JP5095373B2 - 車両用ホイール - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤが装着されるホイールリムと車軸に固定されるホイールディスクとから構成される車両用ホイールに関し、詳細には、ホイールリムのドロップ部にホイールディスクのディスクフランジ部を内嵌して溶接することにより、ホイールリムとホイールディスクとを一体化してなる車両用ホイールに関する。
車両用ホイールにあって、ホイールリムに形成されたドロップ部に、ホイールディスクの外周縁に形成されたディスクフランジ部を内嵌して溶接されてなる、いわゆる2ピースタイプのものが種々提案されている。車両用ホイールは、自動車の走行性能を向上したり、市場での競争力を高めるため、軽量化や製造コスト削減が強く求められている。そのため、ホイールディスクのディスクフランジ部に、ホイール表方へ窪む湾曲凹縁を周方向に所定間隔をおいて四箇所形成し、この部分の軽量化と材料量を低減するようにした構成が一般的となっている。尚、ディスクフランジ部の各湾曲凹縁の間には、周方向に沿った周弧縁があり、この周弧縁と湾曲凹縁とが交互に連続している。
上記したディスクフランジ部とドロップ部とを溶接する場合には、該ディスクフランジ部の各周弧縁をアーク溶接により、周方向に隅肉溶接することが一般的である。この隅肉溶接により形成される溶接ビードは、通常、周弧縁の幅より短く形成される。これは、所望の溶接強度を発揮できる範囲内で、溶接に要する時間を短縮し、さらに、溶加材(溶接棒)の使用量などを低減するように設定されている。ところが、この溶接ビードにあって、その溶接始端部と溶接終端部では、その溶接時に伝わる熱量が不安定となり易いために溶け込み量も安定せず、所望の強度が得られ難い。そして、このディスクフランジ部とドロップ部とが隅肉溶接された溶接ビードには、車両走行中に作用する圧力や振動等の負荷により、応力集中が生じ易い。しかるに、車両走行中に作用する負荷により、該溶接ビードの溶接始端部や溶接終端部で亀裂が生じ易く、この亀裂が進行してドロップ部の外面まで達すると、エア漏れが生じてしまうこととなる。このように溶接ビードに発生する亀裂が、当該車両用ホイールの耐久性に大きな影響を及ぼしている。そのため、溶接ビードの溶接始端部や溶接終端部の溶け込み量などを安定させるために溶接条件を適切に設定したり、ホイールリムの強度を向上するために板厚を厚くする等の対応を行っていた。
また、上記した耐久性の向上を目的として、例えば特許文献1の構成が提案されている。かかる構成は、ホイールディスクの外周縁に、周方向に沿った端縁を有する立ち上がり部とホイール表方へ円弧状に凹む凹縁を有するベンチレーション部とが形成されてなると共に、この立ち上がり部の端縁を、その周方向両側方に溶接始端部と溶接終端部とが位置するようにして、ホイールリムのドロップ部と溶接している。これは、溶け込み量が不安定となる溶接始端部と溶接終端部とを、ホイールディスク側に形成しないようにしていることから、この構成の車両用ホイールでは、車両走行中に溶接ビードの溶接始端部と溶接終端部とに作用する負荷を低減できるため、耐久性が向上する。
特開平11−277228号公報
ところで、上述した従来構成にあって、溶接条件の適正化やホイールリムの板厚を厚肉化することにより、耐久性を向上するようにした場合、溶接条件の適正化のみにより、溶接始端部や溶接終端部の溶け込み量を安定させることは極めて難しいことから、耐久性の向上効果に限界がある。また、ホイールリムの板厚を厚肉化すれば、重量増加となってしまうという問題もある。
一方、上述した特許文献1の構成にあっては、立ち上がり部の端縁の周方向幅よりも、溶接ビードを長く形成する必要がある。これを、例えば上記した従来の、ディスクフランジ部が周弧縁と湾曲凹縁とを夫々四箇所備えてなる構成に適用した場合、周弧縁よりも短い溶接ビードを形成した構成に比して、溶接ビードがかなり長くなってしまう。このように溶接ビードを長く形成するためには、その溶接工程にあって、溶接作業に要する時間が長くなると共に、この溶接作業に要する熱エネルギーが増加したり、溶加材の使用量も増加してしまう。そのため、生産性が低下したり、製造コストが増えるという問題を生じる。
また、上述した特許文献1の構成にあっては、ホイールディスクの立ち上がり部をホイールリムのドロップ部に内嵌していることから、該立ち上がり部によりディスクフランジ部を構成したものとなっている。この構成の場合、ベンチレーション部の凹縁をホイール表方へ大きく形成していることから、相対的に立ち上がり部の端縁の幅が短くなっている。そのため、この立ち上がり部の端縁は、上述した従来の、ディスクフランジ部に湾曲凹縁と周弧縁とを備えた構成の該周弧縁に比して、周方向幅が短く形成されたものとなる。しかるに、特許文献1の構成では、立ち上がり部の端縁の両側方に溶接始端部と溶接終端部とを位置するように溶接ビードを形成しても、該溶接ビードの長さを抑制することができる。しかしながら、この構成では、ホイールディスクの立ち上がり部が、周方向で所定間隔をおいてホイールリムのドロップ部と嵌合するだけとなるため、ホイールディスクとホイールリムとの嵌合面積が小さくなってしまう。また、この嵌合している領域が、ホイールリムの周方向で部分的に存在するだけとなる。そのため、特許文献1の構成は、上述したディスクフランジ部がホイールリムと周方向に亘って嵌合している構成に比して、ホイールディスクとホイールリムとの嵌合を保持する力が弱い。このようなホイールに負荷が作用すると、溶接ビードの、立ち上がり部の周弧縁を溶接している部位に一層応力集中し易くなってしまう。しかるに、溶接ビードの溶接始端部と溶接終端部とで亀裂が生じ難くなっていても、立ち上がり部の端縁とドロップ部とを溶接した部位では亀裂が生じ易くなってしまうため、総じて車両用ホイールの耐久性の向上効果が充分に得られないという問題がある。
本発明は、溶接に要する時間やコストを抑制しつつ、高い耐久性を発揮することができ得る車両用ホイールを提案するものである。
本発明は、ホイールリムに設けられたドロップ部に、ホイールディスクの外周縁に設けられたディスクフランジ部を内嵌して溶接することにより、ホイールリムとホイールディスクとを一体化してなる車両用ホイールにおいて、ホイールディスクのディスクフランジ部が、周方向に沿って所定間隔をおいて複数形成されたホイール表方へ窪む湾曲凹縁と、各湾曲凹縁間に夫々形成された複数の周弧縁とを備えると共に、周弧縁からホイール裏方へ延出された、該周弧縁より幅狭の溶接延出部を備えてなり、ディスクフランジ部の溶接延出部を、溶接始端部と溶接終端部とが溶接延出部の幅方向両側方に夫々位置し且つ周弧縁に接触しないように溶接ビードを形成することにより、前記ホイールリムのドロップ部に溶接してなるものであることを特徴とする車両用ホイールである。
かかる構成にあっては、ディスクフランジ部に湾曲凹縁と交互に設けられた周弧縁に、ホイール裏方へ延出する溶接延出部が形成されていると共に、このディスクフランジ部をドロップ部に内嵌した状態で、溶接延出部を、その幅方向一側方から溶接を開始して、当該溶接延出部に亘って溶接ビードを形成していき、幅方向他側方で溶接終了することにより、ドロップ部に溶接するようにしたものである。そして、この溶接の際に、溶接始端部と溶接終端部とを、当該溶接延出部が延出された周弧縁に接触しないように形成したものである。このように溶け込み量などが安定しない溶接始端部と溶接終端部とを、ドロップ部のみに形成することによって、車両走行中に発生する圧力や振動などの負荷により溶接始端部や溶接終端部に作用する力を低減することができる。これにより、溶接始端部や溶接終端部での亀裂発生を抑えることができるため、当該車両用ホイールは、高い耐久性を発揮でき得る。本発明の車両用ホイールは、ディスクフランジ部がホイールディスクの外周縁全周に形成されており、該ディスクフランジ部がホイールリムのドロップ部に周方向全周に亘って嵌合されている。しかるに、ディスクフランジ部とドロップ部とが充分な嵌合力を有し、且つ前記したように溶接始端部や溶接終端部に作用する負荷を低減できることから、総じて、高い耐久性を発揮することができ得る。
さらに、高い耐久性を発揮できることから、ホイールリムを薄肉化することも可能であり、車両用ホイールの軽量化を進めることができると共に、車両用ホイールに要する材料量も低減でき、製造コストを低減することもでき得る。
また、本構成にあっては、溶接延出部の幅が周弧縁よりも狭い(短い)ことから、該溶接延出部の両側方に亘って溶接する溶接ビードの長さを比較的短く設定することも可能である。これに伴い、溶接を行う工程にあって、該溶接に要する時間、溶接に要する熱エネルギー、溶加材の使用量などを低減することもできる。
尚、本構成にあって、溶接延出部は、周弧縁の幅方向中央部分に形成された構成が好適である。この構成では、周弧縁の幅方向中央部分で溶接延出部とドロップ部とが溶接されることから、当該車両用ホイールに作用する負荷が、周弧縁の幅方向でバランス良く発生するため、溶接ビードの長手方向にバランス良く応力が作用し易くなる。これにより、溶接ビードの強度が安定して発揮され、総じて車両用ホイールの耐久性も安定し易い。
上述した車両用ホイールにあって、ディスクフランジ部の溶接延出部とドロップ部とを溶接した溶接ビードが、その溶接始端部と溶接終端部とを周弧縁の両側端より幅方向側方にはみ出さないように形成されている構成が提案される。
かかる構成にあっては、溶接ビードを周弧縁より幅狭の長さに形成したものであるから、該溶接ビードの長さを一層短く設定することができ得る。このように溶接ビードの長さを短くできることから、溶接に要する溶接時間の短時間化、熱エネルギーの低減、溶加材の低減を実現でき得る。
本発明の車両用ホイールは、上述したように、湾曲凹縁と周弧縁とが交互に連続して形成されたディスクフランジ部が、その周弧縁からホイール裏方へ延成した溶接延出部を備えてなり、該溶接延出部を、溶接始端部と溶接終端部とが溶接延出部の幅方向両側方に夫々位置し且つ周弧縁に接触しないように溶接ビードを形成することにより、ドロップ部に溶接してなる構成である。この構成では、車両走行中に発生する負荷により溶接始端部や溶接終端部に作用する力を低減できるため、ここでの亀裂発生を抑制できる。これにより、本構成の車両用ホイールは、高い耐久性を発揮することができる。また、周弧縁より幅狭の溶接延出部を溶接することから、溶接ビードの長さを比較的短く設定できるため、溶接を行う工程にあって、溶接時間、溶接の熱エネルギー、溶加材の使用量などを低減でき、総じて製造コストを低減することができ得る。
上述した車両用ホイールにあって、ディスクフランジ部の溶接延出部とドロップ部とを溶接した溶接ビードが、その溶接始端部と溶接終端部とを周弧縁の両側端より幅方向側方にはみ出さないように形成された構成とした場合には、溶接ビードの長さが一層短く設定される。そのため、この溶接ビードを形成する溶接工程の溶接時間、熱エネルギー、溶加材の使用量などを一層低減でき、総じて製造コストを低減する効果がさらに高まる。
本発明の実施例を添付図面を用いて詳述する。
図1は、本発明にかかるスチール製の車両用ホイール1の縦断面図である。この車両用ホイール1は、ホイールディスク2とホイールリム3とを嵌合して溶接してなるものである。尚、本実施例にあって、ホイール裏方とは、車両用ホイール1にあって、ホイールディスク2の意匠面側からその背面側へ向かう方向であり、ホイール表方とは、逆に背面側から意匠面側へ向かう方向である。
上記したホイールディスク2は、図1,2のように、略円盤状のハブ取付部7と、該ハブ取付部7の外周端からホイール表方に隆起するハット部8と、該ハット部8の外周端からホイール軸方向に沿って周成されたディスクフランジ部9とを備えている。ここで、ハブ取付部7には、その中央にハブ孔5が設けられており、該ハブ孔5を囲むように、ホイール表方へ起立する円筒形のハブ孔フランジ部6が形成されている。さらに、このハブ孔フランジ部6の周囲にナット座を備えた複数のボルト孔4が同一円周上に等間隔で穿設されている。また、ハット部8には、複数の飾り孔10が同一円周上で等間隔で形成されている。尚、ディスクフランジ部9は、本発明の要部にかかり詳しくは後述する。
一方、ホイールリム3は、図1のように、その両開口端縁に図示しないタイヤのビードを支持するフランジ部15a,15bが形成されており、該フランジ部15a,15bに夫々に連続されて、タイヤのビードを保持するためのビードシート部16a,16bが軸方向と略平行に形成されている。さらに、ビードシート部16a,16b間には、ホイールリム3の内方へ陥没するドロップ部17が設けられており、タイヤ装着時にタイヤのビードを該ドロップ部17に落とし込むことによって、その装着を容易に行い得るようにしている。また、このドロップ部17に、上記したホイールディスク2のディスクフランジ部9が内嵌されて溶接されることにより、ホイールディスク2とホイールリム3とを一体化して、車両用ホイール1が形成される。本実施例の車両用ホイール1は、所謂ドロップ嵌合ホイールである。
尚ここで、ホイールリム3にあっては、略長方形状のスチール製平板を、その短辺同士を突合せ接合することにより円筒形状とした後、これを回転させた状態で、所定の金型を当該円筒の内外両側から挟圧させるロール加工により成形される(図示省略)。そして、このロール加工によってホイールリム3は所望の形状に成形される。
次に本発明の要部について説明する。
上記したホイールディスク2のディスクフランジ部9には、ホイール表方へ窪む湾曲凹縁21が所定間隔をおいて四箇所設けられており、各湾曲凹縁21の間に周弧縁22が夫々設けられている。すなわち、この湾曲凹縁21と周弧縁22とが交互に連続して四箇所毎設けられて一周回しており、ディスクフランジ部9の周端縁を構成している。尚、この周弧縁22は、周方向に沿った形状となっており、湾曲凹縁21が周弧縁22からホイール表方へ円弧状に窪んだ形状となっている。そして、湾曲凹縁21が形成されている部位は、周弧縁22の形成されている部位に比して、ホイール軸方向の長さが短くなっている。本実施例にあっては、ディスクフランジ部9が周方向全周に亘ってホイールリム3のドロップ部17に嵌合される。
上記したディスクフランジ部9には、その各周弧縁22からホイール裏方へ延出する溶接延出部23が夫々に形成されている。この溶接延出部23は、周弧縁22より幅狭であり、該周弧縁22の中央部分に設けられている。そのため、周弧縁22の、溶接延出部23を除く両側部分の幅は等しくなっている。そして、溶接延出部23のホイール裏方への延出長さは、アーク溶接により周弧縁22に沿って溶接ビード25を形成した場合に、該溶接ビード25が周弧縁22に接触しないように設定されている。
このようなホイールディスク2は、略正方形のスチール製平板を、その四角部を円弧状に切り落として所定の板状基材に成形した後に、該板状基材をプレス加工することにより成形することができる(図示省略)。ここで、本実施例にあっては、スチール製平板の四角部を、中央部分が外方へ突出する同心状の二段円弧形状に切り落とすことにより、板状基材を成形する。この板状基材をプレス加工することにより、二段円弧形状とした二段状縁を、上記したディスクフランジ部9の周弧縁22と溶接延出部23とに成形する。また、板状基材の四辺である線状縁を、プレス加工により、湾曲凹縁21に成形する。尚、スチール製平板の四角部を二段円弧形状に切り落とす以外は、従来の成形方法を適用できるため、その詳細については省略する。
上述したホイールディスク2のディスクフランジ部9を、上記したホイールリム3のドロップ部17に内嵌し、該ディスクフランジ部9の各溶接延出部23をアーク溶接によりドロップ部17に溶接する。これにより、ホイールディスク2とホイールリム3とを一体化し、本発明にかかる車両用ホイール1を得る。ここで、アーク溶接は、溶接延出部23の周方向一側方から開始し、周弧縁22に沿って進行させて、溶接延出部23をドロップ部17に隅肉溶接していき、溶接延出部23を通り過ぎて周方向他側方で終了するように行う。このようにアーク溶接により形成された溶接ビード25にあって、その溶接始端部25aと溶接終端部25bとは、溶接延出部23の両側方に夫々位置しており、周弧縁22と接触せずに、ドロップ部17上に形成されている(図3(B)参照)。そして、この溶接ビード25は、周弧縁22の幅より短尺とするように形成されており、その溶接始端部25aと溶接終端部25bとが周弧縁22の両端から側方へはみ出ないように形成されている。
ここで、アーク溶接は、その溶接時の熱量が不安定となり易い溶接始端部25aと溶接終端部25bとをドロップ部17上に形成し、溶接延出部23とドロップ部17とを安定した熱量により溶接できるようにしている。そのため、溶接延出部23とドロップ部17とを隅肉溶接している部位は、その溶け込み量が安定して形成されることから、所望の溶接強度を安定して発揮できる。
さらに、本実施例にあっては、溶接ビード25を周弧縁22に沿って形成し、該周弧縁22に接触しないものの近接するように形成している。これにより、溶接延出部23が周弧縁22に比して幅狭であっても、ドロップ部17との溶接により、ホイールディスク2とホイールリム3とを充分な接合力で保持することができ得る。
次に、上述した本実施例の車両用ホイール1を耐久性試験に供した結果について説明する。
ここで、耐久性試験は、JIS D4103の半径方向負荷耐久試験に従って行っている。すなわち、一定速度で回転するドラムに、タイヤを装着した車両用ホイールを押付け、所定の半径方向負荷を掛けながら回転させることにより行う。そして、この回転回数をカウントし、車両用ホイールに亀裂や変形が生じた回転回数により耐久性の指標している。
本実施例にかかる車両用ホイール1として、リム径14インチのスチール製品を用いた。この車両用ホイール1のホイールリム3は、その厚みが約4mmである。そして、このホイールディスク2のディスクフランジ部9は、その周弧縁22の周方向幅を約100mmとしている。さらに、図3(A)のように、本発明の要部である周弧縁22から延出して形成されている溶接延出部23は、その幅Lを50mmとし、周弧縁22からホイール裏方へ突出した延出長さHを4mmとしている。この溶接延出部23をドロップ部17にアーク溶接して形成した溶接ビード25は、図3(B)のように、その長さTを約70mmとしており、溶接延出部23の両側方に約10mmづつ長くなるように形成されている。尚、この溶接ビード25は、上述したように、周弧縁22に接触しないように形成している。
上記した本実施例と比較するための比較例1として、図4(A)のように、従来構成の車両用ホイールを準備した。これは、ホイールディスクのディスクフランジ部53に設けられた周弧縁57に溶接延出部が形成されておらず、該周弧縁57を、アーク溶接によりホイールリム3のドロップ部17に隅肉溶接したものである。ここで、隅肉溶接により形成した溶接ビード55は、上記した実施例と同じ溶接条件により溶接されており、周弧縁57から両側方へはみ出さず、実施例と同様に約70mmの長さTに形成されている。すなわち、この比較例1の構成では、溶接ビード55の溶接始端部55aと溶接終端部55bとが周弧縁57とドロップ部17とを溶接するように設けられている。尚、比較例1にあって、これ以外の構成は、実施例と同じ構成としており、同じ構成要素に同じ符号を記し、その説明を省略する。
さらに、比較例2として、図4(B)のように、周弧縁67に溶接延出部68が形成されており、当該溶接延出部68を溶接した溶接ビード65は、その溶接始端部65aと溶接終端部65bとが周弧縁67に接触するように形成してなるものとしている。かかる構成の車両用ホイールにあっては、ホイールディスクのディスクフランジ部63に設けられた周弧縁67に、ホイール裏方への延出長さHを約2mmとし且つ周方向幅Lを約50mmとした溶接延出部68を形成してなる。そして、この溶接延出部68の両側方に溶接始端部65aと溶接終端部65bとが位置するようにして、周弧縁67に沿ってアーク溶接すると、当該溶接延出部68の延出長さHが短いために、溶接始端部65aと溶接終端部65bとが、周弧縁67に接触するように形成されている。尚、比較例2にあっては、これ以外の構成は、実施例と同じ構成としており、同じ構成要素に同じ符号を記し、その説明を省略する。
上述した実施例の車両用ホイール1と比較例1,2の各車両用ホイール(図示省略)とを、上述した耐久性試験に供した。尚、耐久性試験では、それぞれのn数を5としている。この耐久性試験の結果、実施例の構成では、平均210万回転で亀裂が発生した。一方、比較例1の構成では平均155万回転で亀裂が発生し、比較例2の構成では平均169万回転で亀裂が発生した。このように本実施例の車両用ホイール1は、比較例1の従来構成に比して、耐久性試験による寿命が約35%向上することを確認した。
そして、この耐久性試験では、実施例の構成の場合、溶接ビード25の、溶接延出部23とドロップ部17とを溶接している部位で亀裂を生じた。一方、比較例1の構成の場合、溶接ビード55の溶接始端部55aまたは溶接終端部55bで亀裂を生じた。同様に、比較例2の構成の場合にも、溶接ビード65の溶接始端部65aまたは溶接終端部65bで亀裂を生じた。以上の結果から、比較例1,2の構成では、溶け込み量などが不安定に形成されてしまう溶接始端部55a,65aや溶接終端部55b,65bで応力集中を生じ易く、ここで生じた亀裂により耐久性試験における寿命が決まっている。尚、比較例2は、比較例1に比して耐久性が若干高い傾向を示したが、溶接ビード65の溶接始端部65aや溶接終端部65bが周弧縁67と接触しているために、ここで亀裂を発生し易くなっている。そのため、耐久性の向上効果も不安定となり易く、本発明にかかる、溶接始端部や溶接終端部での亀裂発生を抑制する作用効果が発揮されていない。これに対して、本実施例の構成では、溶接ビード25の溶接始端部25aや溶接終端部25bで亀裂が発生せず、溶接ビード25の、溶接延出部23とドロップ部17とを溶接している部位で亀裂を生じている。これは、溶接始端部25aや溶接終端部25bが溶接延出部23の両側方に位置し且つ周端縁22と接触していないことから、耐久性試験による負荷が溶接始端部25aや溶接終端部25bに作用することを抑制できるためである。これにより、本実施例の構成は、耐久性試験における寿命が、比較例1の従来構成や比較例2の構成に比して著しく向上したと考えられる。
上述した耐久性試験により、本発明にかかる車両用ホイール1が、高い耐久性を有していることを実証できた。このように耐久性が向上することにより、この向上効果に基づいて、ホイールリムを薄肉化することも可能であり、車両用ホイールを軽量化することもでき得る。
また、本実施例の構成では、溶接ビードの長さを従来構成と同じ長さとして設定できることから、溶接工程における溶接時間、溶接熱エネルギー、溶加材(溶接棒)の使用量などを従来構成と同等とすることができる。すなわち、従来構成と同様の製造時間とコストにより、従来構成に比して極めて高い耐久性を有する車両用ホイールを得ることができる。
ここで、この耐久性の向上効果に基づいて、溶接延出部23の幅を短く設定し且つ溶接ビードの長さを短くすることも可能である。通常、溶接している部位を短縮化すると、耐久性は低減する傾向を示すが、本発明の構成に適用することにより、従来構成と同等以上の耐久性を維持しつつ溶接部位を短くすることもできる。これにより、溶接工程における溶接時間、溶接熱エネルギー、溶加材を低減することができ、従来構成に比して製造コストを低減可能である。さらに、耐久性の向上効果に基づいて、ホイールリムを薄肉化することも可能である。これにより、車両用ホイールを軽量化することができると共に、材料量の低減により製造コストを低減できる。
尚、本実施例の構成にあっては、ホイールディスク2が、そのディスクフランジ部9をホイールリム3のドロップ部17に周方向全周に亘って嵌合した構成であるため、充分な嵌合力を発揮し、車両走行中に作用する負荷に対する耐久性を高める作用効果を有する。これは、ドロップ部と嵌合するディスクフランジ部9が周方向で部分的に配設するようにした構成(上述した従来の特許文献1)に比して、高い嵌合力を有していることから、高い耐久性を発揮することができる。
本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で適宜用いることができる。例えば、スチール製の車両用ホイール以外にも、アルミニウム合金製やマグネシウム合金製などの車両用ホイールに適用することができる。また、ホイールディスクの溶接延出部とホイールリムのドロップ部とを溶接する方法としては、アーク溶接に限らず、他の溶接方法を用いることもできる。
本発明にかかる車両用ホイール1の縦断面図である。 同上の車両用ホイール1を構成するホイールディスク2の斜視図である。 (A)ディスクフランジ部9の溶接延出部23と、(B)溶接延出部23をドロップ部17に溶接して溶接ビード25を形成した状態とを示す拡大説明図である。 (A)比較例1の従来構成の、ディスクフランジ部53の周端縁57を溶接した状態と、(B)比較例2の、ディスクフランジ部63の溶接延出部68を溶接した状態とを説明する部分拡大図である。
符号の説明
1 車両用ホイール
2 ホイールディスク
3 ホイールリム
9 ディスクフランジ部
17 ドロップ部
21 湾曲凹縁
22 周弧縁
23 溶接延出部
25 溶接ビード
25a 溶接始端部
25b 溶接終端部

Claims (2)

  1. ホイールリムに設けられたドロップ部に、ホイールディスクの外周縁に設けられたディスクフランジ部を内嵌して溶接することにより、ホイールリムとホイールディスクとを一体化してなる車両用ホイールにおいて、
    ホイールディスクのディスクフランジ部が、周方向に沿って所定間隔をおいて複数形成されたホイール表方へ窪む湾曲凹縁と、各湾曲凹縁間に夫々形成された複数の周弧縁とを備えると共に、周弧縁からホイール裏方へ延出された、該周弧縁より幅狭の溶接延出部を備えてなり、
    ディスクフランジ部の溶接延出部を、溶接始端部と溶接終端部とが溶接延出部の幅方向両側方に夫々位置し且つ周弧縁に接触しないように溶接ビードを形成することにより、前記ホイールリムのドロップ部に溶接してなるものであることを特徴とする車両用ホイール。
  2. ディスクフランジ部の溶接延出部とドロップ部とを溶接した溶接ビードが、その溶接始端部と溶接終端部とを周弧縁の両側端より幅方向側方にはみ出さないように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用ホイール。
JP2007314613A 2007-12-05 2007-12-05 車両用ホイール Expired - Fee Related JP5095373B2 (ja)

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