JP2011205813A - 電気量検出方式および電力変換装置の制御装置 - Google Patents

電気量検出方式および電力変換装置の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明においては、安定かつ高速に交流量の大きさを求めることのできる電気量検出方式、およびこの電気量検出方式を適用した電力変換装置の制御装置を提供する。
【解決手段】所定の周期で単相交流をサンプリングし、現在時点の値を基準として90度位相が相違する時点の値を算出し、現在時点の値を実軸成分、90度位相が相違する時点の値を虚軸成分とする複素ベクトルを求め、該複素ベクトルと、前記単相交流位相信号とから、回転座標変換によりP軸成分とQ軸成分の大きさを導出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、単相または三相交流の電気量検出方式および電力変換装置の制御装置にかかり、特にその大きさを直流量として把握し制御することのできる電気量検出方式および電力変換装置の制御装置に関する。
電力系統においては、直流と交流の間の電力変換、周波数変換、電動機の制御、電気炉の制御などの目的のために、多様な場面で電力変換装置が使用されている。また、近年では自然エネルギー使用、スマートグリッドの拡大など適用範囲がますます広がっており、他方では、変換器のライドスルー運転の要求や逆相電流制御の要求が高まっており、今まで以上に電力品質の向上、変換精度の向上を図ることが重要になってきている。
これに対し、単相の電力変換装置においては、これまで交流量を直流量に変換する技術がなく、ベクトル制御を用いた高速かつ精確な制御が困難であった。
また、三相の電力変換装置においては、逆相量が含まれた三相交流を、通常の三相二相変換し、その後回転座標変換によって直流量に変換しようとすると、逆相量が基本周波数の2倍の周波数で変化する交流量となって、正相量が変換された直流量に重畳される形となるため、ベクトル制御を困難にしていた。
これら電力変換装置の制御の前提としては、交流量を正しく、高速に測定する必要があるが、この点に関して特許文献1には、三相交流における正弦波波形から、90度位相が異なる信号を生成し、瞬時対称座標法により、正相分と逆相分を検出する方法について述べられている。
特許第3324249号
特許文献1では、オペアンプと抵抗とコンデンサCで構成されるアナログの積分反転回路で実施することを提案しているが、積分なので過去一周期程度のデータが現在値を求めるのに必要となり応答遅れが出てしまう。
また、同様の回路で微分回路を形成することも提案しているが、計算安定上問題が生じる可能性がある。さらに、変圧器とコンデンサ、あるいは変圧器とリアクトルの回路で90度波形を進める案もあるが、電圧に対しては使用できない。そのうえ、いずれの案においても、ハードウェアの構成および構成要素の値の調整の難易度が高い。
以上のことから本発明においては、安定かつ高速に交流量の大きさを求めることのできる電気量検出方式、およびこの電気量検出方式を適用した電力変換装置の制御装置を提供することを目的とする。
本発明の電気量検出方式においては、所定の周期で単相交流をサンプリングし、現在時点の値を基準として90度位相が相違する時点の値を算出し、現在時点の値を実軸成分、90度位相が相違する時点の値を虚軸成分とする複素ベクトルを求め、複素ベクトルと、単相交流位相信号とから、回転座標変換によりP軸成分とQ軸成分の大きさを導出する。
また、現在時点の値から、次回サンプリング時の値を予測演算し、予測値と次回サンプリング時の値が相違するときには、現在時点の値と予測値とから、90度位相が相違する時点の値を算出し、予測値と次回サンプリング時の値が合致するときには、現在時点の値と、次回サンプリング時の値もしくは予測値から、90度位相が相違する時点の値を算出するのがよい。
また、所定の周期で三相交流の各相量をサンプリングし、三相交流の各相量について現在時点の値を基準として90度位相が相違する時点の値を算出し、現在時点の値を実軸成分、90度位相が相違する時点の値を虚軸成分とする複素ベクトルを求め、複素ベクトルと、単相交流位相信号とから、回転座標変換によりP軸成分とQ軸成分の大きさを導出するのがよい。
また、三相交流を3相・2相変換して得た電気量に対して、現在時点の値を基準として90度位相が相違する時点の値を算出し、現在時点の値を実軸成分、90度位相が相違する時点の値を虚軸成分とする複素ベクトルを求め、複素ベクトルと、単相交流位相信号とから、回転座標変換によりP軸成分とQ軸成分の大きさを導出するのがよい。
本発明の電気量検出方式においては、電力系統の三相の電流と電圧を所定の周期でサンプリングし、サンプリング値を用いて3相・2相変換を実行し、2相に変換した電気量に対して、現在時点の値を基準として90度位相が相違する時点の値を算出し、現在時点の値を実軸成分、90度位相が相違する時点の値を虚軸成分とする複素ベクトルを求め、複素ベクトルと、単相交流位相信号とから、回転座標変換により電流と電圧についての、P軸成分とQ軸成分の大きさを導出するのがよい。
また、電流と電圧についての、P軸成分とQ軸成分の大きさとは、三相電力系統の正相電流のP軸成分とQ軸成分、三相電力系統の逆相電流のP軸成分とQ軸成分、三相電力系統の正相電圧のP軸成分とQ軸成分、三相電力系統の逆相電圧のP軸成分とQ軸成分とされるのがよい。
また、3相・2相変換の入力である電力系統の三相電圧は、相電圧とされるのがよい。
本発明の電力変換装置が単相交流変換装置である電力変換装置の制御装置においては、所定の周期で単相交流の電流、電圧をサンプリングする手段、手段の現在時点の値を基準として90度位相が相違する時点の値を算出し、現在時点の値を実軸成分、90度位相が相違する時点の値を虚軸成分とする複素ベクトルを求める単相交流の電流と電圧についての複素ベクトル演算回路、複素ベクトル演算回路の複素ベクトルと、単相交流の位相信号とから、回転座標変換によりP軸成分とQ軸成分の大きさを導出する単相交流の電流と電圧についての回転座標変換回路、電流についての回転座標変換回路からのP軸成分とQ軸成分を帰還値とし、これらをP軸成分とQ軸成分の目標値にそれぞれ制御する2組の電流制御回路と電流制御回路の出力を電圧についての回転座標変換回路からのP軸成分とQ軸成分でそれぞれ補正する2組の補正回路とを含む制御部、制御部からの2組の制御信号と、単相交流の位相信号とから、実軸成分と虚軸成分からなる複素ベクトルを求める逆回転座標変換回路とを備え、逆回転座標変換回路の実軸成分または虚軸成分を基準信号とする単相交流変換装置の点弧制御装置とから構成される。
本発明を三相回路に適用するには、三相交流の電流、電圧のサンプリング手段、サンプリング手段の電流、電圧の出力を2相に変換する3相・2相変換手段、3相・2相変換手段の出力から電流と電圧のそれぞれについて、正相と逆相の、有効分と無効分を求める変換器、変換器出力のうち、電流についての正相と逆相の、有効分と無効分を帰還値とし、これらそれぞれの目標値に制御する電流制御回路、電流制御回路の出力を変換器の電圧についての正相と逆相の、有効分と無効分で修正する補正回路、補正回路出力のうち、正相の有効分と逆相の有効分を合成し、補正回路出力のうち、正相の無効分と逆相の無効分を合成する合成回路、合成回路からの2相の出力を3相信号に変換する2相・3相変換手段を備え、2相・3相変換回路からの信号を基準信号として三相交流変換装置の点弧制御を行う。
本発明を、電力変換装置が三相交流変換装置である電力変換装置の制御装置に適用するときには、所定の周期で単相交流の電流をサンプリングする第1のサンプリング手段、所定の周期で単相交流の電圧をサンプリングする第2のサンプリング手段、第1のサンプリング手段の出力を3相・2相変換する第1の3相・2相変換回路、第2のサンプリング手段の出力を3相・2相変換する第2の3相・2相変換回路、第1の3相・2相変換手段からの2相の出力のそれぞれに対して、現在時点の値を基準として90度位相が相違する時点の値を算出し、現在時点の値を実軸成分、90度位相が相違する時点の値を虚軸成分とする複素ベクトルを求める第1の2組の複素ベクトル演算回路、第2の3相・2相変換手段からの2相の出力のそれぞれに対して、現在時点の値を基準として90度位相が相違する時点の値を算出し、現在時点の値を実軸成分、90度位相が相違する時点の値を虚軸成分とする複素ベクトルを求める第2の2組の複素ベクトル演算回路、第1の2組の複素ベクトル演算回路の複素ベクトルを正相と逆相の複素ベクトルに変換する第1の正相・逆相演算回路、第2の2組の複素ベクトル演算回路の複素ベクトルを正相と逆相の複素ベクトルに変換する第2の正相・逆相演算回路、第1の正相・逆相演算回路の出力と、交流の位相信号とから、回転座標変換により正相電流のP軸成分とQ軸成分の大きさと、逆相電流のP軸成分とQ軸成分の大きさとを導出する第1の回転座標変換回路、第2の正相・逆相演算回路の出力と、交流の位相信号とから、回転座標変換により逆相電流のP軸成分とQ軸成分の大きさと、逆相電流のP軸成分とQ軸成分の大きさとを導出する第2の回転座標変換回路、第1の回転座標変換回路からの正相電流のP軸成分とQ軸成分を帰還値とし、これらを目標値にそれぞれ制御する第1の2組の電流制御回路と、第1の2組の電流制御回路の出力を第1の回転座標変換回路からの正相電圧についてのP軸成分とQ軸成分でそれぞれ補正する2組の補正回路とを含む第1の制御部、第2の回転座標変換回路からの逆相電流のP軸成分とQ軸成分を帰還値とし、これらを目標値にそれぞれ制御する第2の2組の電流制御回路と、第2の2組の電流制御回路の出力を第2の回転座標変換回路からの逆相電圧についてのP軸成分とQ軸成分でそれぞれ補正する2組の補正回路とを含む第2の制御部、第1の制御部の2組の補正回路出力と、交流の位相信号とから、正相の実軸成分と虚軸成分からなる複素ベクトルを求める第1の逆回転座標変換回路、第2の制御部の2組の補正回路出力と、交流の位相信号とから、逆相の実軸成分と虚軸成分からなる複素ベクトルを求める第2の逆回転座標変換回路、第1と第2の逆回転座標変換回路からの正相と逆相の実軸成分を合成する第1の合成回路、第1と第2の逆回転座標変換回路からの正相と逆相の虚軸成分を合成する第2の合成回路、第1と第2の合成回路の出力を3相信号に変換する2相・3相変換回路とを備え、2相・3相変換回路からの信号を基準信号として前記三相交流変換装置の点弧制御を行う。
本発明によれば、単相電力変換装置をベクトル制御することができる。三相電力変換装置において、逆相分が含まれている場合でも、精確なベクトル制御が可能になる。また、三相交流の正相分、逆相分を高速かつ精確にモニターすることが可能になる。
単相交流から複素ベクトルを演算する装置を示す図。 過渡現象発生時の計算誤差拡大を防ぐためのフローチャート図。 複素ベクトルを直流量に変換、演算する装置を示す図。 ベクトル制御可能な単相電力変換装置の制御装置を示す図。 正相分,逆相分の直流量を独立に得ることができる装置を示す図。 正相電流と逆相電流を独立に制御できる三相電力変換装置の制御装置
以下本発明について、図を用いて説明する。
最初に、本発明の電気量検出方式、およびこの方式を利用する電力変換装置の制御装置の基本的な考え方について説明する。また、これらには単相交流を扱う場合と、三相交流を扱う場合があるので、単相交流の場合を先に説明する。
まず、単相交流の場合の本発明の電気量検出方式の考え方について説明する。ここでは、(1)式の単相交流vreに対して、90度位相の相違する(2)式の交流vimを得て、これらから(3)式の複素ベクトルを求めることを考える。なお、ωは基本波角周波数、ψは位相差、tは時間を意味する。
Figure 2011205813
Figure 2011205813
Figure 2011205813
(3)式を実行するに当り、現在の多くの制御装置の制御としては、ディジタル制御系が殆どを占めている。このことから、(3)式をディジタル的に実現する必要がある。
ディジタル的制御装置では、時間についても離散化されており、ある時点の信号演算において、1演算時間過去のデータを使用することが可能である。この1演算時間は、現時点ではだいだい100〜200μs程度である。そこで、この1演算時間をτとし、基本波角周波数ωに対するτの電気角をδとすると、電気角δは1演算時間τと、基本波角周波数ωから、(4)式で求められる。
Figure 2011205813
また、(1)式の交流量vreについて、その1演算時間前の値をvrepoとすると、これは(5)式で表すことができる。
Figure 2011205813
ここでの目的は、(1)式のvreと、(5)式のvrepoと、(4)式のδから、(2)式のvimを演算することである。これは次のようにして計算することができる。
Figure 2011205813
またこの結果、単相交流から、(3)式の複素ベクトルを、(1)式と、(6)式の和として求められることが判る。
単相交流から複素ベクトルを求める本発明の基本思想は、以上のようなものであるが、実際に装置構成することを考えると、更に幾つかの問題を解決しておく必要がある。
本方式は、単一周波数(基本波または対象とする高調波)の物理量を対象とした方法なので、第1の解決しておくべき問題点として、他の周波数(基本波に対する高調波等)の重畳を考慮すべきであり、この場合に計算が大きく狂う可能性がある。
この点の第1の対処策としては、入力信号を比較的に選択度Q値の高いバンドパスフィルタに通してから演算を行う方法が考えられる。バンドパスフィルタは目的周波数については位相変化が0なので、システムに大きな影響を与えないと考えられる。
また、この点の第2の対処策としては、基本波角周波数ωに着目した手法が考えられる。基本波角周波数ωは、システム内で別途周波数fを計算していることが多いはずであるから、この周波数fを用いて周波数を決めるようにする。系統の周波数は、高速に変化するようなものではないので(せいぜい秒オーダ)、これでかなりの精度が期待できると考える。
また解決しておくべき第2の問題点として、過渡現象(系統故障等)が生じた場合に、(1)式のvreと(5)式のvrepoとの間で、大きく計算が狂うという問題がある。
これについては、次のように対処する。但し、この計算のためには、ある時点で定常状態であったと仮定する。
また、1演算時間τ後も定常状態であると仮定すると、τ後のvreの予測値をvreprとすると、(7)式で求めることができる。
Figure 2011205813
(1)(2)(7)式から、(8)式が成立する。
Figure 2011205813
本発明においては、第2の問題点の解決策として、(8)式で予測したvreprと、実際のτ後のvreを比較して、その差が閾値を超えた場合は過渡現象が発生したと判断して、その演算時間については、vreの代わりにvreprを使う。その後は、通常の演算方法にもどす。
このようにすることで、応答遅れが2τとなるものの、演算時間と演算時間の間に過渡現象が発生することにより生じる大きな計算誤差を避けることができる。
以上のような方法で、高速かつ精確に交流正弦波信号から、複素ベクトルを得ることができる。
次に、単相交流から複素ベクトルを演算する装置について、図1を用いて説明する。なお、ここでは電圧について処理する事例で説明するが、電流でも同じことである。
まず、単相交流電源100の端子電圧を、電圧測定器102で測定したアナログ電圧信号103が、アナログ/ディジタル変換器104で、ディジタル信号105に変換される。
本発明の複素ベクトル化演算器113では、現時点で入力したディジタル信号105と、メモリ106に記憶しておいた1サンプリング前の時点で入力したディジタル信号107を、基本波周波数を取り出すバンドパスフィルタ180、180aに入力して高調波を除去し、信号181と1サンプリング前の信号181aを得る。この高調波除去処理が、先に述べた第1の解決すべき問題点に対する第1の対処策である。
ここで、信号181は、(1)式の実軸成分であり、信号181と181aが90度移相演算器109に入力されて、(6)式の虚軸成分109を得ることができる。結果として(3)式の複素ベクトルを得ることができる。
また、先に述べた解決しておくべき第2の問題点に対する対策として、本発明の複素ベクトル化演算器113内では、信号181と109を求める課程において、過渡現象発生時の計算誤差拡大を防ぐために、図2のフローチャートに示す処理を行う。
図2のフローチャートにおいては、まずステップS100において、毎サンプリング周期で入力した入力値vreと、1サンプリング周期前の入力値vrepoを記憶しておく。また、以後の各種演算に使用する固定値として、基本波角周波数ω、ディジタルサンプリング時間τを保持している。
ステップS101では、1サンプリング周期前の入力値vrepoから次回サンプリング時(現時点でのサンプリング値)の値vreprを、(8)式により予め予測演算しておく。
ステップS102では、予測値vreprと現時点でのサンプリング値vrepoを比較し、その差が、閾値以内であれば正常と判断し、ステップS105で現時点でのサンプリング値vrepoを用いて(6)式を実行し、ステップS106で出力する。
予測値vreprと現時点でのサンプリング値vrepoを比較し、その差が、閾値以上である場合には、異常であるのでステップS103において、予測値vreprを現時点でのサンプリング値vrepoに入れ替える処理を実行し、その後ステップS104において、入れ替えられたサンプリング値を用いて(6)式を実行し、ステップS106で出力する。
単相交流の場合の本発明の電気量検出方式の考え方は、以上のとおりであるが、これを実際に電力変換装置に適用することを検討すると、複素ベクトルを回転座標上での情報に変換しておく必要がある。
このことから、上記で得た、vreとvimに対して、回転座標変換を施すと、(9)式により直流量VP、VQを得ることができる。
Figure 2011205813
次に、図3を用いて、図1で求めた複素ベクトルを更に(9)式により直流量に変換、演算する装置117(PQ軸変換器)について説明する。PQ軸変換器117は、図1の複素ベクトル化演算器113に回転座標変換器110を付加したものであり、回転座標変換器110では、回転座標変換のために、さらに位相検出回路114から、(1)(2)式の位相信号を得る。
位相信号は、ディジタル化された電圧信号105を、位相検出器114に入力し、基準位相信号115(cosωt)と、116(sinωt)を演算して得られる。位相検出の具体的演算手法は、位相固定発振方式(phase locked loop)方式を用いてもよいし、離散フーリエ変換(DFT)を用いる方法でもよい。
複素ベクトル演算器113から得られる複素ベクトル化された電圧信号の実軸成分181(vre)と虚軸成分109(vim)、および上記基準位相信号115(cosωt)、基準位相信号116(sinωt)を回転座標変換器110に入力すると、直流量に変換された電圧信号VP(P軸成分)111とVQ(Q軸成分)112が得られる。回転座標変換器110は(9)式による演算を行っている。なお、P軸成分は実軸成分の振幅、Q軸成分は虚軸成分の振幅に相当する。
最後に、単相交流の場合に、上記の変換結果を利用した電力変換装置の制御装置への具体的な適用事例を図示して説明する。
図4を用いて、ベクトル制御可能な単相電力変換装置の制御装置について説明する。ここでの電力変換装置は、単相自励式単相電力変換器119であり、変換用変圧器140を介して電力系統100に連系されている。
この単相自励式単相電力変換器119のディジタル制御のために、第1の入力信号としてディジタル化された連系点電圧信号105を入力する。この入力信号に対して、(2)に述べたと同様の方式で、かつ図3に例示したところの、PQ軸変換器117において、直流成分111(VP)と112(VQ)が演算される。また、第2の入力信号としてディジタル化された連系点電流も入力する。この入力に対しても同様の方法で、直流成分120(IP)と121(IQ)が演算される。
なお、(9)式を実行するに当り、位相信号は、電圧の場合と同じ115(cosωt)、116(sinωt)を使用する。このようにして算出された電流P軸成分120(IP)は有効分電流、Q軸成分121(IQ)は無効分電流に相当する。
制御部200は、これらの各軸成分信号を入力して変換器制御を実行する。本制御の目標信号としては、P軸電流指令値122(IPref)と、Q軸電流指令値123(IQref)が予め与えられている。減算回路122,123では、P軸電流とQ軸電流について、指令に対する検出値の差分(125と125a)が導出され、それぞれ電流制御回路(142と142a)に与えられ、それぞれ電流制御回路(142と124a)の出力(127と127a)が得られる。なお、電流制御回路(142と124a)においては、入力偏差をなくすための比例積分制御などが実施される。
その後、電流制御回路142の出力127に、PQ軸変換器117の直流成分111(VP)が加算されて電力変換器のP軸出力電圧指令値を得る。また、電流制御回路142aの出力127aに、PQ軸変換器117の直流成分112(VQ)が加算されて電力変換器のQ軸出力電圧指令値を得る。
なお、補正回路126では、Q軸電流指令値123(IQref)を入力として補正信号128を算出し、加算回路124bにおいて、電流制御回路142の出力127から減算し、他方で補正回路126aでは、P軸電流指令値122(IPref)を入力として補正信号128aを算出し、加算回路124cにおいて、電流制御回路142aの出力127aに加算する。この加減算操作により、補正回路126および126aは、P軸とQ軸の干渉を打ち消すための働きをする。従って、実際には補正後の信号129と129aが、逆回転座標変換回路130の入力とされる。
逆回転座標変換回路130においては、補正後の信号129と129a、および位相信号115、116を入力し、出力された実軸成分131(交流)を信号波とし、PWM(Pulse Width Modulation)制御により、ゲート信号134を得て、電力変換器119を制御する。
このようにして、単相電力変換器119においても、有効分電流と無効分電流を分離して制御するベクトル制御系を構築でき、かつ電流制御系において、その対象物理量を直流化して扱うことができるため、高速に制御できるとともに、リミッタ処理やフィルタ処理が容易になる。
なお、P軸電流指令値122(IPref)としては、上位制御系として、有効電力制御系や直流電圧制御系を設け、その出力を用いてもよい。同様に、Q軸電流指令値123(IQref)としては、上位制御系として、無効電力制御系や交流電圧制御系を設け、その出力を用いてもよい。
以上、単相交流の場合の電気量検出方式およびこの方式を利用する電力変換装置の制御装置の基本的な考え方について説明した。次に三相交流の場合の取り扱いについて説明する。
まず、三相交流の場合の電気量検出方式は、各相毎に上記説明と同じく複素ベクトル化を行い、対称座標変換を行えば、複素ベクトルとしての正相量、逆相量を得ることができる。対称座標変換式を示す(10)式において、右辺の右のマトリクスは、交流電源の各相電圧、左辺のマトリクスは、それぞれ対象座標成分としての零相、正相、逆相電圧を表している。
Figure 2011205813
また、三相交流の場合に、非接地系で零相が無視できる場合は、3相2相変換を行い、αβ成分を求めたのち、下記関係数により、正相分と逆相分を求めることができる。(11)式は、(3)式の複素ベクトルを利用してαβ成分をそれぞれ求める式であり、(12)(13)式はαβ成分から、正相、逆相量を求めた式である。
Figure 2011205813
Figure 2011205813
同様にして
Figure 2011205813
本発明は、いずれの方法により複素ベクトルとしての正相量、逆相量を得てもよい。
次に、図5を用いて,三相交流から,正相分,逆相分の直流量を独立に得ることができる装置(正相逆相PQ軸変換器)について説明する。図5を、図3と対比すると明らかなように、交流電源100から、アナログ/ディジタル変換器104までの回路がa,b,cの三相分備えられている。
本発明においては、この三相回路の信号を用いて、まず3相・2相変換回路134において二相化された交流電圧136a(vα)と136b(vβ)を求めて、複素ベクトル化演算器113a,113bに入力し,vαの複素ベクトル成分137a,137bおよび、vβの複素ベクトル成分137c,137dを得る。なお、入力は相違するが、複素ベクトル化演算器113a,113bの処理内容は、図3のそれと同じである。
次に、これを正相逆相演算器135に入力して,(11)(12)式を実行して、正相実軸成分138a,正相虚軸成分138b,逆相実軸成分138c,逆相虚軸成分138dを得る。この処理は電流入力に対しても同じである。
また、138a,138bおよび138c,138dを、回転座標変換回路110に入力して、それぞれ座標回転すると,直流量としての正相実軸成分151a(V1P),正相虚軸成分151b(V1Q),逆相実軸成分151c(V2P),逆相虚軸成分151d(V2Q)を得る。
係る一連の処理により、三相交流の場合にも、例えば3相・2相変換した入力を用いて、回転座標上の情報を、図3の場合と同様に得ることができる。
また、この結果を用いて図4の場合と同様に、三相の電力変換装置の制御装置を構成することができる。図6を用いて,正相電流と逆相電流を独立に制御できる三相電力変換装置の制御装置について説明する。
図6の回路は複雑であるが、図上部についてみると、電源100、変圧器140、変換器119などの主回路、電流、電圧の計測回路102、118とアナログ/ディジタル変換器104などが、三相表記されている点を除外すれば、図5の正相逆相PQ軸変換回路150が、電流入力と、電圧入力のそれぞれに設置された構成と見ることができる。
図6の上部の回路の機能について、補足説明する。まず、三相自励式電力変換器119aが、三相変換用変圧器140aを介して電力系統100に連系されている。また、デジタル化された三相線間電圧105を、線間電圧・相電圧変換回路200により,相電圧141に変換する。相電圧141から,(4)と同じ方法で,直流化された正相電圧ベクトルの実軸成分151aと虚軸成分151b,逆相電圧ベクトルの実軸成分151cと虚軸成分151dを得る。さらに、連系点電流からも、同様にして直流化された正相電流ベクトルの実軸成分163aと虚軸成分163b,逆相電流ベクトルの実軸成分163cと虚軸成分163dを得る。
図6の下部には、主として図4の制御部200が、示されているが、図4の制御部と相違するのは、正相成分を用いて電流制御を実施する正相ACRを主体に構成する制御部200aと、逆相成分を用いて電流制御を実施する逆相ACRを主体に構成する制御部200bから構成される点である。いずれの回路構成も、入力の種別が正相と、逆相ということで相違するが、電流と、電圧の実軸成分、虚軸成分の用い方については、図4の制御部200と、全く同じ回路構成、機能のものである。
例えば、正相成分を用いて電流制御を実施する正相ACRを主体に構成する制御部200aでは、本制御の目標信号として、P軸電流指令値164a(I1Pref)と、Q軸電流指令値164b(I1Qref)が予め与えられ、減算回路124d,124eには、P軸電流163a(I1P)とQ軸電流163b(I1Q)が帰還されている。これらの信号はいずれも正相分に基づくものである。この点、逆相成分を用いて電流制御を実施する逆相ACRを主体に構成する制御部200bでは、本制御の目標信号として、P軸電流指令値164c(I2Pref)と、Q軸電流指令値164d(I2Qref)が予め与えられ、減算回路124f,124gには、P軸電流163c(I2P)とQ軸電流163d(I2Q)が帰還されている。これらの信号はいずれも逆相分に基づくものである。
4組の減算回路142bから142eの出力165aから165dは、それぞれ電流制御回路142bから142eに与えられ、制御信号127bから127eを得る。なお、電流制御回路142においては、入力偏差をなくすための比例積分制御などが実施される。
その後、4組の電流制御回路142bから142eの出力127bから127eに、系統電圧から求めたPQ軸変換器150の4組の直流成分151aから151d(V1P、V1Q,V2P,V2Q)がそれぞれ加算されて、信号164aから164dを得る。
なお、補正回路126bと126dでは、Q軸電流指令値164bと164d(I1QrefとI2Qref)を入力として補正信号128bと128dを算出し、加算回路124fと124hにおいて、それぞれ制御信号127bから127dから減算する。他方で、補正回路126cと126eでは、P軸電流指令値164aと164c(I1PrefとI2Pref)を入力として補正信号128cと128eを算出し、加算回路124gと124iにおいて、それぞれ制御信号127cから127eに加算する。
この加減算操作により、P軸とQ軸の干渉を打ち消すための働きをする。このように、本発明によれば、正相電流と逆相電流が個別に独立して制御される。
従って、実際には補正後の信号164aから164dが、逆回転座標変換回路130aと130bの入力とされる。逆回転座標変換回路130aと130bにおいては、補正後の信号164aから164dおよび、位相信号115を入力し、正相電圧指令値170aと170c、並びに逆相電圧指令値170bと170dを得る。
制御部200aから出力される正相電圧指令値170aと、制御部200bから出力される正相電圧指令値170cは、加算回路124jで加算され、また制御部200aから出力される逆相電圧指令値170bと、制御部200bから出力される逆相電圧指令値170dは、加算回路124kで加算されて、それらの和信号171aと171bが、3相2相変換の逆変換回路172に入力されて,三相電流指令値173a〜cを得る。173a〜173cを信号波として、PWMによりゲート信号174を得る。
本発明によれば、このようにして,正相電流,逆相電流をそれぞれ独立に制御でき,かつ制御において直流量で扱うことによって,高速に制御できるとともに,リミッタ処理やフィルタ処理が容易になる。
なお、本発明を構成する場合に、実軸成分の電流指令値164aには,上位制御系として,有効電力制御系や直流電圧制御系を設け,その出力を用いてもよい。また、虚軸成分の電流指令値164bには,上位制御系として,無効電力制御系や交流電圧制御系を設け,その出力を用いてもよい。さらに、164cおよびdを0にすることにより,電力系統の2線地絡故障のような不平衡故障時にも,逆相電流を0に制御することができ,故障時の電力変換器過電流を抑制することが容易になる。さらに、電気炉電流の逆相成分を上記と同様の方法で検出し,この逆符号の信号を164c,164dとすることにより,フリッカ抑制装置として電力変換器を用いる場合,その性能を向上させることが期待できる。
本発明によれば、単相電力変換装置をベクトル制御することができ、三相電力変換装置において、逆相分が含まれている場合でも、精確なベクトル制御が可能になり、三相交流の正相分、逆相分を高速かつ精確にモニターすることが可能になる。このため、今まで以上に広い範囲での制御装置適用が可能となる。
100:単相交流電源
102:電圧測定器
103:アナログ電圧信号
104:アナログ/ディジタル変換器
105:ディジタル信号
113:複素ベクトル化演算器
106:メモリ
180:バンドパスフィルタ
117:PQ軸変換器
110:回転座標変換器
114:位相検出回路
115,116:基準位相信号
200:制御部
142:電流制御回路
130:回転座標逆変換器
134:3相・2相変換回路
172:2相・3相変換回路

Claims (13)

  1. 所定の周期で単相交流をサンプリングし、現在時点の値を基準として90度位相が相違する時点の値を算出し、現在時点の値を実軸成分、90度位相が相違する時点の値を虚軸成分とする複素ベクトルを求め、該複素ベクトルと、前記単相交流位相信号とから、回転座標変換によりP軸成分とQ軸成分の大きさを導出することを特徴とする電気量検出方式。
  2. 第1項記載の電気量検出方式において、
    現在時点の値から、次回サンプリング時の値を予測演算し、予測値と次回サンプリング時の値が相違するときには、現在時点の値と予測値とから、90度位相が相違する時点の値を算出し、予測値と次回サンプリング時が合致するときには、現在時点の値と、次回サンプリング時の値もしくは予測値から、90度位相が相違する時点の値を算出することを特徴とする電気量検出方式。
  3. 所定の周期で三相交流の各相量をサンプリングし、三相交流の各相量について現在時点の値を基準として90度位相が相違する時点の値を算出し、現在時点の値を実軸成分、90度位相が相違する時点の値を虚軸成分とする複素ベクトルを求め、該複素ベクトルと、前記単相交流位相信号とから、回転座標変換によりP軸成分とQ軸成分の大きさを導出することを特徴とする電気量検出方式。
  4. 第3項記載の電気量検出方式において、
    現在時点の値から、次回サンプリング時の値を予測演算し、予測値と次回サンプリング時の値が相違するときには、現在時点の値と予測値とから、90度位相が相違する時点の値を算出し、予測値と次回サンプリング値が合致するときには、現在時点の値と、次回サンプリング時の値もしくは予測値から、90度位相が相違する時点の値を算出することを特徴とする電気量検出方式。
  5. 第3項記載の電気量検出方式において、
    三相交流を3相・2相変換して得た電気量に対して、現在時点の値を基準として90度位相が相違する時点の値を算出し、現在時点の値を実軸成分、90度位相が相違する時点の値を虚軸成分とする複素ベクトルを求め、該複素ベクトルと、前記単相交流位相信号とから、回転座標変換によりP軸成分とQ軸成分の大きさを導出することを特徴とする電気量検出方式。
  6. 電力系統の三相の電流と電圧を所定の周期でサンプリングし、該サンプリング値を用いて3相・2相変換を実行し、2相に変換した電気量に対して、現在時点の値を基準として90度位相が相違する時点の値を算出し、現在時点の値を実軸成分、90度位相が相違する時点の値を虚軸成分とする複素ベクトルを求め、該複素ベクトルと、前記単相交流位相信号とから、回転座標変換により前記電流と電圧についての、P軸成分とQ軸成分の大きさを導出することを特徴とする電気量検出方式。
  7. 第6項記載の電気量検出方式において、
    前記電流と電圧についての、P軸成分とQ軸成分の大きさとは、三相電力系統の正相電流のP軸成分とQ軸成分、三相電力系統の逆相電流のP軸成分とQ軸成分、三相電力系統の正相電圧のP軸成分とQ軸成分、三相電力系統の逆相電圧のP軸成分とQ軸成分とされることを特徴とする電気量検出方式。
  8. 第6項記載の電気量検出方式において、
    3相・2相変換の入力である電力系統の三相電圧は、相電圧とされることを特徴とする電気量検出方式。
  9. 電力変換装置が単相交流変換装置である電力変換装置の制御装置において、
    所定の周期で単相交流の電流、電圧をサンプリングする手段、該手段の現在時点の値を基準として90度位相が相違する時点の値を算出し、現在時点の値を実軸成分、90度位相が相違する時点の値を虚軸成分とする複素ベクトルを求める単相交流の電流と電圧についての複素ベクトル演算回路、該複素ベクトル演算回路の複素ベクトルと、前記単相交流の位相信号とから、回転座標変換によりP軸成分とQ軸成分の大きさを導出する単相交流の電流と電圧についての回転座標変換回路、電流についての前記回転座標変換回路からのP軸成分とQ軸成分を帰還値とし、これらをP軸成分とQ軸成分の目標値にそれぞれ制御する2組の電流制御回路と該電流制御回路の出力を前記電圧についての回転座標変換回路からのP軸成分とQ軸成分でそれぞれ補正する2組の補正回路とを含む制御部、該制御部からの2組の制御信号と、前記単相交流の位相信号とから、実軸成分と虚軸成分からなる複素ベクトルを求める逆回転座標変換回路とを備え、該逆回転座標変換回路の実軸成分または虚軸成分を基準信号とする前記単相交流変換装置の点弧制御装置とから構成されることを特徴とする電力変換装置の制御装置。
  10. 第9項記載の電力変換装置の制御装置において、
    前記複素ベクトル演算回路において現在時点の値から、次回サンプリング時の値を予測演算し、予測値と次回サンプリング時の値が相違するときには、現在時点の値と予測値とから、90度位相が相違する時点の値を算出し、予測値と次回サンプリング時が合致するときには、現在時点の値と、次回サンプリング時の値もしくは予測値から、90度位相が相違する時点の値を算出することを特徴とする電力変換装置の制御装置。
  11. 三相交流の電流、電圧のサンプリング手段、該サンプリング手段の電流、電圧の出力を2相に変換する3相・2相変換手段、該3相・2相変換手段の出力から電流と電圧のそれぞれについて、正相と逆相の、有効分と無効分を求める変換器、該変換器出力のうち、電流についての正相と逆相の、有効分と無効分を帰還値とし、これらそれぞれの目標値に制御する電流制御回路、該電流制御回路の出力を前記変換器の電圧についての正相と逆相の、有効分と無効分で修正する補正回路、該補正回路出力のうち、正相の有効分と逆相の有効分を合成し、補正回路出力のうち、正相の無効分と逆相の無効分を合成する合成回路、該合成回路からの2相の出力を3相信号に変換する2相・3相変換手段を備え、2相・3相変換回路からの信号を基準信号として三相交流変換装置の点弧制御を行うことを特徴とする電力変換装置の制御装置。
  12. 電力変換装置が三相交流変換装置である電力変換装置の制御装置において、
    所定の周期で単相交流の電流をサンプリングする第1のサンプリング手段、前記所定の周期で単相交流の電圧をサンプリングする第2のサンプリング手段、前記第1のサンプリング手段の出力を3相・2相変換する第1の3相・2相変換回路、前記第2のサンプリング手段の出力を3相・2相変換する第2の3相・2相変換回路、前記第1の3相・2相変換手段からの2相の出力のそれぞれに対して、現在時点の値を基準として90度位相が相違する時点の値を算出し、現在時点の値を実軸成分、90度位相が相違する時点の値を虚軸成分とする複素ベクトルを求める第1の2組の複素ベクトル演算回路、前記第2の3相・2相変換手段からの2相の出力のそれぞれに対して、現在時点の値を基準として90度位相が相違する時点の値を算出し、現在時点の値を実軸成分、90度位相が相違する時点の値を虚軸成分とする複素ベクトルを求める第2の2組の複素ベクトル演算回路、前記第1の2組の複素ベクトル演算回路の複素ベクトルを正相と逆相の複素ベクトルに変換する第1の正相・逆相演算回路、前記第2の2組の複素ベクトル演算回路の複素ベクトルを正相と逆相の複素ベクトルに変換する第2の正相・逆相演算回路、前記第1の正相・逆相演算回路の出力と、前記交流の位相信号とから、回転座標変換により正相電流のP軸成分とQ軸成分の大きさと、逆相電流のP軸成分とQ軸成分の大きさとを導出する第1の回転座標変換回路、前記第2の正相・逆相演算回路の出力と、前記交流の位相信号とから、回転座標変換により逆相電流のP軸成分とQ軸成分の大きさと、逆相電流のP軸成分とQ軸成分の大きさとを導出する第2の回転座標変換回路、前記第1の回転座標変換回路からの正相電流のP軸成分とQ軸成分を帰還値とし、これらを目標値にそれぞれ制御する第1の2組の電流制御回路と、該第1の2組の電流制御回路の出力を前記第1の回転座標変換回路からの前記正相電圧についてのP軸成分とQ軸成分でそれぞれ補正する2組の補正回路とを含む第1の制御部、前記第2の回転座標変換回路からの逆相電流のP軸成分とQ軸成分を帰還値とし、これらを目標値にそれぞれ制御する第2の2組の電流制御回路と、該第2の2組の電流制御回路の出力を前記第2の回転座標変換回路からの前記逆相電圧についてのP軸成分とQ軸成分でそれぞれ補正する2組の補正回路とを含む第2の制御部、前記第1の制御部の2組の補正回路出力と、前記交流の位相信号とから、正相の実軸成分と虚軸成分からなる複素ベクトルを求める第1の逆回転座標変換回路、前記第2の制御部の2組の補正回路出力と、前記交流の位相信号とから、逆相の実軸成分と虚軸成分からなる複素ベクトルを求める第2の逆回転座標変換回路、前記第1と第2の逆回転座標変換回路からの正相と逆相の実軸成分を合成する第1の合成回路、前記第1と第2の逆回転座標変換回路からの正相と逆相の虚軸軸成分を合成する第2の合成回路、第1と第2の合成回路の出力を3相信号に変換する2相・3相変換回路とを備え、前記2相・3相変換回路からの信号を基準信号として前記三相交流変換装置の点弧制御を行うことを特徴とする電力変換装置の制御装置。
  13. 第12項記載の電力変換装置の制御装置において、
    前記複素ベクトル演算回路において現在時点の値から、次回サンプリング時の値を予測演算し、予測値と次回サンプリング時の値が相違するときには、現在時点の値と予測値とから、90度位相が相違する時点の値を算出し、予測値と次回サンプリング時が合致するときには、現在時点の値と、次回サンプリング時の値もしくは予測値から、90度位相が相違する時点の値を算出することを特徴とする電力変換装置の制御装置。
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