JP2006231842A - 可逆性感熱記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】高コントラスト、高感度な記録画像の形成あるいは消去が多数回にわたって可能であり、広いエネルギー範囲にわたる安定した画像消去性を実現する優れた可逆性感熱記録材料を提供すること。
【解決手段】基材上に、通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体、及び加熱後の冷却速度の違いにより該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤とを主成分として含有する可逆性感熱記録層と、少なくとも1層の中間層及び保護層とをこの順に設けた可逆性感熱記録材料に於いて、該可逆性感熱記録層上に設けた中間層の表面の算術平均粗さRaが0.2μm以下であることを特徴とする可逆性感熱記録材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱エネルギーを制御することにより記録画像の形成と消去とを繰り返し可能な可逆性感熱記録材料に関する。
近年、一時的な画像の形成が行なえ、不要となった時にはその画像の消去が出来るようにした可逆性感熱記録材料が注目されている。その代表的なものとしては、通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱によりこの染料前駆体を発色させ、これを再加熱して消色させる可逆性顕色剤を用いた可逆性感熱記録材料が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。この記録材料によれば、高コントラストで高感度な記録画像の形成と消去が多数回にわたって可能であり、ICカードや磁気カード等の媒体において、カード内の情報を可視化する目的で広く使われるようになってきた。
このような可逆性感熱記録材料は、連続して多数の媒体の記録画像を書き換えるようなアプリケーションも多く見られ、記録画像の消去と再形成にかかる所用時間を極力短くすることが望まれている。こうした背景から、消去印字装置に於いては、サーマルヘッド等の画像記録手段(消去手段)により所定の熱エネルギーを短時間で印加するため、その結果記録材料にかかる熱的負荷は大きくなる傾向にあり、材料自身の感度や消去印字条件のラチチュードを向上することも重要である。
また、可逆性感熱記録材料の構成としては、基材上に通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体、及び加熱後の冷却速度の違いにより該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤等の主成分を分散マトリクスとしてバインダー樹脂で成膜して成る可逆性感熱記録層と、画像耐光性や繰り返し消去印字時の耐久性を確保するために可逆性感熱記録層上に単独もしくは複数の中間層、及び保護層を積層して設けることが一般的である。
しかしながら、可逆性感熱記録材料に於ける可逆性感熱記録層は、可逆性顕色剤等の有機物が分散されて形成されているため、形成された層表面は平滑度に乏しいものである。このような場合、発色消色マトリクスへの熱の伝わり方が均一でなくなる傾向となり、消去エネルギーを大きくした際のカブリが早くなり、記録画像の消去にかかる所用時間が長くなる傾向となる。実際には中間層及び保護層を形成することにより、熱拡散により感熱組成物への熱の伝わり方が平均化される傾向となるが、良好な消去性を実現するには中間層及び保護層の厚みをある程度大きくする必要がある一方、厚みが大きくなると感熱特性の感度が低下してしまい、処理時間が長くなるため実用的ではなくなってしまうという問題があった。また、保護層表面の粗さを小さくして平滑性を極力向上することにより、感熱特性の感度を向上することは可能であるが、繰り返し耐久性を維持するためには保護層表面の平滑度を下げてバランスを取る必要があるため実用的な対策とはならない(例えば、特許文献4参照)。
特開平6−171225号公報 特開平6−210954号公報 特開平7−68934号公報 特開平8−156410号公報
したがって、本発明の課題は、高コントラスト、高感度な記録画像の形成あるいは消去が多数回にわたって可能であり、広いエネルギー範囲にわたる安定した画像消去性を実現する優れた可逆性感熱記録材料を提供することにある。
本発明は、基材上に、通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体、及び加熱後の冷却速度の違いにより該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤とを主成分として含有する可逆性感熱記録層と、少なくとも1層の中間層及び保護層とをこの順に設けた可逆性感熱記録材料に於いて、該可逆性感熱記録層上に設けた中間層の表面の算術平均粗さRaが0.2μm以下であることを特徴とする可逆性感熱記録材料によっても提供される。
その上、上記課題は、前記可逆性感熱記録層上に設けた中間層の厚みが0.8μm以上3.0μm以下の範囲である前記の可逆性感熱記録材料によっても好適に達成される。
すなわち、本発明者らは上記のような問題点を解消し、バランスのとれた品質適性を有する可逆感熱記録材料について研究した結果、可逆性感熱記録層へ伝わる熱を少しでも均一化すれば良いことに着目し、可逆性感熱記録層上に続けて設けた中間層の表面粗さをなるべく小さくして表面を平滑にすることにより、熱エネルギーが可逆性感熱記録層へ伝わる直前に均一化されるようにすることによっても、広いエネルギー範囲で安定した画像消去性が得られることを見いだした。また、中間層の厚みの領域を限定することによって、さらに均一な熱の拡散と発消色時の感熱感度のバランスが取りやすいものとなる。
本発明によれば、高コントラスト、高感度な記録画像の形成あるいは消去が多数回にわたって可能であり、広いエネルギー範囲にわたる安定した画像消去性を実現する優れた可逆性感熱記録材料が提供される。
本発明に用いられる、加熱により染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤としては、公知のものを使用することができる。中でも下記一般式(1)で表されるものが好ましいが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2006231842
一般式(1)に於いて、Xa及びXbはそれぞれ同じであっても、異なっていてもよい酸素原子、硫黄原子または両末端に炭化水素原子団を含まない−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基を表す。ここで−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基の具体例としては、アミド(−CONH−、−NHCO−)、尿素(−NHCONH−)、ウレタン(−NHCOO−、−OCONH−)、ジアシルアミン(−CONHCO−)、ジアシルヒドラジン(−CONHNHCO−)、シュウ酸ジアミド(−NHCOCONH−)、アシル尿素(−CONHCONH−、−NHCONHCO−)、セミカルバジド(−NHCONHNH−、−NHNHCONH−)、アシルセミカルバジド(−CONHNHCONH−、−NHCONHNHCO−)、ジアシルアミノメタン(−CONHCH2NHCO−)、1−アシルアミノ−1−ウレイドメタン(−CONHCH2NHCONH−、−NHCONHCH2NHCO−)、マロンアミド(−NHCOCH2CONH−)等の基が挙げられる。R1は単結合または炭素数1から12の二価の炭化水素基を表す。R2は炭素数1から18の二価の炭化水素基を表す。好ましくは炭素数1から4の二価の炭化水素基である。R3は炭素数1から24の一価の炭化水素基を表し、好ましくは炭素数6から24の炭化水素基であり、より好ましくは炭素数8から24の炭化水素基である。更に、R1、R2及びR3の炭素数の和が11以上35以下である場合が特に好ましい。R1、R2及びR3は主として、各々アルキレン基及びアルキル基を表す。R1の場合は、芳香環を含んでいてもよい。mは0から4の整数を表し、mが2以上のとき繰り返されるR2及びXbは同一であっても異なっていてもよい。
本発明に用いられる一般式(1)で示される可逆性顕色剤において、mが0で、Xaが両末端に炭化水素原子団を含まない−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基であるものが特に好ましい。
以下に一般式(1)で表される具体的化合物を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]カルバミン酸−n−オクタデシル、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキシル]カルバミン酸−n−テトラデシル、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]カルバミン酸−n−ドデシル、N−n−オクタデシルカルバミン酸−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]、N−n−デシルカルバミン酸−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカニル]、N−n−テトラデシルカルバミン酸−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N−n−オクタデカノイルアミン、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノイル]−N−n−オクタデカノイルアミン、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N−(p−n−オクチルベンゾイル)アミン、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセト]−N′−n−ドデカノヒドラジド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセト]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセト]−N′−n−ドコサノヒドラジド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−ドコサノヒドラジド、N−[3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−ドコサノヒドラジド、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノ]−N′−n−テトラデカノヒドラジド、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[6−(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサノ]−N′−(p−n−オクチルベンゾ)ヒドラジド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニルオキシ)ウンデカノ−N′−11−ドデセノヒドラジド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノ−N′−n−テトラデカノヒドラジド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノ−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノ−N′−(6−フェニル)ヘキサノヒドラジド、N−[11−(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)ウンデカノ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニルメチル)ベンゾ]−N′−n−オクタデカノヒドラジド、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−テトラデシルオキサミド、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピル]−N′−n−オクタデシルオキサミド、N−[3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピル]−N′−n−オクタデシルオキサミド、N−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカニル]−N′−n−デシルオキサミド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−N′−n−オクタデシルオキサミド、N−(p−ヒドロキシフェニル)−N′−n−ドデシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセチル]−N′−n−オクタデシル尿素、N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−N′−n−オクタデシル尿素、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−N′−n−オクタデシル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−ドデカノイル尿素、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−オクタデカノイル尿素、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−N′−n−オクタデカノイル尿素、4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−テトラデシルセミカルバジド、4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−オクタデシルセミカルバジド、4−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−1−n−テトラデシルセミカルバジド、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−n−テトラデシルセミカルバジド、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−n−オクタデシルセミカルバジド、1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−4−n−テトラデシルセミカルバジド、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセチル]−4−n−テトラデシルセミカルバジド、1−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]−4−n−オクタデシルセミカルバジド、1−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカノイル]−4−n−デシルセミカルバジド、1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾイル]−4−n−オクタデシルセミカルバジド、4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−テトラデカノイルセミカルバジド、4−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−1−n−オクタデデカノイルセミカルバジド、4−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−1−n−オクタデカノイルセミカルバジド、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセトアミド]−1−n−ドデカノイルアミノメタン、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセトアミド]−1−n−オクタデカノイルアミノメタン、1−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド]−1−n−オクタデカノイルアミノメタン、1−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカンアミド]−1−n−デカノイルアミノメタン、1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンズアミド]−1−n−オクタデカノイルアミノメタン、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセトアミド]−1−(3−n−ドデシルウレイド)メタン、1−[2−(p−ヒドロキシフェニル)アセトアミド]−1−(3−n−オクタデシルウレイド)メタン、1−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド]−1−(3−n−オクタデシルウレイド)メタン、1−[11−(p−ヒドロキシフェニル)ウンデカンアミド]−1−(3−n−デシルウレイド)メタン、1−[p−(p−ヒドロキシフェニル)ベンズアミド]−1−(3−n−オクタデシルウレイド)メタン、1−{3−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]ウレイド}−1−n−オクタデカノイルアミノメタン、1−{3−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]ウレイド}−1−n−オクタデカノイルアミノメタン、N−[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]−N′−n−オクタデシルマロンアミド、N−[p−(p−ヒドロキシフェニル)フェニル]−N′−n−オクタデシルマロンアミド、N−4−チアヘキサデカノイル−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノイルアミド、N−12−チアドコサノイル−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノイルアミド、N−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノ−N′−4−オキサヘキサデカノヒドラジド、N−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノ−N′−4−チアヘキサデカノヒドラジド、N−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノ−N′−12−オキサドコサノヒドラジド、N−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノ−N′−12−チアドコサノヒドラジド、 N−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノ−N′−4−チアヘキサデカノオキサミド、N−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノ−N′−12−オキサドコサノオキサミド、N−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノ−N′−12−チアドコサノオキサミド、 N−p−ヒドロキシフェニルエチル−N′−12−チアドコシルオキサミド、N−p−ヒドロキシベンジル−N′−12−チアドコシル尿素、N−p−ヒドロキシベンジル−N′−12−オキサドコシル尿素、1−(p−ヒドロキシフェニルエチル)−4−(12−チアドコシル)セミカルバジド、1−(p−ヒドロキシベンジル)−4−(12−チアドコシル)セミカルバジド、等が挙げられる。
本発明に用いられる、一般式(1)で示される可逆性顕色剤はそれぞれ1種または2種以上を混合して使用してもよく、通常無色ないし淡色の染料前駆体に対する使用量は、5〜5000質量%、好ましくは10〜3000質量%である。
本発明に用いられる、通常無色ないし淡色の染料前駆体としては、一般に感圧記録紙や感熱記録紙等に用いられるものがよく知られている。具体的な例としては、例えば下記に挙げるものなどがあるが、本発明はこれに限定されるものではない。またこれら染料前駆体は、それぞれ1種または2種以上を混合して使用してもよい。
(1)トリアリールメタン系化合物
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−n−ヘキシルオキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジメチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等、
(2)ジフェニルメタン系化合物
4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等、
(3)キサンテン系化合物
ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェノキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−メチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル)トリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル)トリルアミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル)プロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル)イソアミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル)シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル)テトラヒドロフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等、
(4)チアジン系化合物
ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等が挙げられる。
(5)スピロ系化合物
3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン等が挙げられる。
本発明に係る可逆性感熱記録層には、その他に脂肪酸誘導体等の消色促進剤、ケイソウ土、クレー、焼成クレー、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化珪素、水酸化アルミニウム、澱粉粒子、尿素−ホルマリン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、シリコーン粒子等の顔料や、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン等のワックス類を、単独もしくは2種以上含有させることができる。また、レベリング剤、分散剤、界面活性剤、蛍光染料などを1種以上含有させることもできる。
本発明に係る可逆性感熱記録層を得るために使用されるバインダーとしては耐熱性を有するものであれば良く、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を適用することが可能であるが、耐熱性の点から熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂を適用する場合は架橋剤を含む液を塗工、成膜した後に熱により架橋させて用いる。熱硬化性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、尿素樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、及びポリオール樹脂等が挙げられる。またこれらの熱硬化性樹脂に使用される硬化剤は、有機酸類、アミン類、イソシアネート類、エポキシ類、フェノール類等が挙げられるが、熱硬化性樹脂の種類により好適な反応性のものを選定すれば良い。特にこれらの中で、特開平10−230680号公報や同11−58963号公報に記載の、ポリオール樹脂をイソシアネート化合物で熱硬化して得られる架橋樹脂であることが好ましい。
本発明に係る可逆性感熱記録層におけるバインダーの使用量としては、該可逆性感熱記録層全質量に対する該バインダー成分の質量百分率が35%以上65%以下の範囲内であることが好ましい。この範囲より大きくなると発色濃度が低下する傾向を示し、逆にこの範囲より小さくなると、可逆性感熱記録層の耐熱性や機械的強度が低下し、層の変形や発色濃度の低下が起こることがある。可逆性感熱記録層における該バインダー成分の質量百分率は、40%以上60%以下がより好ましく、45%以上55%以下がなお一層好ましい。
本発明に係る可逆性感熱記録層の膜厚は該可逆性感熱記録層の組成と所望発色濃度により決定されるものであり、具体的には、0.5〜20μmの範囲が好ましく、3〜15μmがより好ましい。さらに、該記録層の形成に際しては、染料前駆体や可逆性顕色剤等の組成物を熱硬化性樹脂及び硬化剤と共に混合した分散液を基材上に塗工するが、必要に応じて、熱硬化性樹脂及び硬化剤と非反応性の溶剤で希釈して使用することもできる。使用できる溶剤としては、バインダー樹脂を溶解し、且つ染料前駆体や可逆性顕色剤等の組成物を分散・溶解させるものが好ましい。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチルエーテル等のエステル系、ジエチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、グリコールジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン等の芳香族炭化水素系、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クレゾール等の塩素化炭化水素、N,N−ジメチルホルムアルデヒド、ペンタン、ヘキサン等のものが使用でき、これに限定されるものではないが活性水素を有しない有機溶媒を用いることが好ましい。
本発明に係る可逆性感熱記録層上に設ける中間層に用いられる樹脂としては、一般的な熱可塑性樹脂、あるいは熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、及び電子線硬化性樹脂等の硬化性樹脂を使用したものが好ましく、さらには、感熱消去印字の繰り返し処理に対する耐久性を満たすという観点から硬化性樹脂が好適であり、この中でも、層形成工程に於いて紫外線等により可逆性感熱記録層中の組成物やバインダーを劣化させにくいという点から、熱硬化性樹脂と硬化剤を含む液を塗工及び成膜した後に熱により架橋させたものがより好適に用いられる。熱硬化性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、尿素樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、及びポリオール樹脂等が挙げられる。またこれらの熱硬化性樹脂に使用される硬化剤は、有機酸類、アミン類、イソシアネート類、エポキシ類、フェノール類等が挙げられるが、熱硬化性樹脂の種類により好適な反応性のものを選定すれば良い。
さらに、本発明に係る中間層に好適に用いられる熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリオール樹脂をイソシアネート化合物で熱硬化して得られる架橋樹脂を用いることができる。ポリオール樹脂の具体的な一般例としては、ポリエステルポリオール樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂、アクリルポリオール樹脂、アルキドポリオール樹脂等が挙げられ、これらのポリオール樹脂は1種または2種以上混合して使用しても良い。ポリオールと混合使用されるイソシアネート化合物としては、これまで知られている各種のものを使用することができる。例えば、フェニレンジイソシアネート(PDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、4,4′−ジイソシアネートジフェニルメタン(MDI)等の芳香族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)等の芳香族脂肪族ジイソシアネート、水添TDI、水添XDI、水添MDI、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂肪族もしくは脂環族ジイソシアネートおよびこれらの誘導体であるポリオール付加物、ビュレット型、イソシアヌレート型、アダクト型などの3官能以上のポリイソシアネートの他、イソシアネートを含む各種のオリゴマー、ポリマーが挙げられる。使用されるポリオールとイソシアネート化合物の混合比は任意でよいが、所期の効果をよく発現するためにはポリオールの水酸基とイソシアネート化合物のイソシアネート基の当量比OH/NCOが5.0〜0.1の間で使用するのが好ましい。特にこれらの中で、特開平10−230680号公報や同11−58963号公報に記載の、ポリオール樹脂をイソシアネート化合物で熱硬化して得られる架橋樹脂であることが好ましい。
さらに、中間層には層強度、耐熱性、及び耐光性等を向上するために、ケイソウ土、クレー、焼成クレー、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、水酸化アルミニウム、澱粉粒子、尿素−ホルマリン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、シリコーン粒子、有機紫外線吸収剤等の顔料を、単独もしくは2種以上含有させることができる。これらの顔料は、平均粒径3.0μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好適である。これより粒径が大きいと表面の粗さが大きくなり消去感度に影響を及ぼす。また、同層内にはレベリング剤、分散剤、界面活性剤、蛍光染料などを1種以上含有させることもできる。
本発明に係る可逆性感熱記録層上に設ける中間層の膜厚は0.8μm以上3.0μm以下の範囲が好ましい。これより薄いと下層の可逆性感熱記録層の平滑度が低い場合に粗面の影響を緩和することが難しく、また厚いと印字及び消去感度の低下が問題となってくる。
本発明に係る中間層の形成に際しては、必要に応じて、熱硬化性樹脂及び硬化剤と非反応性の溶剤で希釈して使用することもできる。使用できる溶剤としては、使用する樹脂を溶解させるものが好ましい。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチルエーテル等のエステル系、ジエチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、グリコールジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン等の芳香族炭化水素系、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、クレゾール、クロロベンゼン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素、N,N−ジメチルホルムアルデヒド、ペンタン、ヘキサン等のものが使用でき、これに限定されるものではないが活性水素を有しない有機溶媒を用いることが好ましい。また、上記ポリオール樹脂とイソシアネート化合物の架橋反応は、反応温度10〜180℃が好ましく、50〜160℃がより好ましい。反応時間は、0.1〜100時間が好ましい。なお、反応温度が低い場合は、長時間を要し、高温では短時間で済むことは言うまでもない。
本発明に係る中間層表面の算術平均粗さの測定は、JIS B0601-1994記載の方法によっておこなうことができる。ここで、測定方式は物理接触方式でも可能であるが、本発明に係る材料の場合、接触方式の場合は測定時に表面を傷つけたりして正確な測定が不可能となることがあるため、レーザー顕微鏡等のレーザーピックアップによる非接触方式で測定することが好ましい。条件にもよるが、非接触方式の場合は、中間層上に保護層等の層を積層した状態に於いても測定可能となる。
本発明に係る保護層には、スチレン無水マレイン酸共重合体、メラミン−ホルマリン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂等を用いることができるが、機械的強度や耐熱性の点から紫外線硬化樹脂が好ましい。紫外線硬化樹脂の具体例としては、例えば特開平6−344672号公報に記載されているようなエチレン性不飽和結合を有する化合物がある。これらの化合物の紫外線による硬化を効率よく進めるために、トリクロロアセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール等の光反応開始剤を使用できる。保護層の厚みは1.0〜5.0μmが好ましい。これより薄いと記録画像の形成と消去を多数回にわたって繰り返すことができず、また厚いと記録感度が低下する。保護層は複数の構成であってもよい。最終的に、可逆性感熱記録層表面から保護層表面の合計厚みは1.5μm以上7.0μm以下であれば、印字感度と消去性のバランスをより好適に得ることが可能である。
さらに、保護層にはスティッキングやヘッド摩耗を防止、ないしは減少させるため、ケイソウ土、クレー、焼成クレー、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、水酸化アルミニウム、澱粉粒、尿素−ホルマリン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、シリコーン粒子等の顔料や、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスターワックス等のワックス類を、単独もしくは2種以上含有させることができる。また、レベリング剤、分散剤、界面活性剤、蛍光染料などを1種以上含有させることもできる。
本発明に用いられる基材としては、紙、各種不織布、織布、合成樹脂フィルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、金属箔等、あるいはこれらを組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用いることができ、透明、半透明或いは不透明のいずれであっても良い。また、これらに限定されるものでもない。
本発明の可逆性感熱記録材料の層構成は、基材上に可逆性感熱記録層、前記中間層、及び保護層をこの順に設ければ良いが、必要に応じて、前記中間層と保護層の間にさらに中間層を設けることや、基材と可逆性感熱記録層の間に断熱層を設けることもできる。さらに、可逆性感熱記録層が設けられている面および/または反対側の面に、電気的、磁気的、光学的に情報が記録可能な材料を含んでも良い。また、可逆性感熱記録層が設けられている面と反対側の面にカール防止、帯電防止を目的としてバックコート層を設けることもできる。
可逆性感熱記録層、中間層、及び保護層のいずれの層においても、紫外線吸収剤を含有させることができる。紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸フェニルエステル系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−オクトキシ)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート等のアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、または2種類以上を併用してもよい。
本発明に用いられる可逆性感熱記録材料の発色を行うには、加熱に引き続き急速な冷却が起これば良く、例えばサーマルヘッド、レーザー光等による加熱により可能である。また、加熱後ゆっくり冷却すれば消色し、例えば熱ロール、熱スタンプ、サーマルヘッド、高周波加熱、熱風、電熱ヒーター或いはハロゲンランプ等の光源からの輻射熱等を用いることにより行える。加熱に使用するレーザーとしては半導体レーザーやYAGレーザーを挙げることができるが、これらに限定されない。これらのレーザー光による加熱を効率よく行うためには、可逆性感熱記録層中に近赤外部に吸収を有する光熱変換材料を含有させるか、あるいは、該光熱変換材料を含有する光熱変換層を可逆性感熱記録層に直接隣接して設けることが好ましい。近赤外部に吸収を有する光熱変換材料としては、たとえば白金、チタン、シリコン、クロム、ニッケル、ゲルマニウム、アルミニウムなどの金属または半金属の層、日本化薬製のIRG002(商品名)やIRG022(商品名)等のインモニウム化合物、金属錯体化合物、シアニン色素、スクワリリウム色素、ナフトキノン色素、フタロシアニン化合物等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。好ましい光熱変換材料としては、光熱変換効率、溶剤への溶解性、樹脂への分散性の点でフタロシアニン化合物及び金属錯体化合物が挙げられる。光熱変換材料は単独使用はもとより、2種類以上を混合して用いることができる。その添加量は1mg/m2から200mg/m2が適当であり、5mg/m2から50mg/m2が好ましい。この量より少ないと画像消去に必要なエネルギーを十分に低減できず、印字消去の繰り返し特性が劣化することがある。またこの量より多いと、光熱変換材料が若干なりとも有している可視部の吸収が大きくなりすぎて画像の視認性が低下することがある。
本発明の可逆性感熱記録材料を構成する各層を基材上に形成する方法は特に制限されるものではなく、従来の方法により形成することができる。例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、カーテンコーター、ロールコーター等の塗抹装置、平板、凸版、凹版、フレキソ、グラビア、スクリーン、ホットメルト等の方式による各種印刷機等を用いることができる。さらに通常の乾燥工程の他、必要に応じて紫外線照射または電子線照射により各層を保持させることができる。これらの方法により、1層ずつあるいは多層同時に塗布、印刷することができる。
以下実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部数や百分率は質量基準である。
(A)可逆性感熱記録層の形成
染料前駆体である3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(融点183℃)20部、可逆性顕色剤であるN−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−N′−n−ドコサノヒドラジド(融点169℃)100部、及びポリエステルポリオール87部(武田薬品工業社製タケラックU−21)、メチルエチルケトン950部の混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで5時間分散し分散液を得た。次いで得られた分散液にイソシアネート化合物144部(日本ポリウレタン工業社製コロネートL)とメチルエチルケトン62部を加え、よく混合し可逆性感熱記録層用塗液を作製した。この塗液を用いて、厚さ250μmの白色ポリエチレンテレフタレート(PET)シートに、層形成後の厚さが8μmとなる様に塗布し、100℃で2分乾燥後、さらに50℃にて48時間加温し、可逆性感熱記録層1を形成した。このとき、可逆性感熱記録層表面の算術平均粗さRaをザイゴ社製NewView5010で測定したところ、0.27であった。
実施例1
ポリエステルポリオール樹脂溶液100部(三井化学社製Q161−45)、イソシアネート化合物溶液41部(日本ポリウレタン工業社製コロネートHX)、及びメチルエチルケトン160部をよく混合した後、得られた塗布液を上記の可逆性感熱記録層上に塗布し、120℃で2分乾燥後、さらに50℃にて48時間加温し、膜厚2μmの中間層を設けた。このとき、中間層表面の算術平均粗さRaをザイゴ社製NewView5010で測定したところ、0.02であった。さらにその後、アロニックスM8030(東亜合成製)95部、イルガキュア500(日本チバガイギー製)5部、軽質炭酸カルシウムBr−15(白石工業製)15部、メチルエチルケトン385部の分散混合液を塗布し、110℃で1分間乾燥した後、照射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下を9m/分の搬送速度で通して硬化させ、膜厚2.5μmの保護層を設けて、可逆感熱記録材料を作製した。ちなみにこのときの保護層表面の算術平均粗さRaは0.37μmであった。
実施例2
実施例1で中間層の厚みを1.0μmとしたことを除いては、実施例1と同様にして可逆性感熱記録材料を作製した。このとき中間層表面の算術平均粗さRaは0.09μmであり、保護層表面の算術平均粗さRaは0.38μmであった。
実施例3
実施例1で中間層の厚みを0.6μmとしたことを除いては、実施例1と同様にして可逆性感熱記録材料を作製した。このとき中間層表面の算術平均粗さRaは0.13μmであり、保護層表面の算術平均粗さRaは0.41μmであった。
実施例4
実施例1で中間層の厚みを2.8μmとしたことを除いては、実施例1と同様にして可逆性感熱記録材料を作製した。このとき中間層表面の算術平均粗さRaは0.02μmであり、保護層表面の算術平均粗さRaは0.36μmであった。
実施例5
実施例1で中間層の厚みを3.2μmとしたことを除いては、実施例1と同様にして可逆性感熱記録材料を作製した。このとき中間層表面の算術平均粗さRaは0.02μmであり、保護層表面の算術平均粗さRaは0.37μmであった。
実施例6
実施例1で中間層に用いた塗布液の代わりに、ポリエステルポリオール樹脂溶液100部(三井化学社製Q161−45)、イソシアネート化合物溶液41部(日本ポリウレタン工業社製コロネートHL)、平均粒径1.0μmの水酸化アルミニウム12部(昭和電工社製H−42)及び酢酸エチル312部を混合した塗布液を用いて1.5μmの厚みで中間層を設けた後、実施例1と同様にして厚み2.5μmの保護層を形成して可逆性感熱記録材料を作製した。このときの中間層面の算術平均粗さRaは0.18であり、保護層表面の算術平均粗さRaは0.40μmであった。
実施例7
ポリエステルポリオール樹脂溶液100部(三井化学社製Q161−45)、イソシアネート化合物溶液41部(日本ポリウレタン工業社製コロネートHX)、及びメチルエチルケトン160部をよく混合した後、得られた塗布液を上記の可逆性感熱記録層上に塗布し、120℃で2分乾燥後、さらに50℃にて48時間加温し、膜厚1.0μmの中間層を設けた。さらに、ポリエステルポリオール樹脂溶液100部(三井化学社製Q161−45)、イソシアネート化合物溶液41部(日本ポリウレタン工業社製コロネートHL)、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール15部、軽質炭酸カルシウム(白石工業社製Br−15)20部、及びメチルエチルケトン320部をよく混合分散した後、厚み1.5μmとなるよう中間層上に同様に第2の中間層を形成した。さらにその後、実施例1と同様にして、膜厚2.5μmの保護層を設けて、可逆感熱記録材料を作製した。このとき、中間層表面の算術平均粗さRaは0.02であり、第2の中間層表面の算術平均粗さRaは0.25であり、保護層表面の算術平均粗さRaは0.38μmであった。
比較例1
実施例1で中間層に用いた塗布液の代わりに、ポリエステルポリオール樹脂溶液100部(三井化学社製Q161−45)、イソシアネート化合物溶液41部(日本ポリウレタン工業社製コロネートHL)、平均粒径3.5μmの水酸化アルミニウム12部(昭和電工社製H−34)及び酢酸エチル312部を混合した塗布液を用いて、厚み2.5μmになるように中間層を形成したことを除いては、実施例1と同様にして可逆性感熱記録材料を作製した。このときの中間層面の算術平均粗さRaは0.22であり、保護層表面の算術平均粗さRaは0.41μmであった。
試験1(発色濃度と消去性試験)
実施例1〜11および比較例1で作製した可逆性感熱記録材料に、京セラ製印字ヘッドKJT−256−8MGF1付き大倉電気製感熱ファクシミリ印字試験機TH−PMDを用いて、印加パルス1.1ミリ秒で印加電圧26ボルトの条件で印字した。さらに、その一部を熱スタンプを用いて170℃で3カ所にそれぞれ0.6秒間加熱した。得られた発色部の濃度、及び消去性(消色部と地肌部との濃度差)を濃度計マクベスRD918を用いて測定した。発色部の濃度に関しては、本実施例に使用した可逆性感熱記録層では1.1以上であれば良く、消去性は、0.01以下であれば問題無しと見なされる。また、消色に関して、消色部の消え残りムラの度合いを目視で観察し、下記のレベルで評価した。結果を表1に示す。
◎:均一に消去された。
○:一部ムラがあるが、過熱発色カブリは発生しなかった。
×:過熱発色カブリが発生した。
試験2(実機繰り返し消去印字試験)
実施例1〜11および比較例1で得た可逆性感熱記録材料を、三和ニューテック製プリンター(ABS−3001KMT)の印字テストモード(印字スピード69mm/s、サーマルヘッド抵抗値450Ω)で印字テストを行い、次いで消去する作業を2分間隔で300回繰り返し、終了後のの印字の状態と記録媒体の表面状態を目視で観察し、下記のレベルで評価した。結果を表1に示す。
◎:画像部は良好な発色状態で、膜剥がれも見られなかった。
○:画像部は良好な発色状態であるが、やや膜剥がれが見られた。
×:数回で膜剥がれが発生し、繰り返し試験が継続できなかった。
表1の結果から、実施例1の構成に於いて、高温側でも均一な消去性を確保することが可能であり、且つ発色感度と繰り返し耐久性のバランスが良いものとなり、本発明の目的をより優位に達成するものであった。さらに、他の実施例2〜7に於いても、中間層の算術平均粗さRaを0.2以下とすることにより実用的な可逆性感熱記録材料として用いることが可能であった。
Figure 2006231842
高コントラストで高感度な記録画像の形成と消去が多数回にわたって可能な本発明の可逆性感熱記録材料を用いたICや磁気カードは情報を可視化する目的で使用される。さらに、高速消去印字を行う装置に於いて、十分な消去性により安定して長期間使用される。

Claims (2)

  1. 基材上に、通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体、及び加熱後の冷却速度の違いにより該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じせしめる可逆性顕色剤とを主成分として含有する可逆性感熱記録層と、少なくとも1層の中間層及び保護層とをこの順に設けた可逆性感熱記録材料に於いて、該可逆性感熱記録層上に設けた中間層の表面の算術平均粗さRaが0.2μm以下であることを特徴とする可逆性感熱記録材料。
  2. 前記可逆性感熱層上に設けた中間層の厚みが0.8μm以上3.0μm以下の範囲であることを特徴とする請求項1記載の可逆性感熱記録材料。
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