JP2011184966A - ドア開閉装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】環境温度に拘わらずドアの安定した作動を可能とするドア開閉装置を提供すること。
【解決手段】車両本体Bと車両本体に対して上下方向へ開閉自在に支持されるドアBDとの間に配置され、ドアを開閉駆動する駆動機構2と、ドアをガス圧によって開方向へ付勢するガスステー3とを備え、ドアを自動で開閉するドア開閉装置1は、環境温度を検知する温度センサ4と、駆動機構によるドアの開駆動停止位置を含む開度θを検出する開度検出部5と、駆動機構によるドアの開閉駆動を制御すると共に、ドアの開駆動時に温度センサが検知した環境温度に応じてドアの減速態様又は開駆動停止位置を制御する制御部6とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ドアを開閉駆動する駆動機構と、前記ドアを開方向へ付勢する付勢手段とを備え、前記ドアを自動で開閉するドア開閉装置に関する。
従来、ドア開閉装置は、車両本体に対して上下方向へ開閉自在に支持されるドア、例えば、車両本体の後部に設けられるバックドアを、駆動機構によって開閉駆動すると共に、前記バックドアをガスステーによって開方向へ付勢するドア開閉装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されたガスステーは、内部に充填したガスの弾発力によってバックドアを開方向へ付勢している。
特許第4289218号公報
ところで、自動車等の車両は、環境温度が広範囲に変化し、具体的には夏場には車両本体及びドアの表面温度が炎天下では60℃以上に上昇するのに対し、冬場には外気温度と略同じ温度まで低下する。ドア開閉装置で使用されるガスステーは、温度が低いと充填したガスのガス圧が低下し、弾発力が弱くなるのに対し、温度が高いと充填したガスのガス圧が増加し、弾発力が強くなる。このため、特許文献1のドア開閉装置は、環境温度によって弾発力が異なってしまうため、開閉駆動した際のドアの作動が環境温度によってばらついてしまうという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、環境温度に拘わらずドアの安定した作動を可能とするドア開閉装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のドア開閉装置は、車両本体と前記車両本体に対して上下方向へ開閉自在に支持されるドアとの間に配置され、前記ドアを開閉駆動する駆動機構と、前記ドアをガス圧によって開方向へ付勢する付勢手段とを備え、前記ドアを自動で開閉するドア開閉装置において、環境温度を検知する温度検知手段と、前記ドアの開駆動停止位置を含む開き位置を検出する開き位置検出手段と、前記駆動機構による前記ドアの開閉駆動を制御すると共に、前記ドアの開駆動時に前記温度検知手段が検知した前記環境温度に応じて前記ドアの減速態様又は開駆動停止位置を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明のドア開閉装置は、上記の発明において、前記制御手段は、前記ドアの減速態様が前記環境温度に拘わらず同一態様であり、前記環境温度が基準温度よりも高い場合には、前記開駆動停止位置が前記基準温度における開駆動停止位置よりも前記ドアの全開位置側となるように前記駆動機構を制御し、前記環境温度が前記基準温度よりも低い場合には、前記開駆動停止位置が前記基準温度における開駆動停止位置よりも前記ドアの全閉位置側となるように前記駆動機構を制御することを特徴とする。
また、本発明のドア開閉装置は、上記の発明において、前記制御手段は、前記開駆動停止位置が前記環境温度に拘わらず同一位置であり、前記環境温度が基準温度よりも高い場合には、前記開駆動停止位置における前記ドアの駆動速度が基準温度における駆動速度よりも速くなるように前記駆動機構を制御し、前記環境温度が前記基準温度よりも低い場合には、前記開駆動停止位置における前記ドアの駆動速度が前記基準温度における駆動速度よりも遅くなるように前記駆動機構を制御することを特徴とする。
また、本発明のドア開閉装置は、上記の発明において、前記制御手段は、前記環境温度が前記基準温度よりも高い場合には、前記開駆動停止位置が前記基準温度における開駆動停止位置よりも前記ドアの全開位置側となると共に、前記開駆動停止位置における前記ドアの駆動速度が基準温度における駆動速度よりも速くなるように前記駆動機構を制御し、前記環境温度が前記基準温度よりも低い場合には、前記開駆動停止位置が前記基準温度における位置よりも前記ドアの全閉位置側となると共に、前記開駆動停止位置における前記ドアの駆動速度が前記基準温度における駆動速度よりも遅くなるように前記駆動機構を制御することを特徴とする。
本発明によれば、ドアの開駆動時に温度検知手段の検知した環境温度に応じた開駆動停止位置でドアの開駆動を停止するように駆動機構を制御するので、環境温度に拘わらずドアの安定した作動が可能となるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1にかかるドア開閉装置として、バックドアを開閉するドア開閉装置を搭載した車両の後部を示す側面概念図である。 図2は、実施の形態1にかかるドア開閉装置におけるバックドアの開駆動を制御する駆動速度制御パターンを示す図である。 図2に示す駆動速度制御パターンでバックドアを開駆動した際に測定した減速駆動開始位置から開駆動停止位置の間で温度センサが検知した環境温度とバックドアの駆動速度との関係を示す図である。 図4は、図1に示すバックドアを全開位置まで開いた図であり、バックドアの減速駆動開始位置、開駆動停止位置及び全開位置を示す図である。 図5は、実施の形態2にかかるドア開閉装置におけるバックドアの開駆動を制御する駆動速度制御パターンを示す図である。 図6は、変形例1におけるバックドアの駆動速度制御パターンを示す図である。
(実施の形態1)
以下に、本発明にかかるドア開閉装置の実施の形態1を図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施の形態1にかかるドア開閉装置として、バックドアを開閉するドア開閉装置を搭載した車両の後部を示す側面概念図である。図2は、実施の形態1にかかるドア開閉装置におけるバックドアの開駆動を制御する駆動速度制御パターンを示す図である。
図1に示すように、ドア開閉装置1は、自動車の車両本体(躯体)Bと、車両本体Bの後部に車両本体Bに対して上下方向へ開閉自在に支持される跳ね上げ式のバックドアBDとの間に取り付けてバックドアBDを自動で開閉操作する。ドア開閉装置1は、バックドアBDを開閉駆動する駆動機構2と、バックドアBDを開方向へ付勢するガスステー3と、温度センサ4と、開度検出部5と、制御部6と、車両本体Bのインストルメントパネルや遠隔操作キー等に設けられ、バックドアBDの「開」或いは「閉」を入力するドア開閉スイッチ7とを備えている。ここで、バックドアBDは、ラッチ機構によって閉成状態に保持される。
駆動機構2は、車両本体BとバックドアBDとの間の一側に設けられ、図1に示すように、駆動モータ21、駆動アーム22及び連結ロッド23を備えている。
駆動モータ21は、図1に示すように、駆動アーム22の一端が連結される回転軸21aを有しており、回転軸21aの回転数を制御部6によって制御可能な直流モータが使用される。駆動アーム22は、その他端に連結ロッド23の一端が回動自在に連結され、駆動モータ21によって回転軸21aを中心として回動される。連結ロッド23の他端は、バックドアBDに設けたブラケットBK1に回動自在に連結されている。連結ロッド23は、駆動アーム22の回動をバックドアBDへ伝達し、バックドアBDを自動で開閉する。
ガスステー3は、車両本体BとバックドアBDとの間に車両本体Bの左右両側にそれぞれ設けられ、バックドアBDをガス圧によって開方向へ付勢する。ガスステー3は、図1に示すように、ガスが充填されたチューブ3aと、チューブ3aに一端側が収容され、ガス圧に応じてチューブ3aの一端から他端側が出没するロッド3bとを有している。ガスステー3は、チューブ3aの他端が車両本体Bに設けたブラケットBK2に回動自在に連結され、ロッド3bの他端がバックドアBDに設けたブラケットBK3に回動自在に連結されている。
温度センサ4は、環境温度を検知する温度検知手段であって、環境温度とは外気温及びガスステー近傍の温度を意味する。環境温度の検知手段としては、車両本体Bに設けられ、外気温を検知するセンサや、ガスステー3近傍のバックドアBDに設けられ、ガスステー3の近傍の温度を検知するセンサを用いることが考えられる。温度センサ4は、検知した環境温度に関する温度信号を制御部6へ出力する。
開度検出部5は、図1に示すように、駆動機構2に設けられ、駆動アーム22の回動方向、回動位置及び回動速度を検出する位置検出手段としての回動センサであり、バックドアBDのヒンジに設けた開き位置検出手段としての角度センサであり、バックドアBDの開き位置を、全閉位置PCLを基準とする開度θとして検出すると共に、開度θの時間変化をもとにバックドアBDの駆動速度を検出する。
制御部6は、ミニコンピュータ等が使用され、駆動機構2によるバックドアBDの開閉駆動を制御すると共に、バックドアBDの開駆動時に後述する開駆動停止位置で駆動機構2によるバックドアBDの開駆動を停止させる。
このとき、制御部6内の記憶部6aには、駆動機構2によるバックドアBDの開駆動を制御するためのバックドアBDの駆動速度を規定する駆動速度制御パターンが記憶されている。バックドアBDの駆動速度制御パターンは、図2に示すように、加速駆動が開始される全閉位置PCL、定速VCでの駆動を開始する定速駆動開始位置PCV、減速駆動を開始する減速駆動開始位置PBK及び開駆動を停止する開駆動停止位置PLT,PST,PHTを含んでいる。開駆動停止位置PSTは、基準温度における開駆動停止位置である。開駆動停止位置PLTは、基準温度未満の場合における開駆動停止位置であり、開駆動停止位置PHTは、基準温度を越えている場合における開駆動停止位置である。また、記憶部6aには、バックドアBDを図2に示す駆動速度制御パターンで開駆動した際に測定した減速駆動開始位置PBKから開駆動停止位置PHTの間で温度センサ4が検知した環境温度とバックドアBDの駆動速度との図3に示す関係が式又は表として記憶されている。制御部6は、例えば、PID制御等のようなフィードバック制御及び/又はPWM(パルス幅変調)制御等によって駆動モータ21を制御することで、全閉位置PCLから開駆動停止位置PSTまでのバックドアBDの駆動速度を図2に示すように制御する。なお、バックドアBDは、開駆動停止位置PLT,PST,PHTから全開位置PFO迄の間はガスステー3によって駆動される。
ここで、基準温度とは、ガスステー3に充填したガスのガス圧が平均的な値となる温度をいい、例えば、20℃或いはこの温度を中心として±数度の温度帯域をいう。実施の形態1では、温度センサ4が検知した温度をもとに、以下に説明するようにバックドアBDを開駆動する駆動機構2を制御している。
また、実施の形態1では、基準温度の場合の開駆動停止位置PSTをバックドアBDの全開位置の3°手前に設定している。しかし、基準温度の場合の開駆動停止位置PSTは、環境温度に拘わらずバックドアBDの安定した作動が可能になり、かつ、バックドアBDの全開位置近傍であれば、バックドアBDの全開位置の3°手前に限定されるものではない。
図4は、図1に示すバックドアを全開位置まで開いた図であり、バックドアの減速駆動開始位置、開駆動停止位置及び全開位置を示す図である。このとき、ドア開閉装置1は、バックドアBDを開く際は、乗員がドア開閉スイッチ7を押下してバックドアBDの「開」を入力する。すると、ドア開閉スイッチ7から制御部6へドア開信号が出力され、制御部6が駆動機構2を駆動してバックドアBDを全閉位置PCLから開駆動し、図4に示すように、バックドアBDが全開位置PFOまで開かれる。ここで、ドア開信号が出力された場合、制御部6は、前記ラッチ機構に制御信号を出力して閉成状態を解除させた後、ドア開閉装置1にバックドアBDの開駆動を開始させる。
このとき、制御部6は、温度センサ4が検知した環境温度によって決まる開駆動停止位置でバックドアBDの開駆動を停止するように駆動機構2を制御する。即ち、制御部6は、図2に示すように、バックドアBDを減速駆動開始位置PBK(駆動速度VC)から後述する開駆動停止位置PST(駆動速度VTS)へと減速してゆくが、温度センサ4が検知した環境温度が基準温度の場合、図3に示す関係をもとにバックドアBDの駆動速度VTSを決定し、減速駆動開始位置PBKと全開位置PFOとの中間の開駆動停止位置PST(駆動速度VTS)で駆動機構2によるバックドアBDの開駆動を停止させる。これによって、バックドアBDは、ガスステー3のみによる駆動に切り替わり、ガスステー3の内部に充填したガスの弾発力によって、図2に点線LSTで示すように、全開位置PFOまで駆動される。
これに対し、温度センサ4が検知した環境温度が基準温度よりも高い場合、図2に示すように、制御部6は、バックドアBDの駆動速度を減速駆動開始位置PBK(駆動速度VC)から基準温度の場合と同じ減速度で減速してゆき、基準温度における開駆動停止位置PSTよりもバックドアBDの全開位置PFOに近い開駆動停止位置PHT(駆動速度VTH)で駆動機構2によるバックドアBDの開駆動を停止させる。このように駆動機構2を制御すると、基準温度の場合に比べて大きな弾発力がガスステー3からバックドアBDに作用する場合に、駆動機構2にて開駆動停止位置PSTよりも全開位置PFOに近い開駆動停止位置PHTまで開駆動するから、ガスステー3が縮んだ状態で大きな弾発力が作用しても、制御部6によって駆動機構2を制御することで、バックドアBDの駆動速度の増加を小さく抑えることができる。この後、開駆動停止位置PHTにて伸びた状態のガスステー3が開駆動停止位置PSTに比べて比較的小さな弾発力をバックドアBDに作用させることから、駆動機構2の開駆動が停止し、ガスステー3のみで開駆動する場合でも、環境温度に拘わらずバックドアBDの安定した滑らかな作動が可能となる。
一方、温度センサ4が検知した環境温度が基準温度よりも低い場合、図2に示すように、制御部6は、バックドアBDの駆動速度を減速駆動開始位置PBK(駆動速度VC)から基準温度の場合と同じ減速度で減速してゆき、基準温度における開駆動停止位置PSTよりもバックドアBDの全閉位置PCLに近い開駆動停止位置PLT(駆動速度VTL)で駆動機構2によるバックドアBDの開駆動を停止させる。このように駆動機構2を制御すると、ガスステー3から作用する弾発力が基準温度の場合よりも小さい場合に、駆動機構2にて開駆動停止位置PSTよりも全閉位置PCLに近い開駆動停止位置PLTの間だけ開駆動するから、ガスステー3が基準温度の場合に比べて小さい弾発力しか作用しない場合に、ガスステー3の弾発力が駆動機構2による開駆動力より小さいことによる制動力(バックドアBDへの過大な応力)が生じる状況でも、ガスステー3が開駆動停止位置PSTに比べて比較的大きな弾発力をバックドアBDに作用させる開駆動停止位置PLTまで駆動機構2にて開駆動させ、その後は、ガスステー3の弾発力のみで開駆動させることにより、環境温度に拘わらずバックドアBDの安定した滑らかな作動が可能となる。
以上のように、実施の形態1のドア開閉装置1によれば、バックドアBDの開駆動時の減速動作において、温度センサ4の検知した環境温度に応じた開駆動停止位置でバックドアBDの開駆動を停止するように駆動機構2を制御する。このため、ドア開閉装置1は、環境温度に拘わらずドアの安定した滑らかな作動が可能となる。
しかも、温度センサ4が検知した環境温度が基準温度よりも高い場合には、基準温度の場合よりも駆動速度が遅いバックドアBDは、ガスステー3から基準温度の場合よりも大きい加速度が付与され、基準温度よりも低い場合には、基準温度の場合よりも駆動速度が速いバックドアBDは、基準温度の場合よりも駆動速度の増加を小さく抑えられた状態となり、ガスステー3からバックドアBDに対して過大な応力が作用することが抑制される。このため、ドア開閉装置1は、開扉駆動に伴うバックドアBDの変形を防止することができる。
なお、バックドアBDを閉じる際は、乗員がドア開閉スイッチ7を押下してバックドアBDの「閉」を入力する。すると、ドア開閉スイッチ7から制御部6へドア閉信号が出力され、制御部6が駆動機構2を上述とは逆に駆動してバックドアBDを下方向へ閉駆動させ、ラッチ機構にて閉成状態とすることで、図1に実線で示すバックドアBDを閉じた状態となる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、制御部6は、温度センサ4の検知した環境温度に応じた開駆動停止位置で駆動機構2によるバックドアBDの開駆動を停止するように駆動機構2を制御した。これに対して、実施の形態2では、開駆動停止位置を予め所定位置に決めておき、温度センサ4の検知した環境温度によって駆動機構2によるバックドアBDの駆動速度を制御する。
即ち、温度センサ4の検知した環境温度が基準温度よりも高い場合には、開駆動停止位置におけるバックドアBDの駆動速度が基準温度における駆動速度よりも速くなるように駆動機構2を制御し、環境温度が基準温度よりも低い場合には、開駆動停止位置におけるバックドアBDの駆動速度が基準温度における駆動速度よりも遅くなるように駆動機構2を制御する。
以下、実施の形態2にかかるドア開閉装置における駆動機構2の制御について説明する。図5は、実施の形態2にかかるドア開閉装置におけるバックドアの開駆動を制御する駆動速度制御パターンを示す図である。
制御部6は、温度センサ4が検知した環境温度が基準温度TSの場合、図3に示す関係をもとにバックドアBDの駆動速度VTSを決定する。
そして、制御部6は、図5に示すように、減速駆動開始位置PBK(駆動速度VC)からバックドアBDの駆動速度を線LSRで示すように減速し、減速駆動開始位置PBKと全開位置PFOとの中間の開駆動停止位置PST(駆動速度VTS)で駆動機構2によるバックドアBDの開駆動を停止させる。これにより、バックドアBDは、ガスステー3のみによる駆動に切り替わり、図5に点線LSTで示すように、ガスステー3の内部に充填したガスの弾発力に対応した駆動速度VTSで全開位置PFOまで駆動される。
これに対し、温度センサ4が検知した環境温度が基準温度よりも高い温度THの場合、制御部6は、図3に示す関係をもとにバックドアBDの駆動速度VTHを決定する。
次に、制御部6は、図5に示すように、開駆動停止位置PSTにおけるバックドアBDの駆動速度がVTHとなるように駆動機構2を制御し、減速駆動開始位置PBKからバックドアBDの減速を線LHRで示すように開始する。そして、制御部6は、バックドアBDの駆動速度が定速VCから温度THに対応した駆動速度VTHへ減速された開駆動停止位置PSTで駆動機構2を停止させてバックドアBDの駆動を止める。このように駆動機構2を制御すると、基準温度の場合に比べて大きな弾発力がガスステー3からバックドアBDに作用する場合に、開駆動停止位置PSTでは駆動速度VTHが基準温度における駆動速度VTSより速いことから、速度変化を小さくすることで環境温度に拘わらずバックドアBDの安定した滑らかな作動が可能となる。
一方、温度センサ4が検知した環境温度が基準温度よりも低い温度TLの場合、制御部6は、図3に示す関係をもとにバックドアBDの駆動速度VTLを決定する。
次に、制御部6は、図5に示すように、開駆動停止位置PSTにおけるバックドアBDの駆動速度がVTLとなるように駆動機構2を制御し、減速駆動開始位置PBKからバックドアBDの減速を線LLRで示すように開始する。そして、制御部6は、バックドアBDの駆動速度が定速VCから温度TLに対応した駆動速度VTLへ減速された開駆動停止位置PSTで駆動機構2を停止させてバックドアBDの駆動を止める。このように駆動機構2を制御すると、基準温度の場合に比べて小さな弾発力がガスステー3からバックドアBDに作用する場合に、開駆動停止位置PSTでは駆動速度VTLが基準温度における駆動速度VTSより遅いことから、速度変化を小さくすることで環境温度に拘わらずバックドアBDの安定した滑らかな作動が可能となる。
以上のように、実施の形態2においては、制御部6は、開駆動停止位置PSTを予め決めておき、温度センサ4の検知した環境温度によって開駆動停止位置PSTにおけるバックドアBDの駆動速度を決定すると共に、開駆動停止位置PSTでバックドアBDの駆動を停止するように駆動機構2を制御する。実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に、環境温度に拘わらずドアの安定した滑らかな作動が可能となる。
(変形例1)
なお、制御部6は、実施の形態1で説明した駆動機構2の制御と、実施の形態2で説明した駆動機構2の制御とを組み合わせて駆動機構2を制御してもよい。
図6は、変形例1におけるバックドアの駆動速度制御パターンを示す図である。変形例1において、温度センサ4が検知した環境温度とバックドアBDの駆動速度との関係は、図3に示す関係に従うものとする。
制御部6は、温度センサ4が検知した環境温度が基準温度TSの場合、図3に示す関係をもとにバックドアBDの駆動速度VTSを決定する。
そして、制御部6は、図6に示すように、減速駆動開始位置PBK(駆動速度VC)からバックドアBDの駆動速度を線LSRで示すように減速し、減速駆動開始位置PBKと全開位置PFOとの中間の開駆動停止位置PST(駆動速度VTS)で駆動機構2によるバックドアBDの開駆動を停止させる。これにより、バックドアBDは、ガスステー3のみによる駆動に切り替わり、図6に点線LSTで示すように、ガスステー3の内部に充填したガスの弾発力に対応した駆動速度VTSを切り替え時の初速度として全開位置PFOまで駆動される。
これに対し、温度センサ4が検知した環境温度が基準温度よりも高い温度THの場合、制御部6は、基準温度における開駆動停止位置PSTとバックドアBDの全開位置PFO側との中間に開駆動停止位置PHTを設定する。
そして、制御部6は、図6に示すように、減速駆動開始位置PBK(駆動速度VC)からバックドアBDの駆動速度を線LHRで示すように減速し、開駆動停止位置PHT(駆動速度=VTH’)で駆動機構2を停止させてバックドアBDの駆動を止める。
一方、温度センサ4が検知した環境温度が基準温度よりも低い温度TLの場合、制御部6は、減速駆動開始位置PBKと基準温度における開駆動停止位置PSTとの中間に開駆動停止位置PLTを設定する。
そして、制御部6は、図6に示すように、減速駆動開始位置PBK(駆動速度VC)からバックドアBDの駆動速度を線LLRで示すように減速し、開駆動停止位置PLT(駆動速度VTL’)で駆動機構2を停止させてバックドアBDの駆動を止める。
従って、変形例1によれば、実施の形態1,2と同様に、環境温度に拘わらずバックドアBDの安定した作動が可能となると共に、減速駆動開始位置PBKからの駆動速度と開駆動停止位置PSTとの両方を制御するから、開扉操作時のバックドアBDの動作が円滑になる。更に、基準温度時における駆動速度との差を小さくできることから、実施の形態1,2以上にバックドアBDの安定した作動が可能となる
尚、ドア開閉装置1は、駆動機構2の駆動モータ21と駆動アーム22との間にクラッチ機構を配置することによってバックドアBDの駆動と停止とを切り替え、或いは前記クラッチ機構の半クラッチを利用することによってバックドアBDの駆動速度を変化させるようにしてもよい。また、クラッチ機構を用いない場合、ドア開閉装置1は、駆動機構2への通電を徐々に止めることによって、バックドアBDの駆動速度を変化させるようにしてもよい。この際、位置検出手段としてパルスモータを使用し、パルス検出によってドアの駆動停止位置を含む開き位置を検出してもよい。
また、上記実施の形態は、ドア開閉装置1が自動車のバックドアBDを開閉する場合について説明した。しかし、ドア開閉装置1は、車両本体に対して上下方向へ開閉するドアであればバックドアBDに限定されるものではなく、サイドドアに適用してもよい。
以上のように、本発明のドア開閉装置は、環境温度に拘わらずドアの安定した作動を達成するのに有用である。
1 ドア開閉装置
2 駆動機構
3 ガスステー
3a チューブ
3b ロッド
4 温度センサ
5 開度検出部
6 制御部
7 ドア開閉スイッチ
21 駆動モータ
21a 回転軸
22 駆動アーム
23 連結ロッド
B 車両本体
BD バックドア
BK1〜BK3 ブラケット
PBK 減速駆動開始位置
PCL 全閉位置
PCV 定速駆動開始位置
PFO 全開位置
PST,PHT,PLT 開駆動停止位置
θ 開度

Claims (4)

  1. 車両本体と前記車両本体に対して上下方向へ開閉自在に支持されるドアとの間に配置され、前記ドアを開閉駆動する駆動機構と、前記ドアをガス圧によって開方向へ付勢する付勢手段とを備え、前記ドアを自動で開閉するドア開閉装置において、
    環境温度を検知する温度検知手段と、
    前記ドアの開駆動停止位置を含む開き位置を検出する開き位置検出手段と、
    前記駆動機構による前記ドアの開閉駆動を制御すると共に、前記ドアの開駆動時に前記温度検知手段が検知した前記環境温度に応じて前記ドアの減速態様又は開駆動停止位置を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とするドア開閉装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記ドアの減速態様が前記環境温度に拘わらず同一態様であり、
    前記環境温度が基準温度よりも高い場合には、前記開駆動停止位置が前記基準温度における開駆動停止位置よりも前記ドアの全開位置側となるように前記駆動機構を制御し、前記環境温度が前記基準温度よりも低い場合には、前記開駆動停止位置が前記基準温度における開駆動停止位置よりも前記ドアの全閉位置側となるように前記駆動機構を制御することを特徴とする請求項1に記載のドア開閉装置。
  3. 前記制御手段は、
    前記開駆動停止位置が前記環境温度に拘わらず同一位置であり、
    前記環境温度が基準温度よりも高い場合には、前記開駆動停止位置における前記ドアの駆動速度が基準温度における駆動速度よりも速くなるように前記駆動機構を制御し、前記環境温度が前記基準温度よりも低い場合には、前記開駆動停止位置における前記ドアの駆動速度が前記基準温度における駆動速度よりも遅くなるように前記駆動機構を制御することを特徴とする請求項1に記載のドア開閉装置。
  4. 前記制御手段は、
    前記環境温度が前記基準温度よりも高い場合には、前記開駆動停止位置が前記基準温度における開駆動停止位置よりも前記ドアの全開位置側となると共に、前記開駆動停止位置における前記ドアの駆動速度が基準温度における駆動速度よりも速くなるように前記駆動機構を制御し、前記環境温度が前記基準温度よりも低い場合には、前記開駆動停止位置が前記基準温度における位置よりも前記ドアの全閉位置側となると共に、前記開駆動停止位置における前記ドアの駆動速度が前記基準温度における駆動速度よりも遅くなるように前記駆動機構を制御することを特徴とする請求項1に記載のドア開閉装置。
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