JP2011178584A - リチウムニッケル複合酸化物製造用の水酸化リチウムおよびその製造方法、ならびに該水酸化リチウムをもちいたリチウムニッケル複合酸化物の製造方法 - Google Patents

リチウムニッケル複合酸化物製造用の水酸化リチウムおよびその製造方法、ならびに該水酸化リチウムをもちいたリチウムニッケル複合酸化物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】工業的規模の量産において、リチウム二次電池の正極材料として優れた充放電特性を備えるリチウムニッケル複合酸化物を安定的に提供する。
【解決手段】炭素含有量が1質量%以下であり、かつ、真空中200℃で8時間保持した場合の質量減少率が5質量%以下である水酸化リチウムと、添加元素として、Coおよび/またはMnと、Alおよび/またはTiとを含有するニッケル複合水酸化物を酸化焙焼することにより得られるニッケル複合酸化物とを、混合して焼成することにより、リチウムニッケル複合酸化物を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水系電解質二次電池であるリチウム二次電池の正極材料として好適なリチウムニッケル複合酸化物の製造に関しており、特に、該リチウムニッケル複合酸化物の製造にもちいる水酸化リチウムおよびその製造方法、ならびに該水酸化リチウムをもちいたリチウムニッケル複合酸化物の製造方法に関する。
近年、携帯電話、ノートパソコンなどの小型電子機器の急速な拡大とともに、充放電可能な電源として、リチウム二次電池の需要が急激に伸びている。リチウム二次電池の正極材料にもちいられる正極活物質として、リチウムコバルト複合酸化物とともに、リチウムニッケル複合酸化物が広くもちいられている。
リチウムニッケル複合酸化物は、リチウムコバルト複合酸化物と比べると、低コストで、高容量の電池が得られるという利点がある。リチウムニッケル複合酸化物は、通常、リチウム化合物とニッケル化合物を混合焼成して製造されているが、製造条件により充放電特性が異なってしまうため、この製造条件を適切に制御して十分な充放電特性を得ることが難しいという問題点がある。また、リチウムコバルト複合酸化物に比べて、リチウムニッケル複合酸化物は、その分解温度が低いため、合成時の温度が上げられず、合成時の焼成時間がリチウムコバルト複合酸化物に比べて長くなり、生産性が悪いという問題点もある。
リチウムニッケル複合酸化物を製造するための原材料となるリチウム化合物とニッケル化合物としては、典型的には、各種元素を添加したニッケル複合水酸化物またはニッケル複合酸化物と水酸化リチウムとをあげることができる。このニッケル複合水酸化物またはニッケル複合酸化物と水酸化リチウムとを混合焼成して、リチウムニッケル複合酸化物を合成する方法に関して、すでに多数の提案がなされている。
たとえば、特開平8−222220号公報には、コバルト塩とニッケル塩との混合水溶液にアルカリ溶液を加えて、コバルトとニッケルの水酸化物を共沈させることによって、ニッケル複合水酸化物を得た後、水酸化リチウムなどのリチウム化合物と混合し、酸素中において、550℃、20時間で1段目の焼成をした後、600〜800℃、2時間で2段目の焼成をおこなう、リチウム二次電池用正極活物質の製造方法が記載されている。
また、特開2002−170562号公報には、共沈法で作製したニッケル複合酸化物とリチウム化合物とを混合して、大気あるいは酸素雰囲気下で、480〜850℃、10時間程度で焼成するか、480〜630℃、15〜40時間で焼成後、解砕をおこない、さらに同雰囲気下で700〜850℃、3〜10時間で焼成をおこなう、リチウム二次電池用正極材料の製造方法が記載されている。
さらに、特開平10−214624号公報には、構成元素の塩を水に溶解させて塩濃度を調節した複合金属塩水溶液、金属イオンと錯塩を形成する水溶性の錯化剤、および水酸化リチウム水溶液をそれぞれ反応槽に連続供給して複合金属錯塩を生成させ、この錯塩を水酸化リチウムにより分解してリチウム共沈複合金属塩を析出させ、粒子形状が略球状であるリチウム共沈複合金属塩を合成する第1工程、合成したリチウム共沈複合金属塩を200〜500℃の還元性雰囲気中で分解し、リチウム共沈前駆酸化物を合成する分解還元の第2工程、酸化雰囲気で焼成する酸化焼結の第3工程からなる、リチウム二次電池用正極活物質の製造方法が記載されている。
これらの公報には、原料組成、焼成温度範囲、焼成時間などが規定されているものの、量産を考慮した製造条件については開示がなされておらず、これらを参照するだけでは、工業的規模で生産された正極活物質において、安定した充放電特性が得られないという問題がある。
一方、特開2000−173599号公報には、ニッケル複合水酸化物と水酸化リチウムの混合物を連続的に流動させながら水酸化リチウムの溶融温度以下で加熱し、脱水処理をおこなった後、静置状態で焼成することにより、リチウムニッケル複合酸化物を合成するリチウム二次電池用正極活物質の製造方法が記載されている。
かかる脱水処理は、ロータリーキルンをもちいて、空気雰囲気下、300〜400℃でおこなわれる。かかる脱水処理により、合成過程において原料中の結晶水の蒸発に伴い混合物中に空隙が発生して、反応が不均一となることを防止し、嵩密度および混合度合いの向上により、優れた充放電特性を示すリチウムニッケル複合酸化物を、高い量産性で得ることができると記載されている。
さらに、特開平8−180863号公報には、ニッケル複合水酸化物と混合する水酸化リチウムとして無水物をもちいること、具体的には、水酸化ニッケルと無水水酸化リチウムとを混合し、雰囲気調整炉内で加熱焼成して、リチウム二次電池用正極活物質を得ることが開示されている。また、J. American Chemical Soc., Vol. 76, P1499 (1954) においても、無水水酸化リチウムと金属ニッケルとを酸素雰囲気下で加熱して反応させるリチウム二次電池用正極活物質の製造方法が開示されている。ただし、これらの文献においては、無水物を単に原料としてもちいるのみであって、原料の結晶水の蒸発による影響については何らの検討もなされていない。
これらの提案にしたがって、正極活物質を工業的規模で生産した場合に、優れた充放電特性を安定して達成することは困難であり、よって、これらの正極活物質を正極材料としてもちいているリチウム二次電池において、電池特性が想定されるレベルに達せず、より低いレベルにとどまっている。
以上のように、実際の工業的規模の量産においては、十分な充放電特性を備えるリチウム二次電池用正極活物質を安定して製造できるまでには至っていないのが現状である。
特開平8−222220号公報 特開2002−170562号公報 特開平10−214624号公報 特開2000−173599号公報 特開平8−180863号公報
J. American Chemical Soc., Vol. 76, P1499 (1954)
本発明は、従来技術の問題点に鑑み、工業的規模の量産においても、リチウム二次電池の正極材料としてもちいたときに、優れた充放電特性を安定して備えるリチウムニッケル複合酸化物を提供することを目的とする。
本発明者は、リチウムニッケル複合酸化物の製造工程について、鋭意検討した結果、リチウムニッケル複合酸化物の製造にもちいる水酸化リチウムの炭素含有量および水分含有率を特定の値以下に制御し、該水酸化リチウムとニッケル複合酸化物とを混合して焼成することにより、優れた充放電特性を備えるリチウムニッケル複合酸化物を短時間の焼成で安定して得られること、および、該水酸化リチウムは特定量以下の炭酸ガスを含有する雰囲気中で乾燥させることにより得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、水酸化リチウムとニッケル複合酸化物とを混合して焼成するリチウムニッケル複合酸化物の製造にもちいる水酸化リチウムに係る。
特に、本発明のリチウムニッケル複合酸化物製造用の水酸化リチウムは、炭素含有量が1質量%以下であり、かつ、真空中200℃で8時間保持した場合の質量減少率が5質量%以下であることを特徴とする。
このような本発明の水酸化リチウムを得るためには、炭酸ガス分圧が10Pa以下の雰囲気中で、好ましくは40〜200℃の乾燥温度で、原料の水酸化リチウムを乾燥させる。
本発明のリチウムニッケル複合酸化物の製造方法は、上記リチウムニッケル複合酸化物製造用の水酸化リチウムとニッケル複合酸化物とを、混合して焼成することを特徴とする。
本発明は、特に、その組成が、一般式:LixNi(1-y-z)yz2(式中、Mは、CoおよびMnから選択される少なくとも一種、Nは、AlおよびTiから選択される少なくとも一種である。さらに、0.9≦x≦1.1、0.05≦y≦0.35、0.005≦z≦0.05である。)で表されるリチウムニッケル複合酸化物の製造に、好適に適用される。
本発明は、ニッケル複合酸化物との混合工程に先立って、原料の水酸化リチウムを乾燥する工程を設けることに特徴があるが、優れた充放電特性を有するリチウムニッケル複合酸化物を安定的に得るためには、ニッケル複合酸化物を得る工程において、M元素およびN元素を含むニッケル複合水酸化物を酸化焙焼して、該M元素およびN元素が固溶しているニッケル複合酸化物を得るか、あるいは、M元素を含むニッケル水酸化物を酸化焙焼して、該M元素が固溶しているニッケル酸化物を得て、さらに該M元素を含むニッケル酸化物とN元素の酸化物とを混合して、M元素およびN元素を含み、少なくともM元素が固溶しているニッケル複合酸化物を得ることが好ましい。
かかる酸化焙焼を、空気中、600℃〜900℃の温度でおこなうことが、さらに好ましい。
一方、かかるニッケル複合酸化物と水酸化リチウムとの混合物の焼成工程においては、酸素含有量が60容量%以上である雰囲気中、650〜800℃の温度で焼成をおこなうことが好ましい。
本発明により、リチウムニッケル複合酸化物製造用として好適な水酸化リチウムが得られ、工業的規模の量産においても、優れた充放電特性を持ったリチウムニッケル複合酸化物を安定して得ることができる。かかるリチウムニッケル複合酸化物により、優れた電池特性を有するリチウム二次電池を高い生産性で製造することが可能になるため、本発明の工業的利用価値は非常に大きい。
図1は、本発明のリチウムニッケル複合酸化物からなる正極活物質が正極材料として適用される2032型のコイン電池を概略的に示す断面図である。
[1]水酸化ニッケルの結晶水や吸着水の影響
リチウムニッケル複合酸化物の工業的規模の量産には、一般的に、電気炉のうちプッシャー炉やローラーハース炉などの連続的に焼成可能な炉が使用される。これらの炉は、原料であるニッケル複合酸化物と水酸化リチウムとの混合物が充填されたセラミック容器を、所定の温度および所定の雰囲気に調節された炉内を移動させて、原料混合物に最適な熱履歴と雰囲気を与えて合成反応をおこなわせる構造となっている。
この合成反応においては、原料混合物中への酸素の拡散が重要な役割を担っている。すなわち、酸素の拡散が不足すると、下記の化学式(1)の反応が進行せず、リチウムニッケル複合酸化物の合成不足が発生して、電池材料として使用可能な結晶成長がおこなわれないことから、電池容量の低下など、電池性能を劣化させてしまう正極活物質とならざるを得ない。
2NiO+2LiOH+1/2O2 → 2LiNiO2+H2O (1)
また、水酸化リチウムとニッケル複合酸化物との反応は、450℃付近から開始する。一方、水酸化リチウムの融点は480℃付近にあり、よって水酸化リチウムが溶融しながら、ニッケル複合酸化物と反応することとなる。
したがって、水酸化リチウムとニッケル複合酸化物との反応は、原料混合物の昇温にしたがって進行するが、セラミック容器の底部へ十分な酸素拡散がおこなわれない場合、未反応の溶融した水酸化リチウムがセラミック容器と反応して、実質的にニッケル複合酸化物と化合する水酸化リチウム量が不足するとともに、生成したリチウムニッケル複合酸化物中に電池反応を阻害する結晶が混入して、電池性能の低下を招くこととなる。
さらに、水酸化リチウムと反応しない容器を使用した場合でも、焼成温度に到達した時点で、まだ未反応の水酸化リチウムとニッケル複合酸化物が存在し、かつ、酸素が不足している場合、下記の化学式(2)の副反応が発生して、生成するリチウムニッケル複合酸化物の結晶中に、電池反応時にリチウムイオンの移動を妨げる異相が生じ、電池性能の劣化を招くこととなる。
8NiO+2LiOH+1/2O2 → Li2Ni810+H2O (2)
特に、リチウムニッケル複合酸化物を工業的規模で生産する場合、生産性の向上は重要な課題であり、前述のような構造の炉において生産性を向上させるために、炉内の通過時間を短縮化したり、あるいは、セラミック容器に充填する原料混合物の充填量を多くしたりという手段が採られている。このような手段では、リチウムニッケル複合酸化物の合成時間が不足するとともに、セラミック容器の底部への酸素拡散の時間が不足し、上述の問題がさらに多く発生するようになる。
したがって、工業的規模の量産において、上記の問題を解決するためには、水酸化リチウムの溶融温度から焼成温度までの温度域で、セラミック容器の底部まで酸素拡散を十分におこなわせて、セラミック容器内の混合物を均一に反応させることが重要であるといえる。
これに対して、本発明者は、酸素拡散を十分におこなわせるためには、焼成時に放出される水蒸気、特に、上記の化学式(1)の反応による水分とは別に、水酸化リチウムの結晶水や吸着水から放出される水蒸気を抑制する必要があるとの知見を見出したのである。
すなわち、リチウムニッケル複合酸化物の製造工程において、混合された水酸化リチウム中に結晶水や吸着水として水分が存在すると、焼成時に水蒸気として放出され、混合物内が正圧状態となり、混合物中の酸素を追い出し、混合物中への酸素拡散を阻害する。このため、混合物中の酸素が不足して、リチウムニッケル複合酸化物の合成不足により結晶成長が阻害されたり、酸素拡散の阻害により、上記の化学式(2)の副反応により、電池反応時のリチウムイオンの移動を妨げる異相生成が生じたりして、結果的に電池性能の劣化を招くこととなる。
このように、原料となる水酸化リチウムにおける結晶水や吸着水を規制することにより、水酸化リチウムとニッケル複合酸化物の混合物に十分な酸素拡散がおこなわれ、該混合物全体で均一な反応をおこなわせることができ、優れた充放電特性を安定して備えるリチウム二次電池を達成できる正極活物質が得られることとなる。
さらに、ニッケル複合酸化物との混合前に水酸化リチウム中の結晶水や吸着水を除去することで、水酸化リチウムが脆くなり、水酸化リチウムの分散性がより優れた均一な原料混合物が得られる。これにより、焼成によって得られるリチウムニッケル複合酸化物も均一なものとなり、優れた電池特性を有するものとなる。
[2]原料中の炭酸ニッケルの存在
一方、水酸化リチウムに炭酸リチウムが混入すると、水酸化リチウムとニッケル複合酸化物の混合物の焼成時における合成反応が阻害される。リチウムニッケル複合酸化物の焼成温度は、一般的にリチウムコバルト複合酸化物の焼成温度と比べて低いことから、ニッケル複合酸化物との反応温度が高くなる炭酸リチウムは、該焼成温度では十分な反応が生じない。したがって、水酸化リチウムに炭酸リチウムが含有されると、炭酸リチウムが上記合成反応を阻害するため、得られたリチウムニッケル複合酸化物からなる正極活物質を正極材料としてもちいると、リチウム二次電池における電池容量が低下してしまうこととなる。
このため、水酸化リチウムに含有される炭酸リチウムの量を規制することにより、上記合成反応の阻害が生じることを防止して、リチウム二次電池における電池容量の低下を阻止することが可能となる。
このように、工業的規模の量産に際して、本発明の水酸化リチウムのように、結晶水や吸着水が除去され、炭酸リチウムを含まない水酸化リチウムをもちいることにより、焼成時に、水酸化リチウムとニッケル複合酸化物の混合物に十分な酸素拡散がおこなわれ、原料混合物全体で均一な反応をおこなわせることができ、充放電特性に優れたリチウムニッケル複合酸化物からなるリチウム二次電池用の正極活物質が得られることとなる。以下、本発明についてさらに詳述する。
[3]水酸化リチウム
本発明における水酸化リチウムは、ニッケル複合酸化物と混合して焼成することにより、リチウムニッケル複合酸化物を得るためにもちいられるものであるが、その炭素含有量が1質量%以下であり、かつ、真空中200℃で8時間保持した場合の質量減少率が5質量%以下であることを特徴としている。
水酸化リチウム中の結晶水や吸着水を十分に除去する必要があることは、上記の通りであるが、結晶水の除去としては、原料の水酸化リチウムとして無水水酸化リチウムをもちいることも考えられる。しかしながら、無水水酸化リチウムをもちいるのみでは不十分である。すなわち、無水水酸化リチウムをもちいた場合であっても、無水水酸化リチウムに吸着水が存在すると、焼成時に水蒸気が放出されて、混合物中への酸素拡散が阻害されることになる。
したがって、酸素拡散の阻害を防止するためには、水酸化リチウム中の結晶水および吸着水の量を特定量以下、すなわち、水酸化リチウムを真空中200℃で8時間保持した場合に、該水酸化リチウムの質量減少率が5質量%以下となる量まで総合的に抑制することが必要である。この質量減少率は小さいほど好ましいこととなるが、0.5質量%以下であることがさらに好ましく、一方、この質量減少率は0.1質量%程度とすることが限界となる。
言い換えれば、本発明の水酸化リチウムは、無水水酸化リチウムと同一視されるものではなく、本発明における原料の水酸化ナトリウムは、無水水酸化リチウムに限定されることなく、水酸化リチウム水和物や、無水水酸化リチウムと水酸化リチウム水和物の混合物をもちいることができ、原料としてもちいる際に、水酸化リチウムの上記質量減少率が5質量%以下であればよい。
上記質量減少率が5質量%を超えると、焼成時に、水酸化リチウムからの水蒸気の放出が多くなり、混合物中への酸素拡散が阻害され、正極活物質としてもちいられたときの電池容量が低下することとなる。
ところで、上記質量減少率が5質量%を超えるような水分を含んだ水酸化リチウムとニッケル複合酸化物の混合物をもちいる場合に、水酸化リチウムの溶融温度から焼成温度までの温度域で、昇温中に、原料混合物中の水蒸気を外部へ放出させ、その後の酸素拡散を十分におこなわせるために、昇温速度を遅くしたり、焼成温度での保持時間を長くしたりすることで対応することも考えられる。もしくは、セラミック容器中に充填する混合物量を少なくして、セラミック容器中の混合物の厚みを薄くさせることにより、セラミック容器の底部への酸素拡散を速くさせることで対応することも考えられる。しかしながら、いずれの場合も、生産性が低下するため、工業的規模の量産においては採用できるものではない。
上記質量減少率の測定により、乾燥後の水酸化リチウムにおける結晶水や吸着水の除去状態を評価することができる。該質量減少率の測定は、通常の真空乾燥器をもちいて容易におこなうことができる。保持前に予め水酸化リチウムの質量を測定しておき、水酸化リチウムを真空中200℃で8時間保持した後、再度、質量を測定して、保持前の質量に対する保持後の質量減少率を求めることができる。
また、本発明のリチウムニッケル複合酸化物製造用の水酸化リチウムは、その炭素含有量が1質量%以下に規制される。該炭素含有量が1質量%を超えると、水酸化リチウムに含有される炭酸リチウムが多くなり、水酸化リチウムとニッケル複合酸化物との合成反応が阻害されるためである。この炭素含有量も小さいほど好ましいこととなるが、0.5質量%以下であることがさらに好ましく、一方、この炭素含有量は0.3質量%程度とすることが限界となる。
[4]水酸化リチウムの製造方法
本発明の水酸化リチウムの製造方法は、原料の水酸化リチウムを、炭酸ガス分圧が10Pa以下の雰囲気中で乾燥させることにより、真空中200℃で8時間保持した場合の該水酸化リチウムの質量減少率が5質量%以下となるようにするものである。
上記製造方法は、水酸化リチウムを乾燥させることで結晶水および吸着水を除去するものであり、水酸化リチウムの乾燥温度は、40〜200℃の範囲、好ましくは120〜150℃の範囲とする。40℃未満では、水酸化リチウムの結晶水の脱水が十分におこなわれず、上記質量減少率が5質量%以下とならない場合がある。一方、200℃を超えても、水酸化リチウムの結晶水の脱水に効果がないばかりか、乾燥後の冷却に時間がかかり、工業的生産性が悪化してしまう。
乾燥時間は、特に限定されるものではないが、乾燥する混合物の質量、混合物中の水酸化リチウムの状態、乾燥温度を考慮して、真空中200℃で8時間保持した場合における質量減少率が5質量%以下となるように決定する必要がある。乾燥時間が短時間過ぎる場合には、かかる質量減少率が5質量%以下とならない場合がある。
原料の水酸化リチウムとしては、原料の反応性、入手性、安定性を考慮して水酸化リチウム一水和物をもちいることが好ましい。
また、乾燥にもちいる炉は、雰囲気を制御でき、発生した水蒸気を排出できる各種の炉であれば、特に制限されるものではないが、排気ガスが発生することがない電気炉をもちいることが好ましい。
実際の操業においては、各操業条件における質量減少率を求めておき、本発明において規定する質量減少率となるように、乾燥工程における各条件を設定すればよい。
本発明の水酸化リチウムの製造方法においては、乾燥工程における雰囲気を、炭酸ガス分圧が10Pa以下、好ましくは0.5Pa以下となるようにしている。水酸化リチウムは、炭酸ガスと反応して容易に炭酸リチウムを生成するため、雰囲気中に炭酸ガスが多く存在すると、水酸化リチウム中に炭酸リチウムが混入して、リチウムニッケル複合酸化物の合成反応が阻害される。このため、水酸化リチウムの乾燥において、雰囲気中の炭酸ガス濃度を炭酸ガス分圧が10Pa以下となるように制御して、炭酸リチウムの生成を阻止している。
かかる雰囲気は、炭酸ガス分圧が10Pa以下であれば特に限定されるものではないが、たとえば炭酸ガス分圧が10Pa以下である空気あるいは窒素雰囲気をもちいることができ、真空雰囲気とすることがより好ましい。なお、炭酸ガス分圧が10Pa以下である空気あるいは窒素雰囲気は、空気あるいは窒素を酸化カルシウムなどの炭酸ガス吸着剤に通すことで、容易に得ることができる。
なお、十分に乾燥されていない水酸化リチウムとニッケル複合酸化物とを混合すると、水酸化リチウムに多量の水分が含有された状態で混合されて雰囲気との接触が増加するため、雰囲気中に含まれる炭酸ガスが水酸化リチウムに吸着され、炭酸リチウムが生成されやすくなる。この観点からも、水酸化リチウムとニッケル複合酸化物との混合前に、水酸化リチウムを乾燥させる必要がある。
なお、乾燥後に水酸化リチウムに水分が吸着すると、上記のように炭酸リチウムの生成が促進されるため、乾燥後の水酸化リチウムは乾燥状態を保持することが好ましい。工業的規模の量産工程では、管理された水分および炭酸ガス分圧下で保管することにより水酸化リチウムの乾燥状態を維持する。
[5]リチウムニッケル複合酸化物の製造方法
本発明のリチウムニッケル複合酸化物の製造方法は、上記リチウムニッケル複合酸化物製造用の水酸化リチウムとニッケル複合酸化物とを、混合して焼成することを特徴とするものであり、正極材料として優れた充放電特性を安定して備えるリチウムニッケル複合酸化物からなる正極活物質を得ることができる。かかる特性を有するリチウムニッケル複合酸化物を、工業的規模の量産において製造するためには、原料となるニッケル複合酸化物の製造工程、水酸化リチウムとニッケル複合酸化物との混合工程、該原料混合物の焼成工程、および、得られるリチウムニッケル複合酸化物の組成について、留意する必要がある。
[リチウムニッケル複合酸化物の組成]
本発明に係る製造方法により、最終的に得られるリチウムニッケル複合酸化物の組成は、一般式:LixNi(1-y-z)yz2(式中、Mは、CoおよびMnから選択される少なくとも1種、Nは、AlおよびTiから選択される少なくとも1種である。さらに、0.9≦x≦1.1、0.05≦y≦0.35、0.005≦z≦0.05である。)で表されるものであることが好ましい。
リチウムニッケル複合酸化物としては、各種組成の複合酸化物が提案されているが、前記一般式で表されるリチウムニッケル複合酸化物は、電池特性に優れている点で好ましく、さらに、本発明に係る製造方法を適用することにより、工業的規模での量産工程においても、優れた充放電特性を安定して備える正極活物質を得ることが可能となる。
ここで、一般式のM元素は、Coおよび/またはMnであり、yが0.05未満であると、サイクル特性の改善が十分でない場合があり、一方。yが0.35を超えると、電池容量が低下することがある。yは、0.1〜0.2の範囲にあることが特に好ましい。
また、一般式のN元素は、Alおよび/またはTiであり、zが0.005未満では、熱安定性の改善効果が十分でない場合があり、zが0.05を超えると、電池容量が低下することがある。zは、0.02〜0.04の範囲にあることが特に好ましい。
[ニッケル複合酸化物の製造工程]
本発明において、水酸化リチウムと混合されるニッケル複合酸化物は、特に限定されるものではなく、ニッケルおよび添加元素の化合物を酸化焙焼することで得られる。化合物としては、水酸化物、硫酸塩、硝酸塩などがもちいられるが、処理の容易さから、水酸化物をもちいることが好ましく、添加元素が固溶したニッケル複合水酸化物をもちいることが好ましい。ニッケル複合水酸化物は、通常の方法で得られるものでよく、組成が均一であり、適度な粒径である粒子が得られる方法としては、共沈法が好ましくもちいられる。以下、共沈法によって得られるニッケル複合水酸化物をもちいた場合を例として説明する。
ニッケル複合水酸化物は、ニッケル塩と添加元素の塩との混合水溶液を、pH制御のためのアルカリ水溶液とともに、撹拌しながら反応槽に添加することで、ニッケルと添加元素を共沈させて、得られる。このとき、反応槽の温度とpHを調整することで、ニッケル複合水酸化物の粒径を制御することができる。また、粒径制御を容易にするために、錯化剤を混合水溶液およびアルカリ水溶液とともに添加してもよい。
ニッケル塩と添加元素の塩としては、それぞれ、硫酸塩、硝酸塩、塩化物などが、通常もちいられる。アルカリ水溶液としては、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水溶液をもちいることが一般的である。また、錯化剤としては、アンモニアなどがもちいられる。
その後、共沈させたニッケル複合水酸化物を、ろ過、洗浄、乾燥した後、酸化焙焼することでニッケル複合酸化物が得られる。
酸化焙焼の条件は、空気中で600〜900℃の範囲、特に650〜750℃の範囲とすることが好ましい。600℃未満では、ニッケル複合酸化物を原料として使用したリチウムニッケル複合酸化物の比表面積が増加し、電池を製造する工程中での劣化が起こりやすくなり、電池の容量が低下する。900℃を超えると、ニッケル複合酸化物の比表面積が低下し、リチウムとの反応性が低下し、生成したリチウムニッケル複合酸化物の容量が低下する。
ニッケル複合酸化物の組成は、最終的に得ようとするリチウムニッケル複合酸化物の組成から決定すればよい。前記一般式:LixNi(1-y-z)yz2(式中、Mは、CoおよびMnから選択される少なくも1種、Nは、AlおよびTiから選択される少なくとも1種である。さらに、0.9≦x≦1.1、0.05≦y≦0.35、0.005≦z≦0.05である。)で表されるリチウムニッケル複合酸化物を得るためには、一般式:Ni(1-y-z)yzO(式中、Mは、Coおよび/またはMnを示し、Nは、Alおよび/またはTiを示す。さらに、0.05≦y≦0.35、0.005≦z≦0.05である。)で表されるニッケル複合酸化物をもちいることが好ましい。
ここで、添加元素は、酸化焙焼により、ニッケル酸化物に固溶する。たとえば、M元素およびN元素をニッケルと共沈させ、あるいは、M元素含有のニッケル水酸化物表面にN元素の水酸化物を湿式中和法により析出させ、得られたニッケル複合水酸化物を酸化焙焼することにより、M元素およびN元素のいずれもが固溶しているニッケル複合酸化物が得られる。
ただし、N元素は上記ニッケル複合酸化物に固溶させる必要はなく、たとえば、M元素をニッケルと共沈させ、得られたM元素含有のニッケル水酸化物を酸化焙焼することにより、M元素が固溶しているニッケル酸化物を得て、その後、ニッケル酸化物とN元素の酸化物を混合することにより、ニッケル複合酸化物を得てもよい。
すなわち、M元素については、酸化物として混合した場合、水酸化リチウムとニッケル複合酸化物との反応により生成したリチウムニッケル複合酸化物中への拡散が困難であるため、予め、原料であるニッケル複合酸化物中に固溶されていることが好ましい。
一方、組成式のN元素については、酸化物として混合した場合であっても、前述の反応中のリチウムニッケル複合酸化物中への拡散が容易であるため、共沈後の酸化焙焼により、ニッケル酸化物中へ均一に固溶させることが困難な場合には、酸化物として混合する。N元素を酸化物として混合する場合、組成を均一にするため、湿式中和法あるいは乾式法により、ニッケル複合酸化物表面へN元素の酸化物を付着させることが好ましい。
さらに、複数の種類のN元素を添加する場合、上記添加方法を組み合わせることにより、すなわち、一方を酸化焙焼により固溶させ、他方の酸化物を混合することにより、ニッケル複合酸化物を得てもよい。
なお、本明細書においては、かかるM元素が固溶しているニッケル酸化物とN元素の酸化物の混合物についても、ニッケル複合酸化物として定義されるものとする。
得られたニッケル複合酸化物の構造は、一次粒子が凝集して形成された二次粒子からなるものである。また、ニッケル複合酸化物を構成する二次粒子の平均粒径は、5〜20μmの範囲とすることが好ましく、8〜15μmの範囲とすることが特に好ましい。平均粒径が5μm未満であると、嵩高く充填性が低下し、20μmを超えると、電池とした時に、電解質との反応性が低下するため、好ましくない。
このようなニッケル複合酸化物をもちいることで、得られたリチウムニッケル複合酸化物の電池特性を良好なものとすることができる。
[ニッケル複合酸化物と水酸化リチウムとの混合]
焼成工程の前に、上記のニッケル複合酸化物と、上記の水酸化リチウムとを混合して、混合物を得る。
ニッケル複合酸化物と混合する水酸化リチウムの量は、得られるリチウムニッケル複合酸化物が、一般式:LixNi(1-y-z)yz2(式中、Mは、CoおよびMnから選択される少なくとも1種、Nは、AlおよびTiから選択される少なくとも1種である。さらに、0.9≦x≦1.1、0.05≦y≦0.35、0.005≦z≦0.05である。)で表されるものとなるようにすることが好ましい。焼成前後で組成はほとんど変化しないため、得ようとするリチウムニッケル複合酸化物の組成から、ニッケル複合酸化物と混合する水酸化リチウムの量を容易に決定することができる。
ここで、水酸化リチウムの混合量が少なく、xが0.9未満になると、電池性能を発揮するために必要なリチウムニッケル複合酸化物結晶の層状構造が十分発達せず、電池性能が悪化する。また、xが1.1を超えると、余剰のリチウムが、本来入るべきでない結晶中の位置に入ることで、結晶構造を歪め、電池性能を悪化させる。なお、xは、0.95〜1.08の範囲にあることが特に好ましい。
混合方法としては、通常もちいられる方法でよく、ニッケル複合酸化物と水酸化リチウムを固体状のまま各種粉体混合機で混合する方法がもちいられる。
いずれの方法をもちいてもよいが、水分の混入を防止しながら混合する必要があり、ニッケル複合酸化物と水酸化リチウムとを、シェーカーなどをもちいてニッケル複合酸化物粒子の形骸が破壊されない程度で十分に混合してやればよい。
[焼成工程]
前記混合物を焼成することで、リチウムニッケル複合酸化物が得られる。焼成時の雰囲気としては、酸素を十分に供給するため、酸素濃度を60容量%以上、特に80容量%以上とすることが好ましく、酸素は、窒素あるいは不活性ガスと混合することが好ましい。60容量%未満では、酸素分圧が不足し、前述のような酸素不足の状態となり、リチウムニッケル複合酸化物の生成が不十分となることがある。
また、焼成温度としては、650〜800℃の範囲、特に700〜780℃の範囲とすることが好ましい。650℃未満では、得られるリチウムニッケル複合酸化物の結晶成長が、十分でなく電池性能に悪影響を与えることがある。また、800℃を超えると、得られるリチウムニッケル複合酸化物が分解を開始し、正極活物質としてもちいたときの電池反応時に、リチウムイオンの移動を妨げる結晶が混入し始め、電池性能の低下を招くことがある。
このとき、水酸化リチウムの溶融温度から焼成温度まで温度域、すなわち、450℃〜650℃の範囲における昇温時間の採り方は、特に限定されるものではなく、本温度域の任意の一定温度で保持してもよく、当該温度域を徐々に一定速度で昇温してもよく、いずれの場合であっても同様の効果が得られる。
焼成時間は、特に限定されるものではなく、焼成する混合物の質量と焼成温度を考慮して、リチウムニッケル複合酸化物の生成が十分におこなわれる時間とすればよい。本発明の条件によって乾燥した混合物をもちいることで、焼成時間を短縮することが可能となる。短縮の程度は、工業的な製造設備、その他の製造条件の相違により異なってくるが、同様の設備および条件下において、従来と比べて10〜40%程度の時間短縮が達成可能である。この焼成時間の短縮により、生産性を大幅に向上させることができる。
焼成にもちいる炉は、雰囲気が制御できる各種の炉が使用可能であるが、排気ガスが発生することがない電気炉をもちいることが好ましく、工業的生産においては、特にプッシャー炉やローラーハース炉などのように、連続的に焼成可能な炉を使用することが好ましい。
以下、本発明の実施例について、比較例との対比により、より具体的に説明をおこなうが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
市販の水酸化リチウム一水和物(LiOH・H2O)12kgを、真空乾燥機(東京理化器械株式会社)をもちいて、150℃、12時間で乾燥した。なお、乾燥時の真空度は−99kPa以上であり、大気雰囲気から減圧したため、真空乾燥機内の炭酸ガス分圧は0.32Paであった。
乾燥後の水酸化リチウムについて、高周波燃焼−赤外線吸収装置(LECO社製)をもちいて、その炭素含有量を分析したところ、0.5質量%であった。また、乾燥後の水酸化リチウム100gについて、分析目的で、真空乾燥機をもちいて、200℃、8時間、真空状態に保持した後、再度、質量を測定し、保持前に対する保持後の質量減少率を求めたところ、0.1質量%であった。
共沈法により得たニッケル複合水酸化物を、空気中700℃で酸化焙焼して、コバルトとアルミニウムが固溶しているニッケル複合酸化物(Ni0.81Co0.15Al0.042)を得た。得られたニッケル複合酸化物15.1kgと、上記乾燥後の水酸化リチウム5.1kgを、攪拌混合機(株式会社徳寿工作所製、ジュリアミキサ)を使用して十分に混合し、混合物を得た。
得られた混合物を、内寸が縦275mm×横275mm×高さ95mmであるシリカアルミナ製のセラミック容器に、4kg充填した。セラミック容器に充填した混合物を、雰囲気が酸素70容量%−窒素に保持された炉(株式会社ノリタケカンパニーリミテド製、ローラハースキルン)で焼成をおこなった。焼成時の温度パターンは、常温から600℃までを2時間かけて直線的に昇温、さらに760℃まで5時間かけて直線的に昇温後、760℃で10時間保持した。
焼成した後、冷却し、ピンミル(ホソカワミクロン株式会社製)で解砕後、目開き38μmで篩い、リチウムニッケル複合酸化物を得た。
得られたリチウムニッケル複合酸化物について、ICP発光分析装置(バリアン社製、725−ES)をもちいて、組成分析をおこなった結果、その化学組成は、Li1.03Ni0.81Co0.15Al0.042であった。
次に、得られたリチウムニッケル複合酸化物をもちいて、以下のように、図1に示す2032型のコイン電池を作製した。
まず、正極活物質粉末として、リチウムニッケル複合酸化物90質量部と、アセチレンブラック5質量部と、ポリフッカビニリデン(PVDF)5質量部とを混合し、さらに、n−メチルピロリドン(NMP)を添加してペースト化した。次に、これを厚さ20μmのアルミニウム箔上に、乾燥後の正極活物質の質量が0.05g/cm2となるように塗布し、120℃の温度で真空乾燥をおこなった。
その後、得られた乾燥物から直径1cmの円板を打ち抜いて、正極(1)とした。なお、負極(2)としては、リチウム金属をもちいた。また、電解液としては、濃度1MのLiClO4を支持塩とするエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の等量混合溶液(富山薬品工業株式会社製)をもちいて、電解液をポリエチレンからなるセパレータ(3)に染み込ませてもちいた。なお、2032型のコイン電池の作製は、露点が−80℃の温度に管理されたアルゴン雰囲気のグローブボックス内でおこなった。
以上の方法で作製された電池をもちいて、初期放電容量の評価をおこなった。評価としては、正極に対する電流密度を0.5mAとして、カットオフ電圧4.3V/3.0Vで充放電試験をおこなった。充放電容量の測定には,マルチチャンネル電圧/電流発生器(株式会社アドバンテスト製、R6741A)をもちいた。ここで、初期放電容量が低い場合、合成されたリチウムニッケル複合酸化物は、電池材料としての特性が劣ることを意味する。
測定の結果、この実施例のリチウムニッケル複合酸化物を正極材料としてもちいた2032型のコイン電池の初期放電容量は、199.5kAh/gであった。
表1に、その化学組成、質量減少率、炭素含有量、初期放電容量をそれぞれ示す。
(実施例2)
水酸化リチウム一水和物を、真空乾燥機を60℃、24時間で乾燥したこと以外は、実施例1と同様にして、リチウムニッケル複合酸化物を得て、測定および評価した。その結果、乾燥後の水酸化リチウムの質量減少率は4質量%であり、炭素含有量は0.8質量%であった。また、得られたリチウムニッケル複合酸化物の化学組成はLi1.02Ni0.81Co0.15Al0.042であり、その初期放電容量は、199.6mAh/gであった。これらについて、表1にそれぞれ示す。
(実施例3)
水酸化リチウム一水和物を、炭酸ガス吸収剤である酸化カルシウムを通して、炭酸ガス分圧を10Paとした空気気流中、60℃、24時間で乾燥したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムニッケル複合酸化物を得て、測定および評価した。その結果、化学組成はLi1.02Ni0.81Co0.15Al0.042であり、質量減少率は4質量%であり、炭素含有量は1.0質量%であった。また、その初期放電容量は、199.4mAh/gであった。これらについて、表1にそれぞれ示す。
(比較例1)
水酸化リチウム一水和物(LiOH・H2O)9.48kgを乾燥することなく、ニッケル複合酸化物16.52kgと混合し、得られた混合物8kgを真空乾燥機をもちいて、150℃、12時間で乾燥したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムニッケル複合酸化物を得て、測定および評価した。その結果、化学組成はLi1.01Ni0.81Co0.15Al0.042であり、質量減少率は1.0質量%であり、炭素含有量は1.4質量%であった。また、その初期放電容量は、196.3mAh/gであった。これらについて、表1にそれぞれ示す。
(比較例2)
水酸化リチウム一水和物(LiOH・H2O)を乾燥せずに原料の水酸化リチウムとしてもちいたこと以外は、実施例1と同様にして、リチウムニッケル複合酸化物を得て、測定および評価した。その結果、化学組成はLi1.01Ni0.81Co0.15Al0.032であり、質量減少率は15質量%であり、炭素含有量は1.5質量%であった。また、その初期放電容量は、196.1mAh/gであった。これらについて、表1にそれぞれ示す。
(比較例3)
水酸化リチウム一水和物(LiOH・H2O)を乾燥せずに原料の水酸化リチウムとしてもちいたこと、焼成時の温度パターンを、常温から600℃まで5時間かけて直線的に昇温し、さらに760℃まで5時間かけて直線的に昇温した後、760℃で12時間保持したこと以外は、実施例1と同様にして、リチウムニッケル複合酸化物を得て、測定および評価した。その結果、化学組成はLi1.01Ni0.81Co0.15Al0.032であり、その初期放電容量は、199.0mAh/gであった。なお、質量減少率および炭素含有量については比較例2と同じであった。これらについて、表1にそれぞれ示す。
Figure 2011178584
表1より、本発明の実施例1〜3のリチウムニッケル複合酸化物は、電池の正極活物質としてもちいたときに、高い初期放電容量を有することがわかる。また、焼成時の保持時間を短時間としても、電池の正極活物質として用いたときに高い初期放電容量を有することがわかる。一方、水酸化リチウムとニッケル複合酸化物の混合物を乾燥した比較例1、および水酸化リチウムを乾燥しなかった比較例2は、初期放電容量がいずれも低く、電池特性が想定よりも劣っており、優れた電池特性が安定して得られないことがわかる。焼成時の保持時間を長くした比較例3は、比較例1および2より初期放電容量の改善がなされているものの、実施例には及んでいない。
(実施例4)
焼成時の温度パターンを、常温から750℃までを2時間かけて直線的に昇温後、750℃で8時間保持したこと以外は、実施例1と同様にして、リチウムニッケル複合酸化物を得て、測定および評価した。その結果、化学組成はLi1.03Ni0.81Co0.15Al0.042であり、その初期放電容量は、199.3mAh/gであった。なお、質量減少率および炭素含有量については実施例1と同じである。これらについて、表2にそれぞれ示す。
(比較例4)
水酸化リチウム一水和物(LiOH・H2O)9.48kgを乾燥することなく、ニッケル複合酸化物16.52kgと混合し、得られた混合物8kgを真空乾燥機をもちいて、150℃、12時間で乾燥したこと以外は、実施例4と同様にしてリチウムニッケル複合酸化物を得て、測定および評価した。その結果、化学組成はLi1.01Ni0.81Co0.15Al0.042であり、質量減少率は1質量%であり、炭素含有量は1.4質量%であり、初期放電容量は、185.2mAh/gであった。これらについて、表2にそれぞれ示す。
(比較例5)
水酸化リチウム一水和物(LiOH・H2O)を乾燥せずに原料の水酸化リチウムとしてもちいたこと以外は、実施例4と同様にして、リチウムニッケル複合酸化物を得て、測定および評価した。その結果、化学組成はLi1.01Ni0.81Co0.15Al0.032であり、質量減少率は15質量%であり、炭素含有量は1.5質量%であった。また、その初期放電容量は、165.4mAh/gであった。これらについて、表2にそれぞれ示す。
(比較例6)
焼成時の温度パターンを、常温から750℃までを2時間かけて直線的に昇温した後、750℃で13時間保持したこと以外は、比較例4と同様にして、リチウムニッケル複合酸化物を得て、測定および評価した。その結果、化学組成はLi1.01Ni0.81Co0.15Al0.032であり、その初期放電容量は、198.3mAh/gであった。なお、質量減少率および炭素含有量については比較例5と同じである。これらについて、表2にそれぞれ示す。
Figure 2011178584
表2より、昇温速度を高めた場合および焼成時の保持時間が短時間の場合においても、本発明の実施例4のリチウムニッケル複合酸化物は、電池の正極活物質としてもちいたときに、高い初期放電容量を有することがわかる。一方、水酸化リチウムとニッケル複合酸化物の混合物を乾燥した比較例4、および水酸化リチウムを乾燥しなかった比較例5は、初期放電容量が大きく低下していることから、高い生産性を実現することが困難であることがわかる。
本発明により、リチウム二次電池の正極材料としてもちいられ、優れた充放電特性を安定して備える正極活物質を、工業的規模での量産が可能となる。
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 ガスケット
5 正極缶
6 負極缶
B コイン電池

Claims (8)

  1. 水酸化リチウムとニッケル複合酸化物とを混合して焼成するリチウムニッケル複合酸化物の製造にもちいる水酸化リチウムであって、炭素含有量が1質量%以下であり、かつ、真空中200℃で8時間保持した場合の質量減少率が5質量%以下であることを特徴とする、リチウムニッケル複合酸化物製造用の水酸化リチウム。
  2. 原料の水酸化リチウムを、炭酸ガス分圧が10Pa以下の雰囲気中で乾燥させて、真空中200℃で8時間保持した場合の該水酸化リチウムの質量減少率が5質量%以下となるようにする、リチウムニッケル複合酸化物製造用の水酸化リチウムの製造方法。
  3. 前記乾燥を40〜200℃の温度でおこなう、請求項2に記載のリチウムニッケル複合酸化物用の水酸化リチウムの製造方法。
  4. 請求項1に記載のリチウムニッケル複合酸化物製造用の水酸化リチウムとニッケル複合酸化物とを、混合して焼成することを特徴とする、リチウムニッケル複合酸化物の製造方法。
  5. 前記リチウムニッケル複合酸化物の組成が、一般式:LixNi(1-y-z)yz2(式中、Mは、CoおよびMnから選択され、Nは、AlまたはTiを示す。さらに、0.9≦x≦1.1、0.05≦y≦0.35、0.005≦z≦0.05である。)で表される、請求項4に記載のリチウムニッケル複合酸化物の製造方法。
  6. 前記ニッケル複合酸化物を得る工程をさらに含み、前記M元素およびN元素を含むニッケル複合水酸化物を酸化焙焼して、該M元素およびN元素が固溶しているニッケル複合酸化物を得るか、あるいは、前記M元素を含むニッケル水酸化物を酸化焙焼して、該M元素が固溶しているニッケル酸化物を得て、さらに該ニッケル酸化物と前記N元素の酸化物とを混合して、M元素およびN元素を含み、少なくとも該M元素が固溶しているニッケル複合酸化物を得る、請求項5に記載のリチウムニッケル複合酸化物の製造方法。
  7. 前記酸化焙焼を、空気中、600〜900℃の温度でおこなう、請求項6に記載のリチウムニッケル複合酸化物の製造方法。
  8. 前記焼成を、酸素含有量が60容量%以上である雰囲気中、650〜800℃の温度でおこなう、請求項4〜7のいずれか一項に記載のリチウムニッケル複合酸化物の製造方法。
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