JP2011224642A - 保護材およびアブレーション加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率よくワークの被加工面を保護材で保護してアブレーション加工する。
【解決手段】基材53aにワーク1と同等の形状および大きさを有するシート状の保護材Pを形成し、この保護材Pを、ワーク1の表面に水を介して貼着させ、基材53aを剥離してワーク1の表面を保護材Pで覆った状態とする。アブレーション加工は該表面側から分割予定ライン2に沿ってレーザビームを照射し、発生するデブリを保護材Pで受け、ワーク1への付着を防ぐ。保護材Pは、厚さが0.1μm以上10μm以下であり、水溶性であり、355nmの波長の光を透過する特性を有する。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えば半導体ウェーハ等のワークにレーザビームを照射してアブレーション加工を施すアブレーション加工方法、およびアブレーション加工を施す際においてワークの被加工面を覆って保護する保護材に関する。
半導体デバイス製造工程においては、略円板状の半導体ウェーハからなるワークの表面に格子状の分割予定ラインにより多数の矩形状のデバイス領域を区画してこれらデバイス領域にICやLSI等の電子回路を形成し、次いで裏面を研削した後に研磨するなど必要な処理を施してから、分割予定ラインに沿って切断するダイシングを行い各デバイス領域を個片化して、1枚のワークから多数のデバイス(半導体チップ)を得ている。
半導体ウェーハ等のワークのダイシングは、高速回転させた切削ブレードをワークに切り込ませていく方法が一般的であったが、近年では、レーザビームを照射してワークを溶融するアブレーション加工を行いながら切断するレーザダイシングも行われている(特許文献1等参照)。ところで、レーザビームの照射によるアブレーション加工を行った際には、デブリと呼ばれる蒸散成分の飛沫がワークの被加工面に付着し、品質を低下させるという問題が起こっていた。そこで本出願人は、ワークの被加工面に樹脂を塗布して保護膜を形成した状態で被加工面にレーザビームを照射すれば、デブリは保護膜に付着して直接被加工面には付着せず、品質を確保することができる技術を提案している(特許文献2)。
特開平10−305420号公報 特開2004−188475号公報
ワークの被加工面に樹脂を塗布して保護膜を形成する方法としては、上記特許文献2に記載されるように、回転させたワークの中心に樹脂を滴下し、遠心力によって樹脂を被加工面の全面に流動させるスピンコート法が好適とされている。ところがこの方法では、飛散して実質的にはワークに塗布されない樹脂の量が多いためきわめて不経済であるという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その主な技術的課題は、効率よくワークの被加工面を保護することができる保護材およびアブレーション加工方法を提供することにある。
請求項1に記載の本発明の保護材は、レーザビームを用いてワークをアブレーション加工する際に、ワークの被加工面を覆ってアブレーション加工時に発生するデブリからワークの被加工面を保護する保護材であって、厚さが0.1μm以上10μm以下であり、水溶性であり、355nmの波長の光を透過し、ワークの加工予定ラインを全て覆うことが可能な面積を有することを特徴としている。
また、請求項2に記載の本発明のアブレーション加工方法は、請求項1に記載の保護材を用いたアブレーション加工方法であって、請求項1に記載の保護材をシート状の基材上に形成する工程と、少なくともワークの被加工面または前記保護材の貼着面に水を供給する工程と、前記基材上に形成された状態の前記保護材の貼着面とワークの前記被加工面とを水の層を介して貼り合わせる工程と、前記保護材から前記基材を剥離する工程と、前記保護材が貼着されたワークの前記被加工面側からレーザビームを照射して加工予定ラインにアブレーション加工を施す工程とを含むことを特徴としている。
本発明によれば、ワークの被加工面にシート状の保護材を貼り合わせて該被加工面を保護するため、保護材は被加工面を覆うことのできる必要最低限の大きさのものでよい。このため保護材の無駄が少なくなり、効率よくワークの被加工面を保護することができる。また、シート状の保護材を貼着してワークの被加工面を覆うので、被加工面に凹凸がある場合にも被加工面の全面を確実に保護することができる。
なお、本発明で言うワークは特に限定はされないが、例えば、シリコン、ガリウムヒ素(GaAs)、シリコンカーバイド(SiC)等からなる半導体ウェーハ、チップ実装用としてウェーハの裏面に設けられるDAF(Die Attach Film)等の粘着部材、半導体製品のパッケージ、セラミックやガラス、サファイア(Al)系あるいはシリコン系の無機材料基板、液晶表示装置を制御駆動するLCDドライバ等の各種電子部品、さらにはミクロンオーダーの加工位置精度が要求される各種加工材料等が挙げられる。
本発明によれば、効率よくワークの被加工面を保護することができる保護材およびアブレーション加工方法が提供されるといった効果を奏する。
本発明の一実施形態に係るレーザ加工装置のワーク(半導体ウェーハ)を示す斜視図であって、該ワークが環状のフレームに粘着テープを介して支持された状態を示している。 本発明の一実施形態に係るレーザ加工装置を示す全体斜視図である。 一実施形態のレーザ加工装置が具備する洗浄手段を示す斜視図である。 一実施形態のレーザ加工装置が具備する貼着手段を示す斜視図である。 一実施形態の貼着手段でワークの表面に保護材を貼着する工程を示す側面図であって、(a)ワークの表面に水を供給する工程、(b)ワークの上方に保護材を位置付ける工程、を示している。 一実施形態の貼着手段でワークの表面に保護材を貼着する工程を示す側面図であって、(a)ワークの表面に保護材シートの保護材を貼着する工程、(b)保護材を貼着したワークの表面から保護材シートの基材を剥離する工程、を示している。 一実施形態の貼着手段でワークの表面に保護材を貼着する工程を示す側面図であって、(a)ワークの表面に保護材を貼着した後に貼着手段を上方に退避する工程、(b)次に貼着する保護材を引き出す工程、を示している。
以下、本発明の一実施形態を説明する。
[1]ワーク
はじめに、図1により一実施形態におけるワークを説明する。このワーク1は、厚さが例えば100〜700μm程度の円板状を呈するシリコンウェーハ等の半導体ウェーハである。ワーク1の表面には、格子状の分割予定ライン(加工予定ライン)2によって多数の矩形状のデバイス領域3が区画されている。これらデバイス領域3には、図示せぬICやLSI等の電子回路が形成されている。ワーク1の外周部の所定箇所には、半導体の結晶方位を示すオリエンテーション・フラットと呼ばれる直線状の切欠き4が形成されている。
ワーク1は、図2に示すレーザ加工装置10によって全ての分割予定ライン2がレーザ加工されることにより、各デバイス領域3が多数のデバイス(半導体チップ)にダイシングされる。この場合のレーザ加工は、レーザビームを照射してワーク1の成分を溶融して除去するアブレーション加工である。アブレーション加工としては、ワーク1の厚さ方向に完全に貫通して切断するフルカットの他に、厚さの途中まで所定深さの溝を形成する溝加工を含む。溝加工した場合のワーク1は、後工程でさらにその溝の残り厚さ部分をフルカットするか、または応力を付与して割断することにより、デバイスにダイシングされる。
ワーク1は、図1に示すように、環状のフレーム5の円形状開口部5aに粘着テープ6を介して同心状に配され、かつ一体に支持されたワークユニット7とされて、レーザ加工装置10に供給される。粘着テープ6は片面が粘着面とされたもので、その粘着面にフレーム5とワーク1の裏面が貼り付けられる。フレーム5は、金属等の板材からなる剛性を有するものであり、フレーム5を支持することにより、ワーク1はワークユニット7ごと搬送される。
[2]レーザ加工装置
(1)アブレーション加工を行うレーザ加工装置の構成および動作
続いて、図2に示すレーザ加工装置10の構成を動作とともに説明する。図2の符号11は基台である。基台11は、ワーク1をレーザ加工する加工ステージ11Aと、加工ステージ11Aの片側(Y1側)に設けられ、加工ステージ11Aに対してワークユニット7を搬入/搬出する搬入/搬出ステージ11Bを有している。加工ステージ11Aの奥側(X2側)には、壁部12が立設されている。
搬入/搬出ステージ11Bは、X方向に延びる長方形状の水平な上面で構成されている。搬入/搬出ステージ11Bの中央には、加工ステージ11Aに対してワークユニット7を搬入/搬出する搬送手段20が配設されている。また、加工ステージ11A上の搬送手段20のX1側にはカセット台30が設けられ、X2側にはスピン洗浄式の洗浄手段40が設けられている。そして洗浄手段40の上方には、貼着手段50が配設されている。
カセット台30には、複数のワークユニット7が収納されるカセット31が着脱可能に載置される。カセット31は、ワークユニット7の出し入れ口である開口を側方に有し、その開口をX2側に向けてカセット台30に載置される。図示はされていないが、カセット31の該開口を挟む両側の側壁の内面には、Y方向に離れた左右一対の棚板が上下にわたって複数組設けられている。ワークユニット7は、フレーム5が左右一対の該棚板に載置され、これにより複数のワークユニット7が、カセット31内に上下に空隙を空けた状態で水平に収納される。カセット台30は基台11内に設けられた図示せぬ昇降機構によって上下方向に駆動されるエレベータ式であり、昇降することによってカセット31内の1枚のワークユニット7が一定高さの引き出し高さ位置に位置付けられるようになっている。
その引き出し高さ位置に位置付けられたワークユニット7は、搬入/搬出ステージ11Bの搬送手段20とカセット台30との間に配設された引き出し手段32によりX2方向に引き出され、フレーム5がX方向に延びる一対のガイドフレーム36に載置される。引き出し手段32は、搬入/搬出ステージ11B上に突出しX方向に移動可能に設けられたZ方向(鉛直方向)に延びる可動ロッド33と、可動ロッド33の上端に固定されたクランププレート34と、クランププレート34のカセット台30側(X1側)に設けられたクランプ35とを備えたもので、クランプ35がワークユニット7のフレーム5を把持し、可動ロッド33がX2方向に移動することにより、ワークユニット7はカセット31内から引き出される。ワークユニット7は、クランプ35で引き出されガイドフレーム36に載置された時点でX方向の位置決めがなされる。
一対のガイドフレーム36は平行な状態でY方向に離間しており、カセット台30側の一端部がY方向に移動可能に支持されている。フレーム5がガイドフレーム36に載置されたワークユニット7は、ガイドフレーム36が互いに近付く方向に同期して動くことによりY方向の位置決めがなされる。これによりワークユニット7の搬送開始位置が決められる。
次いでワークユニット7は、搬送手段20によって洗浄手段40に搬送される。搬送手段20は、搬入/搬出ステージ11BにZ方向に延びる回転軸21を介して旋回可能に支持された伸縮式の水平な旋回アーム22と、旋回アーム22の先端に固定されたH状のブラケット23と、ブラケット23の4つの端部の下面に取り付けられた保持パッド24とを備えている。回転軸21は基台11に対し上下動可能に支持されており、搬送手段20全体が上下動するようになっている。
保持パッド24は、下面の吸着面に、空気吸引による負圧作用でワークユニット7のフレーム5を吸着、保持し、また、空気を噴出する正圧作用でフレーム5を下方に離脱させるよう機能するもので、フレーム5の上面に吸着可能な位置に配設されている。搬送手段20によれば、旋回アーム22が旋回して保持パッド24がガイドフレーム36上に載置されたワークユニット7のフレーム上に位置付けられ、次いで下降して保持パッド24にフレーム5を吸着してから上昇することによりワークユニット7を持ち上げる。そしてその状態から旋回アーム22が約180°旋回して、ワークユニット7を洗浄手段40のスピンナテーブル42に移す。
洗浄手段40は、図3に示すように、基台11の内部に形成された上方に開口する円筒状のピット41内に、スピンナテーブル42と2つの水平なノズル45,46が収容された構成である。スピンナテーブル42は、空気吸引による負圧作用でワークユニット7のワーク1を上面の保持面42aに吸着、保持する真空チャック式のテーブルであり、回転軸43を介して回転可能に支持され、図示せぬ回転駆動機構によって回転駆動される。スピンナテーブル42の外周部には、ワークユニット7のフレーム5を着脱自在に保持する複数のクランプ44が配設されている。これらクランプ44は、スピンナテーブル42が回転して遠心力が発生するとフレーム5を上方から押さえ付けるように作動する。スピンナテーブル42は、図示せぬエアシリンダ等の昇降機構によって、ピット41の開口41aの高さ付近の受け渡し位置と、ピット41内の下部の洗浄位置との間を昇降させられる。図3では、スピンナテーブル42は洗浄位置に位置付けられている。
上記2つのノズル45,46は、一方が洗浄水を噴出する洗浄水ノズル、他方が乾燥エアを噴出するエアノズルとされている。これらノズル45,46は並列して水平に設けられ、基端部がピット41の底部に立設された供給管部47の上端に水平旋回可能に支持され、先端部が下向きに屈曲している。洗浄水ノズル45から噴出する洗浄水としては、純水、あるいは静電気防止のためにCOが混入された純水が好ましく用いられる。
各ノズル45,46は、スピンナテーブル42が洗浄位置に位置付けられている時にスピンナテーブル42の上方において水平旋回し、スピンナテーブル42とともに回転して自転するワーク1の表面全面に洗浄水や乾燥エアが噴出される。また、スピンナテーブル42が昇降する際にはスピンナテーブル42よりも外周側に旋回し、スピンナテーブル42の昇降に干渉しない退避位置に位置付けられる。
ワークユニット7は、上記受け渡し位置に位置付けられたスピンナテーブル42に搬送手段20で載置され、洗浄手段40と貼着手段50とによってワーク1の表面に保護材が貼着される。
貼着手段50は、図2および図4に示すように、上記壁部12のY1側の端面に配設されたハウジング51内に保護材供給手段52が配設された構成である。保護材供給手段52は、保護材シート53がロール状に巻かれた保護材シートロール53Aから保護材シート53を引き出して巻き取り、引き出した途中において保護材シート53を水平に保持し、その水平部分の下面に形成されている保護材Pを、スピンナテーブル42に保持されているワーク1の表面に貼着するものである。貼着手段50は、ハウジング51ごと全体が上下動可能に壁部12に支持されている。
保護材シート53は、長尺な帯状の基材53aの片面に保護材Pが長手方向に等間隔をおいて形成されたもので、保護材Pが外周面側になる状態にロール状に巻かれて保護材シートロール53Aが構成される。本発明においては、基材53aに保護材Pをシート状に形成する工程をアブレーション加工方法の工程の一部として含んでいる。基材53aは、例えば厚さ70〜200μm程度のポリオレフィン等の柔軟な樹脂製シート等が用いられる。
保護材Pは、ワーク1と同等の面積を有する円形状に形成されている。この保護材Pは、厚さが0.1μm以上10μm以下であり、355nmの波長の光を透過する特性を有する材料で形成される。また、保護材Pは、ワーク1のレーザ加工後は洗浄手段40で水洗により除去されることが可能な水溶性であることが求められ、これらの条件を満たす材料としては、ポリビニルアルコールやポリエチレングリコール等の水溶性樹脂が好ましく用いられる。また、保護材Pに水溶性の紫外線吸収剤を含有させることはレーザビーム吸収能が確保される観点から望ましいことであり、そのような紫外線吸収剤としては例えばフェルラ酸等が好適に用いられる。
保護材シートロール53Aは、ハウジング51内のX2側に、保護材シート53が下方からX1方向に巻き出されるように、供給側ロール軸54に回転可能に支持される。図5に示すように、保護材シート53は保護材シートロール53Aから巻き出され、供給側ガイドロール対55を通って固定テンションロール56に導かれ、固定テンションロール56からX1方向に水平に延びて可動テンションロール57に巻かれ、この後、巻き取り側ガイドロール対58を経て巻き取り軸59に巻かれる。固定テンションロール56から可動テンションロール57にわたる水平部分において保護材Pの露出面である貼着面がワーク1の表面に貼着され、したがって巻き取り軸59には基材53aのみが巻き取られ、基材ロール53Bとして回収される。なお、該水平部分には、図5に示すようにX方向に2つの保護材Pが並んで位置付けられる。
可動テンションロール57は、X方向に移動可能に設けられており、図5に示すピット41のX1側であって保護材シート53が引き出されて水平部分が延ばされ、該水平部分のX1側の保護材Pがワーク1に対応する位置に位置付けられる引き出し位置と、引き出し位置からピット41のX2側に移動した基材剥離位置(図6(b))との2位置を往復移動する。
次に、図5〜図7を参照して、スピンナテーブル42に保持されたワーク1の表面に保護材Pを貼着する工程を説明する。なお、これら図で保護材シートロール53Aや基材ロール53Bの周囲に描かれた円弧状矢印、各ロール55,56,57,58内に描かれた円弧状矢印は、それらロールがその工程において回転する方向を示している。
まず、図5(a)に示すように、スピンナテーブル42が上方の受け渡し位置から下方の洗浄位置に下降し、洗浄ノズル45からワーク1に向けて洗浄水Wが噴出して表面全面に供給される。これによりワーク1の表面には水の層が形成される。次に、図5(b)に示すようにスピンナテーブル42を受け渡し位置に上昇させてから、図6(a)に示すように貼着手段50をハウジング51ごと貼着位置まで下降させ、保護材Pをワーク1の表面の水の層に接触させる。これにより保護材Pの少なくとも一部が水に溶け、水を介して保護材Pがワークの表面の全面に貼り合わせられる。
次に、図6(b)に示すように基材ロール53Bを巻き取りながら可動テンションロール57を矢印E方向(X2方向)に転動させて基材剥離位置まで移動させ、続いて図7(a)に示すように貼着手段50を退避位置まで上昇させる。可動テンションロール57が基材剥離位置まで移動することによりワーク1の表面に貼着された保護材Pから基材53aが剥離し、ワーク1の表面には保護材Pのみが貼着された状態となる。保護材Pはワーク1の表面全面を覆って貼着されていることから、全ての分割予定ライン2は保護材Pで覆われる。この後、可動テンションロール57が図7(b)に示すように矢印F方向(X1方向)に転動して引き出し位置に戻り、その移動距離分の長さの保護材シート53が保護材シートロール53Aから引き出される。
以上のようにしてワーク1の表面は保護材Pで覆われ、次いでワークユニット7は、搬送手段20によって加工ステージ11Aの保持テーブル68に搬入される。図2により加工ステージ11A上の構成およびワーク1へのレーザ加工について説明する。
加工ステージ11Aは水平な上面で構成されており、保持テーブル68は、加工ステージ11Aに設けられた水平なXY方向に移動可能なXY移動テーブル60上に設置されている。保持テーブル68の上方には、保持テーブル68に保持されたワーク1に向けてレーザビーム(パルスレーザ光線)を照射してレーザ加工を施すレーザ加工手段70が、保持テーブル68に対向する状態に配設されている。レーザ加工手段70は、壁部12に固定されている。
XY移動テーブル60は、加工ステージ11A上にガイドレール61を介してX方向に移動可能に設けられたX軸ベース62と、このX軸ベース62上にガイドレール63を介してY方向に移動可能に設けられたY軸ベース64との組み合わせで構成されている。X軸ベース62は、モータ65aでボールねじ65bを作動させるX軸駆動機構65によってX方向に移動させられる。一方、Y軸ベース64は、モータ66aでボールねじ66bを作動させるY軸駆動機構66によってY方向に移動させられる。
Y軸ベース64の上面には円筒状のテーブル台67が固定されており、このテーブル台67の上に、保持テーブル68がZ方向を回転軸として回転自在に支持されている。保持テーブル68は、空気吸引による負圧作用でワークユニット7のワーク1を上面の保持面68aに吸着、保持する真空チャック式のテーブルであり、テーブル台67内に収容された図示せぬ回転駆動手段によって一方向または両方向に回転駆動される。保持テーブル68の外周部には、ワークユニット7のフレーム5を着脱自在に保持する複数のクランプ69が配設されている。
レーザ加工手段70は、壁部12のX1側の面に一端が固定され、その一端から保持テーブル68の上方に向かってX1方向に延びる直方体状の筐体71を有している。筐体71の先端には、レーザビームをほぼ鉛直下方に向けて照射する照射部72が設けられている。筐体71内には、レーザビームを発する発振器、レーザビームを集光する集光レンズ、発振器から発せられたレーザビームを集光レンズに導くとともにレーザビームの光軸を調整する光軸調整手段等からなるレーザビーム照射手段(不図示)が収容されている。
また、筐体71の先端下部であって照射部72の近傍には、ワーク1の分割予定ライン2を撮像してレーザビームの照射位置を認識するためのアライメント手段(不図示)が配設されている。このアライメント手段は、ワーク1の表面を照明する照明手段や光学系、該光学系で捕らえられた像を撮像するCCD等からなる撮像素子等を備えている。
上記洗浄手段40と貼着手段50とによってワーク1の表面に保護材Pが貼着されたワークユニット7は、XY移動テーブル60がY1方向に移動して所定の搬入/搬出位置に位置付けられた保持テーブル68に、搬送手段20によって載置されて搬入される。ワークユニット7は、ワーク1が、保護材Pの貼着された表面(被加工面)側が上方に向けられて保持テーブル68に負圧作用で吸着、保持され、また、フレーム5がクランプ69で保持される。そして、XY移動テーブル60がY2方向に移動して、ワーク1が照射部72の下方の加工位置に位置付けられ、該加工位置でワーク1の分割予定ライン2にレーザ加工が施されてワーク1がダイシングされる。
分割予定ライン2へのレーザ加工は、上記アライメント手段で分割予定ライン2を撮像し、レーザビームの照射位置を認識してから行われる。レーザ加工は、XY移動テーブル60のX軸ベース62をX方向に移動させながら、レーザ加工手段70の照射部72からX方向と平行にされた分割予定ライン2に沿ってレーザビームをワーク1に表面側から照射することによって行われる。分割予定ライン2をX方向すなわち加工送り方向と平行にするには、保持テーブル68を回転させてワーク1を自転させることによりなされる。また、レーザビームを照射する分割予定ライン2の選択は、XY移動テーブル60のY軸ベース64をY方向に移動させて、照射部72から照射されるレーザビームの照射位置のY方向位置を加工対象の分割予定ライン2に合わせる割出し送りによってなされる。なお、加工送り方向と割出し送り方向は、この逆、つまり、Y方向が加工送り方向、X方向が割出し送り方向に設定されてもよく、限定はされない。
上記レーザ加工は、例えば以下の加工条件でなされる。
・レーザビームの光源;YVO4レーザまたはYAGレーザ
・波長 ;355nm
・繰り返し周波数 ;50〜100kHz
・出力 ;0.3〜4.0W
・集光スポット径 ;φ9.2μm
・加工送り速度 ;1〜800nm/秒
分割予定ライン2に沿って施す本実施形態でのレーザ加工は、前述したアブレーション加工である。アブレーション加工の際に生じるデブリと呼ばれる蒸散成分の飛沫は、ワーク1の表面に貼着された保護材Pの上に落下して付着する。このため、デブリはワーク1の表面には直接付着せず、ワーク1の品質が確保される。
ワーク1に照射されるレーザビームは、保護材Pが355nmの波長の光を透過する特性のものであるから、保護材Pを透過してワーク1に集光される。ここで、保護材Pには上記のように水溶性の紫外線吸収剤が含有されていることから、保護材Pはレーザビーム吸収能が確保されておりレーザビームの照射によって溶融しやすい。このため、ワーク1のレーザ加工と同時に保護材Pは分割予定ライン2に沿って破断し、加工部分は保護材Pで塞がれずに開放した状態となる。したがって、デブリは上方に円滑に飛散して保護材Pの上に落下する。もしも保護材Pが溶融しないと、保護材Pが内圧でワーク1の表面から剥離し、保護材Pとワーク1の表面との間にデブリが入り込んでワーク1の表面に付着してしまうおそれがあるが、本実施形態ではそのような不具合は生じにくいものとなっている。
全ての分割予定ライン2にレーザビームを照射してアブレーション加工を施したら、ワークユニット7を搬入/搬出位置に位置付けるとともに、保持テーブル68によるワーク1の保持およびクランプ69によるフレーム5の保持を解除する。そして、搬送手段20によりワークユニット7が保持テーブル68から搬出され、ワークユニット7は洗浄手段40に再びセットされる。
ワーク1がアブレーション加工されてダイシングされたワークユニット7は、上記受け渡し位置で待機しているスピンナテーブル42に吸着、保持される。続いて、スピンナテーブル42が上記洗浄位置に下降して回転する。そして各ノズル45,46を往復旋回させながら洗浄水ノズル45の先端から洗浄水を噴出させ、該洗浄水を保護材Pの全面にまんべんなくかける。これによって水溶性の樹脂からなる保護材Pは融解し、保護材Pに付着していたデブリが保護材Pごと洗い流されて除去される。なお、図示はしていないが、ピット41の底部には、洗浄時の排液を処理設備に排出するための排水管が接続されている。
ワーク1の表面から保護材Pが完全に除去されたら、洗浄水ノズル45からの洗浄水の噴出を停止し、引き続きスピンナテーブル42の回転、ならびに各ノズル45,46の往復旋回を続行したまま、エアノズル46の先端から乾燥エアを噴出させる。乾燥エアは露出したワーク1の表面全面にまんべんなく吹き付けられ、さらに遠心力で水分が吹き飛ぶ作用も相まって、ワーク1は乾燥処理される。この後、スピンナテーブル42が受け渡し位置に上昇し、ワークユニット7は搬送手段20で保持される。そして、搬送手段20によりワークユニット7がガイドフレーム36上に載置され、続いて引き出し手段32がX1方向に移動してワークユニット7はクランプ35によりフレーム5が押され、カセット31内に収納される。
以上が1枚のワーク1にレーザ加工(アブレーション加工)を施してダイシングする工程の1サイクルであり、このサイクルがカセット31内の全てのワークユニット7に対してなされる。そして、ワーク1がダイシングされたワークユニット7はカセット31ごと次の工程に移され、また新たなワークユニット7が収納されているカセット31がカセット台30に載置され、同様に処理される。
[3]一実施形態の作用効果
上記一実施形態においてワーク1の表面にデブリが直接付着することを防ぐ保護材Pは、シート状であって保護材シート53からワーク1の表面に貼着されるものである。このため、保護材Pはワーク1の表面を覆うことのできる必要最低限の大きさ、すなわちワーク1と同等の形状および直径のものでよい。その結果、保護材Pの無駄が少なく、効率よくワーク1の表面を保護することができる。また、保護材Pを貼着してワーク1の表面を覆うので、その表面に凹凸がある場合にも表面の全面を確実に保護することができる。
なお、上記実施形態では、ワーク1の表面に保護材Pを貼着させるための水はワーク1の表面に供給しているが、本発明はこれに限定されず、可能であれば保護材Pのワーク1への貼着面に水を供給して該貼着面に水の層を形成し、この状態から保護材Pをワーク1の表面に貼着するようにしてもよい。
1…ワーク
2…分割予定ライン(加工予定ライン)
50…貼着手段
53a…基材
70…レーザ加工手段
P…保護材

Claims (2)

  1. レーザビームを用いてワークをアブレーション加工する際に、ワークの被加工面を覆ってアブレーション加工時に発生するデブリからワークの被加工面を保護する保護材であって、
    厚さが0.1μm以上10μm以下であり、水溶性であり、355nmの波長の光を透過し、ワークの加工予定ラインを全て覆うことが可能な面積を有することを特徴とするシート状の保護材。
  2. 請求項1に記載の保護材を用いたアブレーション加工方法であって、
    請求項1に記載の保護材をシート状の基材上に形成する工程と、
    少なくともワークの被加工面または前記保護材の貼着面に水を供給する工程と、
    前記基材上に形成された状態の前記保護材の貼着面とワークの前記被加工面とを水の層を介して貼り合わせる工程と、
    前記保護材から前記基材を剥離する工程と、
    前記保護材が貼着されたワークの前記被加工面側からレーザビームを照射して加工予定ラインにアブレーション加工を施す工程と、
    を含むことを特徴とするアブレーション加工方法。
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