JP2005178004A - 可逆性感熱記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】消去性、耐久性に優れ、発色・消色の繰り返しによる印字痕や印字傷の発生がほとんどなく、しかも地肌白色度および発色濃度の高い明瞭なコントラストを持った可逆性感熱記録材料を提供すること。
【解決手段】発色と消色を可逆的に行うことができる可逆性感熱記録材料において、特定の電子受容性化合物、特定の消去促進剤、及びポリオール化合物とイソシアネート化合物との架橋により形成されるバインダー成分を含有させる。また、前記ポリオールに酸価が10以下のアクリルポリオール、前記イソシアネートにキシリレンジイソシアネートを用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱エネルギーを制御することにより画像形成及び消去が可能な可逆性感熱記録材料に関するものである。
従来、電子供与性染料前駆体(以下、ロイコ染料ともいう)と電子受容性の可逆性顕色剤との間の発色反応を利用した感熱記録媒体は広く知られており、ファクシミリ、ワードプロセッサー、科学計測機等のプリンターに使用されている。しかし、これらの実用化されている従来の記録媒体は何れも不可逆的な発色であり、一度記録した画像を消去して繰り返して使用することはできない。
一方、発色と消色を可逆的に行うことができる記録材料(以下、可逆性感熱記録材料という)も提案されている。例えば、加熱条件等の違いによりロイコ染料に可逆的な色調変化を生じせしめる電子受容性化合物(以下、可逆性顕色剤ともいう)としてアスコルビン酸誘導体を用いるもの、ビス(ヒドロキシフェニル)酢酸または没食子酸と高級脂肪族アミンとの塩を用いるもの、長鎖脂肪族炭化水素基を持つ有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物またはフェノール化合物を用いるもの等が知られている。また、長鎖脂肪族炭化水素基を持つフェノール化合物について、構造を特定したのものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、発色と消色を可逆的に行うことができる記録媒体に特定の消色促進剤を添加することにより、高速消去特性が提案されているが、消去性が不充分であったり、画像保存性が悪い等の問題を有している。また、消色促進剤の添加によって、消色時に地肌かぶりが発生する等の問題を有している(例えば、特許文献2参照)。
このような可逆性感熱記録層を有する可逆性感熱記録材料においては、発色性、消色性及び繰り返し性等の特性は、発色成分以外のバインダー樹脂や顔料によっても影響され、樹脂や顔料の種類によっては実用上問題を生じることが認められた。すなわち、可逆性感熱記録材料は、実使用条件下では繰り返して印字・消去を行うと画像濃度の低下や印字痕(印字部分の変形)等の問題が生じ、可逆性顕色剤とロイコ染料の組成物が持つ発色・消色特性を十分に発揮できる可逆性感熱記録材料は得られていなかった。これは、サーマルヘッドによる印字が、高温への加熱と同時に記録材料への機械的な力を加えながら行われるため、記録層や保護層等の記録媒体を構成する層の構造が変化し、繰り返しにより可逆性感熱記録層が劣化していくというものである(例えば、特許文献3参照)。
この課題を解決するため、熱的及び機械的特性に優れた感熱記録材料が開発され、バインダー成分としてポリオール化合物とイソシアネート化合物との架橋により形成される樹脂が開示されている。この樹脂を用いた可逆性感熱記録材料は良好な発色性を示し繰り返しにも強いが、架橋させる成分によっては地肌の白色度が悪く、印字部のコントラストが低下するという欠点がある(例えば、特許文献4参照)。
特開平6−210954号公報 特開平6−270544号公報 特開平7−179043号公報 特開平11−58963号公報
本発明の課題は、消去性を向上し、発色・消色後の消え残りや繰り返しによる印字痕の発生、可逆性感熱記録層の熱的劣化を抑止させ、地肌白色度と発色濃度に優れるコントラストの高い可逆性感熱記録材料を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体、加熱後の冷却速度の違いにより該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる下記一般式(1)で表される電子受容性化合物、下記一般式(2)で表される消去促進剤、及びポリオール化合物とイソシアネート化合物との架橋により形成されるバインダー成分を含有する可逆性感熱記録層を支持体上に有する可逆性感熱記録材料によって上記課題を解決した。それに加え、前記ポリオール化合物として酸価が10以下のポリ(メタ)アクリルポリオールを、前記イソシアネート化合物としてキシレンジイソシアネート化合物を用いることにより、更に地肌白色度、発色濃度が向上し、コントラストの高い可逆性感熱記録材料を作製することができた。
Figure 2005178004
一般式(1)中、Rは単なるビニレン及び1,4−フェニレンを含まない炭素数1から18の二価の炭化水素基を表す。XはCONH結合を一つ以上持ち、両末端がNH、CO、COOの何れかで構成される二価の基を表す。Rは炭素数1から24の炭化水素基を表す。mは1〜3の整数を表す。
Figure 2005178004
一般式(2)中、Rは炭素数6から30の炭化水素基を表す。Xは酸素原子、硫黄原子、NHまたはCOを含み、末端に炭化水素基を含まない二価の基を表す。Rは炭素数1から22の炭化水素基を表す。n1、n2は0または1を表し、n1≧n2である。
本発明により、発色性・消去性・地肌白色度に優れ、発色・消色の繰り返しによる印字痕やバインダーの劣化による印字傷の発生を抑えた、コントラストの高い可逆性感熱記録材料を提供することができる。
以下に、本発明の可逆性感熱記録材料の構成について詳しく説明する。
本発明の可逆性感熱記録材料は、通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体(ロイコ染料)、加熱後の冷却速度の違いにより該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる上記一般式(1)で表される電子受容性化合物(可逆性顕色剤)、上記一般式(2)で表される消去促進剤、ポリオール化合物とイソシアネート化合物との架橋により形成されるバインダー成分を含有する可逆性感熱記録層を支持体上に有する。
本発明に係る第1の成分であるロイコ染料としては、一般に感圧記録材料や感熱記録材料等に用いられるものに代表され、具体例としては下記に挙げるもの等がある。
(1)トリアリールメタン系化合物
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等、
(2)ジフェニルメタン系化合物
4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等、
(3)キサンテン系化合物
ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル)トリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル)トリルアミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル)プロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル)イソアミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル)シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル)テトラヒドロフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等、
(4)チアジン系化合物
ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等、
(5)スピロ系化合物
3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン等。
本発明に係る可逆性感熱記録層には、ロイコ染料として1種または2種以上を使用してもよい。
本発明に係る第2の成分である可逆性顕色剤としては、少なくとも下記一般式(1)で表されるものを用いる。
Figure 2005178004
一般式(1)中、Rは単なるビニレン及び1,4−フェニレンを含まない炭素数1から18の二価の炭化水素基を表す。XはCONH結合を一つ以上持ち、両末端がNH、CO、COOの何れかで構成される二価の基を表す。Rは炭素数1から24の炭化水素基を表す。mは1〜3の整数を表す。
一般式(1)中、Rは単なるビニレン及び1,4−フェニレンを含まない炭素数1から18の二価の炭化水素基を表すが、好ましくは炭素数1から12の二価の炭化水素基である。Rは炭素数1から24の炭化水素基である。更に、RとRの炭素数の和が11以上35以下である場合が特に好ましい。Rは具体的にはアルキレン基を表すが、芳香環を含んでいてもよく、1,4−フェニレン以外の芳香環のみでもよい。また、Rは具体的にはアルキル基を表す。
一方、XはCONH結合を一つ以上持ち、両末端がNH、CO、COOの何れかで構成される二価の基を表すが、具体例としては、−CONH−、−NHCO−、−NHCOO−、−OCONH−、−CONHCO−、−NHCONH−、−CONHNHCO−、−NHCOCONH−、−CONHCONH−、−NHCONHCO−、−NHCONHNH−、−NHNHCONH−、−CONHNHCONH−、−NHCONHNHCO−等のほか、例えば−CONHCHNHCO−、−CONHCHNHCONH−、− NHCONHCHNHCO−、−NHCOCHCONH−等のように、二価の炭化水素基をNH、CO、COOの何れかで挟んだ二価の基も挙げられる。NH、CO、COOの何れかで挟まれた二価の炭化水素基における炭素数は1から12が好ましく、1から6がより好ましい。この炭化水素基には置換基を有してもよい。Xとしては、−CONH−、−NHCO−、−NHCONH−、−CONHNHCO−、−NHCOCONH−が好ましい。
一般式(1)で表される具体的化合物を下記に挙げる。
N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N−n−オクタデカノイルアミン、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノイル]−N−n−オクタデカノイルアミン、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセト]−N′−n−ドデカノヒドラジド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセト]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセト]−N′−n−ドコサノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−ドコサノヒドラジド、N−[3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−ドコサノヒドラジド、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノ]−N′−n−テトラデカノヒドラジド、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、
N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノ−N′−n−デカノヒドラジド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノ−N′−n−テトラデカノヒドラジド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノ−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[11−(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)ウンデカノ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニルメチル)ベンゾ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−テトラデシルオキサミド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピル]−N′−n−オクタデシルオキサミド、N−[3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピル]−N′−n−オクタデシルオキサミド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカニル]−N′−n−デシルオキサミド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−N′−n−オクタデシルオキサミド、
N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセチル]−N′−n−ドデシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセチル]−N′−n−オクタデシル尿素、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N′−n−オクタデシル尿素、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−N′−n−オクタデシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−ドデカノイル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−オクタデカノイル尿素、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−N′−n−オクタデカノイル尿素、4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−テトラデシルセミカルバジド、4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−オクタデシルセミカルバジド、4−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−1−n−テトラデシルセミカルバジド、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−n−テトラデシルセミカルバジド、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−n−オクタデシルセミカルバジド、
1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−4−n−テトラデシルセミカルバジド、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセチル]−4−n−テトラデシルセミカルバジド、1−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−4−n−オクタデシルセミカルバジド、1−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノイル]−4−n−デシルセミカルバジド、1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−4−n−オクタデシルセミカルバジド、4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−テトラデカノイルセミカルバジド、4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−オクタデカノイルセミカルバジド、4−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−1−n−オクタデカノイルセミカルバジド、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセトアミド]−1−n−ドデカノイルアミノメタン、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセトアミド]−1−n−オクタデカノイルアミノメタン、1−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド]−1−n−オクタデカノイルアミノメタン、
1−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカンアミド]−1−n−デカノイルアミノメタン、1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンズアミド]−1−n−オクタデカノイルアミノメタン、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセトアミド]−1−(3−n−ドデシルウレイド)メタン、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセトアミド]−1−(3−n−オクタデシルウレイド)メタン、1−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド]−1−(3−n−オクタデシルウレイド)メタン、1−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカンアミド]−1−(3−n−デシルウレイド)メタン、1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンズアミド]−1−(3−n−オクタデシルウレイド)メタン、
1−{3−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]ウレイド}−1−n−オクタデカノイルアミノメタン、1−{3−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]ウレイド}−1−n−オクタデカノイルアミノメタン、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−N′−n−オクタデシルマロンアミド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−オクタデシルマロンアミド、p−n−オクタデカノイルアミノメチルフェノール、p−n−オクタデカノイルアミノエチルフェノール、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)メチル]−N′−n−ドデシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−ドデシル尿素、p−n−オクタデシルオキシカルボニルアミノメチルフェノール、等が挙げられる。
本発明に係る上記一般式(1)で表される可逆性顕色剤は単1種または他の1種以上の上記一般式(1)で表される可逆性顕色剤と併用してもよく、更に上記一般式(1)で表される可逆性顕色剤とこれ以外の1種以上の可逆性顕色剤を併用してもよい。上記一般式(1)で表される可逆性顕色剤以外の可逆性顕色剤としては、特開平6−210954号公報に挙げられたもの等が使用できる。本発明に係る可逆性顕色剤の使用量は、ロイコ染料100重量部に対して50〜10000重量部、好ましくは100〜5000重量部、より好ましくは100〜1000重量部である。ロイコ染料に対して可逆性顕色剤が少なすぎると発色・消色ともに悪化するが、特に消色しにくくなり、逆に可逆性顕色剤が多すぎると希釈効果により発色濃度が低下する。
本発明に係る第3の成分である消色促進剤としては、少なくとも下記一般式(2)で表されるものを用いる。
Figure 2005178004
一般式(2)中、Rは炭素数6から30の炭化水素基を表す。Xは酸素原子、硫黄原子、NHまたはCOを含み、末端に炭化水素基を含まない二価の基を表す。Rは炭素数1から22の炭化水素基を表す。n1、n2は0または1を表し、n1≧n2である。すなわち、n1が0のときn2は0で、n1が1のときn2は0または1である。
一般式(2)中、Rは炭素数6から30の炭化水素基を表すが、好ましい炭素数は10から28であり、更に好ましい炭素数は12から24である。また、Rは炭素数1から22の炭化水素基を表すが、好ましい炭素数は1から18であり、更に好ましい炭素数は1から12である。更に、RとRの炭素数の和が11以上35以下である場合が特に好ましい。R、Rは具体的にはそれぞれアルキル基、アルキレン基を表すが、芳香環を含んでいてもよい。
一方、Xは酸素原子、硫黄原子、NHまたはCOを含み、末端に炭化水素基を含まない二価の基を表すが、その具体例としては、−O−、−S−、−NH−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−NHCOO−、−OCONH−、−NHSO−、−SONH−、−CONHCO−、−NHCONH−、−NHCSNH−、−CONHNHCO−、−NHCOCONH−、−CONHCONH−、−NHCONHCO−、−OCONHCONH−、−NHCONHCOO−、−OCONHNHCO−、−CONHNHCOO−、−NHCONHNH−、−NHNHCONH−、−CONHNHCONH−、−NHCONHNHCO−等のほか、例えば−NHCOCHO−、−NHCOCHS−、−OCHNHCONH−、−SCHNHCONH−、−CONHCHNHCO−、−CONHCHNHCONH−、− NHCONHCHNHCO−、−NHCOCHCONH−、−CONH(CH)NHCO−、−CONH(CH)O−、−CONH(CH)S−、−CONH(CH)COO−、−NHCO(CH)CONH−、−CONH(CH)NHCO−等のように、二価の炭化水素基を−O−、−S−、−NH−または−CO−と炭化水素以外の原子団とで挟んだ二価の基も挙げられる。ここでいう炭化水素以外の原子団とは、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等及びそれらと結合した炭素原子をいい、具体的には−S−S−、−NR−(Rは水素原子またはアルキル基)、−SO−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−等が挙げられる。NHかCOと炭化水素以外の原子団とで挟まれた二価の炭化水素基における炭素数は炭素数1から12が好ましく、更には炭素数1から6がよい。この炭化水素基には置換基を有してもよい。Xとしては、−O−、−S−、−NH−、−NHCO−、−CONH−、−NHCONH−、−CONHNHCO−、−NHCOCONH−が好ましい。
以下に一般式(2)で表される消色促進剤を下記に例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、m1、m2、m3はそれぞれ任意に5≦m1≦29、1≦m2≦12、1≦m3≦22を充たす整数を表す。
CH(CH)m1CONH、CH(CH)m1NHCONH、CH(CH)m1NHCOCONH、CH(CH)m1OCONHCONH、CH(CH)m1NHNHCONH、CH(CH)m1CONHNHCONH、CH(CH)m1NH(CH)m3CONH、CH(CH)m1CO(CH)m3CONH、CH(CH)m1OCO(CH)m3CONH、CH(CH)m1CONH(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCO(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCOO(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCONH(CH)m3CONH、CH(CH)m1CONHNHCO(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCOCONH(CH)m3CONH
CH(CH)m1NH(CH)m2NHCO(CH)m3CONH、CH(CH)m1NH(CH)m2NHCONH(CH)m3CONH、CH(CH)m1NH(CH)m2CONH(CH)m3CONH、CH(CH)m1NH(CH)m2COO(CH)m3CONH、CH(CH)m1NH(CH)m2CH=N(CH)m3CONH、CH(CH)m1NH(CH)m2N=N(CH)m3CONH、CH(CH)m1CO(CH)m2NHCO(CH)m3CONH、CH(CH)m1CO(CH)m2NHCONH(CH)m3CONH、CH(CH)m1CO(CH)m2CONH(CH)m3CONH、CH(CH)m1CO(CH)m2COO(CH)m3CONH、CH(CH)m1CO(CH)m2CH=N(CH)m3CONH、CH(CH)m1CO(CH)m2N=N(CH)m3CONH、CH(CH)m1CONH(CH)m2NHCO(CH)m3CONH、CH(CH)m1CONH(CH)m2NHCONH(CH)m3CONH、CH(CH)m1CONH(CH)m2CONH(CH)m3CONH、CH(CH)m1CONH(CH)m2COO(CH)m3CONH、CH(CH)m1CONH(CH)m2CH=N(CH)m3CONH、CH(CH)m1CONH(CH)m2N=N(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCO(CH)m2NHCO(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCO(CH)m2NHCONH(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCO(CH)m2CONH(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCO(CH)m2COO(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCO(CH)m2CH=N(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCO(CH)m2N=N(CH)m3CONH
CH(CH)m1NHCOO(CH)m2NHCO(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCOO(CH)m2NHCONH(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCOO(CH)m2CONH(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCOO(CH)m2COO(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCOO(CH)m2CH=N(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCOO(CH)m2N=N(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCONH(CH)m2NHCO(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCONH(CH)m2NHCONH(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCONH(CH)m2CONH(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCONH(CH)m2COO(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCONH(CH)m2CH=N(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCONH(CH)m2N=N(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCOCONH(CH)m2NHCO(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCOCONH(CH)m2NHCONH(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCOCONH(CH)m2CONH(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCOCONH(CH)m2COO(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCOCONH(CH)m2CH=N(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCOCONH(CH)m2N=N(CH)m3CONH、等。
に酸素原子や硫黄原子を含む場合には、CH(CH)m1O(CH)m3CONH、CH(CH)m1S(CH)m3CONH、CH(CH)m1SONH(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHSO(CH)m3CONH、CH(CH)m1CONHSO(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCSNH(CH)m3CONH
CH(CH)m1O(CH)m2NHCO(CH)m3CONH、CH(CH)m1S(CH)m2NHCO(CH)m3CONH、CH(CH)m1SONH(CH)m2NHCO(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHSO(CH)m2NHCO(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCO(CH)m2O(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCO(CH)m2S(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCO(CH)m2SS(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCO(CH)m2SO(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCO(CH)m2NHCSNH(CH)m3CONH、CH(CH)m1O(CH)m2NHCONH(CH)m3CONH、CH(CH)m1S(CH)m2NHCONH(CH)m3CONH、CH(CH)m1SONH(CH)m2NHCONH(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHSO(CH)m2NHCONH(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCONH(CH)m2O(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCONH(CH)m2S(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCONH(CH)m2SS(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCONH(CH)m2SO(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHCONH(CH)m2NHCSNH(CH)m3CONH、CH(CH)m1O(CH)m2CH=N(CH)m3CONH、CH(CH)m1S(CH)m2CH=N(CH)m3CONH、CH(CH)m1SONH(CH)m2CH=N(CH)m3CONH、CH(CH)m1NHSO(CH)m2CH=N(CH)m3CONH、等。
以上の消色促進剤のうち、本発明においては、Rが炭素数10から28、更には12から24の炭化水素基、Xがある場合(n1=1)には−O−、−S−、−NH−、−NHCO−、−CONH−、−NHCONH−、−CONHNHCO−、−NHCOCONH−のいずれか、Rが炭素数0から12の炭化水素基(炭素数0とは、n2=0)なる消色促進剤が好ましく、更にはR、X、Rがこれらの条件を満足することに加え、消去促進剤の分子鎖を構成する原子の数と可逆性顕色剤のフェノール部分を除くR+X+Rの鎖を構成する原子の数の差が±4となる場合である。
本発明に係る上記一般式(2)で表される消色促進剤は単1種または他の1種以上の上記一般式(2)で表される消去促進剤と併用してもよく、更に上記一般式(2)で表される消色促進剤とこれ以外の1種以上の消色促進剤を併用してもよい。上記一般式(2)で表される消色促進剤以外の消色促進剤としては、特開平5−294063号公報に挙げられたもの等が使用できる。本発明に係る消色促進剤の使用量は、ロイコ染料100重量部に対して0.05〜1000重量部、好ましくは0.05〜500重量部、より好ましくは0.1〜200重量部である。ロイコ染料に対して消色促進剤が少なすぎると当然に消色性(消色促進性)が悪化し、逆に消色促進剤が多すぎると希釈効果により発色濃度が低下する。
本発明に係る第4の成分であるポリオール化合物とイソシアネート化合物との架橋により形成されるバインダー成分において、ポリオール化合物としては、ポリ(メタ)アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、アルキドポリオール、カプロラクトンポリオール、シリコーンポリオール等が挙げられる。
ポリ(メタ)アクリルポリオール及びポリエステルポリオール等は、下記に示す多価アルコールとこの多価アルコールの化学量論より少ない量のカルボン酸またはそのエステル、無水物、ハロゲン化物等のエステル交換反応により得られるものが挙げれる。すなわち、ポリ(メタ)アクリルポリオールとは、アクリル酸、メタアクリル酸及びそれらのエステルの共重合体であって、水酸基を含むものをいい、水酸基を含む共重合成分としては、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、アリルアルコール等が用いられる。アクリル酸、メタアクリル酸及びそれらのエステル以外の共重合成分としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリルアミド、メタアクリルアミド及びその誘導体、酢酸ビニル、無水マレイン酸等が挙げられる。
また、ポリエステルポリオールとは、多塩基酸と多価アルコールとの縮合物のうち水酸基を有するものをいい、これらに使用される多塩基酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリツト酸、トリメシン酸、ピロメリツト酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族多塩基酸、しゅう酸、マロン酸、こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2−メチルこはく酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−メチルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、ダイマ酸等の脂肪族多塩基酸があり、これらの多塩基酸から得られる酸無水物も同様に用いられる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジアセトングリコール、ヘキサントリオール等の低分子量ポリオールの他、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等の高分子量ポリオールも用いられる。これらから得られるポリエステルポリオールの他、ヒドロキシカルボン酸、もしくはその環状ラクトンの縮合物もしくは開環重合、例えばポリブチロラクトンジオール、ポリカプロラクトンジオールや、前記多塩基酸と多価アルコールに加え高級脂肪酸の3種を縮合して得られるアルキドポリオール等がある。ポリエーテルポリオールとは、主鎖がエーテル結合からなる高分子であって、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリチレングリコールの他これらの分岐状エステル等がある。
ポリエーテルポリオールとしては、上記多価アルコールのエチレンオキサイド及び/またはプロピレンオキサイド付加物、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。シリコーンポリオールとしては、分子中にシロキサン結合を有し、かつ末端が水酸基を有するシリコーンオイル類等が挙げられる。
その他にも、水酸基含有のフルオロオレフィンのようなフッ素含有ポリオール、ポリオール水酸基末端のポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレン、ポリウレタン等が利用できる。更には、低分子量のポリオール、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、1,4−シクロヘキサジオール、1,4−ジヒドロキシベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の脂肪族、脂環族、芳香族多価アルコールもしくは多価フェノールまたはこれらの縮合物を反応性希釈剤として用いられる。
本発明に係るポリオール化合物としては、上記三成分を始めとする添加物分散性、塗工性、接着性、耐熱性及び皮膜強度等の総合評価から、ポリ(メタ)アクリルポリオール及びポリエステルポリオールが好ましく、更には、ロイコ染料との相溶性が小さく地肌白色度が良好であることからポリ(メタ)アクリルポリオールが好適である。本発明に係るポリオール化合物は単1種、またはポリオール部分やそれ以外の部分の構造の異なる、もしくは分子量等の異なる他の1種以上のポリオール化合物と併用してもよい。
更に、本発明のようなロイコ染料と可逆性顕色剤との間の反応を利用した可逆性感熱記録材料は、可逆性感熱記録層中のロイコ染料とポリオール化合物とイソシアネート化合物との架橋により形成されるバインダー成分を始めとするバインダー成分の相互作用により発色し、地肌白色度を低下するおそれがあるので、バインダー成分の酸価は低いことが望ましい。具体的には、バインダー成分の酸価は10以下が好ましく、8以下が更に好ましい。尚、酸価はJISに記載されているが、樹脂1g中の遊離酸を中和するのに要する、水酸化カリウムのmg数であり、下記の式で表される。
酸価=樹脂(g)/KOH(mg)/有効濃度
また、ポリオール化合物の樹脂OH価は20〜600mgKOH/gが好ましい。ポリオール化合物の樹脂OH価は、ポリオール化合物とイソシアネート化合物との架橋により形成されるバインダー成分を含有する可逆性感熱記録層の耐熱・耐久性の向上に大きく寄与し、バインダー樹脂本来の接着効果、分散性、発色及び消色特性を損なうことなく、高温時に非常に高い弾性、優れた耐熱特性を付与すると思われる。これらの特徴により、可逆性感熱記録層内で可逆性顕色剤が凝集するような難点が防止され、品質が良くなるものと推定される。可逆性顕色剤は、周囲のバインダー成分が熱印加時の温度及び圧力で変形する影響を受けて凝集しやすく、これが発色性の低下につながるが、比較的樹脂OH価の高いポリオール化合物とイソシアネート化合物との架橋により形成されるバインダー成分により、非常に高い架橋密度を有したバインダー成分として機能し、耐熱特性の向上に寄与するものと推測される。これにより、可逆性顕色剤はそのバインダー成分の影響を受けず、長期間使用しても初期の状態が維持される。
本発明に係るイソシアネート化合物としては、公知のものが使用できる。例えば、フェニレンジイソシアネート(PDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、4,4’‐ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)等の芳香族脂肪族ジイソシアネート、水添TDI、水添XDI、水添MDI、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂肪族もしくは脂環族ジイソシアネート及びこれらの誘導体であるポリオール付加物、ビュレット体3量体である3官能以上のポリイソシアネートの他、イソシアネートを含む各種のオリゴマー、ポリマーが挙げられる。本発明においては、イソシアネート化合物としてキシリレンジイソシアネートやトルエンイソシアネートを用いると発色濃度の向上により好ましく、更には、地肌かぶりの起こりにくいキシリレンジイソシアネートを使用するとより好ましい。
本発明に係るイソシアネート化合物は、本発明に係る1種以上のポリオール化合物に対して、単1種または他の1種以上のイソシアネートと併用してもよい。イソシアネート化合物及びポリオール化合物をともに複数種用いる場合は、その組合せは任意でよい。
本発明に係るポリオール化合物とイソシアネート化合物の使用比は、ポリオール化合物100重量部に対してイソシアネート化合物1〜10000重量部が好ましく、より好ましくは10〜5000重量部であり、好適には10〜1000重量部である。また、本発明に係るポリオール化合物とイソシアネート化合物との架橋により形成されるバインダー成分の使用量は、ロイコ染料と可逆性顕色剤と消去促進剤の合計100重量部に対して1〜10000重量部が好ましく、更に好ましくは10〜1000重量部である。
ポリオール化合物とイソシアネート化合物の混合物は、それぞれが液状の場合はそのままの混合物で用いてもよいが、更にイソシアネートと非反応性の溶剤で希釈して使用することもできる。使用できる溶剤としては、バインダー樹脂を溶解し、かつロイコ染料や可逆性顕色剤を分散・溶解させるものが好ましい。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン等のケトン系、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチルエーテル等のエステル系、ジエチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、グリコールジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン、スチレン等の芳香族炭化水素系、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素、N,N−ジメチルホルムアルデヒド、ペンタン、ヘキサン等のものが使用でき、イソシアネート化合物と反応性のある活性水素を有しない有機溶媒を用いることが好ましい。また、上記ポリオール化合物とイソシアネート化合物の架橋反応は、反応温度50〜160℃、反応時間0.1〜100時間で行えばよい。尚、反応温度が低い場合は長時間を要し、高温では短時間で済むことは言うまでもない。
また、可逆性感熱記録層用塗料の分散液あるいは溶液の経時安定性を向上する等の目的で上述のバインダー以外に以下のバインダーを可逆性感熱記録層中に添加することも可能である。バインダーの具体例としては、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性高分子、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、エチレン/塩化ビニリデン共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のラテックス類、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂等およびこれらの水酸基、カルボキシル基がイソシアネート類、アミン類、フェノール類、エポキシ類等の架橋剤と反応し、硬化する熱硬化性樹脂、電子線硬化樹脂、紫外線硬化樹脂等が挙げられる。
また、可逆性感熱記録層の発色感度及び消色温度を調節するための添加剤として、熱可融性物質を可逆性感熱記録層中に含有させることができる。60〜200℃の融点を有するものが好ましく、特に80〜180℃の融点を有するものが好ましい。一般の感熱記録紙に用いられている増感剤を使用することもできる。例えば、2−ベンジルオキシナフタレン等のナフトール誘導体、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキシビフェニル等のビフェニル誘導体、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2,2′−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル等のポリエーテル化合物、炭酸ジフェニル、しゅう酸ジベンジル、しゅう酸ビス(p−メチルベンジル)エステル等の炭酸またはしゅう酸ジエステル誘導体等を併用して添加することができる。
また、可逆性感熱記録層、アンカー層、保護層または中間層には、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスターワックス等のワックス類を、また、ジオクチルスルホこはく酸ナトリウム等の分散剤、更に界面活性剤、蛍光染料等を含有させることもできる。
本発明に係る支持体としては、紙、塗工紙、不織布、織布、合成樹脂フィルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、金属箔、ガラス等、あるいはこれらを組合せた複合シートが挙げられ、透明、半透明、または不透明の何れであってもよい。複合シートの場合は、シートを複合化してから本発明に係る可逆性感熱記録層を設けてもよいし、複合シートの1層を構成するシートに本発明に係る可逆性感熱記録層を設けた後、シートを複合化してもよい。また、一旦支持体上に本発明に係る可逆性感熱記録層を設けた後、別の支持体に場合により接着層を介して転写形成しても良い。本発明に係る支持体の厚みは、繰り返しの使用に耐える範囲であれば特に制限されないが、20〜1300μm、好ましくは40〜1000μm程度である。
本発明の可逆性感熱記録材料の構成は、可逆性感熱記録層中、他の層中、可逆性感熱記録層が設けられている面または反対側の面に、電気的、磁気的、光学的に情報が記録可能な材料を含んでも良い。また、可逆性感熱記録層が設けられている面と反対側の面に、カール防止、帯電防止を目的としてバックコート層を設けてもよく、更に粘着加工等を行ってもよい。
本発明の可逆性感熱記録材料を構成する各層を支持体上に形成する方法は特に制限されるものではなく、従来の方法により形成することができる。例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、カーテンコーター等の塗抹装置、平版、凸版、凹版、フレキソ、グラビア、スクリーン、ホットメルト等の方式による各種印刷機等を用いることができる。更に、通常の乾燥工程の他、UV照射・EB照射により各層を保持させることができる。これらの方法により、1層ずつあるいは多層同時に塗抹、印刷することができる。
本発明の可逆性感熱記録材料において、発色記録画像を形成するためには加熱に引き続き急速な冷却が起こればよく、記録画像の消色を行うためには加熱後の冷却速度が遅ければ良い。例えば、適当な方法で加熱した後、低温の金属ブロック等を押し当てるなどして急速に冷却することにより、発色状態を発現させることができる。また、サーマルヘッド、レーザー光等を用いて極めて短い時間だけ加熱すると、加熱終了後に直ちに冷却する為、発色状態を保持させることができる。一方、適当な熱源(サーマルヘッド、レーザー光、熱ロール、熱スタンプ、高周波加熱、電熱ヒーター、及びタングステンランプやハロゲンランプ等の光源等からの輻射熱、熱風等)で比較的長い時間加熱すると、可逆性感熱記録層だけでなく支持体等も加熱される為に熱源を除いても冷却する速度が遅いため消色状態になる。従って、同じ加熱温度及び/または同じ熱源を用いても、冷却速度を制御することにより発色状態及び消色状態を任意に発現させることができる。
(A)可逆性感熱塗液の調整
ロイコ染料として3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランを50部、可逆性顕色剤としてN−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N´−n−オクタデカノヒドラジドを100部、消去促進剤としてベヘン酸アミドを10部、バインダー樹脂として酸価1.0、OH価70mgKOH/gのポリアクリルポリオール化合物(ダイヤナールLR−286、三菱レイヨン社製)を40部、溶媒としてメチルエチルケトン600部を混合して、ボールミルで24時間分散し、分散液を得た。次いでキシリレンジイソシアネート系ポリイソシアネート化合物(タケネートD−110N、武田薬品工業社製)84部を加えて混合し、可逆性感熱塗液を調製した。
(B)可逆性感熱記録材料の塗工
(A)で調製した可逆性感熱塗液を厚さ250μmの白色ポリエチレンテレフタレート(PET)シート(パナック製ルミラー250−E22)に、固形分塗抹量7.7g/m2となる様に塗抹し、120℃で1時間乾燥後、さらに50℃にて48時間加温し、可逆性感熱記録層を作製した。その上に、ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂(大日本インキ製C7−157)15部、メチルエチルケトン85部とをよく混合した上で塗工し、120℃で1分間乾燥した後、照射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下を9m/分の搬送速度で通して硬化させて、膜厚3μmの保護層を設けて、可逆性感熱記録材料を作製した。
実施例1の(A)可逆性感熱塗液の調製において、ベヘン酸アミドをステアリン酸アミドに変更した以外は、実施例1と同様にした。
実施例1の(A)可逆性感熱塗液の調製において、ベヘン酸アミドをラウリン酸アミドに変更した以外は、実施例1と同様にした。
実施例1の(A)可逆性感熱塗液の調製において、ベヘン酸アミドを6−オクタデシルチオヘキサン酸アミドに変更した以外は、実施例1と同様にした。
実施例1の(A)可逆性感熱塗液の調製において、ベヘン酸アミドを8−(n−オクタデシルアミノカルボニルアミノ)−オクタン酸アミドに変更した以外は、実施例1と同様にした。
実施例1の(A)可逆性感熱塗液の調製においてポリアクリルポリオール化合物(ダイヤナールLR−286、三菱レイヨン社製)を酸価7.0、OH価64mgKOH/gのポリアクリルポリオール(ダイヤナールLR−503、三菱レイヨン社製)に変更した以外は、実施例1と同様にした。
実施例1の(A)可逆性感熱塗液の調製においてポリアクリルポリオール化合物(ダイヤナールLR−286、三菱レイヨン社製)を酸価7.0、OH価134mgKOH/gのポリアクリルポリオール(ダイヤナールLR−209、三菱レイヨン社製)に変更した以外は、実施例1と同様にした。
実施例1の(A)可逆性感熱塗液の調製においてポリアクリルポリオール化合物(ダイヤナールLR−286、三菱レイヨン社製)を酸価10.8、OH価133mgKOH/gのポリアクリルポリオール(ダイヤナールLR−2507、三菱レイヨン社製)に変更した以外は、実施例1と同様にした。
実施例1の(A)可逆性感熱塗液の調製においてポリアクリルポリオール化合物(ダイヤナールLR−286、三菱レイヨン社製)を酸価13.0、OH価60mgKOH/gのポリアクリルポリオール(ダイヤナールLR−511、三菱レイヨン社製)に変更した以外は、実施例1と同様にした。
実施例1の(A)可逆性感熱塗液の調製においてキシリレンジイソシアネート系ポリイソシアネート化合物をトルエンジイソシアネート化合物(コロネートL、日本ポリウレタン社製)に変更した以外は、実施例1と同様にした。
実施例1の(A)可逆性感熱塗液の調製においてキシリレンジイソシアネート系ポリイソシアネート化合物をヘキサメチレンジイソシアネート化合物(コロネートHL、日本ポリウレタン社製)に変更した以外は、実施例1と同様にした。
実施例6の(A)可逆性感熱塗液の調製においてキシリレンジイソシアネート系ポリイソシアネート化合物をヘキサメチレンジイソシアネート化合物(コロネートHL、日本ポリウレタン社製)に変更した以外は、実施例1と同様にした。
実施例7の(A)可逆性感熱塗液の調製においてキシリレンジイソシアネート系ポリイソシアネート化合物をヘキサメチレンジイソシアネート化合物(コロネートHL、日本ポリウレタン社製)に変更した以外は、実施例1と同様にした。
実施例1の(A)可逆性感熱塗液の調製においてキシリレンジイソシアネート系ポリイソシアネート化合物をイソホロンジイソシアネート化合物(タケネートD−140N、三井武田ケミカル社製)に変更した以外は、実施例1と同様にした。
実施例1の(A)可逆性感熱塗液の調製においてポリアクリルポリオール化合物(ダイヤナールLR−286、三菱レイヨン社製)を酸価5.7、OH価500mgKOH/gのポリエステルポリオール(タケラックU−21、武田薬品工業社製)に変更した以外は、実施例1と同様にした。
実施例1の(A)可逆性感熱塗液の調製においてポリアクリルポリオール化合物(ダイヤナールLR−286、三菱レイヨン社製)を酸価8.6、OH価207mgKOH/gのアルキドポリオール(バーノックD−150−70、大日本インキ社製)に変更した以外は、実施例1と同様にした。
実施例1の(A)可逆性感熱塗液の調製においてポリアクリルポリオール化合物(ダイヤナールLR−286、三菱レイヨン社製)を酸価0.2、OH価560mgKOH/gのカプロラクトンポリオール(TOME0301、ダウ・ケミカル社製)に変更した以外は、実施例1と同様にした。
(比較例1)
実施例1の(A)可逆性感熱塗液の調製において、ベヘン酸アミド10部を添加しない以外は、実施例1と同様にした。
(比較例2)
実施例1の(A)可逆性感熱塗液の調製において、ベヘン酸アミドをペンタン酸アミドに変更した以外は、実施例1と同様にした。
(比較例3)
実施例1の(A)可逆性感熱塗液の調製において、ベヘン酸アミドをN-エチルペンタン酸アミドに変更した以外は、実施例1と同様にした。
(比較例4)
実施例1の(A)可逆性感熱塗液の調製において、ベヘン酸アミドをN,N−ジエチルペンタン酸アミドに変更した以外は、実施例1と同様にした。
(比較例5)
実施例1の(A)可逆性感熱塗液の調製において、ポリアクリルポリオール化合物40部(ダイヤナールLR−286、三菱レイヨン社製)およびキシリレンジイソシアネート系ポリイソシアネート化合物(タケネートD−110N、武田薬品工業社製)84部をポリアリレート樹脂(U−100、ユニチカ社製)150部に変更し、メチルエチルケトンをテトラヒドロフランに変更した以外は、実施例1と同様にした。
(比較例6)
実施例1の(A)可逆性感熱塗液の調製において、ポリアクリルポリオール化合物40部(ダイヤナールLR−286、三菱レイヨン社製)およびキシリレンジイソシアネート系ポリイソシアネート化合物(タケネートD−110N、武田薬品工業社製)84部をヒドロキシ変性塩化ビニリデン酢酸ビニリデン共重合体(VYHH、ダウ・ケミカル社製)150部に変更し、メチルエチルケトン600部をメチルエチルケトン300部とトルエン300部に変更した以外は、実施例1と同様にした。
試験1(地肌白色度)
実施例1〜17および比較例1〜6で得た可逆性感熱記録材料の可逆性感熱記録層表面の濃度を濃度計マクベスRD918を用いて測定した。結果を表1に示す。
試験2(発色濃度=熱応答性)
実施例1〜17および比較例1〜6で得た可逆性感熱記録材料を、京セラ製印字ヘッドKJT−256−8MGF1付き大倉電気製感熱ファクシミリ印字試験機TH−PMDを用いて印加パルス1.1ミリ秒で印加電圧26ボルトの条件で印字し、得られた発色画像の濃度を試験1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
試験3(画像の消去性)
実施例1〜17および比較例1〜6で得た可逆性感熱記録材料を、京セラ製印字ヘッドKJT−256−8MGF1付き大倉電気製感熱ファクシミリ印字試験機TH−PMDを用いて印加パルス1.1ミリ秒で印加電圧26ボルトの条件で印字し、得られた発色画像部に熱スタンプを用いて100℃で1秒間加熱した後、試験1と同様にして濃度を測定した。結果を表1に示す。
試験4(繰り返し特性)
実施例1〜17および比較例1〜6で得た可逆性感熱記録材料を、試験2で行った消去印字操作を100回繰り返し、発色部および消去部の濃度を試験1と同様に測定した。また、発色画像の状態と記録媒体の表面状態を目視で観察し、下記のレベルで評価した。結果を表1に示す。
◎:印字傷は見られなかった。
○:やや印字傷が見られた。
△:印字傷が見られた。
×:著しい印字傷が見られた。
試験5(耐熱画像保存性)
実施例1〜17および比較例1〜6で得た可逆性感熱記録材料を、試験1で行った方法で印字し、それを60℃乾燥条件下で1週間保存した後、残存する発色画像の濃度を測定し、それを残存率で評価した。結果を表1に示す。
残存率(%)=60℃保存後の発色部の濃度/初発濃度×100
◎:90%以上
○:80%以上
△:60%以上
×:60%未満
Figure 2005178004
実施例1〜5に対して比較例1から明らかなように、前記一般式(2)で表される化合物を消去促進剤として用いることにより消去性が大幅に改良された。また、比較例2で示したように、消去促進剤の分子鎖を構成する原子の数が7(前記一般式(2)で表される化合物におけるRの炭素の数が5)と短くなると、発色濃度と消去性が悪化した。比較例3,4のように消去促進剤が2級あるいは3級アミドである場合には、地肌が悪化し、高温画像保存性も悪くなった。更に、実施例1,15〜17に対する比較例5,6の結果で示したように、ポリオールとイソシアネートの架橋をバインダー成分として利用すると耐久性や耐熱性が高くなり、繰り返し使用後の状態や高温画像保存性が非常に改良された。
消去促進剤の消去性は、消去促進剤の分子鎖を構成する原子の数が可逆性顕色剤のフェノールを除くR+X+R(前記一般式(1))の鎖を構成する原子の数に近い(4原子以内)実施例1ような場合に最も消去性が高く、それより長い(実施例4,5)または短い(実施例2,3)場合よりも消去性が良好であった。
実施例1と実施例15〜17を比較すると、ポリオールとしてアクリルポリオールを使用した場合は他のポリオールを使用した場合に比べて地肌白色度が向上した。更に同じアクリルポリオールであっても地肌白色度はポリオールの酸価に依存し、酸価が13.0(実施例9)、10.8(実施例8)、7.0(実施例6,7)と低くなるにつれて地肌白色度が良好であった。これは、酸価が大きいものほどバインダーとロイコ染料の一部が相互作用を起こすためであると考えている。
イソシアネートの種類を比較すると、キシリレンジイソシアネート(実施例1)とトルエンジイソシアネート(実施例10)を使用した場合は、その他のイソシアネート(実施例11〜14)を使用した場合に比べ発色濃度が高く良好であった。地肌白色度と発色画像のコントラストの点ではキシリレンジイソシアネートを組み合わせることが最も良好であった。
発色性、消去性、地肌白色度に優れ、繰り返し印字消去試験においても印字痕や印字傷のほとんど見られない耐久性を保持した、書き換え可能な感熱記録媒体としての利用が期待できる。形式は、カードやOA用紙、看板、ラベル等が挙げられる。

Claims (4)

  1. 通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体、加熱後の冷却速度の違いにより該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる下記一般式(1)で表される電子受容性化合物、下記一般式(2)で表される消去促進剤、及びポリオール化合物とイソシアネート化合物との架橋により形成されるバインダー成分を含有する可逆性感熱記録層を支持体上に有することを特徴とする可逆性感熱記録材料。
    Figure 2005178004
    (一般式(1)中、Rは単なるビニレン及び1,4−フェニレンを含まない炭素数1から18の二価の炭化水素基を表す。XはCONH結合を一つ以上持ち、両末端がNH、CO、COOの何れかで構成される二価の基を表す。Rは炭素数1から24の炭化水素基を表す。mは1〜3の整数を表す。)
    Figure 2005178004
    (一般式(2)中、Rは炭素数6から30の炭化水素基を表す。Xは酸素原子、硫黄原子、NHまたはCOを含み、末端に炭化水素基を含まない二価の基を表す。Rは炭素数1から22の炭化水素基を表す。n1、n2は0または1を表し、n1≧n2である。)
  2. 前記ポリオール化合物がポリ(メタ)アクリルポリオールである請求項1に記載の可逆性感熱記録材料。
  3. 前記ポリオール化合物の酸価が10以下である請求項1または2に記載の可逆性感熱記録材料。
  4. 前記イソシアネート化合物がキシリレンジイソシアネート化合物である請求項1から3の何れかに記載の可逆性感熱記録材料。
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