JP2011224248A - シート及びシート用クッション体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】着座者の座骨部に対応する特定部位のみは、高密度の表層22をなくし、低密度の充填層21による一層構造とした。このように、着座者による座圧が高くなる特定部位のクッション体の硬さを他の表層部に比べて軟らかくしたため、2層構造による良好な乗り心地を維持しつつ、着座時間が長くなっても疲労が蓄積しないようにすることができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、このような問題に鑑み、上記2層構造による良好な乗り心地は維持したまま、着座者の座骨部に対応する部分のように特別に座圧が高くなる特定部位のクッション体の硬さを他の表層部に比べて軟らかくして、着座時間が長くなっても疲労が蓄積しないようにすることを課題とする。
第1発明によれば、着座者による座圧が高くなる特定部位のみのクッション体の硬さを他の表層部に比べて軟らかくしたため、2層構造による良好な乗り心地を維持しつつ、着座時間が長くなっても疲労が蓄積しないようにすることができる。また、特定部位では高密度の表層を低密度の充填層で置き換えており、低密度層は高密度層よりも重量が軽いため、シートの重量を軽量化できる。従って、本発明シートを車両用とした場合は、車両の軽量化に寄与できる。
なお、従来、着座者の座骨に対応する特定部位のクッション体として高密度層の割合を減らし低密度層の割合を増やしたものが知られている(例えば、上記特許文献2及び3)。しかし、かかる従来技術の場合は、特定部位の表層部に低密度層があっても、その下層には高密度層があるため、着座時の低密度層が撓んだときに底付感が生じてしまい、本発明の課題を解決できない。しかも、特許文献2及び3の従来技術のように2つの層を積層した場合には、各層の境界部が発泡成形時に硬化してしまい、それも底付感の原因となる。第1発明では、特定部位には低密度層のみで高密度層がないため、特許文献2及び3の従来技術のような問題は生じない。
第2発明によれば、特定部位とその周辺部とでクッション体の硬さが急変しないため、着座位置が少しくらいずれても座り心地が大きく変わらない効果がある。
第3発明によれば、座骨部における上記問題を解決できる。即ち、着座時間が長くなっても座骨部に疲労が蓄積しないようにすることができる。
第4発明によれば、第1発明と同様の作用効果を達成するシート用クッション体を得ることができる。
車両用シート1は、周知のとおり主にシートクッション部2、シートバック部3から成り、シートバック部3の上部にはヘッドレスト4が設けられている。これも周知のとおりシートクッション部2はポリウレタン発泡体から成るクッションパッドに表皮23が被せられて成る。この実施形態におけるシートクッション部2のクッション体であるクッションパッドは高密度の表層22と低密度の充填層21から成っている。各図から明らかなように、充填層21はシートクッション部2の主要部を成し、表層22は充填層21の上面と側面の表層部に薄く配置されている。このようにクッションパッドを2層構造とすることにより、表層22がSばねのように撓む、つまり部分的に撓まず全体的に撓むことでシートの乗り心地を確保し、充填層21はパッドに耐久性を付与すると共に、表層22の撓み代を確保している。シートクッション部2の側面に配置された表層22は、シートクッション部2の形状保持の機能を果たしている。
また、クッションパッドの前方部、つまり着座者の大腿部に対応する部分にも表層22は設けられず、この部分は充填層21で埋められている。表層22と充填層21との境界部は、両者の厚さが徐々に変化するようにされている。つまり表層22の端末へ行く程その厚さが漸次薄くなり、それに対応する充填層21はその厚さが漸次厚くなるように構成されている。
図4及び図5には、本発明を適用していない従来品のシート(図5)と上記実施形態と同様に構成された開発品のシート(図4)とを比較して座圧分布を示している。なお、図4及び図5で示す座圧分布は着座者が右側を向いて着座したときのものを示している。従って、図4及び図5のそれぞれ左側に上下に分かれて対称的に分布する座圧の高い領域が座骨に対応する部分である。従来品を示す図5と開発品を示す図4とを比較すると明らかなように着座者の座骨に対応する部分の座圧が従来品に比べて開発品では低くなっている。このときの測定条件は表1のとおりであり、また測定に使用されたクッションパッドの材料及び特性は表2のとおりである。
また、着座者の大腿部に対応する部分も表層22がなく直接充填層21により支持されるため支持が軟らかく、脚部の上下動がスムーズに行える。そのため特に車両運転者はペダル操作が容易になる。
なお、上記クッションパッドは予熱された型内に表層22を形成するウレタン原液を表層22の最終形状に合わせて注入した後、その上に充填層21を形成するウレタン原液を注入して型を閉じて発泡させて成形される。
その他、本発明は、その発明思想の範囲内で各種形態で実施可能である。
2 シートクッション部
3 シートバック部
21 クッションパッドの充填層
22 クッションパッドの表層
Claims (4)
- クッション体が高密度の表層と低密度の充填層との2層構造から成るシートであって、着座者による座圧が高くなる前記表層における特定部位のみは、前記表層をなくし、前記充填層による一層構造としたことを特徴とするシート。
- 請求項1のシートにおいて、前記特定部位周辺の表層は、該特定部位に近づく程漸次その厚さが薄くされ、前記特定部位周辺の充填層は、該特定部位に近づく程漸次その厚さが厚くされていることを特徴とするシート。
- 請求項1又は2のシートにおいて、前記特定部位は、着座者の座骨に対応する部位であることを特徴とするシート。
- 高密度の表層と低密度の充填層との2層構造から成るシート用クッション体であって、着座者による座圧が高くなる前記表層における特定部位のみは、前記表層をなくし、前記充填層による一層構造としたことを特徴とするシート用クッション体。
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JP2010098730A JP2011224248A (ja) | 2010-04-22 | 2010-04-22 | シート及びシート用クッション体 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010098730A JP2011224248A (ja) | 2010-04-22 | 2010-04-22 | シート及びシート用クッション体 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2011224248A true JP2011224248A (ja) | 2011-11-10 |
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ID=45040368
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JP2010098730A Pending JP2011224248A (ja) | 2010-04-22 | 2010-04-22 | シート及びシート用クッション体 |
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Citations (5)
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2010
- 2010-04-22 JP JP2010098730A patent/JP2011224248A/ja active Pending
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