JP2024040865A - 防食用粘着テープ - Google Patents

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駿一 宮本
Shunichi Miyamoto
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Abstract

【課題】低温環境下において複雑な表面形状を有する被着体に対する密着性が優れ、塗装によるシワの発生を抑制できる防食用粘着テープを提供する。【解決手段】本発明は、基材と、前記基材の少なくとも片面に設けられる粘着剤層とを備える防食用粘着テープであって、5℃の温度の環境下において、前記基材は、2.5%伸長した時の引張荷重と、0.5%伸長した時の引張荷重との差が1.3N/mm以下であり、5℃の温度の環境下で測定した前記基材の引張破断点伸度が100%以上であり、前記基材をキシレンに5分間浸漬した後の前記基材の寸法変化率が3%以下である。【選択図】なし

Description

本発明は防食用粘着テープに関する。
鋼材などの鉄又は鉄を含む合金を防食するために、亜鉛を多量に含有した防食塗料が広く用いられている。亜鉛は、鉄よりも電位が卑な金属であり、犠牲防食作用があるため、高い防食性を有することが知られている。しかし、塗料による防食は、塗布後に乾燥工程などが必要であり、作業に時間がかかり、例えば、橋梁などの土木、建築用途で局所的な補修を行う際には、作業効率が低下する。また、塗料による防食は、作業ムラも生じやすい。
上記状況を鑑みて、テープに犠牲防食性を付与させ、作業性を向上させる取り組みがなされてきた。例えば、特許文献1では、粘着層に亜鉛粒子と導電性フィラーを含有させ、基材の亜鉛板と酸素・水との間に電子の回路を形成することで、犠牲防食性を発現させている。
特開2019-127606号公報
しかしながら、凸凹部等の複雑な表面形状を有する被着体に、特許文献1の防食部材を、冬等の寒い時期に貼り付けようとすると、防食部材は被着体に充分に密着できず、防食部材の防食性を十分に発揮できない場合があった。また、特許文献1の防食部材を被着体に貼り付けた後、被着体を塗装すると、防食部材にシワが発生し、塗装した被着体の外観が悪くなる場合があった。
そこで、本発明は、低温環境下において複雑な表面形状を有する被着体に対する密着性が優れ、塗装によるシワの発生を抑制できる防食用粘着テープを提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、低温環境下で測定した所定の引張荷重との差が所定値以下であり、低温環境下で測定した引張破断点伸度が所定値以上であり、前記基材をキシレンに5分間浸漬した後の前記基材の寸法変化率が所定値以下である基材を用いることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下の[1]~[16]を提供するものである。
[1]基材と、前記基材の少なくとも片面に設けられる粘着剤層とを備える防食用粘着テープであって、5℃の温度の環境下において、前記基材は、2.5%伸長した時の引張荷重と、0.5%伸長した時の引張荷重との差が1.3N/mm以下であり、5℃の温度の環境下で測定した前記基材の引張破断点伸度が100%以上であり、前記基材をキシレンに5分間浸漬した後の前記基材の寸法変化率が3%以下である防食用粘着テープ。
[2]JIS K5600-7-9におけるサイクルDに準拠したサイクル腐食試験において錆が発生せず、かつ、前記サイクル腐食試験後の粘着力が20N/25mm以上である上記[1]に記載の防食用粘着テープ。
[3]JIS K5600-7-7におけるサイクルAに準拠した促進耐候性試験を500時間実施した後における、前記基材の光沢保持率が80%以上である上記[1]又は[2]に記載の防食用粘着テープ。
[4]前記基材の厚みが20~1000μmである上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の防食用粘着テープ。
[5]前記基材が表面に塗料膜を有する樹脂フィルムである上記[1]~[4]のいずれか1つに記載の防食用粘着テープ。
[6]前記樹脂フィルムが、ポリアミド系樹脂層及びポリオレフィン系樹脂層からなる多層樹脂フィルム、軟質アクリル系樹脂フィルム及びフッ素樹脂フィルムからなる群から選択される少なくとも1種のフィルムである上記[5]に記載の防食用粘着テープ。
[7]常温の環境下において、前記基材は、2.5%伸長した時の引張荷重と、0.5%伸長した時の引張荷重との差が1.3N/mm以下であり、常温の環境下で測定した前記基材の引張破断点伸度が100%以上である上記[1]~[6]のいずれか1つに記載の防食用粘着テープ。
[8]前記粘着剤層が、鉄よりも電位が卑な金属を含有する上記[1]~[7]のいずれか1つに記載の防食用粘着テープ。
[9]鉄よりも電位が卑な金属が亜鉛である上記[8]に記載の防食用粘着テープ。
[10]前記粘着剤層が前記鉄よりも電位が卑な金属以外の導電性材料を含有する上記[8]又は[9]に記載の防食用粘着テープ。
[11]前記導電性材料がカーボンナノチューブである上記[10]に記載の防食用粘着テープ。
[12]前記粘着剤層がアクリル系粘着剤により形成される上記[1]~[11]のいずれか1つに記載の防食用粘着テープ。
[13]前記基材と前記粘着剤層との間に金属層を備え、前記金属層が鉄よりも電位が卑な金属の層である上記[1]~[12]のいずれか1つに記載の防食用粘着テープ。
[14]前記金属層が亜鉛の層である上記[13]に記載の防食用粘着テープ。
[15]前記粘着剤層の厚みが50~3000μmである上記[1]~[14]のいずれか1つに記載の防食用粘着テープ。
[16]前記粘着剤層の23℃での貯蔵弾性率が5万~100万Paである上記[1]~[15]のいずれか1つに記載の防食用粘着テープ。
本発明によれば、低温環境下において複雑な表面形状を有する被着体に対する密着性が優れ、塗装によるシワの発生を抑制できる防食用粘着テープを提供することができる。
本発明の一実施形態の防食用粘着テープの変形例の使用例を示す模式図である。 本発明の防食用粘着テープの他の実施形態を示す模式的な断面図である。 本発明の防食用粘着テープの凸部追従性の評価方法を示す模式図である。 上塗塗装の評価を説明するための図である。
[防食用粘着テープ]
本発明は、基材と、前記基材の少なくとも片面に設けられる粘着剤層とを備える防食用粘着テープである。そして、5℃の温度の環境下において、基材は、2.5%伸長した時の引張荷重と、0.5%伸長した時の引張荷重との差が1.3N/mm以下である。さらに、5℃の温度の環境下で測定した基材の引張破断点伸度が100%以上であり、基材をキシレンに5分間浸漬した後の基材の寸法変化率が3%以下である。
<基材>
(引張荷重の差)
本発明の防食用粘着テープの基材は、5℃の温度の環境下において、2.5%伸長した時の引張荷重と、0.5%伸長した時の引張荷重との差(以下、単に「引張荷重の差」と表記する場合がある。)が、1.3N/mm以下である。5℃の温度の環境下における引張荷重の差は、5℃の温度の環境下において、実質的に弾性域における2%伸びあたりの引張荷重を意味する。
5℃の温度の環境下における引張荷重の差が1.3N/mmを超える場合、低温環境下において複雑な表面形状を有する被着体に防食用粘着テープを密着させたときに浮きが発生したり、裂けが発生したりする場合がある。このような観点から、5℃の温度の環境下における引張荷重の差は、好ましくは1.2N/mm以下であり、より好ましくは1.1N/mm以下であり、さらに好ましくは1.0N/mm以下である。
5℃の温度の環境下における引張荷重の差の範囲の下限値は、特に限定されないが、低温の環境下において一定の機械強度を付与する観点から、好ましくは0.05N/mm以上、より好ましくは0.1N/mm以上、さらに好ましくは0.3N/mm以上である。
なお、引張荷重の差は、基材のMD方向、TD方向においてそれぞれ測定するものとし、このうち大きい方を採用するものとする。また、MD方向及びTD方向が不明の場合には、引張荷重の差が最も大きい値を採用するとよい。引張荷重の差は、実施例に記載する測定方法により得ることができる。
また、基材の引張荷重の差は、基材に使用される材料、基材の厚みなどを適宜選択することで上記範囲内に調整することができる。
本発明の防食用粘着テープの基材は、常温(23℃)の環境下における引張荷重の差が、1.3N/mm以下であることが好ましい。常温の環境下における引張荷重の差は、常温の環境下において、実質的に弾性域における2%伸びあたりの引張荷重を意味する。
常温の環境下における引張荷重の差が1.3N/mm以下である場合、常温の環境下において複雑な表面形状を有する被着体に防食用粘着テープを密着させたときに浮きが発生したり、裂けが発生したりすることを抑制できる。このような観点から、常温の環境下における引張荷重の差は、より好ましくは1.2N/mm以下であり、さらに好ましくは1.1N/mm以下であり、よりさらに好ましくは1.0N/mm以下である。
常温の環境下における引張荷重の差の範囲の下限値は、特に限定されないが、常温の環境下において一定の機械強度を付与する観点から、好ましくは0.05N/mm以上、より好ましくは0.1N/mm以上、さらに好ましくは0.2N/mm以上である。
(引張破断点伸度)
本発明の防食用粘着テープに使用する基材は、5℃の温度の環境下における引張破断点伸度が100%以上である。5℃の温度の環境下における基材の引張破断点伸度が100%未満である場合、低温環境下において複雑な表面形状を有する被着体に防食用粘着テープを被着させようとしたとき、防食用粘着テープに浮きが発生したり、裂けが発生したりして、被着体に対する防食用粘着テープの密着が不十分となるおそれがある。また、5℃の温度の環境下における基材の引張破断点伸度が100%未満である場合、防食用粘着テープを貼り付けた被着体に上塗り塗料を塗装したとき、防食用粘着テープにシワが発生する場合がある。このような観点から、基材の引張破断点伸度は、125%以上が好ましく、150%以上がより好ましく、300%以上がさらに好ましい。
他方、5℃の温度の環境下における基材の引張破断点伸度の上限値については、特に限定されないが、低温の環境下における機械強度などの観点から、好ましくは700%以下、より好ましくは600%以下であり、さらに好ましくは500%以下である。
なお、引張破断点伸度は、基材のMD方向、TD方向においてそれぞれ測定するものとし、このうち小さい方を採用するものとする。また、MD方向及びTD方向が不明の場合には、最も引張破断点伸度小さい値を採用するとよい。引張破断点伸度は、実施例に記載する測定方法により得ることができる。
また、引張破断点伸度は、基材に使用される材料、基材の厚みなどを適宜選択することで上記範囲内に調整することができる。
本発明の防食用粘着テープに使用する基材は、常温(23℃)の環境下における引張破断点伸度が100%以上であることが好ましい。常温の環境下における基材の引張破断点伸度が100%以上である場合、常温の環境下において複雑な表面形状を有する被着体に防食用粘着テープを被着させようとしたとき、防食用粘着テープに浮きが発生したり、裂けが発生したりすることを抑制できる。このような観点から、基材の引張破断点伸度は、125%以上がより好ましく、150%以上がさらに好ましく、300%以上がよりさらに好ましい。
他方、常温の環境下における基材の引張破断点伸度の上限値については、特に限定されないが、常温の環境下における機械強度などの観点から、好ましくは800%以下、より好ましくは700%以下である。
(キシレン浸漬後の寸法変化率)
本発明の防食用粘着テープに使用する基材をキシレンに5分間浸漬した後の基材の寸法変化率は3%以下である。基材の寸法変化率が3%よりも大きいと、防食用粘着テープを貼り付けた被着体に上塗り塗料を塗装したとき、防食用粘着テープにシワが発生し、上塗り塗料を塗装した被着体の外観が悪くなる場合がある。このような観点から、本発明の防食用粘着テープに使用する基材をキシレンに5分間浸漬した後の基材の寸法変化率は、好ましくは2%以下であり、より好ましくは1.5%以下であり、さらに好ましくは1%以下である。本発明の防食用粘着テープに使用する基材をキシレンに5分間浸漬した後の基材の寸法変化率の範囲の下限値は、特に限定されないが、好ましくは0%である。
なお、キシレン浸漬後の基材の寸法変化率は、例えば、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
また、キシレン浸漬後の基材の寸法変化率は、基材に使用される材料などを適宜選択することで上記範囲内に調整することができる。
(基材に使用される材料)
本発明で使用する基材としては、例えば、樹脂フィルム、不織布などのシート状材料が挙げられる。
樹脂フィルムには、例えば、ポリプロピレン系樹脂フィルム、ポリエチレン系樹脂フィルム、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)系樹脂フィルムなどのポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、ポリアミド系樹脂フィルム(ナイロン)、アクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリスチレン系樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、エチレンビニルアセテート系樹脂フィルム、アクリロニトリル系樹脂フィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリカーボネート系フィルム、AES樹脂系フィルム、ASA樹脂系フィルムなどが挙げられる。
不織布は、例えば、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリアクリル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系等の合成樹脂繊維からなる不織布である。
これらのシート状材料は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、樹脂フィルムとしては、単層フィルムであってもよいし、上記フィルムを2種以上積層して構成される多層フィルムであってもよい。
上述の5℃の温度における引張荷重の差の観点、上述の5℃の温度における引張破断点伸度の観点、並びに上述のキシレン浸漬後の重量変化率及び収縮率の観点から、基材は、樹脂フィルムであることが好ましく、多層樹脂フィルムであることがより好ましい。
基材が多層樹脂フィルムである場合、ポリアミド系樹脂層及びポリオレフィン系樹脂層からなる多層樹脂フィルム及びポリエチレンテレフタレート層及びポリオレフィン系樹脂層からなる多層樹脂フィルムが好ましく、ポリアミド系樹脂層及びポリオレフィン系樹脂層からなる多層樹脂フィルムであることがより好ましく、ポリエチレン層/ポリアミド系樹脂層/ポリエチレン層の構造を有する多層樹脂フィルムであることがさらに好ましく、直鎖状低密度ポリエチレン層/ポリアミド系樹脂層/低密度ポリエチレン層の構造を有する多層樹脂フィルム及び直鎖状低密度ポリエチレン層/ポリアミド系樹脂層/直鎖状低密度ポリエチレン層の構造を有する多層樹脂フィルムがよりさらに好ましい。なお、基材と粘着剤層との間の密着性の観点から、基材が直鎖状低密度ポリエチレン層/ポリアミド系樹脂層/低密度ポリエチレン層の構造を有する多層樹脂フィルムである場合、基材の低密度ポリエチレン層と粘着剤層とが接触することが好ましい。これらの多層樹脂フィルムを用いることにより、防食用粘着テープの低温環境下での柔軟性はさらに改善し、耐溶剤性をさらに高くすることができる。また、基材が単層樹脂フィルムである場合、軟質アクリル系樹脂フィルム及びフッ素樹脂フィルムが好ましい。
後述の促進耐候性試験後の光沢保持率を向上させる観点から、基材は、表面に塗料膜を有する樹脂フィルムであってもよい。該塗料膜は、樹脂膜であることが好ましく、ウレタン系樹脂膜、エポキシ系樹脂膜及びフッ素樹脂膜であることがより好ましく、フッ素樹脂膜であることがさらに好ましく、二フッ化系フッ素樹脂膜及び三フッ化系フッ素樹脂膜であることがよりさらに好ましい。塗料膜は、基材の一方の面に設けられてもよいし、両方の面に設けられてもよいが、少なくとも基材の粘着剤層が設けられる面とは反対側の面に設けられることが好ましい。これらの塗料膜を用いることにより、防食用粘着テープの耐候性はさらに改善し、後述の光沢保持率をさらに高くすることができる。
また、耐候性向上の観点から、基材を構成する樹脂に、紫外線吸収剤、光安定剤(HALS)などを配合してもよい。
(促進耐候性試験後における基材の光沢保持率)
本発明の防食用粘着テープは、JIS K5600-7-7におけるサイクルAに準拠した促進耐候性試験を500時間実施した後における基材の光沢保持率が80%以上であることが好ましい。該光沢保持率が80%以上であることにより、防食用粘着テープが長期間にわたって光照射を受けた場合でも、基材の劣化の進行を食い止め、防食用粘着テープの外観の悪化を防止することができる。また、日光などの光(特に紫外線)を十分に遮断することができ、粘着剤層の劣化、防食用粘着テープの粘着力の低下のいずれも防止することができる。
こうした観点を踏まえると、本発明の防食用粘着テープを構成する基材の光沢保持率は、85%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。光沢保持率は、高ければ高いほどよく、その上限は100%である。
光沢保持率を上記下限値以上とする方法は、特に限定されないが、基材に耐候性を有するものを使用すればよい。基材を構成する樹脂に耐候性を有する樹脂を使用して基材そのものが耐候性を有するようにするとよい。また、基材を構成する樹脂に紫外線吸収剤、光安定剤(HALS)などを配合することで耐候性を高めてもよい。また、例えば、耐候性のある上記塗料膜を設けてもよい。
なお、光沢保持率は、以下の方法で測定できる。
防食用粘着テープ(幅25mm、長さ100mm)を貼り付けて、該テープの表面に対し、基材側から光沢計(例えば、株式会社堀場製作所製、製品名:「IG-340」)により基材の鏡面光沢度を測定した。鏡面光沢度の測定は、JIS K 5600-4-7に準拠して幾何条件60°の光沢計を用いて測定する。このときの測定で得られた鏡面光沢度を鏡面光沢度Aとする。その後、該テープについて、JIS K 5600-7-7におけるサイクルAに準拠した促進耐候性試験を500時間実施する。促進耐候性試験を実施した後、該試験実施前に行ったのと同様の方法により、該テープの基材の鏡面光沢度を測定する。試験後における測定で得られた鏡面光沢度を鏡面光沢度Bとする。以上のようにして得られた2種類の鏡面光沢度により、該テープの光沢保持率を算出する。光沢保持率を求める式は以下の通りである。
光沢保持率(%)=(鏡面光沢度B/鏡面光沢度A)×100
(基材の厚み)
基材の厚みは、特に限定されないが、好ましくは20~1000μm、より好ましくは40~500μm、さらに好ましくは60~400μm、さらに好ましくは70~300μmである。基材の厚みはこれら下限値以上であることで、5℃の温度の環境下における引張荷重の差を1.3N/mm以下とすることがさらに容易になる。また、基材の厚みはこれら上限値以下であることで、5℃の温度の環境下で測定した基材の引張破断点伸度を100%以上とすることがさらに容易になる。
<粘着剤層>
本発明の防食用粘着テープは、基材の少なくとも一方の面に粘着剤層を備える。以下、粘着剤層について説明する。
(鉄よりも電位が卑な金属)
粘着剤層は、鉄よりも電位が卑な金属を含有することが好ましい。鉄よりも電位が卑な金属(以下、「犠牲防食用金属」ともいう)を含有することにより、犠牲防食性を有し、防食用粘着テープの防食性が高まる。該犠牲防食用金属は、粘着剤層を構成する粘着剤中に分散している。
犠牲防食用金属としては、カドミウム、クロム、亜鉛、マンガン、アルミニウムなどが挙げられ、これらの中では亜鉛、アルミニウムが好ましく、特に亜鉛が好ましい。亜鉛を使用することで犠牲防食性が優れたものとなる。
犠牲防食用金属は、粒子形状、鱗片形状、紡錘形状等、フィラーとしていかなる形態で粘着剤に分散されていてもよいが、好ましくは粒子形状であることが好ましい。犠牲防食用金属は、粒子形状とすることで、粘着剤層の粘着性を殆ど低下させることなく、粘着剤層中に分散されやすくなる。
本明細書において、粒子形状とは、短軸方向の長さに対する長軸方向の長さの比(アスペクト比)が小さいものであり、例えば、アスペクト比が3以下、好ましくは2以下である。粒子形状は、特に限定されないが、球形であってもよいし、粉体等の不定形のものであってもよい。粒子形状の上記金属は、その粒径が例えば1~500μm、好ましくは1~200μmである。なお、本明細書において粒径とは、レーザー回折法により測定した平均粒径を意味する。
犠牲防食用金属の粘着剤層中の含有量は、粘着剤層全量基準で、例えば0.5~20質量%であり、好ましくは1~18質量%であり、より好ましくは2~16質量%である。
犠牲防食用金属の含有量がこれら下限値以上であると、犠牲防食性が高まることにより防食性能が向上し、これら上限値以下であると粘着力が高くなる。
粘着剤層は、犠牲防食用金属を含有しなくてもよい。犠牲防食金属を含有しない場合は、含有する場合と比較して、防食用粘着テープの粘着力を高く維持することで、被着体から剥がれ難くなり、これにより水や酸素を遮断して、防食性が向上しやすくなる。
(導電性材料)
粘着剤層は、犠牲防食用金属に加えて、上記犠牲防食用金属以外の導電性材料をさらに含有することが好ましい。導電性材料を含有させると、犠牲防食用金属がイオン化した際に放出する電子を被着体に移動させやすくなり、犠牲防食性が向上しやすくなる。
導電性材料としては、カーボン系材料、金属系材料、金属酸化物系材料、イオン性ポリマー及び導電性高分子から選択される1種または2種以上が挙げられる。
カーボン系材料としては、カーボンブラック、黒鉛、グラフェン、カーボンナノチューブ、アセチレンブラックなどが挙げられる。金属系材料としては、金、銀、銅、ニッケル、又はこれらを含む合金など、鉄よりも電位が貴な金属、又は鉄などが挙げられる。金属酸化物材料としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、三酸化アンチモン(ATO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化亜鉛などが挙げられる。導電性高分子としては、ポリアセチレン、ポリピロール、PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)、PEDOT/PSS(ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の複合物)、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリ(p-フェニレン)、ポリフルオレン、ポリカルバゾール、ポリシランまたはこれらの誘導体等が挙げられる。イオン性ポリマーとしては、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウムなどが挙げられる。
導電性材料は、これらを1種単独で使用してもよいが、2種以上を併用してもよい。
上記の中でも導電性材料としては、カーボン系材料が好ましく、カーボンナノチューブがより好ましい。
(カーボンナノチューブ)
粘着剤層は、カーボンナノチューブを含有することが好ましい。カーボンナノチューブを含有することで、粘着剤層の犠牲防食性が向上し、かつ粘着力を高く維持できるため、高い粘着力と犠牲防食性とを両立した防食用粘着テープが得やすくなる。これは、カーボンナノチューブは導電性材料であるが、他の種類の導電性材料と比較し、一定の犠牲防食性を発現させるために要する量が少ないため、粘着力の低下の度合いが小さいためと推察される。
カーボンナノチューブは、炭素から形成されるチューブ状の材料である。カーボンナノチューブは電気的特性に優れており、樹脂などと複合化すると、導電性の高いシートなどを形成できる。カーボンナノチューブは、六角網目状の炭素原子配列のグラファイトシートが円筒状に巻かれた構造を有する物質であり、一層に巻いたものをシングルウオールカーボンナノチューブ、多層に巻いたものをマルチウオールカーボンナノチューブという。
本発明の一実施形態の防食用粘着テープでは、カーボンナノチューブの種類は特に限定されず、シングルウオールカーボンナノチューブ、マルチウオールカーボンナノチューブ、及びこれらを任意の割合で含む混合物のいずれでもよい。また、アーク放電法、レーザー蒸発法、化学気相成長法(CVD法)等の各種方法により製造されたカーボンナノチューブを用いることができる。
カーボンナノチューブの平均直径は好ましくは1~100nmであり、より好ましくは2~15nmである。カーボンナノチューブの平均長さは好ましくは0.1~1000μmであり、より好ましくは10~500μmである。カーボンナノチューブのアスペクト比(平均長さ/平均直径)は、好ましくは10~100000であり、より好ましくは500~30000である。
なお、カーボンナノチューブの直径とは、シングルウオールカーボンナノチューブの場合には外径を示し、マルチウオールカーボンナノチューブの場合には最も外側に位置するチューブの外径を意味する。カーボンナノチューブの直径、及び長さは、例えばTEM(透過型電子顕微鏡)による観察によって得られた画像において測定すればよく、平均直径、及び平均長さとは、任意の50個の算術平均により求めるとよい。
粘着剤層の犠牲防食性及び粘着力の観点から、粘着剤層における導電性材料の含有量は、粘着剤層全量基準で、好ましくは0.005~10質量%、より好ましくは0.005~5質量%、さらに好ましくは0.006~3質量%である。
導電性材料がカーボンナノチューブである場合、カーボンナノチューブの粘着剤層中の含有量は、粘着剤層全量基準で、好ましくは0.0005~0.7質量%、より好ましくは0.005~0.05質量%、さらに好ましくは0.006~0.045質量%である。
カーボンナノチューブの含有量がこれら下限値以上であると、犠牲防食性が高まりやすく、カーボンナノチューブの含有量がこれら上限値以下であると、粘着力が向上しやすくなる。
(粘着剤)
粘着剤層は、粘着剤により形成されることが好ましい。粘着剤の種類は特に限定されないが、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、及びシリコーン系粘着剤などが挙げられる。これらは単独で使用してよいし、組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、粘着剤層は、アクリル系粘着剤により形成されることが好ましい。
(アクリル系粘着剤)
アクリル系粘着剤は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)を含む重合性モノマーを重合したアクリル系重合体を含有する粘着剤である。
なお、本明細書において、用語「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」とは、アクリル酸アルキルエステル、及びメタクリル酸アルキルエステルの両方を含む概念を指すものであり、他の類似の用語も同様である。また、用語「重合性モノマー」は、繰り返し単位を有しない化合物のみならず、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)と共重合する化合物であれば、後述するオレフィン重合体(C)などのモノマー自身が繰り返し単位を有するものも含みうる概念を指す。
((メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A))
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)は、(メタ)アクリル酸と脂肪族アルコールとのエステルであって、脂肪族アルコールのアルキル基の炭素数が、好ましくは2~14、より好ましくは4~10である脂肪族アルコールに由来するアルキルエステルが好ましい。アルキル基の炭素数がこの範囲内であると、粘着力を高めやすく、また後述する粘着剤の23℃での貯蔵弾性率を所定の範囲に調整しやすくなる。
具体的な(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)としては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、及びテトラデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、n-ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレートが好ましく、n-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート又はこれらの組み合わせがより好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位は、粘着剤層において主成分を構成するものであって、その含有量は、粘着剤層全量基準で一般的に30質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。このように、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)の含有量を多くすると、粘着剤層に所望の粘着力を付与することが可能になる。また、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位の上記含有量は、他の成分を一定量以上含有させるために、例えば97質量%以下、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。
なお、粘着剤層における(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位の含有量は、後述する粘着剤組成物における(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)の含有量と実質的に同じであるので、置き換えて表すことができる。以下で説明する(B)、(C)成分など、(A)成分以外の成分も同様である。
(極性基含有ビニルモノマー(B))
重合性モノマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)に加えて、極性基含有ビニルモノマー(B)を含有することが好ましい。極性基含有ビニルモノマー(B)は、極性基とビニル基を有するものである。極性基含有モノマー(B)を用いることで、被着体に対する粘着力を向上させやすくなる。
極性基含有ビニルモノマー(B)としては、例えば、酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル、(メタ)アクリル酸、及びイタコン酸等のビニル基を含有するカルボン酸、及びその無水物、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、及びポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等の水酸基を有するビニルモノマー、(メタ)アクリロニトリル、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルラウリロラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、及びジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート等の窒素含有ビニルモノマーが挙げられる。
これらの中でも、(メタ)アクリル酸、及びイタコン酸等のビニル基を含有するカルボン酸、及びその無水物が好ましく、(メタ)アクリル酸がより好ましく、アクリル酸が更に好ましい。これらの極性基含有ビニルモノマー(B)は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
極性基含有ビニルモノマー(B)を使用する場合、粘着剤層において極性基含有ビニルモノマー(B)由来の構成単位の含有量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位100質量部に対して、好ましくは1~15質量部、より好ましくは2~12質量部、さらに好ましくは3~10質量部である。極性基含有ビニルモノマー(B)の含有量をこのような範囲内とすることで、防食用粘着テープの粘着力を向上させやすくなる。
(オレフィン重合体(C))
重合性モノマーは、さらに片末端に重合性結合を有するオレフィン重合体(C)を含むことが好ましい。このようなオレフィン重合体(C)を使用することで、防食用粘着テープの粘着力を向上させやすくなる。
なお、重合性結合は、重合性モノマーと重合することが可能な不飽和の炭素-炭素結合を意味し、例えば不飽和二重結合が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリロイル基などが挙げられる。
オレフィン重合体(C)としては、片末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリオレフィンが挙げられる。なお、ポリオレフィンとは、エチレン、プロピレン、ブタン、ブタジエン、イソプレンなどの二重結合を有する脂肪族炭化水素化合物の重合体、又はその水素添加物である。
片末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリオレフィンとしては、例えば、片末端にエポキシ基を有するポリエチレンと(メタ)アクリル酸とを反応させることにより調製された、片末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリエチレン等が挙げられる。また、片末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリブタジエン又はその水素添加物が挙げられ、その市販品として株式会社クラレ製の「L-1253」等が挙げられる。
オレフィン重合体(C)は、その数平均分子量が好ましくは500~20000、より好ましくは1000~10000である。なお、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出すればよい。
また、粘着剤層においてオレフィン重合体(C)由来の構成単位の含有量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位100質量部に対して、1~20質量部が好ましく、2~15質量部がより好ましく、4~12質量部がさらに好ましい。
(架橋剤(D))
重合性モノマーはさらに、架橋剤を含むことが好ましい。架橋剤としては、ビニル基を2つ以上有する多官能モノマーが挙げられ、好ましくは(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。多官能モノマーを使用すると、粘着剤層の粘着力を適切な範囲に調整しやすくなる。
多官能(メタ)アクリレートとしては、特に限定されず、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトシキ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、エトシキ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロキシ化グリセリルトリアクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジアクリレートなどの他に、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、液状水素化1,2-ポリブタジエンジ(メタ)アクリレートなどの重合体が挙げられる。これら多官能(メタ)アクリレートの中でも、重合体が好ましく、液状水素化1,2-ポリブタジエンジアクリレートがより好ましい。液状水素化1,2-ポリブタジエンジアクリレートの市販品としては、日本曹達株式会社製の「TEAI-1000」等が挙げられる。
また、粘着剤層において架橋剤由来の構成単位の含有量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位100質量部に対して、0.1~4質量部が好ましく、0.3~3質量部がより好ましく、0.5~2質量部がさらに好ましい。架橋剤の含有量が上記範囲内であると、粘着剤層の貯蔵弾性率や粘着力を適切な範囲に調整しやすくなる。
(粘着付与樹脂)
アクリル系粘着剤は、粘着力を向上させる観点から、粘着付与樹脂を含有してもよい。粘着付与樹脂としては、水添テルペン樹脂、水添ロジン、不均化ロジン樹脂、石油樹脂等の重合阻害性の低い粘着付与樹脂が好ましい。これらの中でも、粘着付与樹脂が二重結合を多く有していると重合反応を阻害することから、水添系のものが好ましく、中でも水添石油樹脂が好ましい。
粘着付与樹脂の軟化点は、粘着剤の凝集力及び粘着力を向上させる観点から、95℃以上程度であればよいが、120℃以上のものを含むことが好ましく、例えば、95℃以上120℃未満のものと、120℃以上150℃以下のものとを併用してもよい。なお、軟化点は、JIS K2207に規定される環球法により測定すればよい。
アクリル系粘着剤における粘着付与樹脂の含有量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位100質量部に対して、好ましくは5~40質量部、より好ましくは7~35質量部、さらに好ましくは10~25質量部である。
(微粒子)
アクリル系粘着剤は、微粒子を含有してもよい。微粒子を含有させることで、粘着力を向上させることができる。
微粒子としては、ガラスバルーン、シラスバルーン、及びフライアッシュバルーン等の無機質中空粒子、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリル-塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、及びフェノール樹脂等からなる有機質中空粒子、ガラスビーズ、シリカビーズ、及び合成雲母等の無機質微粒子、ポリアクリル酸エチル、ポリウレタン、ポリエチレン、及びポリプロピレン等の有機質微粒子が挙げられる。
アクリル系粘着剤における微粒子の含有量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位100質量部に対して、好ましくは0.1~15質量部、より好ましくは0.5~10質量部、さらに好ましくは0.7~5質量部である。
(その他の成分)
粘着剤層に用いるアクリル系粘着剤は、前述した成分以外にも、可塑剤、軟化剤、顔料、染料、分散剤、光重合開始剤、難燃剤等の粘着剤に従来使用されている各種の添加剤を含有してもよい。
(アクリル系粘着剤及び粘着剤層の製造方法)
アクリル系粘着剤は、上記した重合性モノマー、及び必要に応じて用いられる犠牲防食用金属、導電性材料を含む粘着剤組成物に光を照射して、重合性モノマーを重合させることで得ることが可能である。また、粘着剤組成物は、必要に応じて上記した粘着付与樹脂、微粒子、及びその他の成分の少なくとも1種を含んでいてもよい。
より具体的に説明すると、まず、重合性モノマー、必要応じて配合される犠牲防食用金属及び導電性材料、さらに必要に応じて配合される粘着付与樹脂、微粒子、及びその他の成分を、ガラス容器等の反応容器に投入して混合して、粘着剤組成物を得る。
次いで、粘着剤組成物中の溶存酸素を除去するために、一般に窒素ガス等の不活性ガスを供給して酸素をパージする。そして、粘着剤組成物を剥離シート上に塗布するか、又は、樹脂フィルム、織布、不織布等の支持体などに塗布した後、光を照射し重合性モノマーを重合することにより粘着剤層を得ることができる。
前記粘着剤組成物の塗布もしくは含浸から光を照射する工程までは、不活性ガス雰囲気下、又はフィルム等により酸素が遮断された状態で行うことが好ましい。
なお、本製造方法では、各成分を混合して得た粘着剤組成物は、粘度を高くするために、剥離シート又は支持体などに塗布する前に予備重合をしてもよい。
(ゴム系粘着剤)
次に、粘着剤層に使用するゴム系粘着剤について説明する。ゴム系粘着剤は、ゴム成分と、粘着付与樹脂を含有するものであり、ゴム成分としては、スチレン-イソプレンブロック共重合体を使用することが好ましい。スチレン-イソプレンブロック共重合体は、ジブロック率が好ましくは25~70質量%、より好ましくは30~65質量%、さらに好ましくは45~60重量%である。ここでジブロックとは、スチレンとイソプレンとからなるジブロックのことをいう。ジブロック率を上記の範囲とすることにより、粘着力を高めやすくなる。なお、スチレン-イソプレンブロック共重合体は、ジブロック以外にも、スチレン、イソプレン、スチレンブロックからなるトリブロックなどブロックを3つ以上有するものも含有する。
スチレン-イソプレンブロック共重合体におけるスチレン量は、特に限定されないが、14~24質量%であることが好ましく、より好ましくは15~18質量%である。スチレン量が14質量%以上であると、凝集性の高い粘着剤となりやすくなる。また、24質量%以下とすると、凝集力が適度な大きさとなり粘着力を発現しやすくなる。
スチレン-イソプレンブロック共重合体の分子量は、特に限定されないが、質量平均分子量で100,000~400,000が好ましく、150,000~250,000がより好ましい。なお、ここでいう質量平均分子量とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法によりポリスチレン換算分子量として測定されるものをいう。
ゴム系粘着剤に使用される粘着付与樹脂は、各種の粘着付与樹脂が使用可能であるが、好ましくは石油系樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂を使用する。粘着付与樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよいが、石油系樹脂と、テルペン樹脂及びクマロン樹脂から選択される少なくとも1種とを併用することが好ましい。このような粘着付与樹脂の組み合わせにより粘着力を良好にしやすくなる。
石油系樹脂としては、脂肪族系石油樹脂(C5系石油樹脂)、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂等が挙げられ、スチレン-イソプレンブロック共重合体との相溶性の観点から脂肪族系石油樹脂が好ましい。また、石油系樹脂は、軟化点が90~120℃程度のものを使用することが好ましい。
また、テルペン樹脂としては、軟化点が80~120℃程度のものが使用可能であるが、粘着力確保の観点から100℃未満のものが好ましい。また、クマロン樹脂としては、凝集力確保のために、軟化点が好ましくは110~130℃、より好ましくは115~125℃のものを使用する。
粘着付与樹脂はゴム成分100質量部に対して60~250質量部が好ましく、100~200質量部がより好ましく、110~180質量部がさらに好ましい。粘着付与樹脂の配合量を上記範囲内とすることで、凝集力を良好にして適度な粘着力を付与できるようになる。
また、石油系樹脂と、テルペン樹脂及びクマロン樹脂から選択される少なくとも1種とを併用する場合、石油系樹脂は、ゴム成分100質量部に対して、50~200質量部が好ましく、60~150質量部が好ましく、60~110質量部がより好ましい。一方で、テルペン樹脂は、ゴム成分100質量部に対して、10~70質量部が好ましく、20~60質量部がより好ましく、30~50質量部がさらに好ましい。さらに、クマロン樹脂は、ゴム成分100質量部に対して、10~60質量部が好ましく、15~50質量部がより好ましく、20~40質量部がさらに好ましい。
ゴム系粘着剤は、アクリル系粘着剤と同様に上記した微粒子を含有してもよく、また、ゴム系粘着剤は、必要に応じて、犠牲防食用金属、導電性材料、軟化剤、酸化防止剤、充填剤等を含有してもよい。
(ウレタン系粘着剤)
上記したウレタン系粘着剤は特に限定されず、例えば、少なくともポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるウレタン樹脂等が挙げられる。上記ポリオールとして、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等が挙げられる。上記ポリイソシアネート化合物として、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。これらのウレタン粘着剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、ウレタン系粘着剤としては、ポリウレタンポリオールと多官能イソシアネート系硬化剤とを反応させて得られるウレタン樹脂を使用してもよい。ポリウレタンポリオールは、上記したポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応したもの、又はポリオールとポリイソシアネート化合物とジアミンなどの鎖延長剤とを反応させたものが挙げられる。多官能イソシアネート系硬化剤としては、2以上のイソシアネート基を有する化合物であればよく、上記したイソシアネート化合物を使用可能である。
ウレタン系粘着剤は、ウレタン樹脂に加えて、上記した微粒子を含有してもよく、また、ウレタン系粘着剤は、必要に応じて、粘着付与樹脂、犠牲防食用金属、導電性材料、軟化剤、酸化防止剤、充填剤等を含有してもよい。
(シリコーン系粘着剤)
また、シリコーン系粘着剤としては、例えば、付加反応型、過酸化物硬化型又は縮合反応型のシリコーン系粘着剤等が挙げられる。中でも、低温短時間で硬化可能という観点から、付加反応型シリコーン系粘着剤が好ましく用いられる。なお、付加反応型シリコーン系粘着剤は粘着剤層の形成時に硬化するものである。シリコーン系粘着剤として、付加反応型シリコーン系粘着剤を用いる場合、上記シリコーン系粘着剤は白金触媒等の触媒を含んでいてもよい。
また、シリコーン系粘着剤は、微粒子を含有してもよく、また、架橋剤、粘着力を制御するための各種添加剤を加えたりしてもよい。
(貯蔵弾性率)
粘着剤層は、好ましくは、23℃での貯蔵弾性率が5万~100万Paである。23℃での貯蔵弾性率が上記範囲であると、粘着剤層が外部衝撃などにより損傷した場合に、損傷部位を元に戻す力(以下、自己修復力ともいう)が強くなる。その結果、錆の発生が抑制され、防食性能が向上する。
粘着剤層の23℃での貯蔵弾性率は、自己修復力を高め、防食性能を向上させる観点から、より好ましくは20万~80万Paであり、さらに好ましくは30万~60万Paである。
貯蔵弾性率は、例えばDVA-200(アイティー計測制御株式会社製)を用いて、せん断モード:10Hz、歪み量:0.1%、温度範囲:-100℃~100℃、昇温速度:10℃/minの条件下で、動的粘弾性スペクトルを測定して算出することができる。
(厚み)
粘着剤層の厚みは、50~3000μmが好ましく、100~2000μmがより好ましく、120~1500μmがさらに好ましい。厚みを50μm以上とすることにより、自己修復力などが高まり防食用粘着テープの防食性を向上させることができ、また粘着力も高まりやすくなる。また、粘着剤層の厚みを3000μm以下とすることにより、厚みに応じた防食性能の向上効果を得ることができる。
<サイクル腐食試験における錆の有無>
本発明の防食用粘着テープは、JIS K5600-7-9(塗料一般試験方法-第7部:塗膜の長期耐久性-第9節:サイクル腐食試験方法-塩水噴霧/乾燥/湿潤、サイクルD)に準拠したサイクル腐食試験において錆が発生しないことが好ましい。該サイクル腐食試験において、錆が発生しないことにより、本発明の防食用粘着テープは、防食性に優れる。錆の発生は、防食用粘着テープが備える粘着剤層の組成、厚みなどを調整することで抑制することができる。
サイクル腐食試験における錆の発生の有無は以下のとおり確認される。
JIS K5600-7-9に規定された試験板に、本発明の防食用粘着テープを貼り付けて試験片を作製する。この際、試験板表面と防食用粘着テープの粘着剤層が接触するようにして貼り付けて試験片を作製する。防食用粘着テープのサイズは長さ150mm、幅70mmとする。
次いで、試験片について防食用粘着テープの側から切り込みきずを付ける。切り込みきずは、2本の直線状のきずをクロスするように付けて形成させる(すなわち、×印状になるようにきずを付ける)。この際、1本のきずの長さは70mmとなるようにし、2本のきずは90°の角度で交わるようにする。また、切り込みきずは、JIS K5600-7-9に規定されているとおり、単刃の切り込み具を用いて、素地である試験板に達するように付与する。
その後、切り込みきずを付けた試験片を用いて、JIS K5600-7-9の附属書1のサイクルDに基づいて、塩水噴霧の試験を行う。試験は28サイクル(合計168時間)行う。
塩水噴霧の試験後の試験片を観察し、切り込みきずの部分における錆の有無を確認する。
<サイクル腐食試験後の粘着力>
本発明の防食用粘着テープは、JIS K5600-7-9(塗料一般試験方法-第7部:塗膜の長期耐久性-第9節:サイクル腐食試験方法-塩水噴霧/乾燥/湿潤、サイクルD)に準拠したサイクル腐食試験の実施後における粘着力は、例えば10N/25mm以上であり、20N/25mm以上であることが好ましく、25N/25mm以上であることがより好ましく、30N/25mm以上であることがさらに好ましい。該粘着力が20N/25mm以上であると、長期的な粘着力を十分確保することができ、防食用粘着テープが鋼材などの被着体から剥がれにくくなるため、防食性の低下を防止することができる。
他方、該粘着力の上限値は、特に限定されないが、実用上の観点を踏まえると、好ましくは200N/25mm以下である。
防食用粘着テープのサイクル腐食試験後の粘着力は、以下のとおり測定される。
ステンレス板(SUS板)に、本発明の防食用粘着テープを貼付して、粘着力評価用試料を作製する。この際、SUS板表面と防食用粘着テープの粘着剤層が接触するようにして貼り付けて粘着力評価用試料を作製する。防食用粘着テープ10のサイズは長さ100mm、幅25mmとする。
該粘着力評価用試料を用いて、JIS K5600-7-9の附属書1のサイクルDに基づいて、塩水噴霧の試験を行う。試験は28サイクル(合計168時間)行う。
塩水噴霧の試験後の粘着力評価用試料について、防食用粘着テープの剥離試験を行い粘着力を測定する。剥離試験は、引張試験機により、剥離角度180°、速度300mm/分の条件で行い、検出された荷重(N)の区間平均値を粘着力とする。
<防食用粘着テープの構成>
本発明の防食用粘着テープは、図1に示すように、防食用粘着テープ10は、基材12と、該基材12の片面に粘着剤層11が設けられた片面粘着テープであることが好ましい。これにより、基材12によって粘着剤層11を保護することができる。
各図面の防食用粘着テープは、粘着剤層11の表面11Aを接着面として被着体に貼付して使用される。
また、防食用粘着テープは、図示しないが、基材と、該基材の両面に粘着剤層が設けられた両面粘着テープであってもよい。
上記したとおり、本発明における粘着剤層は、鉄よりも電位が卑な金属を含有しなくてもよい。この場合、防食用粘着テープ10の防食性を高めるために、図2に示すように、防食用粘着テープ10は、基材12と粘着剤層11の間に、金属層13をさらに備えるようにし、金属層13が鉄よりも電位が卑な金属の層であることが好ましい。鉄よりも電位が卑な金属としては、上述したものが特に制限なく使用されるが、該金属層13は、亜鉛の層であることがより好ましい。金属層13は、具体的には、基材12に対して接着剤などにより接着されてもよいし、基材12上にスパッタリングや真空蒸着などにより形成されてもよい。また、金属層13は、スパッタリングや真空蒸着などにより、金属を粘着剤層11の表面に被膜して形成される金属膜であってもよい。
金属層13は、基材12と粘着剤層11に挟まれるような形態で、粘着剤層11の上に直接形成される。すなわち、金属層13を構成する鉄よりも電位が卑な金属は、粘着剤層11に接触することになる。このように、鉄よりも電位が卑な金属は、粘着剤層11に接触すると、イオン化した際に放出する電子が、粘着剤層11に容易に移行できるので、防食用粘着テープ10の防食性が向上する。また、この場合も、防食用粘着テープ10の防食性の観点から、粘着剤層11は、鉄よりも電位が卑な金属以外の導電性材料を含有することが好ましい。
金属層13の厚みは、好ましくは2.5μm以上である。金属層13の厚みが2.5μm以上であると、金属層13は、金属層13中の金属のイオン化による電子を十分に供給することができ、防食用粘着テープ10の十分な防食性を維持できる。防食用粘着テープ10の防食性を高める観点から、金属層13の厚みは、より好ましくは5μm以上である。また、防食用粘着テープ10の柔軟性を確保して、防食用粘着テープ10の取り扱い性などを良好にする観点、及び複雑な形状を有する被着体に防食用粘着テープを密着させやすくする観点から、金属層13の厚みは、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下である。
本発明の防食用粘着テープは、粘着剤層の表面に剥離シートが貼付されていてもよい。剥離シートは、防食用粘着テープを使用する前に粘着剤層から剥離され、粘着剤層が露出され、露出した粘着剤層により、被着体に貼り合わされるとよい。より具体的には、粘着剤層の面のうち、基材12あるいは金属層13が設けられている面とは反対側の面、すなわち表面11Aに剥離シートが貼付されるとよい。
剥離シートとしては、樹脂フィルムを使用するとよいが、粘着剤層との貼り合わせ面がシリコーン剥離剤などにより剥離処理された剥離処理面であることが好ましい。
[防食用粘着テープの用途]
本発明の防食用粘着テープは、各種被着体に対して貼付され、被着体を防食するために使用される。本発明の防食用粘着テープは、粘着力及び防食性に優れるため、各種金属材料からなる被着体表面に対して貼付して使用することが好ましい。金属材料としては好ましくは、鉄、及び鉄を含む合金からなる群から選択される少なくとも1種を含有する金属材料である。鉄を含む合金としては、具体的には、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、クロム鋼、クロムモリブデン鋼、マンガン鋼などの合金鋼、炭素鋼などの各種の鋼材が挙げられる。
本発明の防食用粘着テープは、低温環境下で、複雑な表面形状を有する被着体に対して使用されることが好ましい。具体的な被着体としては、表面に凹凸を有する被着体などが挙げられ、例えば、2つの部材を溶接により接合してなる溶接部を有する部材が挙げられる。溶接部を有する部材においては、溶接部が凸部分となる。溶接部を有する被着体としては、溶接された配管が挙げられる。溶接された配管は、2つの配管を接続した継ぎ目部分が溶接部となる。溶接部を有する被着体に対しては、溶接部を覆うように防食用粘着テープを貼り付けるとよい。
溶接部は、一般的に防錆塗料が塗布されても硬化までに垂れることで硬化後の膜厚が必要より薄くなってしまい、亀裂が生じ、亀裂面が露出したりして比較的錆びやすいことがあるが、本発明の防食用粘着テープを貼り付けることで、そのような溶接部における錆を適切に防止することができる。また、本発明の防食用粘着テープは、低温環境下で溶接部などの複雑な表面形状を有する被着体に貼り付けても、裂けたりせずに高い密着性、追従性を確保できるので、優れた防食性を発揮することができる。
また、本発明の防食用粘着テープは、その上にさらに上塗り塗料を塗装してもシワが発生しにくいので、防食用粘着テープを被着体に貼り付けた後、防食用粘着テープが貼付された被着体に上塗り塗料を塗装する施工に好適に用いることができる。
上塗り塗料は、公知の物を使用でき、バインダーに各種樹脂を使用した樹脂塗料でもよいし、無機塗料であってもよい。
上塗り塗料は、一般的に顔料を含む。また、上塗り塗料は、各種の有機溶剤や水により希釈されたものを使用でき、有機溶剤により希釈した溶剤系であることが好ましい。また、上塗り塗料は、少なくとも粘着テープが貼付された部分(すなわち、基材の表面)上に塗装すればよいが、一般的には、防食用粘着テープが貼付された部分と、防食用粘着テープが貼付されない部分にわたって塗装されればよい。
本発明の防食用粘着テープは、被着体に貼付した後に、例えば90~150℃、好ましくは90~130℃に加熱しながら各種被着体に圧着して貼り付けてもよい。加熱しながら被着体に貼り付けることで、より高い密着性、追従性で被着体に接着でき、高い防食性を確保しやすくなる。なお、粘着テープは、工業用ドライヤーなどの公知の加熱装置により加熱すればよい。
本発明の防食用粘着テープは、補修用に使用してもよい。補修用とは、橋梁、鉄塔、高架橋、タンク、プラント、橋脚、配管等の既設の構造物を構成する鋼材などの金属材料に対して、防食処理を行うことである。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[測定及び評価の方法]
各実施例及び比較例では、防食用粘着テープを以下の方法により、測定及び評価を行った。
<引張破断点伸度>
各実施例及び比較例の防食用粘着テープの作製に使用した基材を、それぞれ、5℃の温度の環境下及び23℃の温度の環境下で、引張試験機(株式会社エー・アンド・デイ製「テンシロン万能材料試験機」)を使用して、MD方向とTD方向のそれぞれの方向の引張り試験を行い、以下の式より引張破断点伸度を算出した。
引張破断点伸度(%)=(L-L)/L×100
ここで、Lは破断時の試料の長さであり、Lは引張試験前の試料の長さである。
算出したMD方向とTD方向の引張破断点伸度のうち、値が小さい方をフィルムの引張破断点伸度とした。
なお、引張荷重の測定及び引張破断点伸度の測定時の条件は以下の通りであった。
基材の寸法及び形状:幅24mm×長さ80mmの短冊状
チャック間距離:50mm
引張速度:300mm/min
<引張荷重の差>
各実施例及び比較例で用いた基材を、それぞれ、5℃の温度の環境下及び23℃の温度の環境下で、引張試験機を使用して、2.5%引っ張った場合の引張荷重と、0.5%引っ張った場合の引張荷重とをそれぞれ測定し、両者の差を算出した。なお、該測定はいずれも、MD方向とTD方向のそれぞれの方向について行い、防食用粘着テープを2.5%引っ張った場合の引張荷重と、防食用粘着テープを0.5%引っ張った場合の引張荷重との差を方向ごとに算出した。算出したMD方向とTD方向の引張荷重の差のうち、値が大きい方を引張荷重の差とした。なお、測定条件を以下に示す。
サンプルサイズ:幅24mm×長さ80mm
チャック間距離:50mm
引張速度:300mm/min
<耐溶剤性>
1.試料の作製
試料を60mm角にカットする。カットした試料の対角線の長さを測定する。この対角線の長さを対角線Aとする。
2.耐溶剤性の測定
上記1.で得た試料をキシレン中に5分間浸漬させる。浸漬後の試料の対角線の長さを測定する。この対角線の長さを対角線Bとする。
以上のようにして得られた2種類の対角線の長さにより、該テープの基材の寸法変化率を算出した。寸法変化率を求める式は以下の通りである。
寸法変化率(%)=(対角線B-対角線A)/対角線A×100
<23℃での貯蔵弾性率>
防食用粘着テープの粘着層の23℃での貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御株式会社社製、商品名「DVA-200」)を用いて、せん断モード:10Hz、歪み量:0.1%、温度範囲:-100℃~100℃、昇温速度:10℃/minの条件下で、動的粘弾性スペクトルを測定して算出した。
<サイクル腐食試験における錆の発生の有無>
明細書に記載のとおりの方法により、JIS K5600-7-9(塗料一般試験方法-第7部:塗膜の長期耐久性-第9節:サイクル腐食試験方法-塩水噴霧/乾燥/湿潤、サイクルD)において、切り込みきずの部分の錆の発生の有無を目視で確認した。
<粘着力>
1.試料の作製
SUS板(幅50mm、長さ125mm)に、各実施例及び比較例の防食用粘着テープ(幅25mm、長さ100mm)を、2kgのローラーを10±0.5mm/sの速度で2往復させることで貼付して、粘着力評価用試料を作製し、該粘着力評価用試料を用いて、初期の粘着力(試験前の粘着力)を測定した。
2.粘着力の測定
上記1.で得た試料を用いて、JIS K5600-7-9のサイクルDに基づいた耐複合サイクル防食性試験を168時間実施した。その後、該試料を、引張試験機(株式会社エー・アンド・デイ製「テンシロン万能材料試験機」)のチャックに固定した。さらにその後、23℃、50RH%の環境下で、防食用粘着テープを剥離角度180°、速度300mm/分で60mm以上引張り、ロードセルにより検出された荷重(N)の区間平均値を記録して、これを粘着力とした。
<凸部追従性に関する実用評価>
以下1.~4.に示す手順により、5℃の温度の環境下で凸部追従性の評価を行った。
1.図3に示すように、防食用粘着テープ10(30mm角)を、L字型のSUS板20の被着面20Aに、角からの高さh及び幅tが2mmとなるように貼り付けた。
2.防食用粘着テープ10のうち、L字型のSUS板20に被着していない部分にスキージーを押し当てた。
3.上記2.の押し当て後、高さhを測定すると共に、防食用粘着テープ10の裂けの発生の有無を目視により確認した。なお、該押し当ての際に、防食用粘着テープ10に裂けが発生した場合は、高さh=2mmとした。
4.上記3.で得られた高さhの測定値に基づき、以下の基準により、防食用粘着テープ10の凸部追従性を評価した。
〇・・浮きが発生せず(高さhが0mm)、かつ防食用粘着テープ10に裂けが発生しなかった。
△・・浮きが発生したか(高さhが0mmより大きい)、又は防食用粘着テープ10に裂けが発生した
×・・浮きが発生した(高さhが0mmより大きい)、かつ防食用粘着テープ10に裂けが発生した。
<上塗塗装の評価>
縦70mm×横150mmの大きさの一般構造用圧延鋼材(SS400)を用意した。そして、各実施例及び比較例の防食用粘着テープ(幅60mm、長さ140mm)を上記圧延鋼材に貼り付けた。刷毛を使用して上塗り塗料(大日本塗料株式会社製、商品名「Vフロン#100Hスマイル上塗」)で、防食用粘着テープを貼り付けた圧延鋼材を塗装した(図4参照)。圧延鋼材を塗装した上塗り塗料を24時間乾燥させた後、防食用粘着テープのシワの発生状況を目視で観察した。
○・・防食用粘着テープにシワがなかった。
×・・防食用粘着テープにシワがあった。
<耐候性(光沢保持率)>
各実施例及び比較例の防食用粘着テープ(幅25mm、長さ100mm)を貼り付けて、該テープの表面に対し、基材側から光沢計(株式会社堀場製作所製、製品名:「IG-340」)により鏡面光沢度を測定した。鏡面光沢度の測定は、JIS K 5600-4-7に準拠して幾何条件60°の光沢計を用いて測定した。このときの測定で得られた鏡面光沢度を鏡面光沢度Aとする。その後、該テープについて、JIS K 5600-7-7におけるサイクルAに準拠した促進耐候性試験を500時間実施した。促進対候性試験を実施した後、該試験実施前に行ったのと同様の方法により、該テープの基材の鏡面光沢度を測定した。試験後における測定で得られた鏡面光沢度を鏡面光沢度Bとする。
以上のようにして得られた2種類の鏡面光沢度により、該テープの基材の光沢保持率を算出した。光沢保持率を求める式は以下の通りである。
光沢保持率(%)=(鏡面光沢度B/鏡面光沢度A)×100
◎・・光沢保持率が90%以上
○・・光沢保持率が80%以上90%未満
×・・光沢保持率が80%未満
<剥がれに関する実用評価>
SUS板(幅50mm、長さ125mm)に、各実施例及び比較例の防食用粘着テープ(幅25mm、長さ100mm)を貼り付けて、23℃にて3日間養生させて剥がれ評価用試料を作製した。剥がれ評価用試料における防食用粘着テープの斜め上方の噴射位置から、防食用粘着テープの長手方向端部側面に向けて水圧8MPaの条件で水を5分間噴射した。なお、水を噴射する位置(噴射位置)は、噴射位置と防食用粘着テープ端部の中央部分を結んだ線とSUS板との角度が30°となる位置であり、かつ防食用粘着テープ端部の中央部分から水平方向に5cm離れた点の直上となる位置とした。
水噴射後の防食用粘着テープの剥がれた距離を測定し、以下の基準で評価した。
◎・・剥がれた距離が0mm以上15mm未満
〇・・剥がれた距離が15mm以上25mm未満
×・・剥がれた距離が25mm以上
[使用材料]
各実施例及び比較例においては、以下の材料を使用した。
<粘着剤層>
・2-エチルヘキシルアクリレート
・n-ブチルアクリレート
・アクリル酸
・オレフィン重合体:製品名「L-1253」、株式会社クラレ製、(メタ)アクリロイル基を片末端に有する水素化ポリブタジエン
・粘着付与樹脂1:製品名「アルコンP140」、荒川化学工業株式会社製、水添石油樹脂、軟化点140℃
・粘着付与樹脂2:製品名「アルコンP100」、荒川化学工業株式会社製、水添石油樹脂、軟化点100℃
・微粒子:製品名「セルスターZ-27」、東海工業株式会社製、ガラスバルーン
・亜鉛粒子:堺化学工業株式会社製、製品名「亜鉛末#40」、平均粒径:50μm
・カーボンナノチューブ(CNT):JEIO社製、製品名「JENOTUBE8A」、平均直径6~9nm、平均長さ100~200μm
・分散剤:積水化学工業株式会社製、商品名「エスレックBX-L」、ポリビニルブチラール樹脂
・架橋剤:製品名「TEAI-1000」、日本曹達株式会社製
・重合開始剤:2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン
<フィルム>
・F124:低密度ポリエチレン/ナイロン/直鎖状低密度ポリエチレンの構造を有する多層フィルム、商品名「ダイアミロン MF F124」、三菱ケミカル株式会社製
・F119:低密度ポリエチレン/ナイロン/直鎖状低密度ポリエチレンの構造を有する多層フィルム、商品名「ダイアミロン MF F119」、三菱ケミカル株式会社製
ラミトップ45:低密度ポリエチレン/ナイロン/直鎖状低密度ポリエチレンの構造を有する多層フィルム、商品名「ラミトップ45」、大倉工業株式会社製
ラミトップ70:直鎖状低密度ポリエチレン/ナイロン/直鎖状低密度ポリエチレンの構造を有する多層フィルム、商品名「ラミトップ70」、大倉工業株式会社製
C691:ナイロン/エバール/直鎖状低密度ポリエチレンの構造を有する多層フィルム、商品名「ダイアミロン MF C691」、三菱ケミカル社製
MBS121E:アクリル系樹脂フィルム、製品名「アクリプレン MBS121E」、三菱ケミカル株式会社製
ピュアロン:ポリエチレン/ポリプロピレン/ポリエチレンの構造を有する多層フィルム、商品名「ピュアロンCP-WGF」、住化積水フィルム株式会社製
C-Z:ナイロン6、商品名「ダイアミロン C-Z」、三菱ケミカル株式会社製
LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン、酒井化学工業株式会社製
ソフトアクリルシート:軟質アクリル系樹脂フィルム、商品名「ソフトアクリルシート」、龍田化学株式会社製
50NS:フッ素樹脂フィルム、商品名「アフレックス50NS」、AGC株式会社製
なお一部の樹脂フィルムについては、フッ素樹脂の塗料膜を表面に有するものを使用した。塗料膜は、基材の粘着剤層が設けられる面とは反対側の面に形成した。塗料膜の有無については、表に示すとおりである。
[実施例1~13、比較例1~4]
表1及び表2に記載の配合にしたがって、粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物に窒素をパージして溶存酸素を除去した。次いで、粘着剤組成物をフィルム上に塗布した。そして、紫外線照射強度が5mW/cmとなるようにケミカルランプのランプ強度を調整し、15分間紫外線を照射し、防食用粘着テープを得た。なお、粘着剤組成物の各成分、及び粘着剤組成物を塗布したフィルムは、上記の通りである。
以上の実施例から明らかなように、本発明の要件を満たす実施例1~13で作製した防食用粘着テープは、低温環境下において複雑な表面形状を有する被着体に対する密着性が優れ、塗装によるシワの発生を抑制できた。
これに対し、比較例1~4で作製した防食用粘着テープは、本発明の要件を満たさないため、低温環境下において複雑な表面形状を有する被着体に対する密着性が悪かったか、又は、塗装によりシワが発生した。
10 防食用粘着テープ
11 粘着剤層
12 基材
13 金属層
20 L字型SUS板
20A 被着面
30 一般構造用圧延鋼材(SS400)
40 上塗り塗料
h 高さ
t 幅

Claims (16)

  1. 基材と、前記基材の少なくとも片面に設けられる粘着剤層とを備える防食用粘着テープであって、
    5℃の温度の環境下において、前記基材は、2.5%伸長した時の引張荷重と、0.5%伸長した時の引張荷重との差が1.3N/mm以下であり、
    5℃の温度の環境下で測定した前記基材の引張破断点伸度が100%以上であり、
    前記基材をキシレンに5分間浸漬した後の前記基材の寸法変化率が3%以下である防食用粘着テープ。
  2. JIS K5600-7-9におけるサイクルDに準拠したサイクル腐食試験において錆が発生せず、かつ、前記サイクル腐食試験後の粘着力が20N/25mm以上である請求項1に記載の防食用粘着テープ。
  3. JIS K5600-7-7におけるサイクルAに準拠した促進耐候性試験を500時間実施した後における、前記基材の光沢保持率が80%以上である請求項1に記載の防食用粘着テープ。
  4. 前記基材の厚みが20~1000μmである請求項1に記載の防食用粘着テープ。
  5. 前記基材が表面に塗料膜を有する樹脂フィルムである請求項1に記載の防食用粘着テープ。
  6. 前記樹脂フィルムが、ポリアミド系樹脂層及びポリオレフィン系樹脂層からなる多層樹フィルム、軟質アクリル系樹脂フィルム及びフッ素樹脂フィルムからなる群から選択される少なくとも1種のフィルムである請求項5に記載の防食用粘着テープ。
  7. 常温の環境下において、前記基材は、2.5%伸長した時の引張荷重と、0.5%伸長した時の引張荷重との差が1.3N/mm以下であり、
    常温の環境下で測定した前記基材の引張破断点伸度が100%以上である請求項1に記載の防食用粘着テープ。
  8. 前記粘着剤層が、鉄よりも電位が卑な金属を含有する請求項1に記載の防食用粘着テープ。
  9. 鉄よりも電位が卑な金属が亜鉛である請求項8に記載の防食用粘着テープ。
  10. 前記粘着剤層が前記鉄よりも電位が卑な金属以外の導電性材料を含有する請求項8に記載の防食用粘着テープ。
  11. 前記導電性材料がカーボンナノチューブである請求項10に記載の防食用粘着テープ。
  12. 前記粘着剤層がアクリル系粘着剤により形成される請求項1に記載の防食用粘着テープ。
  13. 前記基材と前記粘着剤層との間に金属層を備え、前記金属層が鉄よりも電位が卑な金属の層である請求項1に記載の防食用粘着テープ。
  14. 前記金属層が亜鉛の層である請求項13に記載の防食用粘着テープ。
  15. 前記粘着剤層の厚みが50~3000μmである請求項1に記載の防食用粘着テープ。
  16. 前記粘着剤層の23℃での貯蔵弾性率が5万~100万Paである請求項1に記載の防食用粘着テープ。
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