JP2005254668A - 可逆性感熱記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】高コントラスト、高感度な記録画像の形成あるいは消去が多数回にわたって可能であり、防汚性が繰り返し印字と消去を行っても変化せず、加筆性が十分ある優れた可逆性感熱記録材料を提供すること。
【解決手段】支持体上に、通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体、及び加熱後の冷却速度の違いにより該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤とを主成分として含有する可逆性感熱記録層と、該可逆性感熱記録層上に紫外線硬化型樹脂を主として含有する最表層を設けた可逆性感熱記録材料において、該最表層が同一分子内にジメチルシロキサン基および(メタ)アクリレート基を有する紫外線硬化型樹脂を含有することを特徴とする可逆性感熱記録材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱エネルギーを制御することにより高コントラスト、高感度な記録画像の形成と消去とを多数回にわたって繰り返し可能な可逆性感熱記録材料に関する。
近年、一時的な画像の形成が行なえ、不要となった時にはその画像の消去ができるようにした可逆性感熱記録材料が注目されている。その代表的なものとしては、通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱によりこの染料前駆体を発色させ、これを再加熱して消色させる可逆性顕色剤を用いた可逆性感熱記録材料が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。この記録材料によれば、高コントラストで高感度な記録画像の形成と消去が多数回にわたって可能であり、ICカードや磁気カード等の媒体において、カード内の情報を可視化する目的で広く使われるようになってきた。
また、工程管理用として用途が広がりつつある中、可逆性感熱記録材料の表面への加筆性を持ちつつ、水、油、埃などの汚れに対する耐性(以下防汚性とする)が求められており、防汚性を向上させた表面層が提案されている。一つは、表面層中にシリコーンオイルを添加する方法であるが、印字と消去を繰り返し行った際の、防汚性が著しく劣化するという問題がある(例えば、特許文献4)。また、熱によって架橋可能なシリコーン変性ポリマーを用いるものや、シリコーンマクロマーを用いるものが提案されているが、高温と長時間の硬化過程が必要であり、さらに、これらのタイプでは架橋密度が十二分に高いわけではなく、印字と消去を繰り返し行った際の、防汚性が徐々に劣化するという問題がある(例えば、特許文献5および6)。さらにフッ素系物質から成る表面層を用いて防汚性を向上させたものが提案されている。これは、防汚性は非常に高いものの、加筆性が悪く、また、印字した後に消去した部分の光沢度変化が大きいために、消去後の元画像部分が目視で認識できるという問題がある(例えば、特許文献7)。
特開平6−171225号公報 特開平6−210954号公報 特開平7−68934号公報 特開平10−315625号公報 特開2002−2109号公報 特開2002−187362号公報 特許第3073857号
本発明の課題は、高コントラスト、高感度な記録画像の形成あるいは消去が多数回にわたって可能であり、防汚性が繰り返し印字と消去を行っても変化せず、加筆性が十分ある優れた可逆性感熱記録材料を提供することである。
本発明は、支持体上に、通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体、及び加熱後の冷却速度の違いにより該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤とを主成分として含有する可逆性感熱記録層と、該可逆性感熱記録層上に紫外線硬化型樹脂を主として含有する最表層を設けた可逆性感熱記録材料において、該最表層が同一分子内にジメチルシロキサン基および(メタ)アクリレート基を有する紫外線硬化型樹脂を含有することを特徴とする可逆性感熱記録材料を提供する。
さらに、紫外線硬化型樹脂が分子内に(メタ)アクリレート基を1ないし4個含有する紫外線硬化型樹脂であることを特徴とする前記記載の可逆性感熱記録材料によっても好適に達成される。
より好ましくは、前記最表層がジメチルシロキサン基および(メタ)アクリレート基を有する紫外線硬化型樹脂を最表層の質量に対して0.05〜10質量%含有することを特徴とする請求項1または2に記載の可逆性感熱記録材料によって達成される。
本発明によれば、高コントラスト、高感度な記録画像の形成あるいは消去が多数回にわたって可能であり、防汚性が繰り返し印字と消去を行っても変化せず、加筆性が十分ある優れた可逆性感熱記録材料が提供される。
本発明に用いられる、加熱により染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤としては、公知のものを使用することができる。中でも下記一般式(1)で表されるものが好ましいが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2005254668
一般式(1)に於いて、Xa及びXbはそれぞれ同じであっても、異なっていてもよい酸素原子、硫黄原子または両末端に炭化水素原子団を含まない−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基を表す。ここで−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基の具体例としては、アミド(−CONH−、−NHCO−)、尿素(−NHCONH−)、ウレタン(−NHCOO−、−OCONH−)、ジアシルアミン(−CONHCO−)、ジアシルヒドラジン(−CONHNHCO−)、シュウ酸ジアミド(−NHCOCONH−)、アシル尿素(−CONHCONH−、−NHCONHCO−)、セミカルバジド(−NHCONHNH−、−NHNHCONH−)、アシルセミカルバジド(−CONHNHCONH−、−NHCONHNHCO−)、ジアシルアミノメタン(−CONHCH2NHCO−)、1−アシルアミノ−1−ウレイドメタン(−CONHCH2NHCONH−、−NHCONHCH2NHCO−)、マロンアミド(−NHCOCH2CONH−)等の基が挙げられる。R1は単結合または炭素数1から12の二価の炭化水素基を表す。R2は炭素数1から18の二価の炭化水素基を表す。好ましくは炭素数1から4の二価の炭化水素基である。R3は炭素数1から24の一価の炭化水素基を表し、好ましくは炭素数6から24の炭化水素基であり、より好ましくは炭素数8から24の炭化水素基である。さらに、R1、R2及びR3の炭素数の和が11以上35以下である場合が特に好ましい。R1、R2及びR3は主として、各々アルキレン基及びアルキル基を表す。R1の場合は、芳香環を含んでいてもよい。mは0から4の整数を表し、mが2以上のとき繰り返されるR2及びXbは同一であっても異なっていてもよい。
本発明に用いられる一般式(1)で示される可逆性顕色剤において、mが0で、Xaが両末端に炭化水素原子団を含まない−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基であるものが特に好ましい。
以下に一般式(1)で表される具体的化合物を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]カルバミン酸−n−オクタデシル、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキシル]カルバミン酸−n−テトラデシル、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]カルバミン酸−n−ドデシル、N−n−オクタデシルカルバミン酸−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]、N−n−デシルカルバミン酸−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカニル]、N−n−テトラデシルカルバミン酸−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N−n−オクタデカノイルアミン、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノイル]−N−n−オクタデカノイルアミン、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N−(p−n−オクチルベンゾイル)アミン、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセト]−N′−n−ドデカノヒドラジド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセト]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセト]−N′−n−ドコサノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−ドコサノヒドラジド、N−[3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−ドコサノヒドラジド、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノ]−N′−n−テトラデカノヒドラジド、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノ]−N′−(p−n−オクチルベンゾ)ヒドラジド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニルオキシ)ウンデカノ−N′−11−ドデセノヒドラジド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノ−N′−n−テトラデカノヒドラジド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノ−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノ−N′−(6−フェニル)ヘキサノヒドラジド、N−[11−(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)ウンデカノ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニルメチル)ベンゾ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−テトラデシルオキサミド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピル]−N′−n−オクタデシルオキサミド、N−[3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピル]−N′−n−オクタデシルオキサミド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカニル]−N′−n−デシルオキサミド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−N′−n−オクタデシルオキサミド、N−(p−ヒドロキシフェニル)−N′−n−ドデシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセチル]−N′−n−オクタデシル尿素、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N′−n−オクタデシル尿素、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−N′−n−オクタデシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−ドデカノイル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−オクタデカノイル尿素、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−N′−n−オクタデカノイル尿素、4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−テトラデシルセミカルバジド、4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−オクタデシルセミカルバジド、4−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−1−n−テトラデシルセミカルバジド、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−n−テトラデシルセミカルバジド、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−n−オクタデシルセミカルバジド、1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−4−n−テトラデシルセミカルバジド、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセチル]−4−n−テトラデシルセミカルバジド、1−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−4−n−オクタデシルセミカルバジド、1−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノイル]−4−n−デシルセミカルバジド、1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−4−n−オクタデシルセミカルバジド、4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−テトラデカノイルセミカルバジド、4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−オクタデデカノイルセミカルバジド、4−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−1−n−オクタデカノイルセミカルバジド、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセトアミド]−1−n−ドデカノイルアミノメタン、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセトアミド]−1−n−オクタデカノイルアミノメタン、1−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド]−1−n−オクタデカノイルアミノメタン、1−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカンアミド]−1−n−デカノイルアミノメタン、1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンズアミド]−1−n−オクタデカノイルアミノメタン、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセトアミド]−1−(3−n−ドデシルウレイド)メタン、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセトアミド]−1−(3−n−オクタデシルウレイド)メタン、1−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド]−1−(3−n−オクタデシルウレイド)メタン、1−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカンアミド]−1−(3−n−デシルウレイド)メタン、1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンズアミド]−1−(3−n−オクタデシルウレイド)メタン、1−{3−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]ウレイド}−1−n−オクタデカノイルアミノメタン、1−{3−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]ウレイド}−1−n−オクタデカノイルアミノメタン、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−オクタデシルマロンアミド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−N′−n−オクタデシルマロンアミド、N−4−チアヘキサデカノイル−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノイルアミド、N−12−チアドコサノイル−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノイルアミド、N−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノ−N′−4−オキサヘキサデカノヒドラジド、N−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノ−N′−4−チアヘキサデカノヒドラジド、N−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノ−N′−12−オキサドコサノヒドラジド、N−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノ−N′−12−チアドコサノヒドラジド、 N−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノ−N′−4−チアヘキサデカノオキサミド、N−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノ−N′−12−オキサドコサノオキサミド、N−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノ−N′−12−チアドコサノオキサミド、 N−p−ヒドロキシフェニルエチル−N′−12−チアドコシルオキサミド、N−p−ヒドロキシベンジル−N′−12−チアドコシル尿素、N−p−ヒドロキシベンジル−N′−12−オキサドコシル尿素、1−(p−ヒドロキシフェニルエチル)−4−(12−チアドコシル)セミカルバジド、1−(p−ヒドロキシベンジル)−4−(12−チアドコシル)セミカルバジド、等が挙げられる。
本発明に用いられる、一般式(1)で示される可逆性顕色剤はそれぞれ1種または2種以上を混合して使用してもよく、通常無色ないし淡色の染料前駆体に対する使用量は、5〜5000質量%、好ましくは10〜3000質量%である。
また、本発明には、消去性をコントロールする目的に消去促進剤を可逆性感熱記録層中に添加することができる。その消色促進剤としては、発色温度及び消色温度を調節するための熱可融性物質であり、60℃以上150℃以下の融点を有するものであれば良く、その中でも、実用的な発色温度及び消色温度が得られる点から、130℃以下の融点を有するものがより好適である。消色促進剤に130℃以下の低融点化合物を用いることにより、可逆性感熱記録層の組成物分子間での分子配列すなわち結晶化に比較的長時間を要するようになるため、消色時の分子モビリティが相対的に助長され低温消去化が可能となる。染料前駆体との相溶性が比較的良く、染料前駆体に作用するものの例としては、下記一般式(2)及び(3)で表されるものが好ましいが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、130℃以下の融点を有する化合物としては、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、パルミチン酸アミド、11−(オクタデシルチオ)−ウンデカンアミド、N−(2シアノエチル)−12−(オクタデカノカルバモイル)−ドデカンアミド、N−ドデシルオクタデカン酸アミド、N,N′−ジオクタデカノイルヒドラジン、N,N′−ジオクタデシルオキサミド、N,N′−ジオクタデシルウレア、N−オクタデシルウレアなどの脂肪酸誘導体類が好適である。
Figure 2005254668
Figure 2005254668
一般式(2)及び一般式(3)に於いて、Xc及びXdは酸素原子、硫黄原子または両末端に炭化水素原子団を含まない−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基を表す。ここで−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基としては、アミド(−CONH−、−NHCO−)、尿素(−NHCONH−)、ウレタン(−NHCOO−、−OCONH−)、ジアシルアミン(−CONHCO−)、ジアシルヒドラジン(−CONHNHCO−)、シュウ酸ジアミド(−NHCOCONH−)、アシル尿素(−CONHCONH−、−NHCONHCO−)、セミカルバジド(−NHCONHNH−、−NHNHCONH−)、アシルセミカルバジド(−CONHNHCONH−、−NHCONHNHCO−)、ジアシルアミノメタン(−CONHCH2NHCO−)、1−アシルアミノ−1−ウレイドメタン(−CONHCH2NHCONH−、−NHCONHCH2NHCO−)、マロンアミド(−NHCOCH2CONH−)から選ばれる基である。Xeは−CN、−CONH2、−NHCONH2、−OCONH2、−NHCOCONH2、−CONHCONH2、−NHCONHNH2、−NHNHCONH2、−CONHNHCONH2から選ばれる基である。R4、R5、及びR6は炭素数6以上の一価の炭化水素基を表し、R7は炭素数1から12の二価の炭化水素基を表す。R4〜びR7は具体的には主として、各々アルキル基、アルキレン基を表すが、それぞれその基中にアルケニル基または/及び芳香環を含んでいてもよい。nは0から4の整数を表し、nが2以上のとき繰り返されるXd及びR7は同一であっても異なっていてもよい。
本発明に用いられる、通常無色ないし淡色の染料前駆体としては、一般に感圧記録紙や感熱記録紙等に用いられるものがよく知られている。具体的な例としては、例えば下記に挙げるものなどがあるが、本発明はこれに限定されるものではない。またこれら染料前駆体は、それぞれ1種または2種以上を混合して使用してもよい。
(1)トリアリールメタン系化合物
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−n−ヘキシルオキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジメチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等、
(2)ジフェニルメタン系化合物
4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等、
(3)キサンテン系化合物
ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェノキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−メチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル)トリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル)トリルアミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル)プロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル)イソアミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル)シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル)テトラヒドロフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等、
(4)チアジン系化合物
ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等が挙げられる。
(5)スピロ系化合物
3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン等が挙げられる。
本発明に係る可逆性感熱記録層を得るために使用されるバインダーとしては耐熱性を有するものであれば良く、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を適用することが可能であるが、耐熱性の点から熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂を適用する場合は架橋剤を含む液を塗工、成膜した後に熱により架橋させて用いる。熱硬化性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、尿素樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、及びポリオール樹脂等が挙げられる。またこれらの熱硬化性樹脂に使用される硬化剤は、有機酸類、アミン類、イソシアネート類、エポキシ類、フェノール類等が挙げられるが、熱硬化性樹脂の種類により好適な反応性のものを選定すれば良い。特にこれらの中で、特開平10−230680号公報や同11−58963号公報に記載の、ポリオール樹脂をイソシアネート化合物で熱硬化して得られる架橋樹脂であることが好ましい。
本発明に係る可逆性感熱記録層におけるバインダーの使用量としては、該可逆性感熱記録層全質量に対する該バインダー成分の質量百分率が35%以上65%以下の範囲内であることが好ましい。この範囲より大きくなると著しく発色濃度が低下し、逆にこの範囲より小さくなると、可逆性感熱記録層の耐熱性や機械的強度が低下し、層の変形や発色濃度の低下が起きる。可逆性感熱記録層における該バインダー成分の質量百分率は、40%以上60%以下がより好ましく、45%以上55%以下がなお一層好ましい。
本発明に係る可逆性感熱記録層の膜厚は該可逆性感熱記録層の組成と所望発色濃度により決定されるものであり、具体的には、0.5〜20μmの範囲が好ましく、3〜15μmがより好ましい。さらに、該記録層の形成に際しては、染料前駆体や可逆性顕色剤等の組成物を熱硬化性樹脂及び硬化剤と共に混合した分散液を支持体上に塗工するが、必要に応じて、熱硬化性樹脂及び硬化剤と非反応性の溶剤で希釈して使用することもできる。使用できる溶剤としては、バインダー樹脂を溶解し、且つ染料前駆体や可逆性顕色剤等の組成物を分散・溶解させるものが好ましい。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチルエーテル等のエステル系、ジエチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、グリコールジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン等の芳香族炭化水素系、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クレゾール等の塩素化炭化水素、N,N−ジメチルホルムアルデヒド、ペンタン、ヘキサン等のものが使用でき、これに限定されるものではないが活性水素を有しない有機溶媒を用いることが好ましい。
さらに、本発明に係る可逆性感熱記録層に好適に用いられる熱硬化性樹脂としては、ポリオール樹脂をイソシアネート化合物で熱硬化して得られる架橋樹脂であることが好ましい。ポリオール樹脂の具体的な一般例としては、ポリエステルポリオール樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂、アクリルポリオール樹脂、アルキドポリオール樹脂等が挙げられ、これらのポリオール樹脂は1種または2種以上混合して使用しても良い。さらに、本発明では、ポリオール樹脂として、少なくともポリエステルポリオール樹脂とアクリルポリオール樹脂の両方を混合して用いるものが好適である。
ポリエステルポリオール樹脂とは多塩基酸と多価アルコールとの縮合物のうち水酸基を有するものであって、これらに使用される多塩基酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族多塩基酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、ダイマ酸等の脂肪族多塩基酸があり、また、これらの多塩基酸から得られる酸無水物も同様に用いられる。多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジアセトングリコール、ヘキサントリオール等の低分子量のポリオールの他、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等の高分子量ポリオールも用いられる。これらから得られるポリエステルポリオールの他、ヒドロキシカルボン酸、もしくはその環状ラクトンの縮合物もしくは開環重合、例えばブチロラクトンポリオール、カプロラクトンポリオール等がある。
ポリエーテルポリオールとは主鎖がエーテル結合からなる高分子であって、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールの他、これらの分岐状エステル等がある。
アクリルポリオールとは、アクリル酸、メタアクリル酸およびそれらのエステルの共重合体であって、水酸基を含むものを言うが、水酸基を含む共重合成分としては、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、アリルアルコール等が用いられる。アクリル酸、メタアクリル酸およびそれらのエステル以外の共重合成分としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリルアミド、メタアクリルアミドおよびその誘導体、酢酸ビニル、無水マレイン酸等を挙げることができる。
その他にも、水酸基含有のフルオロオレフィンのようなフッ素含有ポリオール、水酸基末端のポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレン、ポリウレタンポリオール等が利用できる。さらには、低分子量のポリオール、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、1,4−シクロヘキサジオール、1,4−ジヒドロキシベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の脂肪族、脂環族、芳香族多価アルコールもしくは多価フェノールまたはこれらの縮合物を反応性希釈剤として用いることができる。
ポリオールと混合使用されるイソシアネート化合物としては、これまで知られている各種のものを使用することができる。例えば、フェニレンジイソシアネート(PDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、4,4′−ジイソシアネートジフェニルメタン(MDI)等の芳香族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)等の芳香族脂肪族ジイソシアネート、水添TDI、水添XDI、水添MDI、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂肪族もしくは脂環族ジイソシアネートおよびこれらの誘導体であるポリオール付加物、ビュレット型、イソシアヌレート型、アダクト型などの3官能以上のポリイソシアネートの他、イソシアネートを含む各種のオリゴマー、ポリマーが挙げられる。使用されるポリオールとイソシアネート化合物の混合比は任意でよいが、所期の効果をよく発現するためにはポリオールの水酸基とイソシアネート化合物のイソシアネート基の当量比OH/NCOが5.0〜0.1の間で使用するのが好ましい。
上記ポリオール樹脂とイソシアネート化合物の架橋反応は、反応温度10〜180℃が好ましく、50〜160℃がより好ましい。反応時間は、0.1〜100時間が好ましい。なお、反応温度が低い場合は、長時間を要し、高温では短時間で済むことは言うまでもない。
本発明に係る最表層には、紫外線硬化型樹脂を主として含有する最表層を設けた可逆性感熱記録材料であり、該最表層が同一分子内にジメチルシロキサン基および(メタ)アクリレート基を有する紫外線硬化型樹脂を含有することが必須である。ジメチルシロキサン基および(メタ)アクリレート基を有する紫外線硬化型樹脂は、その分子内にジメチルシロキサン基および重合性(メタ)アクリレート基を有していれば良く、ジメチルシロキサン基および(メタ)アクリレート基を有する紫外線硬化型樹脂が分子内に(メタ)アクリレート基が多いと防汚性が低くなる傾向があるため、(メタ)アクリレート基を1ないし4個含有することが好ましい。最表層がジメチルシロキサン基および(メタ)アクリレート基を有する紫外線硬化型樹脂が最表層の質量に対して0.05〜10質量%含有することが好ましい。この範囲より少ないと、防汚性効果が少なくなり、また、多いと繰り返し耐久性が低くなる傾向がある。紫外線硬化型樹脂の具体例としては、例えば特開平6−344672号公報に記載されているようなエチレン性不飽和結合を有する化合物がある。これらの化合物の紫外線による硬化を効率よく進めるために、トリクロロアセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール等の光反応開始剤を使用できる。紫外線による紫外線硬化型樹脂の硬化は数秒という短時間で達成することができ、また加熱を必要とせず、溶剤を必要としないため、生産効率が非常に高いのが特徴である。最表層の厚みは0.5〜10μmが好ましい。これより薄いと記録画像の形成と消去を多数回にわたって繰り返すことができず、また厚いと記録感度が低下する。
さらに、最表層にはスティッキングやヘッド摩耗を防止、ないしは減少させるため、ケイソウ土、クレー、焼成クレー、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、水酸化アルミニウム、澱粉粒、尿素−ホルマリン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、シリコーン粒子等の顔料や、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスターワックス等のワックス類を、単独もしくは2種以上含有させることができる。また、レベリング剤、分散剤、界面活性剤、蛍光染料などを1種以上含有させることもできる。
本発明に用いられる支持体としては、紙、各種不織布、織布、合成樹脂フィルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、金属箔等、あるいはこれらを組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用いることができ、透明、半透明或いは不透明のいずれであっても良い。また、これらに限定されるものでもない。
本発明の可逆性感熱記録材料の層構成は、支持体上に可逆性感熱記録層、最表層をこの順に設ければ良いが、必要に応じて、可逆性感熱記録層と最表層の間に中間層やガスバリアー層を設けることや、支持体と可逆性感熱記録層の間に断熱層を設けることもできる。さらに、可逆性感熱記録層が設けられている面および/または反対側の面に、電気的、磁気的、光学的に情報が記録可能な材料を含んでも良い。また、可逆性感熱記録層が設けられている面と反対側の面にカール防止、帯電防止を目的としてバックコート層を設けることもできる。これら層の形成材料としては前述の種々樹脂を使用することができる。
可逆性感熱記録層、中間層のいずれの層においても、ケイソウ土、クレー、焼成クレー、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、水酸化アルミニウム、澱粉粒、尿素−ホルマリン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、シリコーン粒子等の顔料や、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン等のワックス類を、単独もしくは2種以上含有させることができる。また、レベリング剤、分散剤、界面活性剤、蛍光染料などを1種以上含有させることもできる。
可逆性感熱記録層、中間層のいずれの層においても、紫外線吸収剤を含有させることができる。紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸フェニルエステル系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−オクトキシ)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート等のアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、または2種類以上を併用してもよい。
可逆性感熱記録層、中間層のいずれの層においても、酸化防止剤を添加することで耐光性を向上させることができる。この場合の酸化防止剤は、連鎖的酸化反応の開始を妨害する紫外線吸収剤や光安定化剤が好適である。また、酸化反応で生成する過酸化物を容易に分解して安定な化合物に転換させる過酸化物分解型酸化防止剤も効果を示す。
本発明に用いられる可逆性感熱記録材料の発色を行うには、加熱に引き続き急速な冷却が起これば良く、例えばサーマルヘッド、レーザー光等による加熱により可能である。また、加熱後ゆっくり冷却すれば消色し、例えば熱ロール、熱スタンプ、サーマルヘッド、高周波加熱、熱風、電熱ヒーター或いはハロゲンランプ等の光源からの輻射熱等を用いることにより行える。加熱に使用するレーザーとしては半導体レーザーやYAGレーザーを挙げることができるが、これらに限定されない。これらのレーザー光による加熱を効率よく行うためには、可逆性感熱記録層中に近赤外部に吸収を有する光熱変換材料を含有させるか、あるいは、該光熱変換材料を含有する光熱変換層を可逆性感熱記録層に直接隣接して設けることが好ましい。近赤外部に吸収を有する光熱変換材料としては、たとえば白金、チタン、シリコン、クロム、ニッケル、ゲルマニウム、アルミニウムなどの金属または半金属の層、日本化薬製のIRG002(商品名)やIRG022(商品名)等のインモニウム化合物、金属錯体化合物、シアニン色素、スクワリリウム色素、ナフトキノン色素、フタロシアニン化合物等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。好ましい光熱変換材料としては、光熱変換効率、溶剤への溶解性、樹脂への分散性の点でフタロシアニン化合物及び金属錯体化合物が挙げられる。光熱変換材料は単独使用はもとより、2種類以上を混合して用いることができる。その添加量は1mg/m2から200mg/m2が適当であり、5mg/m2から50mg/m2が好ましい。この量より少ないと画像消去に必要なエネルギーを十分に低減できず、印字消去の繰り返し特性が劣化する。またこの量より多いと、光熱変換材料が若干なりとも有している可視部の吸収が大きくなりすぎて画像の視認性が低下する。
本発明の可逆性感熱記録材料を構成する各層を支持体上に形成する方法は特に制限されるものではなく、従来の方法により形成することができる。例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、カーテンコーター、ロールコーター等の塗工装置、平板、凸版、凹版、フレキソ、グラビア、スクリーン、ホットメルト等の方式による各種印刷機等を用いることができる。さらに通常の乾燥工程の他、必要に応じて紫外線照射または電子線照射により各層を保持させることができる。これらの方法により、1層ずつあるいは多層同時に塗工、印刷することができる。
以下実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部数や百分率は質量基準である。
(A)可逆性感熱記録層形成用塗液の作製
染料前駆体である3−ジ−n−プロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン30部、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセト]−N′−n−オクタデカノヒドラジド100部をポリエステルポリオール(武田薬品工業製タケラックU−53、水酸基価(ソリッド)174、不揮発分100%)70部、メチルエチルケトン900部とともにボールミルで24時間分散し、分散液を得た。次いでイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業製コロネートL、NCO含有量13.2%、不揮発分75%)83部とメチルエチルケトン50部を加え、よく混合し、可逆性感熱記録層形成用塗液を作製した。
(B)中間層形成用塗液の作製
紫外線吸収剤(チバガイギー製チヌビン328)50部、ポリエステルポリオール(大日本インキ化学工業製バーノック11−408、水酸基価(ソリッド)286、不揮発分70%)100部、メチルエチルケトン800部とともにボールミルで12時間分散し、次いでイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業製コロネートL、NCO含有量13.2%、不揮発分75%)140部、メチルエチルケトン50部を加え良く混合し、中間層形成用塗液を作製した。
(C)最表層形成用塗液の作製
ウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂(大日本インキ化学工業製ユニディックV−4205)100部、ジメチルシロキサン基およびアクリレート基を有する紫外線硬化型樹脂(BYK−Chemie GmbH製BYK−UV3500、アクリレート基:2)3部、平均粒径1.2μmのシリカ粒子(東ソー・シリカ製ニップシールSS−50F)10部とをよく混合し、最表層形成用塗液を作製した。
(D)可逆性感熱記録材料の作製
(A)で作製した可逆性感熱記録層形成用塗液を厚さ250μmの白色ポリエステルフィルム(東レ製ルミラー250−E22)に、固形分塗工量7g/m2となる様に塗工し、100℃で1分間乾燥後、さらに50℃にて48時間加温し、可逆性感熱記録層を作製した。その上に(B)で作製した中間層形成用塗液を固形分塗工量1g/m2となる様に塗工し、100℃で1分間乾燥後、さらに50℃にて48時間加温し、可逆性感熱記録層上に中間層を作製した。その上に、(C)で作製した最表層形成用塗液(C)を塗工し、照射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下を9m/分の搬送速度で通して硬化させて、固形分塗工量3.0g/m2の最表層を設け、可逆性感熱記録材料を作製した。
実施例1で使用したジメチルシロキサン基およびアクリレート基を有する紫外線硬化型樹脂(BYK−UV3500、アクリレート基:2)3部をジメチルシロキサン基およびアクリレート基を有する紫外線硬化型樹脂(BYK−Chemie GmbH製BYK−UV3530、アクリレート基:1)3部に変更した以外は実施例1と同様に可逆性感熱記録材料を作製した。
実施例1で使用したジメチルシロキサン基およびアクリレート基を有する紫外線硬化型樹脂(BYK−UV3500、アクリレート基:2)3部をジメチルシロキサン基およびアクリレート基を有する紫外線硬化型樹脂(BYK−Chemie GmbH製BYK−UV3570、アクリレート基:4)3部に変更した以外は実施例1と同様に可逆性感熱記録材料を作製した。
実施例1で使用したジメチルシロキサン基およびアクリレート基を有する紫外線硬化型樹脂(BYK−UV3500、アクリレート基:2)3部をジメチルシロキサン基およびアクリレート基を有する紫外線硬化型樹脂(アクリレート基:5)3部に変更した以外は実施例1と同様に可逆性感熱記録材料を作製した。
実施例1で使用したジメチルシロキサン基およびアクリレート基を有する紫外線硬化型樹脂(BYK−UV3500、アクリレート基:2)3部を12部に変更した以外は実施例1と同様に可逆性感熱記録材料を作製した。
実施例1で使用したジメチルシロキサン基およびアクリレート基を有する紫外線硬化型樹脂(BYK−UV3500、アクリレート基:2)3部を0.06部に変更した以外は実施例1と同様に可逆性感熱記録材料を作製した。
実施例1で使用したジメチルシロキサン基およびアクリレート基を有する紫外線硬化型樹脂(BYK−UV3500、アクリレート基:2)3部を13部に変更した以外は実施例1と同様に可逆性感熱記録材料を作製した。
実施例1で使用したジメチルシロキサン基およびアクリレート基を有する紫外線硬化型樹脂(BYK−UV3500、アクリレート基:2)3部を0.05部に変更した以外は実施例1と同様に可逆性感熱記録材料を作製した。
実施例1で使用した平均粒径1.2μmのシリカ粒子(東ソー・シリカ製ニップシールSS−50F)10部を使用しなかった以外は実施例1と同様に可逆性感熱記録材料を作製した。
(比較例1)
実施例1で使用したジメチルシロキサン基およびアクリレート基を有する紫外線硬化型樹脂(BYK−UV3500、アクリレート基:2)3部を使用しなかった以外は実施例1と同様に可逆性感熱記録材料を作製した。
(比較例2)
実施例1で使用したジメチルシロキサン基およびアクリレート基を有する紫外線硬化型樹脂(BYK−UV3500、アクリレート基:2)3部をシリコーンオイル(BYK−Chemie GmbH製BYK−334)3部に変更した以外は実施例1と同様に可逆性感熱記録材料を作製した。
(比較例3)
(E)最表層形成用塗液の作製
架橋型紫外線吸収性ポリマー(日本触媒製UV−A11、40%溶液、官能基:水酸基)50部、架橋型シリコーングラフトポリマー(東亞合成製レゼダGS−1015、45%溶液、官能基:水酸基)4部、平均粒径1.2μmのシリカ粒子(東ソー・シリカ製SS−50F)10部、メチルエチルケトン60部をよく混合し、イソシアネート系硬化剤(日本ポリウレタン工業製コロネート−HX)8部を加えよく混合し、最表層形成用塗液を作製した。
実施例1の(C)で作製した最表層形成用塗液を(E)で作製した最表層形成用塗液に変更し、実施例1で作製した中間層まで塗工を行った材料上に固形分塗工量が3.0g/m2となる様に塗工し、100℃で2分間乾燥後、60℃24時間のキュアーを行って可逆性感熱記録材料を作製した。
(比較例4)
(F)最表層形成用塗液の作製
ジムロート、滴下ロート、温度計、窒素同入管、攪拌装置を備えた1Lのセパラブルフラスコに、2−ヒドロキシ−4−メタクリロイルオキシベンゾフェノン40g、シリコーンマクロマー(チッソ製サイラプレーンFM−0711、重量平均分子量1,000)60g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート80g、メタクリル酸メチル20g、連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン2g、有機溶剤としてメチルエチルケトン200gを加え、窒素導入管から窒素を吹き込みながら50℃まで昇温する。その後、アゾビスイソブチロニトリル1.0gを少量のメチルエチルケトンに溶解させたものを30分かけて滴下し、滴下終了後70℃まで昇温し、8時間反応を行い、重合性(メタ)アクリレート基を有さないシリコーン含有高分子紫外線吸収剤を作製した。このシリコーン含有高分子紫外線吸収剤100gに対し、シリコーン系ハードコート剤(東芝シリコーン製トスガード510)400g、平均粒径1.2μmのシリカ粒子(東ソー・シリカ製SS−50F)50部を加え撹拌し混合して、最表層形成用塗液を作製した。
実施例1の(C)で作製した最表層形成用塗液を(F)で作製した最表層形成用塗液に変更し、実施例1で作製した中間層まで塗工を行った材料上に固形分塗工量が3.0g/m2となる様に塗工し、150℃で30分間乾燥させ可逆性感熱記録材料を作製した。
(比較例5)
(G)最表層形成用塗液の作製
ジムロート、滴下ロート、温度計、窒素同入管、攪拌装置を備えた1Lのセパラブルフラスコに、2−ヒドロキシ−4−メタクリロイルオキシベンゾフェノン40g、シリコーンマクロマー(チッソ製サイラプレーンFM−0711、重量平均分子量1,000)60g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート80g、メタクリル酸メチル20g、連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン2g、有機溶剤としてメチルエチルケトン200gを加え、窒素導入管から窒素を吹き込みながら50℃まで昇温する。その後、アゾビスイソブチロニトリル1.0gを少量のメチルエチルケトンに溶解させたものを30分かけて滴下し、滴下終了後70℃まで昇温し、8時間反応を行い、重合性(メタ)アクリレート基を有さないシリコーン含有高分子紫外線吸収剤を作製した。このシリコーン含有高分子紫外線吸収剤50部、ポリエステルポリオール(大日本インキ化学工業製バーノック11−408、水酸基価(ソリッド)286、不揮発分70%)100部、メチルエチルケトン800部とともにボールミルで12時間分散し、次いでイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業製コロネートL、NCO含有量13.2%、不揮発分75%)140部、平均粒径1.2μmのシリカ粒子(東ソー・シリカ製SS−50F)30部、メチルエチルケトン50部を加え良く混合し、最表層形成用塗液を作製した。
実施例1の(C)で作製した最表層形成用塗液を(G)で作製した最表層形成用塗液に変更し、実施例1で作製した中間層まで塗工を行った材料上に固形分塗工量が3.0g/m2となる様に塗工し、100℃で2分間乾燥後、60℃24時間のキュアーを行って可逆性感熱記録材料を作製した。
(比較例6)
実施例1で使用したウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂(大日本インキ化学工業製C7−157)100部、ジメチルシロキサン基およびアクリレート基を有する紫外線硬化型樹脂(BYK−Chemie GmbH製BYK−UV3500、アクリレート基:2)3部をフッ素系紫外線硬化型樹脂(大日本インキ化学工業製DEFENSA 239−1)100部に変更し、メチルエチルケトン100部を追加して、塗工し、照射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下を9m/分の搬送速度で通して硬化させて、固形分塗工量3.0g/m2の最表層を設け、可逆性感熱記録材料を作製した。
試験1(発色濃度と消去性試験)
実施例1〜9および比較例1〜6で作製した可逆性感熱記録材料に、京セラ製印字ヘッドKJT−256−8MGF1付き大倉電気製感熱ファクシミリ印字試験機TH−PMDを用いて、印加パルス1.1ミリ秒で印加電圧26ボルトの条件で印字した。さらに、その一部を熱スタンプを用いて140℃でそれぞれ1秒間加熱した。地肌部と、得られた発色部の濃度、及び消去性(消色部と地肌部との濃度差)を濃度計マクベスRD918を用いて測定した。結果を表1に示す。
試験2(実機繰り返し消去印字試験)
実施例1〜9および比較例1〜6で得た可逆性感熱記録材料を、三和ニューテック製プリンター(ABS−3001KMT)の印字テストモード(印字スピード69mm/s、サーマルヘッド抵抗値450Ω)で印字テストを行い、次いで消去する作業を2分間隔で300回繰り返し、終了後の印字の状態と記録媒体の表面状態を目視で観察し、下記の3段階評価にて評価した。結果を表1に示す。
◎:画像部は良好な発色状態で、表面に傷がほとんど見られなかった。
○:画像部は良好な発色状態であるが、表面にやや傷が見られた。
×:画像部の劣化が著しく、表面がただれていた。
試験3(光沢度測定)
実施例1〜9および比較例1〜6で得た可逆性感熱記録材料表面の光沢度を光沢度計(堀場製作所製GLOSS CHECKER IG−330)で入射角60°にて測定し、さらに試験2で得られた消去部の光沢度も測定した。結果を表1に示す。
試験4(塗膜の付着性試験)
実施例1〜9および比較例1〜6で得た可逆性感熱記録材料表面に対し、JIS−K−5400に準拠するように1mm幅の碁盤目テープ法で塗膜の付着性試験を行った。試験の結果が8点以上であれば実用域と見なした。結果を表1に示す。
Figure 2005254668
試験5(防汚性試験)
実施例1〜9および比較例1〜6で得た可逆性感熱記録材料の最表層面側に、軸受油(コスモ石油製マイティスーパー2、ISO VG 2)、摺動面油(コスモ石油製コスモNEWダイナウェイ32、ISO VG 32)、およびギヤー油(コスモ石油製コスモギヤーMO320、ISO VG 320)(それぞれA、B、およびCとする)をそれぞれ1滴垂らし、24時間放置した後、紙タオル(クレシア製キムタオル)にて拭き取り性を確認し、防汚性試験を行った。また、試験2で行った実機繰り返し消去印字試験後にも同様に拭き取り性を確認し、防汚性試験を行い、下記の3段階評価にて評価した。評価結果を表2に示す。
◎:問題なく拭き取ることができた。
○:数回擦るだけで、拭き取ることができた。
×:汚れ跡が残った。
試験6(加筆性試験)
実施例1〜9および比較例1〜6で得た可逆性感熱記録材料の最表層面側に、ホワイトボード用マーカー(サクラ製油性サクラ白板マーカー)にて、加筆を行い、はじくことがないかを確認した。さらに、10分後、紙タオル(十条キンバリー製キムタオル)にて拭き取り性を確認し、繰り返し加筆ができるかを確認した。また、試験2で行った実機繰り返し消去印字試験後にも同様に加筆性試験を行い、下記の3段階評価にて評価した。評価結果を表2に示す。
◎:全くはじくことなく、また、問題なく拭き取ることができた。
○:多少のはじきは見られるが、加筆性に大きな問題なく、また、問題なく拭き取ることができた。
×1:はじきが著しく加筆性に問題がある。
×2:拭き取り性に問題があり汚れ跡が残った。
表1および表2の結果から、シリコーン含有高分子紫外線吸収剤を用いたもの以外はいずれも初期の発色と消色にはほとんど問題が無いものの、ジメチルシロキサン基およびアクリレート基を有する紫外線硬化型樹脂を用いなかったものは、防汚性が無いか、または加筆性が悪かった。フッ素系紫外線硬化型樹脂を用いると初期の加筆性が悪く、印字後消去した部分の光沢度が上昇し、元の画像が認識できる結果であった。また、繰り返し強度も若干悪かった。シリコーンオイルを用いたものは初期のみ防汚性が良好であり、繰り返し印字消去により防汚性が悪化していた。架橋型シリコーングラフトポリマーは、繰り返し印字消去後の防汚性が悪化しており、硬化が不十分ではないかと思われる。シリコーン含有高分子紫外線吸収剤とシリコーン系ハードコート剤を組み合わせたものは地肌部濃度が高く、また、繰り返し印字消去後の防汚性が悪化していた。さらには、塗膜の付着性試験の結果、著しく悪いことが判明した。高温、長時間での乾燥過程が染料前駆体を劣化させ地肌濃度を高くしたのではないかと考える。さらに、硬化が不十分な為と思われる低い繰り返し強度や低い防汚性が判明した。シリコーン含有高分子紫外線吸収剤とポリオールおよびイソシアネート化合物による熱硬化による層形成でも耐熱性が不十分であり、繰り返し強度が低いものであった。ジメチルシロキサン基およびアクリレート基を有する紫外線硬化型樹脂の含有率が10%を超えるとやや繰り返し強度が下がり、含有率が0.05%を下回ると防汚性がやや悪くなることが分かる。最表層に顔料を用いなかったものは、繰り返し印字消去後の表面の傷つきがあった。これらのことにより、本発明によって、実用的な可逆性感熱記録材料として用いることが可能であった。
Figure 2005254668
高コントラスト、高感度な記録画像の形成と消去が多数回にわたって可能であり、防汚性が繰り返し印字と消去を行っても変化せず、加筆性が十分ある本発明の可逆性感熱記録材料を用いたICや磁気カードは情報を可視化する目的で使用される。

Claims (4)

  1. 支持体上に、通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体、及び加熱後の冷却速度の違いにより該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤とを主成分として含有する可逆性感熱記録層と、該可逆性感熱記録層上に紫外線硬化型樹脂を主として含有する最表層を設けた可逆性感熱記録材料において、該最表層が同一分子内にジメチルシロキサン基および(メタ)アクリレート基を有する紫外線硬化型樹脂を含有することを特徴とする可逆性感熱記録材料。
  2. 前記ジメチルシロキサン基および(メタ)アクリレート基を有する紫外線硬化型樹脂が分子内に(メタ)アクリレート基を1ないし4個含有する紫外線硬化型樹脂であることを特徴とする請求項1記載の可逆性感熱記録材料。
  3. 前記最表層がジメチルシロキサン基および(メタ)アクリレート基を有する紫外線硬化型樹脂を最表層の質量に対して0.05〜10質量%含有することを特徴とする請求項1または2に記載の可逆性感熱記録材料。
  4. 前記最表層に顔料を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の可逆性感熱記録材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009113274A (ja) * 2007-11-05 2009-05-28 Toppan Printing Co Ltd 化粧シート
JP2014040075A (ja) * 2012-08-23 2014-03-06 Osaka Sealing Printing Co Ltd 感熱紙、および該感熱紙を用いたラベル

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