JP5519343B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

この発明は、トレッド部に、溝によって区画されたブロックを多数備える空気入りタイヤに関し、より詳細には、ブロック配列の適正化を図ることにより、ブロック剛性を維持しつつパターンエッジを増加させて氷上性能と雪上性能を高い次元で両立させた空気入りタイヤに関するものである。
従来より、冬用の空気入りタイヤとしては、トレッド部のパターンとしてブロックパターンを用いるのが主流であり、各ブロック間の溝による雪柱せん断力等により雪上性能の向上を図るとともに、各ブロックの踏面にサイプを刻んで氷上性能の向上を図っている(特許文献1参照)。
特開2002−192914号公報
しかしながら、このような空気入りタイヤにおいて、氷上性能を向上させるためには、タイヤ負荷転動時の接地面積を増やす目的で、ネガティブ率を下げることが有効である一方、雪上性能を向上するためには、溝面積を増やしてネガティブ率を上げることが有効であり、これらの両性能は相互に二律背反の関係にあるため、雪上性能をほとんど低下させることなしに、氷上性能を向上させることは困難であった。また、氷上性能の向上のためには、サイプ本数を増やしトレッドパターン内のエッジ成分を増加させることが有効であるが、サイプ本数を増やしすぎるとブロック剛性が低下しブロックの曲げ変形により接地面積が減少し、却って氷上性能を低下させる不具合がある。
それゆえこの発明は、上述した問題点を解決し、ブロック配列の適正化を図ることにより、氷上性能と雪上性能とを高い次元で両立させた空気入りタイヤを提供することをその目的とする。
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、この発明の空気入りタイヤは、トレッド部に、溝によって区画され踏面形状が五角形以上の多角形である多角形ブロックを複数備える空気入りタイヤであって、上記トレッド部に、上記多角形ブロックがタイヤ周方向に間隔を置いて並べられた多角形ブロック列を二列以上設けるとともに、タイヤ幅方向で隣合う上記多角形ブロック列に属する上記多角形ブロックを、一方の上記多角形ブロック列に属する上記多角形ブロックのタイヤ周方向位置が、他方の上記多角形ブロック列に属する、タイヤ周方向で隣合う上記多角形ブロック同士の間に位置されるとともに、上記一方の多角形ブロック列に属する上記多角形ブロックと上記他方の多角形ブロック列に属する上記多角形ブロックとがタイヤ周方向視およびタイヤ幅方向視の双方において部分的に重なるよう千鳥状に配列することにより、上記多角形ブロックが密集配置されたブロック群を形成し、上記多角形ブロックを区画する溝の、タイヤ周方向に隣合う上記多角形ブロック間に挟まれた溝部分の溝幅を、上記多角形ブロックを区画する溝の、千鳥関係にある上記多角形ブロック間に挟まれた溝部分の溝幅よりも大とし、前記ブロック群に属する前記多角形ブロックの踏面の接地面積を50〜250mm としたことを特徴とするものである。なお、ここでいう「接地面積」は、空気入りタイヤをJATMAYEARBOOKに規定されている標準リムに装着し、JATMA YEAR BOOKでの適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力(内圧−負荷能力対応表の太字荷重)に対応する空気圧(最大空気圧)の100%の内圧を充填し、最大負荷能力を負荷したときのものを指す。
かかる空気入りタイヤにあっては、トレッド部に、多角形ブロックがタイヤ周方向に間隔を置いて並べられた多角形ブロック列を二列以上設けるとともに、タイヤ幅方向で隣合う多角形ブロック列に属する多角形ブロックを、一方の多角形ブロック列に属する多角形ブロックのタイヤ周方向位置が、他方の多角形ブロック列に属する、タイヤ周方向で隣合う多角形ブロック同士の間に位置されるとともに、一方の多角形ブロック列に属する多角形ブロックと他方の多角形ブロック列に属する多角形ブロックとがタイヤ周方向視およびタイヤ幅方向視の双方において部分的に重なるよう千鳥状に配列することにより、多角形ブロックが密集配置されてなるブロック群を形成したので、適度なブロック剛性が確保され多角形ブロックの接地性が向上するとともに、パターンエッジが増大し、優れた氷上性能が得られる。
また、多角形ブロックを区画する溝の、タイヤ周方向に隣合う多角形ブロック間に挟まれた溝部分の溝幅を、多角形ブロックを区画する溝の、千鳥関係にある多角形ブロック間に挟まれた溝部分の溝幅よりも大としたことにより、タイヤ周方向に隣合う多角形ブロック間に挟まれた溝部分によって充分な雪柱せん断力を発揮させることができ、優れた雪上性能が得られる。
したがって、この発明の空気入りタイヤによれば、多角形ブロック配列を適正化することにより、氷上性能と雪上性能とを高い次元で両立させることができる。
なお、この発明の空気入りタイヤにあっては、上記ブロック群の単位実接地面積当たりの上記多角形ブロックの個数であるブロック個数密度を、0.003〜0.04(個/mm)の範囲内とすることが好ましい。ここでいう「単位接地面積」は、空気入りタイヤをJATMAYEAR BOOKに規定されている標準リムに装着し、JATMA YEAR BOOKでの適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力(内圧−負荷能力対応表の太字荷重)に対応する空気圧(最大空気圧)の100%の内圧を充填し、最大負荷能力を負荷したときのものである。使用地又は製造地において、TRA規格、ETRTO規格が適用される場合は各々の規格に従う。
また、この発明の空気入りタイヤにあっては、上記ブロック群において、上記多角形ブロックを区画する溝の、タイヤ周方向に隣合う上記多角形ブロック間に挟まれた溝部分の溝幅を2.5〜10.0mmとし、上記多角形ブロックを区画する溝の、千鳥関係にある上記多角形ブロック間に挟まれた溝部分の溝幅を0.4〜3.0mmとすることが好ましい。
さらに、この発明の空気入りタイヤにあっては、上記トレッド部に、タイヤ周方向に沿って延びる周方向溝を設け、上記ブロック群における上記多角形ブロックを区画する溝の溝深さを、上記周方向溝の溝深さよりも小とすることが好ましい。
この発明によれば、氷上性能と雪上性能とを高い次元で両立させた空気入りタイヤを提供することが可能となる。
この発明にしたがう実施の形態の空気入りタイヤ(実施例1のタイヤ)のトレッドパターンの展開図である。 図1中のA−A線に沿う断面図である。 従来技術にしたがう空気入りタイヤ(従来例1のタイヤ)のトレッドパターンの展開図である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1は、この発明による空気入りタイヤのトレッドパターンの展開図である。図中、Eはタイヤ赤道面を示し、TEはトレッド接地端を示している。
空気入りタイヤは、図示を省略したが、慣例に従い一対のビード部および一対のサイドウォール部と、トレッド部とを有し、これら各部を、各ビード部に埋設したビードコア相互間に亘り補強するカーカスを有する。カーカスはラジアルプライ、バイアスプライのいずれでも良い。ラジアルプライの場合は、カーカス外周でトレッド部を補強するベルトを備える。
図1において、トレッド部1には、タイヤ周方向に沿って延びる少なくとも一本、図示例では三本の周方向溝2a、2b、2cが設けられ、周方向溝2a、2cのタイヤ幅方向外側には、トレッド接地端TEを跨いてタイヤ幅方向に延びるショルダーブロック3をタイヤ周方向に並べてなるショルダーブロック列4が設けられている。周方向溝2bと周方向溝2cとの間には、タイヤ幅方向に長い横長ブロック5をタイヤ周方向に多数並べてなる横長ブロック列6が設けられている。各ショルダーブロック3および各横長ブロック5には、ブロックの剛性に応じてサイプ7が形成されている。また、タイヤ周方向に隣合うショルダーブロック3間およびタイヤ周方向に隣合う横長ブロック5間には、タイヤ幅方向に延びるラグ溝8が形成されている。
また、周方向溝2aと周方向溝2bとの間には、溝9によって区画され踏面形状が五角形以上の多角形である多角形ブロック10が多数設けられている。多角形ブロック10の踏面形状は八角形に限らず五角形や六角形などの他の多角形としても良いが、八角形とすることが好ましい。八角形とすることで、タイヤ幅方向に延びるエッジを確実に配置できるとともに、後述のように多角形ブロック10を千鳥状にかつ密に配置しやすくなる。各多角形ブロック10には、ブロックの剛性に応じて2本のサイプ7がそれぞれ形成されているが、サイプは設けなくてもよい。
各多角形ブロック10は、タイヤ周方向に間隔を置いて並べられており、それによりトレッド部1に二列以上、図示例では二列の多角形ブロック列11が形成されている。タイヤ幅方向で隣合う多角形ブロック列11に属する多角形ブロック10は、一方の多角形ブロック列11に属する多角形ブロック10のタイヤ周方向位置が、他方の多角形ブロック列11に属する、タイヤ周方向で隣合う多角形ブロック10同士の間に位置されるとともに、一方の多角形ブロック列11に属する多角形ブロック10と他方の多角形ブロック列11に属する多角形ブロック10とがタイヤ周方向視およびタイヤ幅方向視の双方において部分的に重なるよう千鳥状に配列されていて、これにより、トレッド部1に、多角形ブロック10が密集配置されてなるブロック群Gが形成されている。
ここに、ブロック群Gにおいて、多角形ブロック10を区画する溝9は、タイヤ周方向に隣合う多角形ブロック10間に挟まれた溝部分(以下、「第一溝部分」と称する。)9aと、千鳥関係にある多角形ブロック10間に挟まれた溝部分(以下、「第二溝部分」と称する。)9bと、を有する。
ブロック群Gにおいて多角形ブロック10を区画する溝9(第一溝部分9aおよび第二溝部分9b)の溝深さは、周方向溝2a、2b、2cの溝深さよりも小である。また、溝9の第一溝部分9aの溝幅W9aは、第二溝部分9bの溝幅W9bよりも大である。溝9の第一溝部分9aおよび第二溝部分9bの溝幅W9a、W9bはともに、タイヤ接地状態、すなわち、空気入りタイヤをJATMAYEAR BOOKに規定されている標準リムに装着し、JATMA YEAR BOOKでの適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力(内圧−負荷能力対応表の太字荷重)に対応する空気圧(最大空気圧)の100%の内圧を充填し、最大負荷能力を負荷した状態にて、接地面内で閉塞しない程度の溝幅に設定されている。具体的には、第一溝部分9aの溝幅W9aは2.5〜10.0mmとし、第二溝部分9bの溝幅W9bは0.4〜3.0mmとすることが好ましい。その理由は、第一溝部分9aの溝幅W9aが2.5mm未満であると、雪上路面走行時に第一溝部分9a内に充分に雪を取り込むことができなくなる結果、雪柱せん断力が低下し充分な雪上性能が得られなくなるおそれがあり、第一溝部分9aの溝幅W9aが10.0mmを超えると、タイヤ周方向に配置できる多角形ブロック10の数が減少する結果、多角形ブロック10によるエッジ成分が減少し、充分な氷上性能が得られなくなるからである。また、第二溝部分9bの溝幅W9bを0.4mm未満とすると、タイヤ負荷転動時に当該第二溝部分9bが閉塞して氷雪性能が低下するおそれがあり、第二溝部分9bの溝幅W9bが3.0mmを超えると、ブロック群Gにおいて多角形ブロック10を密に配置できなくなる結果、ブロック剛性が低下して接地性が悪化するおそれがあるからである。
この実施形態では、ブロック群G内の単位実接地面積当たりの多角形ブロック10の個数であるブロック個数密度Dは、0.003〜0.04個/mmの範囲内にあり、当該ブロック個数密度Dは、ブロック群Gの幅をW(mm)、ブロック群G内の任意の多角形ブロック列11における多角形ブロック10の基準ピッチ長さをPL(mm)、該ブロック群Gの幅Wと該基準ピッチ長さPLとで仮想的に区画される基準区域Z(図1中ハッチングで示した区域)内に存在する多角形ブロック10の個数をa(個)、該基準区域Z内のネガティブ率をN(%)としたとき、
Figure 0005519343
から算出することができる。ただし、各ブロック群Gの幅Wは、ブロック群Gをタイヤ幅方向に沿って計測した距離であり、ブロック個数密度Dは、各ブロック群Gの実接地面積(溝分を除いた面積)の単位面積当りに何個の多角形ブロック10が存在するかということを密度として表現したものである。ちなみに、例えば通常のスタッドレスタイヤの場合には、この密度Dは概ね0.002以下となる。なお、基準区域Z内の多角形ブロック10の個数aをカウントするに際して、多角形ブロック10が基準区域Zの内外に跨って存在し、一個として数えることができない場合は、基準区域Zを跨る多角形ブロック10の表面積に対する、基準区域内に残った同多角形ブロック10の残存面積の比率を用いて数えることとする。例えば、基準区域Zの内外に跨り、基準区域Z内にその半分しか存在しない多角形ブロック10の場合は、1/2個と数えることができる。
各ブロック群Gにおけるブロック個数密度Dが0.003個/mm未満の場合は、多角形ブロック10の大きさが大きくなる結果、パターンエッジが不足するおそれがあり、一方、ブロック個数密度Dが0.04個/mmを超えると多角形ブロック10の大きさが小さくなりすぎ、その結果ブロック剛性が低下して接地性が悪化し、氷上性能が低下するおそれがある。また、ブロック個数密度Dを、0.0035〜0.03個/mmの範囲内とすれば、ブロック剛性の確保とパターンエッジの増大との両立をより高い次元で達成することができる。
また、ブロック群G内でのネガティブ率Nは5%〜50%とすることが好ましい。ブロック群G内でのネガティブ率Nが5%未満の場合は、溝容積が小さくなりすぎ排水性が不充分となるとなる他、多角形ブロック10の大きさが大きくなりすぎてパターンエッジの増大を図ることができず、一方、50%を超えると接地面積が小さくなりすぎて、ブロック剛性が低下する。
さらにブロック群Gに属する多角形ブロック10の踏面の接地面積は50〜250mmとし、多角形ブロック10を比較的小さくすることが好ましい。これにより、ブロック剛性を適度として良好なグリップ力を確保することができ、また多角形ブロック10の踏面の中央域から周縁までの距離を小さくすることができるので、多角形ブロック10の接地時に路面に水膜が存在する場合でも効率的に水膜を除去することができる。なお、多角形ブロック10の踏面の接地面積を50mm未満とすると、ブロック剛性が不足して接地時に多角形ブロック10が倒れ込んでしまい接地性が悪化するおそれがあり好ましくない。また、多角形ブロック10の踏面の接地面積を250mmより大きくすると、多角形ブロック10が大きくなりすぎてパターンエッジの増大を図ることができなくなり好ましくない。
また、この実施形態では、多角形ブロック列11の二列からなるブロック群Gのタイヤ幅方向外側には、ブロック群Gを挟み込むように、サイドブロック12a、12bをタイヤ周方向に多数並べてなるサイドブロック列13a、13bが設けられている。なお、サイドブロック12a、12bに設ける代わりに上述の多角形ブロック10を設けて、ブロック群Gに属する多角形ブロック列11の数を四列以上形成しても良い。ここではサイドブロック列13a、13bに属するサイドブロック12a、12bのタイヤ周方向長さは、ブロック群Gに属する多角形ブロック10のタイヤ周方向長さよりも大であり、かつ、二列のサイドブロック列13a、13bのうち一方のサイドブロック列13a(図1中左側に位置するサイドブロック列)に属するサイドブロック12aのタイヤ周方向長さは、他方のサイドブロック列13b(図1中右側に位置するサイドブロック列)に属するサイドブロック12bのタイヤ周方向長さよりも大である。また、他のブロック同様、各サイドブロック12a、12bには、ブロックの剛性に応じて2〜6本のサイプ7が形成されるとともに、タイヤ周方向に隣合うサイドブロック12a、12b間には、ラグ溝8が設けられている。周方向溝2bには、図2に示すように、溝深さを部分的に浅くするとともにサイドブロック13bにつながる底上げ部14が設けられるとともに、底上げ部14には、略タイヤ幅方向に延びるポケット(溝)14aが形成されている。
以下、この発明による効果を説明する。トレッド部1に、多角形ブロック10がタイヤ周方向に間隔を置いて並べられた多角形ブロック列11を二列以上設けるとともに、タイヤ幅方向で隣合う多角形ブロック列11に属する多角形ブロック10を、一方の多角形ブロック列11に属する多角形ブロック10のタイヤ周方向位置が、他方の多角形ブロック列11に属する、タイヤ周方向で隣合う多角形ブロック10同士の間に位置されるとともに、一方の多角形ブロック列11に属する多角形ブロック10と他方の多角形ブロック列11に属する多角形ブロック10とがタイヤ周方向視およびタイヤ幅方向視の双方において部分的に重なるよう千鳥状に配列することにより、多角形ブロック10が密集配置されてなるブロック群Gを形成した空気入りタイヤでは、適度なブロック剛性が確保され各多角形ブロック10の接地性が向上し、また各多角形ブロック10が小型化されるとともに充分に密に配置される結果、ブロック剛性を確保しつつもパターンエッジ(全多角形ブロック10の総エッジ長さ)を著しく増大させることができる。よって、氷上性能を顕著に向上させることができる。
また、多角形ブロック10を区画する溝9の、タイヤ周方向に隣合う多角形ブロック10間に挟まれた第一溝部分9aの溝幅W9aを、多角形ブロック10を区画する溝9の、千鳥関係にある多角形ブロック10間に挟まれた第二溝部分9bの溝幅W9bよりも大としたことにより、タイヤ周方向に隣合う多角形ブロック10間に挟まれた第一溝部分9aによって充分な雪柱せん断力を発揮させることができ、優れた雪上性能が得られる。
したがって、この空気入りタイヤによれば、ブロック配列を適正化することにより、氷上性能と雪上性能とを高い次元で両立させることができる。
また、この実施形態では、ブロック群Gにおいて多角形ブロック10を区画する溝9(第一溝部分9aおよび第二溝部分9b)の溝深さを、周方向溝2a、2b、2cの溝深さよりも小としたことにより、周方向溝2a、2b、2cでは良好な排水性や耐ハイドロプレーニング性を確保しつつも、多角形ブロック10の剛性をより高めて良好な接地性を得ることができ、氷上性能をさらに高めることができる。なお、第二溝部分9bの溝深さのみを周方向溝2a、2b、2cの溝深さよりも小としてもよく、これによれば、第一溝部分9aでは充分な量の雪を取り入れて雪柱せん断力を高めることができる。
さらに、この実施形態では、周方向溝2bに底上げ部14を設けるとともに、底上げ部14内に略タイヤ幅方向に延びるポケット14aを形成したことから、氷上性能および雪上性能の一層の両立を図ることができる。
この発明の効果を確かめるために、この発明の範囲に含まれる空気入りタイヤ(実施例1のタイヤ)と、この発明の範囲外である比較としての空気入りタイヤ(比較例1、2のタイヤ)と、従来技術にしたがう空気入りタイヤ(従来例1のタイヤ)を用意し、それぞれについて、氷上性能および雪上性能を評価した。各タイヤは、乗用車用ラジアルプライタイヤで、タイヤサイズは205/55R16である。
実施例1のタイヤは、トレッド部1に図1に示したトレッドパターンを有するものであり、周方向溝2a、2b、2cの溝幅は順に、7.5mm、18mm、4mmであり、溝深さはいずれも8.9mmである。また、多角形ブロック10を区画する溝9の、第一溝部分9aの溝幅W9aは第二溝部分9bの溝幅W9bよりも大である。
比較例1のタイヤは、多角形ブロッ10クを区画する溝9の、第一溝部分9aの溝幅W9aと、第二溝部分9bの溝幅W9bとがほぼ同一である点で実施例1のタイヤとは異なる。
比較例2のタイヤは、多角形ブロック10を区画する溝9の、第一溝部分9aの溝幅W9aが、第二溝部分9bの溝幅W9bよりも小である点で実施例1のタイヤとは異なる。
従来例1のタイヤは、トレッド部1に図3に示すトレッドパターンを有するものである。実施例1のタイヤ、比較例1、2のタイヤおよび従来例1のタイヤの詳細を表1に示す。なお、実施例1のタイヤ、比較例1、2のタイヤおよび従来例1のタイヤはいずれも、トレッド全体のネガティブ率がほぼ同等である。
Figure 0005519343
上記各供試タイヤについて、サイズ16×6.8Jのリムに組み付け、内圧200kPa(相対圧)のとして車両に装着し、以下の試験を行って性能を評価した。
(1)氷上でのブレーキ性能に関する評価試験
氷上でのブレーキ性能は、氷板路面上を時速20km/hからフル制動したときの制動距離を測定し、その測定した距離から評価した。その評価結果を表2に示す。表2中の評価は、従来例1の結果を100とし実施例1のタイヤおよび比較例1、2のタイヤについて指数で表したものであり、数値が大きいほど氷上でのブレーキ性能が良好であることを示す。
(2)氷上でのトラクション性能に関する評価試験
氷上でのトラクション性能は、氷上路面上をフル加速し、20mの距離に達するまでの時間を測定し、その測定した時間から評価した。その評価結果を表2に示す。表2中の評価は、従来例1の結果を100とし実施例1のタイヤおよび比較例1、2のタイヤについて指数で表したものであり、数値が大きいほど氷上でのトラクション性能が良好であることを示す。
(3)雪上でのブレーキ性能に関する評価試験
雪上でのブレーキ性能は、圧雪路面のテストコースにて時速40km/hからフル制動したときの制動距離を測定し、その測定した距離から評価した。その評価結果を表2に示す。表2中の評価は、従来例1の結果を100とし実施例1タイヤおよび比較例1、2のタイヤについて指数で表したものであり、数値が大きいほど雪上でのブレーキ性能が良好であることを示す。
(4)雪上でのトラクション性能に関する評価試験
雪上でのトラクション性能は、圧雪路面のテストコースにて初速時速10km/hから45km/hまで加速した際の区間タイムを測定し、その測定したタイムから評価した。その評価結果を表2に示す。表2中の評価は、従来例1の結果を100とし実施例1のタイヤおよび比較例1、2のタイヤについて指数で表したものであり、数値が大きいほど雪上でのトラクション性能が良好であることを示す。
(5)加速HP(ハイドロプレーニング)(計器)に関する評価試験
加速HP性能は、湿潤路面を加速走行し、車両走行速度とタイヤの回転数を測定し、タイヤの回転数が上昇した速度(駆動側のタイヤがスリップしてタイヤの周速が車両走行速度よりも上昇した場合)をハイドロプレーニング発生速度とする。表2中の評価は、従来例1におけるハイドロプレーニング発生速度を100とし、実施例1のタイヤおよび比較例1、2のタイヤについて指数で表したものであり、数値が大きいほどハイドロプレーニングが発生し難いことを示す。
Figure 0005519343
表2が示す結果から、実施例1のタイヤは従来例1のタイヤおよび比較例1、2のタイヤ対比で、氷上性能および雪上性能が向上し、しかも従来と同等の加速HP性能が得られることが分かる。
かくしてこの発明の適用により、ブロック配列の適正化によって氷上性能と雪上性能とを高い次元で両立させることが可能となった。
1 トレッド部
2a、2b、2c 周方向溝
3 ショルダーブロック
4 ショルダーブロック列
5 横長ブロック
6 横長ブロック列
7 サイプ
8 ラグ溝
9 溝
9a 第一溝部分
9b 第二溝部分
10 多角形ブロック
11 多角形ブロック列
12a、12b サイドブロック
13a、13b サイドブロック列
14 底上げ部
14a ポケット

Claims (4)

  1. トレッド部に、溝によって区画され踏面形状が五角形以上の多角形である多角形ブロックを複数備える空気入りタイヤであって、
    前記トレッド部に、前記多角形ブロックがタイヤ周方向に間隔を置いて並べられた多角形ブロック列を二列以上設けるとともに、タイヤ幅方向で隣合う前記多角形ブロック列に属する前記多角形ブロックを、一方の前記多角形ブロック列に属する前記多角形ブロックのタイヤ周方向位置が、他方の前記多角形ブロック列に属する、タイヤ周方向で隣合う前記多角形ブロック同士の間に位置されるとともに、前記一方の多角形ブロック列に属する前記多角形ブロックと前記他方の多角形ブロック列に属する前記多角形ブロックとがタイヤ周方向視およびタイヤ幅方向視の双方において部分的に重なるよう千鳥状に配列することにより、前記多角形ブロックが密集配置されたブロック群を形成し、
    前記多角形ブロックを区画する溝の、タイヤ周方向に隣合う前記多角形ブロック間に挟まれた溝部分の溝幅を、前記多角形ブロックを区画する溝の、千鳥関係にある前記多角形ブロック間に挟まれた溝部分の溝幅よりも大とし
    前記ブロック群に属する前記多角形ブロックの踏面の接地面積を50〜250mm としたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ブロック群の単位実接地面積当たりの前記多角形ブロックの個数であるブロック個数密度を、0.003〜0.04(個/mm)の範囲内とした、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ブロック群において、前記多角形ブロックを区画する溝の、タイヤ周方向に隣合う前記多角形ブロック間に挟まれた溝部分の溝幅を2.5〜10.0mmとし、前記多角形ブロックを区画する溝の、千鳥関係にある前記多角形ブロック間に挟まれた溝部分の溝幅を0.4〜3.0mmとした、請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記トレッド部に、タイヤ周方向に沿って延びる周方向溝を設け、前記ブロック群における前記多角形ブロックを区画する溝の溝深さを、前記周方向溝の溝深さよりも小とした、請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
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