JP2021187017A - 構造物表面の保護工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面保護が容易に可能であるとともに、接着テープの剥離を防止し、好ましくは美観性、耐候性、及びリコート性を付与できる構造物表面の保護工法を提供する。【解決手段】(A1)接着層と(A2)バリア層を有する(A)接着テープと、(B)表面保護塗料を用いた構造物表面の保護工法であって、構造物表面に(A)接着テープを貼付し、該(A)接着テープの端部を(B)表面保護塗料で覆うように塗装が行われることを特徴とする、構造物表面の保護工法である。【選択図】なし

Description

本発明は、構造物表面の保護工法に関し、特には、表面保護が容易に可能であるとともに、接着テープの剥離を防止し、好ましくは美観性、耐候性、及びリコート性を付与できる構造物表面の保護工法に関するものである。
高架橋、トンネル、橋梁、鉄塔、タンク等の大型構造物は、工場で生産された鋼材やコンクリート材を現地で組み立てて建造されることが多いが、これらの部材や、表面に施された塗膜等の保護材は経年で劣化する。この時、各々の部材を取り外し、工場で生産された新品の部材に全て交換するには多大な費用を要するため、構造物の建造後は、出来る限り大掛かりな解体をせずに点検と補修のメンテナンスによって構造を維持し、永く使用できることが求められる。
塗料は鋼材やコンクリート材の表面を加飾出来、構造物に美観を提供できる塗材だが、鋼材などの基材を塗装する際には、基材への付着性や防食性を付与する下塗り層、表面に耐候性を付与する上塗り層、下塗りと上塗りの付着性を確保するとともに、塗膜に厚みを与え、塗膜の摩耗、劣化を抑える中塗り層と複数の層を要し、塗装に時間を要する難点がある。そこで、施工が容易で省工程が可能な構造物の表面保護方法として、防食テープや防食シートを用いた検討が行われている。
特開2019−157603号公報(特許文献1)には、鋼構造物の一部を構成し、鉄、及び鉄を含む合金からなる群から選択される少なくとも1種を含有する金属材の補修対象面に対して、上塗り基材と、上塗り基材の一方の面に設けられ、鉄よりも電位が卑な金属を含有する粘着剤層を備える補修用粘着テープを、粘着剤層を貼り合わせ面として、貼り合わせる工程と、上塗り基材の上に、上塗り塗料を塗布し、塗料塗膜を形成する工程とを備える鋼構造物補修方法が記載され、これにより、耐候性を良好にして、施工後に長期間経過しても高い防食性が維持される鋼構造物補修方法を提供できるとしている。
特開2019−166815号公報(特許文献2)には、ポリオレフィン系共重合体を含み、特定の曲げ弾性率を有する酸バリア層、及び接着層を含む防食シートが記載され、これにより、コンクリート構造物への施工が容易になり、コンクリート表面の屈曲部及びシートの重ね合わせ部でもシートの浮きを発生させずにコンクリート構造物を酸、特に硫酸から高い信頼性で保護することができるとしている。
特開2019−064260号公報(特許文献3)には、樹脂層、及び感圧接着剤層を備え、特定の応力、残留応力、及び可視光線透過率を有する追従性積層シートが記載され、これにより、コンクリート構造体のクラック、ひび割れ等による不良箇所、凸凹とした不陸部に対して視認可能に追従し、且つ簡易に保護又は補強することができる、又は錆の進行を簡易に抑制することができるとしている。
特開2019−119805号公報(特許文献4)には、基材フィルムと、前記基材フィルムの一方面上に設けられた粘着剤層と、を備え、特定の圧縮応力及び破断伸びを有する、防錆用粘着フィルムが記載され、これにより、追従性及び取扱い性に優れ、短い作業時間で簡便に防錆処理を実施することが可能な防錆用粘着フィルムを提供することができるとしている。
特開昭59−010372号公報(特許文献5)には、ステンレス鋼材にはく離性塗料を塗布する方法において塗装端部に粘着性のステンレス鋼用防食剤を接着しておき、それにはく離性塗料を重ねて塗布することを特徴とするステンレス鋼材の腐食防止方法が記載され、ここで、塗膜端部又は粘着性防食剤端部を粘着テープで覆うことができることが記載されている。
特開2018−001546号公報(特許文献6)には、鋼管表面からエポキシ樹脂プライマー層、ポリオレフィン接着剤層、ポリオレフィン層が順次積層されたポリオレフィン被覆鋼管において、当該被覆端部のポリオレフィン接着剤層、ポリオレフィン層が鋼管表面と角度45度以下に形成され、当該端部から外側にエポキシ樹脂プライマー層のみ5mm以上塗り残されていることを特徴とするポリオレフィン被覆鋼管が記載され、これにより、現地溶接継ぎ手部の防食性を向上させるとともに、置き場保管中における被覆端部からの剥離を防止することが出来るとしている。
特開2019−019514号公報(特許文献7)には、補修の対象となる切梁の外周部全周に亘って接着性樹脂を塗布する工程と、塗布された接着性樹脂の外周から被覆材シートを被覆する工程と、前記接着性樹脂を硬化させる工程とからなる切梁の補修工法が記載され、これにより、溶接作業を要せず、また、重量物を扱う必要もなく安全に作業を行える切梁の補修工法を提供することができるとしている。
特開2019−157603号公報 特開2019−166815号公報 特開2019−064260号公報 特開2019−119805号公報 特開昭59−010372号公報 特開2018−001546号公報 特開2019−019514号公報
防食テープや防食シートは、貼付するだけで保護しようとする材に防食性を付与できる簡便な手法であるが、テープはその端部が剥がれやすく、剥がれた端部から腐食因子が基材に侵入し、劣化が進行する等の課題があった。
テープの端部の剥がれを防止する方法として、特許文献2には、防食シートの端部をポリオレフィン系ホットメルト接着剤で封止する方法が記載されている。また、これとは異なるが、特許文献5には、塗膜端部を粘着テープで覆うことで塗膜の剥がれを防止する方法が記載されている。さらに、特許文献6や特許文献7には、接着層を設けることで、基材の表面を覆うシートの接着性を確保する方法が記載されている。これらは、シート層を基材から剥がれにくくするといった面では効果を有するが、構造物には、美観性と耐候性、さらには数年後に補修を行う際のリコート性も求められる。しかしながら、粘着層がむき出しになったままでは、汚染因子が付着しやすく美観が低下しやすい、耐候性に劣る、リコート時の付着性が悪くなる等の課題があり、これらを解決する手法が求められていた。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、表面保護が容易に可能であるとともに、接着テープの剥離を防止し、好ましくは美観性、耐候性、及びリコート性を付与できる構造物表面の保護工法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、(A1)接着層と(A2)バリア層を有する(A)接着テープを構造物表面に貼り付け、該(A)接着テープの端部を(B)表面保護塗料で覆うように塗装を行う構造物表面の保護工法であれば、表面保護が容易に可能であるとともに、接着テープの剥離を防止し、美観性、耐候性、及びリコート性を付与できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の構造物表面の保護工法は、(A1)接着層と(A2)バリア層を有する(A)接着テープと、(B)表面保護塗料を用いた構造物表面の保護工法であって、
構造物表面に(A)接着テープを貼付し、該(A)接着テープの端部を(B)表面保護塗料で覆うように塗装が行われることを特徴とする。
本発明の構造物表面の保護工法の好適例においては、前記(B)表面保護塗料が(B1)塗膜形成樹脂と(B2)顔料と(B3)溶媒を少なくとも含み、該(B)表面保護塗料の顔料体積濃度(PVC)が10〜40%の範囲内である。
本発明の構造物表面の保護工法の他の好適例においては、前記(B)表面保護塗料が反応硬化型塗料である。
本発明の構造物表面の保護工法の他の好適例においては、前記(B)表面保護塗料が2液反応硬化型塗料である。
本発明の構造物表面の保護工法の他の好適例においては、前記(A1)接着層が鉄よりも電位が卑な金属および/または防錆顔料を含む。
本発明の構造物表面の保護工法の他の好適例においては、前記構造物表面の保護工法が既設の構造物の補修のための方法であり、下記パターン1〜3のいずれかまたはこれらの組み合わせによって構造物表面の補修を行う。
(パターン1)
構造物表面に凹み状の損傷部がある場合には(C)防食塗料および/または(D)弾性塗料で該凹み状の損傷部を保護した後に、該(C)防食塗料および/または(D)弾性塗料で保護された面を覆うように前記(A)接着テープを貼付し、該(A)接着テープの端部を(B)表面保護塗料で保護する。
(パターン2)
構造物表面に錆や塗膜劣化がある場合には該構造物表面にケレンをした後に、該構造物表面に(A)接着テープを貼付し、該(A)接着テープの端部を(B)表面保護塗料で保護する(ここで、ケレンをした構造物表面は、(A)接着テープを貼付する前に、(C)防食塗料で塗装されてもよい)。
(パターン3)
構造物表面に傷や錆がない場合は該構造物表面を清浄化した後に、該構造物表面に(A)接着テープを貼付し、該(A)接着テープの端部を(B)表面保護塗料で保護する。
本発明の構造物表面の保護工法の他の好適例においては、前記(A)接着テープが貼付される面の表面粗さが80μm以下である。
本発明の構造物表面の保護工法の他の好適例においては、前記(A)接着テープの前記(B)表面保護塗料で覆われた領域は、該(A)接着テープの端から10mm以上離れた位置までの領域である。
本発明の構造物表面の保護工法の他の好適例においては、前記(B)表面保護塗料から形成される表面保護塗膜の破断伸び率が、0.5〜50%の範囲内であり、前記(A1)接着層の破断伸び率よりも低い。
本発明の構造物表面の保護工法の他の好適例において、前記(B)表面保護塗料は、せん断速度0.1s−1における粘度が0.1〜10,000(Pa・s、23℃)であり、せん断速度1000s−1における粘度が0.05〜10(Pa・s、23℃)である。
本発明の構造物表面の保護工法の他の好適例においては、前記(A1)接着層の厚さが20〜1,000μmの範囲内であり、前記(A2)バリア層の厚さが10〜100μmの範囲内であり、前記(B)表面保護塗料によって形成される表面保護塗膜の厚さが10〜100μmの範囲内である。
本発明によれば、表面保護が容易に可能であるとともに、接着テープの剥離を防止し、好ましくは美観性、耐候性、及びリコート性を付与できる構造物の表面保護工法を提供することができる。
以下に、本発明の構造物表面の保護工法を詳細に説明する。本発明は、構造物表面の保護工法に関するものであって、(A)接着テープと(B)表面保護塗料を用いる。本明細書において、本発明の構造物表面の保護工法を本発明の保護工法と称する場合もある。
本発明の保護工法は、構造物に適用される。構造物としては、建築物や構築物等が挙げられ、屋外に建築・建設された構造物(屋外構造物)であることが好適である。本明細書において、建築物とは、人間が居住又は滞在する目的で建築された構造物を意味し、例えば住宅(特には戸建や集合住宅)やビル、工場等が挙げられ、構築物とは、人間が居住又は滞在する目的以外のために建設された構造物を意味し、例えば高架橋、トンネル、橋梁、鉄塔、タンク、煙突等が挙げられる。また、構造物には、高架橋のPC床版、水道管、配管、ガードレール、手すり、軽量鉄骨、架台、支柱、電柱等も含まれるが、これらに限定されるものではない。なお、構造物は、本発明の保護工法が適用される際に、その表面に防食処理等の各種表面処理が施されていてもよいし、表面の少なくとも一部に旧塗膜(本発明の保護工法を適用する際に既に形成されている塗膜)が存在していてもよい。
本発明の好適な実施態様において、構造物は、主要な部材が金属部材(鋼材等)である金属系構造物(特には鋼構造物)であってもよく、具体例としては、橋梁、鉄塔、橋脚、高架橋、タンク、プラント等が挙げられる。なお、金属部材には、例えば、鉄鋼、ステンレス鋼、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、クロム鋼、クロムモリブデン鋼、マンガン鋼などの合金鋼や、炭素鋼などの金属と非金属材料から形成される複合部材等が挙げられる。
本発明の保護工法に用いる(A)接着テープは、(A1)接着層と(A2)バリア層を有する。接着テープの貼付によって構造物の表面、特には平滑部の表面の保護が容易に可能となる。本発明の好適な実施態様において(A)接着テープは、(A1)接着層と、該(A1)接着層上に配置された(A2)バリア層とを備えており、ここで接着テープの接着層側を構造物表面に貼り付ける。
(A)接着テープは、防食性を有する防食テープであることが好ましく、かかる防食性が犠牲防食に基づく犠牲防食テープであることが好ましい。
(A1)接着層は、自己修復性を有することが好ましい。自己修復性とは、接着層が損傷しても、接着層それ自体によって損傷部の修復が可能な性質を指す。橋梁や高架橋のように大きな振動がかかる構造物では、バリア層や表面保護塗膜(表面保護塗料により形成される塗膜)が破断を起こす場合もあり得るが、このような場合であっても、接着層が自己修復性を有していれば、接着層の破断を防ぎ、構造物表面を継続して保護することができる。例えば、接着層に含まれる接着成分の種類や量、及び接着層の厚さなどを適宜選択することで、接着層に自己修復性を付与することが可能である。
(A1)接着層は、構造物表面への接着を確保するため、通常、接着成分を含有することが好ましい。接着成分としては、接着剤や粘着剤に分類される樹脂やゴムを用いることができる。粘着剤も接着剤の一種であるが、一般に、貼付の前後で性状が変化しない接着成分を粘着剤と称することが多い。また、(A1)接着層に自己修復性を付与する観点から、接着成分として粘着剤を用いることが好ましい。
接着剤の具体例としては、エポキシ樹脂、変性ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。ここで、変性ポリオレフィン樹脂の接着剤としては、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂が好適に挙げられる。無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂には、無水マレイン酸で変性したポリオレフィン樹脂の他、コモノマーとして無水マレイン酸を用いたオレフィン共重合体も含まれる。
粘着剤の具体例としては、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、スチレンゴム系粘着剤等が挙げられる。なお、粘着剤には、粘着力を向上させる観点から、粘着付与樹脂が配合されていることが好ましい。粘着付与樹脂の具体例としては、テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、ロジン樹脂、水添ロジン樹脂、不均化ロジン樹脂、クマロン樹脂、石油樹脂等が挙げられる。
(A1)接着層中において、接着成分の量は、例えば40〜100質量%、好ましくは50〜90質量%である。また、(A1)接着層に自己修復性を付与する観点から、接着層中の接着成分、好ましくは粘着剤の量は、60質量%以上であることが好ましい。接着成分は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、(A1)接着層には、自己修復性の観点から、接着成分に分類されないゴムやエラストマーを用いてもよい。例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリルゴム、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)、ポリイソブチレン、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、ポリビニルアルキルエーテル(例えば、ポリビニルイソブチルエーテル)等を例示することができる。これらは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。接着層にゴムやエラストマーを配合する際の配合量は粘着性を低減させず、自己修復性、水蒸気遮断性を確保させる観点から、例えば0〜40質量%の範囲が好ましい。
(A1)接着層は、鉄よりも卑な金属を含有してもよい。本明細書において「鉄よりも卑な金属」とは、鉄よりもイオン化傾向の大きい金属又は該金属を含む合金を意味する。本明細書において「鉄よりも卑な金属」を防食性金属ともいう。接着層が防食性金属を含む場合、鉄や鉄よりも貴な金属を含む構造物表面に、接着テープの接着層側の面を貼り合わせることで、該構造物表面に防食性を付与することができる。
防食性金属としては、カドミウム、クロム、亜鉛、マンガン、アルミニウム、マグネシウム等の金属単体やその合金が挙げられる。これらの中では、亜鉛及びアルミニウムが好ましく、亜鉛が特に好ましい。
防食性金属は、粒子形状、鱗片形状、紡錘形状等の各種形状で使用可能であるが、分散性等の観点から、粒子形状が好ましい。防食性金属は、そのアスペクト比が好ましくは1〜3、より好ましくは1〜2である。本明細書において、アスペクト比は、平均粒径(D)と平均厚み(T)との比(D/T)で求められる。防食性金属の平均厚み(T)は、SEM(走査電子顕微鏡)又は光学顕微鏡を用いて顔料の厚みを測定し、任意の50個の粒子を対象にして平均値を求めることにより得られる。
また、防食性金属は、その平均粒径が好ましくは1〜500μm、より好ましくは1〜200μmである。本明細書において、平均粒径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて測定し、その結果得られた50%平均粒径(体積基準で累計50%となる粒子径、メジアン値)を意味する。
(A1)接着層中において、防食性金属の量は、例えば0.5〜50質量%、好ましくは1〜40質量%である。防食性金属は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A1)接着層は、防錆顔料を含有してもよい。接着層に防錆顔料を配合することで、構造物表面に防食性を付与することができる。防錆顔料の具体例としては、亜鉛粉末、酸化亜鉛、メタホウ酸バリウム、珪酸カルシウム、リン酸アルミニウム、トリポリリン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、亜リン酸亜鉛、亜リン酸カリウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛カルシウム、リン酸亜鉛アルミニウム、リンモリブデン酸亜鉛、リンモリブデン酸アルミニウム、リン酸マグネシウム、バナジン酸/リン酸混合顔料等が挙げられる。
(A1)接着層中において、防錆顔料の量は、例えば0.5〜10質量%、好ましくは1〜7質量%である。防錆顔料は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の好適な実施態様において(A1)接着層は、防食性金属と防錆顔料のいずれか一方を含有してもよいし、防食性金属と防錆顔料の両方を含有してもよい。
(A1)接着層は、導電性材料を含有してもよい。本明細書において、導電性材料は、防食性金属を除く導電性材料を指す。導電性材料を用いることで、接着層の導電性が高くなり、防食性金属による防食性付与効果が向上できる。
導電性材料としては、カーボン系材料、金属系材料、金属酸化物系材料、イオン性ポリマー及び導電性高分子等が挙げられる。具体的に、カーボン系材料としては、カーボンブラック、黒鉛、グラフェン、カーボンナノチューブ、アセチレンブラック等が挙げられる。金属系材料としては、金、銀、銅、ニッケルなど、鉄よりも電位が貴な金属、又は鉄等の金属単体やその合金が挙げられる。金属酸化物材料としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、三酸化アンチモン(ATO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化亜鉛等が挙げられる。導電性高分子としては、ポリアセチレン、ポリピロール、PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)、PEDOT/PSS(ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の複合物)、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリ(p−フェニレン)、ポリフルオレン、ポリカルバゾール、ポリシラン又はこれらの誘導体等が挙げられる。イオン性ポリマーとしては、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム等が挙げられる。
導電性材料には、接着層に相溶性のあるものや接着層に分散するものが含まれる。導電性材料は、粒子形状、鱗片形状、紡錘形状等の各種形状で使用可能であるが、分散性等の観点から、粒子形状が好ましい。導電性材料は、そのアスペクト比が好ましくは1〜3、より好ましくは1〜2である。また、導電性材料は、その平均粒径が好ましくは1〜500μm、より好ましくは1〜200μmである。
(A1)接着層中において、導電性材料の量は、例えば0.5〜30質量%、好ましくは1〜20質量%である。導電性材料は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A1)接着層には、その他の成分として、樹脂、飽和油、不飽和油、液状ゴム、可塑剤、着色剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤(例えばヒンダードアミン系光安定剤)、体質顔料、有機系防錆剤、カップリング剤、酸化防止剤、老化防止剤、防カビ剤、防虫剤、防鼠剤、抗菌剤、難燃剤等の各種添加剤を配合できる。
(A1)接着層は、必要に応じて適宜選択される成分を配合してなるものである。例えば、接着成分等を含む組成物をバリア層上に塗布し、乾燥や硬化することで接着層を形成することができる。
(A1)接着層は、その厚さが、例えば20〜1,000μm、好ましくは20〜900μm、より好ましくは50〜700μmである。また、(A1)接着層に自己修復性を付与する観点から、(A1)接着層の厚さは、100μm以上であることが好ましい。
(A1)接着層は、単層であっても、複数層から構成されていてもよい。
(A1)接着層は、自己修復性の観点から、破断伸び率が50〜2000%の範囲内であることが好ましく、100〜1500%の範囲内であることが更に好ましい。(A1)接着層の破断伸び率は、好ましくはバリア層や表面保護塗膜の破断伸び率よりも高い。接着層に含まれる接着成分の種類や量、及び接着層の厚さなどを適宜選択することで、接着層の破断伸び率を調整することが可能である。
本明細書において、破断伸び率は、JIS Z0237:2009の8.引張強さ及び伸びに準じて測定した。
(A2)バリア層は、構造物表面を保護すると共に、水や酸素、塩化物イオン等の金属の腐食因子など、構造物表面を劣化させる因子(劣化因子)が構造物表面に到達することを防止するための層である。
(A2)バリア層は、通常、樹脂を含有することが好ましい。バリア層に使用できる樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、エチレンビニルアセテート系樹脂、アクリロニトリル系樹脂(例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂))、ポリカーボネート系樹脂、フッ素系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、フェノール系樹脂、等が挙げられる。これらの中でも、ポリアクリル系樹脂が好ましい。これら樹脂はフィルムないしシートとして使用することができる。その他、バリア層にはクラフト紙、和紙などの紙類、天然繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、カーボン繊維、ガラス繊維、ポリオレフィン繊維等の繊維類を用いた織布、編布、不織布及び積層布、金属箔等も上記樹脂と組み合わせて用いることができる。
(A2)バリア層中において、樹脂の量は、例えば40〜100質量%、好ましくは50〜90質量%である。樹脂は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A2)バリア層は、基材を大気中の水蒸気等の腐食因子から保護する目的より、接着層と含めた接着テープとしての水蒸気透過度(JIS K7129)が10g/m・day以下であることが好ましい。このような高いレベルの水蒸気透過抑制能は、樹脂の組成や架橋密度の調整、複数のバリア層の組み合わせ、厚さの調整や鱗片状顔料、短繊維の配合等によって実現することができる。
鱗片状顔料は、箔のような薄く平らな形状をした顔料であり、その具体例としては、亜鉛、ニッケル、クロム、錫、銅、銀、白金、金、アルミニウム等の金属顔料や、ガラスフレーク、タルク、マイカ、カオリンクレー、雲母状酸化鉄等が挙げられる。なお、金属顔料には、ステンレス等の合金の顔料も含まれる。また、鱗片状顔料、例えばタルクやマイカは、酸化チタン等の金属酸化物で表面処理されていてもよい。
鱗片状顔料は、バリア性能を向上させる観点から、アスペクト比が30〜100であることが好ましく、50〜100であることが更に好ましい。
鱗片状顔料は、平均粒径が10〜100μmであることが好ましく、20〜60μmであることが更に好ましい。
本明細書において、鱗片状顔料のアスペクト比及び平均粒径は、防食性金属と同様の方法で得られる。
(A2)バリア層中において、鱗片状顔料の量は、バリア性能を向上させる観点から、1〜30質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることが更に好ましい。
短繊維としては、天然繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、カーボン繊維、ガラス繊維、ポリオレフィン繊維からなる群の中から選ばれる1種又は2種以上の繊維が挙げられる。短繊維は、3〜50mmの繊維長を有することが好ましい。接着層および/またはバリア層中に鱗片状顔料や短繊維を分散させることにより、水蒸気透過性を低減させ、基材の防食性を向上することができる。
(A2)バリア層には、その他の成分として、可塑剤、着色剤、分散剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤(例えばヒンダードアミン系光安定剤)、体質顔料等の各種添加剤を配合できる。
(A2)バリア層は、フィルムの形態であることが好ましい。(A2)バリア層は、その厚さが、例えば10〜120μm、好ましくは10〜100μm、より好ましくは20〜80μmである。
(A2)バリア層は、単層であっても、複数層から構成されていてもよい。
(A2)バリア層は、その破断伸び率が、例えば10〜100%の範囲内である。
(A2)バリア層の表面、裏面又は両面には、接着層や表面保護塗膜との密着性を向上させる観点から、コロナ放電処理、プラズマ処理、プライマー処理等の処理を施してもよい。
本発明の保護工法に用いる(B)表面保護塗料は、接着テープの外周部の塗装に使用され、接着テープの剥離を防止することができる。塗料は、ホットメルト接着材等を用いる場合に比べて施工性に優れる。また、塗料に顔料を配合することで、美観性や耐光性、更にはリコート性も向上させることができる。本明細書においては、(B)表面保護塗料により形成される塗膜を表面保護塗膜と称する場合もある。
(B)表面保護塗料は、(B1)塗膜形成樹脂と(B2)顔料と(B3)溶媒を少なくとも含むことが好ましい。
(B1)塗膜形成樹脂は、塗膜を構成する樹脂として残る成分であり、例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ふっ素樹脂、ロジン樹脂、石油樹脂、クマロン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂、キシレン樹脂、アルキド樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、ブチラール樹脂、マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂、ビニル樹脂、アミン樹脂、ケチミン樹脂等が挙げられる。これら樹脂は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)表面保護塗料において、不揮発分中における(B1)塗膜形成樹脂の量は、例えば15〜50質量%であることが好ましい。
本明細書において、不揮発分とは、水や有機溶剤等の揮発する成分を除いた成分を指し、最終的に塗膜を形成することになる成分である。なお、本明細書においては、塗料を105℃で60分乾燥させた際に残存する成分を不揮発分として取り扱う。(B)表面保護塗料中において、不揮発分の量は、40〜90質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることが更に好ましい。
(B)表面保護塗料は、硬化剤を含むことができる。硬化剤としては、使用する樹脂の種類に応じて適宜選択され、塗料業界において通常使用されている硬化剤を使用できる。これら硬化剤は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。硬化剤の含有量は、塗膜形成樹脂に含まれる硬化剤との反応性基の量に応じて適宜調整されるものであるが、(B)表面保護塗料において、不揮発分中における硬化剤の量は、例えば1〜15質量%であることが好ましい。
例えば、水酸基を含む樹脂に対しては、イソシアネート系硬化剤が好適に使用できる。具体例としては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の他、これらポリイソシアネートの変性体が挙げられる。変性体の具体例としては、ビウレット変性体、イソシアヌレート変性体、アダクト変性体(例えばトリメチロールプロパン付加物)、アロファネート変性体、ウレトジオン変性体等が挙げられる。
また、エポキシ樹脂に対しては、アミン系硬化剤が好適に使用できる。具体例としては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、トリアミノプロパン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イソホロンジアミン、及び1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等の脂肪族ポリアミン;フェニレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、及びジアミノジフエニルメタン等の芳香族ポリアミン;ポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、トリエチレングリコールジアミン、及びトリプロピレングリコールジアミン等の他のポリアミン化合物と、これらアミン化合物のアミノ基を変性してなる変性ポリアミン化合物とが挙げられる。なお、アミン化合物の変性には、既知の方法が利用でき、変性反応の例としては、アミノ基のアミド化、アミノ基とカルボニル化合物のマンニッヒ反応、アミノ基とエポキシ基の付加反応等が挙げられる。ここで、アミノ基にエポキシ基等が付加したタイプの変性ポリアミン化合物をアダクトタイプの変性ポリアミン化合物といい、アミノ基にエポキシ基が付加したエポキシアダクトタイプの変性ポリアミン化合物が好ましい。
(B2)顔料は、二酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック等の着色顔料、シリカ、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料、亜鉛、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ハイドロカルマイト等の防錆顔料、アルミニウム、ニッケル、クロム、錫、銅、銀、白金、金、ステンレス等の光輝顔料や、ガラスフレーク、黒鉛等の鱗片状顔料等が挙げられる。なお、顔料は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)表面保護塗料において、顔料体積濃度(PVC)は、10〜40%の範囲内であることが好ましく、13〜35%の範囲内であることが更に好ましい。顔料体積濃度(PVC)が上記特定した範囲内にあれば、美観性、耐光性、及びリコート性の向上効果が高い。本明細書において、顔料体積濃度(PVC)とは、塗料に含まれる不揮発分中における顔料体積濃度(PVC:Pigment Volume Concentration)を意味し、不揮発分を構成する各成分の組成及び比重から計算により求めることができる。
(B3)溶媒としては、有機溶媒、水又はそれらの混合溶媒を使用できる。ここで、有機溶媒としては、特に限定されるものではなく、炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒等の各種有機溶媒が使用できる。なお、有機溶媒は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
炭化水素系溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等が挙げられ、より具体的には、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、ミネラルスピリット、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、テルペン油等を例示することができる。また、アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール等が挙げられ、ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられ、エーテル系溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルカルビトール等が挙げられる。なお、エチレングリコールモノエチルエーテルやメチルカルビトールのように水酸基とエーテル結合の両方を有する溶媒は、上記のとおり、エーテル系溶媒に分類される。
(B)表面保護塗料中において、(B3)溶媒の量は、10〜50質量%であることが好ましく、20〜45質量%であることが更に好ましい。
(B)表面保護塗料には、その他の成分として、可塑剤、着色剤、分散剤、乾燥剤、酸化防止剤、反応触媒、消泡剤、脱水剤、レベリング剤、沈降防止剤、ダレ止め剤、シランカップリング剤等の付着性付与剤、防藻剤、防カビ剤、防腐剤、分散剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤(例えばヒンダードアミン系光安定剤)等の添加剤を必要に応じて適宜配合してもよい。
(B)表面保護塗料は、必要に応じて適宜選択される各種成分を混合することによって調製できる。また、(B)表面保護塗料が2液反応硬化型塗料である場合は、必要に応じて適宜選択される各種成分を混合することで主剤を予め用意しておき、塗装時に主剤と硬化剤とを混合することによって調製できる。なお、硬化剤は、硬化剤そのままでもよいし、他の成分との混合物であってもよい。
(B)表面保護塗料は、塗膜の耐久性とバリア層への付着性に優れることから、1液反応硬化型塗料や2液反応硬化型塗料等の反応硬化型塗料であることが好ましい。
(B)表面保護塗料は、せん断速度0.1s−1における粘度が0.1〜10,000(Pa・s、23℃)であり、且つ、せん断速度1,000s−1における粘度が0.05〜10(Pa・s、23℃)であることが好ましい。
本明細書において、粘度は、レオメーター(TAインスツルメンツ社製レオメーターARES等)を用い、液温を23℃に調整した後に測定される。
(B)表面保護塗料の塗装手段は、特に限定されず、既知の塗装手段、例えば、スプレー塗装、ローラー塗装、刷毛塗装、コテ塗装、ヘラ塗装等が利用できる。また、(B)表面保護塗料の乾燥手段は、特に限定されず、周囲温度での自然乾燥や乾燥機等を用いた強制乾燥のいずれであってもよい。
(B)表面保護塗料から形成される塗膜、即ち表面保護塗膜の厚さは、例えば10〜120μm、好ましくは10〜100μm、より好ましくは20〜80μmである。所望の膜厚を得るために、複数回の塗装(塗り重ね)を行うこともできる。また、2種類以上の塗料を用いて表面保護塗膜を形成することもできる。
(B)表面保護塗料から形成される塗膜、即ち表面保護塗膜は、その破断伸び率が、例えば0.5〜50%の範囲内である。本発明の好適な実施態様においては、自己修復性の観点から、(A1)接着層の破断伸び率が高く設定されることから、(B)表面保護塗料から形成される表面保護塗膜の破断伸び率は、(A1)接着層の破断伸び率よりも低い。
本発明の保護工法においては、構造物表面に(A)接着テープを貼付し、該(A)接着テープの端部を(B)表面保護塗料で覆うように塗装が行われる。これにより、構造物表面をように保護することができるとともに、接着テープの剥離を防止し、好ましくは美観性、耐候性、及びリコート性を付与することができる。
本発明の保護工法においては、(A)接着テープが貼付される面の表面粗さが80μm以下であることが好ましく、50μm以下であることが更に好ましい。接着テープが貼付される面を平滑にすることで、構造物表面への接着テープの接着性を向上させることができる。例えば、構造物表面の表面粗さが80μmを超える場合には、該構造物表面をブラストまたは動力工具処理することで、表面粗さを低下させることができる。
本明細書において、表面粗さは、JIS B 0601:2001に準拠して測定される十点平均粗さ(Rzjis)である。
本発明の保護工法において、(A)接着テープの(B)表面保護塗料で被覆される領域は、該(A)接着テープの端から10mm以上離れた位置までの領域であることが好ましい。また、本発明の保護工法においては、(A)接着テープの剥離、特には(A)接着テープ端部の剥離を防止するために(B)表面保護塗料による塗装を行うことから、(A)接着テープの全領域を被覆する必要はなく、(A)接着テープの外周部、好ましくは外周部の全周を被覆すればよい。このため、本発明の保護工法において、(A)接着テープの(B)表面保護塗料で被覆される領域は、該(A)接着テープの端から50mm離れた位置までの領域であることが好ましい。
本発明の保護工法は、新設時の構造物に適用することも可能であるが、既設の構造物に適用することが好ましく、既設の構造物の補修のための方法であることが好ましい。既設の構造物を補修する際に本発明の保護工法を実施することは、工期短縮、施工の容易性等の効果が大きい。構造物の補修の際には、構造物表面に旧塗膜が形成されている場合には旧塗膜を除去し、構造物表面を平滑化した後、接着テープの貼付を行うことが好ましい。また、構造物表面に傷や錆がある場合はそれらの除去や表面保護を行い、構造物表面を平滑化した後、接着テープの貼付を行うことが好ましい。また、構造物の補修の際には、接着テープを所望の形状にくり抜き、これを貼付し、次いでその端部を表面保護塗料で塗装してもよい。
本発明の好適な実施態様においては、構造物表面の保護工法が既設の構造物の補修のための方法であり、以下のパターン1〜3のいずれかまたはこれらの組み合わせによって構造物表面の補修を行う。
(パターン1)
構造物表面に凹み状の損傷部がある場合には(C)防食塗料および/または(D)弾性塗料で該凹み状の損傷部を保護した後に、該(C)防食塗料および/または(D)弾性塗料で保護された面を覆うように前記(A)接着テープを貼付し、該(A)接着テープの端部を(B)表面保護塗料で保護する。
(パターン2)
構造物表面に錆や塗膜劣化がある場合には該構造物表面にケレンをした後に、該構造物表面に(A)接着テープを貼付し、該(A)接着テープの端部を(B)表面保護塗料で保護する(ここで、ケレンをした構造物表面は、(A)接着テープを貼付する前に、(C)防食塗料で塗装されてもよい)。
(パターン3)
構造物表面に傷や錆がない場合は該構造物表面を清浄化した後に、該構造物表面に(A)接着テープを貼付し、該(A)接着テープの端部を(B)表面保護塗料で保護する。
パターン1について、より具体的な一実施態様としては、(C)防食塗料および/または(D)弾性塗料を構造物表面の凹み状の損傷部に適用し、形成される塗膜で凹み状の損傷物を保護する。次いで、該塗膜で保護された凹み状の損傷部を覆うように(A)接着テープを貼付し、その後、(B)表面保護塗料で(A)接着テープの端部を塗装し、表面保護塗膜で(A)接着テープの端部を保護する。
パターン2について、より具体的な一実施態様としては、錆や塗膜劣化のある構造物表面に対してケレンを行い、錆や旧塗膜の除去を行う。次いで、必要に応じて、構造物表面を(C)防食塗料で塗装し、防食塗膜を形成する。次いで、錆や旧塗膜が除去された構造物表面、または防食塗膜を有する構造物表面に(A)接着テープを貼付し、その後、(B)表面保護塗料で(A)接着テープの端部を塗装し、表面保護塗膜で(A)接着テープの端部を保護する。
パターン3について、より具体的な一実施態様としては、構造物表面を清浄化する。次いで、清浄化した構造物表面に(A)接着テープを貼付し、その後、(B)表面保護塗料で(A)接着テープの端部を塗装し、表面保護塗膜で(A)接着テープの端部を保護する。
(C)防食塗料は、構造物表面に防食性を付与するための塗料であり、鉄よりも電位が卑な金属および/または防錆顔料を含むことが好ましい。
(D)弾性塗料は、弾性塗膜を形成可能な塗料であり、凹部の塗装に適している。(D)弾性塗料は、柔軟性の高い塗膜形成樹脂を含むことが好ましく、市販のパテ材や弾性樹脂塗料を好適に使用することができる。
(C)防食塗料及び(D)弾性塗料には、樹脂、顔料、水、有機溶剤、乾燥剤、酸化防止剤、反応触媒、分散剤、消泡剤、脱水剤、レベリング剤、沈降防止剤、ダレ止め剤、シランカップリング剤等の付着性付与剤、防藻剤、防カビ剤、防腐剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤(例えばヒンダードアミン系光安定剤)等を必要に応じて適宜配合することができる。(C)防食塗料及び(D)弾性塗料は、必要に応じて適宜選択される各種成分を混合することによって調製できる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(表面保護塗料の調製例)
表1〜4の「主剤」及び「硬化剤」に示される配合処方に従い主剤と硬化剤を用意し、これらから表面保護塗料を調製した。なお、実施例27及び28では、主剤からなる表面保護塗料を調製した。表中の配合処方の値は質量部である。表中の表面保護塗料のPVCは、表面保護塗料に含まれる不揮発分中における顔料体積濃度(%)である。
主剤及び硬化剤に用いた材料の詳細は、以下の通りである。
樹脂1:ルミフロンLF400、旭硝子社製、強溶剤系ふっ素樹脂、不揮発分50質量%、OHV=21
樹脂2:旭硝子社製、弱溶剤系ふっ素樹脂、不揮発分60質量%、OHV=19.5
樹脂3:ルミフロンFE4400、旭硝子社製、水系ふっ素樹脂、不揮発分50質量%、OHV=24.5
樹脂4:ルミフロンLF810、旭硝子社製、弱溶剤系ふっ素樹脂、不揮発分45質量%、OHV=4
樹脂5:ポリデュレックスG633、旭化成社製エマルション樹脂、不揮発分46質量%
硬化剤1:コロネートHX、東ソー社製、不揮発分100質量%、ポリイソシアネート、NCO=21.25質量%
硬化剤2:コロネート2770、東ソー社製、不揮発分100質量%、ポリイソシアネート、NCO=19.4質量%
硬化剤3:アクアネート200、東ソー社製、不揮発分100質量%、ポリイソシアネート、NCO=12質量%
(接着テープの作製例)
以下に、表1に示される実施例1の接着テープの作製例について説明する。
モノマー(単量体)として、2−エチルヘキシルアクリレート85質量部、n−ブチルアクリレート15質量部、アクリル酸5質量部に、光重合開始剤として商品名イルガキュアー651(チバ・スペシャリティー・ケミカル製)0.05質量部、商品名イルガキュアー184(チバ・スペシャリティー・ケミカル製)0.05質量部を配合し、窒素雰囲気下で紫外線照射して部分的に重合したシロップを得た。次に、作製したシロップ100質量部に対して1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.1質量部、界面活性剤を固形分で0.2質量部添加し、さらに中空ガラスビーズ(中空微小球状体)として、商品名セルスターZ−27(東海工業(株)製、真密度:0.27、平均粒径:63μm)を1質量部と、充填剤1として亜鉛粒子を5質量部、オレフィン重合体(クラレ社製、L−1253)を10質量部、粘着付与剤(荒川化学工業社製、アルコンP140、水添石油樹脂)を10質量部添加してアクリル樹脂系感圧性接着剤を得た。
ついで、剥離処理を施したPET基材(セパレータ)に前記感圧性接着剤を厚さ1.0mmになるよう塗布し、その上から剥離処理を施したPET基材を貼りあわせ、照度約4.0mW/cmで10分間紫外線(UV光)を照射して厚さ600μmの(A1)接着層を得た。得られた粘着層を、(A2)バリア層である厚さ38μmのフッ素系樹脂フィルム(デュポン製テドラーフィルムTGH15BL3)にラミネートすることにより、接着テープを得た。
実施例1の接着テープと異なる接着テープの作製例は、以下の通りである。
(A1)接着層の樹脂の種類及び含有量、充填剤1の種類及び含有量、充填剤2の種類及び含有量、厚みと、(A2)バリア層の基材種類、鱗片状顔料又は短繊維の種類及び含有量、厚みを必要に応じて表1〜4に示されるものに変更した以外は、実施例1の接着テープと同様の方法で接着テープを得た。なお、紫外線照射条件はゲル分率が50〜70質量%となるように適宜調整した。
実施例15は、バリア層の基材にポリオレフィン多層フィルム(テクノセン光、日新化学工業社製)を使用した。
実施例16は、バリア層の基材に予め大日本塗料(株)社製塗料VフロンHBクリーンスマイル(弱溶剤2液厚膜型ふっ素樹脂塗料)で塗装、乾燥した不織布を使用した。
接着テープの水蒸気透過度をJIS K7129に記載の方法で測定し、表1〜4に示した。単位は、g/m・dayである。
JIS Z0237:2009の8.引張強さ及び伸びに準じて(A1)接着層、(A2)バリア層、(B)表面保護塗料から形成される塗膜の伸び率(%)を各々測定し、表1〜4に示した。
(実施例1〜38及び比較例1〜5)
上記調製例に従い用意した表面保護塗料及び上記作製例に従い用意した接着テープを用いて、接着性試験、自己修復性試験、耐候性試験、リコート性試験を行った。結果を表1〜4に示す。
比較例1は、テープ端部を表面保護塗料で保護していない。
比較例2は、表面保護塗料の代わりに、テープ端部10mmの幅をホットメルト接着剤(東亞合成社製、商品名:PES−111EE)で保護した。
比較例3は、表面保護塗料の代わりに、テープ端部10mmの幅を変成シリコーン系シーリング剤(コニシ社製、商品名MPX−1)で保護した。
比較例4に用いた接着テープはバリア層を有していなかった。
比較例5は接着層を瞬間接着剤で形成した。
実施例10は接着層にセメダインEP001K(セメダイン社製、エポキシ・変成シリコーン系弾性接着剤)を使用した。
[試験用サンプル1の作製]
試験板として、素地調整程度がISO 8501−1 Sa2.5のグリットブラスト処理鋼板(150×150×3.2mm)に、大日本塗料社製ゼッタールOL−HB、エポニックス#30下塗HB、Vフロン#100H中塗、Vフロン#100H上塗IGを標準塗装仕様に従って塗装、乾燥し、既設塗膜を有する試験板を得た。その後、十分に乾燥した該試験板の中央部を50mm×50mmの大きさで鋼板の下地が確認できる深さまでケレンし、表1〜4に示す表面粗さになるように調整した。次に、露出した下地面が完全に覆われるように、60mm×60mmの接着テープを接着層が貼り合わせ面となるように貼り合わせた後、接着テープの端部からの塗装幅が表1〜4に示される値となるように、表面保護塗料として、表1〜4に記載の主剤と硬化剤とを混合して得た塗料を、刷毛を用いて乾燥後の厚みが25〜35μmになるように塗布して、温度23℃、相対湿度50%に保たれた恒温室内で7日間乾燥させて塗料塗膜を形成して、試験用サンプル1を得た。
テープを貼付する前の試験用サンプル1の表面粗さを、JIS B 0601:2001に準拠して測定される十点平均粗さ(Rzjis)から求め、表1〜4に示した。
<接着性>
試験用サンプル1に対して、JIS Z 9117:2011 8.7に準拠した接着性試験を行った。測定は60mm×60mmの接着テープから25mm×60mmとなるよう切断後、下向き水平に支持し、短辺をつかみ治具でつかみ、これにつかみ治具を含めて800gのおもりを1時間鉛直に静かにつるしたときの剥離長さを測定した。
◎:剥離長さが0mm〜5mm未満
〇:剥離長さが5mm〜10mm未満
×:剥離長さが10mm以上
<自己修復性>
試験用サンプル1の中心部に、JIS−5600−7−9:2006の7.5(切り込みきずの付け方)に準じて、素地に達する交差状の切り込みきずを付け、24時間後にJIS−5600−7−9「サイクル腐食試験方法」に規定されるサイクル腐食性試験(サイクルD)に供した。試験開始から360サイクル経過後の塗膜について、以下の判定基準で評価した。
◎:切り込みきずが接着層の自己修復性で修復され、2000時間後も塗膜外観に一切の変状を認めなかった。
○:切り込みきずが接着層の自己修復性で修復され、1000時間後の塗膜外観に変状を認めなかったが、2000時間までの間に一部に微小な膨れ、さび等の変状を認めた。
△:切り込みきずが接着層の自己修復性で修復されたものの、保護機能が足りない部分があり、1000時間以内に一部に微小な膨れ、さび等の変状を認めた
×:切り込みきずが接着層の自己修復性で十分に修復されず、基材面が露出して試験後の塗膜に膨れ、さび、割れ、はがれ等の変状を認めた。
<耐候性1>促進試験:冷熱サイクル試験
上記方法で作製した試験用サンプル1について、JIS K5400 9.8.1に準じてサンシャインカーボンアーク灯式試験機を用いた冷熱サイクル試験を、下記に示す手順を1サイクルとして、500サイクル実施し、試験板の状態を次の基準で目視判定した。
(手順)
1.−20℃の雰囲気下で2時間
2.1時間かけて温度を−20℃から50℃まで上げる
3.50℃の雰囲気下で2時間
4.1時間かけて温度を50℃から−20℃まで下げる
(判定基準)
○:塗膜、テープともに異変が見られない
△:塗膜、テープの一部にワレやクラックが見られるが、錆や膨れは見られない。
×:テープ端部が剥がれ、試験板上に錆、膨れ等の異常が見られる。
<耐候性2>曝露試験:耐汚染性試験
上記方法で作製した試験用サンプル1について、交通量の多い国道沿いで1ヶ月間曝露試験を実施し、表面状態を目視で評価した。
○:塗膜、テープともに異変がなく、美観性を保持している。
×:表面に汚れが付着、または錆、ふくれが発生し、美観性が悪い。
<リコート性>
上記<耐候性2>曝露試験:耐汚染性試験を実施した後の試験板の表面を洗浄、乾燥した後、大日本塗料(株)製塗料VフロンHBクリーンスマイル(弱溶剤2液厚膜型ふっ素樹脂塗料)を用いて全面塗装し、温度23℃、相対湿度50%に保たれた恒温室内で7日間乾燥させた。得られた試験板の表面に、テープ端面が中心となるようにクロスカットを形成し、クロスカット部表面に粘着テープを貼着し、急激に剥がした後の塗膜の状態を目視評価した。
(評価基準)
◎:全く剥離が認められない。
○:カット部の周辺部に2mm未満の剥離が認められる。
×:カット部の周辺部に2mm以上の剥離が認められる。または、部分的、全面的な剥離が認められる。
Figure 2021187017
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Claims (11)

  1. (A1)接着層と(A2)バリア層を有する(A)接着テープと、(B)表面保護塗料を用いた構造物表面の保護工法であって、
    構造物表面に(A)接着テープを貼付し、該(A)接着テープの端部を(B)表面保護塗料で覆うように塗装が行われることを特徴とする、構造物表面の保護工法。
  2. 前記(B)表面保護塗料が(B1)塗膜形成樹脂と(B2)顔料と(B3)溶媒を少なくとも含み、該(B)表面保護塗料の顔料体積濃度(PVC)が10〜40%の範囲内であることを特徴とする、請求項1に記載の構造物表面の保護工法。
  3. 前記(B)表面保護塗料が反応硬化型塗料であることを特徴とする、請求項1または2に記載の構造物表面の保護工法。
  4. 前記(B)表面保護塗料が2液反応硬化型塗料であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の構造物表面の保護工法。
  5. 前記(A1)接着層が鉄よりも電位が卑な金属および/または防錆顔料を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の構造物表面の保護工法。
  6. 前記構造物表面の保護工法が既設の構造物の補修のための方法であり、下記パターン1〜3のいずれかまたはこれらの組み合わせによって構造物表面の補修を行う、請求項1〜5のいずれか一項に記載の構造物表面の保護工法。
    (パターン1)
    構造物表面に凹み状の損傷部がある場合には(C)防食塗料および/または(D)弾性塗料で該凹み状の損傷部を保護した後に、該(C)防食塗料および/または(D)弾性塗料で保護された面を覆うように前記(A)接着テープを貼付し、該(A)接着テープの端部を(B)表面保護塗料で保護する。
    (パターン2)
    構造物表面に錆や塗膜劣化がある場合には該構造物表面にケレンをした後に、該構造物表面に(A)接着テープを貼付し、該(A)接着テープの端部を(B)表面保護塗料で保護する(ここで、ケレンをした構造物表面は、(A)接着テープを貼付する前に、(C)防食塗料で塗装されてもよい)。
    (パターン3)
    構造物表面に傷や錆がない場合は該構造物表面を清浄化した後に、該構造物表面に(A)接着テープを貼付し、該(A)接着テープの端部を(B)表面保護塗料で保護する。
  7. 前記(A)接着テープが貼付される面の表面粗さが80μm以下であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の構造物表面の保護工法。
  8. 前記(A)接着テープの前記(B)表面保護塗料で覆われた領域は、該(A)接着テープの端から10mm以上離れた位置までの領域であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の構造物表面の保護工法。
  9. 前記(B)表面保護塗料から形成される表面保護塗膜の破断伸び率が、0.5〜50%の範囲内であり、前記(A1)接着層の破断伸び率よりも低いことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の構造物表面の保護工法。
  10. 前記(B)表面保護塗料は、せん断速度0.1s−1における粘度が0.1〜10,000(Pa・s、23℃)であり、せん断速度1000s−1における粘度が0.05〜10(Pa・s、23℃)である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の構造物表面の保護工法。
  11. 前記(A1)接着層の厚さが20〜1,000μmの範囲内であり、前記(A2)バリア層の厚さが10〜100μmの範囲内であり、前記(B)表面保護塗料によって形成される表面保護塗膜の厚さが10〜100μmの範囲内であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の構造物表面の保護工法。
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