JP2011193549A - チョッパ回路の故障検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、チョッパ回路の故障検出装置に係り、スイッチング素子の固着故障を正確に検出することにある。
【解決手段】スイッチング素子SWと、SW側から出力側へ電流を流す整流回路と、出力電圧を平滑化する平滑回路と、出力電圧が設定電圧になるようにSWをスイッチング駆動する駆動制御回路と、SWの端子電圧に基づいて、SWの固着故障を検出する故障検出回路と、SWの端子電圧の時間変化成分を算出する微分回路と、その算出される時間変化成分がゼロ近傍の所定範囲から逸脱するか否かを判別する非安定区間判定回路と、SWがスイッチング駆動されるタイミングと、上記の時間変化成分が所定範囲から逸脱するとの判別結果と、に基づいて、SWの固着故障検出を中断する故障検出マスク区間を設定する故障検出マスク区間設定回路と、を備え、故障検出回路は、その設定される故障検出マスク区間を除いてSWの固着故障検出を行う。
【選択図】図1
【解決手段】スイッチング素子SWと、SW側から出力側へ電流を流す整流回路と、出力電圧を平滑化する平滑回路と、出力電圧が設定電圧になるようにSWをスイッチング駆動する駆動制御回路と、SWの端子電圧に基づいて、SWの固着故障を検出する故障検出回路と、SWの端子電圧の時間変化成分を算出する微分回路と、その算出される時間変化成分がゼロ近傍の所定範囲から逸脱するか否かを判別する非安定区間判定回路と、SWがスイッチング駆動されるタイミングと、上記の時間変化成分が所定範囲から逸脱するとの判別結果と、に基づいて、SWの固着故障検出を中断する故障検出マスク区間を設定する故障検出マスク区間設定回路と、を備え、故障検出回路は、その設定される故障検出マスク区間を除いてSWの固着故障検出を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、チョッパ回路の故障検出装置に係り、特に、出力電圧が設定電圧になるようにスイッチング素子をスイッチング駆動するチョッパ回路においてスイッチング素子の固着故障を検出するうえで好適な故障検出装置に関する。
従来、出力電圧が設定電圧になるようにスイッチング素子をスイッチング駆動するチョッパ回路が知られている(例えば、特許文献1参照)。このチョッパ回路においては、通常動作中にスイッチング素子や駆動制御回路の故障等に起因してスイッチング素子のショート故障又はオープン故障(以下、これらの故障を固着故障という。)を起こすことがあり、その結果として、出力電圧が異常変動して素子焼損や負荷破壊等の二次故障を起こす場合がある。かかる事態の発生を防止するため、スイッチング素子の固着故障を検出するうえで出力電圧を監視し或いはスイッチング素子の両端電圧自体を監視して、その出力電圧が異常な低電圧又は高電圧である場合にチョッパ回路動作を停止するシステムのフェールセーフ処置をとることが考えられる。
しかしながら、出力電圧はスイッチング素子の固着故障が発生した際に平滑用コンデンサからの負荷電流の放電を伴って低下するので、上記の如く出力電圧を監視してスイッチング素子の固着故障を検出する手法では、出力電圧の低下又は上昇に時間がかかり、その結果として、スイッチング素子の固着故障を検出するまでに多くの時間を費やしてしまう。また、スイッチング素子のスイッチング(オン/オフ)駆動時にはその端部に生ずる電圧の立ち下がり又は立ち上がりでリンギングが発生するので、スイッチング素子の両端電圧を監視してスイッチング素子の固着故障を検出する手法では、リンギング区間で電圧モニタが行われると、故障が誤検知されるおそれがある。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、上記の課題を解決することが可能なチョッパ回路の故障検出装置を提供することを目的とする。
上記の目的は、スイッチング駆動されるスイッチング素子と、前記スイッチング素子側から出力側へ電流を流す整流回路と、出力電圧を平滑化する平滑回路と、出力電圧が設定電圧になるように前記スイッチング素子をスイッチング駆動する駆動制御回路と、前記スイッチング素子の端子電圧に基づいて、該スイッチング素子の固着故障を検出する故障検出回路と、を備えるチョッパ回路の故障検出装置であって、前記スイッチング素子の端子電圧の時間変化成分を算出する微分回路と、前記微分回路により算出される前記時間変化成分がゼロ近傍の所定範囲から逸脱するか否かを判別する非安定区間判定回路と、前記駆動制御回路により前記スイッチング素子がスイッチング駆動されるタイミングと、前記非安定区間判定回路により前記時間変化成分が前記所定範囲から逸脱すると判別される結果と、に基づいて、前記故障検出回路により前記スイッチング素子の固着故障を検出するのを中断する故障検出マスク区間を設定する故障検出マスク区間設定回路と、を備え、前記故障検出回路は、前記故障検出マスク区間設定回路により設定される前記故障検出マスク区間を除いて、前記スイッチング素子の固着故障検出を行うチョッパ回路の故障検出装置により達成される。
この態様の発明においては、スイッチング素子のスイッチング駆動のタイミングと、スイッチング素子の端子電圧の時間変化成分がゼロ近傍の所定範囲から逸脱すると判別される結果と、に基づいて、スイッチング素子の固着故障検出を中断する故障検出マスク区間が設定される。そして、その故障検出マスク区間を除いて、スイッチング素子の固着故障検出が行われる。スイッチング素子のスイッチング駆動が行われると、その端子電圧の立ち上がり又は立下りでリンギングが発生するが、本発明においては、そのリンギング発生区間でスイッチング素子の固着故障検出が中断されるので、その固着故障が生じていないにもかかわらずその固着故障が生じていると誤って検出されるのは防止される。また、本発明においては、スイッチング素子の固着故障検出を行ううえでスイッチング素子の端子電圧が用いられるので、出力側の出力電圧を用いてスイッチング素子の固着故障検出を行う構成に比べて、その固着故障検出を速やかに行うことが可能である。
尚、上記したチョッパ回路の故障検出装置において、前記故障検出マスク区間設定回路は、前記駆動制御回路により前記スイッチング素子がスイッチング駆動された以後の前記非安定区間判定回路により前記時間変化成分が前記所定範囲から逸脱すると判別される期間を、前記故障検出マスク区間として設定することとすればよい。
ところで、電流不連続モードでの動作時、直流電源側から出力側へ向けて電流が流れるコイルの流通電流がゼロ以下になることがあるが、コイルの流通電流がゼロ以下になった後は、コイルの端部に生ずる電圧が低下又は上昇するので、スイッチング素子の両端電圧を監視してスイッチング素子の固着故障を検出する手法では、電流不連続モードでの動作中に故障が誤検知されるおそれがある。
そこで、上記したチョッパ回路の故障検出装置において、直流電源側から出力側へ向けて電流が流れるコイルを備え、前記故障検出マスク区間設定回路は、また、電流不連続モードでの動作時において、前記スイッチング素子が前記コイルに直流電源側から出力側へ向けて流れる電流が減少するようにスイッチング駆動された後、前記非安定区間判定回路により前記時間変化成分が前記所定範囲から逸脱すると判別される時から次に前記スイッチング素子が前記コイルに直流電源側から出力側へ向けて流れる電流が増加するようにスイッチング駆動される時までの期間を、前記故障検出マスク区間として設定することとしてもよい。
この態様の発明においては、電流不連続モードでの動作時、スイッチング素子がコイルを直流電源側から出力側へ向けて流れる電流が減少するようにスイッチング駆動された後、スイッチング素子の端子電圧の時間変化成分がゼロ近傍の所定範囲から逸脱すると判別される時から次のスイッチング駆動時までの期間が、故障検出マスク区間として設定される。コイルに流れる電流が減少してゼロになると、以後、スイッチング素子の端子電圧が低下又は上昇するが、本発明においては、そのスイッチング素子の端子電圧の時間変化が検知されて、その検知時から次のスイッチング駆動時までの期間、スイッチング素子の固着故障検出が中断されるので、電流不連続モードでの動作時においても、スイッチング素子の固着故障が生じていないにもかかわらず生じていると誤って検出されるのは防止される。
また、上記したチョッパ回路の故障検出装置において、前記故障検出回路は、前記スイッチング素子が直流電源側から出力側へ向けて流れる電流が増加するようにスイッチング駆動される時から次に該スイッチング素子が直流電源側から出力側へ向けて流れる電流が減少するようにスイッチング駆動される時までの過程で、前記故障検出マスク区間設定回路により設定される前記故障検出マスク区間を除いて、前記スイッチング素子のオープン固着故障の検出を行うこととすればよい。
また、上記したチョッパ回路の故障検出装置において、前記故障検出回路は、前記スイッチング素子が直流電源側から出力側へ向けて流れる電流が減少するようにスイッチング駆動される時から次に該スイッチング素子が直流電源側から出力側へ向けて流れる電流が増加するようにスイッチング駆動される時までの過程で、前記故障検出マスク区間設定回路により設定される前記故障検出マスク区間を除いて、前記スイッチング素子のショート固着故障の検出を行うこととすればよい。
更に、上記したチョッパ回路の故障検出装置において、前記故障検出回路は、前記スイッチング素子の端子電圧が第1基準電圧を上回る場合に前記スイッチング素子のオープン固着故障又はショート固着故障が生じていると判定し、また、前記スイッチング素子の端子電圧が前記第1基準電圧よりも高い第2基準電圧を下回る場合に前記スイッチング素子のショート固着故障又はオープン固着故障が生じていると判定することとすればよい。
本発明によれば、スイッチング素子の固着故障が生じていないにもかかわらず、その固着故障が生じていると誤って検出されるのを防止することができ、スイッチング素子の固着故障を正確に検出することができる。
以下、図面を用いて、本発明に係るチョッパ回路の故障検出装置の具体的な実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施例であるチョッパ回路20の故障検出装置22の構成図を示す。本実施例のチョッパ回路20は、直流電源の電圧を昇圧して出力する昇圧チョッパ式のDC−DC回路であり、例えば電動パワーステアリングシステムなどの車載システムに用いられる。以下、チョッパ回路20を昇圧チョッパ回路20と称す。
図1に示す如く、昇圧チョッパ回路20は、直流電源B、コンデンサC1,C2、コイルL、トランジスタTR、整流ダイオードD、及びPWM駆動制御回路24を有している。直流電源Bは、例えば車載バッテリであり、所定の直流電圧VINを出力する。直流電源Bの−端子は接地されており、また、その+端子はコンデンサC1の一端に接続されている。コンデンサC1の他端は接地されている。コンデンサC1は、直流電圧VINの変動を除去するためのノイズフィルタ用コンデンサである。
直流電源Bの+端子及びコンデンサC1の一端には、コイルLの一端が接続されている。コイルLは、直流電源Bから供給される電圧VINを昇圧するための昇圧用コイルである。コイルLの他端には、トランジスタTRのドレインが接続されている。トランジスタTRのソースは接地されていると共に、トランジスタTRのゲートはPWM駆動制御回路24に接続されている。PWM駆動制御回路24は、後述の如く、トランジスタTRのゲートに駆動信号を供給してドレイン−ソース間を導通/遮断(スイッチング)する制御を行う。トランジスタTRは、ゲートに入力される駆動信号に応じてスイッチングされてドレイン−ソース間を導通/遮断するNチャネルパワーMOSFETやIGBTなどである。
コイルLの他端には、また、整流ダイオードDのアノードが接続されている。整流ダイオードDのカソードには、負荷26が接続されていると共に、コンデンサC2の一端が接続されている。整流ダイオードDは、負荷26側からコイルLの他端側への電流の流通を禁止してコイルLの他端側から負荷26側への電流の流通を許容する機能を有している。負荷26は、整流ダイオードDのカソードに現れる出力電圧VOUTが印加されることにより作動される、例えば電動パワーステアリングシステムの電動モータ用インバータ回路などである。コンデンサC2の他端は接地されている。コンデンサC2は、負荷26に供給する出力電圧VOUTを平滑化する平滑用コンデンサである。
整流ダイオードDのカソード及びコンデンサC2の一端と負荷26との間の出力電圧VOUTは、上記のPWM駆動制御回路24に供給されている。PWM駆動制御回路24は、供給される出力電圧VOUTに基づいて、出力電圧VOUTが負荷26に印加すべき一定の目標電圧になるようにトランジスタTRをスイッチングするデューティ比を算出し、トランジスタTRのゲートに供給すべき駆動信号を生成し、そして、その生成した駆動信号をトランジスタTRのゲートに供給する。
上記した昇圧チョッパ回路20において、直流電源Bの電圧からの昇圧が行われないとき(すなわち負荷26が作動されないとき)は、PWM駆動制御回路24は、トランジスタTRをオフ状態に維持すべくそのゲートにローレベルの駆動信号を供給する。トランジスタTRのゲートにローレベルの駆動信号が供給されているときは、トランジスタTRがオフ状態にされて、そのドレイン−ソース間が遮断される。一方、直流電源Bの電圧からの昇圧が行われるとき(すなわち負荷26が作動されるとき)は、PWM駆動制御回路24は、供給される出力電圧VOUTに基づいて、出力電圧VOUTが目標電圧になるようにトランジスタTRのディーティ比を算出する。そして、トランジスタTRがその算出したデューティ比でスイッチングされるようにそのゲートにローレベル及びハイレベルの駆動信号を所定周期で交互に供給する。
具体的には、PWM駆動制御回路24は、昇圧チョッパ回路20の昇圧動作中、トランジスタTRをオフからオンへスイッチングすべきタイミングに至ったことを検知すると、以後、トランジスタTRのゲートにハイレベルの駆動信号を供給する。トランジスタTRのゲートに供給される駆動信号がローレベルからハイレベルへ移行された際は、トランジスタTRがオフからオンへスイッチングされる。そして、トランジスタTRのゲートにハイレベルの駆動信号が供給されているときは、トランジスタTRがオン状態にされて、そのドレイン−ソース間が導通される。
トランジスタTRのドレイン−ソース間が導通されると、トランジスタTRのドレイン電圧VXが接地電圧ゼロ近傍になり、コイルLの両端にほぼ直流電圧VIN程度の電位差が生じることで、そのコイルLに直流電源B側からトランジスタTR側へ向けて電流ILが流れる。このコイルLに流れる電流ILは、トランジスタTRのドレイン−ソース間が導通される時間が長いほど一定の傾きで増加して大きくなる。
また、PWM駆動制御回路24は、昇圧チョッパ回路20の昇圧動作中、トランジスタTRをオンからオフへスイッチングすべきタイミングに至ったことを検知すると、以後、トランジスタTRのゲートにローレベルの駆動信号を供給する。トランジスタTRのゲートに供給される駆動信号がハイレベルからローレベルへ移行された際は、トランジスタTRがオンからオフへスイッチングされる。そして、トランジスタTRのゲートにローレベルの駆動信号が供給されているときは、トランジスタTRがオフ状態にされて、そのドレイン−ソース間が遮断される。
トランジスタTRのドレイン−ソース間が導通状態から遮断状態へ移行されると、コイルLの両端に生ずる電位差がコイル電流の変化を妨げる向きに変化して(逆起電力が発生して)、トランジスタTRのドレイン電圧VXが接地電圧ゼロ近傍から出力電圧VOUTよりも高い電圧へ上昇すると共に、コイルLに直流電源B側から整流ダイオードD側へ向けて流れる電流ILが減少する。このコイルLに流れる電流ILは、トランジスタTRのドレイン−ソース間が遮断される時間が長いほど一定の傾きで減少して小さくなる。
トランジスタTRがオンされているときは、整流ダイオードDのアノードがカソードに比べて低圧であるので、整流ダイオードDに電流が流れない。一方、トランジスタTRがオフされているときは、コイルLの両端での逆起電力の発生後、直流電源B側から整流ダイオードD側へ向けてコイル電流ILがゼロを超えている限り、整流ダイオードDのアノードがカソードに比べて高圧であり、整流ダイオードDに電流が流れる。この場合は、コンデンサC2が充電されると共に、負荷26に負荷電流が供給される。整流ダイオードDに電流が流れるとき、整流ダイオードDのカソードに現れる出力電圧VOUTは、直流電圧VINよりも高圧のドレイン電圧VX近傍(具体的には、そのドレイン電圧VXよりも整流ダイオードDの順方向電圧分だけ低い電圧)になる。また、整流ダイオードDに電流が流れないとき、整流ダイオードDのカソードに現れる出力電圧VOUTは、整流ダイオードDに電流が流れたときに充電されたコンデンサC2が放電することで、直流電圧VINよりも高い電圧に維持される。
従って、本実施例の昇圧チョッパ回路20においては、トランジスタTRのオン/オフを繰り返すスイッチング駆動を行うことで、負荷26に印加する出力電圧VOUTを、直流電源Bの直流電圧VINを昇圧して高い状態に維持させることができ、その昇圧された出力電圧VOUTを負荷26に印加することができる。このため、本実施例によれば、昇圧チョッパ回路20の昇圧動作により負荷26を高圧で作動させることが可能である。
尚、トランジスタTRのスイッチング周期と、コイルLのインダクタンス及びトランジスタTRのドレイン−ソース間のキャパシタンスに基づく共振周波数と、の関係に基づいてコイルLに直流電源B側から整流ダイオードD側へ向けて流れる電流がゼロ以下にならない電流連続モードにおいては、トランジスタTRのオフによりコイルLに流れる電流ILが減少しても、そのコイル電流ILがゼロにならない。すなわち、コイル電流ILがゼロ以下になる前に、PWM駆動制御回路24がトランジスタTRをオフからオンへスイッチングすべきタイミングに至ったことを検知してトランジスタTRのゲートに供給する駆動信号をローレベルからハイレベルへ移行させるので、トランジスタTRがオン状態にされてドレイン電圧VXが接地電圧ゼロ近傍になることで、コイルLに流れる電流ILが減少傾向から反転して増加する。従って、電流連続モードの動作時は、コイルLに流れる電流ILがゼロ以下になることなくトランジスタTRのスイッチングにより増減される。
また、トランジスタTRのスイッチング周期と、コイルLのインダクタンス及びトランジスタTRのドレイン−ソース間のキャパシタンスに基づく共振周波数と、の関係に基づいてコイルLに直流電源B側から整流ダイオードD側へ向けて流れる電流がゼロ以下となり得る電流不連続モードにおいては、トランジスタTRのオフによりコイルLに流れる電流ILが減少する過程で、そのコイル電流ILがゼロ以下になることがある。コイル電流ILがゼロ以下になると、トランジスタTRのドレイン電圧VXが高圧からゼロへ向けて低下する。すなわち、PWM駆動制御回路24がトランジスタTRをオフからオンへスイッチングすべきタイミングに至ったことを検知してトランジスタTRのゲートに供給する駆動信号をローレベルからハイレベルへ移行させることで、トランジスタTRがオン状態にされてドレイン電圧VXが接地電圧ゼロ近傍になる前に、コイル電流ILがゼロ以下になってドレイン電圧VXが接地電圧ゼロ近傍に低下する。従って、電流不連続モードでの動作時は、コイルLに流れる電流ILがトランジスタTRのスイッチングにより増減されつつ、トランジスタTRのオフ中にコイルLに流れる電流ILがゼロになる。
次に、図2〜図5を参照して、本実施例の昇圧チョッパ回路20の故障検出装置22による故障検出について説明する。
図2は、本実施例の故障検出装置22において故障検出を行うべく実行される制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図3は、本実施例において昇圧チョッパ回路20に故障が生じない場合に実現される電流不連続モード動作時の一例のタイムチャートを示す。図4(A)及び(B)は、本実施例において昇圧チョッパ回路20に故障が発生する場合に実現される電流不連続モード動作時の一例のタイムチャートを示す。また、図5は、本実施例において昇圧チョッパ回路20に故障が生じない場合に実現される電流連続モード動作時の一例のタイムチャートを示す。尚、図3〜図5にはそれぞれ、トランジスタTRのゲート電圧VGと、コイルLに直流電源B側から整流ダイオードD側へ向けて流れるコイル電流ILと、トランジスタTRのドレイン電圧VXと、そのドレイン電圧VXの時間変化成分dVX/dtと、の各タイムチャートを示す。
本実施例において、故障検出装置22は、昇圧チョッパ回路20の故障(具体的には、トランジスタTRやPWM駆動制御回路24の故障等に起因したトランジスタTRのショート固着故障やオープン固着故障)を検出する装置である。故障検出装置22は、図1に示す如く、VX電圧異常監視回路30を備えている。VX電圧異常監視回路30には、トランジスタTRのドレインに生ずるドレイン電圧VXが入力されている。VX電圧異常監視回路30は、入力されるトランジスタTRのドレイン電圧VXに基づいて昇圧チョッパ回路20の故障有無を検出する。
故障検出装置22は、また、VX電圧微分回路32、VX電圧非安定区間判定部34、及び故障検出マスク区間設定部36を備えている。VX電圧微分回路32には、トランジスタTRのドレインに生ずるドレイン電圧VXが入力されている。VX電圧微分回路32は、例えばオペアンプからなり、入力されるトランジスタTRのドレイン電圧VXを微分して、その時間変化成分dVX/dtを出力する。
VX電圧微分回路32の出力には、VX電圧非安定区間判定部34の入力が接続されている。VX電圧非安定区間判定部34は、入力されるドレイン電圧VXの時間変化成分dVX/dtを第3基準電圧Vref3(尚、この第3基準電圧Vref3は、ゼロを中心にしてそのゼロ近傍の+側及び−側に一つずつある。)と比較して、その時間変化成分dVX/dtがゼロ近傍の所定範囲から逸脱するか否かすなわちドレイン電圧VXが時間的に非安定状態にあるか否かを判別し、その判別結果を出力する。尚、上記の第3基準電圧Vref3は、ドレイン電圧VXが時間的に非安定状態と安定状態との何れであるか否かを示す時間変化成分dVX/dtの境界値であり、予め定められている。
VX電圧非安定区間判定部34の出力には、故障検出マスク区間設定部36の入力が接続されている。故障検出マスク区間設定部36には、また、PWM駆動制御回路24からトランジスタTRのスイッチングが行われるタイミングを示す信号が入力される。故障検出マスク区間設定部36は、入力されるトランジスタTRのスイッチタイミングを示す信号とドレイン電圧VXの非安定区間を示す信号とに基づいて、後に詳述する如く、昇圧チョッパ回路20の故障検出を行うのを中断する時間的範囲(故障検出マスク区間)を設定する。そして、その故障検出マスク区間を示す信号(例えばそのマスク区間の始期及び終期を示す信号)を出力する。
故障検出マスク区間設定部36の出力には、上記したVX電圧異常監視回路30の入力が接続されている。VX電圧異常監視回路30は、故障検出マスク区間設定部36側から入力される信号に基づいて故障検出マスク区間を認識し、そして、その故障検出マスク区間を除いて、トランジスタTRのドレイン電圧VXに基づいた昇圧チョッパ回路20の故障有無検出を行う。VX電圧異常監視回路30による故障有無検出の結果は、PWM駆動制御回路24に供給される。PWM駆動制御回路24は、VX電圧異常監視回路30から昇圧チョッパ回路20の故障が生じていることを示す信号が供給される場合は、システムのフェールセーフ処置としてトランジスタTRのスイッチング駆動を停止して昇圧チョッパ回路20の回路動作を停止する。尚、昇圧チョッパ回路20の故障が生じていると判別される場合は、故障発生を示す表示や音声案内が行われることとしてもよい。
以下、本実施例において故障検出装置22が実行する故障検出の手順について説明する。
本実施例において、PWM駆動制御回路24は、供給される出力電圧VOUTに基づいて、出力電圧VOUTが負荷26に印加すべき一定の目標電圧になるようにトランジスタTRをスイッチングするデューティ比を算出し、トランジスタTRのゲートに供給すべきデューティ駆動信号を生成する。そして、そのデューティ駆動信号がトランジスタTRをオンさせるオン信号であるときは、そのオン信号をトランジスタTRのゲートに供給すると共に、トランジスタTRのオフからオンへの切替時にはトランジスタTRをオフからオンへスイッチングすべきタイミングであることを示す信号を故障検出マスク区間設定部36へ出力する(ステップ100)。
故障検出マスク区間設定部36は、PWM駆動制御回路24からトランジスタTRのオフからオンへのスイッチタイミングを示す信号が入力されたことを検知すると、VX電圧非安定区間判定部34から供給されるドレイン電圧VXが時間的に非安定状態にあるか否かの判別結果に基づいて、昇圧チョッパ回路20の故障検出を中断する故障検出マスク区間を設定する(ステップ102)。具体的には、トランジスタTRのオフからオンへのスイッチタイミングを示す信号が入力されたことを検知した後、ドレイン電圧VXの時間変化成分dVX/dtが第3基準電圧Vref3を境界値とするゼロ近傍の所定範囲から逸脱してドレイン電圧VXが時間的に非安定状態にある期間(すなわち、オンへのスイッチタイミングからドレイン電圧VXが時間的に非安定状態から安定状態へ移行するまでの期間)を、故障検出マスク区間として設定する。そして、その故障検出マスク区間を示す信号をVX電圧異常監視回路30へ出力する。
VX電圧異常監視回路30は、故障検出マスク区間設定部36側から入力される信号に基づいて故障検出マスク区間を認識する。VX電圧異常監視回路30は、認識した故障検出マスク区間においては、トランジスタTRのドレイン電圧VXに基づいた昇圧チョッパ回路20の故障有無検出を行わないが、故障検出マスク区間以外の区間においては、トランジスタTRのドレイン電圧VXに基づいた昇圧チョッパ回路20の故障有無検出を行う。
尚、VX電圧異常監視回路30は、例えばPWM駆動制御回路24又は故障検出マスク区間設定部36からの信号に基づいて或いは入力されるドレイン電圧VXが立ち下がるか否かに基づいて、上記の如く認識した故障検出マスク区間がトランジスタTRのオフからオンへのスイッチング駆動直後のものであるか否かを判別することが可能であるものとする。
VX電圧異常監視回路30は、トランジスタTRのオフからオンへのスイッチング駆動直後における故障検出マスク区間が終了した時から次にトランジスタTRのオンからオフへのスイッチング駆動直後における故障検出マスク区間が開始される時までの過程では、昇圧チョッパ回路20の故障有無検出としてトランジスタTRのドレイン−ソース間のオープン固着故障の有無検出を行う(ステップ104)。具体的には、そのオープン固着故障の有無検出をトランジスタTRのドレイン電圧VXが第1基準電圧Vref1を上回るか否かの判別結果に基づいて行う。尚、第1基準電圧Verf1は、トランジスタTRのオン時に通常到達する可能性のある最大のドレイン電圧VXであり、ゼロを僅かに上回る値に設定されている。
通常、トランジスタTRがオン状態にあるときは、ドレイン電圧VXは接地電圧ゼロ近傍である。VX電圧異常監視回路30は、トランジスタTRのオープン固着故障の有無検出時、ドレイン電圧VXが第1基準電圧Vref1以下であると判別する場合にはトランジスタTRのオープン固着故障は生じていないと判定し、一方、ドレイン電圧VXが第1基準電圧Vref1を上回ると判別する場合にはトランジスタTRのオープン固着故障が生じていると判定する(図4(A)参照)。
PWM駆動制御回路24は、出力電圧VOUTに基づくトランジスタTRのゲートに供給するディーティ駆動信号がトランジスタTRをオフさせるオフ信号であるときは、そのオフ信号をトランジスタTRのゲートに供給すると共に、トランジスタTRのオンからオフへの切替時にはトランジスタTRをオンからオフへスイッチングすべきタイミングであることを示す信号を故障検出マスク区間設定部36へ出力する(ステップ106)。
故障検出マスク区間設定部36は、PWM駆動制御回路24からトランジスタTRのオンからオフへのスイッチタイミングを示す信号が入力されたことを検知すると、VX電圧非安定区間判定部34から供給されるドレイン電圧VXが時間的に非安定状態にあるか否かの判別結果に基づいて、昇圧チョッパ回路20の故障検出を中断する故障検出マスク区間を設定する(ステップ108)。具体的には、トランジスタTRのオンからオフへのスイッチタイミングを示す信号が入力されたことを検知した後、ドレイン電圧VXの時間変化成分dVX/dtが第3基準電圧Vref3を境界値とするゼロ近傍の所定範囲から逸脱してドレイン電圧VXが時間的に非安定状態にある期間(すなわち、オフへのスイッチタイミングからドレイン電圧VXが時間的に非安定状態から安定状態へ移行するまでの期間)を、故障検出マスク区間として設定する。そして、その故障検出マスク区間を示す信号をVX電圧異常監視回路30へ出力する。
尚、VX電圧異常監視回路30は、例えばPWM駆動制御回路24又は故障検出マスク区間設定部36からの信号に基づいて或いは入力されるドレイン電圧VXが立ち上がるか否かに基づいて、上記の如く認識した故障検出マスク区間がトランジスタTRのオンからオフへのスイッチング駆動直後のものであるか否かを判別することが可能であるものとする。
VX電圧異常監視回路30は、トランジスタTRのオンからオフへのスイッチング駆動直後における故障検出マスク区間が開始されてから終了されるまでの期間は、昇圧チョッパ回路20の故障有無検出を中断するが、トランジスタTRのオンからオフへのスイッチング駆動直後における故障検出マスク区間が終了した直後からは、昇圧チョッパ回路20の故障有無検出としてトランジスタTRのドレイン−ソース間のショート固着故障の有無検出を行う(ステップ110)。具体的には、そのショート固着故障の有無検出をトランジスタTRのドレイン電圧VXが第2基準電圧Vref2を下回るか否かの判別結果に基づいて行う。尚、第2基準電圧Verf2は、トランジスタTRのオフ時に通常到達する可能性のある最小のドレイン電圧VXであり、上記した第1基準電圧Vref1よりも高くかつ直流電源Bの電圧VINよりも高い値に設定されている。
通常、トランジスタTRがオフ状態にあるときは、ドレイン電圧VXは時間的に安定し始めた後は直流電源Bの電圧VINよりも昇圧された高い値に維持される。VX電圧異常監視回路30は、トランジスタTRのショート固着故障の有無検出時、ドレイン電圧VXが第2基準電圧Vref2以上であると判別される場合にはトランジスタTRのショート固着故障は生じていないと判定し、一方、ドレイン電圧VXが第2基準電圧Vref2を下回ると判別される場合にはトランジスタTRのショート固着故障が生じていると判定する(図4(B)参照)。
尚、コイルLに直流電源B側から整流ダイオードD側へ向けて流れる電流がゼロとならない電流連続モードにおいては、通常は、そのコイル電流ILは常にゼロを上回った状態で時間変化するので、そのコイル電流ILが減少するようにトランジスタTRがオフされているときにも、トランジスタTRのドレイン電圧VXは常に直流電源Bの電圧VINよりも昇圧された高い値に維持される(図5参照)。一方、コイルLに直流電源B側から整流ダイオードD側へ向けて流れる電流がゼロ以下となり得る電流不連続モードにおいては、通常は、コイル電流ILが減少するようにトランジスタTRがオフされているとき、コイル電流ILがゼロ以下になるまでは、トランジスタTRのドレイン電圧VXが高い値に時間的に安定して維持されるが、コイル電流ILがゼロ以下になると、トランジスタTRのドレイン電圧VXがゼロへ向けて低下する(図3参照)。
本実施例において、VX電圧非安定区間判定部34は、入力されるドレイン電圧VXの時間変化成分dVX/dtを第3基準電圧Vref3と比較して、ドレイン電圧VXが時間的に非安定状態にあるか否かを判別する。故障検出マスク区間設定部36は、トランジスタTRのオンからオフへのスイッチング駆動直後に設定した故障検出マスク区間が終了した後、トランジスタTRのショート固着故障の有無検出が行われている際にも、VX電圧非安定区間判定部34から供給されるドレイン電圧VXが時間的に非安定状態にあるか否かの判別結果に基づいて、昇圧チョッパ回路20の故障検出(トランジスタTRのショート固着故障の有無検出)を中断する故障検出マスク区間を設定することが可能である。
故障検出マスク区間設定部36は、トランジスタTRのオンからオフへのスイッチング駆動直後に設定した故障検出マスク区間が終了した時から、次にトランジスタTRのオフからオンへのスイッチングが行われる時までの過程(すなわち、コイルLを直流電源B側から出力側へ向けて流れる電流ILが減少する過程)で、VX電圧非安定区間判定部34からの供給信号に基づいて、ドレイン電圧VXが時間的に非安定状態になること(具体的には、ドレイン電圧VXの時間変化成分dVX/dtが−側の第3基準電圧Vref3よりも低いこと)があるか否かを判別する。
その判別の結果、トランジスタTRのオンからオフへのスイッチング駆動直後に設定した故障検出マスク区間が終了した時から、次にトランジスタTRのオフからオンへのスイッチングが行われる時までの過程で、ドレイン電圧VXが時間的に非安定状態になることがないと判別した場合には、電流連続モードでの動作中と判定し、故障検出マスク区間の設定を行わない。
一方、トランジスタTRのオンからオフへのスイッチング駆動直後に設定した故障検出マスク区間が終了した時から、次にトランジスタTRのオフからオンへのスイッチングが行われる時までの過程で、ドレイン電圧VXが時間的に非安定状態になったと判別した場合には、電流不連続モードでの動作時においてコイル電流ILがゼロ以下になってドレイン電圧VXがゼロへ向けて低下し始めたと判定し、その判定時点から次にPWM駆動制御回路24からトランジスタTRのオフからオンへのスイッチタイミングを示す信号が入力されたことを検知する時までの期間を、故障検出マスク区間として設定する(ステップ112)。そして、その故障検出マスク区間を示す信号をVX電圧異常監視回路30へ出力する。
尚、ドレイン電圧VXが時間的に非安定状態にあるか否かを判別するための第3基準電圧Vref3と、トランジスタTRのショート固着故障の有無検出を行うための第2基準電圧Vref2と、の関係は、一般的に、電流不連続モードでの動作時において、コイル電流ILがゼロ以下になってドレイン電圧VXがゼロへ向けて低下し始めた後、そのドレイン電圧VXが第2基準電圧Vref2を下回る前に、ドレイン電圧VXの時間変化成分dVX/dtが第3基準電圧Vref3を境界値とする所定範囲を逸脱する(具体的には、−側の第3基準電圧Vref3よりも低くなる)ように設定されている。
VX電圧異常監視回路30は、故障検出マスク区間以外の区間においては、トランジスタTRのドレイン電圧VXに基づいた昇圧チョッパ回路20の故障有無検出を行うが、故障検出マスク区間においては、トランジスタTRのドレイン電圧VXに基づいた昇圧チョッパ回路20の故障有無検出を中断する。
このように、本実施例の故障検出装置22においては、昇圧チョッパ回路20の故障有無検出がトランジスタTRのドレイン電圧VXに基づいて行われると共に、トランジスタTRのスイッチング駆動によりその昇圧チョッパ回路20の昇圧動作が行われている最中に行われる。このドレイン電圧VXは、トランジスタTRのスイッチング駆動が行われる際に直接的に変動する電圧である。
トランジスタTRのオープン固着故障が発生した場合は、トランジスタTRのオフからオンへのスイッチタイミングから次のオンからオフへのスイッチタイミングまでの、故障検出マスク区間を除いたオープン固着故障の有無検出区間で、ドレイン電圧VXが第1基準電圧Vref1をその故障発生後直ちに上回ることで、そのオープン固着故障が発生していることが検出される。また、トランジスタTRのショート固着故障が発生した場合は、トランジスタTRのオンからオフへのスイッチタイミングから次のオフからオンへのスイッチタイミングまでの、故障検出マスク区間を除いたショート固着故障の有無検出区間で、ドレイン電圧VXがその故障発生後直ちに第2基準電圧Vref2を下回ることで、そのショート固着故障が発生していることが検出される。
従って、本実施例の故障検出装置22によれば、昇圧チョッパ回路20の故障有無検出を行うのに昇圧動作中におけるトランジスタTRのドレイン電圧VXの異常を監視し、すなわち、その故障有無検出を昇圧動作中にトランジスタTRのドレイン電圧VXに基づいて行うので、その故障有無検出を行うのに昇圧動作中に平滑用コンデンサC2により平滑化される出力電圧VOUTの異常(上昇・低下)を監視する構成、すなわち、昇圧動作中における出力電圧VOUTに基づいてその故障有無検出を行う構成に比べて、トランジスタTRのオープン固着故障及びショート固着故障をその故障発生後速やかに検出することが可能である。
また、本実施例の故障検出装置22においては、トランジスタTRのスイッチング駆動直後はドレイン電圧VXの立ち上がり又は立ち下がりでリンギングが発生するが、そのリンギング発生区間が故障検出マスク区間として設定されて、そのリンギング期間中は昇圧チョッパ回路20の故障有無検出が中断される。このため、スイッチング駆動によるリンギングに起因してドレイン電圧VXが第1基準電圧Vref1を上回り或いは第2基準電圧Vref2を下回ったときに、トランジスタTRのオープン固着故障やショート固着故障が生じていないにもかかわらずその固着故障が生じていると誤判定されるのを防止することが可能である。
更に、本実施例の故障検出装置22においては、トランジスタTRのオンからオフへのスイッチング駆動後、トランジスタTRがオフ状態にある際に、ドレイン電圧VXの時間変化成分dVX/dtが−側の第3基準電圧Vref3よりも低くなると、電流不連続モードでの動作に伴ってコイル電流ILがゼロ以下になってドレイン電圧VXがゼロへ向けて低下し始めたと判定される。そして、そのドレイン電圧VXの時間変化成分dVX/dtが−側の第3基準電圧Vref3よりも低くなった時点から次にトランジスタTRがオフからオンへスイッチング駆動される時までの期間が、故障検出マスク区間として設定されて、昇圧チョッパ回路20の故障有無検出が中断される。このため、電流不連続モードでの動作時において、トランジスタTRのオフに伴って直流電源B側から整流ダイオードD側へのコイル電流ILがゼロ以下になることに起因してドレイン電圧VXが第2基準電圧Vref2を下回るまで低下したときに、トランジスタTRに固着故障(特に、ショート固着故障)が生じていないにもかかわらずその固着故障が生じていると誤判定されるのを防止することが可能である。
また、本実施例においては、電流不連続モードでの動作に伴ってコイル電流ILがゼロ以下まで低下するタイミングを検出するのに、ドレイン電圧VXの時間変化成分dVX/dtが用いられる。このドレイン電圧VXの時間変化成分dVX/dtは、トランジスタTRのスイッチング駆動直後のリンギング発生区間を検出するのにも用いられる。この点、本実施例によれば、コイルLに直列にシャント抵抗を設けてコイル電流ILを検出する構成と異なり、コイル電流ILのゼロ以下への低下タイミングを検出するうえで、不必要な構成を追加する必要がなく、発生する抵抗損失を抑制して昇圧の高効率化を図ることが可能である。
図6は、本発明の第2実施例であるチョッパ回路100の故障検出装置102の構成図を示す。尚、図6において、上記した第1実施例の図1に示す構成と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略する。本実施例のチョッパ回路100は、直流電源の電圧を降圧して出力する降圧チョッパ式のDC−DC回路であり、例えば電動パワーステアリングシステムなどの車載システムに用いられる。以下、チョッパ回路100を降圧チョッパ回路100と称す。
図6に示す如く、降圧チョッパ回路100は、直流電源B、コンデンサC1,C2、コイルL、トランジスタTR、整流ダイオードD、及びPWM駆動制御回路104を有している。直流電源Bの+端子及びコンデンサC1の一端には、トランジスタTRのドレインが接続されている。トランジスタTRのソースは整流ダイオードDのカソードに接続されていると共に、トランジスタTRのゲートはPWM駆動制御回路104に接続されている。PWM駆動制御回路104は、後述の如く、トランジスタTRのゲートに駆動信号を供給してドレイン−ソース間を導通/遮断(スイッチング)する制御を行う。トランジスタTRは、ゲートに入力される駆動信号に応じてスイッチングされてドレイン−ソース間を導通/遮断するNチャネルパワーMOSFETやIGBTなどである。
整流ダイオードDのアノードは接地されている。整流ダイオードDは、トランジスタTRのソース側から接地側への電流の流通を禁止してその逆の電流流通を許可する機能を有している。
トランジスタTRのソース及び整流ダイオードDのカソードには、コイルLの一端が接続されている。コイルLは、直流電源Bから供給される電圧VINを降圧するための降圧用コイルである。コイルLの他端には、負荷26が接続されていると共に、他端が接地されたコンデンサC2の一端が接続されている。負荷26は、コイルLの他端に現れる出力電圧VOUTが印加されることにより作動される、例えば電動パワーステアリングシステムの電動モータ用インバータ回路などである。コンデンサC2は、負荷26に供給する出力電圧VOUTを平滑化する平滑用コンデンサである。
コイルLの他端及びコンデンサC2の一端と負荷26との間の出力電圧VOUTは、上記のPWM駆動制御回路104に供給されている。PWM駆動制御回路104は、供給される出力電圧VOUTに基づいて、出力電圧VOUTが負荷26に印加すべき一定の目標電圧になるようにトランジスタTRをスイッチングするデューティ比を算出し、トランジスタTRのゲートに供給すべき駆動信号を生成し、そして、その生成した駆動信号をトランジスタTRのゲートに供給する。
上記した降圧チョッパ回路100において、直流電源Bの電圧からの降圧が行われないとき(すなわち負荷26が作動されないとき)は、PWM駆動制御回路104は、トランジスタTRをオフ状態に維持すべくそのゲートにローレベルの駆動信号を供給する。トランジスタTRのゲートにローレベルの駆動信号が供給されているときは、トランジスタTRがオフ状態にされて、そのドレイン−ソース間が遮断される。一方、直流電源Bの電圧からの降圧が行われるとき(すなわち負荷26が作動されるとき)は、PWM駆動制御回路104は、供給される出力電圧VOUTに基づいて、出力電圧VOUTが目標電圧になるようにトランジスタTRのディーティ比を算出する。そして、トランジスタTRがその算出したデューティ比でスイッチングされるようにそのゲートにローレベル及びハイレベルの駆動信号を所定周期で交互に供給する。
具体的には、PWM駆動制御回路104は、降圧チョッパ回路100の降圧動作中、トランジスタTRをオフからオンへスイッチングすべきタイミングに至ったことを検知すると、以後、トランジスタTRのゲートにハイレベルの駆動信号を供給する。トランジスタTRのゲートに供給される駆動信号がローレベルからハイレベルへ移行された際は、トランジスタTRがオフからオンへスイッチングされる。そして、トランジスタTRのゲートにハイレベルの駆動信号が供給されているときは、トランジスタTRがオン状態にされて、そのドレイン−ソース間が導通される。
トランジスタTRのドレイン−ソース間が導通されると、トランジスタTRのソース電圧VXが直流電源Bの直流電圧VIN近傍になり、コイルLの両端に生ずる電位差が大きくなることで、そのコイルLに直流電源B側から出力側へ向けて電流ILが流れる。このコイルLに流れる電流ILは、トランジスタTRのドレイン−ソース間が導通される時間が長いほど一定の傾きで増加して大きくなる。
また、PWM駆動制御回路104は、降圧チョッパ回路100の降圧動作中、トランジスタTRをオンからオフへスイッチングすべきタイミングに至ったことを検知すると、以後、トランジスタTRのゲートにローレベルの駆動信号を供給する。トランジスタTRのゲートに供給される駆動信号がハイレベルからローレベルへ移行された際は、トランジスタTRがオンからオフへスイッチングされる。そして、トランジスタTRのゲートにローレベルの駆動信号が供給されているときは、トランジスタTRがオフ状態にされて、そのドレイン−ソース間が遮断される。
トランジスタTRのドレイン−ソース間が導通状態から遮断状態へ移行されると、コイルLの両端に生ずる電位差がコイル電流の変化を妨げる向きに変化して(逆起電力が発生して)、トランジスタTRのソース電圧VXが直流電圧VIN近傍から接地電圧ゼロ近傍へ低下すると共に、コイルLに整流ダイオードD側から出力側へ向けて流れる電流ILが減少する。このコイルLに流れる電流ILは、トランジスタTRのドレイン−ソース間が遮断される時間が長いほど一定の傾きで減少して小さくなる。
トランジスタTRがオンされているときは、トランジスタTRのソース電圧VXが直流電圧VIN近傍であるので、コイルLに直流電源B側から出力側へ向けてコイル電流ILが流れる。この場合は、コイルLの他端に現れる出力電圧VOUTが直流電圧VINよりも低い所定電圧である状況で、コンデンサC2が充電されると共に、負荷26に負荷電流が供給される。一方、トランジスタTRがオフされているときは、コイルLの両端での逆起電力の発生後、直流電源B側から出力側へ向けてコイル電流ILがゼロを超えている限り、トランジスタTRのソース電圧VXが接地電圧ゼロ近傍(具体的には、その接地電圧ゼロよりも整流ダイオードDの順方向電圧分だけ低い電圧)である。この場合は、コイルLの他端に現れる出力電圧VOUTが直流電圧VINよりも低い所定電圧に維持された状況で、コンデンサC2が充電されると共に、負荷26に負荷電流が供給される。また、トランジスタTRがオフされているときは、コイルLの両端での逆起電力の発生後、上記のコイル電流ILがゼロ以下に達すると、入力側からコイルLを介して出力側へ電流が流れない。この場合、コイルLの他端に現れる出力電圧VOUTは、コイル電流ILの電流流通時に充電されたコンデンサC2が放電することで、直流電圧VINよりも低い所定電圧に維持される。
従って、本実施例の降圧チョッパ回路100においては、トランジスタTRのオン/オフを繰り返すスイッチング駆動を行うことで、負荷26に印加する出力電圧VOUTを、直流電源Bの直流電圧VINを降圧して低い状態に維持させることができ、その降圧された出力電圧VOUTを負荷26に印加することができる。このため、本実施例によれば、チョッパ回路10の降圧動作により負荷26を低圧で作動させることが可能である。
尚、トランジスタTRのスイッチング周期と、コイルLのインダクタンス及びトランジスタTRのドレイン−ソース間のキャパシタンスに基づく共振周波数と、の関係に基づいてコイルLに直流電源B側から出力側へ向けて流れる電流がゼロ以下にならない電流連続モードにおいては、トランジスタTRのオフによりコイルLに流れる電流ILが減少しても、そのコイル電流ILがゼロにならない。この場合には、コイル電流ILがゼロ以下になる前に、PWM駆動制御回路104がトランジスタTRをオフからオンへスイッチングすべきタイミングに至ったことを検知してトランジスタTRのゲートに供給する駆動信号をローレベルからハイレベルへ移行させるので、トランジスタTRがオン状態にされてソース電圧VXが直流電圧VIN近傍になることで、コイルLに流れる電流ILが減少傾向から反転して増加する。従って、電流連続モードの動作時は、コイルLに流れる電流ILをゼロにすることなくトランジスタTRのスイッチングにより増減させることが可能である。
また、トランジスタTRのスイッチング周期と、コイルLのインダクタンス及びトランジスタTRのドレイン−ソース間のキャパシタンスに基づく共振周波数と、の関係に基づいてコイルLに直流電源B側から出力側へ向けて流れる電流がゼロ以下となり得る電流不連続モードにおいては、トランジスタTRのオフによりコイルLに流れる電流ILが減少する過程で、そのコイル電流ILがゼロ以下になることがある。コイル電流ILがゼロ以下になると、トランジスタTRのソース電圧VXが接地電圧ゼロ近傍から直流電圧VINへ向けて上昇する。すなわち、PWM駆動制御回路104がトランジスタTRをオフからオンへスイッチングすべきタイミングに至ったことを検知してトランジスタTRのゲートに供給する駆動信号をローレベルからハイレベルへ移行させることで、トランジスタTRがオン状態にされてソース電圧VXが直流電圧VIN近傍になる前に、コイル電流ILがゼロ以下になってソース電圧VXが直流電圧VIN近傍に上昇する。従って、電流不連続モードでの動作時は、コイルLに流れる電流ILがトランジスタTRのスイッチングにより増減されつつ、トランジスタTRのオフ中にコイルLに流れる電流ILがゼロになる。
次に、図7〜図10を参照して、本実施例の降圧チョッパ回路100の故障検出装置102による故障検出について説明する。
図7は、本実施例の故障検出装置102において故障検出を行うべく実行される制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図8は、本実施例において降圧チョッパ回路100に故障が生じない場合に実現される電流不連続モード動作時の一例のタイムチャートを示す。図9(A)及び(B)は、本実施例において降圧チョッパ回路100に故障が発生する場合に実現される電流不連続モード動作時の一例のタイムチャートを示す。また、図10は、本実施例において降圧チョッパ回路100に故障が生じない場合に実現される電流連続モード動作時の一例のタイムチャートを示す。尚、図8〜図10にはそれぞれ、トランジスタTRのゲート電圧VGと、コイルLに直流電源B側から出力側へ向けて流れるコイル電流ILと、トランジスタTRのソース電圧VXと、そのソース電圧VXの時間変化成分dVX/dtと、の各タイムチャートを示す。
本実施例において、故障検出装置102は、降圧チョッパ回路100の故障(具体的には、トランジスタTRやPWM駆動制御回路104の故障等に起因したトランジスタTRのショート固着故障やオープン固着故障)を検出する装置である。故障検出装置102は、図6に示す如く、VX電圧異常監視回路110を備えている。VX電圧異常監視回路110には、トランジスタTRのソースに生ずるソース電圧VXが入力されている。VX電圧異常監視回路110は、入力されるトランジスタTRのソース電圧VXに基づいて降圧チョッパ回路100の故障有無を検出する。
故障検出装置102は、また、トランジスタTRのソースに生ずるソース電圧VXが入力されるVX電圧微分回路112、入力がVX電圧微分回路112の出力に接続されるVX電圧非安定区間判定部114、及び、入力がVX電圧非安定区間判定部114の出力に接続される故障検出マスク区間設定部116を備えている。VX電圧微分回路112は、例えばオペアンプからなり、入力されるトランジスタTRのソース電圧VXを微分して、その時間変化成分dVX/dtを出力する。
VX電圧非安定区間判定部114は、入力されるソース電圧VXの時間変化成分dVX/dtを第3基準電圧Vref3(尚、この第3基準電圧Vref3は、ゼロを中心にしてそのゼロ近傍の+側及び−側に一つずつある。)と比較して、その時間変化成分dVX/dtがゼロ近傍の所定範囲から逸脱するか否かすなわちソース電圧VXが時間的に非安定状態にあるか否かを判別し、その判別結果を出力する。尚、上記の第3基準電圧Vref3は、ソース電圧VXが時間的に非安定状態と安定状態との何れであるか否かを示す時間変化成分dVX/dtの境界値であり、予め定められている。
故障検出マスク区間設定部116には、また、PWM駆動制御回路104からトランジスタTRのスイッチングが行われるタイミングを示す信号が入力される。故障検出マスク区間設定部116は、入力されるトランジスタTRのスイッチタイミングを示す信号とソース電圧VXの非安定区間を示す信号とに基づいて、後に詳述する如く、降圧チョッパ回路100の故障検出を行うのを中断する時間的範囲(故障検出マスク区間)を設定する。そして、その故障検出マスク区間を示す信号(例えばそのマスク区間の始期及び終期を示す信号)を出力する。
故障検出マスク区間設定部116の出力には、上記したVX電圧異常監視回路110の入力が接続されている。VX電圧異常監視回路110は、故障検出マスク区間設定部116側から入力される信号に基づいて故障検出マスク区間を認識し、そして、その故障検出マスク区間を除いて、トランジスタTRのソース電圧VXに基づいた降圧チョッパ回路100の故障有無検出を行う。VX電圧異常監視回路110による故障有無検出の結果は、PWM駆動制御回路104に供給される。PWM駆動制御回路104は、VX電圧異常監視回路110から降圧チョッパ回路100の故障が生じていることを示す信号が供給される場合は、システムのフェールセーフ処置としてトランジスタTRのスイッチング駆動を停止して降圧チョッパ回路100の回路動作を停止する。尚、降圧チョッパ回路100の故障が生じていると判別される場合は、故障発生を示す表示や音声案内が行われることとしてもよい。
以下、本実施例において故障検出装置102が実行する故障検出の手順について説明する。
本実施例において、PWM駆動制御回路104は、供給される出力電圧VOUTに基づいて、出力電圧VOUTが負荷26に印加すべき一定の目標電圧になるようにトランジスタTRをスイッチングするデューティ比を算出し、トランジスタTRのゲートに供給すべきデューティ駆動信号を生成する。そして、そのデューティ駆動信号がトランジスタTRをオンさせるオン信号であるときは、そのオン信号をトランジスタTRのゲートに供給すると共に、トランジスタTRのオフからオンへの切替時にはトランジスタTRをオフからオンへスイッチングすべきタイミングであることを示す信号を故障検出マスク区間設定部116へ出力する(ステップ200)。
故障検出マスク区間設定部116は、PWM駆動制御回路104からトランジスタTRのオフからオンへのスイッチタイミングを示す信号が入力されたことを検知すると、VX電圧非安定区間判定部114から供給されるソース電圧VXが時間的に非安定状態にあるか否かの判別結果に基づいて、降圧チョッパ回路100の故障検出を中断する故障検出マスク区間を設定する(ステップ202)。具体的には、トランジスタTRのオフからオンへのスイッチタイミングを示す信号が入力されたことを検知した後、ソース電圧VXの時間変化成分dVX/dtが第3基準電圧Vref3を境界値とするゼロ近傍の所定範囲から逸脱してソース電圧VXが時間的に非安定状態にある期間(すなわち、オンへのスイッチタイミングからソース電圧VXが時間的に非安定状態から安定状態へ移行するまでの期間)を、故障検出マスク区間として設定する。そして、その故障検出マスク区間を示す信号をVX電圧異常監視回路110へ出力する。
VX電圧異常監視回路110は、故障検出マスク区間設定部116側から入力される信号に基づいて故障検出マスク区間を認識する。VX電圧異常監視回路110は、認識した故障検出マスク区間においては、トランジスタTRのソース電圧VXに基づいた降圧チョッパ回路100の故障有無検出を行わないが、故障検出マスク区間以外の区間においては、トランジスタTRのソース電圧VXに基づいた降圧チョッパ回路100の故障有無検出を行う。
尚、VX電圧異常監視回路110は、例えばPWM駆動制御回路104又は故障検出マスク区間設定部116からの信号に基づいて或いは入力されるソース電圧VXが立ち上がるか否かに基づいて、上記の如く認識した故障検出マスク区間がトランジスタTRのオフからオンへのスイッチング駆動直後のものであるか否かを判別することが可能であるものとする。
VX電圧異常監視回路110は、トランジスタTRのオフからオンへのスイッチング駆動直後における故障検出マスク区間が終了した時から次にトランジスタTRのオンからオフへのスイッチング駆動直後における故障検出マスク区間が開始される時までの過程では、降圧チョッパ回路100の故障有無検出としてトランジスタTRのドレイン−ソース間のオープン固着故障の有無検出を行う(ステップ204)。具体的には、そのオープン固着故障の有無検出をトランジスタTRのソース電圧VXが第2基準電圧Vref2を下回るか否かの判別結果に基づいて行う。尚、第2基準電圧Verf2は、トランジスタTRのオン時に通常到達する可能性のある最小のソース電圧VXであり、直流電圧VINよりも低い値に設定されている。
通常、トランジスタTRがオン状態にあるときは、ソース電圧VXは直流電圧VIN近傍である。VX電圧異常監視回路110は、トランジスタTRのオープン固着故障の有無検出時、ソース電圧VXが第2基準電圧Vref2以上であると判別する場合にはトランジスタTRのオープン固着故障は生じていないと判定し、一方、ソース電圧VXが第2基準電圧Vref2を下回ると判別する場合にはトランジスタTRのオープン固着故障が生じていると判定する(図9(A)参照)。
PWM駆動制御回路104は、出力電圧VOUTに基づくトランジスタTRのゲートに供給するディーティ駆動信号がトランジスタTRをオフさせるオフ信号であるときは、そのオフ信号をトランジスタTRのゲートに供給すると共に、トランジスタTRのオンからオフへの切替時にはトランジスタTRをオンからオフへスイッチングすべきタイミングであることを示す信号を故障検出マスク区間設定部116へ出力する(ステップ206)。
故障検出マスク区間設定部116は、PWM駆動制御回路104からトランジスタTRのオンからオフへのスイッチタイミングを示す信号が入力されたことを検知すると、VX電圧非安定区間判定部114から供給されるソース電圧VXが時間的に非安定状態にあるか否かの判別結果に基づいて、降圧チョッパ回路100の故障検出を中断する故障検出マスク区間を設定する(ステップ208)。具体的には、トランジスタTRのオンからオフへのスイッチタイミングを示す信号が入力されたことを検知した後、ソース電圧VXの時間変化成分dVX/dtが第3基準電圧Vref3を境界値とするゼロ近傍の所定範囲から逸脱してソース電圧VXが時間的に非安定状態にある期間(すなわち、オフへのスイッチタイミングからソース電圧VXが時間的に非安定状態から安定状態へ移行するまでの期間)を、故障検出マスク区間として設定する。そして、その故障検出マスク区間を示す信号をVX電圧異常監視回路110へ出力する。
尚、VX電圧異常監視回路110は、例えばPWM駆動制御回路104又は故障検出マスク区間設定部116からの信号に基づいて或いは入力されるソース電圧VXが立ち下がるか否かに基づいて、上記の如く認識した故障検出マスク区間がトランジスタTRのオンからオフへのスイッチング駆動直後のものであるか否かを判別することが可能であるものとする。
VX電圧異常監視回路110は、トランジスタTRのオンからオフへのスイッチング駆動直後における故障検出マスク区間が開始されてから終了されるまでの期間は、降圧チョッパ回路100の故障有無検出を中断するが、トランジスタTRのオンからオフへのスイッチング駆動直後における故障検出マスク区間が終了した直後からは、降圧チョッパ回路100の故障有無検出としてトランジスタTRのドレイン−ソース間のショート固着故障の有無検出を行う(ステップ210)。具体的には、そのショート固着故障の有無検出をトランジスタTRのソース電圧VXが第1基準電圧Vref1を上回るか否かの判別結果に基づいて行う。尚、第1基準電圧Verf1は、トランジスタTRのオフ時に通常到達する可能性のある最大のソース電圧VXであり、上記した第2基準電圧Vref2よりも低くかつ接地電圧ゼロを僅かに上回る値に設定されている。
通常、トランジスタTRがオフ状態にあるときは、ソース電圧VXは時間的に安定し始めた後は接地電圧ゼロ近傍に維持される。VX電圧異常監視回路110は、トランジスタTRのショート固着故障の有無検出時、ソース電圧VXが第1基準電圧Vref1以下であると判別される場合にはトランジスタTRのショート固着故障は生じていないと判定し、一方、ソース電圧VXが第1基準電圧Vref1を上回ると判別される場合にはトランジスタTRのショート固着故障が生じていると判定する(図9(B)参照)。
尚、コイルLに直流電源B側から出力側へ向けて流れる電流がゼロとならない電流連続モードにおいては、通常は、そのコイル電流ILは常にゼロを上回った状態で時間変化するので、そのコイル電流ILが減少するようにトランジスタTRがオフされているときにも、トランジスタTRのソース電圧VXは常に接地電圧ゼロ近傍に維持される(図10参照)。一方、コイルLに直流電源B側から出力側へ向けて流れる電流がゼロ以下となり得る電流不連続モードにおいては、通常は、コイル電流ILが減少するようにトランジスタTRがオフされているとき、コイル電流ILがゼロ以下になるまでは、トランジスタTRのソース電圧VXが接地電圧ゼロ近傍に時間的に安定して維持されるが、コイル電流ILがゼロ以下になると、トランジスタTRのソース電圧VXが直流電圧VIN近傍へ向けて上昇する(図8参照)。
本実施例において、VX電圧非安定区間判定部114は、入力されるソース電圧VXの時間変化成分dVX/dtを第3基準電圧Vref3と比較して、ソース電圧VXが時間的に非安定状態にあるか否かを判別する。故障検出マスク区間設定部116は、トランジスタTRのオンからオフへのスイッチング駆動直後に設定した故障検出マスク区間が終了した後、トランジスタTRのショート固着故障の有無検出が行われている際にも、VX電圧非安定区間判定部114から供給されるソース電圧VXが時間的に非安定状態にあるか否かの判別結果に基づいて、降圧チョッパ回路100の故障検出(トランジスタTRのショート固着故障の有無検出)を中断する故障検出マスク区間を設定することが可能である。
故障検出マスク区間設定部116は、トランジスタTRのオンからオフへのスイッチング駆動直後に設定した故障検出マスク区間が終了した時から、次にトランジスタTRのオフからオンへのスイッチングが行われる時までの過程(すなわち、コイルLを直流電源B側から出力側へ向けて流れる電流ILが減少する過程)で、VX電圧非安定区間判定部114からの供給信号に基づいて、ソース電圧VXが時間的に非安定状態になること(具体的には、ソース電圧VXの時間変化成分dVX/dtが+側の第3基準電圧Vref3よりも高いこと)があるか否かを判別する。
その判別の結果、トランジスタTRのオンからオフへのスイッチング駆動直後に設定した故障検出マスク区間が終了した時から、次にトランジスタTRのオフからオンへのスイッチングが行われる時までの過程で、ソース電圧VXが時間的に非安定状態になることがないと判別した場合には、電流連続モードでの動作中と判定し、故障検出マスク区間の設定を行わない。
一方、トランジスタTRのオンからオフへのスイッチング駆動直後に設定した故障検出マスク区間が終了した時から、次にトランジスタTRのオフからオンへのスイッチングが行われる時までの過程で、ソース電圧VXが時間的に非安定状態になったと判別した場合には、電流不連続モードでの動作時においてコイル電流ILがゼロ以下になってソース電圧VXが直流電圧VIN近傍へ向けて上昇し始めたと判定し、その判定時点から次にPWM駆動制御回路104からトランジスタTRのオフからオンへのスイッチタイミングを示す信号が入力されたことを検知する時までの期間を、故障検出マスク区間として設定する(ステップ212)。そして、その故障検出マスク区間を示す信号をVX電圧異常監視回路110へ出力する。
尚、ソース電圧VXが時間的に非安定状態にあるか否かを判別するための第3基準電圧Vref3と、トランジスタTRのショート固着故障の有無検出を行うための第1基準電圧Vref1と、の関係は、一般的に、電流不連続モードでの動作時において、コイル電流ILがゼロ以下になってソース電圧VXが直流電圧VINへ向けて上昇し始めた後、そのソース電圧VXが第1基準電圧Vref1を上回る前に、ソース電圧VXの時間変化成分dVX/dtが第3基準電圧Vref3を境界値とする所定範囲を逸脱する(具体的には、+側の第3基準電圧Vref3よりも高くなる)ように設定されている。
VX電圧異常監視回路110は、故障検出マスク区間以外の区間においては、トランジスタTRのソース電圧VXに基づいた降圧チョッパ回路100の故障有無検出を行うが、故障検出マスク区間においては、トランジスタTRのソース電圧VXに基づいた降圧チョッパ回路100の故障有無検出を中断する。
このように、本実施例の故障検出装置102においては、降圧チョッパ回路100の故障有無検出がトランジスタTRのソース電圧VXに基づいて行われると共に、トランジスタTRのスイッチング駆動によりその降圧チョッパ回路100の降圧動作が行われている最中に行われる。このソース電圧VXは、トランジスタTRのスイッチング駆動が行われる際に直接的に変動する電圧である。
トランジスタTRのオープン固着故障が発生した場合は、トランジスタTRのオフからオンへのスイッチタイミングから次のオンからオフへのスイッチタイミングまでの、故障検出マスク区間を除いたオープン固着故障の有無検出区間で、ソース電圧VXが第2基準電圧Vref2をその故障発生後直ちに下回ることで、そのオープン固着故障が発生していることが検出される。また、トランジスタTRのショート固着故障が発生した場合は、トランジスタTRのオンからオフへのスイッチタイミングから次のオフからオンへのスイッチタイミングまでの、故障検出マスク区間を除いたショート固着故障の有無検出区間で、ソース電圧VXがその故障発生後直ちに第1基準電圧Vref1を上回ることで、そのショート固着故障が発生していることが検出される。
従って、本実施例の故障検出装置102によれば、降圧チョッパ回路100の故障有無検出を降圧動作中にトランジスタTRのソース電圧VXに基づいて行うので、平滑用コンデンサC2により平滑化される出力電圧VOUTに基づいてその故障有無検出を行う構成に比べて、トランジスタTRのオープン固着故障及びショート固着故障をその故障発生後速やかに検出することが可能である。
また、本実施例の故障検出装置102においては、トランジスタTRのスイッチング駆動直後はソース電圧VXの立ち上がり又は立ち下がりでリンギングが発生するが、そのリンギング発生区間が故障検出マスク区間として設定されて、そのリンギング期間中は降圧チョッパ回路100の故障有無検出が中断される。このため、スイッチング駆動によるリンギングに起因してソース電圧VXが第2基準電圧Vref2を下回り或いは第1基準電圧Vref1を上回ったときに、トランジスタTRのオープン固着故障やショート固着故障が生じていないにもかかわらずその固着故障が生じていると誤判定されるのを防止することが可能である。
更に、本実施例の故障検出装置102においては、トランジスタTRのオンからオフへのスイッチング駆動後、トランジスタTRがオフ状態にある際に、ソース電圧VXの時間変化成分dVX/dtが+側の第3基準電圧Vref3よりも高くなると、電流不連続モードでの動作に伴ってコイル電流ILがゼロ以下になってソース電圧VXが直流電圧VINへ向けて上昇し始めたと判定される。そして、そのソース電圧VXの時間変化成分dVX/dtが+側の第3基準電圧Vref3よりも高くなった時点から次にトランジスタTRがオフからオンへスイッチング駆動される時までの期間が、故障検出マスク区間として設定されて、降圧チョッパ回路100の故障有無検出が中断される。このため、電流不連続モードでの動作時において、トランジスタTRのオフに伴って直流電源B側から出力側へのコイル電流ILがゼロ以下になることに起因してソース電圧VXが第1基準電圧Vref1を上回るまで上昇したときに、トランジスタTRに固着故障(特に、ショート固着故障)が生じていないにもかかわらずその固着故障が生じていると誤判定されるのを防止することが可能である。
また、本実施例においては、電流不連続モードでの動作に伴ってコイル電流ILがゼロ以下まで低下するタイミングを検出するのに、ソース電圧VXの時間変化成分dVX/dtが用いられる。このソース電圧VXの時間変化成分dVX/dtは、トランジスタTRのスイッチング駆動直後のリンギング発生区間を検出するのにも用いられる。この点、本実施例によれば、コイルLに直列にシャント抵抗を設けてコイル電流ILを検出する構成と異なり、コイル電流ILのゼロ以下への低下タイミングを検出するうえで、不必要な構成を追加する必要がなく、発生する抵抗損失を抑制して昇圧の高効率化を図ることが可能である。
尚、上記の第1及び第2実施例においては、トランジスタTRが特許請求の範囲に記載した「スイッチング素子」に、整流ダイオードDが特許請求の範囲に記載した「整流回路」に、コンデンサC2が特許請求の範囲に記載した「平滑回路」に、PWM駆動制御回路24,104が特許請求の範囲に記載した「駆動制御回路」に、ドレイン電圧VX及びソース電圧VXが特許請求の範囲に記載した「端子電圧」に、VX電圧異常監視回路30,110が特許請求の範囲に記載した「故障検出回路」に、VX電圧微分回路32,112が特許請求の範囲に記載した「微分回路」に、VX電圧非安定区間判定部34,114が特許請求の範囲に記載した「非安定区間判定回路」に、故障検出マスク区間設定部36,116が特許請求の範囲に記載した「故障検出マスク区間設定回路」に、それぞれ相当している。
尚、上記の第1実施例は直流電源Bの電圧を昇圧する昇圧チョッパ回路20の例であり、また、第2実施例は直流電源Bの電圧を降圧する降圧チョッパ回路100の例であるが、直流電源Bの電圧を昇圧すると共に直流電源Bの電圧を降圧する昇降圧チョッパ回路に適用することとしてもよい。
20,100 チョッパ回路
22,102 故障検出装置
24,104 PWM駆動制御回路
30,110 VX電圧異常監視回路
32,112 VX電圧微分回路
34,114 VX電圧非安定区間判定部
36,116 故障検出マスク区間設定部
TR トランジスタ
D 整流ダイオード
C2 コンデンサ
22,102 故障検出装置
24,104 PWM駆動制御回路
30,110 VX電圧異常監視回路
32,112 VX電圧微分回路
34,114 VX電圧非安定区間判定部
36,116 故障検出マスク区間設定部
TR トランジスタ
D 整流ダイオード
C2 コンデンサ
Claims (6)
- スイッチング駆動されるスイッチング素子と、前記スイッチング素子側から出力側へ電流を流す整流回路と、出力電圧を平滑化する平滑回路と、出力電圧が設定電圧になるように前記スイッチング素子をスイッチング駆動する駆動制御回路と、前記スイッチング素子の端子電圧に基づいて、該スイッチング素子の固着故障を検出する故障検出回路と、を備えるチョッパ回路の故障検出装置であって、
前記スイッチング素子の端子電圧の時間変化成分を算出する微分回路と、
前記微分回路により算出される前記時間変化成分がゼロ近傍の所定範囲から逸脱するか否かを判別する非安定区間判定回路と、
前記駆動制御回路により前記スイッチング素子がスイッチング駆動されるタイミングと、前記非安定区間判定回路により前記時間変化成分が前記所定範囲から逸脱すると判別される結果と、に基づいて、前記故障検出回路により前記スイッチング素子の固着故障を検出するのを中断する故障検出マスク区間を設定する故障検出マスク区間設定回路と、を備え、
前記故障検出回路は、前記故障検出マスク区間設定回路により設定される前記故障検出マスク区間を除いて、前記スイッチング素子の固着故障検出を行うことを特徴とするチョッパ回路の故障検出装置。 - 前記故障検出マスク区間設定回路は、前記駆動制御回路により前記スイッチング素子がスイッチング駆動された以後の前記非安定区間判定回路により前記時間変化成分が前記所定範囲から逸脱すると判別される期間を、前記故障検出マスク区間として設定することを特徴とする請求項1記載のチョッパ回路の故障検出装置。
- 直流電源側から出力側へ向けて電流が流れるコイルを備え、
前記故障検出マスク区間設定回路は、また、電流不連続モードでの動作時において、前記スイッチング素子が前記コイルに直流電源側から出力側へ向けて流れる電流が減少するようにスイッチング駆動された後、前記非安定区間判定回路により前記時間変化成分が前記所定範囲から逸脱すると判別される時から次に前記スイッチング素子が前記コイルに直流電源側から出力側へ向けて流れる電流が増加するようにスイッチング駆動される時までの期間を、前記故障検出マスク区間として設定することを特徴とする請求項2記載のチョッパ回路の故障検出装置。 - 前記故障検出回路は、前記スイッチング素子が直流電源側から出力側へ向けて流れる電流が増加するようにスイッチング駆動される時から次に該スイッチング素子が直流電源側から出力側へ向けて流れる電流が減少するようにスイッチング駆動される時までの過程で、前記故障検出マスク区間設定回路により設定される前記故障検出マスク区間を除いて、前記スイッチング素子のオープン固着故障の検出を行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載のチョッパ回路の故障検出装置。
- 前記故障検出回路は、前記スイッチング素子が直流電源側から出力側へ向けて流れる電流が減少するようにスイッチング駆動される時から次に該スイッチング素子が直流電源側から出力側へ向けて流れる電流が増加するようにスイッチング駆動される時までの過程で、前記故障検出マスク区間設定回路により設定される前記故障検出マスク区間を除いて、前記スイッチング素子のショート固着故障の検出を行うことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項記載のチョッパ回路の故障検出装置。
- 前記故障検出回路は、前記スイッチング素子の端子電圧が第1基準電圧を上回る場合に前記スイッチング素子のオープン固着故障又はショート固着故障が生じていると判定し、また、前記スイッチング素子の端子電圧が前記第1基準電圧よりも高い第2基準電圧を下回る場合に前記スイッチング素子のショート固着故障又はオープン固着故障が生じていると判定することを特徴とする請求項4又は5記載のチョッパ回路の故障検出装置。
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