JP2011195401A - 組成物およびこれを用いた焼成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ディスプレイ部材や回路部材において、パターンに用いられる組成物で、塗布可能で、かつ低温で有機成分を熱分解でき、焼成後に高強度な材料を得ることができる焼成用組成物およびこれを用いた焼成物をより安全に提供する。
【解決手段】リオトロピック液晶と、低軟化点ガラスを含む塗布に適したレオロジー特性を有する組成物であり、リオトロピック液晶の熱分解温度が300℃以下で、低軟化点ガラスの軟化点よりも40℃以上低いものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、焼成用組成物およびこれを用いた焼成物に関する。
ディスプレイ部材や回路部材において、有機成分と無機成分からなる組成物を塗布した後、焼成により有機成分を除去して無機成分のみからなるパターンを製造する方法が用いられることが多い。例えばプラズマディスプレイ用の誘電体層や、カーボンナノチューブを電子放出源とするバックライト用の絶縁層は、低軟化点ガラス、フィラー、バインダー、溶剤を主成分とする組成物の塗膜を形成し、焼成することにより無機成分のみからなる誘電体層や絶縁層を形成する。
有機成分を含む組成物を用いるのは、塗布する際に均一な塗膜を形成するためで、塗布に適当なレオロジー特性を組成物に付与するためである。しかし、ディスプレイ部材や回路部材において、焼成により有機成分が除去されないと、製品性能に悪影響を及ぼすことがある。例えば、プラズマディスプレイ用の誘電体層において、ガラス粉末等の無機成分が焼結する際に有機物の焼成残渣が存在すると、焼成時に有機残渣から生じるアウトガスによって、内部に気泡が発生したり、接着不足によって焼結強度が不足したりすることがある。カーボンナノチューブを電子放出源とするバックライト用の絶縁層においても同様の問題が起こりうる。
従って、組成物のレオロジー特性を制御しつつ、焼成時には分解除去される有機成分を用いることが焼成用組成物にとって重要である。レオロジー特性を付与することができ、熱分解しやすい有機成分として、ポリメタクリレートやセルロースなどのポリマーが利用されることが多い(例えば、特許文献1参照)。
一方、高分子と比較して低分子量の両親媒性分子が形成する自己組織体からなるリオトロピック液晶相を鋳型にする技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。なお、両親媒性分子が形成される液晶相は、リオトロピック液晶またはライオトロピック液晶と呼ばれる。
特開2003−257314号公報 特開平10−226514号公報
上記のように、ポリメタクリレートやセルロースなどのポリマーを熱分解性有機成分として用いる例はあるが、その熱分解温度の多くは低くても約300℃以上であり、低軟化点ガラスを使用すると焼成残渣が生じやすく、焼成物の強度が低下するという課題があった。なお、ニトロセルロースのように300℃以下で熱分解するポリマーもあるが、これは自己反応性物質のため取り扱いが難しい。また、特許文献2記載の技術はメソ孔質固体を得るためのものであり、高強度の材料は得られない。
本発明は、上記課題に着目し、低温で有機成分を熱分解でき、焼成後に高強度な材料を得ることができる組成物をより安全に提供することを目的とする。
すなわち、本発明はリオトロピック液晶と、低軟化点ガラスを含む組成物である。
本発明の組成物は塗布に適したレオロジー特性を有している。また本発明の組成物は低温で有機成分を熱分解でき、焼成後に高強度な材料を得ることができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について説明する。本発明は、リオトロピック液晶と、低軟化点ガラスを含む組成物である。リオトロピック液晶とは、両親媒性分子が水および/または有機溶媒中で形成する自己組織体が配向し、高次構造を形成した熱力学的に安定な相をさす。液晶テレビ用パネルにおいてバックライト光の透過性を制御する液晶はサーモトロピック液晶と呼ばれ、各分子が配向するものであり、自己組織体が配向するリオトロピック液晶とは異なる。
リオトロピック液晶として、2分子膜が積み重なったラメラ液晶、棒状ミセルが配列したヘキサゴナル液晶、球状ミセルが配列した不連続キュービック液晶、共連続2分子膜が特定の構造を持った共連続キュービック液晶等が挙げられる。塗布に適したレオロジー特性に調製しやすいという点で、ラメラ液晶が好ましい。
塗布に適したレオロジー特性とは、せん断速度が大きいと粘度が低下し、せん断速度が小さいと粘度が低下する、いわゆるチキソトロピー性を持つことである。これにより塗布時にせん断速度が大きくなると粘性が低下して塗布しやすくなり、塗布後にはせん断速度がゼロになるので粘性が増加してダレ等を防ぐことができる。レオロジー特性の評価には、せん断速度が異なる2つの粘度の比であるチキソトロピー指数(TI値)を用いることができる。例えば、B型粘度計(RVDV−II+に少量アダプタSC4−27/13Rを付随したもの、BROOKFIELD ENGINEERNG LABORATRIES製)を用いて、25℃における10rpm(4s−1)の回転数(せん断速度)の粘度に対する1rpm(0.4s−1)の回転数(せん断速度)の粘度の比を用いることができる。本発明のリオトロピック液晶のTI値が1.2〜10であることが塗布にとって好ましい。また、1rpm(0.4s−1)における粘度が2〜200Pa・sであることが好ましい。
リオトロピック液晶を形成する両親媒性分子は非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性またはイオン性ブロックコポリマー、非イオン性またはイオン性櫛形ポリマー等が挙げられる。中でも熱分解性が良好であるため非イオン性界面活性剤、非イオン性ブロックコポリマー等のイオン性でない両親媒性分子が好ましい。ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸、脂肪酸アルキロールアミド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーなどを一例として挙げることができる。熱分解性が良好なポリオキシエチレンアルキルエーテルやポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーがより好ましい。さらに、常温で結晶化しない両親媒性分子は、揮発しやすく、焼成工程で除去しやすいので好ましい。好ましい例として、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーであるアデカプルロニックシリーズ((株)ADEKA)を挙げることができる。
有機溶媒は、リオトロピック液晶を形成しさえすれば、公知のものを用いることができる。すぐに揮発せず、取り扱いやすいという点で沸点が150℃以上の高沸点有機溶媒が特に好ましい。例えば、エチレングリコールやグリセリンに代表されるジオールやトリオールなどの多価アルコール、アルコールをエーテル化および/またはエステル化した化合物(エチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート)などが挙げられる。より具体的には、テルピネオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、ブチルカルビトールアセテートなどやこれらのうちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。水は純水が好まし。リオトロピック液晶を形成しさえすれば、有機溶媒と水という組み合わせだけでなく、相溶しない有機溶媒との組み合わせでもよい。例えば、上記有機溶媒とシリコン系溶媒やフッ素系溶媒の組み合わせである。その際は、両親媒性分子としてシリコン系両親媒性分子やフッ素系両親媒性分子が好ましく用いられる。
リオトロピック液晶の熱分解温度は、300℃以下であることが好ましい。本発明のリオトロピック液晶の熱分解温度は、TG測定装置(TGA−50、(株)島津製作所(株)製)にて、有機残分が初期重量の2%以下になる温度とする。熱分解性が良好である非イオン性界面活性剤、非イオン性ブロックコポリマー等のイオン性でない両親媒性分子からなるリオトロピック液晶が好ましい。そのような両親媒性分子としてポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸、脂肪酸アルキロールアミド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーなどを一例として挙げることができる。熱分解性が良好なポリオキシエチレンアルキルエーテルやポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーがより好ましい。さらに、常温で結晶化しない両親媒性分子は、揮発しやすく、焼成工程で除去しやすいので好ましい。好ましい例として、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーであるアデカプルロニックシリーズ((株)ADEKA)を挙げることができる。
低軟化点ガラスとは、ガラス軟化点が500℃以下のガラスを指す。ガラス軟化点が500℃以下であると、焼成温度も500℃以下にすることができるため、比較的安価なソーダライムガラスを基板として用いたり、他の材料や部材の焼成工程による熱ダメージを抑制したりすることができる。ガラス軟化点が500℃以下のガラスとして、アルカリ系ガラス、ビスマス系ガラス、リン酸系ガラス、鉛系ガラスが挙げられる。環境負荷が小さいため、アルカリ系ガラス、ビスマス系ガラス、リン酸塩系ガラスが好ましい。さらに好ましくは、アルカリ系ガラス、リン酸系ガラスである。
アルカリ系ガラスは、LiO、NaOまたはKOを5〜25重量%、SiOを5〜30重量%、Bを10〜50重量%、BaOまたはSrOを2〜25重量%、Alを2〜15重量%、MgOまたはCaOを0〜15重量%含むものが好ましい。
上記のように、LiO、NaOまたはKOのアルカリ金属酸化物は、ガラスの熱軟化点、熱膨張係数のコントロールを容易にする。合計量を25重量%以下とすることでガラスの化学的安定性を維持すると共に熱膨張係数を小さく抑えることができる。
SiOの配合量は5〜30重量%が好ましく、より好ましくは10〜30重量%である。SiOは、ガラスの緻密性、強度や安定性の向上に有効であり、また、ガラスの低屈折率化にも効果がある。熱膨張係数をコントロールしてガラス基板とのミスマッチによる剥離等を防ぐこともできる。5重量%以上とすることで、熱膨張係数を小さく抑えガラス基板に焼き付けた時にクラックを生じない。また、屈折率を低く抑えることができる。30重量%以下とすることで、ガラス転移点、荷重軟化点を低く抑え、ガラス基板への焼き付け温度を低くすることができる。
は、10〜50重量%、さらには15〜45重量%の範囲で配合することが好ましい。10重量%以上とすることで、ガラス転移点、荷重軟化点を低く抑えガラス基板への焼き付けを容易にする。また、50重量%以下とすることでガラスの化学的安定性を維持することができる。
BaOまたはSrOのうち少なくとも1種を用い、その合計量が2〜25重量%、さらには10〜20重量%であることが好ましい。これらの成分は、熱膨張係数の調整に有効であり、焼き付け温度の基板の耐熱性への適用、電気絶縁性、形成される隔壁の安定性や緻密性の点でも好ましい。2重量%以上とすることで結晶化による失透を防ぐこともできる。また、25重量%以下とすることにより、熱膨張係数を小さく抑え、屈折率も小さく抑えることができる。またガラスの化学的安定性も維持できる。
Alはガラス化範囲を広げてガラスを安定化する効果があり、組成物のポットライフ延長にも有効である。2〜15重量%の範囲で配合することが好ましく、この範囲内とすることでガラス転移点、荷重軟化点を低く保ち、ガラス基板上への焼き付けを容易とすることができる。
さらに、MgOまたはCaOは、ガラスを溶融しやすくすると共に熱膨張係数を制御するために配合することができる。MgOまたはCaOは合計で0〜15重量%配合するのが好ましい。ただし、含まなくてもよい。15重量%以下とすることでガラスの化学的安定性を維持することができる。
また、上記の組成には表記されていないが、ZnOやTiO、ZrO等を含有させてもよい。
ビスマス系ガラスは、Biを45〜86重量%含有されていることが好ましい。より好ましくは、45〜86重量%のBi、0.5〜8重量%のSiO、3〜25重量%のB、0〜25重量%のZnOを有するガラス粉末がガラスの安定性と軟化点の制御のしやすさという点で好ましい。
SiOの含有量を0.5〜8重量%とすることでガラスの安定性を向上させることができる。0.5重量%より少ないとその効果が不十分であり、8重量%より多いとガラスの軟化点が高くなりすぎる。より好ましくは0.5〜2重量%である。
の含有量もまた3〜25重量%とすることでガラスの安定性を向上させることができる。3重量%より少ないとその効果が不十分であり、25重量%より多いとガラスの軟化点が高くなりすぎる。より好ましくは3〜10重量%である。
ZnOは含まなくともよいが、25重量%まで含有させることで軟化点を下げることができる。25重量%より多いとガラスが不安定になる。より好ましくは5〜15重量%である。
その他にもAl、NaO、CaO、MgO、CeO、KO等を含むことができる。
リン酸系ガラスは、P−SnO系、P−SnO−ZnO系、P−ZnO系が好ましく挙げられる。なお、本明細書においてP−SnO系ガラスとは、P成分とSnO成分の合計量が酸化物換算で40重量%以上であるものをいう。P−SnO−ZnO系、P−ZnO系についても同様に、各成分の合計量が酸化物換算で40重量%以上であるものをいう。
成分は、最大の構成要素であり、ガラス構造としての網目形成酸化物として必須である。P成分は、酸化物換算で5〜80重量%が好ましい。再溶融時に結晶化を抑え、また耐水性を維持することができる。より好ましくは30〜70重量%である。
SnO成分は、軟化点を下げ流動性を増加させることができる。酸化物換算で0〜70重量%である。
ZnO成分は、軟化点を下げ流動性を増加させ、ガラスの安定化、化学的耐久性向上の効果があり、酸化物換算で0〜60重量%含むことができる。
その他にLiO、KO、NaO、BaO、CaO、B、In、ZrO、MgO、TiO、SiO、Al、SrO成分等を含んでもよい。
本発明のガラスの軟化点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、アルミナ粉末を標準試料として、室温から20℃/分で昇温して得られたDSC曲線における最初の吸熱ピークのピークトップの温度である。
本発明の組成物は、カーボンナノチューブを含んでもよい。カーボンナノチューブを含む組成物は、電子放出源を作製するために用いることができる。カーボンナノチューブは、単層、2層、および3層以上の多層カーボンナノチューブの中で、どのカーボンナノチューブを用いてもよい。層数の異なるカーボンナノチューブの混合物としてもよい。また、アモルファスカーボンや触媒金属等の不純物を熱処理や酸処理等によって精製することが好ましい。カーボンナノチューブは、複数のカーボンナノチューブが絡まりあった凝集体として存在していることが多いため、あらかじめボールミルやビーズミルでカーボンナノチューブ粉末を粉砕して用いてもよい。
本発明の組成物の作製方法を説明する。両親媒性分子、水および/または有機溶媒を混合し、あらかじめリオトロピック液晶を調製し、次にガラス粉末を混合後、3本ローラー、ボールミル、ビーズミル、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー等により混合することができる。リオトロピック液晶は融点を持つため、温度が上昇すると急激に粘性が低下しやすく混合しやすい。他に、光重合開始剤、紫外線吸光剤、増感剤、増感助剤、重合禁止剤、可塑剤、増粘剤、酸化防止剤、分散剤、有機あるいは無機の沈殿防止剤やレベリング剤等の添加成分を含んでもよい。
本発明の組成物の組成は、塗布に適したレオロジー特性を持ち、絶縁層用や電子放出源用といった目的に必要な成分を含んでいれば良い。絶縁層用に用いられる場合、リオトロピック液晶と低軟化点ガラスの濃度はリオトロピック液晶が40〜95重量%、低軟化点ガラスが5〜60重量%であることが好ましい。また、カーボンナノチューブを含む電子放出源用に用いられる場合は、リオトロピック液晶が98.9〜70重量%、低軟化点ガラスが1〜20重量%、カーボンナノチューブが0.1〜10重量%であることが好ましい。
また、リオトロピック液晶の熱分解温度が、低軟化点ガラスのガラス軟化点よりも40℃以上低いことが好ましい。有機成分の熱分解温度とガラス軟化点が近いと、ガラス表面の有機成分が分解しにくい場合があるからである。熱分解温度とガラス軟化点の差を40℃以上とすることで、低軟化点ガラス表面に焼成残渣を残りにくくすることができる。
本発明の組成物は、スクリーン印刷、スリットダイコーター、バーコーター等によって好ましく塗布することができる。塗膜は乾燥後、焼成によって有機成分の除去を行う。有機成分の除去は、大気中でもよいし窒素雰囲気でもよい。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。各実施例および比較例における組成物で用いた原料、各実施例および比較例における評価方法は以下の通りである。
両親媒性分子L103:アデカプルロニックL103(非イオン性)、ブロックコポリマー((株)ADEKA製)
両親媒性分子L84:アデカプルロニックL84(非イオン性)、ブロックコポリマー((株)ADEKA製)
両親媒性分子L64:アデカプルロニックL64(非イオン性)、ブロックコポリマー((株)ADEKA製)
両親媒性分子E408:エマルゲン408(非イオン性)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王(株)製)。
ポリマーIBM:ポリ(メタクリル酸iso−ブチル)fine powder, [h]=0.60、ポリイソブチルメタクリレート(和光純薬工業(株)製)
水:純水
有機溶媒:テルピネオール(和光純薬工業(株)製)
低軟化点ガラス:リン酸系ガラス(酸化物表示でP:60重量%、SnO:35重量%、ZnO:5重量%、ガラス軟化点340℃)
低軟化点ガラス:アルカリ系ガラス(B:35重量%、Al:22.7重量%、SiO:12.9重量%、LiO:12.4重量%、MgO:6.4重量%、BaO:4.2重量%、CaO:4.1重量%、ZnO:2.3重量%、ガラス軟化点458℃)
低軟化点ガラス:ビスマス系ガラス(Bi:84重量%、B:7重量%、SiO:1重量%、ZnO:8重量%、ガラス軟化点380℃)。
リオトロピック液晶の調製
表1に示す組成で、両親媒性分子、水、有機溶媒を秤量し、自公転型撹拌機(ハイブリッドミキサーHM500、(株)キーエンス製)を用いて10分間以上撹拌してリオトロピック液晶を調製した。また、比較例1〜2で用いたIBMテルピネオール溶液も表1に示す組成で秤量し、80℃で撹拌しながらポリマーを溶解させた。
粘度測定
B型粘度計(RVDV−II+に少量アダプタSC4−27/13Rを付随したもの、BROOKFIELD ENGINEERNG LABORATRIES製)を用いて、25℃でのペースト粘度を測定した。3分間100または50rpmにて初期撹拌し、その後、1rpm(0.4s−1)と10rpm(4s−1)の回転数(せん断速度)にセットした1分後の値を粘度とした。また、10rpmの回転数における粘度に対する1rpmの回転数における粘度の比をTI値とした。
絶縁層用組成物の調製
絶縁層用組成物は以下の要領で作製した。実施例1〜8では低軟化点ガラスを60重量%、リオトロピック液晶を40重量%となるように秤量し、その混合物を3本ローラーにて混練した。比較例1では、低軟化点ガラス60重量%、バインダー溶液40重量%となるように秤量し、その混合物を3本ローラーにて混練した。
絶縁層の製造方法
絶縁層用組成物を、ソーダライムガラス基板に、SUS325メッシュのスクリーン版を用いて、200μm幅のラインパターンをスクリーン印刷し、100℃で10分乾燥後、さらに同様の条件で2回目のスクリーン印刷をパターン上に行った。100℃で10分間乾燥後、大気中にて480℃で焼成した。
TGA測定
熱重量測定装置(TGA−50、(株)島津製作所製)を用いて、大気中におけるリオトロピック液晶の熱分解曲線を測定した。昇温速度は3℃/分で行い、初期重量の2%となった温度を熱分解温度とした。
強度測定
平型圧子(直径50μm)を取り付けたダイナミック微小硬度計(DUH−201S、(株)島津製作所)により絶縁層の強度を測定した。負荷速度6mN/s、最大荷重1961mNで押し込み試験を30回行った。絶縁層の欠けを、押し込み深さ−押し込み荷重図のグラフ変化から隔壁頂部欠けを判断し、30回押し込み中、欠け回数が0個ならば強度は◎、1〜3個以内ならば強度は○、4個以上で×と評価した。
実施例1〜8、比較例1
強度測定の結果、実施例1〜7は◎(欠け0個)、実施例8は○(欠け1個)、比較例1は×(欠け7個)であった。いずれの実施例も絶縁層の強度が比較例1よりも優れていた。中でも実施例1〜7が特に優れていた。
実施例9、比較例2
実施例9、比較例2について、用いた低軟化点ガラスをリン酸系ガラスからアルカリ系ガラスに変えたことと、焼成温度を500℃にしたこと以外は、実施例6、比較例1と同様にした。強度測定の結果、実施例9は◎(欠け0個)、比較例2は×(欠け4個)であった。
実施例10、比較例3
実施例10、比較例3について、用いた低軟化点ガラスをリン酸系ガラスからビスマス系ガラスに変えたこと以外は、実施例6、比較例1と同様にした。強度測定の結果、実施例10は◎(欠け0個)、比較例3は×(欠け6個)であった。
Figure 2011195401

Claims (5)

  1. リオトロピック液晶と、低軟化点ガラスを含む組成物。
  2. リオトロピック液晶が両親媒性ブロックコポリマーを含む請求項1に記載の組成物。
  3. リオトロピック液晶の熱分解温度が300℃以下である請求項1または2記載の組成物。
  4. リオトロピック液晶の熱分解温度が低軟化点ガラスの軟化点よりも40℃以上低いものである請求項1〜3のいずれか記載の組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の組成物を焼成して得られた焼成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013180902A (ja) * 2012-02-29 2013-09-12 Asahi Glass Co Ltd 封着材料ペーストとそれを用いた半導体デバイスの製造方法

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