JP5324180B2 - レーザ加工方法およびレーザ加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば半導体ウェーハ等のワークにレーザ光線を照射して溝加工や切断加工等を施すレーザ加工技術に係り、特に、スピンナテーブルに保持したワークの加工面に水溶性樹脂を塗布し、また、塗布した樹脂を除去する技術に関する。
半導体デバイスの製造工程においては、略円板状の半導体ウェーハの表面に、格子状に配列された分割予定ラインによって多数の矩形状のチップ領域を区画し、これらチップ領域にICやLSI等の電子回路を形成した後、ウェーハに対して裏面研削等の必要な処理を行ってから、ウェーハを分割予定ラインに沿って切断して分割する、すなわちダイシングして、各チップ領域を半導体チップとして得ている。このようにして得られた半導体チップは、樹脂封止によりパッケージングされて、携帯電話やPC(パーソナル・コンピュータ)等の各種電気・電子機器に広く用いられている。
ウェーハを半導体チップにダイシングする手段としては、高速回転させた薄い円板状の切削ブレードをウェーハに切り込ませるブレードダイシングが一般的であった。一方、近年では、透過性のレーザ光線を分割予定ラインに沿って照射し、ウェーハを溶融しながら溝加工や切断加工を施してダイシングするレーザダイシングも試みられている。(特許文献1参照)。ところでレーザダイシングの場合、レーザ光線照射時にデブリと呼ばれる蒸散成分の飛沫がウェーハの加工面に付着し、品質を低下させるという問題が生じていた。そこで本出願人は、ウェーハの加工面に水溶性樹脂で保護膜を形成した状態で当該加工面にレーザ光線を照射することにより、デブリは樹脂に付着してウェーハ表面には直接付着せず、品質を確保することができる技術を提案している(特許文献2参照)。
特開平10−305420号公報 特開2004−188475号公報
上記特許文献2に記載される技術では、レーザ加工時におけるウェーハへのデブリの付着が効果的に防止されるが、レーザ加工の前後に、樹脂塗布による保護膜の形成と保護膜の除去といった新たな2つの工程が付加されることになる。ところで、今般の半導体デバイス製造分野においては、大量生産の要求に応えるべく製造速度のさらなる高速化が品質とともに重要視されている。そこで、レーザ加工前後のこれら2つの工程の付加は、製造速度を高速化させる上では不利になるため、改良策が求められることとなった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、上記デブリによる悪影響を防止するためのレーザ加工前の保護膜の形成工程およびレーザ加工後の保護膜の除去工程に要する時間を短縮させて、品質を確保しながら製造速度の高速化も図ることができるレーザ加工方法およびレーザ加工装置を提供することを目的としている。
本発明のレーザ加工方法は、ワークの加工面に液状の水溶性樹脂を塗布する樹脂塗布工程と、ワークの加工面にレーザ光線を照射してレーザ加工を施すレーザ加工工程と、レーザ加工が施されたワークを洗浄する洗浄工程とを含むレーザ加工方法であって、樹脂塗布工程は、水溶性樹脂をワークの加工面にスピンコート法で塗布するスピンコート工程と、塗布された該水溶性樹脂に温風を供給して該水溶性樹脂を乾燥させる樹脂乾燥工程とを含み、洗浄工程は、ワークに塗布された水溶性樹脂に温水と温風が混合したミストを供給して該水溶性樹脂を除去する樹脂除去工程と、水溶性樹脂が除去されたワークに温風を供給して該ワークを乾燥させるワーク乾燥工程とを含むことを特徴としている。
本発明のレーザ加工方法によると、レーザ加工工程前の樹脂塗布工程においては、スピンコート法でワークの加工面に塗布した水溶性樹脂に温風を供給することにより、常温で放置して自然硬化させる場合に比して該水溶性樹脂の硬化が促進し、より速く硬化させることができる。硬化した水溶性樹脂は、ワークの加工面に保護膜として形成され、レーザ加工工程では、上記デブリが発生しても該保護膜に付着してワークの加工面には直接付着せず、品質が確保される。
温水と温風が混合したミストを水溶性樹脂(保護膜)に供給することにより該水溶性樹脂は洗い流されて除去されるが、温水と温風が混合したミストを使用することにより、常温の水を使用した場合と比べると該水溶性樹脂の融解が促進し、より速く洗い流すことができる。そして、この後の乾燥工程では、温風を供給してワークを乾燥させるため、ワークをより速く乾燥させることができる。このように本発明では、ワークへ塗布した水溶性樹脂の乾燥や該樹脂をワークから除去した後のワークの乾燥を温風で行い、また、ワークから該樹脂の除去する際の洗浄水として温水と温風が混合したミストを使用するので、それぞれの工程にかかる時間を、常温の水や空気を使用する場合に比べると短縮させることができ、製造速度の高速化に寄与する。
次に、本発明のレーザ加工装置は、上記レーザ加工方法を好適に実施し得るもので、ワークを保持する保持手段と、該保持手段に保持されたワークにレーザ光線を照射してレーザ加工を施すレーザ加工手段と、ワークを保持して回転するスピンナテーブルと、該スピンナテーブルに保持されたレーザ加工前のワークの加工面に液状の水溶性樹脂を供給する樹脂供給手段と、スピンナテーブルに保持されたレーザ加工後のワークの加工面に洗浄水を供給する洗浄水供給手段と、スピンナテーブルに保持されたワークの加工面にエアを供給するエア供給手段とを有するスピンナ装置とを含むレーザ加工装置であって、樹脂供給手段は、水溶性樹脂を供給する樹脂源と、スピンナテーブルに保持されたワークの加工面に、樹脂源から送られる水溶性樹脂を供給する第1のノズルとを有し、洗浄水供給手段は、洗浄水を供給する水源と、該水源から送られる洗浄水を加熱して温水とする第1の熱源と、スピンナテーブルに保持されたワークに温水を供給する第2のノズルとを有し、エア供給手段は、エアを供給するエア源と、該エア源から送られるエアを加熱して温風とする第2の熱源と、スピンナテーブルに保持されたワークに温風を供給する第3のノズルとを有し、第2のノズルは、温水と温風を混合する混合機構を有し、該第2のノズルからワークに該温水と該温風が混合したミストを供給することを特徴としている。
本発明のレーザ加工装置では、上記の第1の熱源と第2の熱源を同一の熱源とする形態を含む。この形態によると、熱源を共有することにより省スペースならびに低コストを図ることができる。
また、本発明では、ワークの加工面に供給された水溶性樹脂を、温水と温風が混合したミストを噴出して除去することができ、該ミストによる洗浄効果の促進が図られる。また、温水に混合する温風として、上記第2の熱源で加熱された温風を使用するようにすれば、構成を簡素にすることができるので好ましい。
さらに本発明のレーザ加工装置では、上記の第1の熱源および第2の熱源が断熱材で覆われている形態は、装置周囲への熱の放散が抑えられるとともに、当該装置の他の部分への熱による影響を防ぐことができる。また、第1の熱源および第2の熱源の熱損失が抑えられて省エネルギー化が図られるとともに、外部からの温度変化の影響を受けにくくなって温度設定の精度が確保されるといった利点もある。
なお、本発明で言うワークは特に限定はされないが、例えばシリコンウェーハ等の半導体ウェーハや、チップ実装用としてウェーハの裏面に設けられるDAF(Die Attach Film)等の粘着部材、あるいは半導体製品のパッケージ、セラミック、ガラス、サファイアあるいはシリコン系の基板、各種電子部品、液晶表示装置を制御駆動するLCDドライバ等の各種ドライバ、さらには、ミクロンオーダーの精度が要求される各種加工材料等が挙げられる。
本発明によれば、レーザ加工前にワークの加工面に水溶性樹脂を塗布して保護膜を形成する際には、該樹脂に温風を供給して硬化させ、レーザ加工後に該樹脂を洗浄する際には、温水と温風が混合したミストで該樹脂を融解させた後、ワークを温風で乾燥させるため、これらの工程に要する時間を短縮させることができ、結果として上記デブリの付着を防止して品質を確保しながら、製造速度の高速化を図ることができるといった効果を奏する。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
図1は一実施形態のレーザ加工装置10の全体を示しており、図2は背面側を示している。該装置10は、図3に示す半導体ウェーハ(以下、ウェーハと略称)1をワークとするものであって、ウェーハ1を自動制御でダイシングするレーザダイシング装置である。
(1)ウェーハ
図3により先にウェーハ1を説明すると、このウェーハ1はシリコン等の単結晶材料からなる円板状のもので、外周部の一部には、結晶方位を示すマークとしてオリエンテーションフラット1aが形成されている。ウェーハ1の表面(加工面)には、格子状に形成された分割予定ライン2により多数の矩形状のチップ3が区画されている。各チップ3の表面には、図示せぬICやLSI等の電子回路が形成されている。ウェーハ1は、レーザ加工装置10により全ての分割予定ライン2がレーザ加工されて個々のチップ3にダイシングされる。なお、この場合のダイシングは、厚さ方向に完全に貫通して切断するフルカットの他に、厚さの途中まで所定深さの溝を形成する溝加工を含む。溝加工した場合のウェーハは、後工程でさらに溝の残り厚さ部分をフルカットするか、あるいは応力を付与して割断することにより、多数のチップ3にダイシングされる。
ウェーハ1がレーザ加工装置10に供給される際には、図3に示すように環状のフレーム4の内側に粘着テープ5を介して支持された状態とされる。フレーム4は、金属等の板材からなる剛性を有するものである。粘着テープ5は片面が粘着面とされたもので、その粘着面にフレーム4とウェーハ1が貼着される。粘着テープ5を介してウェーハ1を支持したフレーム4(以下、ウェーハ付きフレーム6と称する)は、図1に示すウェーハ収納用のカセット9内に、ウェーハ1を上側にした状態で収納される。カセット9には、多数のウェーハ付きフレーム6が水平、かつ上下方向に積層されて収納される。
(2)レーザ加工装置
(2−1)全体の構成
図1および図2の符号11はキャビネットである。このキャビネット11の内部には、レーザ加工手段19が配設されている。レーザ加工手段19としては、YAGレーザ発振器やYVO4レーザ発振器等のレーザ発振器で発振したレーザをレンズで集光して照射する構成を有するもの等が用いられる。なお、図1および図2にはレーザ加工手段19の一部であってレーザ光線を下方に照射するレーザヘッドを図示している。
キャビネット11のY方向一端側(図1で手前側)には、タッチパネル式の操作表示盤12が設けられており、レーザ加工の自動運転に係わる各種設定などは、この操作表示盤12を利用して行われる。また、操作表示盤12には、内部の運転状況を表示する機能なども付加されている。操作表示盤12の上方の、キャビネット11の天板には、運転状態を表示したり警告を発したりする表示灯13が取り付けられている。
キャビネット11の側面11a側には、基台14が併設されている。この基台14上の中央が、円板状のチャックテーブル(保持手段)20に対してウェーハ1を着脱するウェーハ着脱位置に設定されている。チャックテーブル20は、基台14上のウェーハ着脱位置と、キャビネット11内のレーザ加工手段19による加工位置との間をX方向に往復移動させられる。図2で示すチャックテーブル20は、加工位置に位置付けられている。ウェーハ着脱位置の、図1においてY方向手前側にはカセット台15が配設され、反対側のY方向奥側には本発明に係るスピンナ装置60Aが配設されている。
多数のウェーハ付きフレーム6が収納された上記カセット9は、カセット台15にセットされる。カセット台15は昇降可能なエレベータ式であり、昇降することによってカセット内の1つのウェーハ付きフレーム6が、一定高さの引き出し位置に位置付けられるようになっている。
カセット台15にセットされたカセット9内のウェーハ付きフレーム6は、上記引き出し位置からチャックテーブル20に移されて保持される。チャックテーブル20は一般周知の真空チャック式のもので、矩形状のベーステーブル21に、Z方向(上下方向)を回転軸として回転自在に支持されており、ベーステーブル21内に配設された図示せぬ回転駆動機構によって一方向または両方向に回転させられる。
基台14上のウェーハ着脱位置から、キャビネット11内のレーザ加工手段19による加工位置にわたっては、X方向に延びる矩形状の凹所16がベーステーブル21の移動スペースとして設けられている。ベーステーブル21は、凹所16の底面に設けられた図示せぬ往復移動手段によってX方向に往復移動させられるようになっており、したがってチャックテーブル20はベーステーブル21とともにX方向に往復移動させられる。ベーステーブル21のX方向の両端部には、蛇腹状のカバー17がそれぞれ取り付けられている。これらカバー17は、凹所16内に塵埃等が落下することを防ぐもので、ベーステーブル21の移動に追従して伸縮する。
チャックテーブル20には図示せぬバキューム装置が接続されており、このバキューム装置が運転されると、チャックテーブル20の上方の空気が吸引され、この空気吸引作用により、ウェーハ1がチャックテーブル20の上面に吸着されて保持されるようになっている。チャックテーブル20の外径はウェーハ1とほぼ同等であり、ウェーハ1の全体がチャックテーブル20の上面に密着して同心状に保持される。また、ウェーハ1の周囲のフレーム4は、チャックテーブル20の外周面に取り付けられた複数のクランプ22で把持されて保持される。これらクランプ22はフレーム4を着脱可能に把持するもので、X方向およびY方向に沿った位置に計4つ配設されている。
上記スピンナ装置60Aは、ウェーハ付きフレーム6が保持されるスピンナテーブル70を有している。スピンナテーブル70は、上記チャックテーブル20と同様の真空チャック式のもので、空気吸引作用によりウェーハ付きフレーム6を上面に吸着して保持する。スピンナ装置60Aでは、レーザ加工前に、ウェーハ1の加工面である表面に水溶性樹脂を塗布する樹脂塗布工程と、レーザ加工後のウェーハ1を洗浄する洗浄工程が行われる。このスピンナ装置60Aに関しては後で詳述する。
次に、図1によりウェーハ付きフレーム6を搬送する搬送系を説明する。
上記カセット9内に収納され、カセット台15の昇降動作によって上記引き出し位置に位置付けられた1枚のウェーハ付きフレーム6は、把持機構30によってY方向奥側に水平に引き出され、ウェーハ着脱位置の上方に配設された一対のY方向に延びる位置決めバー35で受けられる。把持機構30は、キャビネット11の側面11aに設けられたリニアガイド31によってY方向に往復移動させられるアーム32の先端に、フレーム4を把持するクランプ部33が設けられたものである。一対の位置決めバー35はX方向に離間している。そして、一対の位置決めバー35はX方向に同期して互いに近付いたり離れたりするように作動し、両者の中間位置が常にチャックテーブル20の中心に一致するようになされている。
ウェーハ付きフレーム6は、把持機構30のクランプ部33によって把持され、アーム32の移動によって2つの位置決めバー35に架け渡される状態に載置される。そして位置決めバー35が互いに近付いてフレーム4の外周縁に接触することによりウェーハ付きフレーム6のX方向の位置決めがなされる。なお、Y方向の位置決めはアーム32の移動によってなされる。これによりウェーハ1は、チャックテーブル20と同心状にセンタリング(X・Y方向の位置決め)される。
次に、位置決めバー35で支持されているフレーム4が、上方の第1の搬送機構40によって吸着、保持され、この後、位置決めバー35は離間し、ウェーハ付きフレーム6は第1の搬送機構40のみで保持される。第1の搬送機構40は、キャビネット11の側面11aに設けられたリニアガイド41に沿ってY方向に往復移動させられる伸縮アーム42の先端に、フレーム4の上面に吸着して該フレーム4を保持する複数の真空吸着パッド43が設けられたものである。
第1の搬送機構40の伸縮アーム42はZ方向に伸縮するように作動し、伸縮アーム42が下方に伸び、真空吸着パッド43の真空吸着が解除されると、ウェーハ1は、ウェーハ着脱位置に位置付けられているチャックテーブル20上に載置される。また、第1の搬送機構40によると、伸縮アーム42が下方に伸びた状態でチャックテーブル20上のウェーハ付きフレーム6が真空吸着パッド43で吸着、保持され、伸縮アーム42が、上方に縮小してウェーハ1を上昇させてからY方向奥側に移動し、次いで下方に伸びて真空吸着パッド43の真空吸着が解除されることにより、ウェーハ付きフレーム6はスピンナ装置60Aのスピンナテーブル70に同心状に載置される。
スピンナテーブル70上のウェーハ付きフレーム6は、第2の搬送機構50によって上記位置決めバー35に戻される。第2の搬送機構50は第1の搬送機構40と同様の構成であって、キャビネット11の側面11aのリニアガイド41の下側に設けられたリニアガイド51に沿ってY方向に往復移動させられる伸縮アーム52の先端に、フレーム4の上面に吸着して該フレーム4を保持する複数の真空吸着パッド53が設けられたものである。
第2の搬送機構50によると、伸縮アーム52が伸びて真空吸着パッド53によりウェーハ付きフレーム6のフレーム4が吸着、保持され、次いで伸縮アーム52が縮小してからY方向手前側に移動し、再び伸縮アーム52が伸びて真空吸着パッド53の真空吸着が解除されることにより、ウェーハ付きフレーム6は位置決めバー35に載置される。位置決めバー35に載置されたウェーハ付きフレーム6は、上記把持機構30によってフレーム4が把持され、アーム32がY方向手前側に移動することによりカセット9内に再び収納される。
なお、図2に示すように、上記搬送系や、ウェーハ着脱位置およびスピンナ装置60Aの上方空間は、カバー部材11b,11cにより覆われている。図1では、カバー部材11b,11cの内部を示すためにこれらカバー部材11b,11cを示していない。
(2−2)第1の実施形態に係るスピンナ装置の構成
以上はレーザ加工装置10の全体構成であり、続いて図4を参照して第1の実施形態に係るスピンナ装置60Aを説明する。このスピンナ装置60Aは、円筒状のケーシング61とケーシング61を支持する支持台62とを備えている。支持台62は、水平に設置される板状のベース63と、このベース63上に立設された複数の脚部64と、これら脚部64の上端に固定された受け部65とからなっている。受け部65は円形の皿状に形成されたもので、この受け部65にケーシング61が上側から嵌め込まれて支持されている。
受け部65に支持されたケーシング61は、軸心がほぼ鉛直方向に沿った状態となっており、このケーシング61の内部に、上記スピンナテーブル70がケーシング61と同心状に配設されている。スピンナテーブル70は、円板状の枠体71の上面に多孔質体からなる円板状の吸着部72が嵌合されて構成されたものである。吸着部72は枠体71と同心状でスピンナテーブル70の上面の大部分を占めており、吸着部72の上面と吸着部72の周囲の環状の枠体71の上面とは同一平面とされている。
スピンナテーブル70には図示せぬバキューム装置が接続されており、このバキューム装置が運転されると、スピンナテーブル70の上方の空気が吸引され、この空気吸引作用により、スピンナテーブル70に同心状に載置されたウェーハ付きフレーム6が吸着部72に吸着されて保持されるようになっている。
スピンナテーブル70の枠体71の外径はフレーム4の外径とほぼ同等であり、また、吸着部72の外径はウェーハ1の外径とほぼ同等とされている。したがって、ウェーハ付きフレーム6がスピンナテーブル70に同心状に載置されると、フレーム4と枠体71の外周縁がほぼ一致し、かつ、ウェーハ1の全体が吸着部72に密着して保持されるようになっている。
また、ウェーハ付きフレーム6のフレーム4は、スピンナテーブル70の外周面に取り付けられた複数のクランプ73で把持されて保持される。これらクランプ73はフレーム4を着脱可能に把持するもので、フレーム4を上方から覆うカバー部73aを有している。クランプ73は、上記第2の搬送機構50の真空吸着パッド53に対応する位置に配設されており、フレーム4がカバー部73aで覆われた箇所に、各真空吸着パッド53が吸着することが可能とされている。
支持台62のベース63上には、スピンナテーブル70を回転させるモータ74が固定されている。このモータ74の駆動軸74a(図6に示す)は上方に延びており、受け部65を貫通してケーシング61内に挿入されている。そして駆動軸74aの先端はスピンナテーブル70の枠体71の中心に接続されており、モータ74が作動するとスピンナテーブル70は一方向に回転するようになっている。
また、スピンナテーブル70は、図示せぬ昇降機構によって昇降させられるようになっており、この昇降機構によってスピンナテーブル70はケーシング61から上方に出たウェーハ受け渡し位置と、ウェーハ受け渡し位置からケーシング61内に下降した処理位置に位置付けられる。なお、モータ74の駆動軸74aはスピンナテーブル70の昇降に追随可能なように、例えば伸縮自在な構造とされている。スピンナ装置60Aは上記基台14の内部に収容されており、図1で示すスピンナ装置60Aは、スピンナテーブル70がウェーハ受け渡し位置に上昇した状態を示している。ウェーハ受け渡し位置に上昇したスピンナテーブル70は基台14の上面とほぼ同じ高さになるようになされている。
ケーシング61内には、先端が下方に向かって屈曲した水平方向に延びる3つのノズル(第1のノズル81,第2のノズル82,第3のノズル83)が設けられている。この場合、第1のノズル81が単独であって第1の配管基部81Aに水平旋回可能に支持されている。また、第2のノズル82と第3のノズル83は上下に並列して1組とされており、第1の配管基部81Aとスピンナテーブル70の中心を挟んだ位置に配置された第2の配管基部82Aに、水平旋回可能に支持されている。第1のノズル81と、第2および第3のノズル82,83とは、配管基部から延びる方向が互い違いの方向とされている。
各配管基部81A,82Aはケーシング61の内壁近傍に配設されている。そして各ノズル81,82,83は、ケーシング61の内壁に近接した通常位置においては、スピンナテーブル70よりも外周側にあり、スピンナテーブル70が昇降する際、スピンナテーブル70に保持されているウェーハ付きフレーム6のフレーム4に干渉しない位置に退避するようになされている。そして各ノズル81,82,83は、スピンナテーブル70が処理位置に位置付けられている時(図4はその状態を示している)に、退避位置からスピンナテーブル70の上方において水平旋回するように作動する。
第1のノズル81には、液状の水溶性樹脂を供給する樹脂源84に接続された配管84Aが接続されている。第1のノズル81には樹脂源84から配管84Aを介して液状の水溶性樹脂が送られ、第1のノズル81の先端から該樹脂が滴下されるようになっている。使用される水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)等の水溶性レジストが好ましく用いられる。
また、第2のノズル82には、洗浄水を供給する水源85に接続された配管85Aが接続されている。第2のノズル82には水源85から配管85Aを介して洗浄水が送られ、第2のノズル82の先端から該洗浄水が吐出されるようになっている。使用される洗浄水としては、純水、あるいは静電気防止のためにCOが混入された純水が好ましく用いられる。第2のノズル82の先端から吐出される洗浄水の吐出圧は、例えば0.4MPa程度に調節される。
さらに、第3のノズル83には、エアを供給するエア源86に接続された配管86Aが接続されている。第3のノズル83にはエア源86から配管86Aを介してエアが送られ、第3のノズル83の先端から該エアが噴出されるようになっている。第3のノズル83の先端から噴出されるエアは乾燥状態であることが好ましく、また、噴出圧は、例えば0.4MPa程度に調節される。
第2のノズル82に洗浄水を送る配管85Aは、第1の熱源91を通過させられており、第3のノズル83にエアを送る配管86Aは、第2の熱源92を通過させられている。各熱源91,92は別体であるが近接して配設されており、これら熱源91,92は、断熱性を有する1つのハウジング95内に収容されている。
水源85から第2のノズル82に送られる洗浄水は第1の熱源91で加熱され、第2のノズル82の先端からは温水となった洗浄水が吐出される。また、エア源86から第3のノズル83に送られるエアは第2の熱源92で加熱され、第3のノズル83の先端からは加熱されたエアが温風となって噴出される。洗浄水は常温(例えば25℃程度)よりも高温から80℃程度までの間に加熱されると好ましく、また、エアは常温よりも高温から120℃程度までの間に加熱されると好ましい。洗浄水やエアの温度に関しては、デバイスごとに熱の影響の受けやすさが異なったりデバイスごとに表面形状が異なったりすることから水溶性樹脂の塗布状態が変わってくるため、これらのことを考慮し、加工するデバイスに応じて温度条件が設定される。各熱源91,92は、例えば工業用の電熱ヒータ等が適宜に選択されるが、洗浄水やエアを適宜に加熱することができるものであれば種類は限定されない。
この第1の実施形態では、上記の樹脂源84と第1のノズル81とにより樹脂供給手段87が構成されている。また、水源85と第1の熱源91と第2のノズル82とにより洗浄水供給手段88が構成されている。また、エア源86と第2の熱源92と第3のノズル83とによりエア供給手段89が構成されている。なお、図示はしていないが、受け部65には、洗浄水や樹脂を所定の処理設備に排出するための排液口が設けられているとともに、この排液口には排液管が接続されている。
(2−3)レーザ加工装置の動作
次に、上記レーザ加工装置10によってウェーハ1の分割予定ライン2にレーザ加工を施す動作を説明する。なお、図5は該動作の過程を示している。図5中、C/Tはチャックテーブル20のことである。
(2−3−1)樹脂塗布工程
カセット9内に収納され、カセット台15の昇降動作によって引き出し位置に位置付けられた1枚のウェーハ付きフレーム6が把持機構30によって引き出され、位置決めバー35に載置されてX・Y方向の位置決めがなされる。次いで、位置決めバー35上のウェーハ付きフレーム6のフレーム4が、第1の搬送機構40によってスピンナ装置60Aの上方に搬送される。そして、予めバキューム装置が運転され、かつ、ウェーハ受け渡し位置に上昇して待機しているスピンナテーブル70に、ウェーハ付きフレーム6が同心状に吸着、保持される。また、これと同時にクランプ73によってフレーム4が保持される。
ウェーハ付きフレーム6が第1の搬送機構40の真空吸着パッド43からスピンナテーブル70に受け渡されると、スピンナテーブル70が処理位置に下降し、ウェーハ1の表面全面に、以下のようにして水溶性の液状樹脂が塗布される(スピンコート工程)。
まず、第1のノズル81がケーシング61の内側に旋回してその先端が図6(a)に示すようにウェーハ1の中心付近の直上に位置付けられ、液状の水溶性樹脂Pが第1のノズル81の先端からウェーハ1の表面の中心付近に滴下される。樹脂Pの滴下が開始されたら、続いてモータ74を作動させてスピンナテーブル70を一方向に回転させ、所定の滴下時間が経過したら回転を停止する。ウェーハ1に滴下された樹脂Pは、図6(b)〜(c)に示すように、スピンナテーブル70の回転によって発生している遠心力の作用で外周側に広がり、ウェーハ1の表面全面に行き渡ってスピンコートされる。
なお、スピンコート時のスピンナテーブル70の回転速度と回転速度は、樹脂Pがウェーハ1の表面を十分に被覆する程度に設定され、例えば、回転速度は500〜3000rpm程度、回転時間は30〜120秒程度とされる。また、樹脂Pの膜厚は、例えば0.1〜10μm程度とされる。
樹脂Pのスピンコートが完了したら、スピンナテーブル70の回転を続行させたまま、第1のノズル81を退避させるとともに、一体となっている第2のノズル82と第3のノズル83をケーシング61の内側に旋回させる。そして第3のノズル83の先端から温風を噴出させ、ウェーハ1の表面に塗布された樹脂Pに温風を吹き付けて樹脂Pを乾燥させる(樹脂乾燥工程)。第3のノズル83は往復旋回が何回か繰り返され、ウェーハ1の表面全面に温風がまんべんなく吹き付けられる。樹脂Pは、温風の吹き付けによって速やかに乾燥して硬化し、保護膜P1に形成される。
以上によりウェーハ1への水溶性樹脂の塗布および乾燥による保護膜P1の形成は終了し、スピンナテーブル70の回転が停止され、さらにスピンナテーブル70がウェーハ受け渡し位置に上昇させられる。次に、スピンナテーブル70上のウェーハ付きフレーム6のフレーム4が第2の搬送機構50の真空吸着パッド53に吸着、保持され、第2の搬送機構50によりウェーハ付きフレーム6はチャックテーブル20まで搬送され、チャックテーブル20に保持される。なお、フレーム4の真空吸着パッド53が吸着する箇所は、クランプ73のカバー部73aで覆われた箇所とされる。カバー部73aで覆われた箇所は、上記スピンコート時に樹脂Pが飛散してもその飛散樹脂がカバー部73aで覆われているので樹脂が付着せず、このため、真空吸着パッド53がフレーム4の表面に直接吸着し、フレーム4が確実に保持される。
(2−3−2)レーザ加工工程
次いで、ウェーハ1へのレーザ加工に移る。それにはまず、ウェーハ付きフレーム6を吸着、保持したチャックテーブル20が、ベーステーブル21が移動することによりキャビネット11内の加工位置に移動させられる。そしてこの加工位置で、レーザ加工手段19によりウェーハ1の分割予定ライン2にレーザ光線が照射されてレーザ加工が施され、ウェーハ1がダイシングされる。
ここで、ウェーハ1にレーザ光線が照射されると前述したデブリが発生する場合があるが、デブリは保護膜P1の表面に付着してウェーハ1の表面には直接付着せず、これによってチップ3の品質が確保される。
ダイシングは、例えば、チャックテーブル20をX方向に加工送りしながらレーザ光線を分割予定ライン2に照射することと、レーザ加工手段19がY方向に移動してレーザ光線照射位置を分割予定ライン2に合わせる割り出し送りとが交互に繰り返されるといった動作によって遂行される。レーザ加工でウェーハ1をフルカットする場合、ウェーハ1は多数のチップ3に分割されるが、チップ3は粘着テープ5に貼り付いたままの状態でありウェーハ1としての形態は保たれる。全ての分割予定ライン2にレーザ加工が施されてウェーハ1のダイシングが完了したら、チャックテーブル20がウェーハ着脱位置に戻り、次いで、ウェーハ付きフレーム6は洗浄工程に送られる。
(2−3−3)洗浄工程
ウェーハ1がダイシングされたウェーハ付きフレーム6は、ウェーハ着脱位置にあるチャックテーブル20から、第1の搬送機構40によって再びスピンナ装置60Aまで搬送され、ウェーハ受け渡し位置で待機しているスピンナテーブル70に吸着、保持される。
続いて、スピンナテーブル70は処理位置に下降させられ、回転が開始される。そして第2のノズル82の先端から温水を吐出させながら、第2、第3のノズル82,83を往復旋回させて、温水を保護膜P1の全面にまんべんなくかける。これによって水溶性の樹脂からなる保護膜P1は速やかに融解し、ウェーハ1の表面から樹脂Pが洗い流されて除去される(樹脂除去工程)。
ウェーハ1の表面の保護膜P1が完全に除去されたら、第2のノズル82からの温水の吐出を停止し、続いてスピンナテーブル70の回転、ならびに第2,第3のノズル82,83の往復旋回を続行したまま、第3のノズル83の先端から温風を噴出させる。温風は露出したウェーハ1の表面全面にまんべんなく吹き付けられ、さらに遠心力で水分が吹き飛ぶ作用も相まって、ウェーハ1は速やかに乾燥処理される(ウェーハ乾燥工程)。この後、スピンナテーブル70がウェーハ受け渡し位置に上昇させられる。
(2−3−4)カセットへの格納
以上のようにしてウェーハ1の表面への保護膜P1の形成、レーザ加工によるウェーハ1のダイシング、保護膜P1を除去するウェーハ1の洗浄といった各工程を経たウェーハ付きフレーム6は、第2の搬送機構50によってスピンナテーブル70から位置決めバー35に移され、次いで把持機構30によってカセット9に戻される。
以上の一連の動作が、カセット9内の全てのウェーハ1に対して遂行される。そして、カセット9内のウェーハ1が全てダイシング済みのものになったら、カセット9が次のチップピックアップ工程に搬送され、粘着テープ5から各チップ3がピックアップされて個々のチップ3を得る。
(2−4)レーザ加工装置の作用効果
上記実施形態のレーザ加工装置10によれば、レーザ加工前の樹脂塗布工程においては、スピンコート法でウェーハ1の表面に水溶性樹脂Pを塗布した後、塗布した樹脂Pに第3のノズル83から温風を吹き付けて樹脂Pを硬化させ、保護膜P1を形成している。樹脂Pは、常温で放置して自然硬化させる場合よりも、このように温風を吹き付けることにより、乾燥から硬化に至る反応が大幅に促進し、このため、樹脂Pをより速く硬化させることができる。すなわち、樹脂塗布工程に要する時間が大幅に短縮される。
また、レーザ加工後の洗浄工程においては、温水を保護膜P1に供給することにより樹脂Pは洗い流されて除去されるが、温水を使用することにより、常温の水を使用した場合と比べると樹脂Pの融解作用が大幅に促進し、より速く洗い流すことができる。そして、この後の乾燥工程では、温風を吹き付けてウェーハ1を乾燥させるため、ウェーハ1をより速く乾燥させることができる。
このように本実施形態では、ウェーハ1に塗布した樹脂Pの乾燥や、樹脂Pをウェーハ1から除去した後のウェーハ1の乾燥を、いずれも温風で行い、また、洗浄工程においてウェーハ1から樹脂を除去する際の洗浄水として温水を使用している。このため、これらの工程に要する時間を、常温の水や空気を使用する場合に比べると大幅に短縮させることができ、その結果、ウェーハ1の表面に樹脂を塗布するといった工程を備えながらも、チップ3をウェーハ1から得る全体の製造速度をなるべく速くすることができる。
また、上記の第1の熱源91および第2の熱源92が断熱性を有するハウジング95で覆われているため、各熱源91,92の周囲への熱の放散が抑えられるとともに、熱源91,92以外のレーザ加工装置10の他の部分への熱による影響を防ぐことができる。また、各熱源91,92の熱損失がハウジング95で抑えられて省エネルギー化が図られる。さらに、各熱源91,92はハウジング95があることによって外部からの温度変化の影響を受けにくくなり、このため温度設定の精度が確保されるといった利点もある。
(3)第2の実施形態に係るスピンナ装置
次に、図7を参照して第2の実施形態に係るスピンナ装置60Bを説明する。
このスピンナ装置60Bにおいては、熱源が1つである。この熱源91Aに、水源85側の配管85Aとエア源86側の配管86Aが通過しており、洗浄水とエアは、ともに1つの熱源91Aによって加熱されるようになっている。換言するならば、上記実施形態の洗浄水を加熱する第1の熱源91とエアを加熱する第2の熱源92が、同一の熱源91Aとして構成されている。このように熱源を1つとして共有することにより、省スペースならびに低コストを図ることができる。
また、第2の実施形態のスピンナ装置60Bでは、洗浄水を吐出する第2のノズル82には第3のノズル83に供給される温風が配管85aを介して混合され、第2のノズル82の先端からは、加熱された洗浄水である温水に温風が高速で衝突して噴霧化したミストが噴出するようになっている。第2のノズル82は、温水と温風が混合したミストを噴出する二流体ノズルであり、上記洗浄工程の樹脂除去工程において、高温のミストが第2のノズル82から噴射されて保護膜P1が除去される。このようにミストを噴出させて洗浄する場合においては、使用する水の量は例えば200ml/min程度と比較的少なくて済み、より少ない水の量で高い洗浄効果を得ることができるといった利点がある。そして、樹脂塗布工程における樹脂乾燥工程と、洗浄工程におけるウェーハ乾燥工程では、上記実施形態と同じく第3のノズル83から温風を噴出させてウェーハ1を乾燥させる。
このように第2のノズル82から高温のミストを噴出させて樹脂Pを除去する形態では、単に温水を吐出する場合と比べると、樹脂Pを除去する効果は格段に優れており、洗浄時間を一層短縮させることができる。また、第2のノズル82へ混合させる温風はエア源86から供給されて第2の熱源92で加熱され第3のノズル83に送られる温風を流用するため、構成が複雑になることはない。
(4)第3の実施形態に係るスピンナ装置
次に、図8を参照して第3の実施形態に係るスピンナ装置60Cを説明する。
このスピンナ装置60Cにおいては、温風を噴出する第3のノズル83が上記第1の実施形態のものと異なっている。すなわち第3の実施形態での第3のノズル83は、ケーシング61の開口に近い上部の内壁に固定されている。この第3のノズル83は円筒状であり、エア源86につながる配管86Aが接続されている。そして配管86Aの第2の熱源92とケーシング61との間には、上流側から順に、エアドライヤ98とフィルタ99が介在されている。エアドライヤ98は配管86Aを流れるエア中の水分を除去してエアを乾燥させるものであり、フィルタ99は、配管86Aを流れるエア中に存在する塵埃等の異物を捕捉してエアを清浄化するものである。
このスピンナ装置60Cでは、上記の樹脂塗布工程における樹脂乾燥工程と、洗浄工程におけるウェーハ乾燥工程では、第3のノズル83から温風を噴出させ、ケーシング61の内部全体を高温・乾燥状態として、樹脂Pやウェーハ1を乾燥させる運転がなされる。
本発明の実施形態に係るレーザ加工装置の全体斜視図である。 レーザ加工装置の背面側の全体斜視図である。 実施形態でレーザ加工が施される半導体ウェーハが粘着テープを介してフレームに保持されている状態を示す斜視図である。 レーザ加工装置が備える第1実施形態のスピンナ装置を示す斜視図である。 レーザ加工装置によるレーザ加工の動作過程を示すチャート図である。 ウェーハ表面に樹脂をスピンコートする動作を(a)〜(c)の順に示す側面図である。 第2実施形態のスピンナ装置を示す斜視図である。 第3実施形態のスピンナ装置を示す斜視図である。
符号の説明
1…ウェーハ(ワーク)、10…レーザ加工装置、19…レーザ加工手段、20…チャックテーブル(保持手段)、60A,60B,60C…スピンナ装置、70…スピンナテーブル、81…第1のノズル、82…第2のノズル、83…第3のノズル、84…樹脂源、85…水源、86…エア源、87…樹脂供給手段、88…洗浄水供給手段、89…エア供給手段、91…第1の熱源、91A…同一の熱源、92…第2の熱源、95…ハウジング(断熱材)、P…水溶性樹脂。

Claims (5)

  1. ワークの加工面に液状の水溶性樹脂を塗布する樹脂塗布工程と、
    前記ワークの前記加工面にレーザ光線を照射してレーザ加工を施すレーザ加工工程と、
    前記レーザ加工が施された前記ワークを洗浄する洗浄工程と、を含むレーザ加工方法であって、
    前記樹脂塗布工程は、前記水溶性樹脂を前記ワークの加工面にスピンコート法で塗布するスピンコート工程と、塗布された該水溶性樹脂に温風を供給して該水溶性樹脂を乾燥させる樹脂乾燥工程と、を含み、
    前記洗浄工程は、前記ワークに塗布された前記水溶性樹脂に温水と温風が混合したミストを供給して該水溶性樹脂を除去する樹脂除去工程と、前記水溶性樹脂が除去された前記ワークに温風を供給して該ワークを乾燥させるワーク乾燥工程と、
    を含むことを特徴とするレーザ加工方法。
  2. ワークを保持する保持手段と、
    該保持手段に保持された前記ワークにレーザ光線を照射してレーザ加工を施すレーザ加工手段と、
    前記ワークを保持して回転するスピンナテーブルと、該スピンナテーブルに保持されたレーザ加工前の前記ワークの加工面に液状の水溶性樹脂を供給する樹脂供給手段と、前記スピンナテーブルに保持されたレーザ加工後の前記ワークの加工面に洗浄水を供給する洗浄水供給手段と、前記スピンナテーブルに保持された前記ワークの加工面にエアを供給するエア供給手段とを有するスピンナ装置と、を含むレーザ加工装置であって、
    前記樹脂供給手段は、前記水溶性樹脂を供給する樹脂源と、前記スピンナテーブルに保持された前記ワークの加工面に、前記樹脂源から送られる前記水溶性樹脂を供給する第1のノズルとを有し、
    前記洗浄水供給手段は、前記洗浄水を供給する水源と、該水源から送られる前記洗浄水を加熱して温水とする第1の熱源と、前記スピンナテーブルに保持された前記ワークに流体を供給する第2のノズルとを有し、
    前記エア供給手段は、エアを供給するエア源と、該エア源から送られる前記エアを加熱して温風とする第2の熱源と、前記スピンナテーブルに保持された前記ワークに前記温風を供給する第3のノズルと、
    を有し、
    前記第2のノズルは、前記温水と温風を混合する混合機構を有し、該第2のノズルから前記ワークに該温水と該温風が混合したミストを供給することを特徴とするレーザ加工装置。
  3. 前記第1の熱源と前記第2の熱源が同一の熱源であることを特徴とする請求項2に記載のレーザ加工装置。
  4. 前記温風は、前記第2の熱源で加熱されたものであることを特徴とする請求項に記載のレーザ加工装置。
  5. 前記第1の熱源および前記第2の熱源が断熱材で覆われていることを特徴とする請求項2〜のいずれかに記載のレーザ加工装置。
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