JP2018053212A - 粘着フィルム - Google Patents
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2個の(メタ)アクリロイル基を有する2官能ウレタンアクリレートと、
1個以上の(メタ)アクリロイル基及びオキシアルキレン基を有するオキシアルキレン基含有モノマーと、を含む。
オキシアルキレン基含有モノマーは2官能ウレタンアクリレートとは異なる化合物であってもよい。あるいは、2官能ウレタンアクリレートがオキシアルキレン基を有する化合物を含んでいてもよい。硬化性組成物が2官能ウレタンアクリレート以外の化合物としてオキシアルキレン基含有アクリルモノマーを含有する場合、2官能ウレタンアクリレートが、オキシアルキレン基を有する化合物(オキシアルキレン基含有アクリルモノマー)を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。2官能ウレタンアクリレートがオキシアルキレン基を有する化合物(オキシアルキレン基含有アクリルモノマー)を含む場合、硬化性組成物は2官能ウレタンアクリレート以外の化合物としてオキシアルキレン基含有アクリルモノマーを含有していてもよいし、含有していなくてもよい。
粘着層12は、適切な密着性での貼付及びその後の微弱な力での剥離を可能にする微粘着性を有する。具体的には、粘着層12のガラス板に対する粘着力が0.005N/25mm以上1N/25mm以下、0.01N/25mm以上0.2N/25mm以下、0.01N/25mm以上0.1N/25mm以下であってもよい。粘着力が小さすぎると、使用中に剥れ等の問題が発生し易くなる傾向がある。粘着力が過度に大きいと、剥離時に粘着層の成分が被着体(表示装置の基板等)に転写されて異物として残る可能性がある。
(1)直径2mmのステンレス製円柱の先端を、粘着層の表面に45°の角度で所定の荷重で押し当てながら、0.3m/分の速度で20mmの距離を移動させる。
(2)その後、硬化膜の表面の樹脂屑の有無を目視にて確認する。
(3)荷重を段階的に増加させながら(1)、(2)の試験を行い、樹脂屑が確認されなかった荷重の最大値を記録する。
以下各成分の詳細について説明する。
2官能ウレタンアクリレートは、2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基(CHR=C(=O)O−、Rは水素原子又はメチル基)及びウレタン基(−NHC(=O)O−)を有する。2官能ウレタンアクリレートは、一般に、ジオールとジイソシアネートとの重縮合反応生成物であるポリウレタン鎖と、ポリウレタン鎖の両末端にそれぞれ結合した(メタ)アクリロイル基とを有する。2官能ウレタンアクリレートは、主として、樹脂屑発生の抑制に寄与すると考えられる。
オキシアルキレン基含有アクリルモノマーは、1個以上の(メタ)アクリロイル基及びオキシアルキレン基を有する。硬化性組成物は、1種又は2種以上のオキシアルキレン基含有アクリルモノマーを含有し得る。このオキシアルキレン基含有アクリルモノマーは、2官能ウレタンアクリレート、単官能アクリルモノマー及び多官能アクリルモノマーとは異なる化合物であってもよい。
単官能アクリルモノマーは、1個の(メタ)アクリロイル基(CHR=C(=O)−)を有する化合物である。単官能アクリルモノマーは、オキシアルキレン基を更に有していてもよい。単官能アクリルモノマー中のオキシアルキレン基は、後述の式(3)で表される2価の基であることができる。本明細書において、1個の(メタ)アクリロイル基及びウレタン基を有する化合物は、単官能アクリルモノマーに分類される。
で表される基である。式(1a)及び式(1b)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、炭素原子、水素原子及び酸素原子から選ばれる少なくとも1種の原子からなる1価の基を示し、R3及びR4はそれぞれ独立に、炭素原子、水素原子及び酸素原子から選ばれる少なくとも1種の原子からなる2価の基を示す。
多官能アクリルモノマーは、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する。多官能アクリルモノマーは、主に、樹脂屑発生の抑制に寄与すると考えられる。本明細書において、3個以上の(メタ)アクリロイル基と、ウレタン基とを有する化合物は、多官能アクリルモノマーに分類される。
二重結合当量=分子量/同一分子中の二重結合の数
で計算される値を意味する。多官能アクリルモノマーが分子量の異なる化合物の混合物である場合、分子量として重量平均分子量の値を用いて、二重結合当量の平均値を求めてもよい。二重結合当量の平均値が上記の数値範囲内であってもよい。
硬化性組成物は、光ラジカル重合による効率的な硬化のために、光重合開始剤を更に含有していてもよい。光重合開始剤は、活性エネルギー線の照射によってラジカル重合を開始させる化合物であれば、特に制限されない。活性エネルギー線は、紫外線、電子線、α線、β線、及びγ線を含む。光重合開始剤としては、ベンゾフェノン系、アントラキノン系、ベンゾイル系、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、オニウム塩、アシルフォスフィンオキサイド系等を使用することができる。光重合開始剤は、分子内水素引き抜き型光重合開始剤であってもよい。
硬化性組成物は、帯電防止剤を更に含有していてもよい。上述の成分から構成されるラジカル重合性成分が帯電防止剤との相溶性が良好であることから、粘着層に帯電防止機能を付与し易い。粘着フィルムが画像表示装置の製造のために用いられる場合、硬化性組成物及びこれから形成される粘着層が帯電防止剤を含有することが、静電気に起因する各種の欠陥を防ぐ上で効果的である。例えば、液晶表示装置の製作工程の大部分はガラス基板上で行われるが、ガラス基板は不導体であるため、瞬間的に発生する電荷が基板の下方に分散され難い。そのため、ガラス基板上に形成された絶縁膜、及び薄膜トランジスタ等の各種部材が静電気により損傷し得る。
硬化性組成物は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、その他の成分を更に含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、防汚剤、難燃剤、酸化防止剤、分散剤、紫外線吸収剤、顔料、可塑剤、界面活性剤、及びチクソトロピー化剤のような添加剤が挙げられる。これら添加剤は1種を使用してもよいし、又は2種類以上を併用してもよい。硬化性組成物は、光重合開始剤とともに、又は光重合開始剤に代えて、熱ラジカル重合開始剤を含有していてもよい。
基材フィルム11は、プラスチックフィルム20と、プラスチックフィルム20の片面上に形成された帯電防止層30とを有する。
セパレータ13は、特に限定されないが、ポリエステル樹脂、オレフィン樹脂、又はアクリル樹脂などの任意の樹脂を含むプラスチックフィルムであることができる。セパレータ13は、プラスチックフィルムと、その片面又は両面上に設けられた帯電防止層とを有していてもよい。この場合の帯電防止層は、基材フィルム11の帯電防止層30と同様の構成を有することができる。セパレータ13の片面又は両面に、離型処理、密着付与処理又は帯電防止処理が施されていてもよい。
末端のアクリロイルオキシ基、及びポリエチレンオキシド鎖を有する2官能ウレタンアクリレート(NKオリゴU−201PA、新中村化学)と、末端のアクリロイルオキシ基を有する2官能ポリエステルウレタンアクリレート(ヒタロイド4864HMG、日立化成)と、N,N−ジメチルアクリルアミドと、アクリロイルモルホリンと、メトキシポリエチレングリコール#400メタクリレート(式(3)中のdが2、eが9のポリオキシエチレン鎖含有、ファンクリル400M、日立化成)と、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(TMPEOTA、ダイセル・オルネクス)と、アルキルフェノン系光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、Irgagure 184、BASF)と、帯電防止剤(トリフルオロメタンスルホン酸リチウム5重量部、過塩素酸リチウム10重量部、及びポリオキシエチレングリコール−ポリオキシプロピレングリコール共重合体85重量部を含む混合物、PEL−25、日本カーリット)とを表1に示す混合比(質量部)で混合して、硬化性組成物を調製した。
金尺の角部を、粘着層に接触させながら前後させる方法により、粘着層の樹脂屑発生の状態を評価したところ、粘着層表面の削れは微弱で、削れによる樹脂屑は発生しなかった。
表面低効率、粘着力、及び樹脂屑発生の評価方法は、以下の実施例及び比較例でも同様である。
粘着層の厚さが1μmになるように硬化性組成物を基材フィルムに塗工したこと以外は、実施例1と同様にして粘着フィルムを得た。
基材フィルムの粘着層側の面の表面抵抗率は1.8×109Ω/□で、その裏側の面の表面低効率は3.3×109Ω/□であった。離型フィルム(セパレータ)の粘着層側の面の表面低効率は1.2×108Ω/□で、その裏側の面の表面低効率は4.9×108Ω/□であった。粘着層の表面低効率は3.8×109Ω/□であった。
粘着層のガラス板に対する粘着力は、剥離速度0.3m/分のときに0.005N/25mmで、剥離速度1.0m/分のときに0.006N/25mmであった。
粘着層の樹脂屑発生の状態を評価したところ、粘着層表面の削れは微弱で、削れによる樹脂屑は発生しなかった。
粘着層の厚さが200μmになるように硬化性組成物を基材フィルムに塗工したこと以外は、実施例1と同様にして粘着フィルムを得た。
基材フィルムの粘着層側の面の表面抵抗率は1.8×109Ω/□で、その裏側の面の表面低効率は3.3×109Ω/□であった。離型フィルム(セパレータ)の粘着層側の面の表面低効率は1.2×108Ω/□で、その裏側の面の表面低効率は4.9×108Ω/□であった。粘着層の表面低効率は5.9×109Ω/□であった。
粘着層のガラス板に対する粘着力は、剥離速度0.3m/分のときに0.078N/25mmで、剥離速度1.0m/分のときに0.083N/25mmであった。
粘着層の樹脂屑発生の状態を評価したところ、粘着層表面の削れは微弱で、削れによる樹脂屑は発生しなかった。
末端のアクリロイルオキシ基、及びポリエチレンオキシド鎖を有する2官能ウレタンアクリレート(NKオリゴU−201PA、新中村化学)と、末端のアクリロイルオキシ基を有する2官能ポリエステルウレタンアクリレート(ヒタロイド4864HMG、日立化成)と、イソボルニルアクリレートと、メトキシポリエチレングリコール#400メタクリレート(式(3)中のdが2、eが9のポリオキシエチレン鎖含有、ファンクリル400M、日立化成)と、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(TMPEOTA、ダイセル・オルネクス)と、アルキルフェノン系光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、Irgagure 184、BASF)と、帯電防止剤(トリフルオロメタンスルホン酸リチウム5重量部、過塩素酸リチウム10重量部、及びポリオキシエチレングリコール−ポリオキシプロピレングリコール共重合体85重量部を含む混合物、PEL−25、日本カーリット)とを表1に示す混合比(質量部)で混合して、硬化性組成物を調製した。得られた硬化性組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、粘着フィルムを作製した。
基材フィルムの粘着層側の面の表面抵抗率は1.8×109Ω/□で、その裏側の面の表面低効率は3.3×109Ω/□であった。離型フィルム(セパレータ)の粘着層側の面の表面低効率は1.2×108Ω/□で、その裏側の面の表面低効率は4.9×108Ω/□であった。粘着層の表面低効率は6.5×1010Ω/□であった。
粘着層のガラス板に対する粘着力は、剥離速度0.3m/分のときに0.035N/25mmで、剥離速度1.0m/分のときに0.047N/25mmであった。
粘着層の樹脂屑発生の状態を評価したところ、粘着層表面の削れは微弱で、削れによる樹脂屑は発生しなかった。
ウレタン系粘着剤(東洋紡株式会社、バイロンUR−6800)と、架橋剤(ポリイソシアネート、東ソー株式会社、コロネートHX)と、接着改質剤(東洋紡株式会社、添加剤A)と、触媒(ジブチル錫ラウレート、共同薬品株式会社、KS−1200A−1)と、帯電防止剤(ライオンスペシャリティケミカルズ株式会社)とを混合して、硬化性組成物を得た。
硬化性組成物を、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ75μm、東レ株式会社製、75−XD536N)及びその両面上に形成された帯電防止層を有する基材フィルムの片面に塗工し、加熱乾燥して、硬化性組成物の塗膜(厚さ100μm)を形成した。塗膜に、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(SKCハース・ディスプレイフィルムズ社製、RF02ASD)及びその両面上に形成された帯電防止層を有する離型フィルムをラミネートした。基材フィルム、塗膜及び離型フィルム(セパレータ)からなる積層フィルムを巻物状に巻き取った。巻き取られた積層フィルムを、50℃の環境下に72時間放置することで粘着層を形成させて、粘着フィルムを得た。
基材フィルムの粘着層側の面の表面抵抗率は1.8×109Ω/□で、その裏側の面の表面低効率は3.3×109Ω/□であった。離型フィルム(セパレータ)の粘着層側の面の表面低効率は1.2×108Ω/□で、その裏側の面の表面低効率は4.9×108Ω/□であった。粘着層の表面低効率は4.1×109Ω/□であった。
粘着層のガラス板に対する粘着力は、剥離速度0.3m/分のときに0.085N/25mmで、剥離速度1.0m/分のときに0.124N/25mmであった。
粘着層の樹脂屑発生の状態を評価したところ、粘着層表面が削れて樹脂屑が多く発生した。
アクリル系粘着剤(昭和電工株式会社、ビニロールELX−5580)と、架橋剤(ポリイソシアネート、旭化成ケミカルズ株式会社、デュラネート「TKA−75N」)と、アルキルフェノン系光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、Irgagure 184、BASF)とを混合して、硬化性組成物を調製した。得られた硬化性組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、粘着フィルムを作製した。
基材フィルムの粘着層側の面の表面抵抗率は1.8×109Ω/□で、その裏側の面の表面低効率は3.3×109Ω/□であった。離型フィルム(セパレータ)の粘着層側の面の表面低効率は1.2×108Ω/□で、その裏側の面の表面低効率は4.9×108Ω/□であった。粘着層の表面低効率は1.5×109Ω/□であった。
粘着層のガラス板に対する粘着力は、剥離速度0.3m/分のときに0.013N/25mmで、剥離速度1.0m/分のときに0.13N/25mmであった。
粘着層の樹脂屑発生の状態を評価したところ、粘着層表面が削れて樹脂屑が多く発生した。
Claims (8)
- 粘着層を備える粘着フィルムであって、
前記粘着層がラジカル重合性成分を含有する硬化性組成物の硬化物を含み、
前記ラジカル重合性成分が、
2個の(メタ)アクリロイル基を有する2官能ウレタンアクリレートと、
前記2官能ウレタンアクリレート以外の化合物であって、1個以上の(メタ)アクリロイル基及びオキシアルキレン基を有するオキシアルキレン基含有モノマーと、
を含む、粘着フィルム。 - 粘着層を備える粘着フィルムであって、
前記粘着層がラジカル重合性成分を含有する硬化性組成物の硬化物を含み、
前記ラジカル重合性成分が、2個の(メタ)アクリロイル基を有する2官能ウレタンアクリレートを含み、
前記2官能ウレタンアクリレートが、オキシアルキレン基を有する化合物を含む、
粘着フィルム。 - 前記粘着層のガラス板に対する粘着力が、剥離速度0.3m/分で測定されたときに0.005N/25mm以上1N/25mm以下である、請求項1又は2に記載の粘着フィルム。
- 基材フィルムを更に備え、前記基材フィルム上に前記粘着層が設けられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着フィルム。
- 前記基材フィルムが帯電防止層を有する、請求項4に記載の粘着フィルム。
- 前記帯電防止層の表面抵抗率が1×1011Ω/□以下である、請求項5に記載の粘着フィルム。
- 前記粘着層の前記基材フィルムとは反対側の面を覆うセパレータを更に備える、請求項4〜6のいずれか一項に記載の粘着フィルム。
- 前記粘着層が帯電防止剤を更に含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の粘着フィルム。
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