JP2011194999A - 自動車用ホイールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】裏側へ折り返された表側フランジ部をホイールディスクの外周縁部に成形する製造方法にあって、表側フランジ部の成形不具合の発生を抑制し且つ高い生産性を発揮し得る自動車用ホイールの製造方法を提供する。
【解決手段】円盤状予備成形体41の最外周環部43の外周端部44に傾斜周端部45を形成し、表裏方向に沿って裏側へ折り曲げた最外周環部43を、上圧接金型71と湾曲加工面部74および折返し加工面部75を備えた下折曲金型73とにより挟圧加工することにより、表側フランジ部をホイールディスクの外周縁部に成形するようにした製造方法である。かかる製造方法によれば、最外周環部43を比較的容易かつ安定して径方向内側へ折り返すことができ、成形不具合の発生を抑制できる。さらに、下折曲金型73に作用する局部的な負荷を緩和できるため、そのメンテナンス等に要するコストを低減できる。
【選択図】図6

Description

本発明は、タイヤが装着されるホイールリムと車軸が連結されるホイールディスクとを溶接することにより一体化してなる自動車用ホイールの製造方法に関するものである。
自動車用ホイールには、略円筒形状のホイールリムと略円盤形状のホイールディスクとを溶接してなる、いわゆる2ピースタイプのものがある。この2ピースタイプの自動車用ホイールとして、ホイールディスクの外周縁部に表側フランジ部が形成された構成のフルフェイスタイプのものが知られている。
上記のフルフェイスタイプの構成として、例えば特許文献1に一例が提案されている。その具体的な構成は、ホイールリムが、一方の開口縁部に表側ビードシート部を備え且つ他方の開口縁部に裏側フランジ部を備えた構成である。そして、ホイールディスクが、その外周縁部に裏側へ湾曲状に折り返されてなる断面略U字状の表側フランジ部を備えた構成である。そして、ホイールリムの表側ビードシート部の開口端部とホイールディスクの表側フランジ部の内側周端部とを周方向に亘って全周溶接することにより、当該フルフェイスタイプの自動車用ホイールが形成されている。このようなフルフェイスタイプの自動車用ホイールは、ホイールディスクの意匠面を大きく確保できるため、高い意匠性を発揮できるという優れた利点を有している。
特開平11−42901号公報
上述したようにホイールディスクの外周縁部に、裏側へ折り返された表側フランジ部を備えた構成にあっては、該表側フランジ部を所望の寸法形状に精度良くかつ安定して成形することが求められている。これは、ホイールディスクが円盤状を成すものであることから、その外周縁部を裏側へ折り返す加工の際に、亀裂やシワ等の不具合の発生を抑制することが、その製造工程にあって必須の要件であることに因る。さらに、生産性を考慮すれば、前記表側フランジ部を成形する工程にあって、その成形用の金型に要するコストが大きいことから、該金型のメンテナンス等に要するランニングコストを可及的に抑制することも求められている。
本発明は、裏側へ折り返された表側フランジ部をホイールディスクの外周縁部に成形する方法に関し、成形不具合の発生を抑制し且つ高い生産性を発揮し得る自動車用ホイールの製造方法を提案するものである。
本発明としては、一方の開口縁部に裏側フランジ部が形成され且つ他方の開口縁部に表側ビードシート部が形成されたホイールリムと、外周縁部に表側フランジ部が形成されたホイールディスクとを備えた自動車用ホイールの製造方法において、ホイールディスクを成形するための円盤状予備成形体に設けられた最外周環部を、表裏方向に沿うように裏側へ折り曲げる予備折曲加工工程と、裏側へ折り曲げた最外周環部を径方向内側へ折り返す折返し加工工程とを実行することによって、前記最外周環部により形成された環状裏周部と該環状裏周部に連成する意匠面側の表側外周環部により形成された環状表周部とを備えた表側フランジ部を、ホイールディスクの外周縁部に成形する製造方法であって、前記折返し加工工程の前に、最外周環部の外周端部に、その外表面側から外端方へ向かって傾斜する傾斜周端部をホイール周方向に亘って形成する端部加工工程を実行すると共に、前記折返し加工工程が、前記表側外周環部の表側面に面接触して押圧する圧接面部を備えた上圧接金型と、裏側へ折り曲げた最外周環部を径方向内側へ折り返すための湾曲加工面部と、該湾曲加工面部から径方向内側へ延成され且つ前記上圧接金型の圧接面部と対向する折返し加工面部とを備えた下折曲金型とによって、裏側へ折り曲げた最外周環部を前記湾曲加工面部と折返し加工面部とに倣うように径方向内側へ折り返して、前記環状裏周部を形成するようにしていることを特徴とする自動車用ホイールの製造方法である。ここで、端部加工工程により最外周環部の外周端部に形成する傾斜周端部は、予備折曲加工工程により表裏方向に折り曲げた状態で、径方向外側の外表面側から裏方へ向かって傾斜するように形成される。
かかる製造方法にあって、折返し加工工程では、裏側へ折り曲げた最外周環部を上圧接金型と下折曲金型とで挟圧することにより、該最外周環部を径方向内側へ折り返す。この折り返す過程で、その加工初期に、最外周環部の傾斜周端部を下折曲金型の湾曲加工面部と接触させて折り返していく。ここで、最外周環部の傾斜周端部は、その形状効果により低剛性化されていることから、下折曲金型の湾曲加工面部に倣うように折り返し変形し易い。これに伴って、最外周環部をその外周端側から順次折り返し変形し易く、径方向内側へ折り返して連成する所望の形態に安定して成形することができ得る。したがって、最外周環部を裏側へ折り返す加工の際に、亀裂やシワ等の成形不具合が発生することを抑制でき得る。
また、折り返し加工工程の加工初期に下折曲金型の湾曲加工面部と最外周環部の傾斜周端部とが接触する際には、湾曲加工面部に傾斜周端部から局部的な負荷が作用する。この局部的な負荷を、低剛性化された傾斜周端部が容易に変形することによって緩和できる。さらにまた、最外周環部の傾斜周端部は、径方向内側へ向かって傾斜する形態であり、下折曲金型の湾曲加工面部により折り返し加工する方向と同じ向きに傾斜している。そのため、最外周環部の傾斜周端部を折り返し変形し易く、これによっても、傾斜周端部との接触の際に湾曲加工面部に作用する局部的な負荷を緩和することができ得る。以上のことから、本発明の製造方法によれば、自動車用ホイールを生産する場合に、下折曲金型に局部的な変形や傷等を生じ難いため、該下折曲金型のメンテナンス等に要するコストを低減できる。したがって、自動車用ホイールの生産に要するランニングコストを低減でき、総じて生産性を高める効果を奏し得る。
尚、本発明の製造方法にあって、ホイールディスクの外周縁部に形成する表側フランジ部を、少なくとも環状表周部が表方へ傾斜するように成形することもできる。このような表側フランジ部を形成する場合には、本発明の製造方法としては、少なくとも環状表周部を表方へ傾斜する傾斜曲げ加工工程を実行する。尚、この傾斜曲げ加工工程は、後述するように、折り返しした最外周環部と表側外周環部とを一体的に表方へ傾斜させる加工を行う工程として設定可能である。又は、表側外周環部のみを表方へ傾斜させる加工を行う工程として設定することもでき得る。
上述した自動車用ホイールの製造方法にあって、予備折曲加工工程が、最外周環部を径方向に対して裏側へ所定の鋭角度に折り曲げる第一予備折曲工程と、前記鋭角度に折り曲げた最外周環部を、表裏方向に沿うように裏側へ折り曲げる第二予備折曲工程とを備えると共に、端部加工工程が、前記第一予備折曲工程と第二予備折曲工程との間に実行し、前記鋭角度に折り曲げた最外周環部を表裏方向に沿って切断加工することにより、当該最外周環部の外周端部に傾斜周端部を形成するようにしている方法が提案される。
かかる方法にあっては、第一予備折曲工程により最外周環部を所定の鋭角度に折り曲げた後に、端部加工工程により該最外周環部の外周端を表裏方向に切断することにより傾斜周端部を形成し、その後に第二予備折曲工程により表裏方向に沿うように折り曲げるようにした方法である。ここで、本方法の場合には、端部加工工程に所定の金型(例えば、パンチやダイス)等を用いることにより、最外周環部の外周端を表裏方向に切断することができる。このように、端部加工工程に切削加工を適用しない場合には、切削加工用の機器への円盤状予備成形体の搬送や切削刃等の消耗品が不要である等、切削加工に要する時間やコストの増加を生じないという利点がある。
また、所定の鋭角度に折り曲げた後に表裏方向に切断加工するようにしていることから、傾斜周端部の傾斜角を、該鋭角度に基づいて安定かつ精度良く形成することができる。そのため、上述した成形不具合の発生を抑制できるという本発明の作用効果が、一層安定して発揮され得る。
上述した自動車用ホイールの製造方法にあって、折返し加工工程は、上圧接金型と下折曲金型とを、裏側へ折り曲げた最外周環部と意匠面側の表側外周環部とを挟圧しない離間位置から、表裏方向に沿って相対的に近接する方向へ移動することによって、当該最外周環部を下折曲金型の湾曲加工面部と折返し加工面部とに倣うように径方向内側へ折返し且つ表側外周環部の裏側面に面接触させる当接加工位置へ位置変換し、さらに継続して最外周環部と表側外周環部とを板厚方向へ圧縮して圧接させる圧接加工位置へ位置変換するようにしている方法が提案される。
かかる方法にあっては、表裏方向に沿って裏側へ折り曲げた最外周環部を径方向内側へ折り返し且つ最外周環部を表側外周環部の裏側面に面接触するようにして、環状表周部と環状裏周部とを板厚方向に圧接した表側フランジ部を形成するようにした方法である。本方法では、離間位置から当接加工位置を介して圧接加工位置に至る一連の位置変換作動を、連続して行うようにしていることから、最外周環部を径方向内側へ連続的に変形させ得る。これにより、折返し加工工程の際に、最外周環部に亀裂やシワ等が発生することを抑制する効果が得られる。したがって、上述した成形不具合の発生を抑制するという本発明の作用効果が一層向上する。
上述した自動車用ホイールの製造方法にあって、折返し加工工程の後に、最外周環部と表側外周環部とを一体的に表方へ傾斜させる傾斜曲げ加工工程を行うことにより、表方へ傾斜した表側フランジ部をホイールディスクの外周縁部に形成するようにしている方法が提案される。
かかる方法にあっては、表方へ傾斜した表側フランジ部を成形する方法であり、最外周環部を裏側へ折り返して表側外周環部と面接触した後に、表方へ傾斜する曲げ加工を行うようにしている。本製造方法によれば、上述した成形不具合の発生を抑制する作用効果と、高い生産性を発揮する作用効果とを保ちつつ、表方へ傾斜した表側フランジ部を形成することができる。尚、表方へ傾斜した表側フランジ部は、自動車の走行中にタイヤを介して径方向内方へ作用する負荷に対して、弾性変形し易く、該弾性変形によって前記負荷を緩和できる。そのため、当該自動車用ホイールは、優れた耐久性を発揮できるものとなる。
本発明の自動車用ホイールの製造方法は、上述したように、円盤状予備成形体の最外周環部の外周端部に傾斜周端部を形成し、表裏方向に沿って裏側へ折り曲げられた最外周環部を、上圧接金型と、湾曲加工面部および折返し加工面部を備えた下折曲金型とにより挟圧加工することによって、最外周環部により形成される環状裏周部と意匠面側の環状表周部とを備えた表側フランジ部を、ホイールディスクの外周縁部に成形するようにした製造方法である。かかる製造方法によれば、最外周環部を、その傾斜周端部の形状効果によって、湾曲加工面部に倣うように径方向内側へ比較的容易かつ安定して折り返すことができるから、亀裂やシワ等の成形不具合が発生することを抑制でき得る。また、最外周環部の傾斜周端部と下折曲金型の湾曲加工面部との接触により該湾曲加工面部に作用する局部的な負荷を緩和できることから、下折曲金型のメンテナンス等に要するコストを低減できる。したがって、自動車用ホイールの生産性を高めることができ得る。
上述した自動車用ホイールの製造方法にあって、第一予備折曲工程により最外周環部を所定の鋭角度に折り曲げた後に、端部加工工程により該最外周環部の外周端部を表裏方向に切断することにより傾斜周端部を形成し、その後に第二予備折曲工程により最外周環部を表裏方向に沿うように折り曲げるようにした場合には、前記鋭角度に基づいて傾斜周端部を所望の傾斜角を成す形態に安定且つ精度良く形成できる。また、切削加工に用いずに傾斜周端部を形成することが可能であるから、該切削加工に要する時間やコストを削減できるという優れた利点も有する。
上述した自動車用ホイールの製造方法にあって、折返し加工工程で、上圧接金型と下折曲金型とを、離間位置から、最外周環部を径方向内側へ折返し且つ最外周環部を表側外周環部の裏側面に面接触させる当接加工位置へ位置変換し、さらに継続して最外周環部と表側外周環部とを板厚方向へ圧縮して圧接させる圧接加工位置へ位置変換するようにした場合には、折り返す加工と圧接する加工とを連続して行うようにしていることから、最外周環部に亀裂やシワ等が発生することを抑制する効果が得られるため、成形不具合の発生を抑制するという本発明の作用効果が一層向上する。
上述した自動車用ホイールの製造方法にあって、折返し加工工程の後に、最外周環部と表側外周環部とを一体的に表方へ傾斜させる傾斜曲げ加工工程を行うことにより、表方へ傾斜した表側フランジ部を形成するようにした場合には、上述した成形不具合の発生を抑制する作用効果と、高い生産性を発揮する作用効果とを保ちつつ、表方へ傾斜した表側フランジ部を形成することができる。
本実施例1にかかる自動車用ホイール1の縦断面図である。 図1中のX部を表す拡大図である。 円盤状予備成形体41の最外周環部43を所定傾斜角で折り曲げる第一予備折曲工程を表す説明図である。 最外周環部43の外周端部44に傾斜周端部45を形成する端部加工工程を表す説明図である。 最外周環部43を表裏方向に沿って折り曲げる第二予備折曲工程を表す説明図である。 折返し加工工程により、最外周環部43を径方向内側へ折り返す過程を表す説明図である。 図6から連続する、最外周環部43を板厚方向へ圧接する過程を表す説明図である。 (A)傾斜曲げ加工工程と、(B)段部加工工程とを表す説明図である。 本実施例2にかかる自動車用ホイール91の、表側フランジ部101を表す拡大縦断面図である。 実施例2の(A)傾斜曲げ加工工程と、(B)第二予備折曲工程とを表す説明図である。 実施例2の折返し加工工程を表す説明図である。 別例の端部加工工程を表す説明図である。
本実施例1にかかる自動車用ホイール1を、図1,2に従って説明する。
自動車用ホイール1は、スチール製の平板から夫々成形されたホイールリム2とホイールディスク3とを接合して成る、いわゆる2ピースタイプのスチール製ホイールである。そして、ホイールディスク3の外周縁部に表側フランジ部31を備えたフルフェイスタイプの構成である。尚、本実施例1にあって、ホイールディスク3の背面側から意匠面側へ向かう方向(図1の左から右へ向かう方向)を表方向とし、逆向きを裏方向としている。また、ホイール径方向に沿って、自動車用ホイール1の中心軸線Lへ向かう方向を径方向内方向とし、逆向きを径方向外方向としている。尚、自動車用ホイール1およびホイールディスク3の意匠面とは、自動車に取り付けられた際に、該自動車の外側向きとなる面である。
上記したホイールリム2は、略円筒形状をなし、その一方(裏側)の開口縁部にタイヤの裏側のビードを側方から支持する裏側フランジ部12が設けられている。この裏側フランジ部12には、タイヤの裏側のビードを着座させて支持する裏側ビートシート部14が連成されている。さらに、ホイールリム2の他方(表側)の開口縁部には、タイヤの表側のビードを着座させて支持する表側ビートシート部13が設けられている。すなわち、ホイールリム2の他方(表側)の開口縁部には、表側フランジ部31が形成されておらず、表裏方向に沿った円環状の表側ビードシート部13により表側の開口縁部が構成されている。そして、表裏のビードシート部13,14の間には、タイヤ装着時にタイヤの表裏のビードを落とすためのウエル部15が設けられている。
一方、上記したホイールディスク3は、略円盤形状をなし、その中央に車軸のハブと連結するハブ取付部21が設けられ、外周縁部に表側フランジ部31が周成されている。そして、ハブ取付部21と表側フランジ部31との間には両者を連成するように、径方向に沿った複数のスポーク部22が、周方向で均等間隔に設けられている。さらに、互いに隣り合うスポーク部22の間に、飾り孔25が夫々設けられている。
上記ハブ取付部21には、その中央にハブ孔27が形成されており、該ハブ孔27の径方向外側に位置して周方向で互いに均等間隔となるように、複数個のボルト孔28が設けられている。尚、このホイールディスク3の各部位はそれぞれ、ホイールディスク3の中心軸線Lを中心とする同心状に形成されている。また、スポーク部22は、ハブ取付部21の周縁から表方へ盛り上がるように形成されている。そして、各スポーク部22の外端から滑らかに連成するように表側フランジ部31が形成されている。
上記の表側フランジ部31は、上記したスポーク部22の外端から連成された意匠面側の環状表周部32と、該環状表周部32から裏側へ折り返されて径方向内方へ延出された環状裏周部33とから構成されている。そして、環状裏周部33の表側面33aの全面が、環状表周部32の裏側面32aに面接触するように形成されており、環状表周部32と環状裏周部33とが一体的な形態を成す。さらに、この表側フランジ部31は、その環状表周部32の基端部位(内周端部位)から表方へ折れ曲がって傾斜されている。すなわち、表側フランジ部31は、自動車用ホイール1の中心軸線Lに直交する径方向仮想平面P(前記径方向に沿った平面)に対して、表方へ傾斜角度θで傾斜している。尚、表側フランジ部31の傾斜角度θとしては、15度以上かつ45度以下の範囲となるように設定している。
次に、上述した自動車用ホイール1の製造方法について説明する。
上記のホイールリム2は、略長方形状のスチール製平板をその短辺同士を突合せ溶接することにより、直胴状の円筒体を形成した後、これを周方向に回転させつつ当該円筒体の内外両側から所定の金型により挟圧する所謂ロール加工を行うことによって成形することができる。このようなホイールリム2の成形には、従来の成形方法を適用することができるため、その詳細については説明を省略する。
上記のホイールディスク3は、略円形状のスチール製平板を、プレス加工することにより成形できる。具体的には、前記スチール製平板の中央領域を凹ませて略椀形状とした後に、所定の金型により表裏両側から挟圧するプレス加工を複数段階に分けて行うことにより、所望の意匠面形状に成形し、飾り孔25、ハブ孔27、ボルト孔28、表側フランジ部31等を成形する。このようにして、所望のホイールディスク3を成形する。ここで、本実施例1にあって、ホイールディスク3の外周縁部に設けられた表側フランジ部31を成形する工程は、本発明の要部にかかり、詳細は後述する。また、表側フランジ部31を成形する工程以外については、従来の成形方法を適用することができるため、その詳細については説明を省略する。
このように別々に成形したホイールリム2とホイールディスク3とを溶接することによって、上記した本実施例1の自動車用ホイール1を得る。詳述すると、ホイールディスク3とホイールリム2とを、夫々の中心軸線Lを一致させるようにして、ホイールディスク3のディスク裏面部6(後述する環状段部37)に、ホイールリム2の表側ビードシート部13の開口端部13aを突き当てて位置決めする。そして、ホイールディスク3のディスク裏面部6とホイールリム2の表側ビードシート部13の開口端部13aとを一体的に接合するように、ホイールリム2の外側からアーク溶接によりホイール周方向全周に亘って行う。この溶接により、ホイールリム2とホイールディスク3とを接合する溶接部39が、ホイール周方向全周に亘って形成される。
次に、本発明の要部にかかるホイールディスク3の表側フランジ部31の成形方法について、図3〜図8に従って説明する。尚、ホイールディスク3を成形する上述した成形工程にあって、スチール製平板からホイールディスク3に至る成形途中の中間成形体を、本発明にかかる円盤状予備成形体41として表す。
上述したホイールディスク3の成形工程にあって、図3〜図8に示すように、円盤状予備成形体41の外周縁部に、表側フランジ部31を形成する表側フランジ部成形工程を行う。この表側フランジ部成形工程では、第一予備折曲工程、端部加工工程、第二予備折曲工程、折返し加工工程、傾斜曲げ加工工程、段部加工工程を順次実行する。
上記した円盤状予備成形体41は、その外周縁に、図3(A)のように、中心軸線Lに略直交する円環板状の環状外周縁部42を備えた構成である。この環状外周縁部42の、外周端から所定環幅により定められる円環状の最外周環部43を、上記した第一予備折曲工程によって、図3(B)のように、裏方へ所定鋭角度αで折り曲げる加工を行う。この第一予備折曲工程では、図示しない所定の上金型と下金型とにより、前記環状外周縁部42を挟圧することにより、最外周環部43を所定鋭角度αで折り曲げる。ここで、前記所定の鋭角度αは、中心軸線Lに直交する径方向仮想平面Pに対する角度が鋭角に設定されていることを表している。そして、この鋭角度αによって、後述する端部加工工程により形成する傾斜周端部45の傾斜角が定まる。
第一予備折曲工程の後に、端部加工工程を行う。この端部加工工程では、図4のように、第一予備折曲工程により鋭角度αで折り曲げた最外周環部43の外周端部44に、傾斜周端部45を形成する。詳述すると、図4(A)のように、上支持型61と下支持型62とにより、円盤状予備成形体41の環状外周縁部42(表側外周環部46)をホイール周方向に亘って挟持する。そして、図4(B)のように、下支持型62から径方向外側へ突出している円環状の外周端部44を、所定のリング状パンチ63により部分的に切断する。ここで、リング状パンチ63は、円盤状予備成形体41の表側から裏側へ、中心軸線Lに沿って移動する。これにより、最外周環部43の外周端部44に傾斜周端部45を形成する。この傾斜周端部45は、上記した鋭角度αに折り曲げた最外周環部43の表面側から裏方へ傾斜するように形成される。換言すると、最外周環部43の外周端部44に、その外表面側から外周端に向かって傾斜する傾斜周端部45を形成する。尚、この傾斜周端部45の傾斜角は、上記した鋭角度αにより定まっている。
端部加工工程の後に、第二予備折曲工程を行う。この第二予備折曲工程では、図5のように、傾斜周端部45を形成した最外周環部43を、表裏方向に沿うように折り曲げる。ここで、上記の環状外周縁部42は、上記の第一予備折曲工程により裏側へ所定鋭角度αで折り曲げられた最外周環部43と、該最外周環部43から径方向内側へ連成された表側外周環部46とを備えている。そして、表側外周環部46は、上記のように径方向仮想平面Pに沿った円環板状となっている。この第二予備折曲工程では、図5(A)のように、環状外周縁部42の表側外周環部46を、上部支持型65と下部支持型66とにより位置決めして挟持する。その後、図5(B)のように、リング状パンチ67を中心軸線Lに沿って表側から裏方へ移動することにより、下部支持型66から外方へ突出している最外周環部43を、中心軸線Lに沿って裏側へ折り曲げる。このように折り曲げられた最外周環部43にあって、その外周端部44の傾斜周端部45が、径方向外側の外表面から裏方へ向かって傾斜する形状となっている。
第二予備折曲工程の後に、折返し加工工程を行う。図6,7のように、折返し加工工程は、環状外周縁部42の表側外周環部46に面接触して支持する圧接面部72を備えた上圧接金型71と、圧接面部72と対向する折返し加工面部75と該折返し加工面部75の外周端から表側へ湾曲状に起立する湾曲加工面部74とを備えた下折曲金型73とにより行う。ここで、上圧接金型71の圧接面部72と下折曲金型73の折返し加工面部75とは、中心軸線Lと直交するように夫々設けられている(すなわち、上記した径方向仮想平面Pと平行)。
上圧接金型71と下折曲金型73とを、図6(A)のように、表裏方向(上下方向)に離間した離間位置とし、その間に、裏側へ折り曲げた最外周環部43を備えた円盤状予備成形体41を配置する。この離間位置では、上圧接金型71の圧接面部72により環状外周縁部42の表側外周環部46の表側面46bを支持しており、該上圧接金型71と下折曲金型73とにより環状外周縁部42を挟圧していない。その後、図6(B)のように、下折曲金型73を中心軸線Lに沿って裏側から表方へ移動(昇動)する。これに伴って、図7(C)のように、裏側へ折り曲げられた最外周環部43を、下折曲金型73の湾曲加工面部74により、その湾曲面形状に従って径方向内側へ折り返していく。ここで、最外周環部43の外周端部44に上記した傾斜周端部45が形成されていることから、下折曲金型73の湾曲加工面部74によって比較的容易に径方向内側へ折り返される。これは、傾斜周端部45がその形状効果により低剛性化されていることに因る。このように、傾斜周端部45を前記湾曲加工面部74に倣うように折り返すことから、最外周環部43をその外周端から順次折り返すことができる。そして、図7(C)のように、最外周環部43を、その表側面43aが表側外周環部46の裏側面46aと面接触するように、裏側に折り返され且つ径方向内側へ連成された形態とする。このように最外周環部43の表側面43aを表側外周環部46の裏側面46aに当接して面接触させる下折曲金型73の位置が、本発明にかかる当接加工位置である。
さらに、下折曲金型73を、上記の当接加工位置(図7(C))で停止せずに連続して表方へ移動して、図7(D)のように、最外周環部43と表側外周環部46とをその板厚方向(表裏方向)に圧縮して圧接する。このように圧接する下折曲金型73の位置が、本発明にかかる圧接加工位置である。尚、この圧接加工位置は、裏側へ折り返した最外周環部43と表側外周環部46との合計板厚に対する圧下率を決めることによって設定している。
このような折返し加工工程は、図6,7のように、湾曲加工面部74と折返し加工面部75とに倣うようにして、最外周環部43を径方向内側へ向かって折り返すようにしている。このように、最外周環部43を径方向内側へ向かう方向へ変形させることができるため、当該折返し加工の際に、最外周環部43に肉余りを生じ難く、シワ等の不具合の発生を可及的に抑制できる。これは、下折曲金型73の当接加工位置までの移動と、該当接加工位置から圧接加工位置までの移動とを継続して行うことにより生ずる作用効果である。特に、当接加工位置から圧接加工位置までの移動では、実質的に板厚方向への圧縮加工となっているが、当接加工位置までの変形が前記のように径方向内側へ向かう変形を発生させることができることから、その径方向内側への変形が連続して生ずる。そのため、板厚方向の圧縮加工でも、前記のように肉余りを生じ難く、シワ等の発生を可及的に抑制でき得る。
上述した折返し加工工程では、中心軸線Lに沿って裏側へ折り曲げた最外周環部43を、下折曲金型73の湾曲加工面部74と折返し加工面部75とにより径方向内側へ向かって折り曲げる。この際に、最外周環部43の傾斜周端部45の先端又は該傾斜周端部45の基端が、最初に湾曲加工面部74と接触する(図6(B)参照)。傾斜周端部45の先端が最初に接触した場合にあって、その先端は最も低剛性化されていることから、径方向内側へ容易に折り曲げ易く、さらに湾曲加工面部74を傷つけ難く且つ局部的な変形を生じ難い。一方、傾斜周端部45の基端が最初に接触した場合にあって、傾斜周端部45の傾斜方向と湾曲加工面部74の湾曲方向とは径方向内側へ向かうように形成されていることから、接触による衝撃が緩和される。そのため、湾曲加工面部74を傷つけ難く且つ局部的な変形を生じ難い。したがって、折返し加工工程を繰り返し実行した場合に、下折曲金型73が傷付いたり局部的に変形することを生じてしまうことを充分に抑制できるため、当該自動車用ホイール1の生産にあって、下折曲金型73のメンテナンスに要するランニングコスト等を低減することが可能である。
折返し加工工程の後に、傾斜曲げ加工工程を行う。図8(A)のように、傾斜曲げ加工工程には、中心軸線Lに直交する径方向(径方向仮想平面P)に対して所定傾斜角度の上傾斜加工面部77を備えた上加工金型76と、該上傾斜加工面部77と対向する下傾斜加工面部79を備えた下加工金型78とを用いる。すなわち、上加工金型76の上傾斜加工面部77と下加工金型78の下傾斜加工面部79とによって、上記の折返し加工工程により圧接した最外周環部43と表側外周環部46とを表裏方向に沿って挟圧する。これにより、圧接した最外周環部43と表側外周環部46とを一体的に表方へ傾斜させるように変形する。この傾斜曲げ加工工程で折り曲げる角度が、上記した傾斜角度θ(図2参照)に設定されている。このようにして、意匠面側の環状表周部32と、該環状表周部32から裏側へ折り返され且つ径方向内側へ連成された環状裏周部33とを形成する。そして、この環状表周部32と環状裏周部33とは圧接されて一体的に形成されており、さらに表側へ傾斜した形状となっている。
傾斜曲げ加工工程の後に、段部成形工程を行う。図8(B)のように、段部成形工程では、傾斜した環状表周部32を表側から支持する上支持面部82を備えた上支持金型81と、上方へ突出する段部形成周部84を備えた下加工金型83とを用いる。すなわち、上支持金型81の上支持面部82により環状表周部32を支持しつつ、下加工金型83の段部形成周部84を押圧することにより、ディスク裏面部6に表方へ凹む環状段部37を形成する。この環状段部37は、その裏面が、環状裏周部33の内側周端部33bの裏面と面一になるように形成している。尚ここで、ディスク裏面部6としては、ホイールディスク3の裏側にあって、表側フランジ部31よりも内方で且つ該表側フランジ部31に隣設する円環状部位として定めている。
このようにして、円盤状予備成形体41の外周縁部に表側フランジ部31を形成する。そして、円盤状予備成形体41により、本実施例1にかかるホイールディスク3を成形する。このホイールディスク3と上記したホイールリム2とにより、本実施例1の自動車用ホイール1を得る(図1参照)。ここで、ホイールディスク3のディスク裏面部6には、上記のように環状段部37が周成されており、該環状段部37に、ホイールリム2の表側ビードシート部13を座定し、上記したように両者を溶接している(図2参照)。
本実施例1にあっては、上述した表側フランジ部成形工程により、ホイールディスク3の表側フランジ部31を成形するようにした製造方法であるから、表裏方向に沿って折り曲げた最外周環部43を径方向内側へ容易かつ安定して折り返すことができ、その成形の際に、肉余り等の不具合の発生を可及的に抑制することができる。そして、折返し加工工程の前に、最外周環部43に傾斜周端部45を形成していることから、折返し加工する下折曲金型73の湾曲加工面部74に局部的な変形や傷等が生ずることを抑制できる。そのため、当該自動車用ホイール1の生産にあって、メンテナンス等に要するランニングコストを低減することができる。
実施例2にあって、自動車用ホイール91は、そのホイールディスク93の外周縁部に、湾曲状に折り返した表側フランジ部101を備えた構成である。この表側フランジ部101は、意匠面側の環状表周部102と、該環状表周部102から裏方へ湾曲状に折り返されて連成され且つ径方向内側へ延出する環状裏周部103とから構成されている。すなわち、環状表周部102の裏側面102aと環状裏周部103の表側面103aとが面接触しておらず、環状表周部102と環状裏周部103との間に空域が形成されている。さらに、環状表周部102が、径方向仮想平面Pに対して所定の傾斜角度θにより表方へ傾斜している。
この自動車用ホイール91は、上記した表側フランジ部101が異なる以外は、上述した実施例1の自動車用ホイール1と同じ構成であり、同じ構成要素には同じ符号を記し、その説明を省略する。さらに、本実施例2にあって、当該自動車用ホイール91の製造工程は、その表側フランジ部101を成形するための表側フランジ部成形工程以外は実施例1と同じであり、その詳細については省略する。
本実施例2の表側フランジ部成形工程について説明する。
円盤状予備成形体41の環状外周縁部42の最外周環部43を、上述した実施例1と同様の第一予備折曲工程(図3参照)と端部加工工程(図4参照)とを行い、最外周環部43の外周端部44に傾斜周端部45を形成する。その後、図10(A)のように、傾斜曲げ加工工程を行い、表側外周環部46を表方へ折り曲げる。この折り曲げ角度が、上記した所定の傾斜角度θ(図9参照)に設定される。この傾斜曲げ加工工程では、最外周環部43に圧接する上圧接部122と表側外周環部46を傾斜させる上傾斜部123とを備えた上加工金型121と、最外周環部43に圧接する下圧接部126と表側外周環部46を傾斜させる下傾斜部127とを備えた下加工金型125とにより、環状外周縁部42(最外周環部43)を押圧加工する。これにより、表方へ折り曲げた表側外周環部46を形成し、該表側外周環部46から環状表周部102を形成する。
ここで、本実施例2の傾斜曲げ加工工程にあっては、円盤状予備成形体41の環状外周縁部42に連成する径方向内側のディスク裏面部96に、表方へ凹む環状段部99を形成する。すなわち、上記した下支持部126の下傾斜部127に、表方へ段状に突出する段部加工部128が設けられており、この段部加工部128によりディスク裏面部96を押圧加工することによって、環状段部99がホイール周方向に亘って形成されるようにしている。
この傾斜曲げ加工工程の後に、第二予備折曲工程を行うことにより、図10(B)のように、最外周環部43を表裏方向に沿うように裏側へ折り曲げる。この第二予備折曲工程では、表方へ折り曲げた環状表周部102を、上部支持型131と下部支持型132とにより位置決めして挟持する。その後、リング状パンチ133を中心軸線Lに沿って表側から裏方へ移動することにより、下部支持型132から外方へ突出している最外周環部43を、中心軸線Lに沿って裏側へ折り曲げる。尚、この第二予備折曲工程後の最外周環部43にあっても、その外周端部44の傾斜周端部45が、径方向外側の外表面から裏方へ向かって傾斜する形状となっている。
第二予備折曲工程の後に、折返し加工工程を行う。この折返し加工工程では、図11のように、環状表周部102に面接触して支持する圧接面部136を備えた上圧接金型135と、圧接面部136と対向する折返し加工面部139と該折返し加工面部139の外周端から表側へ湾曲状に起立する湾曲加工面部138とを備えた下折曲金型137とにより行う。図11(A)のように上圧接金型135と下折曲金型137とを離間位置として、円盤状予備成形体41を配置し、下折曲金型137を表方へ移動(昇動)する。これにより、最外周環部43の外周端部44を、下折曲金型137の湾曲加工面部138により径方向内側へ折り返していく。この過程で、最外周環部43は、その傾斜周端部45の形状効果によって比較的容易に径方向内側へ順次折り返される。そして、湾曲加工面部138から連成された折返し加工面部139により、連続的に径方向内側へ倣うように変形する。これにより、最外周環部43を所望の湾曲形状に比較的容易かつ安定的に形成することができ、図11(B)のように、所望の湾曲形状の環状裏周部103を形成する。
尚、本実施例2にあっては、折り返した最外周環部43の外周端(環状裏周部103の内側周端部103b)が上記したディスク裏面部96の環状段部99の外周端と近接する位置となるように、上記の折返し加工工程を行う。すなわち、当該近接位置となるように、図11(B)のように下折曲金型137を位置変換したところが折返し加工位置として設定する。このように下折曲金型137を、離間位置と折返し加工位置とに位置変換するように駆動制御している。
このようにして、円盤状予備成形体41の外周縁部に表側フランジ部101を形成する。そして、円盤状予備成形体41により、図9のように、本実施例2にかかるホイールディスク93を成形する。このホイールディスク93と上記したホイールリム2とにより、本実施例2の自動車用ホイール91を得る。ここで、ホイールディスク93のディスク裏面部96には、上記のように環状段部99が周成されており、該環状段部99に、ホイールリム2の表側ビードシート部13を座定し、上述した実施例1と同様に、ホイールリム2の外側から溶接している。そして、この溶接により、ホイールリム2とホイールディスク93とを接合する溶接部97が、ホイール周方向全周に亘って形成される。
本実施例2にあっても、上述した実施例1の場合と同様に、第2予備折曲工程で表裏方向に沿って折り曲げた最外周環部43を、その傾斜周端部45の形状効果により径方向内側へ容易かつ安定して折り返すことができる。そして、その成形の際に、肉余り等の不具合が発生することを可及的に抑制できる。また、最外周環部43の傾斜周端部45により、折返し加工する下折曲金型137の湾曲加工面部138に局部的な変形や傷等が生ずることを抑制できる。そのため、当該自動車用ホイール91の生産にあって、下折曲金型137のメンテナンス等に要するランニングコストを低減することができる。
一方、上述した実施例1,2の製造方法にあっては、第一予備折曲工程により所定鋭角度に折り曲げた最外周環部に傾斜周環部を形成し、その後に第二予備折曲工程により最外周環部を表裏方向に沿って折り曲げるようにした方法であるが、その他の方法として、最外周環部を表裏方向に沿って折り曲げた後に、傾斜周環部を形成するようにしても良い。この場合には、所定の傾斜角で内外方向に移動するカム駆動式のパンチを用いて、表裏方向に沿って折り曲げた最外周環部の外周端部に傾斜周環部を形成する。例えば、上記した円盤状予備成形体41の最外周環部43を、実施例1の第二予備折曲工程を用いて、表裏方向に沿うように折り曲げる。その後、図12のように、表裏方向に沿って折り曲げた最外周環部43の外周端部44に傾斜周環部45を形成する端部加工工程を行う。この端部加工工程では、カム駆動パンチ145と、該カム駆動パンチ145を所定の傾斜角で内外方向へ移動させる作動ダイス143と、カム駆動パンチ145を摺動可能に支持するカム支持型142と、作動ダイス143を上下方向に摺動可能に支持する作動支持型141と、環状外周縁部42を支持する下支持型146とを用いて行う。ここで、下支持型146は、最外周環部43の内周面および表側外周環部46の裏側面に当接して支持する当接支持部147と、カム駆動パンチ145を挿通し且つ切断した部材を排出する排出路148とを備えている。この端部加工工程では、作動ダイス143を降動することにより、カム駆動パンチ145を所定傾斜角で径方向内側へ移動する。これにより、図12(B)のように、環状外周縁部42の最外周環部43に傾斜周環部45を形成する。その後、上述した実施例1と同様に折返し加工工程、傾斜曲げ加工工程、段部加工工程を順次実行することによって、実施例1と同様に表側フランジ部31を形成できる。このような製造方法にあっても、折返し加工工程前に、最外周環部に傾斜周環部を形成することから、上述した実施例1,2と同様の作用効果を奏する。
上述した実施例1,2にあっては、その折返し加工工程で、下折曲金型のみを移動することによって実行するようにしているが、その他の方法として、上圧接金型のみを移動するようにしても良いし、又は上圧接金型と下折曲金型との両方を移動するようにしても良い。
また、上述した実施例1,2の場合には、ディスク裏面部に環状段部を形成するようにしているが、環状段部を形成しないようにしても良い。
また、上述した実施例1,2の場合にあっては、ホイールリムの外側からホイール周方向に亘って溶接するようにしているが、ホイールリムの内側からホイール周方向に亘って溶接するようにしても良い。
また、上述した実施例1,2の場合にあっては、傾斜曲げ加工工程を行うようにしているが、この傾斜曲げ加工工程を行わないようにしても良い。
また、上述した実施例1の場合にあっては、折返し加工工程で最外周環部と表側外周環部とをその板厚方向(表裏方向)に圧縮して圧接するようにしているが、最外周環部と表側外周環部とを板厚方向に圧縮加工しないようにしても良い。例えば、上記実施例1の折返し加工工程にあって、下折曲金型を離間位置から当接加工位置まで移動して停止し、当該折返し加工工程を終了する。すなわち、下折曲金型を圧接加工位置まで移動しない。
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、その他の構成についても、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更可能である。
1,91 自動車用ホイール
2 ホイールリム
3,93 ホイールディスク
12 裏側フランジ部
13 表側ビードシート部
13a 開口端部
31,101 表側フランジ部
32,102 環状表周部
33,103 環状裏周部
41 円盤状予備成形体
43 最外周環部
44 外周端部
45 傾斜周端部
46 表側外周環部
71,135 上圧接金型
72,136 圧接面部
73,137 下折曲金型
74,138 湾曲加工面部
75,139 折返し加工面部

Claims (4)

  1. 一方の開口縁部に裏側フランジ部が形成され且つ他方の開口縁部に表側ビードシート部が形成されたホイールリムと、外周縁部に表側フランジ部が形成されたホイールディスクとを備えた自動車用ホイールの製造方法において、
    ホイールディスクを成形するための円盤状予備成形体に設けられた最外周環部を、表裏方向に沿うように裏側へ折り曲げる予備折曲加工工程と、
    裏側へ折り曲げた最外周環部を径方向内側へ折り返す折返し加工工程と
    を実行することによって、前記最外周環部により形成された環状裏周部と該環状裏周部に連成する意匠面側の表側外周環部により形成された環状表周部とを備えた表側フランジ部を、ホイールディスクの外周縁部に成形する製造方法であって、
    前記折返し加工工程の前に、最外周環部の外周端部に、その外表面側から外端方へ向かって傾斜する傾斜周端部をホイール周方向に亘って形成する端部加工工程を実行すると共に、
    前記折返し加工工程が、
    前記表側外周環部の表側面に面接触して押圧する圧接面部を備えた上圧接金型と、
    裏側へ折り曲げた最外周環部を径方向内側へ折り返すための湾曲加工面部と、該湾曲加工面部から径方向内側へ延成され且つ前記上圧接金型の圧接面部と対向する折返し加工面部とを備えた下折曲金型とによって、
    裏側へ折り曲げた最外周環部を前記湾曲加工面部と折返し加工面部とに倣うように径方向内側へ折り返して、前記環状裏周部を形成するようにしていることを特徴とする自動車用ホイールの製造方法。
  2. 予備折曲加工工程が、
    最外周環部を径方向に対して裏側へ所定の鋭角度に折り曲げる第一予備折曲工程と、前記鋭角度に折り曲げた最外周環部を、表裏方向に沿うように裏側へ折り曲げる第二予備折曲工程とを備えると共に、
    端部加工工程が、
    前記第一予備折曲工程と第二予備折曲工程との間に実行し、前記鋭角度に折り曲げた最外周環部を表裏方向に沿って切断加工することにより、当該最外周環部の外周端部に傾斜周端部を形成するようにしていることを特徴とする請求項1に記載の自動車用ホイールの製造方法。
  3. 折返し加工工程は、
    上圧接金型と下折曲金型とを、裏側へ折り曲げた最外周環部と意匠面側の表側外周環部とを挟圧しない離間位置から、表裏方向に沿って相対的に近接する方向へ移動することによって、
    当該最外周環部を下折曲金型の湾曲加工面部と折返し加工面部とに倣うように径方向内側へ折返し且つ表側外周環部の裏側面に面接触させる当接加工位置へ位置変換し、さらに継続して最外周環部と表側外周環部とを板厚方向へ圧縮して圧接させる圧接加工位置へ位置変換するようにしていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動車用ホイールの製造方法。
  4. 折返し加工工程の後に、最外周環部と表側外周環部とを一体的に表方へ傾斜させる傾斜曲げ加工工程を行うことにより、表方へ傾斜した表側フランジ部をホイールディスクの外周縁部に形成するようにしていることを特徴とする請求項3に記載の自動車用ホイールの製造方法。
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