JP2020033730A - 鋼材補修方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】足場が不十分な場合にも適用することができ、腐食因子の遮断性能を向上することができる、鋼材補修方法を提供する。【解決手段】本発明の一実施形態に係る鋼材補修方法は、鋼材1の表面に形成された腐食部2を補修する鋼材補修方法であって、腐食部2に形成された錆を除去せずに腐食部2の表面に付着した汚れを除去する清掃工程Step1と、腐食部2を覆う金属箔3の一面に接着剤4を塗布する塗布工程Step2と、金属箔3を鋼材1の表面に腐食部2を覆うように貼付する貼付工程Step3と、金属箔3の端部を止水する止水工程Step4と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、鋼材補修方法に関し、特に、橋梁、水門、送電鉄塔、建築物、海洋構造物、プラント等の鋼材を使用した鋼製構造物における腐食部の補修に適した鋼材補修方法に関する。
鋼材は、炭素含有量や熱処理の仕方によって、強度、耐食性、耐熱性、磁気特性、熱膨張率等を調整することができ、種々の種類のものが製造されており、橋梁、水門、送電鉄塔、建築物、海洋構造物、プラント等、様々な構造物に使用されている。これらの鋼製構造物において、鋼材は荷重を支持する部材として使用されていることが多く、一定の強度を必要とする。一方で、鋼製構造物は、野外に曝露した状態で設置されることが多く、水分の付着等によって鋼材が腐食しやすい。
鋼材が腐食した場合には、肉厚が部分的に薄くなってしまい、強度が低下し、座屈してしまうおそれがある。そこで、腐食した鋼材を補修する必要があるが、上述した鋼製構造物は、大型であることが多く、部分的な腐食で鋼材全体を交換することは効率が悪く、交換作業も大掛かりなものとなってしまう。特に、鋼製構造物が橋梁等のインフラ設備の場合には、鋼材の交換を行う際に設備の使用を停止しなければならず、社会的に与える影響も大きい。
例えば、特許文献1には、防食を行う鋼構造物の鋼材表面の下地処理を行う下地処理工程、防水性粘着テープを貼り付ける防水性粘着テープ貼付工程、さらにその上に耐食性金属薄板を貼り付ける金属薄板貼付工程、を有する防食方法が開示されている。
また、特許文献2には、既設の浮き錆のみ除去し、赤錆や黄錆等のさびが固着し残存する耐候性鋼表面に、防錆性を長期維持し、更に、耐候性の良好な樹脂及び着色剤を含む着色上塗塗料を塗装することにより、耐候性を長期間維持し、更に任意の着色を可能にした、省工程の耐候性鋼の防食方法が開示されている。
特開2001−81800号公報 特開2004−97945号公報
ところで、既設の鋼製構造物のメンテナンス(塗装塗り替え等)時には、鋼材表面をブラスト装置や動力工具を用いて素地調整することが一般的である。しかしながら、既設の鋼製構造物の中には、足場を組むこと自体が困難な場合及び足場が不安定なために素地調整を十分に行うことができない場合がある。
特許文献1に記載された発明では、素地調整としてブラスト処理又は2種ケレン処理を行う旨が記載されており、新設の鋼製構造物には適用することができても、既設の鋼製構造物には適用できない場合がある。一方、特許文献2に記載された発明では、浮き錆のみをワイヤブラシ等で除去するだけであるため、既設の鋼製構造物にも適用することが可能である。
しかしながら、特許文献2に記載された発明では、固着化した錆の上に塗膜を形成することによって防食しているところ、塗膜は半透膜であり腐食因子である酸素を通過させてしまう、腐食部の塩分濃度が高い場合には腐食因子である水分の浸入を誘発してしまう、屋外環境では直射日光により経年劣化しやすい等の問題がある。
したがって、特許文献2に記載されたような塗膜を使用した防食方法では、錆の進展を抑制することが難しく、塗膜の膨れ、新たな錆の発生等を誘発してしまうこととなる。
本発明はかかる問題点に鑑み創案されたものであり、足場が不十分な場合にも適用することができ、腐食因子の遮断性能を向上することができる、鋼材補修方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、鋼材の表面に形成された腐食部を補修する鋼材補修方法であって、前記腐食部に形成された錆を除去せずに前記鋼材の表面に付着した汚れを除去する清掃工程と、前記腐食部を覆う金属箔の一面に接着剤を塗布する塗布工程と、前記金属箔を前記鋼材の表面に前記腐食部を覆うように貼付する貼付工程と、を含むことを特徴とする鋼材補修方法が提供される。
前記清掃工程は、4種ケレン以下の処理内容であってもよい。
前記接着剤は、10〜1000μm程度の厚さに塗布されてもよい。また、前記腐食部の上に配置される接着剤は、前記腐食部の表面粗さの数値よりも厚く塗布されてもよい。
前記金属箔の厚さは、20〜200μm程度であってもよい。また、前記金属箔は、ラミネート加工されていてもよい。
前記鋼材補修方法は、前記鋼材の表面に貼付した金属箔の端部を止水する止水工程を含んでいてもよい。前記止水工程は、前記金属箔の重ね合わせ部又は突き合わせ部を溶着する工程を含んでいてもよい。また、前記止水工程は、前記金属箔の端部にペースト状又はシート状の止水材を配置する工程を含んでいてもよい。
また、前記鋼材補修方法は、前記鋼材の表面に貼付した金属箔の表面を上塗りする上塗工程を含んでいてもよい。また、前記上塗工程は、色票番号に基づいて塗料を選択する工程を含んでいてもよい。
上述した本発明に係る鋼材補修方法によれば、腐食部の錆を落とさずに補修するようにしたことから、実質的に素地調整をする必要がなく、足場が不十分な環境であっても補修作業を進めることができる。また、腐食部の上に金属箔を接着剤で貼付したことにより、塗膜で補修した場合と比較して、腐食因子である酸素及び水分の遮断性能を向上することができる。
本発明の一実施形態に係る鋼材補修方法を示すフロー図である。 補修後の鋼材を示す正面図である。 補修部の部分断面拡大図であり、(a)は本実施形態、(b)は変形例、を示している。 金属箔の端部を示す部分断面拡大図であり、(a)は重ね合わせ部、(b)は突き合わせ部、を示している。 金属箔の端部に止水材を配置した部分断面拡大図であり、(a)はペースト状の止水材、(b)はシート状の止水材、を示している。 塩水噴霧試験の結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図1〜図6を用いて説明する。ここで、図1は、本発明の一実施形態に係る鋼材補修方法を示すフロー図である。図2は、補修後の鋼材を示す正面図である。図3は、補修部の部分断面拡大図であり、(a)は本実施形態、(b)は変形例、を示している。
本発明の一実施形態に係る鋼材補修方法は、図1〜図3(a)に示したように、鋼材1の表面に形成された腐食部2を補修する方法であって、腐食部2に形成された錆を除去せずに鋼材1の表面に付着した汚れを除去する清掃工程Step1と、腐食部2を覆う金属箔3の一面に接着剤4を塗布する塗布工程Step2と、金属箔3を鋼材1の表面に腐食部2を覆うように貼付する貼付工程Step3と、鋼材1の表面に貼付した金属箔3の端部を止水する止水工程Step4と、鋼材1の表面に貼付した金属箔3の表面を上塗りする上塗工程Step5と、を備えている。
清掃工程Step1は、金属箔3を貼付する部分の鋼材1の表面に付着した汚れを除去する工程である。清掃工程で除去される「汚れ」は、ブラシ、ハンマー等の手動工具にて簡単に除去できる付着物であり、浮き錆も含まれる。
従来、表面に錆が発生している腐食部2を有する鋼材1を補修する際には、補修前に素地調整を行うことが一般的である。素地調整には1種ケレン〜4種ケレンの階級があることが知られており、等級の数字が低いほど素地調整のグレードが高度になる。
「1種ケレン」とは、錆及び旧塗膜を完全に除去し鋼材表面を露出させるまで主にブラスト処理又は電動工具にて素地調整を行うレベルを意味している。
「2種ケレン」とは、錆及び旧塗膜を完全に除去し鋼材表面を露出させるまで主に電動工具又は手動工具にて素地調整を行うレベルを意味している。
「3種ケレン」とは、活膜(健全な状態の塗膜)を残し、それ以外の不良部分(錆、割れ、膨れ)を除去するように、主に電動工具又は手動工具にて素地調整を行うレベルを意味している。
「4種ケレン」とは、表面に付着した粉化物(浮き錆を含む)、汚れ等を除去するように、主に手動工具又はブラシにて素地調整を行うレベルを意味している。また、本実施形態において、「4種ケレン以下」とは、4種ケレン及び4種ケレンよりもグレードが低い素地調整(ケレン)を含む趣旨である。すなわち、「4種ケレン以下」とは、1種ケレン〜3種ケレンを含まない趣旨である。
本実施形態における清掃工程Step1は、4種ケレン以下の処理内容で汚れを除去する工程であり、腐食部2に形成された錆(赤錆、黒錆等)は除去しない工程である。3種ケレン以上の素地調整は、電動工具、ブラスト装置等の大掛かりな器具を必要とするため、安定した足場が必要である。本実施形態に係る鋼材補修方法は、足場が不十分な場合又は不安定な場合であっても適用できることを目的の一つとしており、手動工具で除去できる程度の汚れを除去することができれば十分である。
そして、本実施形態に係る鋼材補修方法では、腐食部2に形成された錆を残した状態のまま腐食部2の上に金属箔3を貼付している。腐食部2の錆を残したまま補修する場合には、錆の進展を誘発する酸素、水分等の腐食因子をいかに遮断するかが重要である。
従来のように、錆の上に塗膜を形成する補修方法では、塗膜は半透膜であり酸素を通過させてしまう、腐食部の塩分濃度が高い場合には水分の浸入を誘発してしまう、屋外環境では直射日光により経年劣化しやすい等の問題がある。
そこで、本実施形態に係る鋼材補修方法では、酸素及び水分を通過させない、直射日光でも経年劣化しにくいという特徴を備えた金属箔3を使用している。金属箔3の素材には、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、銅等の金属又はこれらの合金が使用される。
金属箔3の厚さは、例えば、20〜200μm程度である。金属箔3の厚さが20μm未満の場合、施工時に皺ができやすく、皺を基点に穴が空いたり、破断したりしてしまい、環境遮断効果が低減してしまう可能性がある。また、金属箔3の厚さが200μmを超える場合には、施工時にうねりが生じやすく、接着時に金属箔3が浮いてしまったり、剥がれたりしてしまう可能性がある。そこで、本実施形態では、皺又はうねりが生じにくい範囲に金属箔3の厚さを調整している。
また、本実施形態に係る鋼材補修方法は、鋼製構造物の比較的大面積の部分を補修することを想定していることから、金属箔3は、例えば、数平方メートル程度の大きさの正方形又は長方形の形状に形成され、図2に示したように、複数枚の金属箔3を敷き詰めることによって腐食部2を補修する。
塗布工程Step2は、金属箔3の接着面(鋼材1の表面に接する面)の全体に接着剤4を塗布する工程である。接着剤4には、金属箔3と相性のよい接着剤が使用される。例えば、接着剤4は、1液型変性シリコーンエポキシ樹脂系接着剤、2液型エポキシ樹脂系接着剤であるが、これらに限定されるものではない。なお、「接着剤」とは、接着性の高い物質の総称であり、接着剤の名称を有しない塗料等も含む趣旨である。
接着剤4は、金属箔3を鋼材1の表面に接着させる機能だけでなく、金属箔3と鋼材1との隙間を充填する機能も有している。このように接着剤4を充填することにより、金属箔3と鋼材1との間に存在する空気(酸素)を遮断することができる。
金属箔3は、図2に示したように、腐食部2だけでなく、腐食していない鋼材1の表面にも貼付されることから、接着剤4は、例えば、10〜1000μm程度の厚さに塗布される。この程度の厚さの範囲内であれば、腐食部2の上は勿論のこと、腐食のない鋼材1の表面及び凹凸を有する鋼材1の表面であっても、金属箔3と鋼材1との間に接着剤4を充填することができる。
また、発明者らの経験によれば、腐食部2の4種ケレン処理後の鋼材1の表面粗さは300〜400μmである。したがって、腐食部2の上に配置される接着剤4は、腐食部2の表面粗さの数値よりも厚く塗布される。すなわち、腐食部2の上に配置される接着剤4は、300〜400μm以上の厚さに塗布される。このように接着剤4の塗布厚さを調整することにより、例えば、図3(a)に示したように、腐食部2と金属箔3との間に接着剤4を充填させることができる。
なお、必要以上に接着剤4を厚く塗布することは、貼付工程における金属箔3の重量が増加して作業効率が低下したり、金属箔3が接着剤4の表面からずり落ちたりする可能性があることから好ましくない。
貼付工程Step3は、接着剤4を塗布した金属箔3を鋼材1の表面に貼付する工程である。例えば、図2に示したように、腐食部2を有する鋼材1の表面には、複数枚の金属箔3が敷き詰められる。このとき、少なくとも、腐食部2及びその周辺において、金属箔3が配置されない隙間ができないようにすることが必要である。
ここで、図4は、金属箔の端部を示す部分断面拡大図であり、(a)は重ね合わせ部、(b)は突き合わせ部、を示している。図5は、金属箔の端部に止水材を配置した部分断面拡大図であり、(a)はペースト状の止水材、(b)はシート状の止水材、を示している。
金属箔3の端部同士は、図4(a)に示したように重ね合わされてもよいし、図4(b)に示したように突き合わされてもよい。図4(a)に示したように、金属箔3の端部同士を重ね合わせた場合には、金属箔3の間に接着剤4が充填されていることから、重ね合わせ部3aからの水分の浸入を遮断することが可能である。
なお、金属箔3の大きさ及び配置は、図2に示した構成に限定されるものではない。例えば、帯状の金属箔3を鋼材1の表面に巻き付けるようにラッピングするようにしてもよい。このとき、金属箔3の端部同士が補修部上に位置しないように、すなわち、金属箔3の端部同士が補修部以外の鋼材1の表面に位置するように、金属箔3をラッピングすることにより補修部への水分の浸入を抑制することができる。
止水工程Step4は、鋼材1の表面に貼付した金属箔3の端部をシールする工程である。かかる止水処理により、補修部の環境遮断性能の向上を図ることができる。例えば、図4(b)に示したように、金属箔3の端部同士を突き合わせた場合には、金属箔3の端部同士の間に僅かな隙間ができてしまう可能性がある。
そこで、この突き合わせ部3bを、半田ごて、超音波溶着機等の溶着手段で溶着するようにしてもよい。また、図4(a)に示した重ね合わせ部3aにおいても金属箔3の端部同士を溶着するようにしてもよい。
また、図5(a)に示したように、金属箔3の端部にペースト状の止水材5を配置するようにしてもよいし、図5(b)に示したように、金属箔3の端部にシート状の止水材5を配置するようにしてもよい。図示しないが、金属箔3の重ね合わせ部3aにシート状の止水材5を配置してもよいし、金属箔3の突き合わせ部3bにペースト状の止水材5を配置してもよい。
かかる止水材5を使用することにより、例えば、隣接する金属箔3が存在しない部分においても、金属箔3の端部を止水することができ、環境遮断効果の向上を図ることができる。
上塗工程Step5は、鋼材1の表面に貼付した金属箔3の表面に所定の塗料を上塗りする工程である。塗料は、マンセル値や日本塗料工業会色見本の色票番号に基づいて任意に選択することができる。かかる上塗りをすることにより、補修部の表面を周囲の鋼材1の表面と同色にすることができ、補修部を目立たなくすることができる。塗料は、錆止め剤を含んでいてもよい。また、必要に応じて、下塗り及び中塗りを追加してもよい。
上述した本実施形態に係る鋼材補修方法によれば、腐食部2の錆を落とさずに補修するようにしたことから、実質的に素地調整をする必要がなく、足場が不十分な環境であっても補修作業を進めることができる。また、腐食部2の上に金属箔3を接着剤4で貼付したことにより、塗膜で補修した場合と比較して、腐食因子である酸素及び水分の遮断性能を向上することができる。
また、図3(b)に示した変形例のように、金属箔3をラミネート加工してもよい。金属箔3をラミネート加工することにより、金属箔3の表面にラミネート樹脂6を配置することができる。このように金属箔3の表面にラミネート樹脂6を配置することにより、金属箔3の損傷を抑制することができるとともに、接着剤4との接着性を向上させることができる。
ここで、試験片を用いた塩水噴霧試験について説明する。ここで、図6は、塩水噴霧試験の結果を示す図である。最初に、同じ条件のもと鋼材の表面の略全面に錆を形成させた錆板を用意する。
「試験片A」は、錆板をブラスト処理せずに、すなわち、錆を残したまま、表面の汚れを除去した後、接着剤を用いてアルミニウム箔で包んだものである。
「試験片B」は、錆板をブラスト処理せずに表面の汚れを除去した後、表面に塗膜を形成したものである。
「試験片C」は、錆板の表面をブラスト処理して錆を除去し、鋼材表面を露出させた後、接着剤を用いてアルミニウム箔で包んだものである。
「試験片D」は、錆板の表面をブラスト処理して錆を除去し、鋼材表面を露出させた後、表面に塗膜を形成したものである。
塩水噴霧試験とは、一定の温度(33〜37℃)に保たれた塩水噴霧試験装置内に試験片を配置し、その上から霧状にした中性の塩化ナトリウム溶液(濃度5%)を噴霧し、一定時間経過後に試験片の表面に生じた錆の状態を観察する試験である。具体的には、日本工業規格の「JIS K5600 7−1」に定められた試験方法である。
各試験片について、0時間後、408時間後、1215時間後に観察した結果を図6の上段、中段、下段に図示してある。試験片Bでは、408時間後の段階で既に部分的に錆又は膨れが生じており、1215時間後には略全面に錆又は膨れが生じた状態になっていた。
また、試験片Dでは、408時間後の段階では、表面にうっすらと錆が生じ始めており、1215時間後には部分的に錆又は膨れが生じていた。
一方、試験片A及び試験片Cについては、1215時間後であっても試験片の表面に錆も膨れも生じていなかった。この結果、鋼材の表面に金属箔を貼付する補修方法は、従来の塗膜で腐食部を補修する方法と比較して、補修後の錆の発生を格段に抑制することができていることがわかる。
また、試験片Aと試験片Cとを比較した場合に、1215時間後の状態に変化がないことに鑑みれば、錆板をブラスト処理せずに、錆を残したまま汚れを除去する程度でも十分に補修後の錆の発生を抑制することができていることがわかる。
本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
1 鋼材
2 腐食部
3 金属箔
4 接着剤
5 止水材
6 ラミネート樹脂
Step1 清掃工程
Step2 塗布工程
Step3 貼付工程
Step4 止水工程
Step5 上塗工程

Claims (11)

  1. 鋼材の表面に形成された腐食部を補修する鋼材補修方法であって、
    前記腐食部に形成された錆を除去せずに前記鋼材の表面に付着した汚れを除去する清掃工程と、
    前記腐食部を覆う金属箔の一面に接着剤を塗布する塗布工程と、
    前記金属箔を前記鋼材の表面に前記腐食部を覆うように貼付する貼付工程と、
    を含むことを特徴とする鋼材補修方法。
  2. 前記清掃工程は、4種ケレン以下の処理内容である、請求項1に記載の鋼材補修方法。
  3. 前記接着剤は、10〜1000μm程度の厚さに塗布される、請求項1に記載の鋼材補修方法。
  4. 前記腐食部の上に配置される接着剤は、前記腐食部の表面粗さの数値よりも厚く塗布される、請求項1に記載の鋼材補修方法。
  5. 前記金属箔の厚さは、20〜200μm程度である、請求項1に記載の鋼材補修方法。
  6. 前記金属箔は、ラミネート加工されている、請求項1に記載の鋼材補修方法。
  7. 前記鋼材の表面に貼付した金属箔の端部を止水する止水工程を含む、請求項1に記載の鋼材補修方法。
  8. 前記止水工程は、前記金属箔の重ね合わせ部又は突き合わせ部を溶着する工程を含む、請求項7に記載の鋼材補修方法。
  9. 前記止水工程は、前記金属箔の端部にペースト状又はシート状の止水材を配置する工程を含む、請求項7に記載の鋼材補修方法。
  10. 前記鋼材の表面に貼付した金属箔の表面を上塗りする上塗工程を含む、請求項1に記載の鋼材補修方法。
  11. 前記上塗工程は、色票番号に基づいて塗料を選択する工程を含む、請求項10に記載の鋼材補修方法。

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