JP2008254177A - 可逆性感熱記録媒体、並びに可逆性感熱記録ラベル、可逆性感熱記録部材、画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体と、該支持体上に中間層と、該中間層上に電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物とを含有し、温度に依存して色調が可逆的に変化する感熱記録層を有し、前記電子受容性化合物が、下記一般式(1)で表される化合物を含有し、前記中間層が中空粒子を含有し、該中空粒子の中空率が70%以上であり、該中空粒子の最大粒子径(D100)が5.0μm〜10.0μmであり、該最大粒子径(D100)と、50%頻度の粒子径(D50)との比(D100/D50)が2.0〜3.0である可逆性感熱記録媒体である。
ただし、前記一般式(1)中、nは23以上の整数を表す。
【選択図】なし
Description
また、特許文献13には、感温ゲル化特性ラテックスと微小中空粒子とを含むアンダー層を設ける方法が提案されている。しかし、この方法の場合、感温ゲル化剤の塗工条件の調整が非常に難しく、大量生産には不向きである。
<1> 支持体と、該支持体上に中間層と、該中間層上に電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物とを含有し、温度に依存して色調が可逆的に変化する感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体において、
前記電子受容性化合物が、下記一般式(1)で表される化合物を含有し、
前記中間層が中空粒子を含有し、該中空粒子の中空率が70%以上であり、該中空粒子の最大粒子径(D100)が5.0μm〜10.0μmであり、該最大粒子径(D100)と、50%頻度の粒子径(D50)との比(D100/D50)が2.0〜3.0であることを特徴とする可逆性感熱記録媒体である。
<2> 一般式(1)中のnが27〜32の整数である前記<1>に記載の可逆性感熱記録媒体である。
<3> 粒子径が2μm以下である中空粒子の中空粒子全体における比率が、5%〜10%である前記<1>から<2>のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体である。
<4> 中空粒子が、架橋構造を有するビニル重合体からなる前記<1>から<3>のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体である。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体の画像形成面と反対側の面に、接着剤層及び粘着剤層のいずれかを有することを特徴とする可逆性感熱記録ラベルである。
<6> 情報記憶部と可逆表示部とを有し、かつ該可逆表示部が前記<1>から<4>のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体を有することを特徴とする可逆性感熱記録部材である。
<7> 情報記憶部が、カード、ディスク、ディスクカートリッジ及びテープカセットのいずれかである前記<6>に記載の情報記憶部を有する可逆性感熱記録部材である。
<8> 可逆性感熱記録媒体を加熱して該可逆性感熱記録媒体に画像を形成する画像形成手段、及び可逆性感熱記録媒体を加熱して該可逆性感熱記録媒体に形成された画像を消去する画像消去手段の少なくともいずれかを有してなり、該可逆性感熱記録媒体が前記<1>から<4>のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体であることを特徴とする画像処理装置である。
<9> 画像形成手段が、サーマルヘッドである前記<8>に記載の画像処理装置である。
<10> 画像消去手段が、サーマルヘッド及びセラミックヒータのいずれかである前記<8>から<9>のいずれかに記載の画像処理装置である。
<11> 可逆性感熱記録媒体を加熱して該可逆性感熱記録媒体に画像を形成する画像形成工程、及び、可逆性感熱記録媒体を加熱して該可逆性感熱記録媒体に形成された画像を消去する画像消去工程の少なくともいずれかを含み、該可逆性感熱記録媒体が前記<1>から<4>のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体であることを特徴とする画像処理方法である。
<12> 画像の形成が、サーマルヘッドを用いて行われる前記<11>に記載の画像処理方法である。
<13> 画像の消去が、サーマルヘッド及びセラミックヒータのいずれかを用いて行われる前記<11>から<12>のいずれかに記載の画像処理方法である。
本発明の可逆的感熱記録媒体は、支持体と、該支持体上に中間層と、該中間層上に電子供与性呈色性化合物(発色剤)と電子受容性化合物(顕色剤)とを含有する感熱記録層とを有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
これに対し、本発明の前記一般式(1)で表される化合物は、nが23以上であり、27以上が好ましく、27〜32がより好ましい。前記nが23未満であると、発色画像の保存性が低下することがあり、nが32を超えると、上記一般式(1)で表される化合物の中間体、及び合成反応物の物性的見地から合成することが困難となることがある。
これに対し、本発明においては、既に発泡させてある中空粒子を用い、該中空粒子の粒子径分布における最大粒子径(D100)が5.0μm〜10.0μmであり、該最大粒子径(D100)と50%頻度の粒子径(D50)との比(D100/D50)が2.0〜3.0である非常にシャープな分布になっているため、表面平滑性を高くすることができ、更に中間層内に閉める空気量も高くすることが可能になり、熱源との密着性を高くすると共に、高断熱性能を実現できる。その結果、上記一般式(1)で示される特定の化合物を用いた場合の特徴である消去性に優れる性能を保持したまま、サーマルヘッド等の熱源へのカス付着、融着を大幅に低減することが可能となる。
(1)サンプルの前処理
・サンプルを60℃で一昼夜乾燥してサンプルとする。
(2)試薬
・イソプロピルアルコール(IPA;試薬一級)
(3)測定法
・メスフラスコを精秤する(W1)。
・メスフラスコに乾燥済サンプルを約0.5g取り精秤する(W2)。
・次に、IPAを約50mg加え、十分に振とうして完全にカプセル外の空気を除去する。
・IPAを標線まで加え精秤する(W3)。
・ブランクとしてメスフラスコにIPAのみを標線まで加え精秤する(W4)。
(4)真比重の算出
中空率(%)={1−1/(1.1/真比重)}×100
前記感熱記録層は、少なくとも電子供与性呈色化合物(発色剤)及び電子受容性化合物(顕色剤)を含有してなり、バインダー樹脂、消色促進剤、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
これらの中でも、発色濃度、消去性及び画像部の保存安定性が良好で、発色色調が純黒色で鮮明な印字画像が得られる点から、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ(n−ブチルアミノ)フルオラン、2−(3−トルイジノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−キシリジノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオランが特に好ましい。
本発明においては、前記顕色剤と、消色促進剤として分子中にアミド基、ウレタン基、及び尿素基を少なくとも一つ有する化合物を併用することにより、消去状態を形成する過程において消色促進剤と顕色剤の間に分子間相互作用が誘起され、消去速度を格段に速くすることが可能である。
R1−NHCO−R3−CONH−R2 ・・・一般式(3)
R1−CONH−R3−NHCO−R2 ・・・一般式(4)
R1−NHCOO−R2 ・・・一般式(5)
R1−NHCOO−R3−OCONH−R2 ・・・一般式(6)
R1−OCONH−R3−NHCOO−R2 ・・・一般式(7)
R1、R2、R4、R6、及びR7としては、例えばヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ステアリル基、ベヘニル基、オレイル基及び末端に水酸基を有する炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基等が挙げられる。
R6、及びR7としては、例えばメチル基、エチル基、ベンジル基、フェニルエチル基、シクロヘキシルメチル基、ヒドロキシエチル基等が挙げられ、環状の構造を形成する場合にはブチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、−C2H4OC2H4−基、−C2H4NC2H4−基、−C2H4OC2H4OC2H4−基等が挙げられる。
R3としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、−C3H6OC3H6−基、−C2H4OC2H4−基、−C2H4OC2H4OC2H4−基等が挙げられる。
R5としては、下記式で表されるものが好適に挙げられる。
(2)C15H31CONHC16H33、
(3)C17H35CONHC18H37、
(4)C17H35CONHC18H35、
(5)C21H41CONHC18H37、
(6)C15H31CONHC18H37、
(7)C17H35CONHCH2NHCOC17H35、
(8)C11H23CONHCH2NHCOC11H23、
(9)C7H15CONHC2H4NHCOC17H35、
(10)C9H19CONHC2H4NHCOC9H19、
(11)C11H23CONHC2H4NHCOC11H23、
(12)C17H35CONHC2H4NHCOC17H35、
(13)(CH3)2CHC14H35CONHC2H4NHCOC14H35(CH3)2、
(14)C21H43CONHC2H4NHCOC21H43、
(15)C17H35CONHC6H12NHCOC17H35、
(16)C21H43CONHC6H12NHCOC21H43、
(17)C17H33CONHCH2NHCOC17H33、
(18)C17H33CONHC2H4NHCOC17H33、
(19)C21H41CONHC2H4NHCOC21H41、
(20)C17H33CONHC6H12NHCOC17H33、
(21)C8H17NHCOC2H4CONHC18H37、
(22)C10H21NHCOC2H4CONHC10H21、
(23)C12H25NHCOC2H4CONHC12H25、
(24)C18H37NHCOC2H4CONHC18H37、
(25)C21H43NHCOC2H4CONHC21H43、
(26)C18H37NHCOC6H12CONHC18H37、
(27)C18H35NHCOC4H8CONHC18H35、
(28)C18H35NHCOC8H16CONHC18H35、
(29)C12H25OCONHC18H37、
(30)C13H27OCONHC18H37、
(31)C16H33OCONHC18H37、
(32)C18H37OCONHC18H37、
(33)C21H43OCONHC18H37、
(34)C12H25OCONHC16H33、
(35)C13H27OCONHC16H33、
(36)C16H33OCONHC16H33、
(37)C18H37OCONHC16H33、
(38)C21H43OCONHC16H33、
(39)C12H25OCONHC14H29、
(40)C13H27OCONHC14H29、
(41)C16H33OCONHC14H29、
(42)C18H37OCONHC14H29、
(43)C22H45OCONHC14H29、
(44)C12H25OCONHC12H37、
(45)C13H27OCONHC12H37、
(46)C16H33OCONHC12H37、
(47)C18H37OCONHC12H37、
(48)C21H43OCONHC12H37、
(49)C22H45OCONHC18H37、
(50)C18H37NHCOOC2H4OCONHC18H37、
(51)C18H37NHCOOC3H6OCONHC18H37、
(52)C18H37NHCOOC4H8OCONHC18H37、
(53)C18H37NHCOOC6H12OCONHC18H37、
(54)C18H37NHCOOC8H16OCONHC18H37、
(55)C18H37NHCOOC2H4OC2H4OCONHC18H37、
(56)C18H37NHCOOC3H6OC3H6OCONHC18H37、
(57)C18H37NHCOOC12H24OCONHC18H37、
(58)C18H37NHCOOC2H4OC2H4OC2H4OCONHC18H37、
(59)C16H33NHCOOC2H4OCONHC16H33、
(60)C16H33NHCOOC3H6OCONHC16H33、
(61)C16H33NHCOOC4H8OCONHC16H33、
(62)C16H33NHCOOC6H12OCONHC16H33、
(63)C16H33NHCOOC8H16OCONHC16H33、
(64)C18H37OCOHNC6H12NHCOOC18H37、
(65)C16H33OCOHNC6H12NHCOOC16H33、
(66)C14H29OCOHNC6H12NHCOOC14H29、
(67)C12H25OCOHNC6H12NHCOOC12H25、
(68)C10H21OCOHNC6H12NHCOOC10H21、
(69)C8H17OCOHNC6H12NHCOOC8H17、
前記ロイコ染料、及び前記顕色剤とともに前記感熱記録層の形成に用いられるバインダー樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、エチルセルロース、ポリスチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸系共重合体、マレイン酸系共重合体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン類などが挙げられる。
前記バインダー樹脂の役割は、可逆性感熱記録組成物における各成分が記録消去の熱印加によって片寄ることなく均一に分散した状態を保つことにある。したがって、前記バインダー樹脂としては耐熱性の高い樹脂を用いることが好ましい。具体的には、赤外線、紫外線、電子線等の照射によって、バインダー樹脂を架橋させることが更に好ましい(以下、「架橋状態にある樹脂」という)。
また、前記架橋状態にある樹脂としては、水酸基価70mgKOH/g以上の樹脂が好適である。前記水酸基価としては70mgKOH/g以上が好ましく、90mgKOH/g以上がより好ましい。前記水酸基価が70mgKOH/g以上であると、耐久性、塗膜表面硬度、ワレ抵抗性が向上することがある。
ここで、前記水酸基価70mgKOHmg/g以上の樹脂が用いられた可逆性感熱記録材料であるか否かは、残存水酸基の量やエーテル結合の量を分析することにより確認することができる。
前記アクリルポリオール樹脂は、構成モノマーの違いによってその特性が異なり、水酸基含有モノマーとして、例えばヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、2−ヒドロキシブチルモノアクリレート(2−HBA)、1,4―ヒドロキシブチルモノアクリレート(1−HBA)などが挙げられる。これらの中でも、第1級水酸基をもつモノマーを使用した方が塗膜のワレ抵抗性や耐久性がよいことから、2−ヒドロキシエチルメタクリレートが特に好ましい。
前記イソシアネート化合物としては、例えばイソシアネート単量体のウレタン変性体、イソシアネート単量体のアロファネート変性体、イソシアネート単量体のイソシアヌレート変性体、イソシアネート単量体のビュレット変性体、イソシアネート単量体のカルボジイミド変性体、イソシアネート単量体のブロックドイソシアネート変性体などが挙げられる。これら変性体を形成するイソシアネート単量体としては、例えばトリレンジイソシアネートTDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフチレンジイソシアネートNDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(IPC)、シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)などが挙げられる。
また、前記硬化剤は添加した全量が架橋反応をしていてもよく、していなくてもよい。即ち、未反応硬化剤が存在していてもよい。この種の架橋反応は経時的に進行するため、未反応の硬化剤が存在していることは架橋反応が全く進行していないことを示すのではなく、未反応の硬化剤が検出されたとしても、架橋状態にある樹脂が存在しないということにはならない。
ここで、前記バインダー樹脂が架橋状態にあるのか、非架橋状態にあるのかを区別する方法としては、塗膜を溶解性の高い溶媒中に浸漬することによって区別することができる。即ち、非架橋状態にある樹脂は、溶媒中に該樹脂が溶け出して溶質中には残らなくなるため、溶質の樹脂構造の有無を分析すればよい。
前記中間層は、少なくとも中空粒子を含有してなり、バインダー樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記中空粒子としては、上述した中空率、粒径、及び粒度分布を有するものが用いられる。
前記ビニルモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル酸エステル、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、コハク酸、イタコン酸等のカルボン酸を分子内に有するモノマー;アクリル酸マグネシウム、アクリル酸カルシウム、アクリル酸亜鉛、メタクリル酸マグネシウム、メタクリル酸カルシウム、メタクリル酸亜鉛等のカルボン酸金属塩;分子内にカルボン酸と反応性の基を有しているN−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、マグネシウムモノアクリレート、ジンクモノアクリレート等;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、メチルメタアクリレート、t−ブチルメタアクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメタアクリレート、ベンジルメタアクリレート、N−ビニルピロリドン、スチレン、N−フェニルアメイミド、N−ナフチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、メチルマレイミドなどが挙げられる。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル−アクリル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アクリル酸エステル系共重合体、メタクリル酸エステル系共重合体、天然ゴム、シアノアクリレート系樹脂、シリコーン系樹脂などが挙げられる。
前記疎水性樹脂としては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリルエステル共重合体のラテックス;酢酸ビニル、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリルエステル共重合体、アクリルエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等のエマルジョンなどが挙げられる。
前記紫外線硬化樹脂としては、例えばウレタンアクリレート系水溶性紫外線硬化樹脂、エポキシアクリレート系水溶性紫外線硬化樹脂、アルコキシアクリレート系紫外線硬化樹脂、ポリウレタンアクリレート系紫外線硬化エマルジョン、アクリル系モノマー、ウレタンアクリル系オリゴマー、エーテル系ウレタンアクリレートオリゴマー、エステル系ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマーなどが挙げられる。
前記水分散性ポリマーとしては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリルエステル共重合体のラテックス、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリルエステル共重合体、アクリルエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等のエマルジョンなどが挙げられる。
前記アルカリ増粘性結着剤は、単独で用いることも可能であるが、結着剤成分を分散粒子として安定に存在させるため、例えば不飽和カルボン酸の共重合体であるカルボキシル化ラテックス等を用いることが好ましい。該カルボキシル化ラテックスはpHを高くすると粒子表面の高カルボキシル化ポリマーが水中に溶解していくために増粘し、このため、結着剤の増粘性を更に向上させることができる。前記中間層塗布液をアルカリ下に保つため、pH調整剤が必要となるが、該pH調整剤としては、例えば、NH3水などが用いられる。
前記アルカリ増粘性結着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、スチレン−ブタジエン共重合体を主成分としたエマルジョンラテックスが好適に挙げられる。
前記アルカリ増粘性結着剤は、増粘作用の他に中空粒子同士を強固に結着させるため、前記増粘剤を用いた時に較べてサーマルヘッドとのマッチング性が著しく改善される。
前記アルカリ増粘性結着剤の含有量は、前記中空粒子100質量部に対し1質量部〜80質量部が好ましく、5質量部〜50質量部がより好ましい。
前記中間層塗布液の塗布方法としては、例えばワイヤーバー塗工法、エアナイフ塗工法、ブレード塗工法、ロッドブレード塗工法、エアナイフ塗布法、グラビア塗布法、ロールコーティング塗布法、スプレー塗布法、ディップ塗布法、エクストルージョン塗布法などが挙げられる。
なお、支持体上に形成された中間層の表面をより平滑にするために中間層を形成した後、キャレンダー処理することにより表面を平滑にしてもよい。
前記支持体としては、その形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、平板状などが挙げられ、前記構造としては、単層構造であってもいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記可逆性感熱記録媒体の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
前記支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、数μm〜数mmが好ましく、10μm〜2,000μmがより好ましく、60μm〜150μmが更に好ましい。
本発明の可逆性感熱記録媒体においては、前記感熱記録層上に保護層を設けることができる。
前記保護層は、架橋状態にある樹脂を含有することが好ましい。該架橋状態にある樹脂としては、前記感熱記録層と同様の熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂を用いることができる。更に、前記保護層中に無機フィラー、有機フィラー、滑剤、紫外線吸収性材料などを含有してもよい。
前記保護層の厚みは0.1μm〜20μmが好ましく、0.3μm〜10μmがより好ましい。
前記保護層の塗液に用いられる溶媒、塗液の分散装置、バインダー、塗工方法、乾燥方法、硬化方法等は上記記録層で用いられた公知の方法を用いることができる。
前記別の保護層の塗液に用いられる溶媒、塗液の分散装置、バインダー、塗工方法、乾燥方法、硬化方法等は上記感熱記録層で用いられた公知の方法を用いることができる。更に、前記別の保護層中に無機フィラー、有機フィラー、滑剤、紫外線吸収性材料などを含有してもよい。
本発明において、記録時に可逆性感熱記録媒体に与えられた熱を有効利用して発色感度を向上させるため、支持体と感熱記録層との間に断熱層を設けることができる。該断熱層は、有機又は無機の微小中空粒子を含有したバインダー樹脂を用いて塗布することにより形成できる。
前記断熱層には、前記の感熱記録層、中間層、保護層の樹脂と同様の樹脂を用いることができる。また、前記断熱層には、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、カオリン、タルクなどの無機フィラー及び/又は各種有機フィラーを含有させることができる。その他、界面活性剤、分散剤などを含有させることもできる。
前記断熱層を設ける場合、接着層を介して設けることにより、クラック発生防止やバリの発生が改善される。該接着層は、上記の各層と同様の塗工方式等で形成することができる。
前記カード状に加工されたものについては、プリペイドカード、ポイントカード、更にはクレジットカードなどへの応用が挙げられ、A4サイズなど一般文書サイズに加工されたシート状のものは、印字/消去装置を用いることにより、試し印字はもちろん、カードサイズよりも大きなシートサイズでは印字する範囲が広くなるため一般文書や工程管理用の指示書、回覧文書や会議資料など一時出力用途などに広く用いることができる。
更に、ロール状に加工されたものは、印字/消去部を有した表示装置に組み込むなどして、表示板、掲示板、又は電子黒板に用いることができる。このような表示装置は、塵、ゴミなどの発生がないため、クリーンルームなどに好ましく用いることができる。
本発明の可逆性感熱記録部材は、情報記憶部及び可逆表示部を有し、該可逆表示部が本発明の前記可逆性感熱記録媒体を有してなり、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
前記可逆表示可能な感熱記録層と情報記憶部とを、同一のカードに設け(一体化させ)、該情報記憶部の記憶情報の一部を感熱記録層に表示することにより、カード所有者等は特別な装置がなくてもカードを見るだけで情報を確認することができ、利便性に優れる。また、情報記憶部の内容を書き換えた時には可逆性感熱性記録部の表示を書き換えることで、可逆性感熱記録媒体を繰り返し何度も使用することができる。
(1)情報記憶部を有する部材の一部を可逆性感熱記録媒体の支持体として、感熱記録層を直接形成したもの。
(2)情報記憶部を有する部材に、別途形成された、支持体上に感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体の支持体面を接着したもの。
これら(1)及び(2)の場合、情報記憶部と可逆表示部のそれぞれの機能が発揮できるよう設定される。したがって情報記憶部の設定位置は、可逆性感熱記録媒体における支持体の感熱記録層を設けた面と反対側の面に設けることも、支持体と感熱記録層との間でも、あるいは感熱記録層上の一部に設けることもできる。
前記ホログラムとしては、書き換え可能なものが好ましく、例えば、高分子アゾベンゼン液晶フィルムに干渉光を書き込んだ書き換え可能なホログラムなどが挙げられる。
具体的には、以下の本発明の可逆性感熱記録ラベル、可逆性感熱記録部材、画像処理装置及び画像処理方法などに特に好適に使用することができる。なお、本発明において、可逆性感熱記録媒体表面とは、感熱記録層側表面のことを意味し、保護層に限ったものでなく、印刷層表面、オーバーヘッド層表面など印字消去の際サーマルヘッドに接触する全て又は一部の面を意味している。
本発明の可逆性感熱記録ラベルは、本発明の前記可逆性感熱記録媒体における画像形成面と反対側の面(支持体の上に前記感熱記録層を有する場合には、該支持体における前記感熱記録層を形成した面の反対側の面)に接着剤層及び粘着剤層の少なくともいずれかを有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の層を有してなる。なお、支持体として熱融着性のものが用いられた可逆性感熱記録媒体の場合には、支持体の感熱記録層を形成する面と反対の面に接着剤層又は粘着剤層は必ずしも必要ではない。
前記接着剤層乃至前記粘着剤層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、酢ビ系樹脂、酢酸ビニル−アクリル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アクリル酸エステル系共重合体、メタクリル酸エステル系共重合体、天然ゴム、シアノアクリレート系樹脂、シリコーン系樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、また、ホットメルトタイプでもよく、また、剥離紙を用いてもよいし、無剥離紙タイプでもよい。
前記塩素含有重合体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−アクリレート共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体などが挙げられる。
前記ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT);テレフタル酸、イソフタル酸等の酸成分と、エチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等のアルコール成分との縮合エステル樹脂(例えば、PETG:イーストマンケミカル社の商標)などが挙げられる。
前記生分解性プラスチックとしては、例えば、ポリ乳酸系樹脂、デンプンと変性ポリビニルアルコール等とからなる天然高分子系樹脂;β−ヒドロキシ酪酸とβ−ヒドロキシ吉草酸とからなる微生物産生の樹脂などが挙げられる。
更に、ポリアセテート樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等の合成樹脂シート又は合成紙等が挙げられ、これら材料を適宜組み合わせてもよく、これら材料を積層したものでもよい。
図3は、本発明の可逆性感熱記録ラベル10をCD−RW71上に貼付した例を示す。この場合、CD−RWの代わりにCD−R等の追記型ディスク上に、前記可逆性感熱記録ラベルを貼付して、そのCD−Rに追記した記憶情報の一部を書き換え表示することが可能である。
本発明の画像処理装置は、画像形成手段及び画像消去手段の少なくともいずれかを有し、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、搬送手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像処理方法は、本発明の前記可逆性感熱記録媒体を加熱して画像の形成及び消去の少なくともいずれかを行い、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、搬送工程、制御工程等を有してなる。
前記画像形成手段は、本発明の前記可逆性感熱記録媒体を加熱して画像を形成する手段である。また、前記画像消去手段は、前記本発明の可逆性感熱記録媒体を加熱して画像を消去する手段である。
前記画像形成手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サーマルヘッド、レーザーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記画像消去手段としては、本発明の前記可逆性感熱記録媒体を加熱して画像を消去する手段であり、例えば、ホットスタンプ、セラミックヒータ、ヒートローラ、ヒートブロック、熱風等や、サーマルヘッド、レーザー照射装置、などが挙げられる。これらの中では、セラミックヒータが好適である。前記セラミックヒータを用いることにより、装置が小型化でき、かつ安定した消去状態が得られ、コントラストのよい画像が得られる。前記セラミックヒータの設定温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましく、115℃以上が特に好ましい。
前記感熱記録層と情報記憶部とを有する可逆性感熱記録部材(カード)を用いる場合、上記装置には、情報記憶部の記憶を読み取る手段、書き換える手段なども含まれる。
図5Aに示すように、この画像処理装置においては、まず、可逆性感熱記録媒体の磁気感熱記録層に記憶された情報を磁気ヘッドで読み取る。次に、セラミックヒータで感熱記録層に記録された画像を加熱消去する。次いで、磁気ヘッドで読み取られた情報をもとにして、処理された新たな情報がサーマルヘッドにより、感熱記録層に記録される。その後、磁気感熱記録層の情報も新たな情報に書き換えられる。
図5Aに示す画像処理装置においては、感熱記録層の反対側に磁気感熱記録層を設けた可逆性感熱記録媒体5は往復の矢印で図示されている搬送路に沿って搬送され、或いは搬送路に沿って装置内を逆方向に搬送される。可逆性感熱記録媒体5は、磁気ヘッド34及び搬送ローラ31間で磁気感熱記録層に磁気記録乃至消去され、セラミックヒータ38及び搬送ローラ40間で画像消去のため加熱処理され、サーマルヘッド53及び領域搬送ローラ47間で画像形成される。その後、装置外に搬出される。先に説明したように、セラミックヒータ38の設定温度は90℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましく、115℃以上が更に好ましい。ただし、磁気記録の書き換えはセラミックヒータによる画像消去の前であってもよいし、後であってもよい。また、所望により、セラミックヒータ38及び搬送ローラ40間を通過後、又はサーマルヘッド53及び搬送ローラ47間を通過後、搬送路を逆方向に搬送される。セラミックヒータ38よる再度の熱処理、サーマルヘッド53による再度の印字処理を施すことができる。
−中空粒子aの調製−
塩化ナトリウム55gをイオン交換水160gに溶解し、アジピン酸−ジエタノールアミン縮合物1.0g、コロイダルシリカ20%水溶液25gを加えた後、硫酸でpHを3.8〜4.2に調整し、均一に混合して、これを水相とした。
次に、アクリロニトリル45g、メタクリロニトリル16g、N−メチロールアクリルアミド5g、イソボニルメタクリレート23g、エチレングリコールジメタクリレート0.1g、アゾビスイソブチロニトリル0.3g、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル(商品名:V−40、和光純薬株式会社製))0.1g、及びイソブタン15gを混合し、攪拌して、溶解し、これを油相とした。
次に、得られた水相と油相を混合し、ホモミキサーで4,000rpmにて1分間攪拌して懸濁液とした。これをセパラブルフラスコ内に移し、窒素置換してから、攪拌しつつ70℃で6時間、その後90℃で14時間反応した。反応後冷却し、濾過してカプセル粒子を得た。得られたカプセル粒子を加熱し、発泡を行って中空粒子aを作製した。
−中空粒子bの調製−
合成例1において、ホモミキサーの回転数を3,500rpmに変えた以外は、合成例1と同様にして、中空粒子bを調製した。
−中空粒子cの調製−
合成例1において、N−メチロールアクリルアミドを除いた以外は、合成例1と同様にして、中空粒子cを調製した。
−中空粒子dの調製−
合成例1において、イソボニルメタクリレートの量を20gに変えた以外は、合成例1と同様にして、中空粒子dを調製した。
−中空粒子eの調製−
合成例1において、イソボニルメタクリレートの量を15g、アクリロニトリルの量を55gに変えた以外は、合成例1と同様にして、中空粒子eを調製した。
−中空粒子fの調製−
合成例1において、イソボニルメタクリレートの替わりに塩化ビニリデンを用いた以外は、合成例1と同様にして、中空粒子fを調製した。
−中空粒子gの調製−
合成例1において、ホモミキサーの回転数を3,100rpmに変えた以外は、合成例1と同様にして、中空粒子gを調製した。
−中空粒子hの調製−
合成例1において、ホモミキサーで12,000rpmにて30分間に変えた以外は、合成例1と同様にして、中空粒子hを調製した。
−中空粒子iの調製−
合成例1において、イソブタン量を10gに変えた以外は、合成例1と同様にして、中空粒子iを調製した。
−中空粒子jの調製−
合成例1における反応液を、遠心分離器で2000回転、30分間遠心分離し、上澄みを少し除き、濾過して、中空粒子jを調製した。
アルミニウム板上に、中空粒子分散液を塗布し、乾燥させて形成した薄層を、剛体振り子型物性試験器(エー・アンド・ディ社製、RPT3000W)にて、パイプエッジ、10℃/minの昇温速度で測定し、対数減衰率からガラス転移温度を算出した。
中空粒子の中空率は、IPA法により真比重を測定し、真比重値から以下のようにして求めた。
(1)サンプルの前処理
・サンプルを60℃で一昼夜乾燥した。
(2)試薬
・イソプロピルアルコール(IPA;試薬一級)
(3)測定法
・メスフラスコを精秤した(W1)。
・メスフラスコに乾燥済サンプルを約0.5g取り精秤した(W2)。
・次に、IPAを約50mg加え、十分に振とうし、完全にカプセル外の空気を除去した。
・IPAを標線まで加え、精秤した(W3)。
・ブランクとしてメスフラスコにIPAのみを標線まで加え精秤した(W4)。
(4)真比重の算出
中空率(%)={1−1/(1.1/真比重)}×100
中空粒子の粒径及び粒度分布は、レーザー回折式粒径分布測定装置(堀場製作所製、LA−900)を用いて測定した。
−可逆性感熱記録媒体の作製−
<中間層の作製>
・中空粒子(表1の中空粒子a)の水分散液(固形分濃度30%)・・・30部
・ポリウレタン樹脂エマルジョン(固形分濃度35%、第一工業製薬株式会社製、スーパーフレックス150)・・・28部
・完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液(固形分濃度16%)・・・9部
・水・・・50部
上記混合物を攪拌分散して、中間層塗布液を調製した。上記組成の中間層塗布液を厚み250μmの白色PETフィルム(帝人株式会社製)上に、ワイヤーバーを用い塗布し、80℃にて2分間乾燥して、厚み30μmの中間層を設けた。
・下記構造式で表される顕色剤(融点145℃)・・・3部
(水酸基価=70mgKOH/g、酸価=1.0mgKOH/g未満、質量平均分子量=35,000、ガラス転移温度(Tg)=52℃、水酸基モノマー:2−ヒドロキシエチルメタクリレート)
・メチルエチルケトン(MEK)・・・70部
上記組成物をボールミルを用いて平均粒径1μmまで粉砕分散した。得られた分散液に2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン1部、日本ポリウレタン社製コロネートHL(アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート75%酢酸エチル溶液)2部を加え、攪拌して感熱記録層塗布液を調製した。得られた感熱記録層塗布液を中間層上にワイヤーバーを用いて塗布し、110℃にて3分間乾燥した後、60℃にて24時間加熱して、厚み10μmの感熱記録層を設けた。
〔第1保護層液の組成〕
・ポリエステルポリオール樹脂(三井化学ポリウレタン株式会社製、タケラックU−21)の10%MEK溶液・・・100部
・酸化亜鉛(住友大阪セメント株式会社製)・・・10部
・コロネートHL(日本ポリウレタン株式会社製)・・・15部
〔第2保護層液の組成〕
・ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、C7−157)・・・7部
・ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性アクリル酸エステル(日本化薬株式会社製、KAYARADDPCA−120)・・・3部
・シリカ(水沢化学株式会社製、P−527)・・・1.5部
・酢酸エチル・・・90部
−可逆性感熱記録媒体の作製−
実施例1において、中空粒子aの替わりに中空粒子bを用いた以外は、実施例1と同様にして、可逆性感熱記録媒体を作製した。
−可逆性感熱記録媒体の作製−
実施例1において、中空粒子aの替わりに中空粒子cを用いた以外は、実施例1と同様にして、可逆性感熱記録媒体を作製した。
−可逆性感熱記録媒体の作製−
実施例1において、中間層塗布液におけるポリウレタン樹脂エマルジョン(第一工業製薬株式会社製、スーパーフレックス150)の替わりにアクリル樹脂エマルジョン(固形分濃度35%、ジョンソン社製、ジョンクリル538)を用いた以外は、実施例1と同様にして、可逆性感熱記録媒体を作製した。
−可逆性感熱記録媒体の作製−
実施例1において、中間層を以下の方法で形成した以外は、実施例1と同様にして、可逆性感熱記録媒体を作製した。
<中間層の作製>
・中空粒子(表1の中空粒子a)の水分散液(固形分濃度30%)・・・30部
・ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂エマルジョン(固形分濃度35%、荒川化学工業株式会社製、ビームセットEM−90)・・・28部
・ダロキュア1173(チバ・スペシャリティ・ケミカル社製)・・・0.5部
・完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液(固形分濃度16%)・・・9部
・水・・・50部
上記混合物を攪拌分散して、中間層塗布液を調製した。上記組成の該中間層塗布液を厚み250μmの磁気層付き白色PETフィルム(大日本インキ化学工業株式会社製)上にワイヤーバーを用い塗布し、90℃で1分間乾燥させたのち、照射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下9m/分の搬送速度で通し、硬化して、厚み6μmの中間層を設けた。
−可逆性感熱記録媒体の作製−
実施例5において、ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂エマルジョン(荒川化学工業株式会社製、ビームセットEM−90)の替わりにウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂エマルジョン(固形分濃度35%、ダイセルユーシービー株式会社製、DW7825)を用いた以外は、実施例5と同様にして、可逆性感熱記録媒体を作製した。
−可逆性感熱記録媒体の作製−
実施例1において、中空粒子aの替わりに中空粒子dを用いた以外は、実施例1と同様にして、可逆性感熱記録媒体を作製した。
−可逆性感熱記録媒体の作製−
実施例1において、中空粒子aの替わりに中空粒子eを用いた以外は、実施例1と同様にして、可逆性感熱記録媒体を作製した。
−可逆性感熱記録媒体の作製−
実施例1において、顕色剤として下記化合物(融点143℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして、可逆性感熱記録媒体を作製した。
−可逆性感熱記録媒体の作製−
実施例1において、顕色剤として下記化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、可逆性感熱記録媒体を作製した。
−可逆性感熱記録媒体の作製−
実施例1において、中空粒子aの替わりに中空粒子fを用いた以外は、実施例1と同様にして、可逆性感熱記録媒体を作製した。
−可逆性感熱記録媒体の作製−
実施例1において、中空粒子aの替わりに富士シリシア化学株式会社製のフジバルーンS35(平均粒子径40μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして、可逆性感熱記録媒体を作製した。
−可逆性感熱記録媒体の作製−
実施例1において、中空粒子aの替わりに松本油脂製薬株式会社製のマイクロスフェアーF−30(平均粒子径30μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして、可逆性感熱記録媒体を作製した。
−可逆性感熱記録媒体の作製−
実施例1において、中空粒子aの替わりにローム アンド ハース社製のローペイクHP−91(中空率50%、平均粒子径1μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして、可逆性感熱記録媒体を作製した。
−可逆性感熱記録媒体の作製−
実施例1において、中間層を設けない以外は、実施例1と同様にして、可逆性感熱記録媒体を作製した。
−可逆性感熱記録媒体の作製−
実施例1において、顕色剤として下記構造式で表される化合物(融点145℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして、可逆性感熱記録媒体を作製した。
−可逆性感熱記録媒体の作製−
実施例1において、顕色剤として下記構造式で表される化合物(融点140℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして、可逆性感熱記録媒体を作製した。
−可逆性感熱記録媒体の作製−
実施例1において、顕色剤として下記構造式で表される化合物(融点141℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして、可逆性感熱記録媒体を作製した。
−可逆性感熱記録媒体の作製−
実施例1において、中空粒子aの替わりに中空粒子gを用いた以外は、実施例1と同様にして、可逆性感熱記録媒体を作製した。
−可逆性感熱記録媒体の作製−
実施例1において、中空粒子aの替わりに中空粒子hを用いた以外は、実施例1と同様にして、可逆性感熱記録媒体を作製した。
−可逆性感熱記録媒体の作製−
実施例1において、中空粒子aの替わりに中空粒子iを用いた以外は、実施例1と同様にして、可逆性感熱記録媒体を作製した。
−可逆性感熱記録媒体の作製−
実施例1において、中空粒子aの替わりに中空粒子jを用いた以外は、実施例1と同様にして、可逆性感熱記録媒体を作製した。
−可逆性感熱記録媒体の作製−
実施例1において、顕色剤として下記構造式で表される化合物(融点140℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして、可逆性感熱記録媒体を作製した。
作製した各可逆性感熱記録媒体を、京セラ株式会社製の端面型サーマルヘッドKSB320AA(抵抗値:1206Ω)と、セラミックヒータ(4mm幅)を用いた感熱印字シュミレータを用いて、下記の条件で印字及び消去を行い、濃度をマクベス濃度計RD−914で測定した。
・評価条件:印字速度5インチ/s、副走査密度8dot/mm
・画像濃度:印加エネルギーを1V刻みで電圧を変化させて印字したときの最大濃度を用いた。
・消去濃度:前記画像濃度で最大濃度を得た印加エネルギーでベタ画像を形成したものに対し、セラミックヒータ設定温度を5℃刻みで変化させて消去したときの最小消去濃度を用いた。
−画像濃度−
上記印字消去シミュレーターにて、最大濃度を得た印加エネルギーと最小消去濃度を得たセラミックヒータ設定温度にて同一パターンを200回連続で繰り返し消去印字し、実施後の画像濃度をマクベス濃度計RD−914を用いて測定した。
−印字カスレ−
上記画像濃度で用いたサンプルのベタ画像のムラの程度を下記表2に従ってランク分けした。
−カス付着−
印字カス付着
上記画像濃度で用いたサンプルのベタ画像を消去し、印字履歴部に付着した粘着物の様子を、下記表3に従ってランク分けした。
34 磁気ヘッド
38 セラミックヒータ
40 搬送ローラ
47 搬送ローラ
70 MDのディスクカートリッジ
71 CD−RW
72 ビデオカセット
Claims (13)
- 支持体と、該支持体上に中間層と、該中間層上に電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物とを含有し、温度に依存して色調が可逆的に変化する感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体において、
前記電子受容性化合物が、下記一般式(1)で表される化合物を含有し、
前記中間層が中空粒子を含有し、該中空粒子の中空率が70%以上であり、該中空粒子の最大粒子径(D100)が5.0μm〜10.0μmであり、該最大粒子径(D100)と、50%頻度の粒子径(D50)との比(D100/D50)が2.0〜3.0であることを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
- 一般式(1)中のnが27〜32の整数である請求項1に記載の可逆性感熱記録媒体。
- 粒子径が2μm以下である中空粒子の中空粒子全体における比率が、5%〜10%である請求項1から2のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
- 中空粒子が、架橋構造を有するビニル重合体からなる請求項1から3のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
- 請求項1から4のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体の画像形成面と反対側の面に、接着剤層及び粘着剤層のいずれかを有することを特徴とする可逆性感熱記録ラベル。
- 情報記憶部と可逆表示部とを有し、かつ該可逆表示部が請求項1から4のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体を有することを特徴とする可逆性感熱記録部材。
- 情報記憶部が、カード、ディスク、ディスクカートリッジ及びテープカセットのいずれかである請求項6に記載の情報記憶部を有する可逆性感熱記録部材。
- 可逆性感熱記録媒体を加熱して該可逆性感熱記録媒体に画像を形成する画像形成手段、及び可逆性感熱記録媒体を加熱して該可逆性感熱記録媒体に形成された画像を消去する画像消去手段の少なくともいずれかを有してなり、該可逆性感熱記録媒体が請求項1から4のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体であることを特徴とする画像処理装置。
- 画像形成手段が、サーマルヘッドである請求項8に記載の画像処理装置。
- 画像消去手段が、サーマルヘッド及びセラミックヒータのいずれかである請求項8から9のいずれかに記載の画像処理装置。
- 可逆性感熱記録媒体を加熱して該可逆性感熱記録媒体に画像を形成する画像形成工程、及び、可逆性感熱記録媒体を加熱して該可逆性感熱記録媒体に形成された画像を消去する画像消去工程の少なくともいずれかを含み、該可逆性感熱記録媒体が請求項1から4のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体であることを特徴とする画像処理方法。
- 画像の形成が、サーマルヘッドを用いて行われる請求項11に記載の画像処理方法。
- 画像の消去が、サーマルヘッド及びセラミックヒータのいずれかを用いて行われる請求項11から12のいずれかに記載の画像処理方法。
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