量%、Nb:0.01~3.0質量%及びTi:0.01~1.5質量%から選択される1種以上
を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなり、
下記式(2):
A2=0.36V+0.35Nb+0.35Ti-0.20(Mn+Ni) (2)
(式中、各元素記号は、各元素の質量%である)で表される浸窒指数A2が0.7以下である浸窒焼入れ処理用鋼である。
また、本発明は、前記浸窒焼入れ処理用鋼の表層部に、浸窒焼入れ処理によって窒素マルテンサイトを含む硬化層が形成された浸窒焼入れ部品である。
さらに、本発明は、前記浸窒焼入れ処理用鋼を部品形状に加工して浸窒焼入れ処理を行う、浸窒焼入れ部品の製造方法である。
本発明によれば、靭性及び疲労強度に優れた浸窒焼入れ部品を製造可能な浸窒焼入れ処理用鋼を提供することができる。
また、本発明によれば、靭性及び疲労強度に優れた浸窒焼入れ部品及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されて解釈されるべきものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、改良などを行うことができる。各実施形態に開示されている複数の構成要素は、適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、1つの実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
(実施形態1)
本実施形態に係る浸窒焼入れ処理用鋼は、Cと、Mn及び/又はNiと、Pと、Sと、Cr、Si及びAlから選択される1種以上とを含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる。また、この浸窒焼入れ処理用鋼は、Mo及びBから選択される1種以上をさらに含んでもよい。
ここで、本明細書において「不可避的不純物」とは、Oなどの除去することが難しい成分のことを意味する。この成分は、原料を溶製する段階で不可避的に混入する。
<C:0.6質量%以下>
Cは、浸窒焼入れ処理用鋼の調質硬さ及び強度を確保するために必要な元素である。しかしながら、Cの含有量が多すぎると、浸窒焼入れ処理用鋼の加工性及び溶接性が低下するため、0.6質量%、好ましくは0.5質量%を上限とする。また、浸窒焼入れ部品の母材に硬度があまり要求されない場合、0.3質量%をCの含有量の上限としてもよい。Cの含有量の下限は、特に限定されないが、好ましくは0.005質量%、より好ましくは0.010質量%である。
<Mn及び/又はNi:合計で0.4~3.0質量%>
Mn及びNiは、浸窒焼入れ処理用鋼の焼入性を高めるとともに、オーステナイト成長速度を高める効果を有するため、浸窒層内のフェライトを低減して疲労強度の低下を抑制する元素である。焼入性を向上させる観点からは、Mn及び/又はNiの合計量の下限を0.4質量%、好ましくは0.42質量%とする。一方、Mn及び/又はNiの含有量が多すぎると、焼入れ処理時に残留オーステナイト量の増加によって硬化層の硬さが低下する。したがって、Mn及び/又はNiの合計量の上限を3.0質量%、好ましくは2.8質量%とする。
また、Mn及びNiそれぞれの含有量は、特に限定されないが、Mnの含有量が多すぎると、浸窒焼入れ処理用鋼の加工性が低下する傾向にあり、Niの含有量が多すぎると、Niが高価であるため経済的に不利となる。したがって、Mnの含有量は、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは0.3~2.8質量%である。また、Niの含有量は、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは0.05~1.0質量%である。
<P:0.03質量%以下>
Pは、粒界偏析して粒界を脆化させ易い元素である。Pの含有量が多すぎると、粒界の脆化によって靭性が低下する。そのため、Pの含有量の上限を0.03質量%、好ましくは0.025質量%とする。一方、Pの含有量の下限は、特に限定されないが、好ましくは0.0001質量%、より好ましくは0.0005質量%である。
<S:0.03質量%以下>
Sは硫化物生成元素である。Sの含有量が多すぎると、粗大なMnSが生成し、疲労強度が低下する。そのため、Sの含有量の上限を0.03質量%、好ましくは0.025質量%とする。一方、Sの含有量の下限は、特に限定されないが、好ましくは0.0001質量%、より好ましくは0.0005質量%である。
<Cr:0.1~4.5質量%、Si:0.1~1.0質量%及びAl:0.1~1.0質量%から選択される1種以上>
Cr、Si及びAlは、浸窒焼入れ処理時に窒化物を生成する元素である。すなわち、これらの元素は、浸窒焼入れ処理時に窒化物を生成して浸窒層における窒素オーステナイトの結晶組織を微細化し、その結果として硬化層における窒素マルテンサイトの結晶組織も微細化する。これにより、浸窒焼入れ部品の疲労強度及び靭性を向上させることが可能となる。
また、Crは、焼入性を高める元素でもある。このようなCrによる効果を得るためには、Crの含有量の下限を0.1質量%、好ましくは0.15質量%とする。一方、この効果は、Crの含有量の増加によって飽和するため、Crの含有量の上限を4.5質量%、好ましくは4.0質量%、より好ましくは1.5質量%とする。
Siは、上記の効果の他に、浸窒焼入れ部品の母材の強度を確保するために必要な元素である。このようなSiによる効果を得るためには、Siの含有量の下限を0.1質量%、好ましくは0.15質量%、より好ましくは0.2質量%とする。一方、この効果は、Siの含有量の増加によって飽和するため、Siの含有量の上限を1.0質量%、好ましくは0.9質量%、より好ましくは0.7質量%とする。
Alによる上記の効果を得るためには、Alの含有量の下限を0.1質量%、好ましくは0.15質量%、より好ましくは0.2質量%とする。一方、この効果は、Alの含有量の増加によって飽和するため、Alの含有量の上限を1.0質量%、好ましくは0.9質量%、より好ましくは0.7質量%とする。
Cr、Si及びAlの合計量は、特に限定されないが、好ましくは0.1~4.5質量%である。この合計量が0.1質量%未満であると、浸窒層における窒素オーステナイト及び硬化層における窒素オーステナイトの結晶組織の微細化が不十分となり、浸窒焼入れ部品の疲労強度及び靭性が十分に向上しないことがある。一方、この合計量が4.5質量%を超えると、その量に見合う効果を得ることができないため不経済である。
<Mo:0.1~2.0質量%>
Moは、浸窒焼入れ処理用鋼の焼入性を高める元素である。この効果を得るためには、Moの含有量の下限を好ましくは0.1質量%、より好ましくは0.15質量%とする。一方、Moは高価であり、過剰使用は不経済となるため、Moの含有量の上限を好ましくは2.0質量%、より好ましくは1.5質量%とする。
<B:0.0001~0.01質量%>
BもMoと同様に、浸窒焼入れ処理用鋼の焼入性を高める元素である。この効果を得るためには、Bの含有量の下限を好ましくは0.0001質量%、より好ましくは0.0003質量%とする。一方、この効果はBの含有量の増加によって飽和するため、Bの含有量の上限を好ましくは0.01質量%、より好ましくは0.005質量%とする。
本実施形態に係る浸窒焼入れ処理用鋼において、疲労特性及び靭性を効率良く発現させるためには、焼入れ処理後に硬化層となる浸窒層の厚さを制御する必要がある。
そこで、本実施形態に係る浸窒焼入れ処理用鋼は、下記式(1)で表される浸窒指数A1が0.7以下、好ましくは-0.10~0.68、より好ましくは0~0.5に制御されている。
A1=0.30Cr+0.45Si+0.34Al-0.2(Mn+Ni) (1)
式中、各元素記号は、各元素の質量%である。
浸窒指数A1は、浸窒処理によって表面から成長した窒素オーステナイトの金属組織の厚さの指標であり、浸窒指数A1が小さいほど浸窒層(焼入れ処理後の硬化層)の厚さが大きいことを意味する。浸窒指数A1が0.7を超えると、浸窒層(焼入れ処理後の硬化層)の厚さが小さくなりすぎてしまい、焼入れ処理によって疲労特性を十分に発現させることができない。なお、浸窒指数A1は、合金組成と浸窒層の厚さとの関係から実験的に算出されたものである。
本実施形態に係る浸窒焼入れ処理用鋼の金属組織は、特に限定されないが、好ましくはフェライトである。このような金属組織を有する浸窒焼入れ処理用鋼は、A1点以上の温度域で浸窒処理することで窒素オーステナイトを含む浸窒層を表層部に形成した後、焼入れによって窒素オーステナイトを窒素マルテンサイトに変態させることで硬化層を形成することができる。
(実施形態2)
本実施形態に係る浸窒焼入れ処理用鋼は、Cと、Mn及び/又はNiと、Pと、Sと、V、Nb及びTiから選択される1種以上とを含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる。また、この浸窒焼入れ処理用鋼は、Mo及びBから選択される1種以上をさらに含んでもよい。
本実施形態に係る浸窒焼入れ処理用鋼は、Cr、Si及びAlから選択される1種以上の代わりに、V、Nb及びTiから選択される1種以上を含んでいる点で、実施形態1に係る浸窒焼入れ処理用鋼と異なる。なお、本実施形態に係る浸窒焼入れ処理用鋼の基本的な特徴は、実施形態1に係る浸窒焼入れ処理用鋼と同様であるため、相違点のみ説明する。
<V:0.01~1.5質量%、Nb:0.01~3.0質量%及びTi:0.01~1.5質量%から選択される1種以上>
V、Nb及びTiは、浸窒焼入れ処理時に窒化物を生成する元素である。すなわち、これらの元素は、浸窒焼入れ処理時に窒化物を生成して浸窒層における窒素オーステナイトの結晶組織を微細化し、その結果として硬化層における窒素マルテンサイトの結晶組織も微細化する。これにより、浸窒焼入れ部品の疲労強度及び靭性を向上させることが可能となる。
また、V及びTiはいずれも、炭化物を生成して浸窒焼入れ処理用鋼の結晶組織を微細化することができる。このようなV及びTiによる効果を得るためには、V及びTiの含有量の下限をいずれも0.01質量%、好ましくは0.05質量%、より好ましくは0.2質量%とする。一方、この効果は、V及びTiの含有量の増加によって飽和するため、V及びTiの含有量の上限をいずれも1.5質量%、好ましくは1.45質量%、より好ましくは0.5質量%とする。
NbもV及びTiと同様に、炭化物を生成して浸窒焼入れ処理用鋼の結晶組織を微細化する。このようなNbによる効果を得るためには、Nbの含有量の下限を0.01質量%、好ましくは0.05質量%とする。一方、この効果は、Nbの含有量の増加によって飽和するため、Nbの含有量の上限を3.0質量%、好ましくは2.8質量%、より好ましくは0.6質量%とする。
V、Nb及びTiの合計量は、特に限定されないが、好ましくは0.01~3.0質量%である。この合計量が0.01質量%未満であると、浸窒層における窒素オーステナイト及び硬化層における窒素マルテンサイトの結晶組織の微細化が不十分となり、浸窒焼入れ部品の疲労強度及び靭性を十分に高めることができない場合がある。一方、この合計量が3.0質量%を超えると、その量に見合う効果を得ることができないため不経済である。
本実施形態に係る浸窒焼入れ処理用鋼は、下記式(2)で表される浸窒指数A2が0.7以下、好ましくは-0.10~0.68、より好ましくは0~0.5に制御されている。
A2=0.36V+0.35Nb+0.35Ti-0.20(Mn+Ni) (2)
式中、各元素記号は、各元素の質量%である。
浸窒指数A2は、浸窒処理によって表面から成長した窒素オーステナイトの金属組織の厚さの指標であり、浸窒指数A2が小さいほど浸窒層の厚さが大きいことを意味する。浸窒指数A2が0.7を超えると、浸窒層の厚さが小さくなりすぎてしまい、焼入れ処理によって疲労特性を十分に発現させることができない。なお、浸窒指数A2は、合金組成と浸窒層の厚さとの関係から実験的に算出されたものである。
(実施形態3)
本実施形態に係る浸窒焼入れ処理用鋼は、Cと、Mn及び/又はNiと、Pと、Sと、Cr、Si及びAlから選択される1種以上と、V、Nb及びTiから選択される1種以上とを含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる。また、この浸窒焼入れ処理用鋼は、Mo及びBから選択される1種以上をさらに含んでもよい。
本実施形態に係る浸窒焼入れ処理用鋼は、V、Nb及びTiから選択される1種以上をさらに含んでいる点で、実施形態1に係る浸窒焼入れ処理用鋼と異なる。なお、本実施形態に係る浸窒焼入れ処理用鋼の基本的な特徴は、実施形態1及び2に係る浸窒焼入れ処理用鋼と同様であるため、相違点のみ説明する。
本実施形態に係る浸窒焼入れ処理用鋼は、下記式(3)で表される浸窒指数A3が0.7以下、好ましくは-0.10~0.68、より好ましくは0~0.5に制御されている。
A3=0.30Cr+0.45Si+0.34Al+0.36V+0.35Nb+0.35Ti-0.20(Mn+Ni) (3)
式中、各元素記号は、各元素の質量%である。
浸窒指数A3は、浸窒処理によって表面から成長した窒素オーステナイトの金属組織の厚さの指標であり、浸窒指数A3が小さいほど浸窒層の厚さが大きいことを意味する。浸窒指数A3が0.7を超えると、浸窒層の厚さが小さくなりすぎてしまい、焼入れ処理によって疲労特性を十分に発現させることができない。なお、浸窒指数A3は、合金組成と浸窒層の厚さとの関係から実験的に算出されたものである。
(実施形態4)
本実施形態に係る浸窒焼入れ部品は、実施形態1~3の浸窒焼入れ処理用鋼の表層部に、浸窒焼入れ処理によって窒素マルテンサイトを含む硬化層が形成されている。
硬化層に含まれる窒素マルテンサイトの平均結晶粒径は、小さいほど浸窒焼入れ部品の靭性及び疲労特性が向上する傾向にあるため、好ましくは80μm以下、より好ましくは75μm以下、さらに好ましくは70μm以下である。一方、窒素マルテンサイトの平均結晶粒径の下限は、特に限定されないが、好ましくは1μm、より好ましくは10μm、さらに好ましくは20μmである。
硬化層の厚さは、浸窒焼入れ部品の種類に応じて適宜調整すればよく特に限定されないが、好ましくは105~500μm、より好ましくは108~450μm、さらに好ましくは110~400μmである。硬化層の厚さが上記の範囲であると、疲労特性を安定して確保することができる。
硬化層のビッカース硬さは、浸窒焼入れ部品の種類に応じて適宜調整すればよく特に限定されないが、好ましくは500HV以上、より好ましくは600~1000HV、さらに好ましくは700~900HVである。
浸窒焼入れ部品における靱性、疲労強度などの特性は、母材金属組織の平均結晶粒径によっても影響され得る。例えば、母材の金属組織の平均結晶粒径は小さい方が、靭性、疲労強度に優れた浸窒焼入れ部品となる。浸窒焼入れ処理用鋼が熱延材、冷延材、焼鈍材のいずれの場合であっても、浸窒焼入れ処理によって金属組織の平均結晶粒径が変化する可能性が高いが、母材の金属組織の平均結晶粒径は小さいことが望ましい。そこで、母材の金属組織の平均結晶粒径は、好ましくは100μm以下、より好ましくは95μm以下、更に好ましくは90μm以下とする。一方、母材の金属組織の平均結晶粒径が小さすぎると、硬さが高くなって加工性が低下するため、下限は、好ましくは1μm、より好ましくは10μm、さらに好ましくは15μmとする。
ここで、本明細書において「平均結晶粒径」とは、JIS G0551:2013に準拠して切断法によって測定されるものを意味する。
上記のような特徴を有する浸窒焼入れ部品は、浸窒焼入れ処理用鋼を部品形状に加工し、浸窒焼入れ処理を行うことによって製造される。
部品形状としては、特に限定されず、部品の種類に応じた形状であればよい。例えば、浸窒焼入れ部品が軸受部品であれば、要求される軸受部品の形状とすればよい。また、その加工方法も特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いることができる。
浸窒焼入れ処理としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法に準じて行うことができる。具体的には、部品形状に加工した浸窒焼入れ処理用鋼を鉄-窒素系平衡状態図のA1点以上の温度域で鋼表面から窒素を拡散浸透させた後、焼入れ(急冷)すればよい。
このようにして製造される本実施形態に係る浸窒焼入れ部品は、寸法精度及び表面強度はもちろんのこと、靭性及び疲労強度にも優れているため、自動車部品として用いるのに適している。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
表1に示す合金組成を有する熱延鋼板を板厚2mmまで冷延した後、700~960℃で焼鈍することによって鋼板(浸窒焼入れ処理用鋼)を得た。
Figure 0007031428000001
上記で得られた鋼板に対して浸窒焼入れ処理を行った。浸窒焼入れ処理は、鋼板を窒素ガス、水素ガス及びアンモニアガスを含む混合ガスと接触させることで浸窒処理した後、油焼入れを行い、鋼板の表層部に硬化層を形成した。詳細な条件は下記の通りとした。
浸窒処理温度:830℃
浸窒処理時間:3時間
混合ガス中の窒素ガス濃度:79.95~99体積%
混合ガス中の水素ガス濃度:0.95~20体積%
混合ガス中のアンモニアガス濃度:0.05~0.3体積%
焼入れ温度:60~70℃
上記で得られた鋼板について、下記の評価を行った。
(平均結晶粒径)
JIS G0551:2013に準拠し、切断法を使用して母材部の金属組織(フェライト)及び硬化層の金属組織(窒素マルテンサイト)の結晶粒径を測定した。具体的には、測定数を10とし、光学顕微鏡を用いて100~500倍で10視野の結晶粒径を測定し、その平均をとった。
(硬化層の厚さ)
光学顕微鏡を用いて硬化層の厚さを測定した。具体的には、測定数を10とし、光学顕微鏡を用いて100倍で10視野の浸窒層厚さを測定し、その平均をとった。
(硬化層のビッカース硬さ)
ビッカース硬さ試験機を用い、試験加重を980mN、試験数を5とし、表面から深さ25μmの位置におけるビッカース硬さを測定し、その平均をとった。
(硬化層の窒素濃度)
グロー放電発光分析法法(GD-OES)を用いて硬化層の窒素濃度を測定した。測定条件は下記の通りとした。
測定機:マーカス型高周波グロー放電発光表面分析装置
スパッタ方式:ノーマルスパッタ
測定深さ:表面から深さ10μm
測定範囲:Φ4mm
(疲労特性)
JIS Z2273:1978及びJIS Z2275:1978に準拠して評価を行った。試験片は、JIS Z2275:1978に記載の1号試験片の形状(d=20、R=42.5)とし、PWOG型平面曲げ疲労試験機を用い、応力比=-1、周波数1250rpm、最大曲げ応力を500N/mm2及び650N/mm2、試験数5の条件にて、疲労破壊を生じるまでの応力の繰返し回数を測定した。最大曲げ応力が500N/mm2の場合は、繰返し回数が2.0×106回を超えても疲労破壊が生じなかった試験片が過半数だったものを合格(〇)、最大曲げ応力が650N/mm2の場合は、繰返し回数が1.0×105回を超えても疲労破壊が生じなかった試験片が過半数のものを合格(〇)とし、それ以外を不合格(×)とした。なお、この評価基準は、自動車の変速機部品などの一般的な機械構造部品として使用する場合を想定した基準である。
(靭性)
JIS Z2242:2005に準拠して評価を行った。試験片は、JIS Z2242:2005に記載のVノッチ試験片(ノッチ深さ2mm)とし、シャルピー衝撃試験機を用いて室温にて行った。また、試験数は3とした。この評価において、シャルピー衝撃値が30J/cm2以上であったものを◎、15J/cm2以上30J/cm2未満であったものを〇、15J/cm2未満であったものを×とした。なお、この評価基準は、自動車の変速機部品などの一般的な機械構造部品として使用を想定した基準である。
上記の各結果を表2に示す。
Figure 0007031428000002
表2に示されるように、実施例1~23は、所定の合金組成及び浸窒指数を満たす鋼板を用いたため、浸窒焼入れ処理後に疲労特性及び靭性が良好であった。
これに対して、比較例1~13は、所定の合金組成を満たしていない鋼板を用いていたため、浸窒焼入れ処理後に疲労特性及び靭性が十分でなかった。
特に、比較例1は、浸窒焼入れ処理時に窒化物を生成する元素を含んでいないため、窒化物の生成による窒素オーステナイトの粗大化抑制の効果が得られず、窒素マルテンサイトの結晶粒も大きくなった。そのため、浸窒焼入れ処理後に疲労特性及び靭性が低下してしまった。
また、比較例2は、Mn及びNiの合計量が少なすぎたため、焼入れ不足が発生し、疲労特性及び靭性が低下した。比較例3も同様に、Mn及びNiの合計量が少なすぎたため、浸窒層のオーステナイト化が不十分であり、オーステナイト結晶粒間に存在するフェライトを十分に低減させることができなかった。そのため、浸窒焼入れ処理後に疲労特性及び靭性が低下した。
また、比較例4~7及び10~13は、浸窒焼入れ処理時に窒化物を生成する元素が少なすぎたため、窒化物の生成による窒素オーステナイトの粗大化抑制の効果が得られず、窒素マルテンサイトの結晶粒も大きくなった。そのため、浸窒焼入れ処理後に疲労特性及び靭性が低下してしまった。
また、比較例8及び9は、Si及びAlの量が多すぎたため、窒化物が粗大化してしまい疲労破壊の起点となり易くなった。そのため、浸窒焼入れ処理後に疲労特性及び靭性が低下してしまった。
また、比較例14~16は、浸窒指数が0.7以上であったため、浸窒処理時にオーステナイト成長速度が遅くなり、浸窒層の厚さが小さくなった。そのため、硬化層の厚さも小さくなり、疲労特性及び靭性が低下してしまった。
以上の結果からわかるように、本発明によれば、靭性及び疲労強度に優れた浸窒焼入れ部品を製造可能な浸窒焼入れ処理用鋼を提供することができる。また、本発明によれば、靭性及び疲労強度に優れた浸窒焼入れ部品及びその製造方法を提供することができる。

Claims (7)

  1. C:0.6質量%以下、
    Mn及び/又はNi:合計で0.4~3.0質量%、
    P:0.03質量%以下、
    S:0.03質量%以下、並びに
    V:0.01~1.5質量%、Nb:0.01~3.0質量%及びTi:0.01~1.5質量%から選択される1種以上
    を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなり、
    下記式(2):
    A2=0.36V+0.35Nb+0.35Ti-0.20(Mn+Ni) (2)
    (式中、各元素記号は、各元素の質量%である)で表される浸窒指数A2が0.7以下である浸窒焼入れ処理用鋼。
  2. Mo:0.1~2.0質量%及びB:0.0001~0.01質量%から選択される1種以上をさらに含む、請求項1に記載の浸窒焼入れ処理用鋼。
  3. V、Nb及びTiの合計量が0.01~3.0質量%である、請求項1又は2に記載の浸窒焼入れ処理用鋼。
  4. 請求項1~のいずれか一項に記載の浸窒焼入れ処理用鋼の表層部に、浸窒焼入れ処理によって窒素マルテンサイトを含む硬化層が形成された浸窒焼入れ部品。
  5. 前記窒素マルテンサイトの平均結晶粒径が80μm以下である、請求項に記載の浸窒焼入れ部品。
  6. 前記硬化層のビッカース硬さが500HV以上である、請求項又はに記載の浸窒焼入れ部品。
  7. 請求項1~のいずれか一項に記載の浸窒焼入れ処理用鋼を部品形状に加工して浸窒焼入れ処理を行う、浸窒焼入れ部品の製造方法。
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