JP2024008927A - 粘着テープ、粘着テープの使用方法 - Google Patents

粘着テープ、粘着テープの使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】追従性及び透明性に優れ、かつ耐候性が高く、屋外で長期使用しても粘着力の劣化が防止できる粘着テープを提供すること。【解決手段】基材と、前記基材の少なくとも片面に設けられる粘着剤層とを備える粘着テープであって、前記粘着テープは、2.5%伸長した時の引張荷重と、0.5%伸長した時の引張荷重との差が1.3N/mm以下であり、かつ引張破断点伸度が100%以上であり、JIS K5600-7-7におけるサイクルAに準拠した促進耐候性試験を500時間実施した後において、前記粘着テープの全光線透過率が50%以上であり、前記促進耐候性試験を500時間実施した後に前記粘着剤層を介してステンレス板に貼り合わせて剥離角度180°、剥離速度300mm/分の条件で行う剥離試験において前記基材が破断せず、前記粘着剤層の粘着力が20N/25mm以上である、コンクリート構造体用又は錆部を有する構造体用の粘着テープ。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着テープ、及び該テープの使用方法に関する。
高架橋、トンネル、橋梁、鉄塔、タンク等の大型構造物は、鋼材とコンクリート材を組み合わせて建造されることが多い。鋼材やコンクリート材は、経年で腐食し、錆、クラック、ひび割れ等が発生する。これらの腐食が進行した場合には、例えば、構造物の表面に塗料や接着剤などを塗布することで、腐食箇所を補修することがあるが、こうした補修方法は作業工程が複雑であり、実際の補修作業に取り掛かるまで相当の時間を要する。そのため、実際に補修作業を開始するまでに、腐食箇所において錆がさらに進行したり、腐食箇所からコンクリート片が落下したりする問題がある。
腐食箇所の補修作業の工程を簡素化する方法としては、腐食箇所にシートを貼り付けることで腐食の進行を抑制することが知られている。しかし、シートは剛性が高く、不透明であることが多いため、シートが腐食箇所に適切に追従して貼付されないことがある。また、シートの内側で腐食が進行しているかなどを視認することができず、腐食の進行状況を十分認識できないまま腐食が進行し、腐食の予防措置を効果的にできていないことが多い。そこで、従来、例えば、特許文献1に開示されるように、コンクリート構造体用又は錆部を有する構造体用として使用されるシートとして、追従性及び透明性に優れた積層シートが提案されている。
特開2019-64260号公報
しかしながら、特許文献1では、積層シートについて耐候性に関する議論が何らされておらず、長期にわたって屋外で使用した場合には、紫外線などでシートが劣化するおそれがある。そのため、屋外での長期使用に適していない問題がある。
そこで、本発明は、追従性及び透明性に優れ、かつ耐候性が高く、屋外で長期使用しても粘着力の劣化が防止できる粘着テープを提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、以下の構成を有することで、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下の[1]~[17]を提供する。
[1]基材と、前記基材の少なくとも片面に設けられる粘着剤層とを備える粘着テープであって、前記粘着テープは、2.5%伸長した時の引張荷重と、0.5%伸長した時の引張荷重との差が1.3N/mm以下であり、かつ引張破断点伸度が100%以上であり、JIS K5600-7-7におけるサイクルAに準拠した促進耐候性試験を500時間実施した後において、前記粘着テープの全光線透過率が50%以上であり、かつ前記促進耐候性試験を500時間実施した後に行う剥離試験において前記基材が破断せず、前記粘着剤層の粘着力が20N/25mm以上である、コンクリート構造体用又は錆部を有する構造体用の粘着テープ。
[2]JIS K7128-2(1998)に準拠したエルメンドルフ引裂法においてスリットを入れずに測定した前記基材のエルメンドルフ引裂強度が1.7N以上である、[1]に記載の粘着テープ。
[3]前記基材上にJIS K5659:2018に準拠したフッ素系上塗り塗料を、25μmの厚みとなるよう上塗りし、23℃で16時間乾燥して得られた測定サンプルについて、JIS K5600-5-6に準拠した碁盤目試験を実施した場合において、どの格子の目も剥がれがない、[1]又は[2]に記載の粘着テープ。
[4]前記基材をキシレンに5分間浸漬した後の前記基材の寸法変化率が3%以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の粘着テープ。
[5]前記促進耐候性試験を500時間実施した後における、前記基材の光沢保持率が80%以上である、[1]~[4]のいずれかに記載の粘着テープ。
[6]前記基材が、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル系樹脂、及びフッ素系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含む、[1]~[5]のいずれかに記載の粘着テープ。
[7]前記基材の厚みが20~300μmである、[1]~[6]のいずれかに記載の粘着テープ。
[8]前記粘着剤層の厚みが50~2500μmである、[1]~[7]のいずれかに記載の粘着テープ。
[9]前記粘着剤層が光硬化性樹脂により形成されている、[1]~[8]のいずれかに記載の粘着テープ。
[10]前記粘着剤層がアクリル系粘着剤により形成されている、[1]~[9]のいずれかに記載の粘着テープ。
[11]前記粘着剤層の、23℃における貯蔵弾性率が5万~100万Paである、[1]~[10]のいずれかに記載の粘着テープ。
[12]前記粘着剤層が、鉄よりも電位が卑な金属を含有する、[1]~[11]のいずれかに記載の粘着テープ。
[13]鉄よりも電位が卑な金属が亜鉛である、[12]に記載の粘着テープ。
[14]前記粘着剤層が、鉄よりも電位が卑な金属以外の導電性材料を含有する、[1]~[13]のいずれかに記載の粘着テープ。
[15]前記導電性材料がカーボンナノチューブである、[14]に記載の粘着テープ。
[16][1]~[15]のいずれかに記載の粘着テープを、コンクリート構造体又は錆部を有する構造体の表面に貼り付ける、粘着テープの使用方法。
[17]前記粘着テープの貼付面に錆進行防止剤又はプライマーを塗布してから、前記粘着テープを貼り付ける、[16]に記載の粘着テープの使用方法。
本発明によれば、追従性及び透明性に優れ、かつ耐候性が高く、屋外で長期使用しても粘着力の劣化が防止できる粘着テープを提供することができる。
本発明の粘着テープの一実施形態を示す模式図である。 本発明の粘着テープの追従性の評価方法を示す模式図である。 上塗塗装の評価を説明するための図である。
[粘着テープ]
本発明の粘着テープは、基材と、前記基材の少なくとも片面に設けられる粘着剤層とを備える粘着テープである。以下、より詳細に説明する。
<引張荷重の差>
本発明の粘着テープは、2.5%伸長した時の引張荷重と、0.5%伸長した時の引張荷重との差(以下、単に「引張荷重の差」と表記する場合がある。)が、1.3N/mm以下である。引張荷重の差は、実質的に弾性域における2%伸びあたりの引張荷重を意味する。引張荷重の差は、値が小さい場合、被着体の形状(例えば段差など)に追従して貼り付けやすくなり、また、伸張させて被着体に貼り付けても、貼り付け後に収縮などによる応力が発生しにくくなるので、貼り付け後の接着力が維持されやすい。
引張荷重の差が1.3N/mmを超える場合、粘着テープの追従性を十分に発現することができず、複雑な形状の被着体に適切に貼り付けができないなどの不具合が生じるおそれがある。また、引張荷重の差は、特に限定されないが、粘着テープに一定のコシ及び作業性を付与し、施工時の不具合を有効に防止できるようにする観点から、0.4N/mm以上であることが好ましく、0.7N/mm以上であることがより好ましく、1.0N/mm以上であることがさらに好ましい。
なお、引張荷重の差は、粘着テープのMD方向、TD方向においてそれぞれ測定するものとし、このうち大きい方を採用するものとする。また、MD方向及びTD方向が不明の場合には、最も引張荷重の差が大きい値を採用するとよい。引張荷重の差は、実施例に記載する測定方法により得ることができる。
<引張破断点伸度>
本発明の粘着テープは、引張破断点伸度が100%以上である。粘着テープの引張破断点伸度が100%未満であると、粘着テープを伸ばした状態で被着させようとすると、粘着テープに裂けが発生したり、被着体に十分に追従しなかったりするので、被着体に対して粘着テープを適切に貼付できないおそれがある。こうした観点を踏まえると、基材の引張破断点伸度は、105%以上が好ましく、150%以上がより好ましく、200%以上がさらに好ましい。
他方、粘着テープの引張破断点伸度の上限値については、特に限定されないが、機械強度などの観点から、好ましくは700%以下、より好ましくは600%以下である。
なお、引張破断点伸度は、粘着テープのMD方向、TD方向においてそれぞれ測定するものとし、このうち小さい方を採用するものとする。また、MD方向及びTD方向が不明の場合には、最も引張破断点伸度が小さい値を採用するとよい。引張破断点伸度は、実施例に記載する測定方法により得ることができる。
また、粘着テープの引張荷重の差及び引張破断点伸度は、基材及び粘着剤層に使用される材料、粘着テープの厚みなどを適宜選択することで上記範囲内に調整することができる。
本発明の粘着テープは、全光線透過率が55%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましい。なお、ここでいう全光線透過率は、後述する促進耐候性試験前に測定されるものであり、初期全光線透過率ともいう。
本発明の粘着テープは、初期全光線透過率が上記下限値以上であることで、被着体に粘着テープを貼付した直後の透明性が良好となる。また、促進耐候性試験後の全光線透過率を一定値以上としやすくなる。初期全光線透過率は高ければ高いほどよく、100%以下であればよいが、実用上は例えば97%以下でもよい。
本発明の粘着テープは、粘着力が15N/25mm以上であることが好ましく、20N/25mm以上であることがより好ましく、30N/25mm以上であることがさらに好ましい。なお、ここでいう粘着力は、後述する促進耐候性試験前に測定されるものであり、初期粘着力ともいう。本発明の粘着テープは、初期粘着力が上記下限値以上であることで、高い粘着力で被着体に貼付されやすくなる。また、促進耐候性試験後の粘着力を一定値以上としやすくなる。初期粘着力は、特に限定されないが、実用上は例えば200N/25mm以下である。
<促進耐候性試験後の各物性>
(全光線透過率)
本発明の粘着テープは、JIS K5600-7-7におけるサイクルAに準拠した促進耐候性試験を500時間実施した後における全光線透過率が50%以上である。該全光線透過率が50%未満であると、粘着テープを屋外で長期使用後、透明性が確保できず、粘着テープを被着した箇所の腐食の進行状況をテープ上から視認するのが困難となる。長期使用後の視認性を向上させる観点から、上記全光線透過率は、52%以上が好ましく、60%以上がより好ましい。全光線透過率は高ければ高いほどよく、100%以下であればよいが、実用上は95%以下である。
また、本発明の粘着テープは、JIS K5600-7-7におけるサイクルAに準拠した促進耐候性試験を1000時間実施した後における全光線透過率が50%以上であることが好ましく、52%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましい。さらに、該テープは、同試験を2000時間実施した後における全光線透過率が50%以上であることが好ましく、52%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましい。
これらの全光線透過率も、高ければ高いほどよく、100%以下であればよいが、実用上は95%以下である。
なお、全光線透過率は、実施例に記載する測定方法により得ることができる。
また、全光線透過率は、基材及び粘着剤層に使用される材料、粘着剤層の厚みなどを適宜選択することで上記範囲内に調整することができる。
(粘着力)
本発明の粘着テープは、JIS K5600-7-7におけるサイクルAに準拠した促進耐候性試験を500時間実施した後に行う剥離試験において、基材が破断せず、かつ前記粘着剤層の粘着力が20N/25mm以上となるものである。
促進耐候性試験後の剥離試験において基材が破断する場合には、粘着テープが耐候性を有しておらず、屋外での長期使用に適していない。また、該粘着力が20N/25mm未満であると、長期的な粘着力が不十分となり、粘着テープが被着体から剥がれ易くなり、防食性なども低下しやすくなる。
長期間にわたって高い粘着力を維持する観点から、促進耐候性試験後の粘着力は好ましくは25N/25mm以上であり、より好ましくは30N/25mm以上であり、さらに好ましくは40N/25mm以上である。粘着力は高ければ高いほどよいが、実用上は200N/25mm以下である。
また、本発明の粘着テープは、JIS K5600-7-7におけるサイクルAに準拠した促進耐候性試験を1000時間実施した後に行う、剥離試験における粘着剤層の粘着力は、20N/25mm以上が好ましく、25N/25mm以上がより好ましく、30N/25mm以上がさらに好ましく、40N/25mm以上がよりさらに好ましい。さらに、該テープは、同試験を2000時間実施した後に行う、剥離試験における粘着剤層の粘着力は、20N/25mm以上が好ましく、25N/25mm以上がより好ましく、30N/25mm以上がさらに好ましく、40N/25mm以上がよりさらに好ましい。
これらの粘着力も、高ければ高いほどよいが、実用上は200N/25mm以下である。
粘着テープの促進耐候性試験後の粘着力は、以下のとおり測定される。
ステンレス板(SUS板)に、本発明の粘着テープを貼付して、粘着力評価用試料を作製する。この際、SUS板表面と粘着テープの粘着剤層が接触するようにして貼り付けて粘着力評価用試料を作製する。粘着テープのサイズは長さ100mm、幅25mmとする。なお、SUS板への粘着テープの貼り合わせは、2kgのローラーを10±0.5mm/sの速度で2往復させて行うものとする。
該粘着力評価用試料を用いて、JIS K5600-7-7のサイクルAに基づいて、促進耐候性の試験を行う。試験は合計500時間行う。
促進耐候性の試験後の粘着力評価用試料について、粘着テープの剥離試験により粘着力を測定する。剥離試験は、引張試験機により、23℃、50RH%の環境下で、剥離角度180°、速度300mm/分の条件で60mm以上引っ張り、検出された荷重(N)の区間平均値を粘着力とする。なお、上記した基材の状態についても、同剥離試験により確認することができる。
(エルメンドルフ引裂強度)
本発明の粘着テープに使用する基材では、JIS K7128-2(1998)に準拠したエルメンドルフ引裂法においてスリットを入れずに測定したエルメンドルフ引裂強度が、1.7N以上であることが好ましく、3.0N以上であることがより好ましく、6.0N以上であることがさらに好ましく、12N以上であることがよりさらに好ましい。スリットを入れずに測定した基材のエルメンドルフ引裂強度が上記下限値以上であることで、粘着テープに優れた追従性を付与しやすくなる。
また、スリットを入れずに測定した基材のエルメンドルフ引裂強度は、高ければ高いほどよく、その範囲の上限値は例えば16Nである。
なお、スリットを入れずに測定した基材のエルメンドルフ引裂強度は、基材のMD方向、TD方向においてそれぞれ測定するものとし、このうち小さい方を採用するものとする。また、MD方向及びTD方向が不明の場合には、最もエルメンドルフ引裂強度の小さい値を採用するとよい。スリットを入れずに測定した基材のエルメンドルフ引裂強度は、スリットを入れずに測定する点を除いて、JIS K7128-2(1998)に準拠したエルメンドルフ引裂法と同様の方法で測定できる。
また、スリットを入れずに測定した基材のエルメンドルフ引裂強度は、基材に使用される材料、基材の厚みなどを適宜選択することで上記範囲内に調整することができる。
(光沢保持率)
本発明の粘着テープは、JIS K5600-7-7におけるサイクルAに準拠した促進耐候性試験を500時間実施した後における基材の光沢保持率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。該光沢保持率が上記下限値以上であると、粘着テープ屋外で使用した場合などに長期間にわたって光照射を受けた際に、粘着テープの粘着力が低下したり、粘着テープの外観が悪化したりすることを防止することができる。光沢保持率は、高ければ高いほどよく、その上限は100%である。
なお、促進耐候性試験後における粘着テープの光沢保持率は、促進耐候性試験前の基材のヘーズBと、促進耐候性試験後の基材のヘーズAとを測定し、以下の式により求めることができる。なお、測定方法の詳細は、後述する実施例に記載の通りに行うことができる。
光沢保持率(%)=(ヘーズB/ヘーズA)×100
また、本発明の粘着テープは、JIS K5600-7-7におけるサイクルAに準拠した促進耐候性試験を1000時間実施した後における基材の光沢保持率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。さらに、該テープは、同試験を2000時間実施した後における基材の光沢保持率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
これらの光沢保持率も、高ければ高いほどよく、その上限は100%である。
<基材>
本発明の粘着テープを構成する基材としては、耐候性を有するものを使用するとよい。基材が耐候性を有することにより、追従性及び透明性に優れるだけでなく、耐候性にも優れた粘着テープとすることができ、屋外で使用した場合などに長期間光照射を受けても、粘着テープが劣化しにくくなる。
基材が耐候性を有するようにする手段として、基材そのものに耐候性を付与することが挙げられる。具体的には、基材を構成する樹脂に耐候性を有する樹脂を使用したり、基材を構成する樹脂に紫外線吸収剤、光安定剤(HALS)などを配合したりするとよい。
また、耐候性を有する基材としては、基材表面に耐候性膜を形成してもよい。耐候性膜は、基材の少なくとも一方の面に形成するとよい。耐候性膜は、例えば、耐候性を有する塗料である耐候性塗料を塗布することで形成することができる。
耐候性を有する基材としては、樹脂フィルムが好ましく、樹脂フィルムを構成する樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、AES樹脂、ASA樹脂などを好ましくは使用することができこれら樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。上記樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル系樹脂、及びフッ素系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。したがって、樹脂フィルムとしては、ポリ塩化ビニル樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム、及びフッ素系樹脂フィルムの少なくともいずれかを使用することが好ましく、中でもポリ塩化ビニル樹脂フィルムがより好ましい。基材として使用する樹脂フィルムは、単層であってもよいし、多層であってもよい。多層の場合は、同じ種類の樹脂フィルムのみが積層されていてもよいし、2種類以上の樹脂フィルムが積層されていてもよい。
樹脂フィルムは、上記各樹脂を使用することで、紫外線吸収剤、光安定剤を使用することなく、また、耐候性塗料を塗布することなく、基材に耐候性を付与することができる。そのため、紫外線吸収剤、光安定剤がブリードアウトすることを防止できる。また、基材の表面に塗料を塗布する手間を省き、粘着テープの生産効率を向上させることもできる。
なお、アクリル系樹脂フィルムは、主成分であるアクリル樹脂中の原子間の結合力が強く、また、紫外線の透過率が低いため、粘着剤層を保護するのに特に優れる。また、フッ素系樹脂フィルムは、フッ素原子と他の原子との強い原子間の結合力により高い耐候性を有すると考えられる。
本発明の粘着テープを構成する基材は、該基材上にJIS K5659:2018に準拠したフッ素系上塗り塗料を、25μmの厚みとなるよう上塗りし、23℃で16時間乾燥して得られた測定サンプルについて、JIS K5600-5-6に準拠した碁盤目試験を実施した場合において、どの格子の目も剥がれがない性質を有することが好ましい。本発明の粘着テープは、該テープを被着体に貼り付けた後、該テープ上に上塗り塗料を塗布する場合がある。そのため、基材がこのような物性を有することで、基材と上塗り塗料との密着性が向上し、上塗り塗料が剥げにくくすることができる。
(キシレン浸漬後の寸法変化率)
本発明の粘着テープに使用する基材をキシレンに5分間浸漬した後の基材の寸法変化率は、6%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましく、2%以下であることがさらに好ましく、1.5%以下であることがよりさらに好ましい。基材の寸法変化率が上記上限値以下であると、該テープに耐溶剤性が付与され、粘着テープを貼り付けた被着体に上塗り塗料を塗布したとき、該塗料の乾燥後において、粘着テープにシワが発生することが防止され、上塗り塗料を塗装した被着体の外観を良好に維持しやすくなる。
他方、本発明の粘着テープに使用する基材をキシレンに5分間浸漬した後の基材の寸法変化率の範囲の下限値は、特に限定されないが、好ましくは0%である。
なお、キシレン浸漬後の基材の寸法変化率は、例えば、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
また、キシレン浸漬後の基材の寸法変化率は、基材に使用される材料などを適宜選択することで上記範囲内に調整することができる。
上塗り塗装を行う場合、基材は、上塗り塗料との密着性が高く、かつキシレン浸漬後の寸法変化率が低いことが好ましく、そのような観点からは、アクリル系樹脂フィルムが好ましい。
基材の厚みは、20~300μmであることが好ましく、30~200μmであることがより好ましく、40~100μmであることがさらに好ましい。基材は、厚みを上記下限値以上であることで、支持体としての機能を発揮することができる。また、厚みを上記上限値以下とすることで、被着体に対する追従性及び透明性を高めやすくなる。
<粘着剤層>
本発明の粘着テープは、基材の少なくとも一方の面に粘着剤層を備える。以下、粘着剤層について説明する。
(粘着剤)
粘着剤層は、粘着剤により形成されることが好ましい。粘着剤の種類は特に限定されないが、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、及びシリコーン系粘着剤などが挙げられる。これらは単独で使用してよいし、組み合わせて使用してもよい。
また、粘着剤層は、光硬化性樹脂により形成されることが好ましい。粘着剤層は、上記の通り粘着テープの全光線透過率が高いので、光硬化性樹脂により形成されても適切に硬化させることができる。粘着剤層に光硬化性樹脂を使用することにより、100μm以上の厚膜にすることができる。その結果、被着体表面の凹凸に追従しやすくなることで、被着体との接着面積が増え、剥がれに対するリスクを下げることができる。
粘着剤層は、光硬化性樹脂の中でも、アクリル系粘着剤により形成されることがより好ましい。なお、粘着剤層は、粘着剤を構成する主ポリマーに光硬化型のものを使用すればよく、例えば、アクリル系粘着剤では、アクリル系重合体を光硬化型とすればよい。
(アクリル系粘着剤)
アクリル系粘着剤は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)を含む重合性モノマーを重合したアクリル系重合体を含有する粘着剤である。
なお、本明細書において、用語「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」とは、アクリル酸アルキルエステル、及びメタクリル酸アルキルエステルの両方を含む概念を指すものであり、他の類似の用語も同様である。また、用語「重合性モノマー」は、繰り返し単位を有しない化合物のみならず、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)と共重合する化合物であれば、後述するオレフィン重合体(C)などのモノマー自身が繰り返し単位を有するものも含みうる概念を指す。
((メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A))
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)は、(メタ)アクリル酸と脂肪族アルコールとのエステルであって、脂肪族アルコールのアルキル基の炭素数が、好ましくは2~14、より好ましくは4~10である脂肪族アルコールに由来するアルキルエステルが好ましい。アルキル基の炭素数がこの範囲内であると、粘着力を高めやすく、また後述する粘着剤の23℃での貯蔵弾性率を所定の範囲に調整しやすくなる。
具体的な(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)としては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、及びテトラデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、n-ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレートが好ましく、n-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート又はこれらの組み合わせがより好ましい。中でも、少なくともn-ブチル(メタ)アクリレートを使用することで、粘着剤の粘着性を適切に制御し、粘着テープを被着させる時の作業性を良好にすることができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位は、粘着剤層において主成分を構成するものであって、その含有量は、粘着剤層全量基準で一般的に30質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。このように、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)の含有量を多くすると、粘着剤層に所望の粘着力を付与することが可能になる。また、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位の上記含有量は、他の成分を一定量以上含有させるために、例えば97質量%以下、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。
なお、粘着剤層における(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位の含有量は、後述する粘着剤組成物における(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)の含有量と実質的に同じであるので、置き換えて表すことができる。以下で説明する(B)、(C)成分など、(A)成分以外の成分も同様である。
(極性基含有ビニルモノマー(B))
重合性モノマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)に加えて、極性基含有ビニルモノマー(B)を含有することが好ましい。極性基含有ビニルモノマー(B)は、極性基とビニル基を有するものである。極性基含有モノマー(B)を用いることで、被着体に対する粘着力を向上させやすくなる。
極性基含有ビニルモノマー(B)としては、例えば、酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル、(メタ)アクリル酸、及びイタコン酸等のビニル基を含有するカルボン酸、及びその無水物、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、及びポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等の水酸基を有するビニルモノマー、(メタ)アクリロニトリル、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルラウリロラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、及びジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート等の窒素含有ビニルモノマーが挙げられる。
これらの中でも、(メタ)アクリル酸、及びイタコン酸等のビニル基を含有するカルボン酸、及びその無水物が好ましく、(メタ)アクリル酸がより好ましく、アクリル酸が更に好ましい。これらの極性基含有ビニルモノマー(B)は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
極性基含有ビニルモノマー(B)を使用する場合、粘着剤層において極性基含有ビニルモノマー(B)由来の構成単位の含有量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位100質量部に対して、好ましくは1~15質量部、より好ましくは2~12質量部、さらに好ましくは3~10質量部である。極性基含有ビニルモノマー(B)の含有量をこのような範囲内とすることで、粘着テープの粘着力を向上させやすくなる。
(オレフィン重合体(C))
重合性モノマーは、さらに片末端に重合性結合を有するオレフィン重合体(C)を含むことが好ましい。このようなオレフィン重合体(C)を使用することで、粘着テープの粘着力を向上させやすくなる。
なお、重合性結合は、重合性モノマーと重合することが可能な不飽和の炭素-炭素結合を意味し、例えば不飽和二重結合が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリロイル基などが挙げられる。
オレフィン重合体(C)としては、片末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリオレフィンが挙げられる。なお、ポリオレフィンとは、エチレン、プロピレン、ブタン、ブタジエン、イソプレンなどの二重結合を有する脂肪族炭化水素化合物の重合体、又はその水素添加物である。
片末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリオレフィンとしては、例えば、片末端にエポキシ基を有するポリエチレンと(メタ)アクリル酸とを反応させることにより調製された、片末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリエチレン等が挙げられる。また、片末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリブタジエン又はその水素添加物が挙げられ、その市販品として株式会社クラレ製の「L-1253」等が挙げられる。
オレフィン重合体(C)は、その数平均分子量が好ましくは500~20000、より好ましくは1000~10000である。なお、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出すればよい。
また、粘着剤層においてオレフィン重合体(C)由来の構成単位の含有量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位100質量部に対して、1~30質量部が好ましく、2~20質量部がより好ましく、4~15質量部がさらに好ましい。
(架橋剤(D))
重合性モノマーはさらに、架橋剤を含むことが好ましい。架橋剤としては、ビニル基を2つ以上有する多官能モノマーが挙げられ、好ましくは(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。多官能モノマーを使用すると、粘着剤層の粘着力を適切な範囲に調整しやすくなる。
多官能(メタ)アクリレートとしては、特に限定されず、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトシキ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、エトシキ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロキシ化グリセリルトリアクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジアクリレートなどの他に、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、液状水素化1,2-ポリブタジエンジ(メタ)アクリレートなどの重合体が挙げられる。これら多官能(メタ)アクリレートの中でも、重合体が好ましく、液状水素化1,2-ポリブタジエンジアクリレートがより好ましい。液状水素化1,2-ポリブタジエンジアクリレートの市販品としては、日本曹達株式会社製の「TEAI-1000」等が挙げられる。
また、粘着剤層において架橋剤由来の構成単位の含有量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位100質量部に対して、0.1~4質量部が好ましく、0.3~3質量部がより好ましく、0.5~2質量部がさらに好ましい。架橋剤の含有量が上記範囲内であると、粘着剤層の粘着力を適切な範囲に調整しやすくなる。
(粘着付与樹脂)
アクリル系粘着剤は、粘着力を向上させる観点から、粘着付与樹脂を含有してもよい。粘着付与樹脂としては、水添テルペン樹脂、水添ロジン、不均化ロジン樹脂、石油樹脂等の重合阻害性の低い粘着付与樹脂が好ましい。これらの中でも、粘着付与樹脂が二重結合を多く有していると重合反応を阻害することから、水添系のものが好ましく、中でも水添石油樹脂が好ましい。
粘着付与樹脂の軟化点は、粘着剤の凝集力及び粘着力を向上させる観点から、95℃以上程度であればよいが、120℃以上のものを含むことが好ましい。また、被着体に対する粘着性を向上させる観点から、例えば、軟化点が95℃以上120℃未満のものと、120℃以上150℃以下のものとを併用してもよい。なお、軟化点は、JIS K2207に規定される環球法により測定すればよい。
アクリル系粘着剤における粘着付与樹脂の含有量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位100質量部に対して、好ましくは3~40質量部、より好ましくは5~35質量部、さらに好ましくは7~25質量部である。
(微粒子)
アクリル系粘着剤は、微粒子を含有してもよい。微粒子を含有させることで、粘着力を向上させることができる。
微粒子としては、ガラスバルーン、シラスバルーン、及びフライアッシュバルーン等の無機質中空粒子、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリル-塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、及びフェノール樹脂等からなる有機質中空粒子、ガラスビーズ、シリカビーズ、及び合成雲母等の無機質微粒子、ポリアクリル酸エチル、ポリウレタン、ポリエチレン、及びポリプロピレン等の有機質微粒子が挙げられる。
アクリル系粘着剤における微粒子の含有量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位100質量部に対して、好ましくは0.1~15質量部、より好ましくは0.3~10質量部、さらに好ましくは0.5~5質量部である。
(その他の成分)
粘着剤層に用いるアクリル系粘着剤は、前述した成分以外にも、可塑剤、軟化剤、顔料、染料、分散剤、光重合開始剤、難燃剤等の粘着剤に従来使用されている各種の添加剤を含有してもよい。
(ゴム系粘着剤)
ゴム系粘着剤は、ゴム成分と、粘着付与樹脂を含有するものであり、ゴム成分としては、スチレン-イソプレンブロック共重合体を使用することが好ましい。スチレン-イソプレンブロック共重合体は、ジブロック率が好ましくは25~70質量%、より好ましくは30~65質量%、さらに好ましくは45~60重量%である。ここでジブロックとは、スチレンとイソプレンとからなるジブロックのことをいう。ジブロック率を上記の範囲とすることにより、粘着力を高めやすくなる。なお、スチレン-イソプレンブロック共重合体は、ジブロック以外にも、スチレン、イソプレン、スチレンブロックからなるトリブロックなどブロックを3つ以上有するものも含有する。
スチレン-イソプレンブロック共重合体におけるスチレン量は、特に限定されないが、14~24質量%であることが好ましく、より好ましくは15~18質量%である。スチレン量が14質量%以上であると、凝集性の高い粘着剤となりやすくなる。また、24質量%以下とすると、凝集力が適度な大きさとなり粘着力を発現しやすくなる。
スチレン-イソプレンブロック共重合体の分子量は、特に限定されないが、質量平均分子量で100,000~400,000が好ましく、150,000~250,000がより好ましい。なお、ここでいう質量平均分子量とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法によりポリスチレン換算分子量として測定されるものをいう。
ゴム系粘着剤に使用される粘着付与樹脂は、各種の粘着付与樹脂が使用可能であるが、好ましくは石油系樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂を使用する。粘着付与樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよいが、石油系樹脂と、テルペン樹脂及びクマロン樹脂から選択される少なくとも1種とを併用することが好ましい。このような粘着付与樹脂の組み合わせにより粘着力を良好にしやすくなる。
石油系樹脂としては、脂肪族系石油樹脂(C5系石油樹脂)、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂等が挙げられ、スチレン-イソプレンブロック共重合体との相溶性の観点から脂肪族系石油樹脂が好ましい。また、石油系樹脂は、軟化点が90~120℃程度のものを使用することが好ましい。
また、テルペン樹脂としては、軟化点が80~120℃程度のものが使用可能であるが、粘着力確保の観点から100℃未満のものが好ましい。また、クマロン樹脂としては、凝集力確保のために、軟化点が好ましくは110~130℃、より好ましくは115~125℃のものを使用する。
粘着付与樹脂はゴム成分100質量部に対して60~250質量部が好ましく、100~200質量部がより好ましく、110~180質量部がさらに好ましい。粘着付与樹脂の配合量を上記範囲内とすることで、凝集力を良好にして適度な粘着力を付与できるようになる。
また、石油系樹脂と、テルペン樹脂及びクマロン樹脂から選択される少なくとも1種とを併用する場合、石油系樹脂は、ゴム成分100質量部に対して、50~200質量部が好ましく、60~150質量部が好ましく、60~110質量部がより好ましい。一方で、テルペン樹脂は、ゴム成分100質量部に対して、10~70質量部が好ましく、20~60質量部がより好ましく、30~50質量部がさらに好ましい。さらに、クマロン樹脂は、ゴム成分100質量部に対して、10~60質量部が好ましく、15~50質量部がより好ましく、20~40質量部がさらに好ましい。
ゴム系粘着剤は、アクリル系粘着剤と同様に、上記した微粒子を含有してもよく、また、ゴム系粘着剤は、必要に応じて、犠牲防食用金属、導電性材料、軟化剤、酸化防止剤、充填剤等を含有してもよい。
(ウレタン系粘着剤)
ウレタン系粘着剤は特に限定されず、例えば、少なくともポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるウレタン樹脂等が挙げられる。上記ポリオールとして、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等が挙げられる。上記ポリイソシアネート化合物として、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。これらのウレタン粘着剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、ウレタン系粘着剤としては、ポリウレタンポリオールと多官能イソシアネート系硬化剤とを反応させて得られるウレタン樹脂を使用してもよい。ポリウレタンポリオールは、上記したポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応したもの、又はポリオールとポリイソシアネート化合物とジアミンなどの鎖延長剤とを反応させたものが挙げられる。多官能イソシアネート系硬化剤としては、2以上のイソシアネート基を有する化合物であればよく、上記したイソシアネート化合物を使用可能である。
ウレタン系粘着剤は、ウレタン樹脂に加えて、上記した微粒子を含有してもよく、また、必要に応じて、粘着付与樹脂、犠牲防食用金属、導電性材料、軟化剤、酸化防止剤、充填剤等を含有してもよい。
(シリコーン系粘着剤)
シリコーン系粘着剤としては、例えば、付加反応型、過酸化物硬化型又は縮合反応型のシリコーン系粘着剤等が挙げられる。中でも、低温短時間で硬化可能という観点から、付加反応型シリコーン系粘着剤が好ましく用いられる。なお、付加反応型シリコーン系粘着剤は粘着剤層の形成時に硬化するものである。シリコーン系粘着剤として、付加反応型シリコーン系粘着剤を用いる場合、上記シリコーン系粘着剤は白金触媒等の触媒を含んでいてもよい。
また、シリコーン系粘着剤は、微粒子を含有してもよく、また、架橋剤、粘着力を制御するための各種添加剤を加えたりしてもよい。
(鉄よりも電位が卑な金属)
粘着剤層は、鉄よりも電位が卑な金属を含有することが好ましい。鉄よりも電位が卑な金属(以下、「犠牲防食用金属」ともいう)を含有することにより、鉄に対する犠牲防食性が付与され、粘着テープの防食性が高まる。該犠牲防食用金属は、粘着剤層を構成する粘着剤中で分散している。
犠牲防食用金属としては、カドミウム、クロム、亜鉛、マンガン、アルミニウムなどが挙げられ、これらの中では亜鉛、アルミニウムが好ましく、特に亜鉛が好ましい。亜鉛を使用することで犠牲防食性が優れたものとなる。
犠牲防食用金属は、粒子形状、鱗片形状、紡錘形状等、フィラーとしていかなる形態で粘着剤に分散されていてもよいが、好ましくは粒子形状であることが好ましい。犠牲防食用金属は、粒子形状とすることで、粘着剤層の粘着性を殆ど低下させることなく、粘着剤層中に分散されやすくなる。
本明細書において、粒子形状とは、短軸方向の長さに対する長軸方向の長さの比(アスペクト比)が小さいものであり、例えば、アスペクト比が3以下、好ましくは2以下である。粒子形状は、特に限定されないが、球形であってもよいし、粉体等の不定形のものであってもよい。粒子形状の上記金属は、その粒径が例えば1~500μm、好ましくは1~200μmである。なお、本明細書において粒径とは、レーザー回折法により測定した平均粒径を意味する。
粘着剤層が犠牲防食用金属を含有する場合、犠牲防食用金属の粘着剤層中の含有量は、粘着剤層全量基準で、例えば0.5~30質量%であり、好ましくは1~20質量%であり、より好ましくは2~15質量%である。犠牲防食用金属の含有量がこれら下限値以上であると、犠牲防食性が高まることにより防食性能が向上する。また、これら上限値以下であると粘着力が高くなり、さらに粘着テープの透明性を担保することができる。
粘着剤層は、犠牲防食用金属を含有しない態様も好ましい。犠牲防食金属を含有しない場合は、含有する場合と比較して、粘着テープの粘着力を高く維持することで、被着体から剥がれ難くなり、これにより水や酸素を遮断して、防食性が向上しやすくなる。また、粘着テープの透明性を担保することができる。
(導電性材料)
粘着剤層は、上記犠牲防食用金属以外の導電性材料を含有してもよい。粘着剤層は、犠牲防食用金属を含有する場合や、後述する金属層が粘着テープに設けられた場合に、導電性材料を含有することが好ましい。導電性材料を含有させると、犠牲防食用金属がイオン化した際に放出する電子を被着体に移動させやすくなり、犠牲防食性が向上しやすくなる。
導電性材料としては、カーボン系材料、金属系材料、金属酸化物系材料、イオン性ポリマー及び導電性高分子から選択される1種または2種以上が挙げられる。
カーボン系材料としては、カーボンブラック、黒鉛、グラフェン、カーボンナノチューブ、アセチレンブラックなどが挙げられる。金属系材料としては、金、銀、銅、ニッケル、又はこれらを含む合金など、鉄よりも電位が貴な金属、又は鉄などが挙げられる。金属酸化物系材料としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、三酸化アンチモン(ATO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化亜鉛などが挙げられる。導電性高分子としては、ポリアセチレン、ポリピロール、PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)、PEDOT/PSS(ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の複合物)、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリ(p-フェニレン)、ポリフルオレン、ポリカルバゾール、ポリシランまたはこれらの誘導体等が挙げられる。イオン性ポリマーとしては、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウムなどが挙げられる。
導電性材料は、これらを1種単独で使用してもよいが、2種以上を併用してもよい。
上記の中でも導電性材料としては、カーボン系材料が好ましく、カーボンナノチューブがより好ましい。
(カーボンナノチューブ)
粘着剤層は、上記の通り導電性材料としてカーボンナノチューブを含有することが好ましい。カーボンナノチューブを含有することで、粘着剤層の犠牲防食性が向上し、かつ粘着力、透明性を高く維持できるため、高い粘着力と犠牲防食性と高い透明性が鼎立した粘着テープを得やすくなる。これは、カーボンナノチューブは導電性材料であるが、他の種類の導電性材料と比較し、一定の犠牲防食性を発現させるために要する量が少ないため、粘着力の低下の度合いが小さいためと推察される。
カーボンナノチューブは、炭素から形成されるチューブ状の材料である。カーボンナノチューブは電気的特性に優れており、樹脂などと複合化すると、導電性の高いシートなどを形成できる。カーボンナノチューブは、六角網目状の炭素原子配列のグラファイトシートが円筒状に巻かれた構造を有する物質であり、一層に巻いたものをシングルウオールカーボンナノチューブ、多層に巻いたものをマルチウオールカーボンナノチューブという。
カーボンナノチューブの種類は特に限定されず、シングルウオールカーボンナノチューブ、マルチウオールカーボンナノチューブ、及びこれらを任意の割合で含む混合物のいずれでもよい。また、アーク放電法、レーザー蒸発法、化学気相成長法(CVD法)等の各種方法により製造されたカーボンナノチューブを用いることができる。
カーボンナノチューブの平均直径は好ましくは1~100nmであり、より好ましくは2~15nmである。カーボンナノチューブの平均長さは好ましくは0.1~1000μmであり、より好ましくは10~500μmである。カーボンナノチューブのアスペクト比(平均長さ/平均直径)は、好ましくは10~100000であり、より好ましくは500~30000である。
なお、カーボンナノチューブの直径とは、シングルウオールカーボンナノチューブの場合には外径を示し、マルチウオールカーボンナノチューブの場合には最も外側に位置するチューブの外径を意味する。カーボンナノチューブの直径、及び長さは、例えばTEM(透過型電子顕微鏡)による観察によって得られた画像において測定すればよく、平均直径、及び平均長さとは、任意の50個の算術平均により求めるとよい。
粘着剤層の犠牲防食性、粘着力、及び粘着テープの透明性の観点から、粘着剤層における導電性材料の含有量は、粘着剤層全量基準で、好ましくは0.001~10質量%、より好ましくは0.002~5質量%、さらに好ましくは0.003~3質量%である。
導電性材料がカーボンナノチューブである場合、カーボンナノチューブの粘着剤層中の含有量は、粘着剤層全量基準で、好ましくは0.0005~0.7質量%、より好ましくは0.002~0.05質量%、さらに好ましくは0.003~0.045質量%である。
カーボンナノチューブの含有量がこれら下限値以上であると、犠牲防食性が高まりやすい。また、カーボンナノチューブの含有量がこれら上限値以下であると、粘着力が向上しやすくなり、さらに粘着テープの透明性を担保することができる。
(アクリル系粘着剤及び粘着剤層の製造方法)
粘着剤層は、一般的な粘着剤層の形成方法で製造できるが、以下、粘着剤がアクリル系粘着剤であり、かつ光硬化型である場合を例にアクリル系粘着剤及び粘着剤層の製造方法について詳細に説明する。
アクリル系粘着剤は、上記した重合性モノマー、及び必要に応じて用いられる犠牲防食用金属、導電性材料を含む粘着剤組成物に光を照射して、重合性モノマーを重合させることで得ることが可能である。また、粘着剤組成物は、必要に応じて上記した粘着付与樹脂、微粒子、及びその他の成分の少なくとも1種を含んでいてもよい。
より具体的に説明すると、まず、重合性モノマー、必要に応じて配合される犠牲防食用金属及び導電性材料、さらに必要に応じて配合される粘着付与樹脂、微粒子、及びその他の成分を、ガラス容器等の反応容器に投入して混合して、粘着剤組成物を得る。
次いで、粘着剤組成物中の溶存酸素を除去するために、一般に窒素ガス等の不活性ガスを供給して酸素をパージする。そして、粘着剤組成物を剥離シート上に塗布するか、又は、基材に塗布した後、光を照射し重合性モノマーを重合することにより粘着剤層を得ることができる。
前記粘着剤組成物の塗布もしくは含浸から光を照射する工程までは、不活性ガス雰囲気下、又はフィルム等により酸素が遮断された状態で行うことが好ましい。
なお、本製造方法では、各成分を混合して得た粘着剤組成物は、粘度を高くするために、剥離シート又は支持体などに塗布する前に予備重合をしてもよい。
(貯蔵弾性率)
粘着剤層は、好ましくは、23℃での貯蔵弾性率が5万~100万Paである。23℃での貯蔵弾性率が上記範囲であると、粘着剤層が外部衝撃などにより損傷した場合に、損傷部位を元に戻す力(以下、自己修復力ともいう)が強くなる。その結果、防食性能が向上し、例えば鋼材などに使用される場合には錆の発生を抑止しやすくなる。
粘着剤層の23℃での貯蔵弾性率は、自己修復力を高め、防食性能を向上させる観点から、より好ましくは20万~80万Paであり、さらに好ましくは30万~60万Paである。
貯蔵弾性率は、動的粘弾性スペクトルを測定して算出することができる。
(厚み)
粘着剤層の厚みは、50~2500μmが好ましく、60~2200μmがより好ましく、80~1500μmがさらに好ましい。厚みを上記下限値以上とすることにより、自己修復力などが高まり粘着テープの防食性を向上させることができ、また粘着力も高まりやすくなる。また、粘着剤層の厚みを上記上限値以下とすることにより、厚みに応じた防食性能の向上効果を得ることができ、また、粘着テープの透明性を優れたものとすることができる。
<粘着テープの構成>
本発明の粘着テープは、図1に示すように、粘着テープ10は、基材12と、該基材12の片面に粘着剤層11が設けられた片面粘着テープであることが好ましい。これにより、基材12によって粘着剤層11を保護することができる。
粘着テープは、粘着剤層11の表面11Aを接着面として被着体に貼付して使用される。
また、粘着テープは、図示しないが、基材と、該基材の両面に粘着剤層が設けられた両面粘着テープであってもよい。
本発明の粘着テープは、粘着剤層の表面に剥離シートが貼付されていてもよい。剥離シートは、粘着テープを使用する前に粘着剤層から剥離され、粘着剤層が露出され、露出した粘着剤層により、被着体に貼り合わされるとよい。より具体的には、粘着剤層の面のうち、基材あるいは金属層13が設けられている面とは反対側の面、すなわち表面11Aに剥離シートが貼付されるとよい。
剥離シートとしては、樹脂フィルムを使用するとよいが、粘着剤層との貼り合わせ面がシリコーン剥離剤などにより剥離処理された剥離処理面であることが好ましい。
なお、剥離シートが貼付される場合、粘着テープの全光線透過率、引張破断伸度、引張荷重の差などの各種物性は、剥離シートを剥がしてから測定したものを採用するものとする。
<用途、使用方法>
本発明の粘着テープは、コンクリート構造体の表面、又は錆部を有する構造体の表面に対して貼付して使用される。本発明の粘着テープは、追従性及び透明性に優れるとともに、耐候性にも優れる。本発明の粘着テープは、以上の特性を有するため、屋外に設置されたコンクリート構造体又は錆部を有する構造体に対して長期使用する用途に適している。また、本発明の粘着テープは、金属材料などの腐食を防ぐ防食用に使用されることも好ましい。
より具体的には、本発明の粘着テープは、上記した構造体の腐食箇所、損傷箇所にテープを貼り付けることで、腐食や損傷の進行、或いは損傷箇所からの構造体の腐食などを抑制できる。また、本発明の粘着テープは、透明性に優れることから、貼付後も、腐食又は損傷箇所における腐食又は損傷の進行状況や、腐食又は損傷箇所に対するテープの追従性をテープ上から視認することが可能である。そのため、テープが貼付された箇所の腐食又は損傷状況を確認したり、腐食又は損傷の進行状況に応じた補修措置ができたりするなど、適切な予防保全措置をとることが可能である。
コンクリート構造体としては、例えば、高架橋、トンネル、堤防、ビル等の建築物、港湾内の係留施設、電柱、ダムなどが挙げられる。コンクリート構造体は、内部に鋼材などの金属材料が設けられたものでもよい。コンクリート構造体は、例えばヒビ割れなどの損傷箇所があると、その損傷箇所から浸水などして内部の鋼材などが腐食されることがあるが、その損傷箇所に本発明の粘着テープを貼付することで浸水などを防止して、内部の鋼材などの腐食を防止できる。
また、錆部を有する構造体としては、錆びた部分を有する構造体であれば特に限定されない。例えば、鉄橋、タンク、プラント、工場内の機械設備、看板、道路標識、ガードレール、コンテナ、送電設備、水道管、船舶などの各種金属材料からなる構造体が挙げられる。金属材料としては好ましくは、鉄、及び鉄を含む合金からなる群から選択される少なくとも1種を含有する金属材料である。鉄を含む合金としては、具体的には、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、クロム鋼、クロムモリブデン鋼、マンガン鋼などの合金鋼、炭素鋼などの各種の鋼材が挙げられる。また、粘着テープは、錆部を有する構造体に対しては、構造体の錆がある表面に貼付されるとよい。なお、錆は、金属の腐食部分であり、鉄等による赤錆又は茶錆に限らず、青錆、黒錆、白錆等の種々の錆がある。
本発明の粘着テープは、貼付面に錆進行防止剤又はプライマーを塗布してから、貼り付けてもよい。本発明で使用できる錆進行防止剤は、特に限定されないが、錆の原因物質である水分と塩分を吸着する吸着作用を有するもの、赤錆から黒錆に転換する錆転換剤が挙げられる。これらの錆進行防止剤は、錆を有する構造体に貼り付ける際に、テープの貼付面に塗布することで、腐食の進行防止の効果を高めやすくなる。一方で、プライマーとしては、耐アルカリ性の性質を有するものを使用することが好ましい。耐アルカリ性の性質を有するプライマーは、コンクリート構造体に貼り付ける前に、テープの貼付面に塗布することで、腐食の進行防止の効果を高めやすくなる。錆進行防止剤及びプライマーはいずれも、公知のものを使用することができ、貼付面を視認できる観点から透明性を有するものが好ましい。
以下、実施例を用いて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[評価方法]
実施例、比較例では、粘着テープを以下の評価方法により評価した。
<全光線透過率(500h)>
各実施例及び比較例で得られた粘着テープを、幅50mm、長さ30mmに加工して測定サンプルとし、全光線透過率(初期の全光線透過率)を測定した。
また、別途同様に作製した測定サンプルを用いて、JIS K5600-7-7のサイクルAに基づいて、促進耐候性の試験を行った。試験は500時間行った。そして、促進耐候性の試験後の測定サンプルについて、全光線透過率(試験後の全光線透過率)を測定した。全光線透過率は、JIS K7361-1に準拠して測定した。具体的には、ヘーズメーター(日本電色工業社製のHaze Meter NDH4000)を用いて、23℃、湿度50%雰囲気下で測定した。
<全光線透過率(1000h)>
促進耐候性の試験を1000時間行った以外は、全光線透過率(500h)と同様の手順で、測定を行った。
<全光線透過率(2000h)>
促進耐候性の試験を2000時間行った以外は、全光線透過率(500h)と同様の手順で、測定を行った。
促進耐候性の試験後の全光線透過率について、以下の評価基準に基づき、それぞれ評価を実施した。
◎:促進耐候性の試験を500時間実施した後、1000時間実施した後、及び2000時間実施した後のいずれにおいても、全光線透過率が50%以上であった。
〇:促進耐候性の試験を1000時間実施した後、及び2000時間実施した後の少なくともいずれかにおいて、全光線透過率が50%未満であったが、同試験を500時間実施した後の全光線透過率は50%以上であった。
×:促進耐候性の試験を500時間実施した後、1000時間実施した後、及び2000時間実施した後のいずれにおいても、全光線透過率が50%未満であった。
<引張荷重の差>
各実施例及び比較例で得られた粘着テープを、それぞれ、引張試験機を使用して、2.5%引っ張った場合の引張荷重と、0.5%引っ張った場合の引張荷重とをそれぞれ測定し、両者の差を算出した。なお、該測定はいずれも、MD方向とTD方向のそれぞれの方向について行い、粘着テープを2.5%引っ張った場合の引張荷重と、粘着テープを0.5%引っ張った場合の引張荷重との差を方向ごとに算出した。算出したMD方向とTD方向の引張荷重の差のうち、値が大きい方を引張荷重の差とした。
<引張破断点伸度>
各実施例及び比較例で得られた粘着テープを、それぞれ、引張試験機(株式会社エー・アンド・デイ製「テンシロン万能材料試験機」)を使用して、MD方向とTD方向のそれぞれの方向の引張り試験を行い、以下の式より引張破断点伸度を算出した。
引張破断点伸度(%)=(L-L)/L×100
ここで、Lは破断時の試料の長さであり、Lは引張試験前の試料の長さである。また、基材又は粘着剤層のどちらか先に破断した方の測定値を引張破断点伸度として採用した。採用したMD方向とTD方向の引張破断点伸度のうち、値が小さい方を粘着テープの引張破断点伸度とした。
なお、引張荷重の測定及び引張破断点伸度の測定時の条件は以下の通りであった。また、上記引張試験はいずれも、23℃、50RH%の環境下でそれぞれ実施した。
基材の寸法及び形状:幅24mm×長さ80mmの短冊状
チャック間距離:50mm
引張速度:300mm/min
<上塗り密着性>
JIS K5659:2018に準拠したフッ素系上塗り塗料(大日本塗料株式会社製、商品名「Vフロン#100Hスマイル上塗IG」)を、乾燥後の厚みが25μmとなるよう上塗りし、23℃で16時間乾燥して得られた測定サンプルについて、JIS K5600-5-6に準拠した碁盤目試験を実施した場合における、上塗り密着性を評価し、剥離した格子の数を記録した。
なお、該碁盤目試験において、格子の寸法及び数は、それぞれ、2mm×2mm、25個とした。
<上塗塗装の評価>
縦70mm×横150mmの大きさの一般構造用圧延鋼材(SS400)を用意した。そして、図3に示すとおりに、各実施例及び比較例の粘着テープ(幅60mm、長さ140mm)10を圧延鋼材30に貼り付けた。刷毛を使用して上塗り塗料(大日本塗料株式会社製、商品名「Vフロン#100Hスマイル上塗」)40で、粘着テープ10を貼り付けた圧延鋼材30を塗装した。圧延鋼材30に塗装した上塗り塗料40を24時間乾燥させた後、粘着テープ10のシワの発生状況を目視で観察した。
○・・粘着テープにシワがなく、かつ、上記碁盤目試験を実施した場合において、剥離した格子が2個以下であった。
×・・粘着テープにシワがあったか、上記碁盤目試験を実施した場合において、剥離した格子が2個を超えていた。
<耐溶剤性>
1.試料の作製
試料を60mm角にカットした。カットした試料の対角線の長さを測定した。この対角線の長さを対角線Aとした。
2.耐溶剤性の測定
上記1.で得た試料をキシレン中に5分間浸漬させた。浸漬後の試料の対角線の長さを測定した。この対角線の長さを対角線Bとした。
以上のようにして得られた2種類の対角線の長さにより、該テープの基材の寸法変化率を算出した。寸法変化率を求める式は以下の通りであった。
寸法変化率(%)=(対角線B-対角線A)/対角線A×100
<エルメンドルフ引裂強度>
試料にスリットを入れずに測定した点を除いて、JIS K7128-2(1998)に準拠したエルメンドルフ引裂法と同様な方法により測定した。測定は、MD及びTDの両方について行い、値が小さい方を、基材のエルメンドルフ引裂強度(N)とした。
<23℃での貯蔵弾性率>
粘着テープの粘着層の23℃での貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御株式会社社製、商品名「DVA-200」)を用いて、せん断モード:10Hz、歪み量:0.1%、温度範囲:-100℃~100℃、昇温速度:10℃/minの条件下で、動的粘弾性スペクトルを測定して算出した。
<粘着力(500h)>
1.サンプルの作製
各実施例及び比較例で得られた粘着テープを幅25mm、長さ100mmにカットした後、粘着剤層を介してSUS板(幅50mm、長さ125mm)と貼り合わせて、測定サンプルとした。SUS板への貼り合わせは、2kgのローラーを10±0.5mm/sの速度で2往復させて実施した。該測定サンプルを用いて、初期の粘着力(試験前の粘着力)を測定した。
また、別途同様に作製した測定サンプルを用いて、JIS K5600-7-7のサイクルAに基づいて、促進耐候性の試験を行った。試験は500時間行った。そして、促進耐候性の試験後の測定サンプルについて、粘着力(試験後の粘着力)を測定した。
2.測定方法
粘着力の測定は、試験前及び試験後のそれぞれの測定サンプルを用いて、以下のとおり、剥離試験を行った。
各測定サンプルを引張試験機(株式会社エー・アンド・デイ製「テンシロン万能材料試験機」)のチャックに固定した。その後、23℃、50RH%の環境下で、粘着テープを剥離角度180°、速度300mm/分で60mm以上引っ張り、ロードセルにより検出された荷重(N)の区間平均値を記録して、これを粘着力とした。
<粘着力(1000h)>
促進耐候性の試験を1000時間行った以外は、粘着力(500h)と同様の手順で、測定を行った。
<粘着力(2000h)>
促進耐候性の試験を2000時間行った以外は、粘着力(500h)と同様の手順で、測定を行った。
促進耐候性の試験後の粘着力について、以下の評価基準に基づき、それぞれ評価を実施した。
◎:促進耐候性の試験を500時間実施した後、1000時間実施した後、及び2000時間実施した後のいずれにおいても、粘着力が20N/25mm以上であった。
〇:促進耐候性の試験を500時間実施した後、及び1000時間実施した後の両方において、粘着力が20N/25mm以上であったものの、同試験を2000時間実施した後においては、粘着力が20N/25mm未満であったか、基材破断により測定不可であった。
×:促進耐候性の試験を2000時間実施した後において、粘着力が20N/25mm未満であったか、基材破断により測定不可であった。さらに、促進耐候性の試験を500時間実施した後、及び1000時間実施した後の少なくともいずれかにおいても、同様の結果となった。
<光沢保持率(500h)>
1.測定方法
各実施例及び比較例で得られた粘着テープ(幅25mm、長さ100mm)を貼り付けて、該テープの表面に対し、基材側からヘーズメーター(株式会社堀場製作所製、製品名:「IG-340」)を用いて照射し、基材のヘーズを測定した。ヘーズの測定は、JIS K 5600-4-7に準拠して幾何条件60°のヘーズメーターを用いて測定した。このときの測定で得られたヘーズをヘーズAとする。その後、該テープを鋼板SS400(TP技研株式会社製、150mm×70mm)全面に貼り付けて、JIS K 5600-7-7におけるサイクルAに準拠した促進耐候性試験を500時間実施した。促進耐候性試験を実施した後、該試験実施前に行ったのと同様の方法により、該テープの基材のヘーズを測定した。試験後における測定で得られたヘーズをヘーズBとする。
以上のようにして得られた2種類のヘーズにより、該テープの光沢保持率を算出した。光沢保持率を求める式は以下の通りである。
光沢保持率(%)=(ヘーズB/ヘーズA)×100
<光沢保持率(1000h)>
促進耐候性試験を1000時間行った以外は、光沢保持率(500h)と同様の手順で、測定を行った。
<光沢保持率(2000h)>
促進耐候性試験を2000時間行った以外は、光沢保持率(500h)と同様の手順で、測定を行った。
上記算出方法により算出した光沢保持率について、以下の評価基準に基づき、それぞれ評価を実施した。
◎:促進耐候性の試験を500時間実施した後、1000時間実施した後、及び2000時間実施した後のいずれにおいても、光沢保持率が80%以上であった。
〇:促進耐候性の試験を500時間実施した後、及び1000時間実施した後における光沢保持率は80%以上であったが、同試験を2000時間実施した後における光沢保持率は80%未満であった。
×:少なくとも、促進耐候性の試験を1000時間実施した後、及び2000時間実施した後における光沢保持率が80%未満であった。
<耐候性総合評価>
JIS K5600-7-7のサイクルAに基づいて、促進耐候性の試験を行った後の粘着テープの粘着力及び全光線透過率の評価結果に基づき、耐候性の総合評価を行った。評価基準は以下の通りである。
◎:粘着力、全光線透過率、及び光沢保持率の評価結果のうち、少なくとも全光線透過率の評価が「◎」で、かつ「×」が1つもなかった。
〇:粘着力、全光線透過率、及び光沢保持率の評価結果のうち、全光線透過率の評価が「◎」ではなかったが、「×」が1つもなかった。
×:粘着力、全光線透過率、及び光沢保持率の評価結果のうち、「×」が1つ以上あった。
<追従性に関する実用評価>
以下1.~4.に示す手順により、追従性の評価を行った。
1.図2に示すように、JIS K 5600-7-7におけるサイクルAに準拠した促進耐候性の試験を行う前の粘着テープ10を、L字型のSUS板20の被着面20Aに、角からの高さh及び幅tが2mmとなるように貼り付けた。
2.粘着テープ10のうち、L字型のSUS板20に被着していない部分にスキージーを押し当てた。
3.上記2.の押し当て後、浮き部分の高さhを測定するとともに、粘着テープ10の裂けの発生の有無を目視により確認した。
4.上記3.で得られた高さhの測定値に基づき、以下の基準により、粘着テープ10の追従性を評価した。
◎:高さhが0mmとなり、かつ粘着テープ10に裂けが発生しなかった。
〇:粘着テープ10に裂けが発生したが、高さhが2mm未満であった。或いは、高さhが2mmであったが、粘着テープ10に裂けが発生しせず、一定の追従性を有していた。
×:高さhが2mmであり、かつ粘着テープ10に裂けが発生し、SUS板に全く追従しなかった。
<剥がれに関する実用評価>
SUS板(幅50mm、長さ125mm)に、各実施例及び比較例の粘着テープ(幅25mm、長さ100mm)を貼り付けて、23℃にて3日間養生させて剥がれ評価用試料を作製した。剥がれ評価用試料における粘着テープの斜め上方の噴射位置から、粘着テープの長手方向端部側面に向けて水圧8MPaの条件で水を5分間噴射した。なお、水を噴射する位置(噴射位置)は、噴射位置と粘着テープ端部の中央部分を結んだ線とSUS板との角度が30°となる位置であり、かつ粘着テープ端部の中央部分から水平方向に5cm離れた点の直上となる位置とした。
水噴射後の粘着テープの剥がれた距離を測定し、以下の基準で評価した。
◎・・剥がれた距離が0mm以上15mm未満
〇・・剥がれた距離が15mm以上20mm未満
×・・剥がれた距離が20mm以上
<総合評価>
耐候性総合評価、追従性評価、及び剥がれに関する実用評価の結果を基に、粘着テープの総合評価について、以下の基準で評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:耐候性総合評価、追従性評価、及び剥がれに関する実用評価の結果がすべて「◎」であり、かつ上塗り塗装に関する実用評価の結果が「〇」であった。
〇:耐候性総合評価、追従性評価、及び剥がれに関する実用評価の結果は、いずれも「〇」以上であった。
×:耐候性総合評価、追従性評価、及び剥がれに関する実用評価の結果のうち、「×」が1つ以上であった。
[使用材料]
各実施例及び比較例においては、以下の材料を使用した。
<粘着剤層>
・2-エチルヘキシルアクリレート
・n-ブチルアクリレート
・アクリル酸
・オレフィン重合体:製品名「L-1253」、株式会社クラレ製、(メタ)アクリロイル基を片末端に有する水素化ポリブタジエン
・粘着付与樹脂1:製品名「アルコンP140」、荒川化学工業株式会社製、水添石油樹脂、軟化点140℃
・粘着付与樹脂2:製品名「アルコンP100」、荒川化学工業株式会社製、水添石油樹脂、軟化点100℃
・鉄よりも電位が卑な金属:亜鉛粒子、堺化学工業株式会社製、製品名「亜鉛末#40」、平均粒径:50μm
・導電材:カーボンナノチューブ(CNT)、JEIO社製、製品名「JENOTUBE8A」、平均直径6~9nm、平均長さ100~200μm
・分散剤:積水化学工業株式会社製、商品名「エスレックBX-L」、ポリビニルブチラール樹脂
・微粒子:製品名「セルスターZ-27」、東海工業株式会社製、ガラスバルーン
・架橋剤:製品名「TEAI-1000」、日本曹達株式会社製
・重合開始剤:2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン
<フィルム>
・フッ素系樹脂フィルム:製品名:「50NS」、AGC株式会社製
・アクリル系樹脂フィルム1:製品名「アクリプレンHBS006」、三菱ケミカル株式会社製
・アクリル系樹脂フィルム2:製品名「ソフトアクリルシート」、龍田化学株式会社製
・アクリル系樹脂フィルム3:製品名「アクリプレンMBS121E」、三菱ケミカル株式会社製
・ポリオレフィン系樹脂フィルム:製品名「ピュアロンCP-WGF」、住化積水フィルム株式会社製
・PETフィルム
・ポリ塩化ビニル樹脂フィルム:製品名「00C040M」、日本カーバイド工業株式会社製
[実施例1~11、比較例1~4]
表1~3に記載の配合にしたがって、粘着剤組成物を調製した。なお、表1~3における「部」は、「質量部」を意味する。この粘着剤組成物に窒素をパージして溶存酸素を除去した。次いで、剥離シートの剥離処理面上に粘着剤層の厚さと同じ厚みのスペーサーを設置し、粘着剤組成物を剥離シートの剥離処理面上に塗布した。次いで、塗布した粘着剤組成物の上に、剥離処理面が粘着剤組成物に接するように、別の剥離シートを被覆した。なお、剥離シートとしては、シリコーン離型処理されたPETフィルム(厚み50μm)を使用した。
この状態で被覆側の剥離シートにおける紫外線照射強度が5mW/cmとなるようにケミカルランプのランプ強度を調整し、一方の側から15分間紫外線を照射し、粘着剤層単体からなり、両面に剥離シートが貼付された粘着剤層を得た。
そして、一方の剥離シートを剥がしたうえで、上記の方法により得られた粘着剤層に、表1~3に記載のフィルム(基材)を貼り合わせて、粘着テープを得た。粘着テープは、各種物性又は評価を実施する前にもう一方の剥離シートも剥がした。
以上の実施例から明らかなように、本発明の要件を満たす粘着テープは、追従性及び透明性に優れているだけでなく、耐候性試験実施後においても、追従性及び透明性に優れ、かつ粘着力も損なわれていないことがわかる。
これに対し、比較例1で作製した粘着テープは、引張荷重差が大きい一方で引張破断点伸度が小さく、追従性評価において粘着テープの浮きが発生したため、優れた追従性を得ることができなかった。また、比較例3で作製した粘着テープは、耐候性試験実施後における全光線透過率が低かったため、優れた透明性を得ることができなかった。さらに、比較例2及び4で作製した粘着テープは、耐候性試験を500時間実施した後の粘着力測定において実施した剥離試験の結果、基材が破断したため、優れた耐候性を得ることができなかった。
10 粘着テープ
11 粘着剤層
12 基材
13 金属層
20 L字型SUS板
20A 被着面
30 一般構造用圧延鋼材
40 上塗り塗料
h 高さ
t 幅

Claims (17)

  1. 基材と、前記基材の少なくとも片面に設けられる粘着剤層とを備える粘着テープであって、
    前記粘着テープは、2.5%伸長した時の引張荷重と、0.5%伸長した時の引張荷重との差が1.3N/mm以下であり、かつ引張破断点伸度が100%以上であり、
    JIS K5600-7-7におけるサイクルAに準拠した促進耐候性試験を500時間実施した後において、前記粘着テープの全光線透過率が50%以上であり、かつ前記促進耐候性試験を500時間実施した後に行う剥離試験において前記基材が破断せず、前記粘着剤層の粘着力が20N/25mm以上である、コンクリート構造体用又は錆部を有する構造体用の粘着テープ。
  2. JIS K7128-2(1998)に準拠したエルメンドルフ引裂法においてスリットを入れずに測定した前記基材のエルメンドルフ引裂強度が1.7N以上である、請求項1に記載の粘着テープ。
  3. 前記基材上にJIS K5659:2018に準拠したフッ素系上塗り塗料を、25μmの厚みとなるよう上塗りし、23℃で16時間乾燥して得られた測定サンプルについて、JIS K5600-5-6に準拠した碁盤目試験を実施した場合において、どの格子の目も剥がれがない、請求項1又は2に記載の粘着テープ。
  4. 前記基材をキシレンに5分間浸漬した後の前記基材の寸法変化率が3%以下である、請求項1又は2に記載の粘着テープ。
  5. 前記促進耐候性試験を500時間実施した後における、前記基材の光沢保持率が80%以上である、請求項1又は2に記載の粘着テープ。
  6. 前記基材が、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル系樹脂、及びフッ素系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載の粘着テープ。
  7. 前記基材の厚みが20~300μmである、請求項1又は2に記載の粘着テープ。
  8. 前記粘着剤層の厚みが50~2500μmである、請求項1又は2に記載の粘着テープ。
  9. 前記粘着剤層が光硬化性樹脂により形成されている、請求項1又は2に記載の粘着テープ。
  10. 前記粘着剤層がアクリル系粘着剤により形成されている、請求項1又は2に記載の粘着テープ。
  11. 前記粘着剤層の、23℃における貯蔵弾性率が5万~100万Paである、請求項1又は2に記載の粘着テープ。
  12. 前記粘着剤層が、鉄よりも電位が卑な金属を含有する、請求項1又は2に記載の粘着テープ。
  13. 鉄よりも電位が卑な金属が亜鉛である、請求項12に記載の粘着テープ。
  14. 前記粘着剤層が、鉄よりも電位が卑な金属以外の導電性材料を含有する、請求項1又は2に記載の粘着テープ。
  15. 前記導電性材料がカーボンナノチューブである、請求項14に記載の粘着テープ。
  16. 請求項1又は2に記載の粘着テープを、コンクリート構造体又は錆部を有する構造体の表面に貼り付ける、粘着テープの使用方法。
  17. 前記粘着テープの貼付面に錆進行防止剤又はプライマーを塗布してから、前記粘着テープを貼り付ける、請求項16に記載の粘着テープの使用方法。
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