JP2011189684A - 可逆性感熱記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた加筆性と消去跡が分かり難く、多数回にわたって安定な記録画像の形成が可能な可逆性感熱記録材料を提供すること。
【解決手段】支持体の片面に、熱エネルギーの制御により透明度又は色調が可逆的に変化する可逆性感熱記録層と保護層を設けた可逆性感熱記録材料において、該保護層の表面自由エネルギーが40mN/m以上80mN/m以下であることを特徴とする可逆性感熱記録材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた加筆性と、消去跡が分かり難く、多数回にわたって安定な記録画像の形成が可能な可逆性感熱記録材料に関する。
一時的な画像の形成が行え、不要となった時にはその画像の消去ができるようにした可逆性感熱記録材料が注目されている。可逆性感熱記録材料としては、通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱によりこの染料前駆体を発色させ、これを再加熱して消色させる可逆性を有する顕色剤を用いた感熱記録材料(例えば、特許文献1〜3参照)、ポリエステル等の樹脂中に高級アルコール、高級脂肪酸等の有機低分子物質を分散した感熱記録材料、屈折率の異なるポリマーを2種以上混合した感熱記録材料等が知られている。特に、染料前駆体と可逆性顕色剤とから構成される可逆性感熱記録材料は、高コントラストで高感度な記録画像の形成と消去が多数回にわたって可能であり、ICカードや磁気カード等の媒体において、カード内の情報を可視化する目的で広く使われるようになってきた。
繰り返し使用によっても記録材料に打こんが発生することなく、多数回にわたって安定な記録画像の形成が可能な可逆性感熱記録材料として、保護層にシリコーンオイルやワックス等の滑剤を用いることが知られている(例えば特許文献4)。しかしながら、可逆性感熱記録材料は近年、工程管理用として用途が広がりつつある中、可逆性感熱記録材料の表面への加筆性を持ちつつ、油、埃等の汚れに対する耐性が求められており、このような可逆性感熱記録材料は、印字と消去を繰り返し行った際の、汚れに対する耐性が著しく劣化するという問題があった。一方、フッ素系物質を含有する保護層を用いて防汚性を向上させたものが提案されているが、汚れに対する耐性は非常に高いものの、加筆性が悪く、また、印字した後に消去した部分の光沢度変化が大きいために、消去後の元画像部分が消去跡として目視で認識できるという問題があった(例えば、特許文献5)。
特開平06−171225号公報 特開平06−210954号公報 特開平07−68934号公報 特開平10−315625号公報 特開平06−312578号公報
本発明の課題は、優れた加筆性と、消去跡が分かり難く、多数回にわたって安定な記録画像の形成が可能な可逆性感熱記録材料を提供することである。
本発明の課題は以下の発明によって解決される。
(1)支持体の片面に、熱エネルギーの制御により透明度又は色調が可逆的に変化する可逆性感熱記録層と保護層を設けた可逆性感熱記録材料において、該保護層の表面自由エネルギーが40mN/m以上80mN/m以下であることを特徴とする可逆性感熱記録材料。
(2)上記保護層が、少なくとも、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化ゲルマニウム、酸化鉛、酸化カドミウム、酸化銅、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化マンガン、酸化ロジウム、酸化ニッケル、酸化レニウム、リン酸チタニア、チタン酸ストロンチウムからなる群より選ばれる1種を含有する上記(1)に記載の可逆性感熱記録材料。
(3)上記保護層がリン酸チタニアを含有する上記(1)に記載の可逆性感熱記録材料。
本発明によれば、優れた加筆性と、消去跡が分かり難く、多数回にわたって安定な記録画像の形成が可能な可逆性感熱記録材料が提供される。
以下に、本発明の可逆性感熱記録材料について詳細に説明する。
本発明に係わる可逆性感熱記録層は、熱エネルギーの制御により透明度又は色調が可逆的に変化する材料を用いる。例えば、画像の記録と消去が繰り返し可能な感熱記録材料として、通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体に、加熱により該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤を用いて、熱エネルギーを制御することにより画像形成及び消去が可能な可逆性の感熱記録材料、樹脂母材中に有機低分子を分散したもので、熱により透明状態と白濁状態を与える白濁可逆性の感熱記録材料、屈折率の異なるポリマーを2種以上混合した感熱記録材料等が挙げられる。また、これらの可逆性感熱記録層は、色調の異なる可逆性感熱記録層を複数層重ねても良い。これらの中で、通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体に加熱により該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤を含有した可逆性感熱記録層は、画像の視認性に優れ好ましい。
本発明に好ましく用いられる、加熱により染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤としては、公知のものを使用することができる。中でも下記一般式(1)で表されるものが好ましいが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2011189684
一般式(1)において、Xa及びXbはそれぞれ同じであっても、異なっていてもよい酸素原子、硫黄原子または両末端に炭化水素原子団を含まない−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基を表す。ここで−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基の具体例としては、アミド(−CONH−、−NHCO−)、尿素(−NHCONH−)、ウレタン(−NHCOO−、−OCONH−)、ジアシルアミン(−CONHCO−)、ジアシルヒドラジン(−CONHNHCO−)、シュウ酸ジアミド(−NHCOCONH−)、アシル尿素(−CONHCONH−、−NHCONHCO−)、セミカルバジド(−NHCONHNH−、−NHNHCONH−)、アシルセミカルバジド(−CONHNHCONH−、−NHCONHNHCO−)、ジアシルアミノメタン(−CONHCHNHCO−)、1−アシルアミノ−1−ウレイドメタン(−CONHCHNHCONH−、−NHCONHCHNHCO−)、マロンアミド(−NHCOCHCONH−)等の基が挙げられる。Rは単結合または炭素数1から12の二価の炭化水素基を表す。Rは炭素数1から18の二価の炭化水素基を表す。好ましくは炭素数1から4の二価の炭化水素基である。Rは炭素数1から24の一価の炭化水素基を表し、好ましくは炭素数6から24の炭化水素基であり、より好ましくは炭素数8から24の炭化水素基である。さらに、R、R及びRの炭素数の和が11以上35以下である場合が特に好ましい。R、R及びRは主として、各々アルキレン基及びアルキル基を表す。Rの場合は、芳香環を含んでいてもよい。mは0から4の整数を表し、mが2以上のとき繰り返されるR及びXbは同一であっても異なっていてもよい。
本発明に用いられる一般式(1)で示される可逆性顕色剤において、mが0で、Xaが両末端に炭化水素原子団を含まない−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基であるものが特に好ましい。
以下に一般式(1)で表される具体的化合物を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]カルバミン酸−n−オクタデシル、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキシル]カルバミン酸−n−テトラデシル、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]カルバミン酸−n−ドデシル、N−n−オクタデシルカルバミン酸−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]、N−n−デシルカルバミン酸−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカニル]、N−n−テトラデシルカルバミン酸−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N−n−オクタデカノイルアミン、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノイル]−N−n−オクタデカノイルアミン、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N−(p−n−オクチルベンゾイル)アミン、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセト]−N′−n−ドデカノヒドラジド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセト]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセト]−N′−n−ドコサノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−ドコサノヒドラジド、N−[3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−ドコサノヒドラジド、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノ]−N′−n−テトラデカノヒドラジド、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノ]−N′−(p−n−オクチルベンゾ)ヒドラジド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニルオキシ)ウンデカノ−N′−11−ドデセノヒドラジド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノ−N′−n−テトラデカノヒドラジド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノ−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノ−N′−(6−フェニル)ヘキサノヒドラジド、N−[11−(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)ウンデカノ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニルメチル)ベンゾ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−テトラデシルオキサミド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピル]−N′−n−オクタデシルオキサミド、N−[3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピル]−N′−n−オクタデシルオキサミド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカニル]−N′−n−デシルオキサミド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−N′−n−オクタデシルオキサミド、N−(p−ヒドロキシフェニル)−N′−n−ドデシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセチル]−N′−n−オクタデシル尿素、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N′−n−オクタデシル尿素、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−N′−n−オクタデシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−ドデカノイル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−オクタデカノイル尿素、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−N′−n−オクタデカノイル尿素、4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−テトラデシルセミカルバジド、4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−オクタデシルセミカルバジド、4−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−1−n−テトラデシルセミカルバジド、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−n−テトラデシルセミカルバジド、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−n−オクタデシルセミカルバジド、1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−4−n−テトラデシルセミカルバジド、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセチル]−4−n−テトラデシルセミカルバジド、1−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−4−n−オクタデシルセミカルバジド、1−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノイル]−4−n−デシルセミカルバジド、1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−4−n−オクタデシルセミカルバジド、4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−テトラデカノイルセミカルバジド、4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−オクタデカノイルセミカルバジド、4−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−1−n−オクタデカノイルセミカルバジド、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセトアミド]−1−n−ドデカノイルアミノメタン、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセトアミド]−1−n−オクタデカノイルアミノメタン、1−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド]−1−n−オクタデカノイルアミノメタン、1−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカンアミド]−1−n−デカノイルアミノメタン、1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンズアミド]−1−n−オクタデカノイルアミノメタン、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセトアミド]−1−(3−n−ドデシルウレイド)メタン、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセトアミド]−1−(3−n−オクタデシルウレイド)メタン、1−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド]−1−(3−n−オクタデシルウレイド)メタン、1−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカンアミド]−1−(3−n−デシルウレイド)メタン、1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンズアミド]−1−(3−n−オクタデシルウレイド)メタン、1−{3−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]ウレイド}−1−n−オクタデカノイルアミノメタン、1−{3−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]ウレイド}−1−n−オクタデカノイルアミノメタン、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−オクタデシルマロンアミド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−N′−n−オクタデシルマロンアミド、N−4−チアヘキサデカノイル−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノイルアミド、N−12−チアドコサノイル−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノイルアミド、N−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノ−N′−4−オキサヘキサデカノヒドラジド、N−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノ−N′−4−チアヘキサデカノヒドラジド、N−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノ−N′−12−オキサドコサノヒドラジド、N−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノ−N′−12−チアドコサノヒドラジド、N−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノ−N′−4−チアヘキサデカノオキサミド、N−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノ−N′−12−オキサドコサノオキサミド、N−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノ−N′−12−チアドコサノオキサミド、N−p−ヒドロキシフェニルエチル−N′−12−チアドコシルオキサミド、N−p−ヒドロキシベンジル−N′−12−チアドコシル尿素、N−p−ヒドロキシベンジル−N′−12−オキサドコシル尿素、1−(p−ヒドロキシフェニルエチル)−4−(12−チアドコシル)セミカルバジド、1−(p−ヒドロキシベンジル)−4−(12−チアドコシル)セミカルバジド等が挙げられる。
本発明に用いられる、一般式(1)で示される可逆性顕色剤はそれぞれ1種または2種以上を混合して使用してもよく、通常無色ないし淡色の染料前駆体に対する使用量は、5〜5000質量%、好ましくは10〜3000質量%である。
また、本発明には、消去性をコントロールする目的に消去促進剤を可逆性感熱記録層中に添加することができる。その消去促進剤としては、発色温度及び消去温度を調節するための熱可融性物質であり、60℃以上150℃以下の融点を有するものであれば良く、その中でも、実用的な発色温度及び消去温度が得られる点から、130℃以下の融点を有するものがより好適である。消去促進剤に130℃以下の低融点化合物を用いることにより、可逆性感熱記録層の組成物分子間での分子配列すなわち結晶化に比較的長時間を要するようになるため、消去時の分子モビリティが相対的に助長され低温消去化が可能となる。染料前駆体との相溶性が比較的良く、130℃以下の融点を有する化合物としては、具体的には、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、パルミチン酸アミド、11−(オクタデシルチオ)−ウンデカンアミド、N−(2−シアノエチル)−12−(オクタデカノカルバモイル)−ドデカンアミド、N−ドデシルオクタデカン酸アミド、N,N′−ジオクタデカノイルヒドラジン、N,N′−ジオクタデシルオキサミド、N,N′−ジオクタデシルウレア、N−オクタデシルウレア等の脂肪酸誘導体類が好適である。
本発明に用いられる、通常無色ないし淡色の染料前駆体としては、一般に感圧記録紙や感熱記録紙等に用いられるものがよく知られている。具体的な例としては、例えば下記に挙げるもの等があるが、本発明はこれに限定されるものではない。またこれら染料前駆体は、それぞれ1種または2種以上を混合して使用してもよい。
(1)トリアリールメタン系化合物
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−n−ヘキシルオキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジメチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等、
(2)ジフェニルメタン系化合物
4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等、
(3)キサンテン系化合物
ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェノキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−メチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル)トリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル)トリルアミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル)プロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル)イソアミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル)シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル)テトラヒドロフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等、
(4)チアジン系化合物
ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等、
(5)スピロ系化合物
3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン等が挙げられる。
本発明に係る可逆性感熱記録層を得るために使用されるバインダーとしては耐熱性を有するものであれば良く、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を適用することが可能であるが、耐熱性の点から熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂を適用する場合は架橋剤を含む液を塗工、成膜した後に熱により架橋させて用いる。熱硬化性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、尿素樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、及びポリオール樹脂等が挙げられる。またこれらの熱硬化性樹脂に使用される硬化剤は、有機酸類、アミン類、イソシアネート類、エポキシ類、フェノール類等が挙げられるが、熱硬化性樹脂の種類により好適な反応性のものを選定すれば良い。特にこれらの中で、特開平10−230680号公報や同11−58963号公報等に記載の、ポリオール樹脂をイソシアネート化合物で熱硬化して得られる架橋樹脂であることが好ましい。
本発明に係る可逆性感熱記録層におけるバインダーの使用量としては、該可逆性感熱記録層全質量に対する該バインダー成分の質量百分率が35%以上65%以下の範囲内であることが好ましい。この範囲より大きくなると著しく発色濃度が低下し、逆にこの範囲より小さくなると、可逆性感熱記録層の耐熱性や機械的強度が低下し、層の変形や発色濃度の低下が起きる。可逆性感熱記録層における該バインダー成分の質量百分率は、40%以上60%以下がより好ましく、45%以上55%以下がなお一層好ましい。
本発明に係る可逆性感熱記録層の固形分塗工量は該可逆性感熱記録層の組成と所望発色濃度により決定されるものであり、具体的には、0.5〜30g/mの範囲が好ましく、4〜18g/mがより好ましい。さらに、該記録層の形成に際しては、染料前駆体や可逆性顕色剤等の組成物を熱硬化性樹脂及び硬化剤とともに混合した分散液を支持体上に塗工するが、必要に応じて、熱硬化性樹脂及び硬化剤と非反応性の溶剤で希釈して使用することもできる。使用できる溶剤としては、バインダー樹脂を溶解し、且つ染料前駆体や可逆性顕色剤等の組成物を分散・溶解させるものが好ましい。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチルエーテル等のエステル系、ジエチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、グリコールジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン等の芳香族炭化水素系、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クレゾール等の塩素化炭化水素、N,N−ジメチルホルムアルデヒド、ペンタン、ヘキサン等のものが使用でき、これに限定されるものではないが活性水素を有しない有機溶媒を用いることが好ましい。
さらに、本発明に係る可逆性感熱記録層に好適に用いられるポリオール樹脂の具体的な一般例としては、ポリエステルポリオール樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂、アクリルポリオール樹脂、アルキドポリオール樹脂等が挙げられ、これらのポリオール樹脂は1種または2種以上混合して使用しても良い。さらに、本発明では、ポリオール樹脂として、少なくともポリエステルポリオール樹脂とアクリルポリオール樹脂の両方を混合して用いてもよい。
ポリエステルポリオール樹脂とは多塩基酸と多価アルコールとの縮合物のうち水酸基を有するものであって、これらに使用される多塩基酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族多塩基酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、ダイマ酸等の脂肪族多塩基酸があり、また、これらの多塩基酸から得られる酸無水物も同様に用いられる。多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジアセトングリコール、ヘキサントリオール等の低分子量のポリオールの他、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等の高分子量ポリオールも用いられる。これらから得られるポリエステルポリオールの他、ヒドロキシカルボン酸、もしくはその環状ラクトンの縮合物もしくは開環重合、例えばブチロラクトンポリオール、カプロラクトンポリオール等がある。
ポリエーテルポリオールとは主鎖がエーテル結合からなる高分子であって、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールの他、これらの分岐状エステル等がある。
アクリルポリオールとは、アクリル酸、メタアクリル酸及びそれらのエステルの共重合体であって、水酸基を含むものを言うが、水酸基を含む共重合成分としては、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、アリルアルコール等が用いられる。アクリル酸、メタアクリル酸及びそれらのエステル以外の共重合成分としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリルアミド、メタアクリルアミド及びその誘導体、酢酸ビニル、無水マレイン酸等を挙げることができる。
その他にも、水酸基含有のフルオロオレフィンのようなフッ素含有ポリオール、水酸基末端のポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレン、ポリウレタンポリオール等が利用できる。さらには、低分子量のポリオール、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、1,4−シクロヘキサジオール、1,4−ジヒドロキシベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の脂肪族、脂環族、芳香族多価アルコールもしくは多価フェノールまたはこれらの縮合物を反応性希釈剤として用いることができる。
ポリオールと混合使用されるイソシアネート化合物としては、これまで知られている各種のものを使用することができる。例えば、フェニレンジイソシアネート(PDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、4,4′−ジイソシアネートジフェニルメタン(MDI)等の芳香族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)等の芳香族脂肪族ジイソシアネート、水添TDI、水添XDI、水添MDI、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂肪族もしくは脂環族ジイソシアネート及びこれらの誘導体であるポリオール付加物、ビュレット型、イソシアヌレート型、アダクト型等の3官能以上のポリイソシアネートの他、イソシアネートを含む各種のオリゴマー、ポリマーが挙げられる。使用されるポリオールとイソシアネート化合物の混合比は任意でよいが、所期の効果をよく発現するためにはポリオールの水酸基とイソシアネート化合物のイソシアネート基の当量比OH/NCOが5.0〜0.1の間で使用するのが好ましい。
上記ポリオール樹脂とイソシアネート化合物の架橋反応は、反応温度10〜180℃が好ましく、50〜160℃がより好ましい。反応時間は、0.1〜100時間が好ましい。なお、反応温度が低い場合は、長時間を要し、高温では短時間で済むことは言うまでもない。
本発明に係る保護層の表面自由エネルギーは40mN/m以上80mN/m以下である。40mN/m未満であると、加筆と初期化と消去印字をセットで繰り返し行った実機繰り返し消去印字試験において十分な試験結果が得られず、また加筆性や印字跡の視認性等に劣る。一方、80mN/mを超えると印字と消去を繰り返し行った実機繰り返し消去印字試験、及び加筆と初期化と消去印字をセットで繰り返し行った実機繰り返し消去印字試験において十分満足できる試験結果が得られない。保護層の表面自由エネルギーは50mN/m以上70mN/m以下であることがより好ましい。上記の表面自由エネルギーを発現させるためには、表面の凹凸を設けることや、特定の化合物を含有させることにより達成することができる。表面の凹凸は印字感度に密接に関連することから制限を受ける。保護層のマトリックス材料としては、前述の熱硬化性樹脂の他、電子線硬化型樹脂または紫外線硬化性樹脂等の耐熱性を有するものが好ましい。これらの表面あるいは層内に、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化ゲルマニウム、酸化鉛、酸化カドミウム、酸化銅、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化マンガン、酸化ロジウム、酸化ニッケル、酸化レニウム、リン酸チタニア、チタン酸ストロンチウムからなる群より選ばれる1種を含有させるのがより好ましい。これらの群から選ばれる化合物は特に保護層の表面に用いることが好ましい。また本発明において保護層の表面に用いる場合は第二保護層と称するが、係る第二保護層は80質量%以上、より好ましくは90質量%以上が上記群から選ばれる化合物からなる第二保護層であることが好ましい。これらの化合物の含有量は、5mg/m〜3g/mが好ましく、10mg/m〜0.8g/mがより好ましい。所望の性能を発現させるためには、高温による焼付け操作を行うのが好ましいが、熱処理による可逆性感熱記録層の劣化を抑えるためには、焼付け操作を必要としないリン酸チタニアを用いることがより好ましい。酸化チタンは、ブルッカイト型及びアナターゼ型が好ましく、アナターゼ型がより好ましい。保護層の固形分塗工量は0.005〜10g/mが好ましい。これより薄いと記録画像の形成と消去を多数回にわたって繰り返すことができないことがあり、また厚いと記録感度が低下することがある。
電子線硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂に用いられるオリゴマー・モノマーとしては、種類も多く優れた放射線硬化特性を有するアクリル系オリゴマー・モノマーの他、ポリエン−チオール系オリゴマー・モノマー、光カチオン重合型エポキシオリゴマー・モノマー等が挙げられる。アクリル系モノマーは単官能性モノマー、二官能モノマー、多官能モノマー等が挙げられるが、特に紫外線架橋の際には光重合開始剤、光重合促進剤を用いることが好ましい。
アクリル系オリゴマー・モノマーの例としては、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ポリウレタンアクリレート、シリコーンアクリレート、メラミンアクリレート、ポリブタジエンアクリレート等が挙げられる。
さらに、保護層にはスティッキングやヘッド摩耗を防止、ないしは減少させるため、ケイソウ土、クレー、焼成クレー、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、澱粉粒、尿素−ホルマリン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、シリコーン粒子等の顔料や、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスターワックス等のワックス類を、単独もしくは2種以上含有させることができる。また、レベリング剤、分散剤、界面活性剤、蛍光染料等を1種以上含有させることもできる。
本発明に用いられる支持体としては、紙、各種不織布、織布、合成樹脂フィルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、金属箔等、あるいはこれらを組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用いることができ、透明、半透明あるいは不透明のいずれであっても良い。また、これらに限定されるものでもない。
本発明の可逆性感熱記録材料の層構成は、支持体上に可逆性感熱記録層、保護層をこの順に設ければ良いが、必要に応じて、可逆性感熱記録層と保護層の間に中間層やガスバリアー層を設けることや、支持体と可逆性感熱記録層の間に断熱層を設けることもできる。さらに、可逆性感熱記録層が設けられている面及び/または反対側の面に、電気的、磁気的、光学的に情報が記録可能な材料を含んでも良い。また、可逆性感熱記録層が設けられている面と反対側の面にカール防止、帯電防止を目的としてバックコート層を設けることもできる。これら層の形成材料としては前述の種々樹脂を使用することができる。
可逆性感熱記録層、中間層のいずれの層においても、ケイソウ土、クレー、焼成クレー、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、水酸化アルミニウム、澱粉粒、尿素−ホルマリン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、シリコーン粒子等の顔料や、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン等のワックス類を、単独もしくは2種以上含有させることができる。また、レベリング剤、分散剤、界面活性剤、蛍光染料等を1種以上含有させることもできる。
可逆性感熱記録層、中間層のいずれの層においても、紫外線吸収剤を含有させることができる。紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸フェニルエステル系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−オクトキシ)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート等のアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、または2種類以上を併用してもよい。
可逆性感熱記録層、中間層のいずれの層においても、酸化防止剤を添加することで耐光性を向上させることができる。この場合の酸化防止剤は、連鎖的酸化反応の開始を妨害する紫外線吸収剤や光安定化剤が好適である。また、酸化反応で生成する過酸化物を容易に分解して安定な化合物に転換させる過酸化物分解型酸化防止剤も効果を示す。
本発明に用いられる可逆性感熱記録材料の発色を行うには、加熱に引き続き急速な冷却が起これば良く、例えばサーマルヘッド、レーザー光等による加熱により可能である。また、加熱後ゆっくり冷却すれば消去し、例えば熱ロール、熱スタンプ、サーマルヘッド、高周波加熱、熱風、電熱ヒーターあるいはハロゲンランプ等の光源からの輻射熱等を用いることにより行える。加熱に使用するレーザーとしては半導体レーザーやYAGレーザーを挙げることができるが、これらに限定されない。これらのレーザー光による加熱を効率よく行うためには、可逆性感熱記録層中に近赤外部に吸収を有する光熱変換材料を含有させるか、あるいは、該光熱変換材料を含有する光熱変換層を可逆性感熱記録層に直接隣接して設けることが好ましい。近赤外部に吸収を有する光熱変換材料としては、例えば白金、チタン、シリコン、クロム、ニッケル、ゲルマニウム、アルミニウム等の金属または半金属の層、日本化薬製のIRG002(商品名)やIRG022(商品名)等のインモニウム化合物、金属錯体化合物、シアニン色素、スクワリリウム色素、ナフトキノン色素、フタロシアニン化合物等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。好ましい光熱変換材料としては、光熱変換効率、溶剤への溶解性、樹脂への分散性の点でフタロシアニン化合物及び金属錯体化合物が挙げられる。光熱変換材料は単独使用はもとより、2種類以上を混合して用いることができる。その添加量は1〜200mg/mが適当であり、5〜50mg/mが好ましい。この量より少ないと画像消去に必要なエネルギーを十分に低減できず、印字消去の繰り返し特性が劣化する。またこの量より多いと、光熱変換材料が若干なりとも有している可視部の吸収が大きくなりすぎて画像の視認性が低下する。
本発明の可逆性感熱記録材料を構成する各層を支持体上に形成する方法は特に制限されるものではなく、従来の方法により形成することができる。例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、カーテンコーター、ロールコーター等の塗工装置、平板、凸版、凹版、フレキソ、グラビア、スクリーン、ホットメルト等の方式による各種印刷機等を用いることができる。さらに通常の乾燥工程の他、必要に応じて紫外線照射または電子線照射により各層を保持させることができる。これらの方法により、1層ずつあるいは多層同時に塗工、印刷することができる。
以下実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部数や百分率は質量基準である。
実施例1
(A)可逆性感熱記録層形成用塗液の作製
染料前駆体である3−ジ−n−プロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン30部、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセト]−N′−n−オクタデカノヒドラジド100部をポリエステルポリオール(武田薬品工業製タケラックU−53、水酸基価(ソリッド)174、不揮発分100%)70部、メチルエチルケトン900部とともにボールミルで24時間分散し、分散液を得た。次いでイソシアネート化合物(日本ポリウレタン製コロネートL、NCO含有量13.2%、不揮発分75%)83部とメチルエチルケトン50部を加え、よく混合し、可逆性感熱記録層形成用塗液を作製した。
(B)中間層形成用塗液の作製
紫外線吸収剤(チバガイギー製チヌビン328)50部、ポリエステルポリオール(DIC製バーノック11−408、水酸基価(ソリッド)286、不揮発分70%)100部、メチルエチルケトン800部とともにボールミルで12時間分散し、次いでイソシアネート化合物(日本ポリウレタン製コロネートL、NCO含有量13.2%、不揮発分75%)140部、メチルエチルケトン50部を加え良く混合し、中間層形成用塗液を作製した。
(C)第一保護層形成用塗液の作製
ウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂(DIC製ユニディックV−4205)100部、平均粒径1.2μmのシリカ粒子(東ソー・シリカ製ニップシールSS−50F)10部、ステアリン酸亜鉛0.5部とともにボールミルにて1時間分散し、第一保護層形成用塗液を作製した。
(D)第二保護層形成用塗液の作製
チタンイソプロポキシド9.36gを過酸化水素水(濃度30%)50mlに入れ、加水分解を行った。10分後、450mlの過酸化水素水を追加の上、3時間静置して加水分解させ、黄色透明酸化チタンの第二保護層形成用塗液を作製した。
(E)可逆性感熱記録材料の作製
(A)で作製した可逆性感熱記録層形成用塗液を厚さ250μmの白色ポリエステルフィルム(東レ製ルミラー250−E22)に、固形分塗工量7g/mとなるように塗工し、100℃で1分間乾燥後、さらに50℃にて48時間加温し、可逆性感熱記録層を作製した。その上に(B)で作製した中間層形成用塗液を固形分塗工量1g/mとなるように塗工し、100℃で1分間乾燥後、さらに50℃にて48時間加温し、可逆性感熱記録層上に中間層を作製した。その上に、(C)で作製した保護層形成用塗液(C)を塗工し、照射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下を9m/分の搬送速度で通して硬化させて、固形分塗工量3.0g/mの第一保護層を作製した。その上に、(D)で作製した第二保護層形成用塗液を固形分塗工量10mg/mとなるように塗工し、120℃で1分間乾燥後、50℃にて48時間加温し、さらに120℃にて96時間熱処理し、可逆性感熱記録材料を作製した。
実施例2
実施例1で使用した第二保護層形成用塗液(D)を下記(F)で作製した第二保護層形成用塗液に変更し、120℃での熱処理を行わなかった以外は実施例1と同様に可逆性感熱記録材料を作製した。
(F)第二保護層形成用塗液
イソプロピルアルコール50mlと蒸留水50mlの混合液に、攪拌しながら四塩化チタン10mlを混合したのち、精製水で100倍に希釈し、これに85%のリン酸水溶液10mlを加えよく混合し、第二保護層形成用塗液を作製した。得られたリン酸チタニアは、Ti(OH)(PO(HPO(HPO(OCH(CHまたはこれが縮合した組成であると推定される。
実施例3
実施例2で使用した第二保護層形成用塗液(F)の塗工後の固形分塗工量10mg/mを20mg/mに変更した以外は実施例2と同様に可逆性感熱記録材料を作製した。
実施例4
実施例2で使用した第二保護層形成用塗液(F)の塗工後の固形分塗工量10mg/mを50mg/mに変更した以外は実施例2と同様に可逆性感熱記録材料を作製した。
実施例5
実施例2で使用した第二保護層形成用塗液(F)の塗工後の固形分塗工量10mg/mを100mg/mに変更した以外は実施例2と同様に可逆性感熱記録材料を作製した。
実施例6
実施例2で使用した第二保護層形成用塗液(F)の塗工後の固形分塗工量10mg/mを500mg/mに変更した以外は実施例2と同様に可逆性感熱記録材料を作製した。
比較例1
実施例1で使用した第二保護層形成用塗液(D)を使用しなかった以外は、実施例1と同様に可逆性感熱記録材料を作製した。
比較例2
実施例1で使用した第一保護層形成用塗液(C)にスリップ剤(BYK−Chemie製BKY−333)1部を追加し、第二保護層形成用塗液(D)を使用しなかった以外は、実施例1と同様に可逆性感熱記録材料を作製した。
比較例3
実施例1で使用した第一保護層形成用塗液(C)で使用したウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂(DIC製ユニディックV−4205)100部の代わりに、紫外線硬化型フッ素系樹脂(DIC製DEFENSA 239−1)100部を使用し、第二保護層形成用塗液(D)を使用しなかった以外は、実施例1と同様に可逆性感熱記録材料を作製した。
比較例4
実施例2で使用した第二保護層形成用塗液(F)の塗工後の固形分塗工量10mg/mを1g/mに変更した以外は実施例2と同様に可逆性感熱記録材料を作製した。
評価1(加筆性試験)
実施例1〜6及び比較例1〜4で作製した可逆性感熱記録材料に、油性マーカー(寺西化学工業製マジックインキ黒細書き用)にて、加筆を行い、目視にて確認して下記3段階評価にて加筆性を評価した。結果を表1に示す。
◎:全くはじくことなく、加筆できた。
○:若干はじく傾向は見られるものの、文字はしっかりと認識できた。
×:はじきが見られた。
評価2(実機繰り返し消去印字試験)
実施例1〜6及び比較例1〜4で得た可逆性感熱記録材料を、三和ニューテック製プリンター(Prepeat3102)の印字テストモード(印字スピード50mm/s、サーマルヘッド抵抗値1180Ω、消去ローラー設定温度180℃)で消去印字テストを行い、2分間隔で300回繰り返し、終了後の印字の状態とサーマルヘッドの表面状態を目視で観察し、下記の3段階評価にて評価した。結果を表1に示す。
◎:サーマルヘッド表面に付着物がほとんど見られず、画像部は良好な発色状態であった。
○:サーマルヘッド表面にやや付着物が見られたが、画像部は一部カスレが見られる程度であり、ほぼ問題なく印字ができた。
×:サーマルヘッド表面に焼付けが見られ、画像部のカスレが著しかった。
評価3(加筆性及び実機繰り返し消去印字試験)
評価1の加筆性試験の後に、初期化装置(エルシステム製ESC−A5K)にて初期化を行い、続いて評価2で行った消去印字試験を行い、加筆と初期化と消去印字をセットで1サイクルとして、300サイクル繰り返し、終了後の印字の状態とサーマルヘッドの表面状態を目視で観察し、下記の3段階評価にて評価した。結果を表1に示す。
◎:サーマルヘッド表面に付着物がほとんど見られず、画像部は良好な発色状態であった。
○:サーマルヘッド表面にやや付着物が見られたが、画像部は一部カスレが見られる程度であり、ほぼ問題なく印字ができた。
×:サーマルヘッド表面に焼付けが見られ、画像部のカスレが著しかった。
評価4(印字跡の視認性)
評価2で行った実機繰り返し消去印字試験の50回後のサンプルを抜き取り、一旦全面を消去した後、目視にて元画像部であった印字跡を確認し、下記3段階にて評価を行った。結果を表1に示す。
◎:消去後の印字跡は確認できなかった。
○:僅かに消去後の印字跡が確認できた。
×:消去後の印字跡がはっきりと確認できた。
評価5(表面自由エネルギーの測定)
実施例1〜6及び比較例1〜4で得た可逆性感熱記録材料を、全自動接触角計(協和界面化学製DM−701)の表面自由エネルギー測定モードにて、表面自由エネルギーを測定した。結果は表1に、単位はmN/mで示す。
Figure 2011189684
表1から、保護層の表面自由エネルギーを40mN/m以上80mN/m以下とすることによって、加筆性と消去跡が分かり難く、多数回にわたって安定な記録画像の形成が可能な可逆性感熱記録材料が得られることが判る。
優れた加筆性と多数回にわたって安定な記録画像の形成が可能な本発明の可逆性感熱記録材料を用いたICカードや磁気カードは情報を可視化する目的で使用される。

Claims (3)

  1. 支持体の片面に、熱エネルギーの制御により透明度又は色調が可逆的に変化する可逆性感熱記録層と保護層を設けた可逆性感熱記録材料において、該保護層の表面自由エネルギーが40mN/m以上80mN/m以下であることを特徴とする可逆性感熱記録材料。
  2. 前記保護層が、少なくとも、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化ゲルマニウム、酸化鉛、酸化カドミウム、酸化銅、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化マンガン、酸化ロジウム、酸化ニッケル、酸化レニウム、リン酸チタニア、チタン酸ストロンチウムからなる群より選ばれる1種を含有する請求項1に記載の可逆性感熱記録材料。
  3. 前記保護層がリン酸チタニアを含有する請求項1に記載の可逆性感熱記録材料。
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