JP2005262782A - 可逆性感熱層用組成物及び可逆性感熱記録媒体、並びに、可逆性感熱記録ラベル、可逆性感熱記録部材、画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents

可逆性感熱層用組成物及び可逆性感熱記録媒体、並びに、可逆性感熱記録ラベル、可逆性感熱記録部材、画像処理装置及び画像処理方法 Download PDF

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真哉 川原
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Abstract

【課題】 電子供与性呈色化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した可逆性感熱層用組成物、該可逆性感熱層用組成物を用いて、熱エネルギーを制御することにより発色画像の形成と消去が可能な可逆性感熱記録媒体、並びに、可逆性感熱記録ラベル、可逆性感熱記録部材、画像処理装置及び画像処理方法の提供。
【解決手段】 電子供与性呈色化合物及び電子受容性化合物を含み、温度に依存して色調が可逆的に変化する可逆性感熱層用組成物において、該電子受容性化合物が、下記構造式(1)で表されるフェノール性化合物であることを特徴とする可逆性感熱層用組成物である。
【化32】
Figure 2005262782

ただし、前記構造式(1)中、nは1〜3、Lは0〜3、mは0又は1の整数を表す。Xは、窒素原子又は酸素原子を含む2価の有機基を表す。R及びRは、炭化水素基を表し、これらは置換基で更に置換されていてもよい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子供与性呈色化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した可逆性感熱層用組成物、該可逆性感熱層用組成物を用いて、熱エネルギーを制御することにより発色画像の形成と消去が可能な可逆性感熱記録媒体、並びに、可逆性感熱記録ラベル、可逆性感熱記録部材、画像処理装置及び画像処理方法に関する。
従来より、電子供与性呈色化合物(以下、「発色剤」又は「ロイコ染料」と称することがある)と電子受容性化合物(以下、「顕色剤」と称することがある)との間の発色反応を利用した感熱記録媒体は広く知られており、OA化の進展と共にファクシミリ、ワードプロセッサー、科学計測機などの出力用紙として利用されている。また最近では、プリペイドカードやポイントカード等の磁気感熱カードとしても広く使用されている。
これら実用化されている従来の感熱記録媒体は、環境問題上、リサイクルや使用量の減量化などの見直しが迫られているが、不可逆的な発色であるため、一度記録した画像を消去し繰り返して使用することはできず、新しい情報は画像が記録されていない部分に追記できる程度であり、記録可能な部分の面積は限られている。このため、記録する情報量を減らしたり、記録エリアがなくなった時点でカードを作り直しているのが実状である。そこで、近年盛んに論じられているゴミ問題や森林破壊問題を背景として、何度でも書き換え可能な可逆性感熱記録媒体の開発が望まれている。
これらの要求を満たすべく様々な可逆性感熱記録媒体が提案されている。例えば、透明・白濁という物理的変化を利用した高分子タイプの可逆性感熱記録媒体が提案されている(特許文献1及び特許文献2参照)。また、化学的変化を利用した染料タイプの可逆性感熱記録媒体も提案されており、具体的には、顕色剤として没食子酸とフロログルシノールの組み合わせを用いるもの(特許文献3参照)、顕色剤としてアスコルビン酸誘導体を用いたもの(特許文献4参照)、顕色剤としてビス(ヒドロキシフェニル)酢酸又は没食子酸と高級脂肪族アミンとの塩を用いるもの(特許文献5及び特許文献6参照)、などが提案されている。
また、顕色剤として長鎖脂肪族炭化水素基をもつ有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物又はフェノール化合物を用い、該顕色剤とロイコ染料とを組み合わせることにより、発色と消色を加熱冷却条件を制御することによって容易に行わせることができ、発色状態と消色状態を常温において安定に保持させることができ、何度も発色と消色を繰り返すことが可能な可逆性感熱発色組成物が提案されている(特許文献9参照)。また、顕色剤として長鎖脂肪族炭化水素基をもつ特定構造のフェノール化合物が提案されている(特許文献8、特許文献9、特許文献10及び特許文献11参照)。
しかしながら、これらの顕色剤は、発色の安定性と消色性のバランスや発色濃度の点では実用レベルの性能を持つものであるが、広範囲な使用環境への対応や発色消色条件の適用範囲の面で改良すべき余地があった。また、特に耐熱保存安定性や耐薬品保存安定性と十分な高速消去性を両立できる可逆性感熱記録媒体は提供されておらず、例えば、高速消去性が良好な顕色剤では発色させた後、60℃の雰囲気下に長時間放置したり、60質量%のアルコール水溶液に浸しておくと画像濃度が低下しやすいという問題がある。更に、これらの顕色剤を用いた可逆性感熱記録ラベルをフィルム等に熱ラミネートした場合、地肌が薄く発色する、いわゆる地肌カブリが発生するという問題もあり、これらの問題点の早急な解決が望まれているのが現状である。
特開昭63−107584号公報 特開平4−78573号公報 特開昭60−193691号公報 特開昭63−173684号公報 特開平2−188293号公報 特開平2−188294号公報 特開平5−124360号公報 特開平6−210954公報 特開平7−179043公報 特開平10−67177公報 特開平10−95175公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、安定な発色性と消色性を保持し、熱に対する保存安定性やアルコールに対する保存安定性が良好であり、熱ラミネートしても地肌カブリがなく、さらに高速消去に対応できる可逆性感熱層用組成物、該可逆性感熱層用組成物を用いて、熱エネルギーを制御することにより発色画像の形成と消去が可能な可逆性感熱記録媒体、並びに、可逆性感熱記録ラベル、可逆性感熱記録部材、画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため、電子供与性呈色化合物(発色剤)及び電子受容性化合物(顕色剤)を含む可逆性感熱層用組成物において、長鎖脂肪族基をもつ顕色剤の発色剤を発色させる能力と分子間の凝集力のバランスが重要であると考え、種々の構造の化合物について鋭意検討を重ねた結果、特定の構造をもつフェノール性化合物を顕色剤として用いることにより、前記の課題が効果的に解決できることを知見した。
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 電子供与性呈色化合物及び電子受容性化合物を含み、温度に依存して色調が可逆的に変化する可逆性感熱層用組成物において、該電子受容性化合物が、下記構造式(1)で表されるフェノール性化合物であることを特徴とする可逆性感熱層用組成物である。
Figure 2005262782
ただし、前記構造式(1)中、nは1〜3、Lは0〜3、mは0又は1の整数を表す。Xは、窒素原子又は酸素原子を含む2価の有機基を表す。R及びRは、炭化水素基を表し、これらは置換基で更に置換されていてもよい。
<2> 消色促進剤を含有し、該消色促進剤が分子中に少なくとも1つの窒素原子及び酸素原子のいずれかを含む2価の有機基を有する化合物である前記<1>に記載の可逆性感熱層用組成物である。
<3> 架橋状態にある樹脂を含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の可逆性感熱層用組成物である。
<4> 支持体と、該支持体上に前記<1>から<3>のいずれかに記載の可逆性感熱層用組成物からなる感熱層を有することを特徴とする可逆性感熱記録媒体である。
<5> 可逆性感熱記録媒体が、カード状、ラベル状及びシート状のいずれかに加工されている前記<4>に記載の可逆性感熱記録媒体である。
<6> 前記<4>から<5>のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体における画像を形成する面と反対側の面に、接着剤層及び粘着剤層のいずれかを有することを特徴とする可逆性感熱記録ラベルである。
<7> 情報記憶部と可逆表示部とを有し、該可逆表示部が前記<4>から<5>のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体を含むことを特徴とする可逆性感熱記録部材である。
<8> 情報記憶部と可逆表示部とが一体化された前記<7>に記載の可逆性感熱記録部材である。
<9> 情報記録部が、磁気感熱層、磁気ストライプ、ICメモリ、光メモリ、RF−IDタグカード、ディスク、ディスクカートリッジ及びテープカセットから選択される前記<7>から<8>のいずれかに記載の可逆性感熱記録部材である。
<10> 可逆性感熱記録媒体を加熱して該可逆性感熱記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、可逆性感熱記録媒体を加熱して該可逆性感熱記録媒体に形成された画像を消去する画像消去手段との少なくともいずれかを有してなり、該可逆性感熱記録媒体が前記<4>から<5>のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体であることを特徴とする画像処理装置である。
<11> 画像形成手段が、サーマルヘッド及びレーザー照射装置のいずれかである前記<10>に記載の画像処理装置である。
<12> 画像消去手段が、サーマルヘッド、セラミックヒータ、ヒートロール、ホットスタンプ、ヒートブロック及びレーザー照射装置から選択されるいずれかである前記<10>から<11>のいずれかに記載の画像処理装置である。
<13> 可逆性感熱記録媒体を加熱して該可逆性感熱記録媒体に画像を形成すること、及び、可逆性感熱記録媒体を加熱して該可逆性感熱記録媒体に形成された画像を消去することの少なくともいずれかを含み、該可逆性感熱記録媒体が前記<4>から<5>のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体であることを特徴とする画像処理方法である。
<14> 画像の形成が、サーマルヘッド及びレーザー照射装置のいずれかを用いて行われる前記<13>に記載の画像処理方法である。
<15> 画像の消去が、サーマルヘッド、セラミックヒータ、ヒートロール、ホットスタンプ、ヒートブロック及びレーザー照射装置から選択されるいずれかを用いて行われる前記<13>から<14>のいずれかに記載の画像処理方法である。
<16> サーマルヘッドを用いて画像を消去しつつ新しい画像を形成する前記<13>から<15>のいずれかに記載の画像処理方法である。
本発明の可逆性感熱層用組成物は、温度に依存して色調が可逆的に変化し、電子供与性呈色化合物及び電子受容性化合物を含む。該本発明の可逆性感熱層用組成物においては、前記電子受容性化合物として、下記構造式(1)で表されるフェノール性化合物を用いる。その結果、長鎖脂肪族基をもつフェノール性顕色剤の発色剤を発色させる能力と分子間の凝集力のバランスが図れ、安定な発色性と消色性を保持し、熱に対する保存安定性やアルコールに対する保存安定性が良好であり、熱ラミネートしても地肌カブリがなく、さらに高速消去に対応できる。
Figure 2005262782
ただし、前記構造式(1)中、nは1〜3、Lは0〜3、mは0又は1の整数を表す。Xは、窒素原子又は酸素原子を含む2価の有機基を表す。R及びRは、炭化水素基を表し、これらは置換基で更に置換されていてもよい。
本発明の可逆性感熱記録媒体は、支持体と、該支持体上に本発明の前記可逆性感熱層用組成物からなる感熱層を有する。該本発明の可逆性感熱記録媒体においては、感熱層が、前記本発明の可逆性感熱層用組成物からなるので、安定な発色性と消色性を保持し、熱に対する保存安定性やアルコールに対する保存安定性が良好であり、熱ラミネートしても地肌カブリがなく、さらに高速消去に対応できる。
本発明の可逆性感熱記録ラベルは、本発明の前記可逆性感熱記録媒体における画像を形成する面と反対側の面に、接着剤層及び粘着剤層のいずれかを有する。該可逆性感熱記録ラベルでは、安定な発色性と消色性を保持し、熱に対する保存安定性やアルコールに対する保存安定性が良好であり、熱ラミネートしても地肌カブリがなく、さらに高速消去に対応できる。また、前記接着剤層及び粘着剤層のいずれかを有するので、前記感熱層を直接塗布することが困難な磁気ストライプ付塩化ビニル製カード等の厚手の基板、カードサイズよりも大きなシートサイズの容器、ステッカー、大画面、など広範な用途に適用できる。
本発明の可逆性感熱記録部材は、情報記憶部と可逆表示部とを有し、該可逆表示部が本発明の前記可逆性感熱記録媒体である。該可逆性感熱記録部材は、前記可逆表示部において、感熱層が、前記可逆性感熱層用組成物から形成される。そして、安定な発色性と消色性を保持し、コントラスト、視認性等に優れた画像が形成される。一方、前記情報記録部では磁気感熱層、磁気ストライプ、ICメモリ、光メモリ、RF−IDタグカード、ディスク、ディスクカートリッジ、テープカセット、等の種類に応じた記録方式により、文字情報、画像情報、音楽情報、映像情報等の所望の諸情報が記録され消去される。
本発明の画像処理装置は、前記本発明の可逆性感熱記録媒体を加熱し、画像を形成する画像形成手段及び画像の消去を行う画像消去手段の少なくともいずれかを有する。該画像処理装置においては、前記画像消去手段が、本発明の前記可逆性感熱記録媒体を加熱して該可逆性感熱記録媒体に画像を形成する。一方、前記画像形成手段が、本発明の前記可逆性感熱記録媒体を加熱して該可逆性感熱記録媒体に形成された画像を消去する。本発明では、前記可逆性感熱記録媒体として安定な発色性と消色性を保持し、熱に対する保存安定性やアルコールに対する保存安定性が良好であり、熱ラミネートしても地肌カブリがなく、さらに高速消去に対応できる前記本発明の可逆性感熱記録媒体を用いているので、高速消去性に優れ、実用性の高い書き換え記録を行うことができる。
本発明の画像処理方法は、前記本発明の可逆性感熱記録媒体を加熱して画像の形成及び画像の消去の少なくともいずれかを行う。該画像処理方法においては、本発明の前記可逆性感熱記録媒体を加熱して該可逆性感熱記録媒体に画像を形成する。一方、本発明の前記可逆性感熱記録媒体を加熱して該可逆性感熱記録媒体に形成された画像を消去する。本発明では、前記可逆性感熱記録媒体として安定な発色性と消色性を保持し、熱に対する保存安定性やアルコールに対する保存安定性が良好であり、熱ラミネートしても地肌カブリがなく、さらに高速消去に対応できる前記本発明の可逆性感熱記録媒体を用いているので、高速消去性に優れ、実用性の高い書き換え記録を行うことができる。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、安定な発色状態と良好な消色状態を繰り返して形成でき、コントラストの高い画像の形成と消去が可能であり、かつ熱やアルコールに対する保存安定性が良好であり、熱ラミネートにおいても地肌カブリを生じない可逆性感熱記録媒体を提供することができる。
(可逆性感熱層用組成物)
本発明の可逆性感熱層用組成物は、温度に依存して色調が可逆的に変化し、電子供与性呈色化合物及び電子受容性化合物を含み、消色促進剤、架橋状態にある樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
−電子受容性化合物−
前記電子受容性化合物(顕色剤)は、下記構造式(1)で表されるフェノール性化合物である。
Figure 2005262782
ただし、前記構造式(1)中、nは1〜3、Lは0〜3、mは0又は1の整数を表す。Xは、窒素原子又は酸素原子を含む2価の有機基を表す。R及びRは、炭化水素基を表し、これらは置換基で更に置換されていてもよい。
前記炭化水素基としては、直鎖でも分枝していてもよく、不飽和結合あるいは芳香環を有していてもよい。該炭化水素基を置換する置換基としては、例えば、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基、等が挙げられる。
は、炭素数1〜20が好ましく、2〜11がより好ましく、例えば、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、などが挙げられる。
は、炭素数2〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、例えば、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−オクタデシル基、などが挙げられる。
及びRの炭素原子数の和が7以下では発色の安定性や消色性が低下するため、炭素数は8以上が好ましく、11以上がより好ましい。
Xは、窒素原子又は酸素原子を含む2価の有機基を示し、好ましくは−NH−、−CO−、−O−、−SO−で表される基を少なくとも1個有する2価の有機基を表す。
前記2価の有機基の好適な例としては、下記構造式で表される基が挙げられる。
Figure 2005262782
これらの中でも、好ましい基としては下記構造式で表されるものが挙げられる。
Figure 2005262782
前記構造式(1)で表されるフェノール性化合物としては、具体的には、以下の構造式で表されるものが好適に挙げられる。ただし、下記構造式中、pは0〜3の整数、qは1〜20の整数、rは2〜22の整数を表す。
Figure 2005262782
Figure 2005262782
Figure 2005262782
Figure 2005262782
Figure 2005262782
前記構造式(1)で表されるフェノール性化合物の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下に示すように、酸ヒドラジド化合物とスルホニルクロライド化合物の反応により合成することができる。
Figure 2005262782
ここで、例えば、下記式(3)で表されるフェノール化合物は、以下に示すように、下記式(1)で表される酸ヒドラジド化合物18.0gと下記式(2)で表されるスルホニルクロライド化合物35.3gを、トリエチルアミン20.2gの存在下、反応容器内で60℃にて3時間反応させることにより合成することができる。
Figure 2005262782
−電子供与性呈色化合物−
前記電子供与性呈色化合物(発色剤)は、電子供与性を示し、それ自体無色又は淡色の染料前駆体(ロイコ染料)であり、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トリフェニルメタンフタリド系、トリアリルメタン系、フルオラン系、フェノチジアン系、チオフェルオラン系、キサンテン系、インドフタリル系、スピロピラン系、アザフタリド系、クロメノピラゾール系、メチン系、ローダミンアニリノラクタム系、ローダミンラクタム系、キナゾリン系、ジアザキサンテン系、ビスラクトン系等のロイコ化合物が挙げられる。これらの中でも、発消色特性、色彩、保存性等から特に好ましくはフルオラン系及びフタリド系のロイコ染料が好適である。
前記ロイコ染料としては、例えば、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−p−トルイジノ)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−n−メチル−N−プロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等の黒発色系のロイコ染料;3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)−7,8−ベンゾフルオラン、1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、1,3−ジメチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド等の赤発色系のロイコ染料;クリスタルバイオレットラクトン、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−1−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−インドール−3−イル)フタリド等の青発色系のロイコ染料;10−ジエチルアミノ−2−エチルベンゾ[1,4]チアジノ[3,2−b]フルオラン、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3−[2,2−ビス(1−エチル−2−メチル−3−インドリル)ビニル]−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、3−[1,1−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)エチレン−2−イル]−6−ジメチルアミノフタリド等の赤外域に吸収を持つロイコ染料、などが挙げられる。
これらの中でも、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ(n−ブチルアミノ)フルオランなどの2−アニリノ−3−メチル−6−二置換アミノフルオランや、クリスタルバイオレットラクトン、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−1−イル)−4−アザフタリドが色調、発色消色特性の点から好ましい。
これらは、1種単独で用いても混合しても良いし、異なる色調に発色する層を積層することによってマルチカラー、フルカラーにすることもできる。
前記電子供与性呈色化合物(発色剤)と前記電子受容性化合物(顕色剤)との混合割合は、使用する化合物の組み合わせにより適切な範囲が変化し一階には規定することはできないが、モル比で発色剤1に対し顕色剤が0.1〜20の範囲が好ましく、0.2〜10の範囲がより好ましい。この範囲より顕色剤が少なくても多くても発色状態の濃度が低下し問題となることがある。また、発色剤と顕色剤はマイクロカプセル中に内包して用いることもできる。
本発明の可逆性感熱層用組成物においては、前記電子受容性化合物(顕色剤)と、消色促進剤として分子中にアミド基、ウレタン基、及び尿素を少なくとも一つ有する化合物を併用することにより、消去状態を形成する過程において消色促進剤と顕色剤の間に分子間相互作用が誘起され消去速度を格段に速くすることが可能である。
前記消色促進剤としては、分子中にアミド基、ウレタン基、及び尿素を少なくとも1つ以上有する化合物であればよく、これらの中でも、下記構造式(2)〜(9)で表される化合物が特に好ましい。
−NHCO−R ・・・構造式(2)
−NHCO−R−CONH−R ・・・構造式(3)
−CONH−R−NHCO−R ・・・構造式(4)
−NHCOO−R ・・・構造式(5)
−NHCOO−R−OCONH−R ・・・構造式(6)
−OCONH−R−NHCOO−R ・・・構造式(7)
Figure 2005262782
Figure 2005262782
前記構造式中、R、R、R、R、及びRは、炭素数1以上22以下の直鎖アルキル基、分枝アルキル基、不飽和アルキル基を示し、R8,R9は環を形成していてもよく、形成される環は窒素原子、酸素原子又はS原子を介していてもよく、芳香族環、脂肪族環を有していてもよい。またアルキル基は水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基等の置換基を有していてもよい。Rは炭素数1〜18の2価の官能基、Rは炭素数4〜18の3価の官能基を示す。Yは、窒素原子又は酸素原子を含む2価の基を示し、sは0又は1の整数を示す。
、R、R、R、及びRとしては、例えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ステアリル基、ベヘニル基、オレイル基及び末端に水酸基を有する炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基等が挙げられる。
及びRとしては、例えば、メチル基、エチル基、ベンジル基、フェニルエチル基、シクロヘキシルメチル基、ヒドロキシエチル基等が挙げられ、環状の構造を形成する場合にはブチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、−C24OC24−基、−CNC−基、−COCOC−基等が挙げられる。
としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、−COC−基、−COC−基、−COCOC−基、等が挙げられる。
Yとしては、例えば、アミド基、ウレタン基、尿素基、ケトン基、ジアシルヒドラジド基、等が挙げられる。
としては、下記構造式で表されるものが好適である。
Figure 2005262782
前記構造式(2)〜前記構造式(9)で表される化合物の具体的な例としては、以下の(1)〜(69)で表される化合物が好適に挙げられる。
(1)C1123CONHC1225
(2)C1531CONHC1633
(3)C1735CONHC1837
(4)C1735CONHC1835
(5)C2141CONHC1837
(6)C1531CONHC1837
(7)C1735CONHCHNHCOC1735
(8)C1123CONHCHNHCOC1123
(9)C15CONHCNHCOC1735
(10)C19CONHCNHCOC19
(11)C1123CONHCNHCOC1123
(12)C1735CONHCNHCOC1735
(13)(CHCHC1435CONHCNHCOC1435(CH
(14)C2143CONHCNHCOC2143
(15)C1735CONHC12NHCOC1735
(16)C2143CONHC12NHCOC2143
(17)C1733CONHCHNHCOC1733
(18)C1733CONHCNHCOC1733
(19)C2141CONHCNHCOC2141
(20)C1733CONHC12NHCOC1733
(21)C17NHCOCCONHC1837
(22)C1021NHCOCCONHC1021
(23)C1225NHCOCCONHC1225
(24)C1837NHCOCCONHC1837
(25)C2143NHCOCCONHC2143
(26)C1837NHCOC12CONHC1837
(27)C1835NHCOCCONHC1835
(28)C1835NHCOC16CONHC1835
(29)C1225OCONHC1837
(30)C1327OCONHC1837
(31)C1633OCONHC1837
(32)C1837OCONHC1837
(33)C2143OCONHC1837、
(34)C1225OCONHC1633
(35)C1327OCONHC1633
(36)C1633OCONHC1633
(37)C1837OCONHC1633
(38)C2143OCONHC1633
(39)C1225OCONHC1429
(40)C1327OCONHC1429
(41)C1633OCONHC1429
(42)C1837OCONHC1429
(43)C2245OCONHC1429
(44)C1225OCONHC1237
(45)C1327OCONHC1237
(46)C1633OCONHC1237
(47)C1837OCONHC1237
(48)C2143OCONHC1237
(49)C2245OCONHC1837
(50)C1837NHCOOCOCONHC1837
(51)C1837NHCOOCOCONHC1837
(52)C1837NHCOOCOCONHC1837
(53)C1837NHCOOC12OCONHC1837
(54)C1837NHCOOC16OCONHC1837
(55)C1837NHCOOCOCOCONHC1837
(56)C1837NHCOOCOCOCONHC1837
(57)C1837NHCOOC1224OCONHC1837
(58)C1837NHCOOCOCOCOCONHC1837
(59)C1633NHCOOCOCONHC1633
(60)C1633NHCOOCOCONHC1633
(61)C1633NHCOOCOCONHC1633
(62)C1633NHCOOC12OCONHC1633
(63)C1633NHCOOC16OCONHC1633
(64)C1837OCOHNC12NHCOOC1837
(65)C1633OCOHNC12NHCOOC1633
(66)C1429OCOHNC12NHCOOC1429
(67)C1225OCOHNC12NHCOOC1225
(68)C1021OCOHNC12NHCOOC1021
(69)C817OCOHNC12NHCOOC17
また更に、下記構造式で表される化合物も好適に用いることができる。なお、下記構造式中、n、n’、n’’、n’’’、及びn’’’’は、0〜21の整数を表し、ただし、これらの全てが5以下であることはない。
Figure 2005262782
Figure 2005262782
Figure 2005262782
前記消色促進剤の添加量は、前記顕色剤100質量部に対し0.1〜300質量部が好ましく、3〜100質量部がより好ましい。
本発明の可逆性感熱層用組成物には、上記成分以外にも、バインダー樹脂、更に必要に応じて感熱層の塗布特性や発色消色特性を改善したり制御するための各種添加剤を用いることができる。これらの添加剤としては、例えば、フィラー、滑剤、界面活性剤、導電剤、充填剤、酸化防止剤、光安定化剤、発色安定化剤、などが挙げられる。
−バインダー樹脂−
前記バインダー樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、エチルセルロース、ポリスチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル系共重合体、マレイン酸系共重合体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン類、などが挙げられる。
これらのバインダー樹脂の役割は、組成物の各材料が記録消去の熱印加によって片寄ることなく均一に分散した状態を保つことにある。したがって、バインダー樹脂には耐熱性の高い樹脂を用いることが好ましく、例えば、熱、紫外線、電子線などにより、バインダー樹脂を架橋剤で架橋させてもよい(架橋状態にある樹脂)。
前記架橋状態にある樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなど架橋剤と反応する基を持つ樹脂、又は架橋剤と反応する基を持つモノマーとそれ以外のモノマーを共重合した樹脂、などが挙げられる。
前記架橋剤としては、従来公知のイソシアネート類、アミン類、フェノール類、エポキシ化合物等が挙げられる。その中でもイソシアネート系硬化剤が好ましく用いられる。ここで用いられるイソシアネート系化合物は、公知のイソシアネート単量体のウレタン変性体、アロファネート変性体、イソシアヌレート変性体、ビュレット変性体、カルボジイミド変性体、ブロックドイソシアネートなどの変性体から選択される。また、変性体を形成するイソシアネート単量体としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(IPC)、シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、等が挙げられる。
更に、前記架橋促進剤として、この種の反応に用いられる触媒を用いることもできる。該架橋促進剤としては、例えば、1,4−ジアザ−ビシクロ[2,2,2]オクタンなどの3級アミン類、有機すず化合物などの金属化合物などが挙げられる。また、架橋剤は添加した全量が架橋反応をしていても、していなくても良い。すなわち、未反応架橋剤が存在していても良い。この種の架橋反応は経時的に進行するため、未反応の架橋剤が存在していることは架橋反応が全く進行していないことを示すのではなく、未反応の架橋剤が検出されたとしても、架橋状態にある樹脂が存在しないということにはならない。また、本発明におけるポリマーが架橋状態にあるのか非架橋状態にあるのかを区別する方法として、塗膜を溶解性の高い溶媒中に浸すことによって区別することができる。すなわち、非架橋状態にあるポリマーは、溶媒中に該ポリマーが溶け出し溶質中には残らなくなるため、溶質のポリマー構造の有無を分析すればよい。そこで、溶質中にポリマー構造の存在が確認できなければ、該ポリマーは非架橋状態にあることが言え、架橋状態のポリマーと区別することができる。ここでは、これをゲル分率で表わすことができる。
前記ゲル分率とは、溶媒中で樹脂溶質が相互作用により独立運動性を喪失して集合し個化した状態(ゲル)を生じるときのそのゲルの生成比率を意味する。該樹脂は、ゲル分率が30%以上が好ましく、50%以上がより好ましく、70%以上が更に好ましく、80%以上が特に好ましい。前記ゲル分率が小さいと繰り返し耐久性が低下するので、ゲル分率を向上させるには、樹脂中に熱、UV、EB等によって硬化する硬化性樹脂を混合するか、樹脂自身を架橋すればよい。
ここで、前記ゲル分率測定方法としては、支持体より膜を剥離してその膜の初期質量を測定し、その後、膜を400メッシュ金網に挾んで、架橋前の樹脂が可溶な溶剤中に24時間浸してから真空乾燥して、乾燥後の質量を測定することができる。
ゲル分率計算は、下記数式1によって行うことができる。
<数式1>
ゲル分率(%)=[乾燥後質量(g)/初期質量(g)]×100
この計算でゲル分率を算出するときに、感熱層中の樹脂成分以外の有機低分子物質粒子等の質量を除いて計算を行う。この際、予め有機低分子物質の質量が分からないときには、TEM、SEM等の断面観察により、単位面積あたりに占める面積比率と樹脂と有機低分子物質のそれぞれの比重により質量比率を求めて、有機低分子物質の質量を算出して、ゲル分率値を算出すればよい。
また、前記測定の際に、支持体上に感熱層が設けられており、その上に保護層等の他の層が積層されている場合や、支持体と感熱層の間に他の層がある場合には、上記したように、まず、上記したTEM、SEM等の断面観察により感熱層及びその他の層の膜厚を調べておき、その他の層の膜厚分の表面を削り、感熱層表面を露出させると共に、感熱層を剥離して前記測定方法と同様にゲル分率測定を行えばよい。
また、この方法において感熱層上層に紫外線硬化樹脂等からなる保護層等がある場合には、この層が混入するのを極力防ぐために、保護層分の膜厚分を削ると共に感熱層表面も少し削りゲル分率値への影響を防ぐ必要がある。
前記可逆性感熱層用組成物には、フィラーを添加しても良く、フィラーとしては無機フィラーと有機フィラーに分けることができる。無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸、アルミナ、酸化鉄、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化マンガン、シリカ、タルク、マイカ、等が挙げられる。有機フィラーとしては、シリコーン樹脂、セルロース樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン、ポリスチレン、ポリスチレン・イソプレン、スチレンビニルベンゼンなどのスチレン系樹脂、塩化ビニリデンアクリル、アクリルウレタン、エチレンアクリルなどのアクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒドなどのホルムアルデヒド系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられる。本発明ではフィラーを単独で用いることもできるが、2種類以上含まれていても良い。複数の場合、無機フィラーと有機フィラーの組み合わせ方について特に限定はされない。また、形状としては球状、粒状、板状、針状等が挙げられる。前記フィラーの含有量は体積分率で5〜50体積%である。
前記可逆性感熱層用組成物には滑剤を添加しても良く、該滑剤の具体例としては、エステルワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワックス類:硬化ひまし油等の植物性ワックス類:牛脂硬化油等の動物性ワックス類:ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類:マルガリン酸、ラウリン酸、ミスチレン酸、パルミチル酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、フロメン酸等の高級脂肪酸類:ソルビタンの脂肪酸エステルなどの高級脂肪酸エステル類:ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド等のアミド類などが挙げられる。
前記滑剤の前記感熱層用組成物における含有量は体積分率で0.1〜95%が好ましく、1〜75%がより好ましい。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、などが挙げられる。
前記可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リン酸エステル、脂肪酸エステル、フタル酸エステル、二塩基酸エステル、グリコール、ポリエステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、などが挙げられる。
なお、前記感熱層用塗布液は分散装置を用いて各材料を溶媒中に分散しても良いし、各々単独で溶媒中に分散して混ぜ合わせても良い。更に加熱溶解して急冷又は徐冷によって析出させても良い。
(可逆性感熱記録媒体)
本発明の可逆性感熱記録媒体は、支持体と、感熱層とを少なくとも有してなり、中間層、保護層、バック層、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
<支持体>
前記支持体としては、その形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、平板状などが挙げられ、前記構造としては、単層構造であってもいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記可逆性感熱記録媒体の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
前記支持体の材料としては、例えば、無機材料、有機材料、などが挙げられる。前記無機材料としては、例えば、ガラス、石英、シリコン、酸化シリコン、酸化アルミニウム、SiO、金属等が挙げられる。前記有機材料としては、例えば、紙、三酢酸セルロース等のセルロース誘導体、合成紙、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記支持体には、塗布層の接着性を向上させる目的で、コロナ放電処理、酸化反応処理(クロム酸等)、エッチング処理、易接着処理、帯電防止処理、等により表面改質することが好ましい。また、前記支持体には、酸化チタン等の白色顔料などを添加して白色にすることが好ましい。
前記支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、50〜2,000μmが好ましく、100〜1,000μmがより好ましい。
前記支持体は、感熱層と同一面及び反対面の少なくともいずれかに磁気感熱層を有していても良い。また、本発明の可逆性感熱記録媒体は粘着層等を介して、他の媒体へ貼り付けても良い。あるいは、PETフィルムなどの支持体の片面にバックコート層を設け、該バックコート層の反対面に熱転写リボンに用いられる剥離層、剥離層上に本発明の感熱感熱層、更に表面上に紙、樹脂フィルム、PETフィルムなどに転写できる樹脂層を設け熱転写プリンターを用いて転写させても良い。
<感熱層>
前記感熱層は、温度に依存して色調が可逆的に変化し、上述したように、本発明の前記可逆性感熱層用組成物からなる。
前記感熱層における「温度に依存して色調が可逆的に変化する」とは、温度変化によって目に見える変化を可逆的に起こす現象を意味し、加熱温度及び加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消色した状態を形成し得ることを意味する。この場合、該目に見える変化は色の状態の変化と形状の変化に分けられるが、本発明においては、主に色の状態の変化を起こす材料を使用する。色の状態の変化には、透過率、反射率、吸収波長、散乱度などの変化があり、実際の可逆性感熱記録材料はこれらの変化の組合せで表示を行っている。より具体的には、熱により透明度や色調が可逆的に変化するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、常温より高い第一の特定温度で第一の色の状態となり、第一の特定温度よりも高い第二の特定温度で加熱し、その後、冷却することにより第二の色の状態となるもの、等が挙げられる。これらの中でも、特に第一の特定温度と第二の特定温度で色の状態が変化するものが好適に用いられる。
これらの例としては、第一の特定温度で透明状態となり、第二の特定温度で白濁状態となるもの(特開昭55−154198号公報)、第二の特定温度で発色し、第一の特定温度で消色するもの(特開平4−224996号公報、特開平4−247985号公報、特開平4−267190号公報など)、第一の特定温度で白濁状態となり、第二の特定温度で透明状態となるもの(特開平3−169590号公報)、第一の特定温度で黒、赤、青等に発色し、第二の特定温度で消色するもの(特開平2−188293号、特開平2−188294号公報)等が挙げられる。
このように本発明の可逆性感熱記録媒体は、加熱温度及び/又は加熱後の冷却速度により相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうるものである。この本発明に用いられる発色剤と顕色剤からなる組成物の基本的な発色・消色現象を説明する。図1はこの可逆性感熱記録媒体の発色濃度と温度との関係を示したものである。はじめ消色状態(A)にある可逆性感熱記録媒体を昇温していくと、溶融し始める温度T1で発色が起こり溶融発色状態(B)となる。溶融発色状態(B)から急冷すると発色状態のまま室温に下げることができ、固まった発色状態(C)となる。この発色状態が得られるかどうかは、溶融状態からの降温の速度に依存しており、徐冷では降温の過程で消色が起き、はじめと同じ消色状態(A)あるいは急冷発色状態(C)より相対的に濃度の低い状態が形成される。一方、急冷発色状態(C)をふたたび昇温していくと発色温度より低い温度T2で消色が起き(DからE)、ここから降温するとはじめと同じ消色状態(A)に戻る。実際の発色温度、消色温度は、用いる顕色剤と発色剤の組み合わせにより変化するので目的に合わせて選択できる。また溶融発色状態の濃度と急冷したときの発色濃度は、必ずしも一致するものではなく、異なる場合もある。
本発明の可逆性感熱記録媒体では、溶融状態から急冷して得た発色状態(C)は顕色剤と発色剤が分子どうしで接触反応しうる状態で混合された状態であり、これは固体状態を形成していることが多い。この状態は顕色剤と発色剤が凝集して発色を保持した状態であり、この凝集構造の形成により発色が安定化していると考えられる。一方、消色状態は両者が相分離した状態である。この状態は少なくとも一方の化合物の分子が集合してドメインを形成したり結晶化した状態であり、凝集あるいは結晶化することにより発色剤と顕色剤が分離して安定化した状態であると考えられる。多くの場合、両者が相分離し顕色剤が結晶化することによってより完全な消色が起きる。図1に示した溶融状態から徐冷による消色及び発色状態からの昇温による消色は、いずれもこの温度で凝集構造が変化し、相分離や顕色剤の結晶化が起きている。
本発明の組成物を可逆性感熱記録媒体として用いる場合、発色記録の形成はサーマルヘッドなどによりいったん溶融混合する温度に加熱し、急冷すればよい。また、消色は加熱状態から徐冷する方法と発色温度よりやや低い温度に加熱する方法の二つである。しかし、これらは両者が相分離したり、少なくとも一方が結晶化する温度に一時的に保持するという意味で同じである。発色状態の形成で急冷するのは、この相分離温度又は結晶化温度に保持しないようにするためである。ここにおける急冷と徐冷はひとつの組成物に対して相対的なものであり、その境界は発色剤と顕色剤の組合せにより変化する。
更に、前記の特徴を有する顕色剤と、消色促進剤として分子中に少なくとも1つ以上の窒素原子又は酸素原子を含む2価の基を有する化合物を併用することにより、消去状態を形成する過程において消色促進剤と顕色剤の間に分子間相互作用が誘起され消去速度が格段に速くなることが可能である。
前記感熱層を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(1)前記樹脂、及び前記電子供与性呈色化合物及び電子受容性化合物を溶媒中に溶解乃至分散させた感熱層用塗布液を支持体上に塗布し、該溶媒を蒸発させてシート状等にするのと同時に又はその後に架橋する方法、(2)前記樹脂のみを溶解した溶媒に前記電子供与性呈色化合物及び電子受容性化合物を分散させた感熱層用塗布液を支持体上に塗布し、該溶媒を蒸発させてシート状等にすると同時に又はその後に架橋する方法、(3)溶媒を用いず、前記樹脂と前記電子供与性呈色化合物及び電子受容性化合物とを加熱溶融して互いに混合し、この溶融混合物をシート状等に成形して冷却した後に架橋する方法、などが好適に挙げられる。なお、これらにおいて、前記支持体を用いることなく、シート状の可逆性感熱記録媒体として成形することもできる。
前記(1)又は(2)において用いる溶剤としては、前記樹脂及び前記電子供与性呈色化合物及び電子受容性化合物の種類等によって異なり一概には規定することはできないが、例えば、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、四塩化炭素、エタノール、トルエン、ベンゼン、などが挙げられる。
なお、前記電子受容性化合物は、前記感熱層中では粒子状に分散して存在している。
前記感熱層用塗布液には、コーティング材料用としての高度な性能を発現させる目的で、各種顔料、消泡剤、顔料、分散剤、スリップ剤、防腐剤、架橋剤、可塑剤等を添加してもよい。
前記感熱層の塗工方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ロール状で連続して、又はシート状に裁断した支持体を搬送し、該支持体上に、例えば、ブレード塗工、ワイヤーバー塗工、スプレー塗工、エアナイフ塗工、ビード塗工、カーテン塗工、グラビア塗工、キス塗工、リバースロール塗工、ディップ塗工、ダイ塗工等公知の方法で塗布する。
前記感熱層用塗布液の乾燥条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、室温〜140℃の温度で、10分間〜1時間程度、などが挙げられる。
前記感熱層における前記樹脂を硬化させるには、加熱、紫外線照射、電子線照射などにより行うことができる。これらの手段で硬化させる方法としては、具体的には、アクリル共重合体(アクリル樹脂)とポリイソシアネート化合物とを反応させることにより硬化させる。
前記紫外線照射は、公知の紫外線照射装置を用いて行うことができ、該装置としては、例えば、光源、灯具、電源、冷却装置、搬送装置等を備えたものが挙げられる。
前記光源としては、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、カリウムランプ、水銀キセノンランプ、フラッシュランプなどが挙げられる。該光源の波長は、前記可逆性感熱記録媒体用組成物に添加されている光重合開始剤及び光重合促進剤の紫外線吸収波長に応じて適宜選択することができる。
前記紫外線照射の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記樹脂を架橋するために必要な照射エネルギーに応じてランプ出力、搬送速度等を決めればよい。
前記電子線照射は、公知の電子線照射装置を用いて行うことができ、該電子線照射装置は、走査型(スキャンビーム)又は非走査型(エリアビーム)の2種に大別でき、その条件としては照射面積、照射線量等に応じて選択することができる。また、電子線照射条件は、樹脂を架橋するために必要な線量に応じて、電子流、照射幅、搬送スピードを考慮し、下記数式から決定することができる。
D=(△E/△R)・η・I/(W・V)
前記数式中、Dは、必要線量(Mrad)を表す。△E/△Rは、平均エネルギー損失を表す。ηは、効率を表す。Iは、電子流(mA)を表す。Wは、照射幅(cm)を表す。Vは、搬送速度(cm/s)を表す。
なお、工業的には、前記数式を簡略化し、下記数式を用いることが好ましい。
D・V=K・I/W
なお、装置定格は、Mrad・m/minで表され、電子流定格は、20〜500mA程度が選択される。
前記感熱層の膜厚は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1〜20μmが好ましく、3〜15μmがより好ましい。
前記感熱層の厚みが、薄すぎると発色濃度が低くなるため、画像のコントラストが低くなることがあり、一方、厚すぎると層内での熱分布が大きくなり、発色温度に達せず発色しない部分が発生し、希望とする発色濃度を得ることができなくなることがある。
(可逆性感熱記録部材)
本発明の可逆性感熱記録部材は、前記可逆表示可能な感熱層と情報記憶部とを、同一のカードに設け(一体化させ)、該情報記憶部の記憶情報の一部を感熱層に表示することにより、カード所有者等は特別な装置がなくてもカードを見るだけで情報を確認することができ、利便性に優れる。また、情報記憶部の内容を書き換えた時には可逆性感熱性記録部の表示を書き換えることで、可逆性感熱記録媒体を繰り返し何度も使用することができる。
前記情報記憶部と可逆表示部を有する部材としては、次の2つのものに大別できる。
(1)情報記録部を有する部材の一部を可逆性感熱記録媒体の支持体として、感熱層を直接形成したもの。
(2)情報記録部を有する部材に、別途形成された、支持体上に感熱層を有する可逆性感熱記録媒体の支持体面を接着したもの。
これら(1)及び(2)の場合、情報記憶部と可逆表示部のそれぞれの機能が発揮できるよう設定されることが必要であり、そうであれば情報記憶部の設定位置は、可逆性感熱記録媒体における支持体の感熱層を設けた面と反対側の面に設けることも、支持体と感熱層との間でも、あるいは感熱層上の一部に設けることもできる。
前記情報記憶部としては、特に制限はないが、例えば、磁気感熱層、磁気ストライプ、ICメモリー、光メモリー、RF−IDタグなどが好ましく用いられる。特にカードサイズよりも大きなサイズのシート媒体では、ICメモリー、RF−IDタグが好ましく用いられる。なお、前記RF−IDタグはICチップと、該ICチップに接続したアンテナとから構成されている。
前記磁気感熱層としては、通常用いられる酸化鉄、バリウムフェライト等と塩ビ系やウレタン系樹脂、ナイロン系樹脂等を用い、支持体上に塗工形成されるか、又は蒸着・スパッタリング等の方法により樹脂を用いず形成される。前記磁気感熱層は支持体における該感熱層とは反対側の面に設けてもよいし、支持体と該感熱層との間、該感熱層上の一部に設けてもよい。また、表示に用いる可逆感熱材料をバーコード、2次元コード等により記憶部に用いてもよい。これらの中では磁気記録、ICが更に好ましい。
前記情報記録部を有する部材としては、一般的には、カード、ディスク、ディスクカートリッジ、又はテープカセットがある。具体的には、ICカードや光カード等の厚手カード、フレキシブルディスク、光磁気記録ディスク(MD)やDVD−RAM等の記憶情報が書換可能なディスクを内蔵したディスクカートリッジ、CD−RW等のディスクカートリッジを用いないディスク、CD−R等の追記型ディスク、相変化形記憶材料を用いた光情報記録媒体(CD−RW)、ビデオテープカセット等が挙げられる。
また、可逆表示部と情報記憶部の双方を有する部材としては、例えば、カードの場合で説明すると、情報記憶部に記憶された情報の一部を感熱層に表示することによって、カード所有者等は、特別な装置がなくてもカードを見るのみで情報を確認することができて、可逆性感熱記録媒体を適用しないカードに比べてその利便性が非常に向上することになる。
前記情報記憶部は、必要な情報を記憶できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、磁気記録、接触型IC、非接触型IC、又は光メモリが有用である。
前記磁気記録層は、通常用いられる酸化鉄、バリウムフェライト等のような金属化合物及び塩ビ系、ウレタン系及びナイロン系のような樹脂等を用いて支持体に塗工形成するか、又は樹脂を用いず前記の金属化合物を用いて蒸着、スパッタリング等の方法により形成される。また、表示に用いる可逆性感熱記録媒体における感熱層をバーコード、2次元コード等のようなやり方で記憶部として用いることもできる。
ここで、更に具体的には、以下の本発明の可逆性感熱記録ラベル、可逆性感熱記録部材、画像処理装置及び画像処理方法などに特に好適に使用することができる。なお、本発明において、可逆性感熱記録媒体表面とは、感熱層側表面のことを意味し、保護層に限ったものでなく、印刷層表面、OP層表面など印字消去の際サーマルヘッドに接触する全て又は一部の面を意味している。
本発明の可逆性感熱記録部材は、前記可逆表示可能な感熱層と情報記憶部とを有し、該情報記憶部の好適なものとしてRF−IDタグが挙げられる。図2は、RF−IDタグ85の概略図を示す。このRF−IDタグ85はICチップ81と、該ICチップに接続したアンテナ82とから構成されている。前記ICチップ81は記憶部、電源調整部、送信部、受信部の4つに区分されており、それぞれが働きを分担して通信を行っている。通信はRF−IDタグとリーダライタのアンテナが電波により通信してデータのやり取りを行う。具体的には、RF−IDのアンテナがリーダライタからの電波を受信し共振作用により電磁誘導等により起電力が発生する。これによりRF−IDタグ内のICチップが起動し、チップ内の情報を信号化し、その後、RF−IDタグから信号を発信する。この情報をリーダライタ側のアンテナで受信してデータ処理装置で認識し、ソフト側でデータ処理を行う。
前記RF−IDタグはラベル状又はカード状に加工されており、図3に示すように、RF−IDタグ85を本発明の前記可逆性感熱記録媒体に貼り付けることができる。RF−IDタグ85は感熱層面又はバック層面に貼ることができるが、バック層面に貼ることが望ましい。RF−IDタグと可逆性感熱記録媒体を貼り合わせるためには公知の接着剤又は粘着剤を使用することができる。
図4は、可逆性感熱記録媒体を産業用リライタブルシート(可逆性感熱記録部材)90に適用した例を示し、図4(A)に示すように、感熱層側には書き換え可能な表示部が設けられており、裏面(バック層)には、図4(B)に示すように、RF―IDタグを貼り合わせてもよく、図3に示すようにRF−IDタグを貼り付けてもよいが、利便性が向上する点でRF−IDタグを有するものが好ましい。
図5に、本発明の前記可逆性感熱記録媒体(リライタブルシート)とRF−IDタグを組み合わせた産業用リライタブルシートの使い方の例を示す。まず、納品された原材料に対して物品名と数量などの情報をシートとRF−IDタグに記録し、通い箱等に添付し検品される。次工程では納入された原材料に加工指示が与えられ、リライタブルシートとRF−IDタグに情報が記録され加工指示書となり加工工程へと進む。次いで、加工された商品には発注指示書として発注情報が記録されたリライタブルシートとRF−IDタグが添付され、商品出荷後にリライタブルシートを回収し出荷情報を読み取り、再度納品書として使われる。
(可逆性感熱記録ラベル)
本発明の可逆性感熱記録ラベルは、本発明の前記可逆性感熱記録媒体における画像を形成する面と反対側の面(支持体の上に前記感熱層を有する場合には、該支持体における前記感熱層を形成した面の反対側の面)に接着剤層及び粘着剤層の少なくともいずれかを有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の層を有してなる。
前記接着剤層乃至前記粘着剤層の形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、シート状、フィルム状などが挙げられ、前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記感熱層よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。
前記接着剤層乃至前記粘着剤層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、酢ビ系樹脂、酢酸ビニル−アクリル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アクリル酸エステル系共重合体、メタクリル酸エステル系共重合体、天然ゴム、シアノアクリレート系樹脂、シリコーン系樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、また、ホットメルトタイプでもよく、また、剥離紙を用いてもよいし、無剥離紙タイプでもよい。
前記可逆性感熱記録ラベルが前記接着剤層及び前記粘着剤層の少なくともいずれかを有していると、前記感熱層の塗布が困難な磁気ストライプ付塩化ビニル製カード等の厚手基板の全面又は一部に、貼付可能であり、磁気に記憶された情報の一部を表示可能とすることができる。
前記可逆性感熱記録ラベルをフィルム等の貼り合わせ用基材に貼り合せるためには熱プレス機等を用いて熱と圧力を加える熱ラミネートを行うことが好ましい。前記熱としては80〜160℃が好ましく、90〜160℃がより好ましく、100〜150℃が更に好ましい。前記圧力としては5〜50kgf/cmが好ましく、10〜30kgf/cmがより好ましい。なお、温度と圧力は使用する貼り合わせ基材によって選択される。この場合、前記可逆性感熱記録ラベルと貼り合わせ用基材との十分な接着性を得るためにはできるだけ高温で加熱した方が好ましいが、熱ラミネート時の加熱温度又は圧力が上記範囲よりも高い場合には、貼り合わせ基材が溶融し変形する、又は可逆性感熱記録ラベルへの熱と圧力の負荷がかかり印字消去特性に悪い影響を及ぼしてしまうことがある。一方、上記範囲よりも低い場合には貼り合わせ基材同士の接着や基材と可逆性感熱記録ラベルとの接着性が十分に得ることができずに剥がれが発生することがある。
前記可逆性感熱記録記録ラベルは、ICカードや光カード等の厚手カード、フレキシブルディスク、光磁気記録ディスク(MD)やDVD−RAM等の記憶情報が書換可能なディスクを内蔵したディスクカートリッジ、CD−RW等のディスクカートリッジを用いないディスク、CD−R等の追記型ディスク、相変化形記憶材料を用いた光情報記録媒体(CD−RW)、ビデオテープカセット上の表示ラベルの代替品とすることができる。
また、磁気ストライプ付塩化ビニル製カード等のように、支持体として感熱層の塗布が困難な厚手のもの場合には、その全面又は一部に接着剤層又は粘着剤層を設けることができる。こうすることによって、磁気に記憶された情報の一部を表示することができる等、この媒体の利便性を向上できる。
前記接着剤層又は粘着剤層を設けた可逆性感熱記録ラベルとしては、上記の磁気付塩ビカードだけでなく、ICカードや光カード等の厚手カードにも適用できる。
また、この可逆性感熱記録ラベルは、フレキシブルディスク、MDやDVDRAM等の記憶情報が書換可能なディスクを内蔵したディスクカートリッジ上の表示ラベルの代わりとして用いることができる。さらに、CD−RW等のディスクカートリッジを用いないディスクの場合には、直接ディスクに可逆性感熱記録ラベルを貼ることや、直接ディスク上に感熱層を設けることもできる。こうすることによって、それらの記憶内容の変更に応じて自動的に表示内容を変更する等の用途への応用が可能である。
また、本発明の可逆性感熱記録ラベルは、CD−Rなどの追記型ディスク上に可逆性感熱記録ラベルを貼って、CD−Rに追記した記憶情報の一部を書換え表示することも可能である。更に、ビデオテープカセットの表示ラベルとして用いてもよい。
厚手カード、ディスクカートリッジ、ディスク上に可逆性感熱記録機能を設ける方法としては、上記の可逆性感熱記録ラベルを貼る方法以外に、それらの上に感熱層を直接塗布する方法や、予め別の支持体上に感熱層を形成しておき、厚手カード、ディスクカートリッジ、ディスク上に該感熱層を転写する方法等がある。
前記転写する場合には、感熱層上にホットメルトタイプ等の接着層や粘着層を設けておいてもよい。
図6は、本発明の可逆性感熱記録ラベル10をMDのディスクカートリッジ70上に貼付した例を示す。この場合、MDへの記憶内容の変更に応じて自動的に表示内容を変更するなどの用途への応用が可能である。なお、CD−RW等のディスクカートリッジを用いないディスクの場合には、直接ディスクに本発明の前記可逆性感熱記録ラベルを貼付してもよい。
図7は、本発明の可逆性感熱記録ラベル10をCD−RW71上に貼付した例を示す。この場合、CD−RWの変わりにCR−R等の追記型ディスク上に、前記可逆性感熱記録ラベルを貼付して、そのCD−Rに追記した記憶情報の一部を替換え表示することが可能である。
図8は、AgInSbTe系の相変化形記憶材料を用いた光情報記録媒体(CD−RW)上に、本発明の前記可逆性感熱記録ラベルを貼付した例である。このCD−RWの基本的な構成は、案内溝を有する基体111上に、第1誘電体層110、光情報記憶層109、第2誘電体層108、反射放熱層107、中間層106がこの順に設けられ、基体111の裏面にハードコート層112を有する。このCD−RWの中間層106上に、本発明の可逆性感熱記録ラベル10が貼付されている。可逆性感熱記録ラベル10は、接着剤層及び粘着剤のいずれかの層105、バック層104、支持体103、可逆感熱層102、及び保護層101をこの順に有してなる。なお、前記誘電体層は必ずしも前記光情報記憶層の両側に設ける必要はないが、前記基体がポリカーボネート樹脂のように耐熱性が低い材料の場合には、第一誘電体層110を設けることが望ましい。
図9は、本発明の可逆性感熱記録ラベル10をビデオカセット72上に貼付した例を示す。この場合、ビデオテープカセットへの記憶内容の変更に応じて自動的に表示内容を変更するなどの用途への応用が可能である。
前記可逆性感熱記録機能を、カード、ディスク、ディスクカートリッジ、及びテープカセット上に設ける方法としては、前記可逆性感熱記録ラベルを貼る方法以外に、それらの上に前記感熱層を直接塗布する方法、予め別の支持体上に前記感熱層を形成しておき、前記カード、前記ディスク、前記ディスクカートリッジ及び前記テープカセット上に該感熱層を転写する方法、などが挙げられる。前記感熱層を転写する方法の場合には、前記感熱層上にホットメルトタイプなどの前記接着層や前記粘着層を設けておいてもよい。前記カード、前記ディスク、前記ディスクカートリッジ及びテープカセットなどのように剛直なものの上に前記可逆性感熱記録ラベルを貼付したり、前記感熱層を設ける場合には、サーマルヘッドとの接触性を向上させて画像を均一に形成するために弾力があり、クッションとなる層、又はシートを剛直な基体とラベル若しくは前記感熱層の間に設けることが好ましい。
本発明の可逆性感熱記録媒体は、例えば、図10に示すように、支持体11上に、可逆性感熱層13、中間層14、及び保護層15を設け、支持体11の裏面にバック層16を設けてなるフィルム、図11に示すように、支持体11上に、可逆性感熱層13、及び保護層15を設け、支持体11の裏面にバック層16を設けてなるフィルム、などの態様をとることができる。
これら各態様のフィルム(可逆性感熱記録媒体)は、例えば、図3に示すRF−IDタグ85を設けたシート状の各種産業用リライタブルシートなどに好適に使用することができる。また、例えば、図12Aに示すように、印刷表示部23を有する可逆性感熱記録カード21に加工した形態として使用することができる。なお、図12Bに示すように、カードの裏面側は磁気記録部と、該磁気記録部の上にバック層24が形成されている。
また、図13Aに示す可逆性感熱記録部材(カード)は、支持体上に、可逆性感熱層、保護層を設けてなるフィルムをカード状に加工し、ICチップを納める窪み部25を形成すると共に、カード状に加工したものである。図13Aでは、カード状の可逆性感熱記録媒体に書き換え記録部26がラベル加工されるとともに、カードの裏面側には所定箇所にICチップ埋め込み用窪み部25が形成されている。この窪み部25に、図13Bに示すようにウエハ231が組込まれて固定される。ウエハ231は、ウエハ基板232上に、集積回路233が設けられると共に、集積回路233に電気的に接続されている複数の接触端子234がウエハ基板232に設けられる。この接触端子234はウエハ基板232の裏面側に露出しており、専用のプリンタ(リーダライタ)が、接触端子234に電気的に接触して所定の情報を読み出したり書き換えたりできるように構成されている。
次に、前記可逆性感熱記録カードについて図14を参照しつつ、その機能について説明する。図14Aは、集積回路233を示す概略の構成ブロック図である。また、図14Bは、RAMの記憶データの一例を示す構成ブロック図である。集積回路233は、例えば、LSIで構成されており、その中には制御動作を所定の手順で実行することのできるCPU235と、CPU235の動作プログラムデータを格納するROM236と、必要なデータの書き込み及び読み出しができるRAM237を含む。更に、集積回路233は、入力信号を受けてCPU235に入力データを与えるとともにCPU235からの出力信号を受けて外部に出力する入出力インターフェース238と、図示を省略しているが、パワーオンリセット回路、クロック発生回路、パルス分周回路(割込パルス発生回路)、アドレスデコーダ回路とを含む。
CPU235は、パルス分周回路から定期的に与えられる割込パルスに応じて、割込制御ルーチンの動作を実行することが可能となる。また、アドレスデコード回路は、CPU235からのアドレスデータをデコードし、ROM236、RAM237、入出力インターフェース238にそれぞれ信号を与える。入出力インターフェース238には、複数(図14中では8個)の接触端子234が接続されており、前記専用プリンタ(リーダライタ)からの所定データがこの接触端子234から入出力インターフェース238を介してCPU235に入力される。CPU235は、入力信号に応答して、かつROM236内に格納されたプログラムデータに従って、各動作を行い、かつ所定のデータ、信号を入出力インターフェース238を介してシートリーダライタに出力する。
図14Bに示すように、RAM237は、複数の記憶領域239a〜239gを含む。例えば、領域239aにはシート番号が記憶されている。例えば、記憶領域239bには、シート管理者の氏名、所属、電話番号等のIDデータが記憶されている。例えば、記憶領域239cには、使用者の使用しうる残存余白又は取り扱いに関する情報が記憶されている。例えば、記憶領域239d、記憶領域239e、記憶領域239f及び記憶領域239gには、前管理責任者、前使用者に関する情報、などが記憶される。
本発明の前記可逆性感熱記録ラベル及び前記可逆性感熱記録部材の少なくともいずれかは、特に制限はなく、各種画像処理方法及び画像処理装置により、画像処理することができが、後述する本発明の画像処理装置を用いて好適に画像の形成及び消去を行うことができる。
(画像処理方法及び画像処理装置)
本発明の画像処理装置は、画像形成手段及び画像消去手段の少なくともいずれかを有し、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、搬送手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像処理方法は、前記本発明の前記可逆性感熱記録媒体を加熱して画像の形成及び消去の少なくともいずれかを行い、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、搬送工程、制御工程等を有してなる。
本発明の画像処理方法は、本発明の画像処理装置により好適に実施することができ、前記本発明の可逆性感熱記録媒体を加熱して画像の形成及び画像の消去の少なくともいずれかは前記画像形成手段及び画像消去手段の少なくともいずれかにより行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
−画像形成手段及び画像消去手段−
前記画像形成手段は、本発明の前記可逆性感熱記録媒体を加熱して画像を形成する手段である。また、前記画像消去手段は、前記本発明の可逆性感熱記録媒体を加熱して画像を消去する手段である。
前記画像形成手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サーマルヘッド、レーザーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記画像消去手段としては、本発明の前記可逆性感熱記録媒体を加熱して画像を消去する手段であり、例えば、ホットスタンプ、セラミックヒータ、ヒートローラ、ヒートブロック、熱風等や、サーマルヘッド、レーザー照射装置、等が挙げられる。これらの中では、セラミックヒータが好適である。前記セラミックヒータを用いることにより、装置が小型化でき、かつ安定した消去状態が得られ、コントラストのよい画像が得られる。前記セラミックヒータの設定温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、110℃以上が好ましく、112℃以上がより好ましく、115℃以上が特に好ましい。
前記サーマルヘッドを用いることにより、更に小型化が可能となり、また、消費電力を低減することが可能であり、バッテリー駆動のハンディタイプの装置も可能となる。また、前記画像の記録及び消去を兼ねて一つのサーマルヘッドとすることができ、この場合は、更に小型化が可能となる。一つのサーマルヘッドで記録と消去とを行う場合、一旦前画像を全部消去した後、改めて新しい画像を記録してもよいし、画像毎にエネルギーを変えて一度に前の画像を消去し、新しい画像を記録していくオーバーライト方式も可能である。該オーバーライト方式においては、前記画像の記録及び消去を合わせた時間が少なくなり、記録のスピードアップにつながる。
前記感熱層と情報記憶部とを有する可逆性感熱記録部材(カード)を用いる場合、上記装置には、情報記憶部の記憶を読み取る手段と書き換える手段なども含まれる。
前記搬送手段は、前記可逆性感熱記録媒体を順次搬送する機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、搬送ベルト、搬送ローラ、搬送ベルトと搬送ローラとの組合せ、などが挙げられる。
前記制御手段は、前記各工程を制御する機能を有する限り特に制限はなく、各工程の制御を行うことができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
本発明の画像処理装置により本発明の画像処理方法を実施する一の態様について、図15〜図17を参照しながら説明する。図15に示すように、画像処理装置100は、ヒートローラ96と、サーマルヘッド95、及び搬送ローラを備えている。この画像処理装置においては、ヒートローラ96にて感熱層に記録された画像を加熱消去する。次いで、処理された新しい情報がサーマルヘッド95により感熱層に記録される。
また、可逆性感熱記録媒体がRF−IDタグを有している場合には、図16及び図17に示すように、更に、RF−ID読み取り装置99を備えている。この場合、図17に示すような並列タイプの画像処理装置の態様もある。
図16及び図17に示すように、この画像処理装置100においては、最初、可逆性感熱記録媒体に貼り付けられたRF−IDタグの情報をRF―IDリーダライタ99により読み取り、新しい情報をRF−IDに入力した後に、ヒートローラ96にて感熱感熱層に記録された画像を加熱消去する。更に、RF−IDリーダライタによって読み取り書き換えた情報を基にして、処理された新しい情報をサーマルヘッドにより可逆感熱感熱層に記録される。
なお、RF−IDリーダライタ以外ではバーコード読み取り装置や、磁気ヘッド等を用いても良い。バーコード読み取り装置の場合には可逆感熱感熱層に既に記録されているバーコード情報を読み取った後、ヒートローラにより可逆感熱感熱層に記録されたバーコード及び可視化情報を消去し、バーコードから読み取った情報を基に処理された新しい情報がバーコード及び可視化情報としてサーマルヘッドにより可逆感熱感熱層に記録される。
図15又は図16に示す画像処理装置については、可逆性感熱記録媒体をスタックしておくトレーがあり、ここから媒体がフリクションパッド方式等の給紙方法により1枚ずつピックアップされる。搬送された媒体は搬送ローラにより搬送され、RF―IDリーダライタ部分へと送られ、ここでデータの読み書きが行われる。更に、搬送ローラにより消去ユニットであるヒートローラ部へ媒体が搬送され、媒体に記録されている可視化情報が消去される。その後、サーマルヘッド部へと搬送され、媒体に新しい情報を記録する。その後、搬送ローラにより媒体が搬送され、上部の排紙部より媒体が搬出される。
ここで、ヒートローラの設定温度は可逆性感熱記録媒体の消去温度にマッチングする温度設定にすることが望ましい。例えば、ヒートローラ表面温度は、100℃以上190℃以下が好ましく、110℃以上180℃以下がより好ましく、115℃以上170℃以下が更に好ましい。
更に、図18を参照しながら説明する。図18Aに示す画像処理装置は、前記加熱処理手段としてのサーマルヘッド53と、セラミックヒータ38と、磁気ヘッド34と、搬送ローラ31、40及び47とを備えている。
図18Aに示すように、この画像処理装置においては、最初、可逆性感熱記録媒体の磁気感熱層に記憶された情報を磁気ヘッドで読み取る。次に、セラミックヒータで可逆性感熱層に記録された画像を加熱消去する。更に、磁気ヘッドで読み取られた情報をもとにして、処理された新たな情報がサーマルヘッドにより、可逆性感熱層に記録される。その後、磁気感熱層の情報も新たな情報に書き換えられる。
図18Aに示す画像処理装置においては、感熱層の反対側に磁気感熱層を設けた可逆性感熱記録媒体1は往復の矢印で図示されている搬送路に沿って搬送され、或いは搬送路に沿って装置内を逆方向に搬送される。可逆性感熱記録媒体1は、磁気ヘッド34及び搬送ローラ31間で磁気感熱層に磁気記録乃至消去され、セラミックヒータ38及び搬送ローラ40間で画像消去のため加熱処理され、サーマルヘッド53及び領域搬送ローラ47間で画像形成される。その後、装置外に搬出される。先に説明したように、セラミックヒータ38の設定温度は110℃以上が好ましく、112℃以上が更に好ましく、115℃以上が特に好ましい。ただし、磁気記録の書替えはセラミックヒータによる画像消去の前であってもよいし、後であってもよい。また、所望により、セラミックヒータ38及び搬送ローラ40間を通過後、又はサーマルヘッド53及び搬送ローラ47間を通過後、搬送路を逆方向に搬送される。セラミックヒータ38よる再度の熱処理、サーマルヘッド53による再度の印字処理を施すことができる。
図18Bの画像処理装置においては、出入口30から挿入された可逆性感熱記録媒体1は、一点破線で図示されている搬送路50に沿って進行し、或いは搬送路50に沿って装置内を逆方向に進行する。出入口30から挿入された可逆性感熱記録媒体1は、搬送ローラ31及びガイドローラ32により記録装置内を搬送される。搬送路50の所定位置に到達するとセンサ33により制御手段34cを介してその存在を認識され、磁気ヘッド34とプラテンローラ35との間で磁気感熱層に磁気記録或いは記録消去され、ガイドローラ36及び搬送ローラ37間を通過し、ガイドローラ39及び搬送ローラ40間を通過し、センサ43により、セラミックヒータ制御手段38cを介してその存在を認識して作動するセラミックヒータ38とプラテンローラ44との間で画像消去のため加熱処理され、搬送ローラ45、46及び47により搬送路50内を搬送され、所定位置にてセンサ51により、サーマルヘッド制御手段53cを介してその存在を認識して作動するサーマルヘッド53及びプラテンローラ52間で画像形成され、搬送路56aから搬送ローラ59及びガイドローラ60により出口61を経て装置外に搬出される。ここで、セラミックヒータ38の設定温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、上述したように、110℃以上が好ましく、112℃以上が更に好ましく、115℃以上が特に好ましい。
また、所望により、搬送路切換手段55aを切り替えることにより搬送路56bに導き、可逆性感熱記録媒体1の押圧により入力するリミットスイッチ57aの作動により逆方向に動く搬送ベルト58によって、可逆性感熱記録媒体1を再度、サーマルヘッド53及びプラテンローラ52間で熱処理した後、搬送路切換手段55bを切り替えることにより通じる搬送路49b、リミットスイッチ57b、搬送ベルト48を介して順方向に搬送し、搬送路56aから搬送ローラ59及びガイドローラ60により出口61を経て装置外に搬出することができる。更に、このような分岐した搬送路及び搬送切換手段は、セラミックヒータ38の両側に設けることもできる。その場合には、センサ43aを、プラテンローラ44と搬送ローラ45との間に設けることが望ましい。
本発明の画像処理装置及び画像処理方法によると、安定な発色性と消色性を保持し、熱に対する保存安定性やアルコールに対する保存安定性が良好であり、熱ラミネートしても地肌カブリがなく、さらに高速消去に対応できる前記本発明の可逆性感熱記録媒体を用いているので、発色濃度が良好であって、かつ高速消去性に優れ、しかも、実用性の高い書き換え記録を行うことができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
(合成例1)
反応容器内に3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ヒドラジド18.0g、オクタデカンスルホニルクロライド35.3g、及びジメチルホルムアミド(DMF)500mlを収容し、トリエチルアミン20.2gの存在下、60℃にて3時間反応させることにより、下記構造式で表されるフェノール化合物35.3gを合成した。
Figure 2005262782
(合成例2)
反応容器内にチラミン13.7g、ヘプタン二酸モノエチル18.8g、及びテトラヒドロフラン(THF)600mlを収容し、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物16.2g、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド13.9gの存在下、3時間加熱還流することにより、白色固体23.1gを得た。これにヒドラジン一水和物92.4gを加え、100℃にて8時間反応させることにより、酸ヒドラジド化合物17.6gを得た。
次に、得られた酸ヒドラジド化合物17.6g、ヘキサデカンスルホニルクロライド19.5g、及びジメチルホルムアミド(DMF)400mlを反応容器内に入れ、トリエチルアミン12.2gの存在下、60℃にて3時間反応させることにより、下記構造式で表されるフェノール化合物27.1gを合成した。
Figure 2005262782
(合成例3)
反応容器内に3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ヒドラジド18.0g、ヘキサデカンスルホニルクロライド32.5g、及びジメチルホルムアミド(DMF)500mlを収容し、トリエチルアミン20.2gの存在下、60℃にて3時間反応させることにより、下記構造式で表されるフェノール化合物35.0gを合成した。
Figure 2005262782
(合成例4)
反応容器内に4−アミノフェノール10.9g、ドデカン二酸モノエチル25.8g、及びテトラヒドロフラン(THF)600mlを収容し、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物16.8g、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド14.1gの存在下、3時間加熱還流することにより、白色固体28.1gを得た。これにヒドラジン一水和物110.0gを加え、100℃にて8時間反応させることにより、酸ヒドラジド化合物21.5gを得た。
次に、得られた酸ヒドラジド化合物21.5g、オクタデカンスルホニルクロライド22.6g、及びジメチルホルムアミド(DMF)500mlを反応容器内に入れ、トリエチルアミン13.0gの存在下、60℃にて3時間反応させることにより、下記構造式で表されるフェノール化合物26.3gを合成した。
Figure 2005262782
(実施例1)
−可逆性感熱記録媒体の作製−
(1)感熱層の形成
2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン2質量部、下記構造式で表される顕色剤(合成例1)8質量部、及びアクリルポリオール樹脂の15質量%メチルエチルケトン(MEK)溶液150質量部をボールミルを用いて粒径1〜4μmまで粉砕分散した。
Figure 2005262782
得られた分散液に、アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネートの75質量%酢酸エチル溶液(日本ポリウレタン株式会社製、コロネードHL)10質量部を加え、良く撹拌して感熱層用塗布液を調製した。該感熱層用塗布液を、厚さ約250μmの磁気層付き白色ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(大日本インキ株式会社製)上にワイヤーバーを用いて塗布し、115℃にて1分間乾燥した後、60℃にて36時間加熱して、膜厚約11.0μmの感熱層を形成した。
(2)中間層の形成
次に、ポリエステルポリオール樹脂(武田薬品工業株式会社製、タケラックU−21)の10質量%メチルエチルケトン(MEK)溶液100質量部、及び酸化亜鉛(住友大阪セメント株式会社製)10質量部、及びコロネートHL(日本ポリウレタン株式会社製)15質量部を混合し、中間層用塗布液を調製した。該中間層用塗布液を前記感熱層上にワイヤーバーを用いて塗布し、90℃にて1分間で乾燥した後、60℃にて2時間加熱して、膜厚約2.0μmの中間層を形成した。
(3)保護層の形成
次に、ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂(大日本インキ株式会社製、C7−157)7質量部、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性アクリル酸エステル(日本化薬株式会社製、KAYARAD DPCA−120)3質量部、シリカ(水沢化学株式会社製、P−527)1.5質量部、及び酢酸エチル90質量部を混合し、保護層用塗布液を調製した。該保護層用塗布液を前記中間層上に、ワイヤーバーを用いて塗工した後、照射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下を12m/分の搬送速度で通して硬化して膜厚3μmの保護層を設けた。
以上により、実施例1の可逆性感熱記録媒体を作製した。
(実施例2)
−可逆性感熱記録媒体の作製−
実施例1において、前記感熱層の形成工程における顕色剤を下記構造式で表される顕色剤(合成例2)に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の可逆性感熱記録媒体を作製した。
Figure 2005262782
(実施例3)
−可逆性感熱記録媒体の作製−
実施例1において、前記感熱層の形成工程における顕色剤を下記構造式で表される顕色剤(合成例3)に変更し、更に消色促進剤としてのC1533CONHC1835を2質量部添加した分散液とした以外は、実施例1と同様にして、実施例3の可逆性感熱記録媒体を作製した。
Figure 2005262782
(実施例4)
−可逆性感熱記録媒体の作製−
実施例1において、前記感熱層の形成工程における顕色剤を下記構造式で表される顕色剤(合成例4)に変更し、更に下記構造式(A)で表される消色促進剤を3質量部添加した分散液とした以外は、実施例1と同様にして、実施例4の可逆性感熱記録媒体を作製した。
Figure 2005262782
Figure 2005262782
(実施例5)
−可逆性感熱記録ラベルの作製−
飽和ポリエステル樹脂(東亞合成株式会社製、PES−355S30、ガラス転移温度(Tg)=5.5℃)30質量部、トルエン56質量部、メチルエチルケトン(MEK)14質量部、及び多価アルコール脂肪酸エステル(理研ビタミン株式会社製、SL−02)0.6質量部を混合し、接着剤層用塗布液を調製した。該接着剤層用塗布液を、実施例1で作製した可逆性感熱記録媒体の感熱層と反対側の面に、膜厚が約10μmになるように塗布し、接着剤層を形成した。以上により、実施例5の可逆性感熱記録ラベルを作製した。
(比較例1)
−可逆性感熱記録媒体の作製−
実施例1において、前記感熱層の形成工程における顕色剤を下記構造式で表される顕色剤に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の可逆性感熱記録媒体を作製した。
Figure 2005262782
(比較例2)
−可逆性感熱記録媒体の作製−
実施例1において、前記感熱層の形成工程における顕色剤を下記構造式で表される顕色剤に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の可逆性感熱記録媒体を作製した。
Figure 2005262782
(比較例3)
−可逆性感熱記録ラベルの作製−
実施例5において、前記感熱層の形成工程における顕色剤を下記構造式で表される顕色剤に変更した以外は、実施例5と同様にして、比較例3の可逆性感熱記録ラベルを作製した。
Figure 2005262782
次に、作製した各可逆性感熱記録媒体については、以下のようにして、発色消色特性、耐熱保存性、及び耐アルコール保存性を評価した。結果を表1に示す。
<発色消色特性評価>
作製した可逆性感熱記録媒体を端面型サーマルヘッド(松下電子部品株式会社製、EUX−ET8A9AS1、抵抗値=1152Ω)を用いた感熱印字シミュレーター(八城製作所製)を用いて下記の条件で印字及び消去を行い、その際の消し残り濃度をマクベス濃度計RD−914で測定し、下記数式1から消し残り濃度を求めた。
〔評価条件〕
パルス幅2ms、ライン周期2.86ms、印字速度43.10mm/s、副走査密度8dot/mm
〔数式1〕
消し残り濃度 = 消去後の画像部の濃度 − 地肌濃度
<耐熱保存性評価>
前記のようにして作成した印字画像を高温(65℃−20%RH)環境下に24時間保存し、保存前後の画像濃度をマクベス濃度計RD−914を用いて測定し、画像濃度残存率(残存率)を求めた。
〔数式2〕
画像濃度残存率(%)=(保存後の画像濃度/保存前の画像濃度)×100
<耐アルコール保存性評価>
前記のようにして作成した印字画像を60質量%のエタノール水溶液中に24時間保存し、保存前後の画像濃度をマクベス濃度計RD−914を用いて測定し、画像濃度残存率(残存率)を求めた。
〔数式2〕
画像濃度残存率(%)=(保存後の画像濃度/保存前の画像濃度)×100
<熱ラミネートによる地肌カブリ評価>
作製した実施例5及び比較例3の可逆性感熱記録ラベルを透明な塩化ビニルからなるオーバーシート2枚の間に白色の塩化ビニルからなるコアシート2枚を挟みこんだサンプルを圧力15kgf/cm、時間20分、温度を130℃及び150℃でラミネートして可逆性感熱記録媒体を作製し、その地肌部の濃度をマクベス濃度計RD−914を用いて測定した。結果を表2に示す。
Figure 2005262782
表1の結果から、実施例1〜4では、高い発色濃度と良好な消去性を維持したまま、耐熱保存性及び耐アルコール保存性が改善されることが認められる。
Figure 2005262782
表2の結果から、実施例5の可逆性感熱記録ラベルは、比較例3の可逆性感熱記録ラベルに比べて150℃の熱ラミネートでも地肌部が発色を起こさず、安定なままラミネートすることが可能であることが認められる。
本発明の可逆性感熱記録媒体は、カード状に加工されたものについてはプリペイドカード、ポイントカード、更には、クレジットカードなどに用いられる。カードサイズよりも大きなシートサイズでは印字する範囲が広くなるため、一般文書や工程管理用の指示書等に使用することができる。従って、本発明の可逆性感熱記録媒体は、入出チケット、冷凍食品用容器、工業製品、各種薬品容器等のステッカー、物流管理用途、製造工程管理用途などの大きな画面、多様な表示に幅広く用いることができる。
図1は、本発明の可逆性感熱記録媒体の発色・消色特性(発色・消色現象)を示す図である。 図2は、RF−IDタグの一例を示す概略図である。 図3は、可逆性感熱記録媒体のバック層面側にRF−IDタグを貼り合せた状態を示す概略図である。 図4は、産業用リライタブルシート(可逆性感熱記録媒体)の一例を示す概略図である。 図5は、産業用リライタブルシート(可逆性感熱記録媒体)の使用方法を示す概略図である。 図6は、本発明の可逆性感熱記録媒体ラベルをMDのディスクカートリッジ上に貼付した状態の一例を示す概略図である。 図7は、本発明の可逆性感熱記録媒体ラベルをCD−RW上に貼付した状態の一例を示す概略図である。 図8は、本発明の可逆性感熱記録媒体ラベルを光情報記録媒体(CD−RW)上に貼付した状態の一例を示す概略断面図である。 図9は、本発明の可逆性感熱記録媒体ラベルをビデオカセットに貼付した状態の一例を示す概略図である。 図10は、本発明の可逆性感熱記録媒体の層構成の一例を示す概略断面図である。 図11は、本発明の可逆性感熱記録媒体の層構成の別の一例を示す概略断面図である。 図12Aは、本発明の可逆性感熱記録媒体の一例をカード状に加工したものの表面側の概略図である。図12Bは、図12Aの裏面側の概略図である。 図13Aは、本発明の可逆性感熱記録媒体の一例を他のカード状に加工した例の概略図である。図13Bは、図13AのICチップ用窪み部に埋め込まれるICチップの概略図である。 図14Aは、集積回路を示す概略の構成ブロック図である。図14Bは、RAMが複数の記憶領域を含むことを示す概略図である。 図15は、本発明の画像処理方法に用いる画像処理装置の一例を示す概略図である。 図16は、本発明の画像処理方法に用いる画像処理装置の別の一例を示す概略図である。 図17は、本発明の画像処理方法に用いる画像処理装置の更に別の一例を示す概略図である。 図18Aは、面像の消去をセラミックヒータ、画像の形成をサーマルヘッドでそれぞれ行う場合の画像処理装置の概略図を示す。図18Bは、本発明の画像処理装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 可逆性感熱記録媒体
10 可逆性感熱記録ラベル
11 支持体
13 感熱層
14 中間層
15 保護層
16 バック層
22 書き換え記録部
23 印刷表示部
24 バック層
25 窪み部
26 書き換え記録部
30 出入口
31 搬送ローラ
32 ガイドローラ
33 センサ
34 磁気ヘッド
34c 制御手段
35 プラテンローラ
36 ガイドローラ
37 搬送ローラ
38 セラミックヒータ
38c セラミックヒータ制御手段
39 ガイドローラ
40 搬送ローラ
43 センサ
43a センサ
44 プラテンローラ
45 搬送ローラ
46 搬送ローラ
47 搬送ローラ
48 搬送ベルト
49b 搬送路
50 搬送路
51 センサ
52 プラテンローラ
53 サーマルヘッド
53c サーマルヘッド制御手段
55a 搬送路切換手段
55b 搬送路切換手段
56a 搬送路
56b 搬送路
57a リミットスイッチ
57b リミットスイッチ
58 搬送ベルト
59 搬送ローラ
60 ガイドローラ
61 出口
70 MDディスクカートリッジ
71 CD−RW
72 ビデオカセット
81 ICチップ
82 アンテナ
85 RF−IDタグ
90 産業用リライタブルシート(可逆性感熱記録部材)
94 セラミックヒータ
95 サーマルヘッド
96 ヒートローラ
97 給紙トレイ
98 可逆性感熱記録媒体(リライタブルシート)
99 RF−IDリーダライタ
100 画像処理装置
101 保護層
102 感熱層
103 支持体
104 バック層
105 接着剤層又は粘着剤層
106 中間層
107 反射放熱層
108 第2誘電体層
109 光情報記憶層
110 第1誘電体層
111 基体
112 ハードコート層
231 ウエハ
232 ウエハ基板
233 集積回路
234 接触端子
235 CPU
236 ROM
237 RAM
238 入出力インターフェース
239a〜239g 記憶領域

Claims (16)

  1. 電子供与性呈色化合物及び電子受容性化合物を含み、温度に依存して色調が可逆的に変化する可逆性感熱層用組成物において、該電子受容性化合物が、下記構造式(1)で表されるフェノール性化合物であることを特徴とする可逆性感熱層用組成物。
    Figure 2005262782
    ただし、前記構造式(1)中、nは1〜3、Lは0〜3、mは0又は1の整数を表す。Xは、窒素原子又は酸素原子を含む2価の有機基を表す。R及びRは、脂肪族炭化水素基を表し、これらは置換基で更に置換されていてもよい。
  2. 消色促進剤を含有し、該消色促進剤が分子中に少なくとも1つの窒素原子及び酸素原子のいずれかを含む2価の有機基を有する化合物である請求項1に記載の可逆性感熱層用組成物。
  3. 架橋状態にある樹脂を含有する請求項1から2のいずれかに記載の可逆性感熱層用組成物。
  4. 支持体と、該支持体上に請求項1から3のいずれかに記載の可逆性感熱層用組成物からなる感熱層を有することを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
  5. 可逆性感熱記録媒体が、カード状、ラベル状及びシート状のいずれかに加工されている請求項4に記載の可逆性感熱記録媒体。
  6. 請求項4から5のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体における画像を形成する面と反対側の面に、接着剤層及び粘着剤層のいずれかを有することを特徴とする可逆性感熱記録ラベル。
  7. 情報記憶部と可逆表示部とを有し、該可逆表示部が請求項4から5のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体を含むことを特徴とする可逆性感熱記録部材。
  8. 情報記憶部と可逆表示部とが一体化された請求項7に記載の可逆性感熱記録部材。
  9. 情報記録部が、磁気感熱層、磁気ストライプ、ICメモリ、光メモリ、RF−IDタグカード、ディスク、ディスクカートリッジ及びテープカセットから選択される請求項7から8のいずれかに記載の可逆性感熱記録部材。
  10. 可逆性感熱記録媒体を加熱して該可逆性感熱記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、可逆性感熱記録媒体を加熱して該可逆性感熱記録媒体に形成された画像を消去する画像消去手段との少なくともいずれかを有してなり、該可逆性感熱記録媒体が請求項4から5のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体であることを特徴とする画像処理装置。
  11. 画像形成手段が、サーマルヘッド及びレーザー照射装置のいずれかである請求項10に記載の画像処理装置。
  12. 画像消去手段が、サーマルヘッド、セラミックヒータ、ヒートロール、ホットスタンプ、ヒートブロック及びレーザー照射装置から選択されるいずれかである請求項10から11のいずれかに記載の画像処理装置。
  13. 可逆性感熱記録媒体を加熱して該可逆性感熱記録媒体に画像を形成すること、及び、可逆性感熱記録媒体を加熱して該可逆性感熱記録媒体に形成された画像を消去することの少なくともいずれかを含み、該可逆性感熱記録媒体が請求項4から5のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体であることを特徴とする画像処理方法。
  14. 画像の形成が、サーマルヘッド及びレーザー照射装置のいずれかを用いて行われる請求項13に記載の画像処理方法。
  15. 画像の消去が、サーマルヘッド、セラミックヒータ、ヒートロール、ホットスタンプ、ヒートブロック及びレーザー照射装置から選択されるいずれかを用いて行われる請求項13から14のいずれかに記載の画像処理方法。
  16. サーマルヘッドを用いて画像を消去しつつ新しい画像を形成する請求項13から15のいずれかに記載の画像処理方法。
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