JP2011174254A - 鋼製桁構造物の内部の塗膜劣化部の補修及び防食方法 - Google Patents

鋼製桁構造物の内部の塗膜劣化部の補修及び防食方法 Download PDF

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Abstract

【課題】密閉構造に近い環境にあり且つ狭隘で複雑な構造を有する鋼製桁構造物であっても、補修作業が容易であり、塗膜の劣化が生じた区域に集中して適用でき、効率的に短期間で長期耐久性に優れた補修及び防食を行うことができ、しかも経済性にも優れた鋼製桁構造物の内部の塗膜劣化部の補修及び防食方法を提供すること。
【解決手段】内部の塗膜が劣化した既設の鋼製桁構造物の該内部の塗膜劣化部(1)を、透明ゲル状シート(2)で被覆する。好ましくは、透明ゲル状シート(2)の表面側の全面に、保護層として、可撓性のプラスチック製フィルム(4)を貼付する。さらに好ましくは、透明ゲル状シート(2)及び可撓性のプラスチック製フィルム(4)の周辺部をプラスチック製テープ(5)でシールして端部処理する。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄道用や自動車用の鋼製橋梁などにおける鋼製桁構造物において、雨水の浸水などにより腐食劣化した鋼製桁構造物の内部の補修及び防食方法に関する。
鋼製桁の内部は、一般に密閉構造に近い環境にあるものの、雨水の浸水などを完全に防止することはできず、特に、橋梁では、上部より雨水の滲み込みを生じる場所がある。鋼製橋桁の内部に滲み込んだ水は、道路に散布された凍結防止剤や飛来塩分により高塩分濃度の水となっていることがあり、また鋼製橋桁の内部の底部に滞留する。その結果、鋼製橋桁の内部、特に底部の塗膜は、予測以上の速度で腐食劣化していく。鋼製橋桁の内部の腐食劣化は局所性があり、腐食劣化の発生場所によっては鋼製橋梁そのものの耐久性に大きく影響する。
従来、鋼製橋桁は、多くの場合、予め工場で塗装した鋼材を用いて組み立てられており、この組み立ての際に、鋼製橋桁の内部の塗膜欠損部のタッチアップを行っていた。これは、鋼製橋桁の内部のように、密閉構造に近い環境にあり且つ狭隘で複雑な構造を有する構造物では、一旦組み立ててしまうと、ブラストなどの塗装関連作業に制限が生じ、良質な塗装作業が困難となることによる。従って、従来、鋼製橋桁の内部は、設置当初の塗装のみで、その後の補修は行われていなかった。
近年、設置後長期間経過した鋼製橋梁の更なる維持という目的から、鋼製橋桁の内部の塗膜劣化部の補修として、塗り替え用の塗装が行われるようになった。ここで適用される塗装仕様については、鋼製橋梁の塗装防食の手引書である非特許文献1などに公表されている。
一方、ゲル状のシート材は、各種のものが市販されており、主に電極材の貼付材、工業用粘着材、心電図測定用医療材などとして用いられている。
「鋼道路橋塗装・防食便覧」、(社)日本道路協会編、平成17年12月、p.II-92−II-97
非特許文献1に公表されている塗装系では、2種以下の素地調整用塗装といっても、実際には旧塗膜や若干の錆や汚れが残った状態での塗装となり、防食性能の安定性は作業環境や施工技能によって大きく異なる。その差は、塩分を含んだ水分が滞留し易い箇所や乾湿の厳しい箇所などではより顕著となる。
さらに、塗装作業は、素地調整後、下塗り、中塗り、上塗りの3工程を要することが一般的であり、各工程間では1〜10日間の養生期間が必要となるため、施工が終了するまでに多くの時間を要することとなる。これは、補修塗装のような限られた部分防食をする上では、極めて非効率的となり、単位面積当たりの費用が莫大な額になってしまう。
本発明は、このような実情に鑑み開発されたもので、密閉構造に近い環境にあり且つ狭隘で複雑な構造を有する鋼製桁構造物であっても、補修作業が容易であり、塗膜の劣化が生じた区域に集中して適用でき、効率的に短期間で長期耐久性に優れた補修及び防食を行うことができ、しかも経済性にも優れた鋼製桁構造物の内部の塗膜劣化部の補修及び防食方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、内部の塗膜が劣化した既設の鋼製桁構造物の該内部の塗膜劣化部を、透明ゲル状シートで被覆することを特徴とする鋼製桁構造物の内部の塗膜劣化部の補修及び防食方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明の鋼製桁構造物の内部の塗膜劣化部の補修及び防食方法は、密閉構造に近い環境にあり且つ狭隘で複雑な構造を有する鋼製桁構造物であっても、補修作業が容易であり、塗膜の劣化が生じた区域に集中して適用でき、効率的に短期間で長期耐久性に優れた補修及び防食を行うことができ、しかも経済性にも優れた方法である。
また、従来の補修塗装では、塗膜の機械的強度が維持されている段階では塗膜下で腐食が進行しても、外観上分からない場合があるが、本発明の補修及び防食方法によれば、被覆層(透明ゲル状シート)が透明であるため、被覆層下の防食状態を目視で直接把握できるので、被覆層が劣化して鋼材の一部に腐食が生じた場合、その部分の被覆層のみの交換により防食状態を維持することができ、補修後の鋼製桁構造物の内部の維持管理及び点検が容易になるとの効果も奏される。
図1は、本発明の補修及び防食方法の好ましい一施工例の概略を示す断面図である。 図2は、本発明の補修及び防食方法の好ましい他の施工例の概略を示す断面図である。 図3は、保護層を有する透明ゲル状シートで塗膜劣化部を被覆した状態の概略を示す斜視図である。
以下、本発明の鋼製桁構造物の内部の塗膜劣化部の補修及び防食方法について詳しく説明する。
本発明の補修及び防食方法が好適に適用される既設の鋼製桁構造物は、鉄道用、自動車用、歩行者用などの鋼製橋梁や、発電設備、共同溝などにおける鋼製桁構造物において、内部に塗膜の腐食劣化が発生している鋼製桁構造物である。
本発明で用いられる透明ゲル状シートとしては、透明ゲルからなるものであれば特に制限されるものではなく、従来より電極材の貼付材、工業用粘着材、心電図測定用医療材などとして市販されている透明ゲル状シートを用いることができ、例えば、積水化成品工業株式会社製のテクノゲルSR(商品名)のシートタイプ、株式会社エクエールコーポレーション製のハイパーゲルシート(商品名)などが挙げられる。
透明ゲル状シートの厚さは特に制限されないが、好ましくは0.1〜3.0mm、より好ましくは0.5〜1.0mmである。透明ゲル状シートが薄すぎると、塗膜劣化部の腐食発生部への追従密閉性に劣り、また厚すぎると、保護層との端部に隙間を生じやすくなり、長期耐久性に問題を生じてしまう場合がある。
透明ゲル状シートを構成するゲル化物質としては、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルアルコール、グリセリンなどが挙げられる。
透明ゲル状シートは、シート強度をJIS K 7312に準じて測定した場合に、引張り強度が好ましくは0.5〜1.5MPa、より好ましくは0.7〜1.2MPaで、最大伸び率が好ましくは60〜200%、より好ましくは100〜150%であるものが好ましい。
また、透明ゲル状シートとしては、粘着性及び柔軟性を有するものが好ましい。
粘着性は、下記の方法により測定した粘着力が0.1〜3.0N/mmであるものが好ましく、0.2〜1.5N/mmであるものがより好ましい。
透明ゲル状シートの粘着力の測定方法: 透明ゲル状シートを錆鋼(屋外暴露一ヶ月後3種ケレンしたもの)の表面に貼付し、これを25℃の室内に7日間放置後、180度ピール試験(試験速度:300mm/min)を行ってピール強度を測定し、透明ゲル状シートの粘着力とする。
透明ゲル状シートの柔軟性は、塗膜劣化部の凹凸面に追従し得る柔軟性があればよく、該凹凸面にシートが上記粘着力によって密着した状態を保持し得る柔軟性があればさらに好ましい。
このような粘着性及び柔軟性を有することにより、シートの自重と相俟って、塗膜劣化部に凹凸面があっても該凹凸面にシートが追従し、透明ゲル状シートを塗膜劣化部に一層密着させて被覆することができる。
透明ゲル状シートには、腐食抑制剤や脱酸素剤を含有させることが好ましい。斯かる腐食抑制剤としては、ヘキサメタリン酸ソーダ、ホスホン酸ソーダなどのポリ燐酸系腐食抑制剤のほか、ケイ酸ソーダ、モリブデン酸ソーダなどが挙げられ、透明ゲル状シート中に腐食抑制剤の濃度が100〜2000ppm程度になるように含有させるのが好ましい。脱酸素剤としては、ヒドラジン、カルボヒドラジド、亜硫酸ソーダなどが挙げられる。
また、透明ゲル状シートとしては、シート内に、ポリエステル不織布、ナイロン織布などの補強繊維を組み入れたものが好ましく、これらの補強繊維を組み入れることによりシートの強度や形状安定性を向上させることができる。
また、透明ゲル状シートとしては、102 Ω・cm以上の抵抗を有するものが好ましく、102 〜105 Ω・cmの抵抗を有するものがより好ましく、103 〜105 Ω・cmの抵抗を有するものがさらに好ましい。この範囲内の抵抗値を有する透明ゲル状シートを用いることにより、シート外とほぼ完全な絶縁をはたすことができ、鋼材表面を良好な脱気環境にすることができる。
而して、本発明の鋼製桁構造物の内部の塗膜劣化部の補修及び防食方法を図面を参照しながら具体的に説明する。
まず、本発明の補修及び防食方法を、図1に示す施工例について説明する。
本発明の補修及び防食方法は、図1に示すように、前記の鋼製桁構造物の内部における塗膜劣化部1を、前記の透明ゲル状シート2で被覆するものである。
被覆は、透明ゲル状シート2の粘着性及び柔軟性を利用して透明ゲル状シート2を塗膜劣化部1の上に貼付すればよく、塗膜劣化部1が透明ゲル状シート2で確実に覆われるように貼付する。
透明ゲル状シート2の貼付前に、予め、塗膜劣化部1を素地調整し、浮き錆や劣化塗膜を除去しておくことが好ましく、また塗膜劣化部1及びその周辺の健全塗膜(図1に示す活膜部3)の表面に付着した塵や埃を取り除いておくことが好ましい。
塗膜劣化部1を透明ゲル状シート2で被覆すると、塗膜劣化部1の鋼材表面は、短時間で酸欠状態となり、保護性のある酸化皮膜で覆われる。この状態は、透明なゲル状シートを通して目視で直接確認できる。
透明ゲル状シート2を貼付する際、透明ゲル状シート2の表面に、予め霧吹きなどで薄い水膜を作成しておくと、シートの粘着性が良好となり、貼付の微調整が容易となる。水膜を作成する水には、防食上、防錆剤を含有させることが好ましい。
透明ゲル状シート2は、貼付後、時間経過とともにシート周辺から乾燥収縮したり、浸入雨水を吸水して膨潤したりすることがあるので、これら乾燥収縮及び膨潤を防止するために、図1に示すように、透明ゲル状シート2の表面側の全面に、保護層として、可撓性のプラスチック製フィルム4を貼付することが好ましく、さらに、図1に示すように、透明ゲル状シート2及び可撓性のプラスチック製フィルム4の周辺部をプラスチック製テープ5でシールして端部処理することがより好ましい。
可撓性のプラスチック製フィルム4(保護層)としては、PVCフィルム、ポリエチレンフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリプロピレンフィルムなどが挙げられ、該フィルムを剥がすことなく被覆層下の防食状態を目視で確認できる点から透明フィルムが好ましいが、景観を重視する場合には着色フィルム(例えば鋼製桁構造物の内部の塗膜と同系色のフィルム)を用いることも可能である。
また、本発明の補修及び防食方法が適用される鋼製桁構造物の内部や鋼材表面が高温となる環境にある場合には、透明ゲル状シート2内もしくは可撓性のプラスチック製フィルム4(保護層)と透明ゲル状シート2との間にある微量の空気が膨張し、保護層の剥離の原因となることがある。このような場合には、可撓性のプラスチック製フィルム4(保護層)として、通気性フィルム、例えば、フィルマックス社製のBFフィルム(商品名)、株式会社ダイセン製のEG−Zフィルム(商品名)などを使用することが好ましい。
可撓性のプラスチック製フィルム4の厚さは特に制限されないが、通常、好ましくは0.1〜1.0mm、より好ましくは0.1〜0.3mmとするとよく、作業者が通行するエリアではそれに対応する厚さ及び材質を選択することができる。
可撓性のプラスチック製フィルム4の貼付にあたっては、透明ゲル状シート2との間に空気溜まりを生じないように、可撓性のプラスチック製フィルム4を貼付する。可撓性のプラスチック製フィルム4は任意の大きさに調整できるが、フィルムが大きくなると、貼付の際に空気溜まりが部分的に生じやすくなるため、これを防止するために、可撓性のプラスチック製フィルム4の内側(透明ゲル状シート側の表面)の周囲又はその一部にシート状マグネットを取り付けておくことが好ましい。このシート状マグネットを取り付ける場合は、シート状マグネットが当たる部分の透明ゲル状シートを切開して可撓性のプラスチック製フィルム4の固定安定化を図ることが好ましい。
透明ゲル状シート2及び保護層4の周辺部を端部処理(シール)するプラスチック製テープ5としては、粘着性テープであればよく、例えば、ユニ工業株式会社製のポリエチレン系テープ(商品名:補修クロステープ)、オカモト株式会社製のポリエチレン系テープ(商品名:PEクロステープ)などの市販品を用いることができる。
透明ゲル状シート2を塗膜劣化部1に密着させるために、プラスチック製テープ5による端部処理前に、保護層4の上からローラーなどで透明ゲル状シート2を展圧することが好ましい。
次に、図2及び図3に示す施工例について説明する。
図2及び図3に示す施工例は、透明ゲル状シート2の周囲に両面粘着テープ6が貼付され、この透明ゲル状シート2及び両面粘着テープ6の表面が可撓性のプラスチック製フィルム4(保護層)で被覆されている以外は、図1に示す施工例と同様に施工されたものである。
この施工例は、透明ゲル状シート2及び可撓性のプラスチック製フィルム4(保護層)の剥離防止の点から好ましいものであり、特に、塗膜劣化部1が広範囲に存在するために透明ゲル状シート2を広範囲に貼付しなければならない場合や、塗膜劣化部1の表面に微細な凹凸面がある場合などに好適である。
両面粘着テープ6としては、特に制限されるものではなく、ブチルゴム製などの両面粘着テープ6を用いることができる。
両面粘着テープ6は、予め、可撓性のプラスチック製フィルム4(保護層)の裏面(透明ゲル状シート2側の表面)の周辺部に貼付しておいてもよく、また、透明ゲル状シート2の貼付後、可撓性のプラスチック製フィルム4(保護層)の貼付前に、透明ゲル状シート2の周囲の活膜部3に貼付してもよい。
以下に実施例及び試験例を挙げて本発明の効果を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
下記(1) 〜(8) の手順により、塗膜の腐食劣化が発生している鋼材表面に、図1に示す施工例のように補修及び防食を施した。
(1) 鋼材表面7の塗膜劣化部1を素地調整し、浮き錆や劣化塗膜を除去する。
(2) 塗膜劣化部1及びその周辺の健全塗膜(図1に示す活膜部3)の表面に付着した塵や埃を掃除機で吸い取った後、ウェースで拭き取る。
(3) 透明ゲル状シート2の表面に、防錆剤として重合燐酸500ppmを含む溶液を霧吹きで吹きかけて薄い水膜を作成する。
(4) 水膜を作成した透明ゲル状シート2を塗膜劣化部1に貼付し、透明ゲル状シート2で塗膜劣化部1を確実に被覆する。
(5) 透明ゲル状シート2の表面側の全面に、可撓性のプラスチック製フィルム4(保護層)を貼付する。
(6) 保護層4の上からローラーで透明ゲル状シート2を展圧し、透明ゲル状シート2を塗膜劣化部1に密着させる。
(7) 透明ゲル状シート2が活膜部3にかかる部分で、カッターにより透明ゲル状シート2及び保護層4の端部を切断し、除去する。
(8) 切断部付近の保護層面と健全塗膜面に残る水分や汚れをウェースで拭き取り、端部処理用のプラスチック製テープ5を保護層4の周辺部に貼付し、透明ゲル状シート2及び保護層4の周辺部をプラスチック製テープ5でシールする。
透明ゲル状シート2、可撓性のプラスチック製フィルム4(保護層)及びプラスチック製テープ5としては、下記のものを使用した。
透明ゲル状シート2:積水化成品工業株式会社製のテクノゲル(商品名)のシートタイプ(厚さ0.8mm)
可撓性のプラスチック製フィルム4:厚さ0.3mmの透明ポリエチレンフィルム
プラスチック製テープ5:ユニ工業株式会社製のポリエチレン系テープ(商品名:補修クロステープ、厚さ0.12mm、幅80mm)
実施例2
実施例1において、端部処理をしない(プラスチック製テープ無)以外は、実施例1と同様にして、塗膜の腐食劣化が発生している鋼材表面に補修及び防食を施した。
試験例1
実施例1の補修及び防食を施した鋼材(端部処理:有)及び実施例2の補修及び防食を施した鋼材(端部処理:無)について、35℃の5%塩水を鋼材表面に噴霧し、塩水噴霧試験時間が500時間、1000時間及び2300時間における鋼材表面の腐食速度を測定した。
また、比較例1及び2として、実施例1及び2の補修及び防食を施さなかった鋼材それぞれについても、同様にして塩水噴霧試験を行い、鋼材表面の腐食速度を測定した。
これらの測定結果を表1に示す。
Figure 2011174254
試験例2
実施例1及び2で使用した透明ゲル状シート(積水化成品工業株式会社製のテクノゲルのシートタイプ)の粘着性について、錆鋼(屋外暴露一ヶ月後3種ケレン)、みがき鋼(アセトン脱脂後無塗装)、エポキシ塗装鋼(変性エポキシ樹脂塗料D−5塗装)及びフタル酸系塗装鋼(長油性フタル酸樹脂塗料A−5塗装)に対する粘着力を、下記の方法により測定した。
透明ゲル状シートを上記鋼の表面に貼付し、これを25℃の室内に7日間又は60℃の恒温槽内に7日間放置後、180度ピール試験(試験速度:300mm/min)を行ってピール強度を測定した。
これらの測定結果を表2に示す。
Figure 2011174254
1 塗膜劣化部
2 透明ゲル状シート
3 活膜部(健全塗膜)
4 可撓性のプラスチック製フィルム(保護層)
5 プラスチック製テープ
6 両面粘着テープ
7 鋼材表面

Claims (7)

  1. 内部の塗膜が劣化した既設の鋼製桁構造物の該内部の塗膜劣化部を補修及び防食する方法であって、前記塗膜劣化部を透明ゲル状シートで被覆することを特徴とする鋼製桁構造物の内部の塗膜劣化部の補修及び防食方法。
  2. 透明ゲル状シートの表面側に、該透明ゲル状シートの保護層として、可撓性のプラスチック製フィルムを貼付する請求項1記載の補修及び防食方法。
  3. 保護層の周辺部をプラスチック製テープでシールする請求項2記載の補修及び防食方法。
  4. 可撓性のプラスチック製フィルムが透明である請求項2又は3記載の補修及び防食方法。
  5. 可撓性のプラスチック製フィルムの周囲又はその一部にマグネットを取り付けておく請求項2〜4の何れかに記載の補修及び防食方法。
  6. 透明ゲル状シートに腐食抑制剤又は脱酸素剤を含有させる請求項1〜5の何れかに記載の補修及び防食方法。
  7. 腐食抑制剤がポリ燐酸塩系腐食抑制剤でその濃度が100〜2000ppmである請求項6記載の補修及び防食方法。
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