JP2011194997A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】従来に比べて氷上性能の大幅な向上を実現しつつも静粛性の向上を図った空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド部1に、タイヤ周方向に延びる縦溝9aと該縦溝9aに交差する横溝9bとによって五角形以上の多角形の踏面形状をもつ多角形ブロック10を区画するとともに、該多角形ブロック10をタイヤ周方向に密集配列して多角形ブロック列11を形成し、多角形ブロック列11を構成する多角形ブロック10のピッチ長さP1、P2、P3を二種類以上に異ならせるとともに、最大ピッチ長さP3と最小ピッチ長さP1との比を1:0.8〜0.9の範囲内とした空気入りタイヤである。
【選択図】図1

Description

この発明は、トレッド部に、タイヤ周方向に延びる縦溝と該縦溝に交差する横溝とによって区画されたブロックを備える空気入りタイヤに関し、特に、氷上性能の大幅な向上を実現しつつも静粛性の向上を図った空気入りタイヤに関する。
一般に、冬用の空気入りタイヤでは、トレッド部のブロックを比較的大きく形成するとともに、各ブロックの表面にサイプと呼ばれる細溝を刻むことにより、接地面内のエッジを増大させ氷上性能を確保することが行われている(特許文献1参照)。
特開2002−192914号公報
しかしながら、サイプを増やすことによって、水膜を除去する効果や氷面を引っ掻く効果が増大することも期待できるが、サイプを増やしすぎるとブロックの剛性が低下するため倒れ込みが増し、接地面積が減少する。このような接地面積の減少は氷上性能を却って低下させることとなる。
これに鑑み、出願人は、特願2008―236342号にて、各ブロックを比較的小さく形成するとともに相互に密集して配置することにより、ブロックの倒れ込みに起因した接地面積の減少を阻止しつつもブロックの周縁によって形成されるエッジの増大を図り、その結果、従来に比べて氷上性能を大幅に向上させることに成功した。
ところで、近年では車両の低騒音化に伴ってタイヤに対してもより高い静粛性が要求されるようになってきている。そこで、このような小型のブロックを密集配置したタイヤにつき、静粛性を考慮しいわゆるピッチバリエーションを採用したところ、タイヤ周方向においてブロック剛性およびエッジ量に変動が生じ、所期のとおりに氷上性能を向上し得ない場合があるとの問題に直面した。
それゆえこの発明は、従来に比べて氷上性能の大幅な向上を実現しつつも静粛性の向上を図った空気入りタイヤを提供することをその目的とする。
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、この発明の空気入りタイヤは、トレッド部に、タイヤ周方向に延びる縦溝と該縦溝に交差する横溝とによって五角形以上の多角形の踏面形状をもつ多角形ブロックを区画するとともに、該多角形ブロックをタイヤ周方向に密集配列して多角形ブロック列を形成し、上記多角形ブロック列を構成する多角形ブロックのピッチ長さを二種類以上に異ならせるとともに、最大ピッチ長さと最小ピッチ長さとの比を1:0.8〜0.9の範囲内としたことを特徴とするものである。ここで「タイヤ周方向に延びる」とは、タイヤ周方向に沿って直線上に延びる場合の他、湾曲または屈曲しつつ縦溝全体としてタイヤ周方向に延びる場合も含むものとする。
かかる空気入りタイヤにあっては、多角形ブロック列を構成する各多角形ブロックを相互に密集して配置しかつ多角形ブロックの踏面形状を五角形以上の多角形としたことにより、適度なブロック剛性が確保され、また多角形ブロックの周縁によって形成されるエッジが増大するので、ブロックの倒れ込みに起因した接地面積の減少を阻止しつつもパターンエッジを増大させることができ、優れた氷上性能を発揮させることができる。
また、多角形ブロック列を構成する多角形ブロックのピッチ長さを二種類以上に異ならせるとともに、最大ピッチ長さと最小ピッチ長さとの比を1:0.8〜0.9の範囲内としたことにより、タイヤ周方向におけるブロック剛性およびエッジ量の変動を氷上性能に影響を与えない程度に小さくすることができる。
したがって、この発明の空気入りタイヤによれば、各多角形ブロックの大きさの適正化および多角形ブロックのピッチ長さの適正化をもって、従来に比べて氷上性能を大幅に向上させつつ静粛性を向上させることができる。
なお、この発明の空気入りタイヤにあっては、少なくとも一列の上記多角形ブロック列に含まれる上記多角形ブロックの集まりを多角形ブロック群としたとき、該多角形ブロック群の単位接地面積当たりの多角形ブロックの個数である多角形ブロック個数密度を、0.003〜0.04(個/mm)の範囲内とすることが好ましい。ここでいう「単位接地面積」は、空気入りタイヤをJATMAYEAR BOOKに規定されている標準リムに装着し、JATMA YEAR BOOKでの適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力(内圧−負荷能力対応表の太字荷重)に対応する空気圧(最大空気圧)の100%の内圧を充填し、最大負荷能力を負荷したときのものである。使用地又は製造地において、TRA規格、ETRTO規格が適用される場合は各々の規格に従う。
また、この発明の空気入りタイヤにあっては、上記多角形ブロック列を構成する各多角形ブロックの踏面の面積を50〜250mmとすることが好ましい。
しかも、この発明の空気入りタイヤにあっては、上記トレッド部に、タイヤ周方向に沿って延びかつ上記多角形ブロックを区画する縦溝および横溝よりも溝深さの深い周方向主溝を設けることが好ましい。
この発明によれば、従来に比べて氷上性能の大幅な向上を実現しつつも静粛性を向上させることができる。
この発明にしたがう実施の形態の空気入りタイヤのトレッドパターンの展開図である。 図1に示す空気入りタイヤにおける多角形ブロック列のみを抜き出して示した図であり、(a)は横溝の周方向長さを変化させてピッチバリエーションを行った場合、(b)は多角形ブロックの周方向長さを変化させてピッチバリエーションを行った場合を示している。 図1中のA−A線に沿う断面図である。 従来技術にしたがう空気入りタイヤ(従来例1のタイヤ)のトレッドパターンの展開図である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1は、この発明による空気入りタイヤのトレッドパターンの展開図である。図中、Eはタイヤ赤道面を示し、TEはトレッド接地端を示している。
空気入りタイヤは、図示を省略したが、慣例に従い一対のビード部および一対のサイドウォール部と、トレッド部とを有し、これら各部を、各ビード部に埋設したビードコア相互間に亘り補強するカーカスを有する。カーカスはラジアルプライ、バイアスプライのいずれでもよい。ラジアルプライの場合は、カーカス外周でトレッド部を補強するベルトを備える。
図1において、トレッド部1には、タイヤ周方向に沿って延びる少なくとも一本、図示例では三本の周方向主溝2a、2b、2cが設けられ、周方向主溝2a、2cのタイヤ幅方向外側には、トレッド接地端TEを跨いてタイヤ幅方向に延びるショルダーブロック3をタイヤ周方向に並べてなるショルダーブロック列4が設けられている。周方向主溝2bと周方向主溝2cとの間には、タイヤ幅方向に長い横長ブロック5をタイヤ周方向に多数並べてなる横長ブロック列6が設けられている。各ショルダーブロック3および各横長ブロック5には、ブロックの剛性に応じてサイプ7が形成されている。また、タイヤ周方向に隣合うショルダーブロック3間およびタイヤ周方向に隣合う横長ブロック5間には、タイヤ幅方向に延びるラグ溝8が形成されている。
また、周方向主溝2aと周方向主溝2bとの間には、タイヤ周方向に延びる縦溝9aと該縦溝9aに交差する横溝9bとによって区画され五角形以上の多角形、図示例では八角形の踏面形状をもつ多角形ブロック10(八角形ブロック)が多数設けられている。多角形ブロック10の踏面形状は八角形に限らず五角形や六角形などの他の多角形としてもよいが、八角形とすることが好ましい。八角形とすることで、タイヤ幅方向に延びるエッジを確実に配置できるとともに、後述のように多角形ブロック10を千鳥状にかつ密に配置しやすくなる。各多角形ブロック10には、ブロックの剛性に応じて2本のサイプ7がそれぞれ形成されているが、サイプは設けなくてもよい。
各多角形ブロック10は、タイヤ周方向に所定の間隔を置きつつも密集して配列され、それによりトレッド部1に少なくとも一列、図示例では二列の多角形ブロック列11が形成されている。タイヤ幅方向で隣合う多角形ブロック列11に属する多角形ブロック10は、一方の多角形ブロック列11に属する多角形ブロック10のタイヤ周方向位置が、他方の多角形ブロック列11に属する、タイヤ周方向で隣合う多角形ブロック10同士の間に位置されるとともに、一方の多角形ブロック列11に属する多角形ブロック10と他方の多角形ブロック列11に属する多角形ブロック10とがタイヤ周方向視およびタイヤ幅方向視の双方において部分的に重なるよう千鳥状に配列されている。
図2(a)、(b)に示すように、それぞれの多角形ブロック列11では異なるピッチ長さP1、P2、P3をもつ少なくとも二種類、本実施形態では三種類のピッチが設定されている。すなわち、多角形ブロック列11のぞれぞれの多角形ブロック10および、それらの多角形ブロック10に隣接する一方の横溝9bを、ピッチ長さP1、P2、P3の異なる二種類以上のピッチに設定する。ここでは各ピッチのピッチ長さP1、P2、P3の関係は、P1<P2<P3であるがこれに限定されず、P2<P1<P3としたり、P1>P2>P3とりたりしてもよく、図示は省略するが、ピッチの種類もピッチ長さの互いに異なる四種類以上としてもよい。
各ピッチのピッチ長さP1〜P3を異ならせるに際しては、図2(a)に示すように多角形ブロック10の周方向長さL1〜L3をほぼ一定とする一方で多角形ブロック10に隣接する一方の横溝9bの周方向長さW1〜W3をW1<W2<W3と変化させてもよく、図2(b)に示すように多角形ブロック10の周方向長さL1〜L3をL1<L2<L3とする一方で、多角形ブロック10に隣接する一方の横溝9bの周方向長さW1〜W3をほぼ一定としてもよい。前者は、多角形ブロック10の剛性がタイヤ周方向にほぼ同じとなるから氷上性能に特に有利な形態であり、後者は、横溝9bの溝容積を一定以上確保することができ充分な雪柱せん断力を得ることができるので、雪上性能に特に有利な形態である。
また、図示は省略するが、多角形ブロック10の周方向長さを、L1<L2<L3、L2<L1<L3、L3<L1<L2というように変化させながら、横溝9bの周方向長さをW1<W2<W3、W2<W1<W3、W3<W1<W2というように変化させることにより、すなわち、多角形ブロック10を小さくした場合には該多角形ブロック10に隣接する横溝9bの周方向長さも小さくし、多角形ブロック10を大きくした場合には該多角形ブロック10に隣接する横溝9bの周方向長さも大きくすることにより、タイヤ周方向に亘って多角形ブロック10の大きさの変化を小さく保持しつつも所期のピッチバリエーションを実現することができる。これは、後述するように、多角形ブロック10の剛性を周方向に均一化する上で好ましい形態である。
さらに、図示の例では、多角形ブロック10の周方向長さを変化させるにあたって、ブロック全体をサイズを変化させているが、多角形ブロック10の幅方向長さを一定としつつ周方向長さのみを変化させてもよい(図示省略)。このようにすれば、タイヤ幅方向のブロック剛性がタイヤ周方向に亘って変化するのを防止することができ、良好な操縦安定性等を確保することができる。
また、それぞれの多角形ブロック列においては、最大ピッチ長さPmax(ここではP3)と最小ピッチ長さPmin(ここではP1)とは、Pmax:Pmin=1:0.8〜0.9、好ましくはPmax:Pmin=1:0.85との関係を満たす。「Pmin/Pmax」が0.8未満であると、最大の多角形ブロックと最小の多角形ブロックとの剛性差およびエッジ量の差が大きくなったり、タイヤ周方向におけるエッジの配列が不均一になったりし、小型の多角形ブロックの密集配置による氷上性能の向上効果が小さくなる。「Pmin/Pmax」が0.9を超えると、ピッチバリエーションによるホワイトノイズ化の効果が小さくなる。また、図2(b)に示すように、多角形ブロック10の大きさを変化させてピッチバリエーションを行う場合には、同一の多角形ブロック列11において、多角形ブロック10の踏面の面積に関し、最大の多角形ブロック10と最小の多角形ブロック10との比が1:0.8〜0.9の関係を満たすことが、多角形ブロック10の剛性を周方向に均一化して氷上性能を高める上で好ましい。
ところで、多角形ブロック10を密集配置することにより氷上性能を向上させるためには、少なくとも一列(図示例では二列)の多角形ブロック列11に含まれる多角形ブロック10の集まりを多角形ブロック群Gとしたとき、該多角形ブロック群Gの単位実接地面積当たりの多角形ブロック10の個数である多角形ブロック個数密度Dを、0.003〜0.04個/mmの範囲内とすることが好ましい。
多角形ブロック個数密度Dは、多角形ブロック群Gの幅をW(mm)、多角形ブロック群G内の任意の多角形ブロック列11における多角形ブロック10の任意のピッチ長さをPn(ここではP1〜P3の何れか)(mm)、該多角形ブロック群Gの幅Wと該ピッチ長さPnとで仮想的に区分した基準区域Z(図1中ハッチングで示した区域)内に存在する多角形ブロック10の個数をa(個)、該基準区域Z内のネガティブ率をN(%)としたとき、
Figure 2011194997
から算出することができる。ただし、多角形ブロック群Gの幅Wは、多角形ブロック群Gのタイヤ幅方向の一端から他端までの距離である。多角形ブロック個数密度Dは、多角形ブロック群Gにおいて単位接地面積当りに何個の多角形ブロック10が存在するかということを密度として表現したものである。ちなみに、例えば通常のスタッドレスタイヤの場合には、この密度Dは概ね0.002以下となる。なお、基準区域Z内の多角形ブロック10の個数aをカウントするに際して、多角形ブロック10が基準区域Zの内外に跨って存在し、一個として数えることができない場合は、基準区域Zを跨る多角形ブロック10の表面積に対する、基準区域内に残った同多角形ブロック10の残存面積の比率を用いて数えることとする。例えば、基準区域Zの内外に跨り、基準区域Z内にその半分しか存在しない多角形ブロック10の場合は、1/2個と数えることができる。
多角形ブロック群Gにおける多角形ブロック個数密度Dが0.003個/mm未満の場合では、多角形ブロック10が大きくなりすぎて、多角形ブロック10の密集配置によるパターンエッジの増大を図ることが難しくなり、一方、多角形ブロック個数密度Dが0.04個/mmを超える場合では、多角形ブロック10が小さくなりすぎ、剛性の低下による多角形ブロック10の倒れ込みに起因して接地面積が減少し、氷上性能が低下するおそれがある。また、ブロック個数密度Dを、0.0035〜0.03個/mmの範囲内とすれば、ブロック剛性の確保とパターンエッジの増大との両立をより高い次元で達成することができる。
また、多角形ブロック群G内でのネガティブ率Nは5%〜50%とすることが好ましい。多角形ブロック群G内でのネガティブ率Nが5%未満の場合は、溝容積が小さくなりすぎ排水性が不充分となるとなる他、多角形ブロック10が大きくなりすぎ、多角形ブロック10の密集配置によるパターンエッジの増大を図ることが難しくなり、一方、50%を超える場合は、接地面積が小さくなりすぎる。よって、いずれも場合も所期の氷上性能を維持できなくなるおそれがある。
さらに多角形ブロック列11を構成する各多角形ブロック10の踏面の面積は50〜250mmとし、多角形ブロック10を比較的小さくすることが好ましい。これにより、ブロック剛性を適度として良好なグリップ力を確保することができ、また多角形ブロック10の踏面の中央域から周縁までの距離を小さくすることができるので、多角形ブロック10の接地時に路面に水膜が存在する場合でも効率的に水膜を除去することができる。なお、多角形ブロック10の踏面の面積が50mm未満であると、多角形ブロック10の高さに対する多角形ブロック10の踏面面積の比率が小さくなることに起因して、ブロックの曲げ剛性が低下し倒れ込み変形しやすくなるので、ドライ路面、ウェット路面、氷雪路面等の各種路面走行時におけるハンドリング性能が悪化するおそれがある。また、多角形ブロック10の踏面の面積を250mmより大きくすると、比較的小型の多角形ブロック10の密集配置によるパターンエッジの増大を図りにくくなる。また、個々の多角形ブロック10を大きくしてしまうと、ウェット路面走行時に、多角形ブロックによる排水抵抗が大きくなってしまい、ハイドロプレーニング性能が悪化するおそれがある。
また、この実施形態では、多角形ブロック列11の二列からなる多角形ブロック群Gのタイヤ幅方向外側には、多角形ブロック群Gを挟み込むように、サイドブロック12a、12bをタイヤ周方向に多数並べてなるサイドブロック列13a、13bが設けられている。なお、サイドブロック12a、12bを設ける代わりに上述の多角形ブロック10を設けて、多角形ブロック群Gに属する多角形ブロック列11の数を四列以上形成してもよい。ここではサイドブロック列13a、13bに属するサイドブロック12a、12bのタイヤ周方向長さは、多角形ブロック群Gに属する多角形ブロック10のタイヤ周方向長さL1〜L3よりも大であり、かつ、二列のサイドブロック列13a、13bのうち一方のサイドブロック列13a(図1中左側に位置するサイドブロック列)に属するサイドブロック12aのタイヤ周方向長さは、他方のサイドブロック列13b(図1中右側に位置するサイドブロック列)に属するサイドブロック12bのタイヤ周方向長さよりも大である。また、他のブロック同様、各サイドブロック12a、12bには、ブロックの剛性に応じて2〜6本のサイプ7が形成されるとともに、タイヤ周方向に隣合うサイドブロック12a、12b間には、ラグ溝8が設けられている。周方向主溝2bには、図3に示すように、溝深さを部分的に浅くするとともにサイドブロック13bにつながる底上げ部14が設けられるとともに、底上げ部14には、略タイヤ幅方向に延びるポケット(溝)14aが形成されている。
以下、この発明による効果を説明する。トレッド部1に、多角形ブロックをタイヤ周方向に密集して配列して多角形ブロック列を形成した空気入りタイヤでは、適度なブロック剛性が確保され各多角形ブロック10の接地性が向上し、また各多角形ブロック10が小型化されるとともに充分に密に配置される結果、ブロック剛性を確保しつつもパターンエッジ(全多角形ブロック10の総エッジ長さ)を著しく増大させることができる。よって、氷上性能を顕著に向上させることができる。
また、多角形ブロック列を構成する多角形ブロックのピッチ長さを二種類以上に異ならせるとともに、最大ピッチ長さと最小ピッチ長さとの比を1:0.8〜0.9の範囲内としたことにより、タイヤ周方向におけるブロック剛性およびエッジ量の変動を氷上性能に影響を与えない程度に小さくすることができる。
したがって、この実施形態の空気入りタイヤによれば、各多角形ブロックの大きさの適正化および多角形ブロックのピッチ長さの適正化をもって、従来に比べて氷上性能を大幅に向上させつつ静粛性の向上を図ることができる。
また、この実施形態の空気入りタイヤによれば、多角形ブロック群において多角形ブロック個数密度を、0.003〜0.04個/mmの範囲内としたことにより、多角形ブロックの密集配置による氷上性能の向上効果を確実に得ることができる。
さらに、この実施形態の空気入りタイヤによれば、多角形ブロック列を構成する各多角形ブロックの踏面の面積を50〜250mmとしたことにより、ブロック剛性を適度として良好なグリップ力を確保することができ、また多角形ブロック10の踏面の中央域から周縁までの距離が小さくなり、多角形ブロック10の接地時に路面に水膜が存在する場合でも効率的に水膜を除去することができるので、より一層氷上性能を向上させることができる。
さらに、この実施形態の空気入りタイヤによれば、タイヤ幅方向に隣合う多角形ブロック列11において、多角形ブロックを千鳥状に交互に配置したことから、すなわちタイヤ幅方向に隣合う多角形ブロック同士をタイヤ周方向にずらして配置したことから、タイヤ幅方向に隣合う多角形ブロック間で接地のタイミングをずらして騒音エネルギーを分散させることができるので、静粛性をより高めることができる。
さらに、この実施形態の空気入りタイヤによれば、トレッド部に、タイヤ周方向に沿って延びかつ多角形ブロックを区画する縦溝および横溝よりも溝深さの深い周方向主溝を設けたことから、多角形ブロックで除した水を確実に接地面外に排出して氷上性能をより一層の向上を図ることができ、また、耐ハイドロプレーニング性の向上も図ることができる。
しかも、この実施形態の空気入りタイヤによれば、周方向主溝2bに底上げ部14を設けるとともに、底上げ部14内に略タイヤ幅方向に延びるポケット14aを形成したことから、雪上性能の向上を図ることができる。
この発明の効果を確かめるために、この発明の範囲に含まれる空気入りタイヤ(実施例1〜3のタイヤ)と、この発明の範囲外である比較としての空気入りタイヤ(比較例1〜3のタイヤ)と、従来技術にしたがう空気入りタイヤ(従来例1のタイヤ)を用意し、それぞれについて、氷上性能および静粛性を評価した。各タイヤは、乗用車用ラジアルプライタイヤで、タイヤサイズは195/65R15である。
実施例1のタイヤは、トレッド部1に図1に示したトレッドパターンを有するものであり、各多角形ブロック列においてピッチ長さが相互に異なる4種類のピッチを有するとともに、最大ピッチ長さと最小ピッチ長さとの比は1:0.8である。
実施例2のタイヤは、トレッド部1に図1に示したトレッドパターンを有するものであり、各多角形ブロック列においてピッチ長さが相互に異なる4種類のピッチを有するとともに、最大ピッチ長さと最小ピッチ長さとの比は1:0.9である。
実施例3のタイヤは、トレッド部1に図1に示したトレッドパターンを有するものであり、各多角形ブロック列においてピッチ長さが相互に異なる4種類のピッチを有するとともに、最大ピッチ長さと最小ピッチ長さとの比は1:0.85である。
比較例1のタイヤは、各多角形ブロック列を一種類のピッチのみによって構成した点で実施例1のタイヤとは異なる。すなわち、最大ピッチ長さと最小ピッチ長さとの比は1:1である。
比較例2のタイヤは、最大ピッチ長さと最小ピッチ長さとの比は1:0.7である点で実施例1のタイヤとは異なる。
比較例3のタイヤは、最大ピッチ長さと最小ピッチ長さとの比は1:0.95である点で実施例1のタイヤとは異なる。
従来例1のタイヤは、トレッド部1に図3に示すトレッドパターンを有するものである。実施例1〜3のタイヤ、比較例1〜3のタイヤおよび従来例1のタイヤの詳細を表1に示す。なお、実施例1〜3のタイヤ、比較例1〜3のタイヤおよび従来例1のタイヤはいずれも、トレッド全体のネガティブ率がほぼ同等である。
Figure 2011194997
上記各供試タイヤについて、サイズ15×6Jのリムに組み付け、内圧240kPa(相対圧)のとして車両に装着し、以下の試験を行って性能を評価した。
(1)氷上性能に関する評価試験
氷上性能は、氷板路面上を時速20km/hからフル制動したときの制動距離を測定し、その測定した距離から評価した。その評価結果を表2に示す。表2中の評価は、従来例1の結果を100とし実施例1〜3のタイヤおよび比較例1〜3のタイヤについて指数で表したものであり、数値が大きいほど氷上性能が良好であることを示す。
(2)静粛性に関する評価試験
各タイヤを排気量2000ccの車両に装着し、走行時の静粛性について官能評価を実施した。表2中の評価は、比較例1の結果を100とし実施例1〜3のタイヤおよび比較例2、3のタイヤについて指数で表したものであり、数値が大きいほど静粛性が高いことを示す。
Figure 2011194997
表2が示す結果から、実施例1〜3は、従来例1対比で氷上性能の大幅な向上が確認できる。また、実施例1〜3は、比較例1、3対比で静粛性の向上が確認できる。比較例2では、静粛性の向上は確認できるが、氷上性能の向上が充分でない。
かくしてこの発明の適用により、各多角形ブロックの大きさの適正化および多角形ブロックのピッチ長さの適正化をもって、従来に比べて氷上性能を大幅に向上させつつ静粛性の向上を図ることが可能となった。
1 トレッド部
2a、2b、2c 周方向主溝
3 ショルダーブロック
4 ショルダーブロック列
5 横長ブロック
6 横長ブロック列
7 サイプ
8 ラグ溝
9a 縦溝
9b 横溝
10 多角形ブロック(八角形ブロック)
11 多角形ブロック列
12a、12b サイドブロック
13a、13b サイドブロック列
14 底上げ部
14a ポケット
G 多角形ブロック群
P1、P2、P3 ピッチ長さ

Claims (4)

  1. トレッド部に、タイヤ周方向に延びる縦溝と該縦溝に交差する横溝とによって五角形以上の多角形の踏面形状をもつ多角形ブロックを区画するとともに、該多角形ブロックをタイヤ周方向に密集配列して多角形ブロック列を形成し、
    前記多角形ブロック列を構成する多角形ブロックのピッチ長さを二種類以上に異ならせるとともに、最大ピッチ長さと最小ピッチ長さとの比を1:0.8〜0.9の範囲内としたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 少なくとも一列の前記多角形ブロック列に含まれる前記多角形ブロックの集まりを多角形ブロック群としたとき、該多角形ブロック群の単位実接地面積当たりの多角形ブロックの個数である多角形ブロック個数密度を、0.003〜0.04(個/mm)の範囲内とした、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記多角形ブロック列を構成する各多角形ブロックの踏面の面積を50〜250mmとした、請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記トレッド部に、タイヤ周方向に沿って延びかつ前記多角形ブロックを区画する縦溝および横溝よりも溝深さの深い周方向主溝を設けた、請求項1〜3の何れか一項に記載の空気入りタイヤ。
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