JP4233288B2 - スイッチング電源装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスイッチング電源装置に関し、特に、出力電圧の過電圧状態を検出可能なスイッチング電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、スイッチング電源装置の一種としていわゆるDC/DCコンバータが知られている。代表的なDC/DCコンバータは、スイッチング回路を用いて直流入力を一旦交流に変換した後、トランスを用いてこれを変圧(昇圧または降圧)し、さらに、出力回路を用いてこれを再び直流に変換する装置であり、これによって入力電圧とは異なる電圧を持った直流出力を得ることができる。
【0003】
図7は、一般的なDC/DCコンバータの一例を示す回路図である。
【0004】
図7に示すDC/DCコンバータは、入力端子1,2間に与えられる入力電圧Vinを変圧して出力電圧Voutを生成し、これを出力端子3,4間に供給する装置であり、トランス10と、トランス10の1次巻線11と入力端子2との間に接続されたスイッチ素子20と、トランス10の2次巻線12と出力端子3,4との間に設けられた出力回路30とを備えている。トランス10は、1次側回路と2次側回路とを絶縁しながら、1次巻線11に与えられる交流電圧を2次巻線12に伝える役割を果たし、1次巻線11に与えられる電圧と2次巻線12に現れる電圧との比はこれらの巻数比によって定められる。スイッチ素子20は、制御回路40による制御のもとオン/オフを繰り返し、これによってトランス10の1次巻線11に交流電圧を与える役割を果たす。出力回路30は、ダイオード31及びダイオード32からなる整流部と、出力チョーク33及び出力コンデンサ34からなる平滑部とを有しており、これによりトランス10の2次巻線12に現れる交流電圧を整流・平滑して直流電圧を生成し、これを出力端子3,4間に供給する役割を果たす。
【0005】
図7に示すように、出力端子3,4間に現れる出力電圧Voutのレベルに関する情報は、定電圧フィードバック回路41を介して制御回路40に供給されており、制御回路40はこれに基づいて、出力電圧Voutが所定の定電圧に安定するようスイッチ素子20のディーティを制御する。
【0006】
また、図7に示すDC/DCコンバータには過電圧検出回路42が設けられている。過電圧検出回路42は、何らかの原因により出力電圧Voutがある一定の電圧以上に異常上昇した場合、すなわち過電圧状態となった場合にその旨を制御回路40に通知するための回路であり、制御回路40はかかる通知を受けた場合、スイッチ素子20をオフ状態に固定する。これにより出力電圧Voutは急速に低下することから、出力端子3,4間に接続される負荷が過電圧状態から保護されることになる。出力電圧Voutが過電圧状態となる原因は様々であるが、その代表的なものは定電圧フィードバック回路41の故障である。一例として、定電圧フィードバック回路41内の配線に短絡や断線が生じ、これによって、出力電圧Vout上昇してもスイッチ素子20のデューティが低下しなくなった状態が挙げられる。
【0007】
図7に示すDC/DCコンバータにおいては、過電圧検出回路42による過電圧状態の検出は、トランス10の1次側に設けられた補助巻線13を介して行われている。つまり、トランス10の補助巻線13と過電圧検出回路42との間には、出力回路30と同様の回路構成を有する整流・平滑回路43が設けられており、これによって、過電圧検出回路42にはトランス10の補助巻線13に現れる交流電圧を整流・平滑した検出電圧Vout’が供給される。かかる検出電圧Vout’は、出力端子3,4間に現れる出力電圧Voutに比例した電圧となることから、過電圧検出回路42はこれを監視することによって過電圧状態の検出を行うことができる。
【0008】
このように、図7に示すDC/DCコンバータは、通常状態においては出力電圧Voutが所定の定電圧となるよう安定化制御する一方、トランス10の補助巻線13を介して得られる検出電圧Vout’に基づき過電圧状態であることを検出すると、出力電圧Voutを急速に低下させて出力端子3,4間に接続される負荷を保護することができる。
【0009】
しかしながら、図7に示すDC/DCコンバータは、過電圧状態を検出するために補助巻線13及び整流・平滑回路43を設ける必要があることから、装置全体が大型化しやすいという欠点を有している。
【0010】
図8は、一般的なDC/DCコンバータの他の例を示す回路図である。
【0011】
図8に示すDC/DCコンバータは、図7に示したDC/DCコンバータと比べて過電圧状態の検出方法が異なる他はこれと同様の構成を有している。つまり、図8に示すDC/DCコンバータにおいては、図7に示したDC/DCコンバータとは異なり、過電圧検出回路50を用いて出力電圧Voutを直接監視することにより過電圧状態の検出を行っている。これにより、図8に示すDC/DCコンバータにおいてはトランス10に補助巻線13を設ける必要がない。
【0012】
しかしながら過電圧検出回路50は、その検出点が2次側回路に属する出力端子3である一方で、その制御対象が1次側回路に属する制御回路40であることから、過電圧検出回路50内には、1次側回路と2次側回路とを絶縁するための絶縁素子が必要となる。このような絶縁素子としては、一般にフォトカプラが用いられる。
【0013】
図9は、過電圧検出回路50の具体的構成の一例を示す回路図である。
【0014】
図9に示すように、過電圧検出回路50は、コンパレータ51と、フォトカプラ52と、電圧源53と、抵抗54〜57とを備えている。コンパレータ51の反転入力端子(−)には抵抗54,55を用いて出力電圧Voutを分圧した電圧が供給され、コンパレータ51の非反転入力端子(+)には電圧源53の電圧が供給されている。電圧源53の電圧は、出力電圧Voutが過電圧状態となった場合に抵抗54と抵抗55の節点に現れる電圧レベルと等しいレベルに設定されている。このため、コンパレータ51の出力は、通常状態においてはハイレベル、過電圧状態においてはローレベルとなる。
【0015】
コンパレータ51の出力がハイレベルである場合、すなわち通常状態においては、フォトカプラ52の発光側素子52a及び抵抗56を介した電流IFは流れないことから、フォトカプラ52の受光側素子52bはオフ状態となり、このため抵抗57とフォトカプラ52の受光側素子52bとの節点の電圧Vcはハイレベルとなる。一方、コンパレータ51の出力がローレベルである場合、すなわち過電圧状態においては、フォトカプラ52の発光側素子52a及び抵抗56を介して電流IFが流れることから、フォトカプラ52の受光側素子52bはオン状態となり、このため抵抗57とフォトカプラ52の受光側素子52bとの節点の電圧Vcはローレベルとなる。
【0016】
かかる電圧Vcは制御回路40に供給されており、これにより制御回路40は、電圧Vcを参照することによって、現在の状態が通常状態であるか過電圧状態であるかを知ることができる。上述のとおり、制御回路40は、過電圧状態となった場合にはスイッチ素子20をオフ状態に固定し、これにより出力電圧Voutを急速に低下させる。
【0017】
次に、過電圧状態の検出前後における過電圧検出回路50の動作について、より詳細に説明する。
【0018】
図10は、過電圧状態の検出前後における過電圧検出回路50の動作を示す波形図である。図10には、時刻t0において何らかの故障が発生し、出力電圧Voutが異常な上昇を始めた場合の動作が示されている。また、図10には、過電圧状態と判断される出力電圧のレベルが「VF」で示されている。
【0019】
まず、通常状態(時刻t0以前)においては、出力電圧Voutのレベルは過電圧状態と判断されるレベルVFよりも低いため、電流IFは実質的にゼロであり、これにより電圧Vcはハイレベルを維持する。このため、当該期間においては、制御回路40は通常の制御を行う。すなわち、定電圧フィードバック回路41を介して供給される出力電圧Voutのレベルに関する情報に基づいてスイッチ素子20をオン/オフさせる。
【0020】
そして、時刻t0において何らかの故障が発生し出力電圧Voutが異常な上昇を始めると、その後時刻t1において出力電圧Voutが過電圧レベルVFを越え、電流IFが流れ始める。これに伴って、電圧Vcは低下を始めるが、フォトカプラ52の動作は比較的遅いことから、電圧Vcの低下は緩慢であり、これがローレベルに達するためには比較的長い時間が必要となる。図10においては、時刻t2において電圧Vcがローレベルに達した様子が示されている。つまり、時刻t1から時刻t2までの期間は、フォトカプラ52による信号伝達の遅れに相当する。
【0021】
時刻t2において電圧Vcがローレベルに達すると、制御回路40は直ちにスイッチ素子20をオフ状態に固定し、出力電圧Voutを低下させる。この場合、制御回路40の動作にはある程度の時間が必要であることから、実際に出力電圧Voutが低下を始めるのは、時刻t3になってからである。つまり、時刻t2から時刻t3までの期間は、制御回路40の動作遅延に相当する。しかしながら、通常、制御回路40の動作遅延はフォトカプラ52による信号伝達の遅れに比べれば十分に短く、したがって、出力電圧Voutが過電圧レベルVFを越えてから(時刻t1)、出力電圧Voutが実際に低下するまで(時刻t3)の期間は、フォトカプラ52による信号伝達の遅れが支配的となる。
【0022】
このように、図8に示すDC/DCコンバータにおいては、フォトカプラによる信号伝達の遅れにより、出力電圧Voutが過電圧レベルVFを越えてから実際に出力電圧Voutが低下するまでの時間が長く、このため、負荷に過電圧が印加される期間が長いという欠点を有している。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のDC/DCコンバータにおいては、過電圧状態を検出するためにトランスの1次側に補助巻線を設けたり、或いは、フォトカプラを用いて2次側から1次側へ過電圧状態を通知していることから、必要以上に装置全体が大型化したり、過電圧状態となってから実際に出力電圧が低下するまでの応答速度が遅くなるといった問題が生じていた。かかる問題は、出力電圧Voutが異常に低下していること(低電圧状態)を制御回路に通知する必要がある場合においても同様に生じる。
【0024】
さらに、上述した問題は、いわゆるDC/DCコンバータばかりでなく、DC/DCコンバータ部分を含む他のスイッチング電源装置、例えばAC/DCコンバータにおいても同様に生じる問題である。
【0025】
したがって、本発明の目的は、異常電圧状態を検出可能な改良されたスイッチング電源装置を提供することである。
【0026】
また、本発明の他の目的は、簡単な構成により異常電圧状態を検出可能なスイッチング電源装置を提供することである。
【0027】
また、本発明のさらに他の目的は、異常電圧状態を速やかに検出可能なスイッチング電源装置を提供することである。
【0028】
また、本発明のさらに他の目的は、補助巻線やフォトカプラを用いることなく、異常電圧状態を検出可能なスイッチング電源装置を提供することである。
【0029】
【課題を解決するための手段】
本発明のかかる目的は、一対の入力端子と、一対の出力端子と、1次巻線及び2次巻線を有するトランスと、前記一対の入力端子と前記トランスの前記1次巻線との間に直列に設けられた第1のコンバータ回路及び第2のコンバータ回路と、前記一対の出力端子と前記トランスの前記2次巻線との間に設けられた出力回路と、前記第1のコンバータ回路及び前記第2のコンバータ回路の動作を制御する制御回路と、前記一対の出力端子の一方と前記制御回路との間に接続され前記一対の出力端子間に現れる出力電圧のレベルに関する情報を前記制御回路に供給する定電圧フィードバック回路と、前記第1のコンバータ回路と前記第2のコンバータ回路との間に設けられた一対の内部配線間に現れる前記出力電圧に比例する内部電圧を検出して前記出力電圧の異常電圧状態を検出し、これを前記制御回路に通知する検出回路とを備え、前記制御回路が、前記定電圧フィードバック回路から供給される前記出力電圧レベルに関する情報により、前記第1のコンバータ回路及び前記第2のコンバータ回路の動作を制御するとともに、前記検出回路より前記出力電圧が異常電圧状態である旨の通知を受けたことに応答して、電力の伝送を停止または制限するように構成されたことを特徴とするスイッチング電源装置によって達成される。
【0030】
本発明によれば、内部配線間に現れる内部電圧に基づいて出力電圧のレベルを検出していることから、異常電圧状態を検出可能するために補助巻線を設けたりフォトカプラを用いる必要がなくなる。これにより、簡単な構成により異常電圧状態を検出することが可能となるとともに、異常電圧状態を速やかに検出することが可能となる。
また、本発明によれば、制御回路は出力電圧の異常電圧状態を速やかに知ることが可能となる
さらに、本発明によれば、検出回路より出力電圧が異常電圧状態である旨の通知を受けたことに応答して、電力の伝送を停止または制限するように構成されているから、出力端子に接続される負荷を異常電圧状態から保護することが可能となる
【0032】
本発明において、電力の伝送を停止する場合、制御回路は、第1及び第2のコンバータ回路の動作を停止させることが好ましい。
【0033】
また、電力の伝送を停止する場合、制御回路は、第1のコンバータ回路の動作を停止させるとともに、第2のコンバータ回路の動作を所定期間継続させることもまた好ましい。これによれば、出力回路が自己ドライブ型の同期整流回路を含んでいる場合であっても、出力電圧が振動しながら低下したり、内部電圧が異常に上昇したりすることがなくなる。
【0034】
また、前記電圧源が基準電圧源であり、制御回路は、第1のコンバータ回路を可変デューティで動作させる一方、第2のコンバータ回路を固定デューティで動作させることが好ましい。
【0035】
尚、前記第1のコンバータとしては、バックコンバータ回路、ブーストコンバータ回路またはバックブーストコンバータ回路を用いることができ、前記第2のコンバータとしては、ハーフブリッジ回路、フルブリッジ回路、プッシュプル回路、フォワードコンバータ回路またはフライバックコンバータ回路を用いることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施態様について詳細に説明する。
【0037】
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかるスイッチング電源装置100の回路図である。本実施態様にかかるスイッチング電源装置100は、一対の入力端子101,102に供給される直流入力電圧Vinを降圧して、一対の出力端子103,104に直流出力電圧Voutを発生させ、これを負荷に供給する装置、すなわちDC/DCコンバータである。
【0038】
図1に示すように、本実施態様にかかるスイッチング電源装置100は、トランス110と、入力端子101,102とトランス110との間に直列に設けられたバックコンバータ回路120及びハーフブリッジ回路130と、トランス110と出力端子103,104との間に設けられた出力回路140と、バックコンバータ回路120及びハーフブリッジ回路130の動作を制御する制御回路150と、出力端子103,104間に現れる出力電圧Voutのレベルに関する情報を制御回路150に供給する定電圧フィードバック回路160と、出力電圧Voutの過電圧状態を検出する過電圧検出回路170とを備えている。
【0039】
トランス110は、1次巻線110及び2次巻線112a,112bを備え、その巻数比は入力端子101,102間に与えられる入力電圧Vin及び出力端子103,104間に供給すべき出力電圧Voutに応じて設定される。
【0040】
バックコンバータ回路120は、スイッチ素子121,122と、平滑リアクトル123とを備えている。図1に示すように、スイッチ素子121と平滑リアクトル123は、高位側の入力端子101とハーフブリッジ回路130の高位側入力点となる内部配線130aとの間に直列に接続されており、スイッチ素子122は、低位側の入力端子102とスイッチ素子121及び平滑リアクトル123の接続点との間に接続されている。このような構成からなるバックコンバータ回路120は、制御回路150による制御のもとスイッチ素子121,122が交互にオン状態とされ、これにより、入力端子101,102間に現れる直流入力電圧Vinを降圧して一対の内部配線130a,130b間に内部電圧Vpを発生させる。
【0041】
ハーフブリッジ回路130は、一対の内部配線130a,130b間に直列に接続されたスイッチ素子131,132と、同じく一対の内部配線130a,130b間に直列に接続された1次側コンデンサ133,134とを備えている。図1に示すように、スイッチ素子131及び132の接続点と1次側コンデンサ133及び134の接続点との間には、トランス110の1次巻線111が接続されている。このような構成からなるハーフブリッジ回路130は、制御回路150による制御のもとスイッチ素子131,132が交互にオン状態とされ、トランス110の1次巻線111を励磁する。
【0042】
本実施態様においては、バックコンバータ回路120に含まれるスイッチ素子121,122や、ハーフブリッジ回路130に含まれるスイッチ素子131,132として、FET(電界効果型トランジスタ)を用いている。しかしながら、これらスイッチ素子としてFETを用いることは必須でなく、公知である他の素子乃至は回路を用いることができる。
【0043】
出力回路140は、トランス110の2次巻線112a,112bに現れる交流電圧を整流・平滑して直流である出力電圧Voutを生成し、これを出力端子103,104間に供給する役割を果たし、トランス110の2次巻線112aの一端と低位側の出力端子104との間に接続されたダイオード141と、トランス110の2次巻線112bの一端と低位側の出力端子104との間に接続されたダイオード142と、トランス110の2次巻線112a及び112bの共通他端である整流出力点140aと高位側の出力端子103との間に接続された出力チョーク143と、一対の出力端子103,104間に接続された出力コンデンサ144とを備えている。このような構成を有する出力回路140のうち、ダイオード141,142はトランス110の2次巻線112a,112bに現れる交流電圧を整流する整流回路を構成し、出力チョーク143及び出力コンデンサ144は、整流出力点140aとダイオード141,142の共通アノード(出力端子104)との間に現れる整流出力を平滑する平滑回路を構成する。
【0044】
制御回路150は、通常状態において、出力電圧Voutが予め定められた目標電圧に安定するよう、バックコンバータ回路120に含まれるスイッチ素子121,122をデューティ制御により交互にオン/オフさせるとともに、ハーフブリッジ回路130に含まれるスイッチ素子131,132を固定デューティ(オンデューティ=約50%)で交互にオン/オフさせる回路である。バックコンバータ回路120に含まれるスイッチ素子121,122のデューティは、定電圧フィードバック回路160より供給されるフィードバック信号FBに基づいて定められる。後述するように、フィードバック信号FBは現在の出力電圧Voutのレベルを示す信号であり、制御回路150はこれを参照することによって、現在の出力電圧Voutと目標電圧との大小関係及びその差を知ることができる。特に限定されるものではないが、制御回路150内ではフィードバック信号FBとのこぎり波との比較が行われ、これによってバックコンバータ回路120に含まれるスイッチ素子121,122のデューティが定められる。
【0045】
一方、ハーフブリッジ回路130に含まれるスイッチ素子131,132については、上述のとおり固定デューティ(オンデューティ=約50%)でオン/オフされるので、出力電圧Voutの安定化には直接寄与しない。しかしながら、このようなハーフブリッジ回路130をバックコンバータ回路120とトランス110との間に介在させれば、バックコンバータ回路120の変圧(降圧)量が低減することから、出力電圧Voutの精度が高められるとともに、出力可能な出力電圧Voutの範囲が広がるという利点がある。
【0046】
制御回路150は以上の動作を行うことから、デッドタイムの影響や各スイッチ素子等において生じる電圧降下の影響を無視すれば、入力電圧Vinと出力電圧Voutとの関係は、式(1)で表すことができ、内部電圧Vpは式(2)で表すことができる。
【0047】
【数1】
Figure 0004233288
式(1)及び式(2)において、D121はスイッチ素子121のオンデューティを示し、Npはトランス110の1次巻線111の巻数を示し、Nsはトランス110の2次巻線112a,112bの巻数を示している。
【0048】
式(1)から明らかなように、出力電圧Voutは、スイッチ素子121のオンデューティであるD121を調節することにより目標電圧に安定させることが可能である。また、式(2)を参照すれば、内部電圧Vpは出力電圧Voutと完全に比例関係にあることが分かる。
【0049】
以上説明した制御回路150の通常状態における動作は、過電圧検出回路170より供給される検出信号Sが通常状態であることを示している場合(ローレベルである場合)に行われ、これが過電圧状態であることを示した場合(ハイレベルとなった場合)、制御回路150はトランス110の2次側への電力伝送をストップし、これによって出力電圧Voutを速やかに低下させる。過電圧状態とは、何らかの原因により出力電圧Voutがある一定の電圧以上に異常上昇した状態をいい、一例として、目標電圧が5Vである場合に実際の出力電圧Voutが6V以上に上昇したような場合が該当する。過電圧状態におけるスイッチング電源装置100の動作の詳細については後述する。
【0050】
定電圧フィードバック回路160は、出力電圧Voutに基づいてフィードバック信号FBを生成する回路であり、その具体的な回路構成の一例について説明する。
【0051】
図2は、定電圧フィードバック回路160の具体的な回路構成の一例を示す回路図である。
【0052】
図2に示す例による定電圧フィードバック回路160は、誤差アンプ161と、フォトカプラ162と、抵抗163〜167と、コンデンサ168と、定電圧源169とを備えている。
【0053】
誤差アンプ161は、反転入力端子(−)、非反転入力端子(+)及び出力端子を備えており、反転入力端子(−)には出力電圧Voutを抵抗163及び164によって分圧した電圧が供給され、非反転入力端子(+)には定電圧源169からの基準電圧Vref1が供給されている。また、誤差アンプ161の反転入力端子(−)と出力端子との間には、抵抗165及びコンデンサ168が並列に接続されている。ここで、基準電圧Vref1は、出力電圧Voutが目標電圧に一致している場合において、抵抗163及び164の分圧によって得られる電圧に相当する。したがって、誤差アンプ161は、実際の出力電圧Voutが目標電圧に比べて高ければ高いほどその出力レベルを低下させ、逆に、実際の出力電圧Voutが目標電圧に比べて低ければ低いほどその出力レベルを上昇させる。また、誤差アンプ161の応答性は、反転入力端子(−)と出力端子との間に接続された抵抗165及びコンデンサ168によって制限されており、これによって出力電圧Voutの異常発振等が防止されている。
【0054】
フォトカプラ162は、トランス110の1次側回路と2次側回路を絶縁しながら、2次側回路に属する誤差アンプ161の出力を1次側回路に伝達する役割を果たし、発光側素子162a及び受光側素子162bからなる。発光側素子162aは、その一端が抵抗166を介して2次側電源Vcc2に接続されており、その他端が誤差アンプ161の出力端子に接続されている。また、受光側素子162bは、その一端が抵抗167を介して1次側電源Vcc1に接続されており、その他端が接地電位(GND)に接続されている。受光側素子162bと抵抗167の接続点の電圧はフィードバック信号FBとして用いられる。
【0055】
ここで、誤差アンプ161の出力レベルは、実際の出力電圧Voutが目標電圧に比べて高ければ高いほど低下し、低ければ低いほど上昇することから、フィードバック信号FBについても、実際の出力電圧Voutが目標電圧に比べて高ければ高いほど低下し、低ければ低いほど上昇する。このようなフィードバック信号FBは上述のとおり制御回路150に供給され、制御回路150はこれに基づいてバックコンバータ回路120をデューティ制御し、出力電圧Voutを目標電圧に安定させる。
【0056】
過電圧検出回路170は、図1に示すように、内部配線130a,130b間に現れる内部電圧Vpを受け、これに基づいて検出信号Sを生成する回路であり、コンパレータ171、抵抗172,173及び定電圧源174によって構成される。コンパレータ171は、反転入力端子(−)、非反転入力端子(+)及び出力端子を備えており、非反転入力端子(+)には内部電圧Vpを抵抗172及び173によって分圧した電圧Vp’が供給され、反転入力端子(−)には定電圧源174による基準電圧Vref2が供給されている。コンパレータ171の出力端子に現れる電圧は検出信号Sとして用いられ、制御回路150に供給される。
【0057】
ここで、内部電圧Vpを抵抗172及び173によって分圧した電圧Vp’は、下記式(3)によって表すことができる。
【0058】
【数2】
Figure 0004233288
式(3)において、R172は抵抗172の抵抗値を示し、R173は抵抗173の抵抗値を示している。
【0059】
また、基準電圧Vref2のレベルは下記式(4)のように設定される。
【0060】
【数3】
Figure 0004233288
式(4)において、VFは出力電圧Voutが過電圧状態と判断される電圧レベルを示している。つまり、基準電圧Vref2のレベルは、出力電圧VoutがVFに一致している場合に、内部電圧Vpを抵抗172及び173によって分圧して得られる電圧Vp’に設定される。
【0061】
したがって、通常状態においては基準電圧Vref2の方が電圧Vp’よりも高く、このため、コンパレータ171の出力である検出信号Sはローレベルとなる。一方、過電圧状態になると、電圧Vp’の方が基準電圧Vref2よりも高くなるため、コンパレータ171の出力である検出信号Sはハイレベルとなる。したがって、制御回路150はかかる検出信号Sを参照することにより、現在の状態が通常状態であるか過電圧状態であるかを知ることができる。
【0062】
制御回路150は、検出信号Sがハイレベルとなった場合、スイッチ素子121をオフ状態に固定することによって、トランス110の1次側から2次側への電力の伝送をストップさせる。これにより、出力電圧Voutは急速に低下し、出力端子103,104間に接続される負荷が過電圧状態から保護される。スイッチ素子121をオフ状態に固定すれば、2次側への電力の伝送はストップすることから、他のスイッチ素子122,131,132については必ずしもオフ状態とする必要はないが、本実施態様にかかるスイッチング電源装置100においては、全てのスイッチ素子121,122,131,132をオフ状態に固定することが好ましい。
【0063】
図3は、過電圧状態の検出前後における過電圧検出回路170の動作を示す波形図である。図3には、時刻t10において何らかの故障が発生し、出力電圧Voutが異常な上昇を始めた場合の動作が示されている。
【0064】
まず、通常状態(時刻t10以前)においては、出力電圧Voutのレベルは過電圧状態と判断されるレベルVFよりも低いため、電圧Vp’は基準電圧Vref2よりも低く、このため検出信号Sはローレベルとなっている。したがって、当該期間においては制御回路150は通常の制御を行う。すなわち、定電圧フィードバック回路160より供給されるフィードバック信号FBに基づいてバックコンバータ回路120をデューティ制御するとともに、ハーフブリッジ回路130を固定デューティで動作させる。
【0065】
そして、時刻t10において何らかの故障が発生し出力電圧Voutが異常な上昇を始めると、その後時刻t11において出力電圧Voutが過電圧レベルVFを越え、検出信号Sがローレベルからハイレベルに変化する。これに応答して、制御回路150は直ちにスイッチ素子121をオフ状態に固定し、出力電圧Voutを低下させる。この場合、制御回路150の動作にはある程度の時間が必要であることから、実際に出力電圧Voutが低下を始めるのは、時刻t12になってからである。つまり、時刻t11から時刻t12までの期間は、制御回路150の動作遅延に相当する。
【0066】
図3には、比較のため、図8に示した従来のスイッチング電源装置における出力電圧Voutの変化の様子を破線で示してある。既に説明したように、図8に示す従来のスイッチング電源装置においては、出力電圧Voutが過電圧レベルVFを越えてから実際に出力電圧Voutが低下を始めるまでの時間は、過電圧検出回路に含まれるフォトカプラによる信号伝達の遅れと制御回路の動作遅延との和によって与えられ、しかも、この時間はフォトカプラによる信号伝達の遅れが支配的である。このため、出力電圧Voutが過電圧レベルVFを越えてから実際に出力電圧Voutが低下するまでの時間が長いという欠点を有している。
【0067】
これに対し、本実施態様にかかるスイッチング電源装置100においては、出力電圧Voutが過電圧レベルVFを越えてから実際に出力電圧Voutが低下を始めるまでの時間は、実質的に制御回路150の動作遅延のみであることから、出力端子103,104間に接続される負荷を過電圧状態から速やかに保護することができる。しかも、過電圧状態を検出するための補助巻線やフォトカプラも不要であり、過電圧状態を検出するために装置全体が必要以上に大型化することもない。
【0068】
このように、本実施態様においては、出力電圧Voutに比例した電圧である内部電圧Vpを監視することによって過電圧状態の検出を行っていることから、従来のスイッチング電源装置のように、出力電圧Voutが過電圧状態となってから実際に出力電圧Voutが低下するまでに長い時間がかかったり、過電圧状態を検出するための補助巻線やフォトカプラを設ける必要がない。これにより、本実施態様によれば、簡単な構成により過電圧状態を検出することが可能となるとともに、過電圧状態を速やかに検出することが可能となる。
【0069】
本発明は、以上説明した実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0070】
例えば、上記実施態様においては、トランス110の1次側回路として、バックコンバータ回路120とハーフブリッジ回路130の直列回路を用いているが、本発明によるスイッチング電源装置において適用可能な1次側回路としてはこれに限定されず、他のコンバータ回路を直列に用いても構わない。例えば、バックコンバータ回路120の代わりに、ブーストコンバータ回路、バックブーストコンバータ回路等を用いることができ、ハーフブリッジ回路130の代わりにフルブリッジ回路、プッシュプル回路、フォワードコンバータ回路、フライバックコンバータ回路等を用いることができる。また、上記各実施態様においては、バックコンバータ回路120にスイッチ素子122を用いているが、スイッチ素子122の代わりにダイオードを用いても構わない。
【0071】
また、上記実施態様においては、本発明をいわゆるDC/DCコンバータに適用した例について説明したが、本発明は、DC/DCコンバータ部分を含む他のスイッチング電源装置、例えばAC/DCコンバータに適用することも可能である。
【0072】
さらに、上記実施態様において用いた過電圧検出回路170は、内部電圧Vpを抵抗172及び173によって分圧して得られる電圧Vp’と基準電圧Vref2とをコンパレータ171によって比較することにより過電圧状態の検出を行っているが、これは過電圧検出回路の一例であり、内部電圧Vpに基づいて出力電圧Voutの過電圧状態が検出可能であれば、どのような回路を用いても構わない。
【0073】
また、上記実施態様においては、過電圧検出回路170を用いて出力電圧Voutの過電圧状態の検出を行っているが、検出対象としては過電圧状態に限られず、出力電圧Voutの他の異常電圧状態、例えば、出力電圧Voutが異常に低下するような状態(低電圧状態)を検出対象としても構わない。
【0074】
さらに、上記各実施態様においては、出力回路140に含まれる整流回路として、ダイオード整流型の整流回路を用いているが、FET等のスイッチ素子を用いた同期整流型の整流回路や自己ドライブ型の同期整流回路を用いても構わない。
【0075】
図4は、自己ドライブ型の同期整流回路を用いた例によるスイッチング電源装置300の回路図であり、図1に示す出力回路140が出力回路340に置き換えられた構成を有している。
【0076】
出力回路340は、図1に示す出力回路140に含まれるダイオード141,142が整流スイッチ341,342に置き換えられるとともに、抵抗343,344が付加された構成を有している。整流スイッチ341はトランス110の2次巻線112aの一端と低位側の出力端子104との間に接続されており、整流スイッチ342はトランス110の2次巻線112bと低位側の出力端子104との間に接続されている。また、整流スイッチ341のゲートは2次巻線112bの一端に接続され、整流スイッチ342のゲートは2次巻線112aの一端に接続されている。これにより、出力回路340に含まれる整流回路は、いわゆる自己ドライブ型の同期整流回路を構成している。さらに、整流スイッチ341,342のゲート−ソース間にはそれぞれ抵抗343,344が挿入されており、これによりゲート電極がフローティング状態となることが防止されている。
【0077】
このような自己ドライブ型の同期整流回路を用いれば、出力回路340において発生する損失が低減することから、変換効率を高めることが可能となる。
【0078】
また、上記実施態様においては、検出信号Sの変化により過電圧状態である旨の通知を受けた場合、制御回路150は、スイッチ素子121をオフ状態に固定することによってトランス110の1次側から2次側への電力の伝送をストップさせているが、出力電圧Voutを低下させることができる限り、スイッチ素子121を直ちにオフ状態に固定することは必須でなく、例えばスイッチ素子121のオンデューティD121を大幅に制限したり、スイッチ素子121のオンデューティD121を徐々に小さくすることによって出力電圧Voutを低下させても構わない。
【0079】
さらに、上記実施態様のように、出力回路140に含まれる整流回路がダイオード整流型の整流回路である場合においては、上述したように、過電圧状態に応答して全てのスイッチ素子121,122,131,132をオフ状態に固定することが好ましいが、図4に示したスイッチング電源装置300のように出力回路340に含まれる整流回路が自己ドライブ型の同期整流回路である場合においては、過電圧状態に応答してバックコンバータ回路120に含まれるスイッチ素子121,122をオフ状態に固定する一方で、ハーフブリッジ回路130に含まれるスイッチ素子131,132を所定期間交互にオン/オフさせることが好ましい。これは、図4に示したスイッチング電源装置300のように出力回路340に含まれる整流回路が自己ドライブ型の同期整流回路である場合、全てのスイッチ素子121,122,131,132をオフ状態に固定すると、整流スイッチ341及び整流スイッチ342が通常のスイッチング周期よりも長い周期で交互にオン/オフを繰り返す結果、出力電圧Voutが振動しながら低下したり、内部電圧Vpが異常に上昇したりするからである。この現象についてやや詳しく説明する。
【0080】
図5は、図4に示したスイッチング電源装置300において、全てのスイッチ素子121,122,131,132をオフ状態に固定した場合の動作を示す波形図であり、これに応答して整流スイッチ341がオン状態のままとなった場合が示されている。図5において、VGS(121),VGS(122),VGS(131),VGS(132),VGS(341),VGS(342)は、それぞれスイッチ素子121,122,131,132及び整流スイッチ341,342のゲート−ソース間電圧を示し、I143は出力チョーク143に流れる電流を示し、V111はトランス110の1次巻線111に発生する電圧を示し、I111はトランス110の1次巻線111に流れる電流を示している。
【0081】
スイッチ素子121,122,131,132が全てオフ状態となったことにより整流スイッチ341がオン状態のままとなると、整流スイッチ341のゲートに蓄えられた電荷の放電ルートは実質的に抵抗343のみとなり、整流スイッチ341のゲート−ソース間電圧VGS(341)は、抵抗343を流れる電流により緩やかに低下する。この間、出力コンデンサ144及び負荷の容量成分の放電により、出力チョーク143には逆方向電流が流れ続ける。
【0082】
その後、出力コンデンサ144及び負荷の容量成分からの放電による出力電圧Voutの低下及びトランス110の2次側電圧の低下と抵抗343を介したゲート電荷の放電によって、整流スイッチ341のゲート−ソース間電圧VGS(341)がしきい値電圧未満まで低下し、これがオフ状態に変化すると、トランス110にフライバック電圧が発生する。かかるフライバック電圧は、トランス110を介して内部電圧Vpを押し上げるとともに、整流スイッチ342のゲート−ソース間電圧VGS(342)を跳ね上げる。これにより、今度は整流スイッチ342がオン状態のままとなる。
【0083】
また、図5に示すように、整流スイッチ342を介して出力チョーク143に流れる電流I143は一旦順方向となるため、かかる期間において出力コンデンサ144及び負荷の容量成分が充電され、出力電圧Voutが上昇する。
【0084】
その後、整流スイッチ342のゲート−ソース間電圧VGS(342)は、出力チョーク143に流れる電流I143が逆方向となった時点から、出力コンデンサ144及び負荷の容量成分からの放電による出力電圧Voutの低下及びトランス110の2次側電圧の低下と抵抗344を流れる電流により緩やかに低下しはじめ、これがしきい値電圧未満まで低下し整流スイッチ342がオフ状態に変化すると、再びトランス110にフライバック電圧が発生し、トランス110を介して内部電圧Vpが押し上げられるとともに、整流スイッチ341のゲート−ソース間電圧VGS(341)を跳ね上げる。これにより、今度は整流スイッチ341がオン状態のままとなる。
【0085】
このような動作は、出力コンデンサ144及び負荷の容量成分が、スイッチング電源装置の2次側回路及び負荷の抵抗成分によって消費されるまで繰り返し行われ、これにより、出力電圧Voutは、通常のスイッチング周期よりも非常に長い周期で振動しながら低下し、また1次側の内部電圧Vpは段階的に上昇する。
【0086】
このように、図4に示したスイッチング電源装置300において、全てのスイッチ素子121,122,131,132をオフ状態に固定すると、図5に示すように出力電圧Voutは単調に低下せず、通常のスイッチング周期よりも非常に長い周期で振動しながら低下することから、負荷において誤動作を生じるおそれがある。例えば、出力電圧Voutが所定値以下まで低下すれば、スイッチング電源装置の動作が停止されたものと負荷において判断し所定の動作を行うような場合、出力電圧Voutが振動しながら低下すると、負荷においてスイッチング電源装置の動作が停止したのか否かの判断が困難となってしまうという問題が生じる。
【0087】
また、全てのスイッチ素子121,122,131,132をオフ状態に固定すると、1次側回路の内部電圧Vpが段階的に上昇することから、1次側回路において用いる素子が破壊されるおそれがある。これを防止するためには、耐圧の高い素子を用いる必要があり、スイッチング電源装置のコストを増大させる原因となってしまう。
【0088】
さらに、全てのスイッチ素子121,122,131,132をオフ状態に固定すると、出力チョーク143、トランス110の2次巻線112a,112b、整流スイッチ341,342に大きな電流が流れることから、出力チョーク143、トランス110の2次巻線112a,112b、整流スイッチ341,342において大きな発熱を生じ、スイッチング電源装置の信頼性の低下を招くおそれもある。
【0089】
上述した問題は、負荷が有する抵抗成分が大きいほど顕著となることから、例えば、軽負荷時において過電圧状態となり、スイッチング電源装置300の動作が停止された場合に特に問題となる。さらに、上述した問題は、負荷が有する容量成分が大きいほど問題となることから、容量成分が大きい負荷に電力を供給する場合に特に問題となる。
【0090】
このような問題は、過電圧状態に応答して全てのスイッチ素子121,122,131,132をオフ状態に固定するのではなく、バックコンバータ回路120に含まれるスイッチ素子121,122をオフ状態に固定する一方で、ハーフブリッジ回路130に含まれるスイッチ素子131,132のスイッチングを継続させることにより解決することができる。
【0091】
図6は、図4に示したスイッチング電源装置300において、バックコンバータ回路120に含まれるスイッチ素子121,122をオフ状態に固定する一方で、ハーフブリッジ回路130に含まれるスイッチ素子131,132のスイッチングを継続させた場合の動作を示す波形図である。
【0092】
図6に示すように、バックコンバータ回路120に含まれるスイッチ素子121,122をオフ状態に固定した後も、ハーフブリッジ回路130に含まれるスイッチ素子131,132のスイッチングを継続させると、整流スイッチ341,342も通常のスイッチング周期にて交互にオン/オフすることになり、図5に示したように一方の整流スイッチがオン状態のままとなる現象は生じない。これにより、出力コンデンサ144及び負荷の容量成分に蓄積されているエネルギーは、負荷の抵抗成分やスイッチ素子131,132、並びに、整流スイッチ341,342等により徐々に消費され、これにより出力電圧Voutは低下する。この場合、スイッチ素子131,132は通常のスイッチング周波数で動作を行っていることから、図5に示したケースのように出力電圧Voutが大きく振動しながら低下することはなく、実質的に単調に低下することになる。
【0093】
また、図5に示したケースのようにフライバック電圧が発生することはなく、このため1次側の内部電圧Vpが押し上げられることもない。さらに、出力チョーク143に異常な電流が流れることもない。
【0094】
以上説明したように、図4に示したスイッチング電源装置300のように出力回路340に含まれる整流回路が自己ドライブ型の同期整流回路である場合においては、過電圧状態に応答してバックコンバータ回路120に含まれるスイッチ素子121,122をオフ状態に固定する一方で、ハーフブリッジ回路130に含まれるスイッチ素子131,132のスイッチングを所定期間継続させれば、出力電圧Voutの振動や1次側の内部電圧Vpの異常上昇等を防止することができる。
【0095】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、1次側の内部電圧Vpに基づいて出力電圧Voutの異常電圧状態を検出していることから、簡単な構成により異常電圧状態を検出することが可能となるとともに、異常電圧状態を速やかに検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施態様にかかるスイッチング電源装置100の回路図である。
【図2】定電圧フィードバック回路160の具体的な回路構成の一例を示す回路図である。
【図3】過電圧状態の検出前後における過電圧検出回路170の動作を示す波形図である。
【図4】自己ドライブ型の同期整流回路を用いた例によるスイッチング電源装置300の回路図である。
【図5】図4に示したスイッチング電源装置300において、全てのスイッチ素子121,122,131,132をオフ状態に固定した場合の動作を示す波形図である。
【図6】図4に示したスイッチング電源装置300において、バックコンバータ回路120に含まれるスイッチ素子121,122をオフ状態に固定する一方で、ハーフブリッジ回路130に含まれるスイッチ素子131,132を所定期間交互にオン/オフさせた場合の動作を示す波形図である。
【図7】一般的なDC/DCコンバータの一例を示す回路図である。
【図8】一般的なDC/DCコンバータの他の例を示す回路図である。
【図9】過電圧検出回路50の具体的構成の一例を示す回路図である。
【図10】過電圧状態の検出前後における過電圧検出回路50の動作を示す波形図である。
【符号の説明】
100,300 スイッチング電源装置
101,102 入力端子
103,104 出力端子
110 トランス
111 1次巻線
112a,112b 2次巻線
120 バックコンバータ回路
121,122 スイッチ素子
123 平滑リアクトル
130 ハーフブリッジ回路
131,132 スイッチ素子
133,134 1次側コンデンサ
140,340 出力回路
141,142 ダイオード
143 出力チョーク
144 出力コンデンサ
150 制御回路
160 定電圧フィードバック回路
161 誤差アンプ
162 フォトカプラ
163〜167 抵抗
168 コンデンサ
169 定電圧源
170 過電圧検出回路
171 コンパレータ
172,173 抵抗
174 定電圧源
341,342 整流スイッチ
343,344 抵抗

Claims (7)

  1. 一対の入力端子と、一対の出力端子と、1次巻線及び2次巻線を有するトランスと、前記一対の入力端子と前記トランスの前記1次巻線との間に直列に設けられた第1のコンバータ回路及び第2のコンバータ回路と、前記一対の出力端子と前記トランスの前記2次巻線との間に設けられた出力回路と、前記第1のコンバータ回路及び前記第2のコンバータ回路の動作を制御する制御回路と、前記一対の出力端子の一方と前記制御回路との間に接続され前記一対の出力端子間に現れる出力電圧のレベルに関する情報を前記制御回路に供給する定電圧フィードバック回路と、前記第1のコンバータ回路と前記第2のコンバータ回路との間に設けられた一対の内部配線間に現れる前記出力電圧に比例する内部電圧を検出して前記出力電圧の異常電圧状態を検出し、これを前記制御回路に通知する検出回路とを備え、前記制御回路が、前記定電圧フィードバック回路から供給される前記出力電圧レベルに関する情報により、前記第1のコンバータ回路及び前記第2のコンバータ回路の動作を制御するとともに、前記検出回路より前記出力電圧が異常電圧状態である旨の通知を受けたことに応答して、電力の伝送を停止または制限するように構成されたことを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 前記検出回路、前記出力電圧が異常電圧状態となった場合の内部電圧またはこれに連動した電圧を生成する電圧源と、前記電圧源からの電圧と現在の内部電圧またはこれに連動した電圧とを比較する比較手段とを含んでいることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。
  3. 前記制御回路、前記検出回路より前記出力電圧が異常電圧状態である旨の通知を受けたことに応答して、前記第1のコンバータ回路及び前記第2のコンバータ回路の動作を停止させるように構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチング電源装置。
  4. 前記制御回路、前記検出回路より前記出力電圧が異常電圧状態である旨の通知を受けたことに応答して、前記第1のコンバータ回路の動作を停止させるとともに、前記第2のコンバータ回路の動作を所定期間継続させるように構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチング電源装置。
  5. 前記出力回路が自己ドライブ型の同期整流回路を含んでいることを特徴とする請求項4に記載のスイッチング電源装置。
  6. 前記電圧源が基準電圧源であり、前記制御回路、前記第1のコンバータ回路を可変デューティで動作させる一方、前記第2のコンバータ回路を固定デューティで動作させるように構成されたことを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1項に記載のスイッチング電源装置。
  7. 前記第1のコンバータ回路バックコンバータ回路、ブーストコンバータ回路およびバックブーストコンバータ回路よりなる群から選ばれる回路であり、前記第2のコンバータ回路ハーフブリッジ回路、フルブリッジ回路、プッシュプル回路、フォワードコンバータ回路およびフライバックコンバータ回路よりなる群から選ばれる回路であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のスイッチング電源装置。
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