JP6043121B2 - 道路橋伸縮装置用止水材の施工方法および道路橋伸縮装置 - Google Patents

道路橋伸縮装置用止水材の施工方法および道路橋伸縮装置 Download PDF

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Description

本発明は、橋梁、高架道路などの道路橋の遊間に設置された道路橋伸縮装置のウェブの遊間に止水材を施工する方法、および当該方法により形成された道路橋伸縮装置に関する。
橋梁、高架道路などでは、温度変化に起因する膨張や収縮が生ずるため、一定間隔毎に遊間が設けられている。そして、温度変化などに起因する桁の膨張や収縮、車の走行に伴う圧力に応じて遊間の間隔が伸縮するように、遊間の表面(道路面)に互いに噛み合う一対のフェースプレートを備えた鋼製伸縮装置が設けられている。橋梁や高架道路に降った雨水が遊間から漏水すると、橋桁の支承部付近部が腐食し損傷を与えてしまうため、一対のフェースプレートのそれぞれの下部に位置するウェブの遊間に止水材が取り付けられている。
従来、鋼製伸縮装置(フィンガージョイント)の止水材には、ステンレス(SUS)製樋(特許文献1など参照)、弾性シール材などが用いられてきたが、経年劣化により止水機能が損なわれるため、既設止水材を撤去した後、新しい止水材、例えば、特許文献2、3などに開示の乾式止水材をウェブの遊間に取り付ける補修工事を行うことで止水機能の復元を果たしている。
この補修工事は、既設止水材を撤去したウェブ面をケレンし、プライマーを塗布・乾燥後、次いで両ウェブ面に接着剤を塗布してウェブ間に止水材本体を挿入し、止水材を接着固定して実施される。
しかしながら、このような補修工事を実施しても、特に凍結防止剤(主に塩化ナトリウム)が多量に散布される寒冷地おいて、止水材がウェブ面から剥離して止水機能が損なわれるおそれがある。このような止水機能が損なわれたウェブ面は錆付いており、その錆内部まで凍結防止剤が含侵していた。
特開2003−064613号公報 特開2002−242115号公報 特開2005−120780号公報
そこで、本発明は、塩化ナトリウム等を使った凍結防止剤などに曝される高塩分環境下においても、長期に亘って道路橋伸縮装置の止水機能を維持できるようにする道路橋伸縮装置用止水材の施工方法および道路橋伸縮装置を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、対向するウェブ面に、エポキシ樹脂層を介して、接着剤層および止水材をこの順に形成することで、高塩分環境下においても、止水材がウェブ面から剥離しにくいとの知見を得、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の構成からなる。
(1)鋼製伸縮装置の対向するウェブの遊間に止水材を設置する道路橋伸縮装置用止水材の施工方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする道路橋伸縮装置用止水材の施工方法。
(a)ウェブ面上にエポキシ樹脂層を形成する工程
(b)前記エポキシ樹脂層上に接着剤層を形成し、止水材を貼合する工程
(2)前記工程(b)において、前記エポキシ樹脂層上にプライマー層を形成した後、プライマー層上に接着剤層を形成する前記(1)に記載の道路橋伸縮装置用止水材の施工方法。
(3)前記工程(a)および(b)を行う前に、以下の工程を行う前記(1)または(2)に記載の道路橋伸縮装置用止水材の施工方法。
(i)対向するウェブの遊間に設置されている既設止水材を撤去する工程
(ii)ウェブ面にケレンを行った後、ウェブ面を洗浄する工程
(4)前記工程(b)において、前記接着剤層の表面にある凹みにシーリング材を注入し、前記接着剤層の表面を平滑化した後に、止水材を貼合する前記(1)〜(3)のいずれかに記載の道路橋伸縮装置用止水材の施工方法。
(5)前記エポキシ樹脂層が、一液型塗料であるエポキシ樹脂塗料から形成されたものである前記(1)〜(4)のいずれかに記載の道路橋伸縮装置用止水材の施工方法。
(6)道路橋に形成された遊間の上部に設けられ、遊間の伸縮に応じて互いに噛み合うようにした一対のフェースプレートと、該一対のフェースプレートのそれぞれの下部に位置するウェブと、このウェブの遊間に設けられた止水材とを備えた鋼製伸縮装置であって、対向するウェブ面に、エポキシ樹脂層を介して、接着剤層および止水材がこの順に形成されていることを特徴とする道路橋伸縮装置。
(7)エポキシ樹脂層と接着剤層との間にプライマー層が形成されている前記(6)に記載の道路橋伸縮装置。
本発明によれば、止水材がウェブ面から剥離しにくく、凍結防止剤などに曝される高塩分環境下においても、長期に亘って道路橋伸縮装置の止水機能を維持することができる。とくに、孔食等により凹み(食孔)が発生したウェブ面をケレンしても取り除くことができないウェブ面の食孔中の塩分に起因する、ウェブ面と接着剤層との接着強度の低下を、それらの間にエポキシ樹脂層を介在させることにより抑制することができる。
本発明の道路橋伸縮装置用止水材の施工方法の一実施形態を説明するための工程図である。 本発明の道路橋伸縮装置におけるウェブ表面付近の一実施形態の断面図である。 本発明の道路橋伸縮装置用止水材の施工方法の他の実施形態を説明するための工程図である。 本発明の道路橋伸縮装置の一実施形態を示す断面図である。
以下、本発明の道路橋伸縮装置用止水材の施工方法の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係る道路橋伸縮装置用止水材の施工方法は、図1に示すように、道路橋に既設の鋼製伸縮装置1において、一対のフェースプレート2,2の下部に位置する対向するウェブ3,3の遊間に設置された止水材(図示せず)を撤去して、新たに止水材8を対向するウェブ3,3の遊間に施工する方法であり、以下の工程を含む。
(I)道路橋に既設の鋼製伸縮装置1の対向するウェブ3,3の遊間に設置されている既設止水材(図示せず)を撤去する撤去工程
(II)ウェブ3,3面にケレンを行った後、ウェブ3,3面を洗浄する洗浄工程
(III)ウェブ3,3面上にエポキシ樹脂層5を形成する成膜工程
(IV)エポキシ樹脂層5上にプライマー層6、接着剤層7をこの順で形成し、止水材8を貼合する貼合工程
<撤去工程>
撤去工程では、図1(a)に示すように、道路橋に既設の鋼製伸縮装置1の一対のフェースプレート2,2の下部に位置する対向するウェブ3,3の遊間に設置されている、図示しない弾性シール材、受け桶、水切りプレートなどの既設止水材を撤去する。この際、ウェブ面に付着している土砂やゴミなども取り除き、ウェブ3,3の遊間に露出している全ての面を掃除する。
<洗浄工程>
まずウェブ面にケレン(以下、一次ケレンという場合がある)を行う。これにより、ウェブ面の異物、錆および劣化塗膜などを除去し、ウェブ面の洗浄効果を高めることができる。
ケレンは、通常3種ケレン以上、好ましくは3種ケレンで下地調整するのが好ましい。下地調整するには、例えば、電動サンダー、エアグラインダーなどを用いればよい。
なお、下地調整の程度は、(社)日本道路協会発行の「鋼道路橋塗装・防食便覧」に基づくものである、以下同じ。
次いで、ウェブ3,3面を洗浄する。これにより、ウェブ3,3面の残留塩分を落とし、ケレン後の飛散塩分を除去することができる。
ウェブ3,3面を洗浄する方法として、例えば、高圧洗浄装置、噴霧器などを用いて水洗浄をする方法;公知の溶剤を用いて脱脂洗浄をする方法などが挙げられ、なかでも、ウェブ面の脱塩効果の点で、水洗浄が好ましい。水洗浄でウェブ面を洗浄する場合は、ウェブ面の発錆を抑制する観点から、水洗浄後にウェブ面を乾拭きして余分な水分を拭き取る。
ウェブ3,3面を洗浄後、図1(b)に示すように、止水材8を保持する支持金具9を取り付けるための取付金具4をウェブ3,3面上に取り付ける。取付金具4としては、例えば、表面が亜鉛めっきで表面処理された金具などが挙げられる。取付金具4の取付方法としては、例えば、溶接など公知の方法を採用すればよい。
ウェブ3,3面を水洗浄する場合は、さらにウェブ3,3面にケレン(以下、二次ケレンという場合がある)を行い、水洗浄に起因する発錆などを除去することが好ましい。二次ケレンは、通常3種ケレン以上、好ましくは2種ケレンで下地調整するのが好ましく、上述した一次ケレンと同様にして下地調整すればよい。
二次ケレンを行った後は、溶剤を用いてウェブ面を拭き(脱脂し)、二次ケレンで発生するウェブ面上の油分、ホコリおよび粉末などを除去することが好ましい。
溶剤としては、例えば、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、メタノールなどが挙げられる。
脱脂後、ウェブ3,3面の表面塩分量測定を行い、残留塩分(NaCl)量が管理値以下であることを確認し、残留塩分量が管理値を超えた場合は、残留塩分量が管理値以下となるまで脱脂を繰り返し行うことが好ましい。これにより、客観的な判断のもと確実にウェブ3,3面の残留塩分を除去することができる。
ウェブ3,3面の表面塩分量測定は、例えば、東亜ディーケーケー(株)製のポータブル表面塩分計「SSM−21P」、光明理化学工業(株)製の塩素イオン検知管「201SA」、「201SB」などを用いて行えばよい。残留塩分量を測定した箇所は、測定時の水により発錆するおそれがあるため、測定した箇所を再度ケレンおよび脱脂を行う。
残留塩分量の管理値は、200mg/m2以下であり、好ましくは50mg/m2以下である。
<成膜工程>
上述のように洗浄されたウェブ3,3面上に、図1(c)に示すように、エポキシ樹脂層5を形成する。これにより、上記洗浄工程により取り除くことができなかった凹み(食孔)等に残留する塩分や錆により、接着剤層7の接着強度を低下させるのを防止することができる。さらに、施行後に新たに散布された凍結防止剤などに起因するウェブ面の発錆をエポキシ樹脂層5により抑制することができる。
エポキシ樹脂層5を形成する方法としては、例えば、エポキシ樹脂塗料を塗布する方法;エポキシ樹脂板をエポキシ樹脂接着剤で貼り付ける方法などが挙げられる。エポキシ樹脂塗料としては、例えば、日本パーカライジング(株)製の「トリック(登録商標)シリーズ(1000、1100、1200)」、日本ペイント(株)製の「パワーバインド(登録商標)」などの一液型塗料;日本ペイント(株)製の「ハイポン(登録商標)(20、90)」などの二液型塗料などが挙げられ、なかでも、現場での作業性の観点から、一液型塗料が好ましい。エポキシ樹脂接着剤としては、例えば、コニシ(株)製の「E4000N」などが挙げられる。
エポキシ樹脂塗料の塗布方法としては、例えば、刷毛塗り、ローラー塗り、スプレー塗布などが挙げられ、エポキシ樹脂塗料の塗布量を確保し、塗膜の乾燥時間を短縮化するなどの観点から、例えば、刷毛塗りした後に、さらにローラー塗りする2回塗りを行なってもよい。
エポキシ樹脂塗料の塗布量は、30〜500g/m2、好ましくは50〜300g/m2であるのがよい。
<貼合工程>
まず、エポキシ樹脂層5上に接着剤7を塗布する前に、図1(d)に示すように、エポキシ樹脂層5上に均一に塗布して、プライマー層6を形成する。
プライマー層6を形成する方法としては、例えば、プライマーを塗布する方法などが挙げられる。プライマーとしては、例えば、東レ・ダウコーニング(株)製のプライマー「D3(RF)」などが挙げられる。プライマーの塗布方法としては、例えば、刷毛塗布、ローラー塗布、ハンドスプレー塗布などが挙げられる。プライマーの塗布量は、10〜100g/m2、好ましくは30〜50g/m2であるのがよい。
次いで、プライマー層6上に、図1(e)に示すように、接着剤を塗布して接着剤層7を形成する。接着剤としては、例えば、東レ・ダウコーニング(株)製の「CF−5077」などが挙げられる。接着剤の塗布方法としては、例えば、刷毛塗り、ローラー塗り、スプレー塗布などが挙げられ、接着剤の塗布量を確保し、塗膜の乾燥時間を短縮化するなどの観点から、複数回重ね塗りを行なってもよい。
接着剤の塗布量は、通常100〜900g/m2、好ましくは200〜800g/m2、より好ましくは400〜600g/m2である。
このようにして形成された接着剤層7の表面には凹みが形成される場合がある。この凹みは、主としてウェブ面の孔食に起因するものである。すなわち、図2に示すように、ケレンを行った後のウェブ3の表面には孔食の成長度合いによって大小多数の凹み3a,3bがあり、小さい凹み3aに関しては、エポキシ樹脂塗料をウェブ面の凹み3aに充填させるように塗布してエポキシ樹脂層5を形成することにより、接着剤層7の表面を平滑化することができる。一方、大きい凹み3bに関しては、エポキシ樹脂層5、プライマー層6、接着材層7によって凹み3bを消し去ることはできないため、接着剤層7の表面に凹み7aが現れる。接着剤層7の表面の凹み7aの大きさは、通常直径が1〜100mm程度である。
接着剤層の表面に上記凹み7aが確認できた場合には、この凹み7aにシーリング材を注入して凹み7aの内部にシーリング材層11を形成し、接着剤層7の表面を平滑化するのが好ましい。また、エポキシ樹脂層5を形成した段階で、エポキシ樹脂層5の表面に凹みが確認できた場合には、この凹みにエポキシ樹脂系シーリング材を注入してエポキシ樹脂層5の表面を平滑化した後に、プライマー層6および接着剤層7を形成してもよい。これにより、接着剤層7と後述する止水材8との接着強度を高めることができる。
シーリング材としては、例えば、東レ・ダウコーニング(株)製の「CF−5044」、コニシ(株)製の「MSシール」などのシリコン系材料などが挙げられる。エポキシ樹脂系シーリング材としては、例えば、コニシ(株)製の「E209」などのノンサグタイプのエポキシ樹脂系材料などが挙げられる。シーリング材やエポキシ樹脂系シーリング材を注入するには、例えば、ゴムヘラなどを用いればよい。
なお、接着剤層の表面を平滑化するとは、局所的な凹凸をなくし、なだらかにすることであり、具体的には局所的な凸部の高さまたは凹部の深さを表面から3mm以下、好ましくは1mm以下にすることである。
次いで、対向するウェブ3,3面に止水材8を貼合する。止水材としては、例えば、ニッタ(株)製の伸縮追従性や寒冷地への適応力などに優れた乾式止水材「バリアレックス(登録商標)」、(株)川金コアテック製の「KMトップバリア」などの市販されている公知の乾式止水材、弾性シール材などが挙げられる。
ウェブ面に止水材を貼合する方法としては、例えば、図1(f)に示すように、上述した接着剤の塗布方法と同様にして止水材8の貼合面に接着剤を塗布して接着剤層7を形成した後、ウェブ3,3の遊間に位置合わせをして圧縮挿入すればよい。止水材8の貼合面に塗布する接着剤の塗布量は、100〜400g/m2、好ましくは200〜300g/m2であるのがよい。
さらに、図1(g)に示すように、鋼製伸縮装置1の対向するウェブ3,3の遊間に止水材8を設置し、止水材8を保持する支持金具9を取り付け、支持金具9に止水ゴム樋10を取り付ける。止水ゴム樋10としては、例えば、公知の止水ゴムパッキンなどが挙げられる。
本発明の他の実施形態に係る道路橋伸縮装置用止水材の施工方法は、貼合工程において、プライマー層6を形成せずに、エポキシ樹脂層5上に接着剤層7を形成する他は、前記の実施形態と同様にして、図3に示すように実施することができる。
なお、本発明の道路橋伸縮装置用止水材の施工方法は、止水材の補修だけでなく、道路橋に設置する未使用の鋼製伸縮装置の対向するウェブの遊間に止水材を施工する場合にも適用可能であり、撤去工程(I)および洗浄工程(II)を行わない他は、前記の実施形態と同様にして実施することができる。
<道路橋伸縮装置>
図4は、上記のようにして施行された本発明の一実施形態に係る道路橋伸縮装置1を示す断面図である。この鋼製伸縮装置1は、道路橋に形成された遊間の上部に設けられ、遊間の伸縮に応じて互いに噛み合うようにした一対のフェースプレート2,2と、該一対のフェースプレート2,2のそれぞれの下部に位置するウェブ3,3と、このウェブ3,3の遊間に設けられた止水材8とを備える。対向するウェブ面3,3には、エポキシ樹脂層5を介して、プライマー層6、接着剤層7がこの順に形成されている(図2参照)。さらに、止水材8は、ウェブ3,3の遊間に挿入され、かつ支持金具9により支持され、支持金具9には、止水ゴム樋10が取り付けられている。
なお、本実施形態では、エポキシ樹脂層5上にプライマー層6、接着剤層7がこの順に形成されたものであるが、本発明はこれに限定されず、プライマー層6が形成されずに、エポキシ樹脂層5上に接着剤層7が形成されたものであってもよい。
本発明では、対向するウェブ面にエポキシ樹脂層5を介して接着剤層7および止水材8がこの順に形成されているため塩分の影響によって接着剤層のウェブ側の接着力が損なわれない、または対向するウェブ面にエポキシ樹脂層5を介してプライマー層6、接着剤層7および止水材8がこの順に形成されているため、塩分の影響によってプライマー層の接着力が損なわれないので、止水材8がウェブ面から剥離しにくく、長期に亘って道路橋伸縮装置の止水機能を維持することができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。
試験体の破断強度の評価は以下の方法で行なった。
<破断強度測定>
(株)島津製作所製の万能引張試験機を用いて、各試験体を引張速度50mm/分にて上下に破断するまで拡張させ、試験体の破断強度を測定し、試験体の破断面の確認を行った。
以下の実施例および比較例では、以下に示す鋼材、エポキシ樹脂塗料、プライマーおよび接着剤を用いた。
<鋼材>
鋼材として、一般構造用圧延鋼材SS400(JIS G 3101、サイズ:32mmφ×15mmt)を用いた。
<エポキシ樹脂塗料>
エポキシ樹脂塗料として、日本パーカライジング(株)製の「トリック(登録商標)1000」を用いた。
<プライマー>
プライマーとして、東レ・ダウコーニング(株)製のプライマー「D3(RF)」を用いた。
<接着剤>
接着剤として、東レ・ダウコーニング(株)製の「CF−5077」を用いた。
(実施例1)
<試験体の作製>
鋼材を2枚用意し、それぞれの鋼材の表面にベルトサンダー等でケレンをして下地処理を行った後、以下の処理を行った。
(塩分付着工程)
下地処理を行った面に、濃度5重量%の食塩水を噴霧して付着させ、乾燥させた。試験体用鋼材に隣接させて設置した100×100の鋼材の表面塩分量をポータブル表面塩分計を用いて測定した。
(成膜工程)
鋼材の食塩水を付着させた面に、エポキシ樹脂塗料を刷毛を用いて300g/m2均一に塗布し、乾燥させてエポキシ樹脂層を形成した。なお、成膜工程は室温23度の環境下で実施した。
(貼合工程)
前記エポキシ樹脂層上にプライマーを刷毛を用いて50g/m2均一に塗布し、乾燥させてプライマー層を形成した後、このプライマー層上に接着剤を刷毛を用いて300g/m2均一に塗布し、12時間以上乾燥させて接着剤層を形成し、この接着剤層上にさらに接着剤を刷毛を用いて300g/m2均一に塗布して、すぐに2枚の鋼材を重ね合わせ、48時間以上乾燥させて試験体を得た。
(塩水処理工程)
この試験体を20重量%沸騰塩水中に1時間浸漬させて、劣化を促進させた。
(実施例2)
塩分付着工程を行わなかった他は、実施例1と同様にして、試験体を得た。
(実施例3)
塩分付着工程および塩水処理工程を行わなかった他は、実施例1と同様にして、試験体を得た。
(比較例1)
成膜工程を行わず、貼合工程において、下地処理を行った面にプライマーを塗布した他は、実施例1と同様にして、試験体を得た。
(比較例2)
塩分付着工程および成膜工程を行わず、貼合工程において、下地処理を行った面にプライマーを塗布した他は、実施例1と同様にして、試験体を得た。
(比較例3)
塩分付着工程、成膜工程および塩水処理工程を行わず、貼合工程において、下地処理を行った面にプライマーを塗布した他は、実施例1と同様にして、試験体を得た。
(比較例4)
塩分付着工程および塩水処理工程を行わず、成膜工程において、エポキシ樹脂層の代わりに、(株)ゼットアールシー・ジャパン製の常温亜鉛メッキ「ZRC」(スプレー)をスプレー塗布して、常温亜鉛メッキ膜を形成した他は、実施例1と同様にして、試験体を得た。
(比較例5)
塩分付着工程および塩水処理工程を行わず、成膜工程において、エポキシ樹脂層の代わりに、旭化工(株)製のウレタン反応形プライマー「アサヒシールプライマー」を塗布してウレタン反応形プライマーを形成した後、シャープ化学工業(株)製のペイントウレタンを塗布し、東レ・ダウコーニング(株)製の「CF−5077」を均一に塗布した他は、実施例1と同様にして、試験体を得た。
(比較例6)
塩分付着工程、塩水処理工程を行わず、成膜工程において、エポキシ樹脂層の代わりに、関西ペイント(株)製のビニルブチラール系塗料エッチングプライマー「メタラクトH5」を均一に塗布して、エッチングプライマー層を形成した他は、実施例1と同様にして、試験体を得た。
(比較例7)
塩分付着工程を行わず、成膜工程において、エポキシ樹脂層の代わりに、関西ペイント(株)製のビニルブチラール系塗料エッチングプライマー「メタラクトH5」を均一に塗布して、エッチングプライマー層を形成した他は、実施例1と同様にして、試験体を得た。
各試験体について、破断強度の評価を行い、その結果を表1に示す。なお、表1の各試験体の(a)剥離形態、(b)剥離面積を下記のように評価した。
(a)剥離形態
PP剥離:塗料層(P)/プライマー層(P)間の剥離
PC剥離:プライマー層(P)/接着剤層(C)間の剥離
C材打破:接着剤層(C)の材破
なお、塗料層(P)とは、各実施例・比較例で用いられた表1に示す塗料により形成された層である、以下同じ。
(b)剥離面積
A:試験体の破断表面積の90〜100%が材料破断された接着剤面であり、それ以外の破断面は鋼板面、エポキシ樹脂面またはプライマー面の露出面であった。
B:試験体の破断表面積の10〜30%程度が鋼板面、エポキシ樹脂面またはプライマー露出面であり、それ以外の破断面は材料破断された接着剤面であった。
C:試験体の破断表面積の30〜50%程度が鋼板面、エポキシ樹脂面またはプライマー露出面であり、それ以外の破断面は材料破断された接着剤面であった。
D:試験体の破断表面積の50〜70%程度が鋼板面、エポキシ樹脂面またはプライマー露出面であり、それ以外の破断面は材料破断された接着剤面であった。
E:試験体の破断表面積の70%以上が鋼板面、エポキシ樹脂面またはプライマー露出面であり、それ以外の破断面は材料破断された接着剤面であった。
Figure 0006043121
1 鋼製伸縮装置
2 フェースプレート
3 ウェブ
4 取付金具
5 エポキシ樹脂層
6 プライマー層
7 接着剤層
8 支持金具
9 止水ゴム樋
10 シーリング材層

Claims (7)

  1. 鋼製伸縮装置の対向するウェブの遊間に止水材を設置する道路橋伸縮装置用止水材の施工方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする道路橋伸縮装置用止水材の施工方法。
    (a)ウェブ面上にエポキシ樹脂層を形成する工程
    (b)前記エポキシ樹脂層上に接着剤層を形成し、止水材を貼合する工程
  2. 前記工程(b)において、前記エポキシ樹脂層上にプライマー層を形成した後、プライマー層上に接着剤層を形成する請求項1に記載の道路橋伸縮装置用止水材の施工方法。
  3. 前記工程(a)および(b)を行う前に、以下の工程を行う請求項1または2に記載の道路橋伸縮装置用止水材の施工方法。
    (i)対向するウェブの遊間に設置されている既設止水材を撤去する工程
    (ii)ウェブ面にケレンを行った後、ウェブ面を洗浄する工程
  4. 前記工程(b)において、前記接着剤層の表面にある凹みにシーリング材を注入し、前記接着剤層の表面を平滑化した後に、止水材を貼合する請求項1〜3のいずれかに記載の道路橋伸縮装置用止水材の施工方法。
  5. 前記エポキシ樹脂層が、一液型塗料であるエポキシ樹脂塗料から形成されたものである請求項1〜4のいずれかに記載の道路橋伸縮装置用止水材の施工方法。
  6. 道路橋に形成された遊間の上部に設けられ、遊間の伸縮に応じて互いに噛み合うようにした一対のフェースプレートと、該一対のフェースプレートのそれぞれの下部に位置するウェブと、このウェブの遊間に設けられた止水材とを備えた鋼製伸縮装置であって、
    対向するウェブ面に、エポキシ樹脂層を介して、接着剤層および止水材がこの順に形成されていることを特徴とする道路橋伸縮装置。
  7. エポキシ樹脂層と接着剤層との間にプライマー層が形成されている請求項6に記載の道路橋伸縮装置。
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