JP2011196230A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸素センサの出力のリッチ反転及びリーン反転のいずれか一方に応答遅れが生じている場合にこれを的確に把握することができる。
【解決手段】内燃機関1の排気浄化装置は、排気通路13に排気上流側から順に酸素吸蔵触媒15、酸素センサ24を備える。電子制御装置2は、触媒15に吸蔵されている酸素量が最大であると推定されるときに強制リッチ化制御を実行し、同制御の開始から酸素センサ24の出力がリッチ反転するまでの期間に最大酸素放出量を同期間に基づき推定する。触媒15に吸蔵されている酸素量が最小であると推定されるときに強制リーン化制御を実行し、同制御の開始から酸素センサ24の出力がリーン反転するまでの期間に最大酸素吸蔵量を同期間に基づき推定する。そして、最大酸素放出量と最大酸素吸蔵量との偏差の絶対値が所定値以上である場合に上記応答遅れが生じていると判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の排気通路に設けられるとともに酸素吸蔵能力を有する触媒と、排気通路において触媒の排気下流側に設けられるとともに排気の空燃比に応じた信号を出力する酸素センサとを備える内燃機関の排気浄化装置に関する。
内燃機関の排気浄化装置においては、排気通路に設けられる触媒を通じて、排気に含まれる一酸化炭素(CO)及び炭化水素(HC)が酸化されるとともに、窒素酸化物(NOx)が還元されることにより、これらが浄化される。ここで、触媒雰囲気が理論空燃比であるときには、HC、CO、及びNOxの浄化反応(酸化還元反応)を同時に行なうことができる。しかし、触媒雰囲気が理論空燃比からずれたときにはHC、CO、及びNOxの浄化反応を同時に行なうことができない。そこで、排気通路に酸素吸蔵能力を有する触媒を設けることにより、一時的な空燃比のずれから生じる酸素の過不足を補うことで、上述したような空燃比のずれによる排気浄化効率の低下を抑制するようにしている(例えば特許文献1)。
こうした排気浄化触媒では、排気通路において触媒の排気上流側に排気の空燃比に比例した信号を出力する空燃比センサが設けられている。また、触媒の排気下流側には、排気の空燃比に応じた信号、具体的には、排気の空燃比が理論空燃比よりもリーンであるときには約0Vを出力するとともに、排気の空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときには約1Vを出力する酸素センサが設けられている。
ところで、触媒は劣化等によりその酸素吸蔵能力が低下することとなる。そこで、触媒の最大酸素吸蔵量を推定することにより、触媒の酸素吸蔵能力、すなわち触媒の劣化度合を把握するようにしている。具体的には、触媒に流入する排気の空燃比を強制的に理論空燃比よりもリッチにして触媒から酸素を放出させるようにする。そして、触媒がこれ以上酸素を放出することができなくなると、酸素センサの出力が0Vから1Vにリッチ反転する。こうして酸素センサの出力がリッチ反転すると、触媒に流入する排気の空燃比を強制的に理論空燃比よりもリーンにして触媒に酸素を吸蔵させるようにする。そして、触媒がこれ以上酸素を吸蔵することができなくなると、酸素センサの出力が1Vから0Vにリーン反転する。ここで、触媒の最大酸素吸蔵量は酸素センサの出力がリッチ反転してからリーン反転するまでの期間に触媒に流入した酸素量に相当する。そのため、機関運転状態に基づいて単位時間当りに触媒に流入した酸素量を推定するとともに、これを上記期間にわたって積算することにより最大酸素吸蔵量を推定することができる。また、触媒の最大酸素放出量は酸素センサの出力がリーン反転してからリッチ反転するまでの期間に触媒から放出された酸素量に相当する。そのため、機関運転状態に基づいて単位時間当りに触媒から放出される酸素量を推定するとともに、これを上記期間にわたって積算することにより最大酸素放出量を推定することができる。
特開2007―154749号公報
ところが、何等かの原因により、酸素センサの出力のリッチ反転或いはリーン反転に応答遅れが生じるおそれがある。この場合、酸素センサ近傍における実際の排気の空燃比が理論空燃比よりもリーンからリッチになったタイミングよりも遅れて酸素センサの出力がリッチ反転する。また、酸素センサ近傍における実際の排気の空燃比が理論空燃比よりもリッチからリーンになったタイミングよりも遅れて酸素センサの出力がリーン反転する。そのため、最大酸素吸蔵量或いは最大酸素放出量を的確に推定することができなくなくなる。その結果、最大酸素吸蔵量或いは最大酸素放出量に基づいて触媒の異常の有無の判定を行うものにあっては、同判定を的確に行なうことができないといった問題が生じる。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、酸素センサの出力のリッチ反転及びリーン反転のいずれか一方に応答遅れが生じている場合に、これを的確に把握することのできる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、内燃機関の排気通路に設けられるとともに酸素吸蔵能力を有する触媒と、前記排気通路において前記触媒の排気下流側に設けられるとともに排気の空燃比に応じた信号を出力する酸素センサと、前記触媒に吸蔵されている酸素量が最大であるか否か或いは最小であるか否かを推定する第1推定部と、前記第1推定部により前記触媒に吸蔵されている酸素量が最大であると推定されるときに、前記触媒に流入する排気の空燃比を強制的に理論空燃比よりもリッチにする強制リッチ化制御を実行するとともに、当該強制リッチ化制御が開始されてから、前記酸素センサの出力が理論空燃比よりもリーンの空燃比に対応した値から理論空燃比よりもリッチの空燃比に対応した値にリッチ反転するまでの期間に同触媒から放出された酸素量を同期間に基づいて推定する第2推定部と、前記第1推定部により前記触媒に吸蔵されている酸素量が最小であると推定されるときに、前記触媒に流入する排気の空燃比を強制的に理論空燃比よりもリーンにする強制リーン化制御を実行するとともに、当該強制リーン化制御が開始されてから、前記酸素センサの出力が理論空燃比よりもリッチの空燃比に対応した値から理論空燃比よりもリーンの空燃比に対応した値にリーン反転するまでの期間に同触媒に吸蔵された酸素量を同期間に基づいて推定する第3推定部と、前記第2推定部により推定された酸素放出量と前記第3推定部により推定された酸素吸蔵量との乖離度合が所定度合以上である場合に、前記酸素センサの出力のリッチ反転及びリーン反転のいずれか一方に応答遅れ異常が生じていると判定する判定部と、を備えることをその要旨としている。
触媒に吸蔵されている酸素量が最大であるときに、触媒に流入する排気の空燃比を強制的に理論空燃比よりもリッチにする強制リッチ化制御を実行すると、触媒から酸素が放出されるようになる。そして、触媒がこれ以上酸素を放出することができなくなると、触媒に流入する排気の空燃比が理論空燃比よりもリッチとなることで、酸素センサの出力がリッチ反転する。ただし、酸素センサの出力のリッチ反転に応答遅れが生じている場合には、実際に触媒が酸素を放出することができなくなったタイミングよりも遅れて酸素センサの出力がリッチ反転することとなる。そのため、強制リッチ化制御を開始してから、酸素センサの出力がリッチ反転するまでの期間に同触媒から放出された酸素量を同期間に基づいて推定すると、酸素放出量は、実際に放出された酸素量よりも大きな値となる。
また、触媒に吸蔵されている酸素量が最小であるときに、触媒に流入する排気の空燃比を強制的に理論空燃比よりもリーンにする強制リーン化制御を実行すると、触媒に酸素が吸蔵されるようになる。そして、触媒がこれ以上酸素を吸蔵することができなくなると、触媒に流入する排気の空燃比が理論空燃比よりもリーンとなることで、酸素センサの出力がリーン反転する。ただし、酸素センサの出力のリーン反転に応答遅れが生じている場合には、実際に触媒が酸素を吸蔵することができなくなったタイミングよりも遅れて酸素センサの出力がリーン反転することとなる。そのため、強制リーン化制御を実行してから、酸素センサの出力がリーン反転するまでの期間に同触媒に吸蔵された酸素量を同期間に基づいて推定すると、酸素吸蔵量は、実際に吸蔵された酸素量よりも大きな値となる。
これらのことから、酸素センサの出力のリッチ反転及びリーン反転のいずれか一方に応答遅れが生じている場合には、推定される酸素放出量及び酸素吸蔵量のいずれか一方が他方に対して大きな値として算出されることとなる。従って、上記構成によるように、推定される酸素放出量と酸素吸蔵量との乖離度合が所定度合以上である場合に、酸素センサの出力のリッチ反転及びリーン反転のいずれか一方に応答遅れ異常が生じていると判定することとすれば、酸素センサの出力のリッチ反転及びリーン反転のいずれか一方に応答遅れが生じていることを的確に把握することができるようになる。
(2)請求項1に記載の発明は、請求項2に記載の発明によるように、前記第2推定部は、当該強制リッチ化制御が開始されてから、前記酸素センサの出力がリッチ反転するまでの期間に、機関運転状態に基づいて単位時間当りに同触媒から放出された酸素量を推定するとともに、これを同期間にわたって積算することにより前記酸素放出量を推定するものであり、前記第3推定部は、当該強制リーン化制御が開始されてから、前記酸素センサの出力がリーン反転するまでの期間に、機関運転状態に基づいて単位時間当りに同触媒に吸蔵された酸素量を推定するとともに、これを同期間にわたって積算することにより前記酸素吸蔵量を推定するものであるといった態様をもって具体化することができる。これにより、酸素放出量及び酸素吸蔵量を的確に推定することができるようになる。
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記第1推定部は、前記酸素センサが理論空燃比よりもリーンの空燃比に対応した値を所定期間継続して出力しているときに、前記触媒に吸蔵されている酸素量が最大であると推定することをその要旨としている。
酸素センサが理論空燃比よりもリーンの空燃比に対応した値を所定期間継続して出力しているときには、触媒に吸蔵されている酸素量が最大となっている。従って、上記構成によれば、触媒に吸蔵されている酸素量が最大であることを簡易且つ的確に推定することができるようになる。尚、触媒及び酸素センサを用いた実験やシミュレーションを通じて所定期間を設定することが望ましい。
(4)請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記第1推定部は、前記酸素センサの出力がリッチ反転したときに、前記触媒に吸蔵されている酸素量が最小であると推定することをその要旨としている。
同構成によれば、触媒に吸蔵されている酸素量が最小であることを簡易に推定することができるようになる。
また、請求項3に記載の発明に対して、本発明を適用した場合には、例えば以下の手順にて酸素放出量及び酸素吸蔵量を推定することが望ましい。すなわち、酸素センサが理論空燃比よりもリーンの空燃比に対応した値を所定期間継続して出力しているときに、触媒に吸蔵されている酸素量が最大であるとして、酸素放出量の推定を開始し、これを、酸素センサの出力がリッチ反転するまで行なう。そして、酸素センサの出力がリッチ反転すると、触媒に吸蔵されている酸素量が最小であるとして、酸素吸蔵量の推定を開始し、これを、酸素センサの出力がリーン反転するまで行なう。このように、酸素放出量の推定及び酸素吸蔵量の推定を交互に行なうことにより、これら酸素放出量及び酸素吸蔵量全体の推定に要する時間を短くすることができるようになる。
(5)請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記第1推定部により前記触媒に吸蔵されている酸素量が最小であると推定されるときに、内燃機関の燃料噴射を停止する燃料カット制御を行なうとともに、当該燃料カット制御が開始されてから、前記酸素センサの出力がリーン反転するまでの期間に基づいて同酸素センサのリーン反転における応答遅れ時間を推定する第4推定部を備え、前記第3推定部は、前記酸素吸蔵量を推定する際に、前記第4推定部により推定された前記酸素センサのリーン反転における応答遅れ時間を加味することをその要旨としている。
第2推定部により推定された酸素放出量と第3推定部により推定された酸素吸蔵量との乖離度合に基づいて酸素センサの出力のリッチ反転及びリーン反転のいずれか一方に応答遅れ異常が生じていると判定する構成にあっては、酸素センサ24の出力のリッチ反転及びリーン反転のいずれか一方が正常である場合には、他方についての応答遅れ異常を的確に判定することができる。しかし、酸素センサの出力のリッチ反転及びリーン反転の双方に同程度の応答遅れ異常が生じている場合には、第2推定部により推定された酸素放出量と第3推定部により推定された酸素吸蔵量とに有意な乖離が生じないことから、こうした応答遅れ異常を的確に把握することができない。
この点、上記構成によれば、燃料カット制御の実行中に酸素センサのリーン反転における応答遅れ時間を推定することにより、酸素センサの出力のリーン反転に遅れ異常が生じている場合には、これを的確に把握することができる。また、酸素センサの異常判定に先立ち、酸素吸蔵量を推定する際に、上記応答遅れ時間を加味していることにより、酸素センサの出力のリーン反転に遅れ異常が生じている場合であれ、酸素吸蔵量を精度良く推定することができるようになる。従って、酸素センサの出力のリッチ反転及びリーン反転の双方に同程度の応答遅れ異常が生じている場合であれ、これを的確に把握することができるようになる。
尚、酸素センサが理論空燃比よりもリッチの空燃比に対応した値を所定期間継続して出力しているときに、第1推定部により触媒に吸蔵されている酸素量が最小であると推定するようにすることが望ましい。
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の第1実施形態について、内燃機関及びこれを制御する電子制御装置の概略構成を示す概略図。 空燃比センサの出力特性を示すグラフ。 酸素センサの出力特性を示すグラフ。 アクティブ空燃比制御の実行中における、(a)空燃比センサの出力電圧の推移、(b)酸素センサの出力電圧の推移、(c)触媒の酸素放出量の推移、及び(d)触媒の酸素吸蔵量の推移を併せ示すタイミングチャート。 第1実施形態における異常判定の原理を説明するためのタイミングチャートであって、(a)空燃比センサの出力電圧の推移、(b)酸素センサの出力電圧の推移、(c)触媒の酸素放出量の推移、及び(d)触媒の酸素吸蔵量の推移を併せ示すタイミングチャート。 第1実施形態における異常判定の原理を説明するためのタイミングチャートであって、(a)空燃比センサの出力電圧の推移、(b)酸素センサの出力電圧の推移、(c)触媒の酸素放出量の推移、及び(d)触媒の酸素吸蔵量の推移を併せ示すタイミングチャート。 第1実施形態における異常判定処理の処理手順を示すフローチャート。 第2実施形態における応答遅れ時間の推定態様を説明するためのタイミングチャートであって、(a)燃料カット制御の実行状態の推移、(b)空燃比センサの出力電圧の推移、及び(c)酸素センサの出力電圧の推移を併せ示すタイミングチャート。 第2実施形態における応答遅れ時間の推定処理の処理手順を示すフローチャート。 第2実施形態における異常判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
[第1実施形態]
以下、図1〜図7を参照して、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置を、車両に搭載されるポート噴射式のガソリンエンジン(以下、内燃機関1)の排気浄化装置として具体化した第1実施形態について、詳細に説明する。
図1に、内燃機関1及びこれを制御する電子制御装置2の概略構成を示す。
図1に示すように、内燃機関1は、吸気通路11、燃焼室12、及び排気通路13を備えている。吸気通路11は燃焼室12に対して空気を供給する通路である。また、吸気通路11には、同通路11の吸気ポートに対して燃料を噴射する燃料噴射弁14が設けられている。吸気通路11のスロットルバルブを通じて供給される空気と燃料噴射弁14から噴射された燃料とが混合され、こうして混合された混合気が燃焼室12に供給される。燃焼室12において混合気はピストンによって圧縮され、こうして圧縮された混合気が点火プラグにより火花点火されることにより燃焼する。そして、燃焼により発生する膨張エネルギにより、内燃機関1の出力軸であるクランクシャフトが回転することとなる。
また、燃焼の際に発生した排気は、排気通路13を通じて外部に排出される。排気通路13には、酸素吸蔵能力を有する触媒15が設けられている。触媒15は、排気に含まれる一酸化炭素(CO)及び炭化水素(HC)を酸化するとともに、窒素酸化物(NOx)を還元することにより、これらを浄化する。また、触媒15は、同触媒15に流入する排気の空燃比が理論空燃比よりもリーンのときには排気に含まれる酸素を吸蔵する一方、同触媒15に流入する排気の空燃比が理論空燃比よりもリッチのときには自身が吸蔵している酸素を放出する。このため、触媒15の雰囲気が理論空燃比からずれたときであっても、HC、CO、及びNOxの浄化反応を同時に行なうことができる。
こうした内燃機関1の各種制御は、電子制御装置2により行われる。
電子制御装置2は、中央演算装置(CPU)、読込専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び入出力ポート(I/O)を備えている。ここでCPUは、内燃機関1の各種制御に係る各種演算処理を実施し、ROMは各種制御に使用するプログラムやデータを記憶する。また、RAMは、内燃機関1の各部に設けられた各種センサの検出結果やCPUの演算結果を一時記憶する。また、I/Oは、電子制御装置2と外部との信号の入出力を媒介する。
こうした電子制御装置2には、内燃機関1の各部に設けられたセンサの検出結果やスイッチの作動状態等の情報が入力されている。具体的には、クランクシャフトの回転速度である機関回転速度NEを検出する機関回転速度センサ21、及びスロットルバルブを通じて燃焼室12に供給される空気の量(吸気量)GAを検出する吸気量センサ22が設けられている。また、触媒15に流入する排気の空燃比を検出する空燃比センサ23、及び触媒15から流出する排気の酸素濃度を検出する酸素センサ24が設けられている。
また、触媒15の温度Tを検出する触媒温度センサ25が設けられている。尚、本実施形態では、触媒温度センサ25として、触媒15の温度Tを直接検出する構成を採用している。しかし、触媒15の温度Tを検出する構成はこれに限られるものではなく、触媒15の排気下流側に排気の温度を検出する排気温度センサを設け、同排気温度センサの検出結果に基づいて触媒15の温度Tを推定する構成とすることもできる。
また、これらセンサ以外にも各種のセンサが必要に応じて設けられている。
ここで、図2及び図3を参照して、空燃比センサ23及び酸素センサ24の出力特性について説明する。尚、図2に、実際の空燃比と空燃比センサ23の出力電圧Vafとの関係を示す。また、図3に、実際の空燃比と酸素センサ24の出力電圧Voxとの関係を示す。
図2に示すように、空燃比センサ23は、実際の空燃比に比例する電圧Vafを出力するものであり、空燃比が大きいほど、すなわち空燃比がリーン側であるほど大きな電圧Vafを出力する。ちなみに、空燃比が理論空燃比のときには電圧V1を出力するものとなっている。
図3に示すように、酸素センサ24は、実際の空燃比に応じた電圧Voxを出力するものであり、空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときには約1Vの電圧Voxを出力し、空燃比が理論空燃比よりもリーンであるときには約0Vの電圧Voxを出力するものとなっている。また、実際の空燃比が理論空燃比を挟んでリッチからリーンへ(或いは、リーンからリッチへ)変化するときには電圧Voxは急激に変化する。ちなみに、実際の空燃比が理論空燃比のときには0Vと1Vとの間の電圧V2を出力するものとなっている。
電子制御装置2は、上記各センサ21〜25をはじめとする各種センサの検出結果により把握される機関運転状態等に基づいて、例えば次の各制御を実行する。すなわち、機関回転速度NE及び吸気量GA等に基づいて燃料噴射量Qを算出し、同燃料噴射量Qに応じて燃料噴射弁14を制御する燃料噴射制御を実行する。
また、電子制御装置2は、空燃比センサ23の検出結果に基づいて混合気の空燃比を推定し、こうして推定された空燃比が目標空燃比に一致するように、燃料噴射量Qに対する空燃比補正値を算出して燃料噴射量を増減補正する空燃比フィードバック制御を実行する。
ところで、触媒15は劣化等によりその酸素吸蔵能力が低下することとなる。そこで、触媒15の最大酸素吸蔵量を推定することにより、触媒15の酸素吸蔵能力、すなわち触媒の劣化度合を把握するようにしている。
具体的には、電子制御装置2は、次に説明するアクティブ空燃比制御を実行するとともに、同制御の実行中に、触媒15の最大酸素放出量Crlsmax及び最大酸素吸蔵量Cstrgmaxを推定するようにしている。このアクティブ空燃比制御では、混合気の空燃比を制御することにより、触媒15に流入する排気の空燃比を強制的に理論空燃比よりもリッチにする強制リッチ化制御、及び触媒15に流入する排気の空燃比を強制的に理論空燃比よりもリーンにする強制リーン化制御を交互に行う。
ここで、図4を参照して、アクティブ空燃比制御の実行態様、最大酸素放出量Crlsmax、及び最大酸素吸蔵量Cstrgmaxの推定態様について説明する。尚、図4は、アクティブ空燃比制御の実行中における、(a)空燃比センサ23の出力電圧Vafの推移、(b)酸素センサ24の出力電圧Voxの推移、(c)触媒15の酸素放出量Crlsの推移、及び(d)触媒15の酸素吸蔵量Cstrgの推移を併せ示すタイミングチャートである。また、図4に示す例では、酸素センサ24が正常であり、その出力のリッチ反転及びリーン反転の双方に応答遅れが生じていない場合を想定している。
図4に示すように、タイミングt1までの所定期間以上にわたり目標空燃比が理論空燃比とされており、空燃比センサ23の出力Vafは理論空燃比に対応した値V1を出力している(a)。また、タイミングt1までの所定期間以上にわたり酸素センサ24は理論空燃比よりもリーンの空燃比に対応した値(0V)を出力している(b)。ここで、酸素センサ24が0Vを所定期間継続して出力していることをもって触媒15に吸蔵されている酸素量が最大であると推定するようにしている。尚、所定期間は触媒15の酸素吸蔵特性を加味した値であり、実験等を通じて予め設定されている。
ここで、タイミングt1において目標空燃比を強制的に理論空燃比よりもリッチにすると、触媒15に流入する排気の空燃比が理論空燃比よりもリッチとなり、触媒15に吸蔵されていた酸素が放出されるようになる(c)。
タイミングt2において触媒15に吸蔵されていた酸素がなくなり、触媒15がこれ以上酸素を放出することができなくなると、触媒15の排気下流側における排気の空燃比が理論空燃比よりもリーンからリッチに変化するとともに、酸素センサ24の出力Voxは0Vから1Vにリッチ反転する(b)。このアクティブ空燃比制御では、酸素センサ24の出力Voxが電圧V2を超えて上昇することをもって、目標空燃比を強制的に理論空燃比よりもリーンにする。これにより、触媒15に流入する排気の空燃比が理論空燃比よりもリーンとなり、触媒15に酸素が吸蔵されるようになる(d)。このとき、触媒15からは排気下流側に酸素が放出されないようになるため、触媒15の排気下流側における排気の空燃比が理論空燃比よりもリッチとなり、酸素センサ24の出力Voxは1Vとなる(b)。
タイミングt3において触媒15がこれ以上酸素を吸蔵することができなくなると、触媒15から排気下流側に酸素が放出されるようになるため(c)、酸素センサ24の出力Voxは1Vから0Vにリーン反転する(b)。
このように、強制リッチ化制御が開始されてから、酸素センサ24の出力Voxがリッチ反転するまでの期間(t1〜t2)に、機関運転状態に基づいて単位時間当りに触媒15から放出された酸素量を推定するとともに、これを同期間(t1〜t2)にわたって積算することにより最大酸素放出量Crlsmaxを推定する。
また、強制リーン化制御が開始されてから、酸素センサ24の出力Voxがリーン反転するまでの期間(t2〜t3)に、機関運転状態に基づいて単位時間当りに触媒15に吸蔵された酸素量を推定するとともに、これを同期間(t2〜t3)にわたって積算することにより最大酸素吸蔵量Cstrgmaxを推定する。
尚、単位時間当りに触媒15から放出される酸素量や、単位時間当りに触媒15に吸蔵された酸素量を推定するための機関運転状態として、そのときどきの空燃比及び燃料噴射量Q、或いは吸気量GAを採用することが望ましい。
ところが、何等かの原因により、酸素センサ24の出力のリッチ反転或いはリーン反転に応答遅れが生じるおそれがある。この場合、酸素センサ24近傍における実際の排気の空燃比が理論空燃比よりもリーンからリッチになったタイミングよりも遅れて酸素センサ24の出力がリッチ反転する。また、酸素センサ24近傍における実際の排気の空燃比が理論空燃比よりもリッチからリーンになったタイミングよりも遅れて酸素センサ24の出力がリーン反転する。そのため、最大酸素吸蔵量Cstrgmax或いは最大酸素放出量Crlsmaxを的確に推定することができなくなくなる。その結果、最大酸素吸蔵量Cstrgmax或いは最大酸素放出量Crlsmaxに基づいて触媒15の異常の有無の判定を行うものにあっては、同判定を的確に行なうことができないといった問題が生じる。
そこで、本実施形態では、上述した態様にて、最大酸素放出量Crlsmax及び最大酸素吸蔵量Cstrgmaxを推定するとともに、これら最大酸素放出量Crlsmaxと最大酸素吸蔵量Cstrgmaxとの偏差の絶対値ΔC(=|Crlsmax−Cstrgmax|)が所定値α以上である場合に、酸素センサ24の出力Voxのリッチ反転及びリーン反転のいずれか一方に応答遅れ異常(以下、片側応答遅れ異常)が生じていると判定するようにしている。
ここで、図5及び図6を参照して、酸素センサ24の片側応答遅れ異常の有無を判定する異常判定の原理について説明する。尚、図5及び図6は、図4に対応したタイミングチャートである。図5及び図6において、実線は酸素センサ24が正常であるときにおける各パラメータの推移を示している。また、図5において、一点鎖線は酸素センサ24の出力のリッチ反転にのみ応答遅れ異常が生じている場合における各パラメータの推移を示している。また、図6において、一点鎖線は酸素センサ24の出力のリーン反転にのみ応答遅れ異常が生じている場合における各パラメータの推移を示している。
図5及び図6に実線にて示すように、酸素センサ24が正常であるときには、触媒15の最大酸素放出量C1と最大酸素吸蔵量C1とは同一の値となる。
ただし、酸素センサ24の出力のリッチ反転に応答遅れが生じている場合には、図5に一点鎖線にて示すように、実際に触媒15が酸素を放出することができなくなったタイミングt12よりも遅れたタイミングt13において酸素センサ24の出力Voxがリッチ反転することとなる(b)。そのため、強制リッチ化制御を実行してから、酸素センサ24の出力Voxがリッチ反転するまでの期間(t11〜t13)に触媒15から放出された酸素量(以下、最大酸素放出量)を同期間(t11〜t13)に基づいて推定すると、最大酸素放出量C2は、実際に放出された酸素量C1よりも大きな値となる(C2>C1)。
一方、この場合、図5に一点鎖線にて示すように、強制リッチ化制御の後の強制リーン化制御は、リッチ反転したタイミングt13から開始される。ただし、酸素センサ24の出力のリーン反転には応答遅れが生じていないため、実際に触媒15が酸素を吸蔵することができなくなったタイミングt14において酸素センサ24の出力Voxがリーン反転することとなる(b)。そのため、強制リーン化制御を実行してから、酸素センサ24の出力がリーン反転するまでの期間(t13〜t14)に触媒15に吸蔵された酸素量(以下、最大酸素吸蔵量)を同期間(t13〜t14)に基づいて推定すると、最大酸素吸蔵量C3は、実際に吸蔵された酸素量C1よりも小さな値となる(C3<C1)。
すなわち、酸素センサ24の出力のリッチ反転に応答遅れが生じている場合には、推定される最大酸素放出量C2が最大酸素吸蔵量C3に対して大きな値として算出されることとなる(C2>C3)。
次に、酸素センサ24の出力のリーン反転に応答遅れが生じている場合について説明する。図6に示すように、タイミングt21から強制リッチ化制御が開始される。ここで、酸素センサ24の出力のリッチ反転には応答遅れが生じていないため、実際に触媒15が酸素を放出することができなくなったタイミングt22において酸素センサ24の出力Voxがリッチ反転することとなる(b)。そのため、酸素センサ24の出力Voxのリーン反転に応答遅れが生じている場合に推定される最大酸素放出量C1は、酸素センサ24が正常である場合のそれと同一の値となる。
一方、酸素センサ24の出力のリーン反転に応答遅れが生じていることから、図6に一点鎖線にて示すように、実際に触媒15が酸素を吸蔵することができなくなったタイミングt23よりも遅れたタイミングt24において酸素センサ24の出力Voxがリーン反転することとなる。そのため、強制リーン化制御を実行してから、酸素センサ24の出力Voxがリーン反転するまでの期間(t22〜t24)に触媒15に吸蔵された酸素量(以下、最大酸素吸蔵量)を同期間(t22〜t24)に基づいて推定すると、最大酸素吸蔵量C4は、実際に吸蔵された酸素量C1よりも大きな値となる(C4>C1)。
すなわち、酸素センサ24の出力Voxのリーン反転に応答遅れが生じている場合には、推定される最大酸素吸蔵量C4が最大酸素吸蔵量C1に対して大きな値として算出されることとなる(C4>C1)。
これらのことから、酸素センサ24の出力Voxのリッチ反転及びリーン反転のいずれか一方に応答遅れが生じている場合には、推定される最大酸素放出量Crlsmax及び酸素吸蔵量Cstrgmaxのいずれか一方が他方に対して大きな値として算出されることとなる。従って、上述したように、推定される最大酸素放出量Crlsmaxと最大酸素吸蔵量Cstrgmaxとの偏差の絶対値ΔC(=|Crlsmax−Cstrgmax|)が所定値α以上である場合に、酸素センサ24の出力Voxの片側応答遅れ異常が生じていると判定することとすれば、酸素センサ24の出力Voxの片側応答遅れ異常が生じていることを的確に把握することができる。ちなみに、所定値αを小さくするほど、酸素センサ24の出力Voxの片側遅れ異常の度合が小さい場合であってもこれを把握することができる。しかしながら、推定される最大酸素放出量Crlsmax及び最大酸素吸蔵量Cstrgmaxには、各種センサの検出結果に含まれるノイズに起因して、ある程度の誤差が含まれることとなる。従って、本実施形態では、こうした誤差の影響が排除されるように、実験やシミュレーションを通じて所定値を適切な値に設定するようにしている。
次に、図7を参照して、酸素センサ24の片側応答遅れ異常の有無を判定する異常判定処理について説明する。尚、図7は、異常判定処理の処理手順を示すフローチャートである。また、このフローチャートに示される一連の処理は、電子制御装置2により内燃機関1の運転中に所定期間毎に繰り返し実行される。
図7に示すように、この一連の処理では、電子制御装置2は、まず、ステップS1において、アクティブ空燃比制御の実行条件が成立しているか否かを判断する。ここで、アクティブ空燃比制御の実行条件としては、触媒15の温度Tが所定温度以上であることを挙げることができる。また、アクティブ空燃比制御が行なわれていない状態において酸素センサ24が0Vを所定期間継続して出力していること、すなわち触媒15に吸蔵されている酸素量が最大であると推定されることを挙げることができる。尚、所定温度は、触媒15の活性化温度よりも高い温度として設定されることが望ましい。
ステップS1において、アクティブ空燃比制御の実行条件が成立していない場合(ステップS1:「NO」)には、異常判定処理の実行機会ではないとして、この一連の処理を一旦終了する。
一方、ステップS1において、アクティブ空燃比制御の実行条件が成立している場合(ステップS1:「YES」)には、次に、ステップS2に進んで、アクティブ空燃比制御のうち強制リッチ化制御を実行する。そして、次に、ステップS3に進んで、そのときの機関運転状態に基づいて単位時間当りに触媒15から放出された酸素量を推定するとともに、これをそれまでの酸素放出量Crlsに対して加算することにより、酸素放出量Crlsを更新する。尚、酸素放出量Crlsの初期値は「0」とされている。そして、次に、ステップS4に進んで、酸素センサ24の出力Voxがリッチ反転したか否かを判断する(ステップS4)。ここでは、酸素センサ24の出力Voxが所定値V2未満から所定値V2以上となることをもってリッチ反転したと判断する。ステップS4において、酸素センサ24の出力Voxがリッチ反転していない場合(ステップS4:「NO」)には、リッチ反転するまで、上記ステップS3、S4の処理、すなわち酸素放出量Crlsの更新処理を所定期間毎に繰り返し実行する。
ステップS4において、酸素センサ24の出力Voxがリッチ反転した場合(ステップS4:「YES」)には、次に、ステップS5に進んで、そのときの酸素放出量Crlsを最大酸素放出量Crlsmaxとして設定する。そして、次に、ステップS6に進んで、強制リーン化制御を実行する。そして、次に、ステップS7に進んで、そのときの機関運転状態に基づいて単位時間当りに触媒15に吸蔵された酸素量を推定するとともに、これをそれまでの酸素吸蔵量Cstrgに対して加算することにより、酸素吸蔵量Cstrgを更新する。尚、酸素吸蔵量Cstrgの初期値は「0」とされている。そして、次に、ステップS8に進んで、酸素センサ24の出力Voxがリーン反転したか否かを判断する(ステップS8)。ここでは、酸素センサ24の出力Voxが所定値V2以上から所定値V2未満となることをもってリーン反転したと判断する。ステップS8において、酸素センサ24の出力Voxがリーン反転していない場合(ステップS8:「NO」)には、リーン反転するまで、上記ステップS7、S8の処理、すなわち酸素吸蔵量Cstrgの更新処理を所定期間毎に繰り返し実行する。
ステップS8において、酸素センサ24の出力Voxがリーン反転した場合(ステップS8:「YES」)には、次に、ステップS9に進んで、そのときの酸素吸蔵量Cstrgを最大酸素吸蔵量Cstrgmaxとして設定する。そして、次に、ステップS10に進んで、ステップS5にて設定した最大酸素放出量CrlsmaxとステップS9にて設定した最大酸素吸蔵量Cstrgmaxとの偏差の絶対値ΔC(=|Crlsmax−Cstrgmax|)を算出する。そして、次に、ステップS11に進んで、この偏差の絶対値ΔCが所定値α以上であるか否かを判断する。その結果、この偏差の絶対値ΔCが所定値α以上である場合(ステップS11:「YES」)には、酸素センサ24の出力の片側応答遅れ異常があると判定する(ステップS12)。一方、この偏差の絶対値ΔCが所定値α未満である場合(ステップS11:「NO」)には、酸素センサ24の出力の片側応答遅れ異常がないと判定する(S13)。こうして判定が行なわれると、次に、ステップS14に進んで、強制リーン化制御を停止し、この一連の処理を一旦終了する。
尚、本実施形態において、電子制御装置2が、本発明に係る第1推定部、第2推定部、第3推定部、及び判定部に相当する。
以上説明した本実施形態に係る内燃機関の排気浄化装置によれば、以下に示す作用効果が得られるようになる。
(1)内燃機関1の排気浄化装置は、内燃機関1の排気通路13に設けられるとともに酸素吸蔵能力を有する触媒15と、排気通路13において触媒15の排気下流側に設けられるとともに排気の空燃比に応じた信号を出力する酸素センサ24とを備える。電子制御装置2は、触媒15に吸蔵されている酸素量Cを推定する。また、触媒15に吸蔵されている酸素量Cが最大であると推定されるときに、触媒15に流入する排気の空燃比を強制的に理論空燃比よりもリッチにする強制リッチ化制御を実行するとともに、当該強制リッチ化制御が開始されてから、酸素センサ24の出力Voxが理論空燃比よりもリーンの空燃比に対応した値(0V)から理論空燃比よりもリッチの空燃比に対応した値(1V)にリッチ反転するまでの期間に触媒15から放出された酸素量(最大酸素放出量Crlsmax)を同期間に基づいて推定する。また、触媒15に吸蔵されている酸素量Cが最小であると推定されるときに、触媒15に流入する排気の空燃比を強制的に理論空燃比よりもリーンにする強制リーン化制御を実行するとともに、当該強制リーン化制御が開始されてから、酸素センサ24の出力Voxが理論空燃比よりもリッチの空燃比に対応した値(1V)から理論空燃比よりもリーンの空燃比に対応した値(0V)にリーン反転するまでの期間に触媒15に吸蔵された酸素量(最大酸素吸蔵量Cstrgmax)を同期間に基づいて推定する。そして、最大酸素放出量Crlsmaxと最大酸素吸蔵量Cstrgmaxとの偏差の絶対値ΔC(=|Crlsmax−Cstrgmax|)が所定値α以上である場合に、酸素センサ24の出力Voxのリッチ反転及びリーン反転のいずれか一方に応答遅れ異常が生じていると判定するようにしている。これにより、酸素センサ24の出力Voxのリッチ反転及びリーン反転のいずれか一方に応答遅れが生じていることを的確に把握することができるようになる。
(2)電子制御装置2は、強制リッチ化制御が開始されてから、酸素センサ24の出力Voxがリッチ反転するまでの期間に、機関運転状態に基づいて単位時間当りに触媒15から放出された酸素量を推定するとともに、これを同期間にわたって積算することにより最大酸素放出量Crlsmaxを推定するようにしている。また、強制リーン化制御が開始されてから、酸素センサ24の出力Voxがリーン反転するまでの期間に、機関運転状態に基づいて単位時間当りに同触媒15に吸蔵された酸素量を推定するとともに、これを同期間にわたって積算することにより最大酸素吸蔵量Cstrgmaxを推定するようにしている。これにより、最大酸素放出量Crlsmax及び最大酸素吸蔵量Cstrgmaxを的確に推定することができるようになる。
(3)電子制御装置2は、酸素センサ24が理論空燃比よりもリーンの空燃比に対応した値(0V)を所定期間継続して出力しているときに、触媒15に吸蔵されている酸素量が最大であると推定するようにしている。酸素センサ24が理論空燃比よりもリーンの空燃比に対応した値(0V)を所定期間継続して出力しているときには、触媒15に吸蔵されている酸素量が最大となっている。従って、上記実施形態によれば、触媒15に吸蔵されている酸素量が最大であることを簡易且つ的確に推定することができるようになる。
(4)電子制御装置2は、酸素センサ24の出力Voxがリッチ反転したときに、触媒15に吸蔵されている酸素量が最小であると推定するようにしている。これにより、触媒15に吸蔵されている酸素量が最小であることを簡易に推定することができるようになる。
(5)電子制御装置2は、酸素センサ24が理論空燃比よりもリーンの空燃比に対応した値(0V)を所定期間継続して出力しているときに、触媒15に吸蔵されている酸素量が最大であるとして、酸素放出量の推定を開始し、これを、酸素センサ24の出力Voxがリッチ反転するまで行なうようにしている。そして、酸素センサ24の出力Voxがリッチ反転すると、触媒15に吸蔵されている酸素量が最小であるとして、酸素吸蔵量の推定を開始し、これを、酸素センサ24の出力Voxがリーン反転するまで行なうようにしている。このように、最大酸素放出量Crlsmaxの推定及び酸素吸蔵量Cstrgmaxの推定を交互に行なうことにより、これら最大酸素放出量Crlsmax及び最大酸素吸蔵量Cstrgmax全体の推定に要する時間を短くすることができるようになる。
[第2実施形態]
以下、本発明の内燃機関の排気浄化装置を具体化した第2実施形態について詳細に説明する。
先の第1実施形態では、最大酸素放出量Crlsmaxと最大酸素吸蔵量Cstrgmaxとの偏差の絶対値ΔCが所定値α以上である場合に、酸素センサ24の出力Voxのリッチ反転及びリーン反転のいずれか一方に応答遅れ異常が生じていると判定するようにした。こうした判定態様によれば、酸素センサ24の出力のリッチ反転及びリーン反転のいずれか一方が正常である場合には、他方についての応答遅れ異常を的確に判定することができる。しかし、酸素センサ24の出力のリッチ反転及びリーン反転の双方に同程度の応答遅れ異常が生じている場合には、最大酸素放出量Crlsmaxと最大酸素吸蔵量Cstrgmaxとに有意な乖離が生じないことから、こうした応答遅れ異常を的確に把握することができない。
そこで、本実施形態では、電子制御装置2は、触媒15に吸蔵されている酸素量が最小であると推定されるときに、内燃機関1の燃料噴射を停止する燃料カット制御を行なうとともに、当該燃料カット制御が開始されてから、酸素センサ24の出力Voxがリーン反転するまでの期間に基づいて酸素センサ24のリーン反転における応答遅れ時間τを推定するようにしている。これにより、酸素センサ24の出力のリーン反転に遅れ異常が生じている場合に、これを的確に把握するようにしている。
また、酸素センサ24の異常判定に先立ち、最大酸素吸蔵量Cstrgmaxを推定する際に、上記応答遅れ時間τを加味するようにしている。これにより、酸素センサ24の出力のリーン反転に応答遅れ異常が生じている場合であれ、最大酸素吸蔵量Cstrgmaxを精度良く推定することができる。これにより、酸素センサ24の出力のリッチ反転及びリーン反転の双方に同程度の応答遅れ異常が生じている場合であれ、これを的確に把握するようにしている。
ここで、図8を参照して、酸素センサ24の出力のリーン反転における応答遅れ時間τの推定態様について説明する。尚、図8は、(a)燃料カット制御の実行状態の推移、(b)空燃比センサ23の出力電圧Vafの推移、及び(c)酸素センサ24の出力電圧Voxの推移を併せ示すタイミングチャートである。また、図8に示す例では、酸素センサ24が正常である場合を実線にて示すとともに、酸素センサ24のリーン反転に応答遅れが生じている場合を一点鎖線にて示している。
まずは、図8に示すように、酸素センサ24が理論空燃比よりもリッチの空燃比に対応した値(1V)を所定期間継続して出力しているタイミングt31においては、触媒15に吸蔵されている酸素量が最小であると推定することができる。このタイミングt31において、燃料カット制御を開始して、内燃機関1の燃料噴射を停止する(a)。これにより、タイミングt31以降においては、内燃機関1の外部から吸気通路11を通じて供給される吸気が排気通路13にそのまま流入するようになることから、空燃比センサ23は理論空燃比よりもリーンの空燃比に対応した値を出力するようになる(b)。また、触媒15に流入する排気、すなわち吸気の空燃比が理論空燃比よりもリーンとなるため、触媒15は酸素を吸蔵するようになる。そして、タイミングt32において触媒15がこれ以上酸素を吸蔵することができなくなると、酸素センサ24が正常である場合には、図8に実線にて示すように、このタイミングt32においてリーン反転する(c)。一方、酸素センサ24の出力のリーン反転に応答遅れが生じている場合には、図8に一点鎖線にて示すように、タイミングt32よりも遅れたタイミングt33においてリーン反転する(c)。すなわち、酸素センサ24のリーン反転における応答遅れ時間τは、当該燃料カット制御の開始から酸素センサ24の出力がリーン反転するまでの時間(以下、リッチ時間trich(=t33―t31))から、酸素センサ24が正常である場合において当該燃料カット制御の開始から酸素センサ24の出力がリーン反転するまでの時間(以下、基準時間tref(=t32−t31))を減じることにより推定することができる。
次に、図9を参照して、酸素センサ24のリーン反転における応答遅れ時間τの推定処理について説明する。尚、図9は、酸素センサ24のリーン反転における応答遅れ時間τの推定処理の処理手順を示すフローチャートである。また、このフローチャートに示される一連の処理は、電子制御装置2により内燃機関1の運転中に所定期間毎に繰り返し実行される。
図9に示すように、この一連の処理では、電子制御装置2は、まず、ステップS21において、応答遅れ時間τの推定処理の実行条件が成立しているか否かを判断する。ここで、応答遅れ時間τの推定処理の実行条件としては、触媒15の温度Tが所定温度以上であることを挙げることができる。また、アクティブ空燃比制御が行なわれていない状態において酸素センサ24が1Vを所定期間継続して出力していること、すなわち触媒15に吸蔵されている酸素量が最小であると推定されることを挙げることができる。また、燃料カット制御が実行されていることを挙げることができる。尚、所定温度は、触媒15の活性化温度よりも高い温度として設定されることが望ましい。
ステップS21において、応答遅れ時間τの推定処理の実行条件が成立していない場合(ステップS21:「NO」)には、当該推定処理の実行機会ではないとして、この一連の処理を一旦終了する。
ステップS21において、応答遅れ時間τの推定処理の実行条件が成立している場合(ステップS21:「YES」)には、次に、ステップS22に進んで、燃料カット制御が開始されてからの時間Δtを更新する。そして、次に、ステップS23に進んで、酸素センサ24の出力Voxがリーン反転したか否かを判断する。ステップS23において、酸素センサ24の出力Voxがリーン反転していない場合(ステップS23:「NO」)には、リーン反転するまで、上記ステップS22、S23の処理、すなわち燃料カット制御が開始されてからの時間Δtの更新処理を所定期間毎に繰り返し実行する。
ステップS23において、酸素センサ24の出力Voxがリーン反転した場合(ステップS23:「YES」)には、次に、ステップS24に進んで、そのときの時間Δtをリッチ時間trichとして設定する。そして、次に、ステップS25に進んで、ステップS24にて設定したリッチ時間trichから、基準時間trefを減じることにより、酸素センサ24のリーン反転における応答遅れ時間τを算出して、この一連の処理を一旦終了する。
ここで、基準時間trefとしては、酸素センサ24及び触媒15を用いた実験やシミュレーションを通じて予め設定された値を用いている。ただし、基準時間trefは触媒15の酸素吸蔵能力、すなわち劣化度合に応じて変化することから、周知の態様にて触媒15の劣化度合を推定するとともに、その推定結果に基づいて基準時間trefを定期的に更新することが望ましい。
次に、図10を参照して、酸素センサ24の片側応答遅れ異常の有無を判定する異常判定処理について説明する。尚、図10は、異常判定処理の処理手順を示すフローチャートである。また、このフローチャートに示される一連の処理は、電子制御装置2により内燃機関1の運転中に所定期間毎に繰り返し実行される。
以下、先の第1実施形態との相違点について説明する。
すなわち、図10に示すように、本実施形態では、ステップS39の処理以外の処理(ステップS31〜S38、S40〜S44)については、先の図7に示したフローチャートの対応する処理(ステップS1〜S8、S10〜S14)と同一の処理を行なう。
ステップS39においては、最大酸素吸蔵量Cstrgmaxを推定する際に、図8及び図9にて説明した酸素センサ24の出力のリーン反転における応答遅れ時間τを加味する。具体的には、実際に酸素センサ24の出力がリーン反転したときの酸素吸蔵量Cstrgを最大酸素吸蔵量Cstrgmaxとするのではなく、酸素センサ24の出力がリーン反転したタイミングより応答遅れ時間τだけ前のタイミングから上記リーン反転したタイミングまでの期間において触媒15に吸蔵された酸素量については上記酸素吸蔵量Cstrgから減じたものを最大酸素吸蔵量Cstrgmaxとするようにしている。これにより、酸素センサ24の出力のリーン反転における応答遅れ時間に起因して、最大酸素吸蔵量Cstrgmaxが過大に推定されることを抑制するようにしている。
尚、本実施形態において、電子制御装置2が、本発明に係る第4推定部に相当する。
以上説明した本実施形態に係る内燃機関の排気浄化装置によれば、先の第1実施形態の作用効果(1)〜(5)に加えて、以下に示す作用効果が得られるようになる。
(6)電子制御装置2は、酸素センサ24が理論空燃比よりもリッチの空燃比に対応した値(1V)を所定期間継続して出力しているときに、内燃機関1の燃料噴射を停止する燃料カット制御を行なうとともに、当該燃料カット制御が開始されてから、酸素センサ24の出力Voxがリーン反転するまでの期間に基づいて酸素センサ24のリーン反転における応答遅れ時間τを推定するようにしている。また、最大酸素吸蔵量Cstrgmaxを推定する際に、上記応答遅れ時間τを加味するようにしている。これにより、酸素センサ24の出力のリッチ反転及びリーン反転の双方に同程度の応答遅れ異常が生じている場合であれ、これを的確に把握することができるようになる。
[第3実施形態]
以下、本発明の内燃機関の排気浄化装置を具体化した第3実施形態について詳細に説明する。
先の第1、第2実施形態では、触媒15の最大酸素放出量Crlsmax及び最大酸素吸蔵量Cstrgmaxを推定するとともに、これら最大酸素放出量Crlsmaxと最大酸素吸蔵量Cstrgmaxとの偏差の絶対値ΔCに基づいて酸素センサ24の出力Voxのリッチ反転及びリーン反転のいずれか一方に応答遅れ異常が生じていると判定するようにした。
これに対して、本実施形態では、触媒15の最大酸素放出量Crlsmax及び最大酸素吸蔵量Cstrgmaxを推定するのではく、強制リッチ化制御の実行中において単位時間当りに触媒15から放出される酸素量を所定量に制御するとともに、強制リッチ化制御が開始されてから、酸素センサ24の出力Voxがリッチ反転するまでの時間(以下、リーン継続時間Δtlean)を計測するようにしている。
また、強制リーン化制御の実行中において単位時間当りに触媒15に吸蔵される酸素量を所定量に制御するとともに、強制リーン化制御が開始されてから、酸素センサ24の出力Voxがリーン反転するまでの時間(以下、リッチ継続時間Δtrich)を計測するようにしている。
そして、これらリーン継続時間Δtleanとリッチ継続時間Δtrichとの偏差の絶対値ΔS(=|Δtlean−Δtrich|)が所定値β以上である場合に、酸素センサ24の出力Voxのリッチ反転及びリーン反転のいずれか一方に応答遅れ異常が生じていると判定するようにしている。
すなわち、本実施形態では、強制リッチ化制御の実行中において単位時間当りに触媒15から放出される酸素量が一定となるように目標空燃比を制御することで、計測される上記リーン継続時間Δtleanを触媒15の酸素放出量とみなしている。また、強制リーン化制御の実行中において単位時間当りに触媒15に吸蔵される酸素量が一定となるように目標空燃比を制御することで、計測される上記リッチ継続時間Δtrichを触媒15の酸素吸蔵量とみなしている。
以上説明した本実施形態に係る内燃機関の排気浄化装置によれば、先の第1実施形態の作用効果(1)〜(5)及び第2実施形態の作用効果(6)に準じた作用効果が得られるようになる。
尚、本発明にかかる内燃機関の排気浄化装置は、上記実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、これを適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記第1実施形態及び第2実施形態では、最大酸素放出量Crlsmaxの推定及び最大酸素吸蔵量Cstrgmaxの推定を続けて行なうようにしているが、本発明はこれに限られるものではない。他に例えば、最大酸素吸蔵量Cstrgmaxの推定をした後に、最大酸素放出量Crlsmaxの推定を行うようにしてもよい。また、これらの各推定の間に、通常の燃料噴射制御が介在してもよい。
・上記各実施形態では、第2推定部により推定される酸素放出量と第3推定部により推定される酸素吸蔵量との差に基づいて酸素センサ24の片側応答遅れ異常の判定を行なうようにしているが、本発明はこれに限られるものではなく、これら酸素放出量と酸素吸蔵量との比に基づいて異常判定を行うようにしてもよい。
1…内燃機関、11…吸気通路、12…燃焼室、13…排気通路、14…燃料噴射弁、15…触媒、2…電子制御装置、21…機関回転速度センサ、22…吸気量センサ、23…空燃比センサ、24…酸素センサ、25…触媒温度センサ。

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられるとともに酸素吸蔵能力を有する触媒と、
    前記排気通路において前記触媒の排気下流側に設けられるとともに排気の空燃比に応じた信号を出力する酸素センサと、
    前記触媒に吸蔵されている酸素量が最大であるか否か或いは最小であるか否かを推定する第1推定部と、
    前記第1推定部により前記触媒に吸蔵されている酸素量が最大であると推定されるときに、前記触媒に流入する排気の空燃比を強制的に理論空燃比よりもリッチにする強制リッチ化制御を実行するとともに、当該強制リッチ化制御が開始されてから、前記酸素センサの出力が理論空燃比よりもリーンの空燃比に対応した値から理論空燃比よりもリッチの空燃比に対応した値にリッチ反転するまでの期間に同触媒から放出された酸素量を同期間に基づいて推定する第2推定部と、
    前記第1推定部により前記触媒に吸蔵されている酸素量が最小であると推定されるときに、前記触媒に流入する排気の空燃比を強制的に理論空燃比よりもリーンにする強制リーン化制御を実行するとともに、当該強制リーン化制御が開始されてから、前記酸素センサの出力が理論空燃比よりもリッチの空燃比に対応した値から理論空燃比よりもリーンの空燃比に対応した値にリーン反転するまでの期間に同触媒に吸蔵された酸素量を同期間に基づいて推定する第3推定部と、
    前記第2推定部により推定された酸素放出量と前記第3推定部により推定された酸素吸蔵量との乖離度合が所定度合以上である場合に、前記酸素センサの出力のリッチ反転及びリーン反転のいずれか一方に応答遅れ異常が生じていると判定する判定部と、を備える
    内燃機関の排気浄化装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、
    前記第2推定部は、当該強制リッチ化制御が開始されてから、前記酸素センサの出力がリッチ反転するまでの期間に、機関運転状態に基づいて単位時間当りに同触媒から放出された酸素量を推定するとともに、これを同期間にわたって積算することにより前記酸素放出量を推定するものであり、
    前記第3推定部は、当該強制リーン化制御が開始されてから、前記酸素センサの出力がリーン反転するまでの期間に、機関運転状態に基づいて単位時間当りに同触媒に吸蔵された酸素量を推定するとともに、これを同期間にわたって積算することにより前記酸素吸蔵量を推定するものである
    ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置において、
    前記第1推定部は、前記酸素センサが理論空燃比よりもリーンの空燃比に対応した値を所定期間継続して出力しているときに、前記触媒に吸蔵されている酸素量が最大であると推定する
    ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置において、
    前記第1推定部は、前記酸素センサの出力がリッチ反転したときに、前記触媒に吸蔵されている酸素量が最小であると推定する
    ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置において、
    前記第1推定部により前記触媒に吸蔵されている酸素量が最小であると推定されるときに、内燃機関の燃料噴射を停止する燃料カット制御を行なうとともに、当該燃料カット制御が開始されてから、前記酸素センサの出力がリーン反転するまでの期間に基づいて同酸素センサのリーン反転における応答遅れ時間を推定する第4推定部を備え、
    前記第3推定部は、前記酸素吸蔵量を推定する際に、前記第4推定部により推定された前記酸素センサのリーン反転における応答遅れ時間を加味する
    ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
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