JP2016050245A - 画像表示装置用粘着シート、画像表示装置用粘着シート部材、画像表示装置の製造方法及び画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被着物上に段差がある場合であっても、段差への埋め込み性に優れ、誘電率が低く、かつ接着性にも優れる粘着層を備える画像表示装置用粘着シートを提供する。【解決手段】第1の粘着層と、第2の粘着層と、を備え、前記第1の粘着層は、(A)ウレタン(メタ)アクリレート及び(B)熱可塑性樹脂を含有し、前記第2の粘着層は、(D)アクリル重合体及び(E)(メタ)アクリロイル基を分子内に有する化合物を含有する、画像表示装置用粘着シート。【選択図】図1
Description
本発明は、画像表示装置用粘着シート、画像表示装置用粘着シート部材、画像表示装置の製造方法及び画像表示装置に関する。
近年、画像表示装置における、透明保護板若しくは情報入力装置(例えば、タッチパネル)と画像表示ユニットの表示面との間の空隙、又は透明保護板と情報入力装置との間の空隙を、空気と比較して、透明保護板、情報入力装置及び画像表示ユニットの表示面に屈折率が近い透明材料で置換することにより、光透過性を向上させ、画像表示装置の輝度及びコントラストの低下を抑える方法が提案されている(例えば、特許文献1)。画像表示装置の例として液晶表示装置の断面図を図7に示す。タッチパネルを内蔵した液晶表示装置は、透明保護板(ガラス又はプラスチック基板)D1、タッチパネルD2、偏光板D3、及び液晶表示セルD4で構成されており、液晶表示装置の割れ防止、応力及び衝撃の緩和、並びに、視認性の向上のために、透明保護板とタッチパネルとの間に粘着層(透明樹脂層)D5が設けられ、更にタッチパネルと偏光板との間に粘着層(透明樹脂層)D6が設けられる場合もある。
ところで、情報入力装置及び画像表示ユニットには、その周縁部分に入出力の配線を設ける必要がある。透明保護板側からこれらの配線が見えないように、一般に、透明保護板の周縁部分に印刷等で枠状の装飾部が設けられる(特許文献1の図1における19(枠パターン)等)。これら装飾部により生じる段差を解消するため、透明保護板を貼り合わせる粘着剤として、例えば、フィルム状の粘着剤が用いられる場合がある。この段差近傍を隙間なく埋め込むためには、フィルム状の粘着剤に優れた段差への埋め込み性が求められる。近年、このような段差への埋め込み性を改善するためのフィルム状の粘着剤が、種々検討されている(例えば、特許文献2)。
近年、端末の薄型化を目的に、カバーガラス一体型タッチパネル、又は透明保護板にタッチパネルの機能を付与するOne Glass Solution(OGS)の検討が行われている。この場合、タッチパネル機能付透明保護板と、画像表示ユニットとが粘着剤によって貼り合わされるため、タッチパネル機能付透明保護板に形成された段差及び配線を気泡なく埋め込むだけでなく、双方の被着体に対する粘着力の信頼性が課題となっている。
一方で、近年タッチパネルには静電容量式が広く使われているが、画像表示ユニットの動作時に発生する電磁ノイズが、タッチパネルの動作に悪影響を及ぼすことが課題となっている。特に、カバーガラス一体型タッチパネル又はOGSの場合、タッチパネル機能付透明保護板と、画像表示ユニットとを貼り合わせる粘着剤の誘電率が高いと、静電結合によって電磁ノイズがタッチパネル機能付透明保護板に伝わりやすくなる。したがって、粘着剤の誘電率を低くする必要性があるが、同時に粘着力の低下をもたらすことが課題となっている。
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、被着物上に段差がある場合であっても、段差への埋め込み性に優れ、誘電率が低く、かつ接着性にも優れる粘着層を備える画像表示装置用粘着シート及び画像表示装置用粘着シート部材を提供することを目的とする。また、本発明は、その画像表示装置用粘着シート又は画像表示装置用粘着シート部材を用いた画像表示装置の製造方法及び画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意研究した結果、特定の第1の粘着層と、特定の第2の粘着層と、を備える、画像表示装置用粘着シートであれば上記課題を解決し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、第1の粘着層と、第2の粘着層とを備え、第1の粘着層は、(A)ウレタン(メタ)アクリレート及び(B)熱可塑性樹脂を含有し、第2の粘着層は、(D)アクリル重合体及び(E)(メタ)アクリロイル基を分子内に有する化合物を含有する、画像表示装置用粘着シートを提供する。
このような画像表示装置用粘着シート(以下、単に「粘着シート」という場合がある。)は、被着物上に形成される段差への埋め込み性に優れるとともに、表面平坦性にも優れ、誘電率が低く、かつ視認性及び信頼性にも優れる。
上記画像表示装置用粘着シートは、第1の粘着層の(B)熱可塑性樹脂が、フェノキシ樹脂又はポリエステルウレタン樹脂であることが好ましい。このような粘着シートによれば、接着性をより高めることができる。
上記画像表示装置用粘着シートは、第2の粘着層の(E)(メタ)アクリロイル基を分子内に有する化合物が、ステアリル(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。このような粘着シートによれば、粘着層と透明保護板(ガラス基板、プラスチック基板等)との密着性及び段差埋め込み性がより向上し、かつ染み出しをより抑制できる。
上記画像表示装置用粘着シートは、第1及び第2の粘着層の厚さの合計が50μm〜3.0×102μmであることが好ましい。このような粘着シートによれば、ディスプレイ上に光学部材を貼り合わせるための透明な粘着シートとして特に優れた効果を発揮する。また、上記画像表示装置用粘着シートは、第1の粘着層と第2の粘着層とが直接接していることが好ましい。なお、本明細書中における「第1の粘着層と第2の粘着層とが直接接する」とは、第1の粘着層と第2の粘着層との間に他の被着物等が介在しないことを示す。
また、本発明は、上記画像表示装置用粘着シートと、上記第1の粘着層における上記第2の粘着層とは反対側の面及び上記第2の粘着層における上記第1の粘着層とは反対側の面の両面を挟むように積層された第1及び第2の基材層と、を備える画像表示装置用粘着シート部材を提供する。このような画像表示装置用粘着シート部材(以下、単に「粘着シート部材」という場合がある。)によれば、粘着シートを傷つけることなく、その保管及び運搬を容易にすることができる。
上記画像表示装置シート部材は、第2の基材層に更に積層されたキャリア層を備えていてもよい。この場合、第1の基材層及びキャリア層の外縁は、第1及び第2の粘着層の外縁よりも外側に張り出していることが好ましい。
このような粘着シート部材によれば、外層をなす第1の基材層及びキャリア層の外縁が、内層をなす第1及び第2の粘着層の外縁よりも外側に張り出しているため、粘着シートの保管、運搬等に際し粘着シートの外縁部を確実に保護することができる。第1及び第2の粘着層を備える粘着シートを被着物に貼り付ける際には、外側に張り出したキャリア層の外縁部をつまむことによって、キャリア層を第2の基材層から容易に剥離させることができる。次に、第1の基材層の外縁部をつまむことによって、第1の基材層を容易に剥離することができる。このとき、粘着シート側には、第2の基材層が残るため、粘着シートを被着物に貼り付ける際に、この第2の基材層による粘着シートの保護が維持される。その後、第2の基材層を剥離させ、粘着層の他方の面を別の被着物に貼り付けることによって、一対の被着物の間に第1及び第2の粘着層を備える粘着シートを配置させることができる。
本発明はまた、上記粘着シート又は上記粘着シート部材が備える第1及び第2の粘着層を介して、被着物同士を貼り合わせて積層体を得る工程と、上記積層体を、20℃〜80℃及び0.1MPa〜0.6MPaの条件で加熱及び加圧する工程と、上記積層体に対して活性エネルギー線を照射する工程と、を備える、画像表示装置の製造方法を提供する。
このような画像表示装置の製造方法によれば、本発明に係る粘着シート又は粘着シート部材を用いることによって、視認性の低下が抑制された画像表示装置を製造することができる。本発明に係る粘着シート又は粘着シート部材を用いることにより、例えば、液晶表示ユニット等の画像表示ユニットとタッチパネル機能付透明保護板、同画像表示ユニットとタッチパネル、同画像表示ユニットと透明保護板、タッチパネルと透明保護板のような、画像表示ユニットとその他の画像表示装置に必要とされる部材(光学部材等)同士を貼り合わせることが可能である。本発明に係る画像表示装置の製造方法は、被着物が、透明保護板、タッチパネル、タッチパネル機能付透明保護板及び画像表示ユニットからなる群から選択される少なくとも2種であることが好ましく、画像表示ユニット及びタッチパネル機能付透明保護板である場合に特に有用である。同様に、本発明の一実施形態に係る粘着シート又は粘着シート部材を用いることにより、画像表示装置の画像表示ユニットより視認側にある部材同士を貼り合わせることも可能である。その際、例えば、視認側の透明保護板がその外周縁に沿う段差を有していても、粘着層が確実に段差を埋め込むことができるため、視認性を低下させることがないと推認される。
本発明はまた、画像表示ユニットと、透明保護板と、画像表示ユニット及び透明保護板の間に介在する、上記画像表示装置用粘着シート又は上記画像表示装置用粘着シート部材が備える上記第1及び第2の粘着層の硬化物である透明樹脂層と、を備える画像表示装置を提供する。
上記第1の粘着層は段差への埋め込み性に優れるため、画像表示ユニット又は透明保護板上に段差が設けられている場合であっても、優れた耐衝撃性と視認性を兼ね備えた画像表示装置を得ることができる。
本発明によれば、被着物上に段差がある場合であっても、段差埋め込み性に優れ、誘電率が低く、かつ接着性にも優れる粘着層を備える画像表示装置用粘着シート及び画像表示装置用粘着シート部材を提供することができる。本発明によれば、また、染み出しが抑制された画像表示装置用粘着シート及び画像表示装置用粘着シート部材を提供することができる。また、本発明は、このような粘着シート又は粘着シート部材を用いた画像表示装置の製造方法及び画像表示装置を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について説明をするが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。また、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」又はそれに対応する「メタクリレート」を意味する。「(メタ)アクリル酸」等の類似の表現についても同様である。
<画像表示装置用粘着シート>
本実施形態の画像表示装置用粘着シートは、第1の粘着層と、第2の粘着層とを備える。
本実施形態の画像表示装置用粘着シートは、第1の粘着層と、第2の粘着層とを備える。
まず、第1の粘着層について説明する。第1の粘着層は、(A)ウレタン(メタ)アクリレート及び(B)熱可塑性樹脂を含有する組成物(以後、「第1の組成物」という場合がある。)から形成される。第1の粘着層は、段差埋め込み性をより向上できることから、特に25℃より高い温度で塑性変形しやすいものを用いることが好ましい。以下、各成分について説明する。
[(A)ウレタン(メタ)アクリレート]
(A)成分のウレタン(メタ)アクリレートは、分子内にウレタン結合と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であり、高温での信頼性が高くなることから、分子内に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であることが好ましい。また、ポリアルキレングリコール鎖又はポリカーボネート鎖を有することが好ましく、後述する(B)成分との相溶性が良好である観点から、ポリカーボネート鎖を有することがより好ましい。
(A)成分のウレタン(メタ)アクリレートは、分子内にウレタン結合と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であり、高温での信頼性が高くなることから、分子内に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であることが好ましい。また、ポリアルキレングリコール鎖又はポリカーボネート鎖を有することが好ましく、後述する(B)成分との相溶性が良好である観点から、ポリカーボネート鎖を有することがより好ましい。
上記ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、以下のようにして得ることができる。まず、ジイソシアネート化合物と、ジオール化合物とを反応させて、末端に水酸基を有するウレタン化合物、又は末端にイソシアネート基を有するウレタン化合物を調製する。末端が水酸基であるかイソシアネート基であるかは、ジイソシアネート化合物と、ジオール化合物との配合割合によって調整できる。
続いて、上記末端に水酸基を有するウレタン化合物の場合は、(メタ)アクリル酸、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートなどを反応させることによって、ウレタン(メタ)アクリレートを得ることができる。末端にイソシアネート基を有するウレタン化合物の場合は、(メタ)アクリロイル基を有するモノヒドロキシ化合物を反応させることによって、ウレタン(メタ)アクリレートを得ることができる。
上記ジイソシアネート化合物としては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
OCN−X−NCO (1)
[式(1)中、Xは2価の有機基を示す。]
OCN−X−NCO (1)
[式(1)中、Xは2価の有機基を示す。]
上記一般式(1)中のXとしては、例えば、炭素数1〜20のアルキレン基、未置換又はメチル基等の炭素数1〜5の低級アルキル基で置換されているフェニレン基、キシリレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、ジフェニルメタン−4,4’−ジイル基、ジフェニルスルホン−4,4’−ジイル基等の芳香環を有する基、水添ジフェニルメタン−4,4’−ジイル基、イソホロン−ジイル基等の脂環式骨格を有する基などが挙げられる。Xが炭素数1〜20のアルキレン基の場合、アルキレン基の炭素数は、1〜18であることが好ましい。
上記一般式(1)で表されるジイソシアネート化合物としては、例えば、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート;3,2’−、3,3’−、4,2’−、4,3’−、5,2’−、5,3’−、6,2’−又は6,3’−ジメチルジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート;3,2’−、3,3’−、4,2’−、4,3’−、5,2’−、5,3’−、6,2’−又は6,3’−ジエチルジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート;3,2’−、3,3’−、4,2’−、4,3’−、5,2’−、5,3’−、6,2’−又は6,3’−ジメトキシジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート;ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート;ジフェニルメタン−3,3’−ジイソシアネート;ジフェニルメタン−3,4’−ジイソシアネート等のジフェニルメタンジイソシアネート化合物、及びこれらの水添物;ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート;ベンゾフェノン−4,4’−ジイソシアネート;ジフェニルスルホン−4,4’−ジイソシアネート;トリレン−2,4−ジイソシアネート;トリレン−2,6−ジイソシアネート;m−キシリレンジイソシアネート;p−キシリレンジイソシアネート;1,5−ナフタレンジイソシアネート;4,4’−[2,2ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン]ジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添m−キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記一般式(1)で表されるジイソシアネート類は、経日変化を避けるために必要なブロック剤で安定化したものを使用してもよい。ブロック剤としては、ヒドロキシアクリレート、メタノールを代表とするアルコール、フェノール、オキシム等が挙げられるが、特に制限されない。
上記ジオール化合物としては、例えば、下記一般式(2)で表されるポリカーボネートジオール、ポリブタジエンジオール、ポリイソプレンジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール、シリコーンジオール等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
[式(2)中、Rは炭素数1〜18のアルキレン基を示し、mは1〜30の整数を示す。]
[式(2)中、Rは炭素数1〜18のアルキレン基を示し、mは1〜30の整数を示す。]
上記一般式(2)で表されるポリカーボネートジオールとしては、例えば、α,ω−ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオール、α,ω−ポリ(3−メチル−ペンタメチレンカーボネート)ジオール等が挙げられる。市販されているものとしては、株式会社ダイセル製のPLACCEL CD−205、205PL、205HL、210、210PL、210HL、220、220PL、220HL(いずれも商品名)、旭化成ケミカルズ株式会社製のPCDL T−5651、T−5652、T−6001、T−6002、G−3452、PCDX−55(いずれも商品名)、宇部興産株式会社製のUH−50、100、200、300、UHC−50−100、UHC−50−200(いずれも商品名)等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記ジイソシアネート化合物と、上記ジオール化合物とを反応させる際の配合割合は、生成するウレタン化合物の重量平均分子量、及びウレタン化合物の末端を水酸基にするかイソシアネート基にするかで適宜調整される。後述する(メタ)アクリロイル基を導入してウレタン(メタ)アクリレートを得る工程の制御のし易さという観点から、ウレタン化合物の末端をイソシアネート基にすることが好ましい。
末端に水酸基を有するウレタン化合物を得るためには、ジオール化合物の水酸基数と、ジイソシアネート化合物のイソシアネート基数との比率(水酸基数/イソシアネート基数)が、1.01以上になるように配合割合を調整することが好ましい。また、反応効率の観点から、上記比率は2以下に調整することが好ましい。このような比率に調整することにより、末端に水酸基を有するウレタン化合物を得ることができる。
一方、末端にイソシアネート基を有するウレタン化合物を得るためには、ジイソシアネート化合物のイソシアネート基数と、ジオール化合物の水酸基数との比率(イソシアネート基数/水酸基数)が、1.01以上になるように調整することが好ましい。また、重量平均分子量を充分に大きくする観点から、上記比率は1.9以下に調整することが好ましい。このような比率に調整することにより、末端にイソシアネート基を有するウレタン化合物を得ることができる。
続いて、上記末端に水酸基を有するウレタン化合物の場合は、(メタ)アクリル酸、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートなどを反応させることによって、ウレタン(メタ)アクリレートを得ることができる。末端にイソシアネート基を有するウレタン化合物の場合は、(メタ)アクリロイル基を有するモノヒドロキシ化合物を反応させることによって、ウレタン(メタ)アクリレートを得ることができる。
(メタ)アクリロイル基を有するモノヒドロキシ化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、これら(メタ)アクリレートのカプロラクトン又は酸化アルキレン付加物、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、5.0×103以上であることが好ましく、1.0×104以上であることがより好ましく、2.4×104以上であることが更に好ましい。また、1.0×105以下であることが好ましく、8.0×104以下であることがより好ましく、7.0×104以下であることが更に好ましい。重量平均分子量が5.0×103以上であると、粘着層の染み出しを抑制することができる傾向にあり、1.0×105以下であると、充分な段差への埋め込み性を保つことができる傾向にある。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレンの検量線を用いて換算した値とする。重量平均分子量の測定条件は、本明細書の実施例と同一の測定条件とする。
(A)成分のウレタン(メタ)アクリレートの含有量は、(A)成分及び(B)成分の全質量に対して、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることが更に好ましい。また、(A)成分のウレタン(メタ)アクリレートの含有量は、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることが更に好ましい。(A)成分の含有量がこれらの範囲内であると、段差への埋め込み性及び接着性に優れるという効果がより顕著に得られる。
[(B)熱可塑性樹脂]
(B)成分の熱可塑性樹脂は、25℃で第1の粘着層を固体状態に保つための成膜性を向上させるとともに、25℃以上に加温した際に溶融し、段差を隙間なく埋め込ませるために重要である。このような熱可塑性樹脂としては、分子内に(メタ)アクリロイル基を有しない高分子化合物が使用可能であり、例えば、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂等が挙げられる。接着性を高めることができるという観点から、フェノキシ樹脂又はポリエステルウレタン樹脂を用いることが好ましい。フェノキシ樹脂を用いる場合、フェノキシ樹脂とポリウレタン樹脂とを併用することがより好ましい。
(B)成分の熱可塑性樹脂は、25℃で第1の粘着層を固体状態に保つための成膜性を向上させるとともに、25℃以上に加温した際に溶融し、段差を隙間なく埋め込ませるために重要である。このような熱可塑性樹脂としては、分子内に(メタ)アクリロイル基を有しない高分子化合物が使用可能であり、例えば、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂等が挙げられる。接着性を高めることができるという観点から、フェノキシ樹脂又はポリエステルウレタン樹脂を用いることが好ましい。フェノキシ樹脂を用いる場合、フェノキシ樹脂とポリウレタン樹脂とを併用することがより好ましい。
フェノキシ樹脂は、一般的にビスフェノールとエピクロルヒドリンとを重縮合反応させる一段法によって、又は2官能のエポキシ樹脂とビスフェノールとを重付加反応させる二段法によって製造することができる。このようなフェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂、ビスフェノールA/ビスフェノールF共重合型フェノキシ樹脂、ビフェニルS型フェノキシ樹脂、臭素化フェノキシ樹脂、リン含有フェノキシ樹脂、フルオレン骨格を導入したフェノキシ樹脂等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。フェノキシ樹脂としては、遮光部硬化性の観点から、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂が好ましい。
フェノキシ樹脂の重量平均分子量は、製膜性及び(A)成分と(B)成分との相溶性の観点から、1.0×104以上であることが好ましく、2.0×104以上であることがより好ましく、3.0×104以上であることが更に好ましい。同様の観点から、重量平均分子量は、1.0×105以下であることが好ましく、8.0×104以下であることがより好ましく、7.0×104以下であることが更に好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレンの検量線を用いて換算した値とする。重量平均分子量の測定条件は、本明細書の実施例と同一の測定条件とする。
フェノキシ樹脂は、市販品を使用することができる。市販品としては、例えば、東都化成株式会社製フェノトートYP−50、フェノトートYP−50S、フェノトートYP−55、フェノトートYP−70又はFX280(いずれも商品名)、ジャパンエポキシレジン株式会社製JER1256、JER4250又はJER4275(いずれも商品名)、Inchem社製PKHB、PKHC、PKHH、PKHJ、PKFE、PKHP−200、PKHP−80、PKHB−100又はPKHB−300(いずれも商品名)等が挙げられる。
ポリエステルウレタン樹脂は、例えば、ポリエステルポリオールと、ジイソシアネートとの反応により得ることができる。ポリエステルポリオールは、例えば、ジカルボン酸とジオールとの反応により得ることができる。ジカルボン酸とジオールとの反応に際しては、ジオールの水酸基数とジカルボン酸のカルボキシル基数との比率(水酸基数/カルボキシル基数)が、1.01以上になるように配合割合を調整することが好ましい。一方、反応効率の観点から2以下に調整することが好ましい。ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸等の芳香族ジカルボン酸又は脂肪族ジカルボン酸が好適に用いられる。ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコールが好適に用いられる。
上記ジイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の芳香族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネートなどが好適に用いられる。
ポリエステルウレタン樹脂のガラス転移温度は、50℃以上であってもよい。ポリエステルウレタン樹脂は、ポリエステルポリオール及びジイソシアネートの種類、分子量等を適宜調整することにより、そのガラス転移温度を50℃以上とすることができる。
ポリエステルウレタン樹脂は、ベンゼン環等の芳香族基又はシクロヘキサン環等の環状脂肪族基を有していてもよい。また、ポリエステルウレタン樹脂は、2種類以上混合して使用してもよい。例えば、芳香族ポリエステルポリオールと脂肪族ジイソシアネートとの反応により得られるものと、脂肪族ポリエステルポリオールと芳香族ジイソシアネートとの反応により得られるものとを組み合わせることができる。
ポリエステルウレタン樹脂の重量平均分子量は、膜形成性及び硬化前の低タック性の観点から、5.0×103以上であることが好ましく、1.0×104以上であることがより好ましく、1.5×104以上であることが更に好ましい。同様の観点から、ポリエステルウレタン樹脂の重量平均分子量は、1.0×105以下であることが好ましく、8.0×104以下であることがより好ましく、6.0×104以下であることが更に好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレンの検量線を用いて換算した値とする。重量平均分子量の測定条件は、本明細書の実施例と同一の測定条件とする。
ポリエステルウレタン樹脂は、市販品を使用することもできる。市販品としては、例えば、東洋紡株式会社製バイロンURシリーズが挙げられる。
ポリウレタン樹脂は、例えば、以下のようにして得ることができる。ジイソシアネート化合物と、ジオール化合物を反応させて、末端に水酸基を有するポリウレタン樹脂、又は末端にイソシアネート基を有するポリウレタン樹脂を得ることができる。末端が水酸基であるかイソシアネート基であるかは、ジイソシアネート化合物と、ジオール化合物の配合割合で調整できる。
末端に水酸基を有するポリウレタン樹脂の場合、酢酸、プロピオン酸等のモノカルボン酸類、酸無水物類等の水酸基と反応可能な化合物などを用いて、ポリウレタン樹脂の末端の水酸基を更に変性してもよい。末端にイソシアネート基を有するポリウレタン樹脂は、例えば、メタノール、エタノール等のモノヒドロキシ化合物、ラクタム類、オキシム類、モノカルボン酸類、2価の酸無水物類等のイソシアネート基と反応可能な化合物などを用いて、ポリウレタン樹脂の末端のイソシアネート基を更に変性してもよい。
ポリウレタン樹脂に用いるジイソシアネート化合物及びジオール化合物は、上記(A)成分で例示した化合物を用いることができる。
(B)成分の熱可塑性樹脂の含有量は、(A)成分及び(B)成分の全質量に対して、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが更に好ましい。また、(B)成分の熱可塑性樹脂の含有量は、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましく、85質量%以下であることが更に好ましい。(B)成分の含有量がこれらの範囲内であると、段差への埋め込み性及び接着性に優れるという効果がより顕著に得られる。
[(C)成分:光重合開始剤]
第1の組成物(第1の粘着層)は、(C)成分の光重合開始剤を更に含有してもよい。(C)成分の光重合開始剤は、活性エネルギー線の照射により第1の組成物(第1の粘着層)の硬化反応を促進させることができる。ここで活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等をいう。
第1の組成物(第1の粘着層)は、(C)成分の光重合開始剤を更に含有してもよい。(C)成分の光重合開始剤は、活性エネルギー線の照射により第1の組成物(第1の粘着層)の硬化反応を促進させることができる。ここで活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等をいう。
(C)成分は、活性エネルギー線の照射により硬化反応を促進させる成分であれば特に限定されるものではなく、ベンゾフェノン系、アントラキノン系、ベンゾイル系、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、オニウム塩等の材料を使用することが可能である。
光重合開始剤の具体例としては、ベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N,N’,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2−エチルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロロ−2−メチルアントラキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジエトキシアセトフェノン等の芳香族ケトン化合物;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンジル、ベンジルジメチルケタール等のベンジル化合物;β−(アクリジン−9−イル)(メタ)アクリル酸等のエステル化合物;9−フェニルアクリジン、9−ピリジルアクリジン、1,7−ジアクリジノヘプタン等のアクリジン化合物;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モリホリノフェニル)−1−ブタノン;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパン;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド;オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)などが挙げられる。これらの化合物は複数を組み合わせて使用してもよい。
特に、(C)成分としては、第1の組成物(第1の粘着層)を実質的に着色させない光重合開始剤を用いることが好ましい。その具体例としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン等のα−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系化合物;オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)が挙げられる。これらを組み合わせたものであってもよい。
特に、厚いシート(粘着層)を作製する場合、(C)成分は、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系化合物を含んでいてもよい。
(C)成分を用いる場合の含有量は、第1の組成物の全質量に対して、0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。同様の観点から、(C)成分を用いる場合の含有量は、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、2質量%以下であることが更に好ましい。(C)成分を用いる場合の含有量がこれらの範囲内であると、染み出し性及び高温高湿下における信頼性に優れるという効果がより顕著に得られる。更に、(C)成分の含有量を5質量%以下とすることによって、光透過率がより高く、また色相も黄味を帯びることがなく、かつ段差埋め込み性にもより優れる粘着層を得ることができる。
次に、第2の粘着層について説明する。第2の粘着層は、誘電率が低く、かつ粘着性が高いため、画像表示装置用粘着シートの誘電率を低くさせることができ、更に被着体への貼り合わせも可能となる。第2の粘着層は、(D)アクリル重合体及び(E)(メタ)アクリロイル基を分子内に有する化合物を含有する組成物(以後、「第2の組成物」という場合がある。)から形成される。第2の粘着層は、第2の組成物を硬化することにより得られる粘着層であってもよい。
[(D):アクリル重合体]
(D)アクリル重合体とは、(メタ)アクリロイル基を分子内に1つ有するモノマーを単独で重合するか又は2種以上組み合わせて共重合したものを示す。なお、本発明の効果を損なわない範囲であれば、(D)成分は、(メタ)アクリロイル基を分子内に2つ以上有するモノマー、又は(メタ)アクリロイル基を有しない重合性モノマー(例えば、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン等の重合性不飽和結合を分子内に1つ有するモノマー、ジビニルベンゼン等の重合性不飽和結合を分子内に2つ以上有するモノマーなど)を、(メタ)アクリロイル基を分子内に1つ有するモノマーと共重合させて得られるものであってもよい。
(D)アクリル重合体とは、(メタ)アクリロイル基を分子内に1つ有するモノマーを単独で重合するか又は2種以上組み合わせて共重合したものを示す。なお、本発明の効果を損なわない範囲であれば、(D)成分は、(メタ)アクリロイル基を分子内に2つ以上有するモノマー、又は(メタ)アクリロイル基を有しない重合性モノマー(例えば、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン等の重合性不飽和結合を分子内に1つ有するモノマー、ジビニルベンゼン等の重合性不飽和結合を分子内に2つ以上有するモノマーなど)を、(メタ)アクリロイル基を分子内に1つ有するモノマーと共重合させて得られるものであってもよい。
(D)成分を形成する(メタ)アクリロイル基を分子内に1つ有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸アミド;(メタ)アクリロイルモルホリン;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート(n−ラウリル(メタ)アクリレート)、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数1〜18のアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香環を有する(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の脂環式基を有する(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体;2−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート;アルキレングリコール鎖含有(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(D)成分を形成する(メタ)アクリロイル基を分子内に1つ有するモノマーは、上記モノマーの中でも、ステアリル(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。ステアリル(メタ)アクリレートを含む場合、その含有量は共重合に用いたモノマーの全質量に対して、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが更に好ましい。また、その含有量は95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましい。ステアリル(メタ)アクリレートの含有量がこのような範囲であると、第2の粘着層と透明保護板(ガラス基板、プラスチック基板等)との密着性、及び段差埋め込み性がより向上し、かつ染み出しをより抑制できる。一般に、ステアリル(メタ)アクリレートを上記含有量で配合し、共重合させることによって、ステアリル(メタ)アクリレートに由来する構造単位を有する(D)成分を得ることができる。また、重合率については、実質的に100質量%に近づくように調整することが好ましい。
ステアリル(メタ)アクリレートとしては、n−ステアリル(メタ)アクリレート(オクタデシル(メタ)アクリレートともいう。)、イソステアリル(メタ)アクリレート(16−メチルヘプタデシル(メタ)アクリレートともいう。)等が挙げられるが、その中でもイソステアリル(メタ)アクリレートがより好ましい。これらのステアリル(メタ)アクリレートは2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
ステアリル(メタ)アクリレートと共重合する他のモノマーは、上記に限定されず、水酸基、モルホリノ基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、カルボニル基、ニトロ基、アルキレングリコール由来の基等の極性基を有するモノマーであってもよい。これら極性基を有する(メタ)アクリレートをステアリル(メタ)アクリレートと共重合することによって、透明保護板等に対してより粘着力を有する粘着層を得ることができる。
特に、ステアリル(メタ)アクリレートと、下記式(3)で示されるアルキレングリコール鎖含有(メタ)アクリレートとを併用することが好ましい。
CH2=CXCOO(CpH2pO)qR (3)
[式(3)中、Xは水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、pは2〜4の整数を示し、qは1〜10の整数を示す。]
CH2=CXCOO(CpH2pO)qR (3)
[式(3)中、Xは水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、pは2〜4の整数を示し、qは1〜10の整数を示す。]
式(3)で表されるアルキレングリコール鎖含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート;ジブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシオクタエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシノナエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシヘプタプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらのうち、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートがより好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが更に好ましい。また、これらのアルキレングリコール鎖含有(メタ)アクリレートは2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
(D)成分の重量平均分子量は、1.5×104以上であることが好ましく、2.0×104以上であることがより好ましく、2.5×104以上であることが更に好ましい。(D)成分の重量平均分子量が1.5×104以上であると、透明保護板等に対してより剥がれの発生しにくい粘着力を有する第2の粘着層を得ることができる。一方、(D)成分の重量平均分子量は、3.0×105以下であることが好ましく、2.0×105以下であることがより好ましく、1.0×105以下であることが更に好ましい。(D)成分の重量平均分子量が3.0×105以下であると、第2の組成物の粘度が適正な粘度となるため、シート状等の粘着層にする際の加工性がより良好になる。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレンの検量線を用いて換算した値とする。重量平均分子量の測定条件は、本明細書の実施例と同一の測定条件とする。
(D)成分の重合方法としては、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等の既知の重合方法を用いることができる。
(D)成分を重合する際の重合開始剤としては、熱によりラジカルを発生する化合物を用いることができる。具体的には、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等のような有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のようなアゾ系化合物が挙げられる。
(D)成分の含有量は、第2の組成物の全質量に対して、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが更に好ましい。また、(D)成分の含有量は、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましく、70質量%以下であることが更に好ましい。(D)成分の含有量がこのような範囲にあると、第2の組成物の粘度が粘着層を作製する際の適正な粘度となるため、加工性がより良好となる。また、得られる第2の粘着層は、ガラス基板、プラスチック基板等の透明保護板への粘着性、及び表面平坦性がより良好となる。
[(E)成分:(メタ)アクリロイル基を分子内に有する化合物]
(E)成分としては、(メタ)アクリロイル基を分子内に1つ有する化合物((E−1)成分)及び(メタ)アクリロイル基を分子内に2つ以上有する化合物((E−2)成分)の少なくとも1種を用いることができる。(E)成分として、(E−1)成分の少なくとも1種と(E−2)成分の少なくとも1種を組み合わせて用いることが好ましい。
(E)成分としては、(メタ)アクリロイル基を分子内に1つ有する化合物((E−1)成分)及び(メタ)アクリロイル基を分子内に2つ以上有する化合物((E−2)成分)の少なくとも1種を用いることができる。(E)成分として、(E−1)成分の少なくとも1種と(E−2)成分の少なくとも1種を組み合わせて用いることが好ましい。
[(E−1)成分:(メタ)アクリロイル基を分子内に1つ有する化合物]
(E−1)成分としては、上記(D)成分を形成する(メタ)アクリロイル基を分子内に1つ有するモノマーとして例示した化合物と同様のものが挙げられる。
(E−1)成分としては、上記(D)成分を形成する(メタ)アクリロイル基を分子内に1つ有するモノマーとして例示した化合物と同様のものが挙げられる。
なお、本実施形態においては、粘着性、透明性、段差埋め込み性及び染み出し性の観点から、(E−1)成分を用いる場合は、ステアリル(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。また、粘着性、透明性及び取り扱い性の観点から、(E−1)成分を用いる場合は、水酸基含有(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
(E−1)成分を用いる場合の含有量は、第2の組成物の全質量に対して、5質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、25質量%以上であることが更に好ましい。また、(E−1)成分を用いる場合の含有量は、65質量%以下であることが好ましく、55質量%以下であることがより好ましく、45質量%以下であることが更に好ましい。(E−1)成分を用いる場合の含有量が、このような範囲にあると、第2の組成物の粘度が粘着層を作製する際の適正な粘度となるため、加工性がより良好となる。また、得られる粘着シートの粘着性及び透明性にもより優れるものとなる。そして、得られる粘着層が段差埋め込み性にもより優れるものとなる。
[(E−2)成分:(メタ)アクリロイル基を分子内に2つ以上有する化合物]
(E−2)成分の具体例としては、下記式(4)〜(9)で表される化合物、ウレタン結合を有するウレタン(メタ)アクリレート、側鎖(メタ)アクリル変性(メタ)アクリレートポリマーが好適に例示される。ただし、式(4)、(5)及び(6)中、sは1から20の整数を示し、式(7)及び(8)中、m及びnはそれぞれ独立に、1から10の整数を示す。
(E−2)成分の具体例としては、下記式(4)〜(9)で表される化合物、ウレタン結合を有するウレタン(メタ)アクリレート、側鎖(メタ)アクリル変性(メタ)アクリレートポリマーが好適に例示される。ただし、式(4)、(5)及び(6)中、sは1から20の整数を示し、式(7)及び(8)中、m及びnはそれぞれ独立に、1から10の整数を示す。
上記ウレタン結合を有するウレタン(メタ)アクリレートは、他の成分との相溶性が良好である観点から、ポリアルキレングリコール鎖を有することが好ましい。また、透明性を確保する観点から脂環式構造を有することが好ましい。(E−2)成分と、(D)成分及び(E−1)成分との相溶性が低い場合、硬化物が白濁する可能性がある。
上記側鎖(メタ)アクリル変性(メタ)アクリレートポリマーは、側鎖を(メタ)アクリロイル基により変性した(メタ)アクリレートポリマーであればよいが、下記一般式(10)で示される構造単位、及び下記一般式(11)で示される構造単位を有することが好ましく、変性前の(メタ)アクリレートポリマーは(D)成分であることがより好ましい。(D)成分の側鎖を(メタ)アクリル変性して(E−2)成分とすることにより、(D)成分と(E−2)成分の構造がほぼ等しくなるため、相溶性に優れ、濁り(ヘーズ)の少ない透明性の高い粘着フィルムを得ることができる。
[式中、Rは水素又はメチル基を表し、R1は炭素数4〜18のアルキル基又は脂環式アルキル基を表す。]
[式中、Rは水素又はメチル基を表し、Xは、−CH2CH2−、−(CH2CH2O)pCH2CH2−(pは1〜500までの整数)、−R2−OCONH−R3−又は−R4−CH(OH)CH2−を表し、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキレン基又は脂環式アルキレン基を表す。]
側鎖を(メタ)アクリル変性する方法としては、(D)成分に、例えば、下記一般式(12)で示される水酸基を有する構造単位、又はカルボキシル基を有する構造単位を、ポリマーの主鎖中に含ませ、下記一般式(13)で示される2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアナート基を有する(メタ)アクリレートを付加する方法が挙げられる。また、別の方法として、例えば、下記一般式(14)で示されるようなグリシジル基を有する構造単位をポリマーの主鎖中に含ませ、これに(メタ)アクリル酸を付加する方法が挙げられる。更に、グラフト重合により(メタ)アクリル側鎖を形成する方法も挙げられるが、下記一般式(12)における水酸基に2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアナート基を有する(メタ)アクリレートを付加する方法、又は下記一般式(14)におけるグリシジル基に(メタ)アクリル酸を付加する方法が好ましい。
[式中、Rは水素又はメチル基を表し、R2は炭素数1〜10のアルキレン基又は脂環式アルキレン基を表す。]
[式中、Rは水素又はメチル基を表し、R3は炭素数1〜10のアルキレン基又は脂環式アルキレン基を表す。]
[式中、Rは水素又はメチル基を表し、R4は炭素数1〜10のアルキレン基又は脂環式アルキレン基を表す。]
一般式(12)における水酸基にイソシアナート基を有する(メタ)アクリレートを付加する場合、水酸基1当量に対して、イソシアナート基を有する(メタ)アクリレートを0.01当量〜0.9当量の比率になるように付加することが好ましい。同様に、一般式(14)におけるグリシジル基に(メタ)アクリル酸を付加する場合、グリシジル基1当量に対して、(メタ)アクリル酸を0.01当量〜0.9当量の比率になるように付加することが好ましい。これらの方法によれば、側鎖の(メタ)アクリロイル基が、ウレタン結合又はエステル結合を介して主鎖に結合した側鎖(メタ)アクリル変性(メタ)アクリレートポリマーが得られる。このような側鎖(メタ)アクリル変性(メタ)アクリレートポリマーは、衝撃吸収性、低誘電率化等の観点において、好適に用いられる。
(E−2)成分の重量平均分子量は、高温又は高温高湿下における気泡及び剥がれの発生をより抑制できる観点から、3.0×102以上であることが好ましく、5.0×102以上であることがより好ましい。同様の観点から、(E−2)成分の重量平均分子量は、1.0×105以下であることが好ましく、7.0×104以下であることがより好ましい。また、(E−2)成分として、側鎖(メタ)アクリル変性(メタ)アクリレートポリマーを用いる場合の重量平均分子量は、(D)成分と同程度であることが好ましいが、側鎖変性するため多少重量平均分子量が低くても使用することができる。具体的には、1.0×104以上が好ましく、1.5×104以上がより好ましく、2.0×104以上が更に好ましく、2.5×104以上が特に好ましい。同様の観点から、重量平均分子量は3.0×105以下であることが好ましく、1.0×105以下であることがより好ましく、8.0×104以下であることが更に好ましく、7.0×104以下であることが特に好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレンの検量線を用いて換算した値とする。重量平均分子量の測定条件は、本明細書の実施例と同一の測定条件とする。
(E−2)成分を用いる場合の最適な含有量は、側鎖の変性割合によって変化するが、含有量が多すぎると粘着力が低下し、剥がれ及び気泡が入りやすくなる等の問題が発生しやすく、一方少なすぎると保持力が低くなり信頼性が低下する傾向にある。(E−2)成分の含有量の下限については特に制限されないが、フィルム形成性をより良好にする観点から、第2の組成物の全質量に対して、0.1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることが更に好ましい。(E−2)成分の含有量は、15質量%以下であることが好ましい。上記含有量が15質量%以下であると、架橋密度が適度となるため、より充分な粘着性を有し、かつ弾性が高く、脆さのない粘着層を得ることができる。段差埋め込み性をより向上できる観点から、(E−2)成分の含有量は、10質量%以下であることがより好ましく、7質量%以下であることが更に好ましい。
[(C’)成分:光重合開始剤]
第2の組成物(第2の粘着層)は、(C’)成分の光重合開始剤を更に含有してもよい。(C’)成分の光重合開始剤は、第1の粘着層で例示した(C)成分と同様のものが使用可能であり、(C)成分と(C’)成分は同一であっても異なっていてもよい。
第2の組成物(第2の粘着層)は、(C’)成分の光重合開始剤を更に含有してもよい。(C’)成分の光重合開始剤は、第1の粘着層で例示した(C)成分と同様のものが使用可能であり、(C)成分と(C’)成分は同一であっても異なっていてもよい。
[その他の成分]
第1及び第2の組成物には、必要に応じて上記の(A)、(B)、(C)、(D)、(E−1)、(E−2)、及び(C’)成分とは別に、各種添加剤等を含有してもよい。各種添加剤としては、例えば、上記組成物の保存安定性を高める目的で添加するp−メトキシフェノール等の重合禁止剤、上記組成物を光硬化させて得られる粘着層の耐熱性を高める目的で添加するトリフェニルホスファイト等の酸化防止剤、紫外線等の光に対する上記組成物の耐性を高める目的で添加するHALS(Hindered Amine Light Stabilizer)等の光安定化剤、ガラス等に対する上記組成物の密着性を高めるために添加するシランカップリング剤が挙げられる。
第1及び第2の組成物には、必要に応じて上記の(A)、(B)、(C)、(D)、(E−1)、(E−2)、及び(C’)成分とは別に、各種添加剤等を含有してもよい。各種添加剤としては、例えば、上記組成物の保存安定性を高める目的で添加するp−メトキシフェノール等の重合禁止剤、上記組成物を光硬化させて得られる粘着層の耐熱性を高める目的で添加するトリフェニルホスファイト等の酸化防止剤、紫外線等の光に対する上記組成物の耐性を高める目的で添加するHALS(Hindered Amine Light Stabilizer)等の光安定化剤、ガラス等に対する上記組成物の密着性を高めるために添加するシランカップリング剤が挙げられる。
[シート又はフィルムの加工方法]
第1及び第2の組成物をシート状又はフィルム状に加工する方法としては、公知の技術を使用することができる。例えば、第1の粘着層は、上述の第1の組成物を、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤で希釈して塗液を調製し、次いで、該塗液を、重合体フィルム等の基材上にフローコート法、ロールコート法、グラビアロール法、ワイヤバー法、リップダイコート法等により塗工する。次いで、溶剤を除去することにより、任意の膜厚を有するシート状又はフィルム状に加工することができる。
第1及び第2の組成物をシート状又はフィルム状に加工する方法としては、公知の技術を使用することができる。例えば、第1の粘着層は、上述の第1の組成物を、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤で希釈して塗液を調製し、次いで、該塗液を、重合体フィルム等の基材上にフローコート法、ロールコート法、グラビアロール法、ワイヤバー法、リップダイコート法等により塗工する。次いで、溶剤を除去することにより、任意の膜厚を有するシート状又はフィルム状に加工することができる。
塗液の調製に際しては、各成分の配合後に溶剤で希釈することもできるし、又は各成分の配合前に予め溶剤で希釈しておくこともできる。
塗工性の観点から、塗液の固形分濃度は、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましい。同様の観点から、塗液の固形分濃度は、70質量%以下であることが好ましく、60質量%であることがより好ましい。
塗工性の観点から、塗液の粘度は、1Pa・s以上であることが好ましく、5Pa・s以上であることがより好ましい。同様の観点から、塗液の粘度は、30Pa・s以下であることが好ましく、25Pa・s以下であることがより好ましく、15Pa・s以下であることが更に好ましい。
また、第2の粘着層は、上述の第2の組成物を、重合体フィルム等の基材上にフローコート法、ロールコート法、グラビアロール法、ワイヤバー法、リップダイコート法等により塗工する。次いで、紫外線等の活性エネルギー線を照射することによって重合反応を進行せしめ、任意の膜厚を有するシート状又はフィルム状に加工することができる。
第1の粘着層と第2の粘着層とを積層する方法としては、公知の技術を使用することができる。例えば、第2の粘着層を重合体フィルム等の基材上に上記方法で形成した後、第2の粘着層上に第1の粘着層を上記方法で形成する方法、第1の粘着層と第2の粘着層をそれぞれ異なる重合体フィルム等の基材上に上記方法で形成した後、ロールラミネータ等により貼り合わせを行う方法等で作製することができる。
上記第1及び第2の粘着層の厚さは、それぞれ10μm〜3.0×102μmとすることができ、厚さは同一であっても異なっていてもよい。誘電率を低くすることができるという観点から、第1の粘着層は第2の粘着層よりも薄くすることが好ましい。また、第1及び第2の粘着層の厚さの合計は、50μm〜3.0×102μmであることが好ましく、60μm〜1.8×102μmであることがより好ましく、80μm〜1.5×102μmであることが更に好ましい。この範囲で使用した場合、ディスプレイ上に光学部材を貼り合わせるための透明な粘着シートとして特に優れた効果を発揮する。また、第1の粘着層と第2の粘着層とが直接接していることが好ましい。
<画像表示装置用粘着シート部材>
本実施形態の画像表示装置用粘着シート部材は、第1の粘着層と、第2の粘着層とを備える画像表示装置用粘着シートと、第1の粘着層における第2の粘着層とは反対側の面及び第2の粘着層における第1の粘着層とは反対側の面の両面を挟むように積層された第1及び第2の基材層と、を備える。
本実施形態の画像表示装置用粘着シート部材は、第1の粘着層と、第2の粘着層とを備える画像表示装置用粘着シートと、第1の粘着層における第2の粘着層とは反対側の面及び第2の粘着層における第1の粘着層とは反対側の面の両面を挟むように積層された第1及び第2の基材層と、を備える。
すなわち、例えば、図1及び図2に示されるように、本実施形態に係る粘着シート部材1は、第1の粘着層及び第2の粘着層を備える粘着シート2と、粘着シート2を挟む重剥離セパレータ3(第2の基材層)及び軽剥離セパレータ4(第1の基材層)とを備えることができる。なお、本実施形態に係る粘着シート部材1は、粘着シート2における第1の粘着層上に重剥離セパレータ3、第2の粘着層上に軽剥離セパレータ4がそれぞれ積層されたものであってもよいし、粘着シート2における第1の粘着層上に軽剥離セパレータ4、第2の粘着層上に重剥離セパレータ3がそれぞれ積層されたものであってもよい。重剥離セパレータ3及び軽剥離セパレータ4の外縁は、粘着シート2の外縁よりも張り出していてもよい。この粘着シート2は、例えば、携帯端末用のタッチパネル式ディスプレイ等の画像表示装置において、透明保護板とタッチパネルとの間、又はタッチパネルと液晶表示ユニットとの間に配置される透明なフィルム(透明樹脂層)として用いることができる。
本実施形態に係る粘着シート部材1は、画像表示装置に用いるため、通常、粘着シート2のヘーズ(Haze)は1.5%以下である。視認性の観点から、粘着シート2のヘーズは、1.0%以下、0.8%以下又は0.5%以下であってもよい。粘着シート2のヘーズの下限値については0%に近いことが好ましいが、通常は0%より大きく、実用的な観点からは0.1%以上であってよい。
粘着シート2のヘーズは、上述の(A)及び(B)成分の相溶性と、(D)、(E−1)及び(E−2)成分の相溶性に依存する。(A)及び(B)の成分間の相溶性が良好であり、かつ(D)、(E−1)及び(E−2)成分の成分間の相溶性が良好であると、粘着シート2のヘーズをより低減することができる。
ヘーズ(Haze)とは、濁度を表わす値(%)であり、ランプにより照射され、試料中を透過した光の全透過率Ttと、試料中で拡散され散乱した光の透過率Tdより、(Td/Tt)×100として求められる。これらはJIS K 7136により規定されており、市販の濁度計、例えば、日本電色工業株式会社製NDH−5000を用いて容易に測定可能である。
粘着シート2の可視光領域(波長:380nm〜780nm)の光線に対する光透過率の最小値は、80%以上、90%以上又は95%以上であってもよい。粘着シート2の光透過率が高いと、より均一に硬化を進行させることができる。
粘着シート2が、ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PETフィルム」という場合もある)等の重合体フィルムである基材層(重剥離セパレータ3)と、これと同種の素材のカバーフィルムである基材層(軽剥離セパレータ4)によって挟まれる場合、粘着シート2と、これら基材層との剥離性を制御するために、上記第1及び第2の組成物は、ポリジメチルシロキサン系、フッ素系等の界面活性剤を含有してもよい。
これらの添加剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの添加剤の含有量は、通常、上記の(A)及び(B)成分の含有量の合計、又は(D)、(E−1)及び(E−2)の含有量の合計に対して比較的少量であり、一般に第1又は第2の組成物の全質量に対して、0.01質量%〜5質量%である。
重剥離セパレータ3(第2の基材層)は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の重合体フィルムであってもよい。重剥離セパレータ3は、PETフィルムであることができる。重剥離セパレータ3の厚さは、作業性の観点から、50μm〜2.0×102μm、60μm〜1.5×102μm又は70μm〜1.3×102μmであってもよい。
重剥離セパレータ3の主面は、粘着シート2の主面よりも大きく、重剥離セパレータ3の外縁は粘着シート2の外縁よりも外側に張り出していてもよい。粘着シート2の外縁よりも張り出している部分の重剥離セパレータ3の幅は、取り扱い易さ、剥がし易さ、埃等の付着をより低減できる観点から、2mm〜20mm又は4mm〜10mmであってもよい。粘着シート2及び重剥離セパレータ3の主面が略長方形等の略矩形である場合、粘着シート2の外縁よりも張り出している部分の重剥離セパレータ3の幅は、少なくとも1つの辺において2mm〜20mm若しくは4mm〜10mmであってもよく、又は全ての辺において2mm〜20mm若しくは4mm〜10mmであってもよい。
軽剥離セパレータ4(第1の基材層)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の重合体フィルムが挙げられる。軽剥離セパレータ4は、PETフィルムであることができる。軽剥離セパレータ4の厚さは、作業性の観点から、25μm〜1.5×102μm、30μm〜1.0×102μm又は40μm〜75μmであってもよい。軽剥離セパレータ4の主面は、粘着シート2の主面よりも大きいことが好ましく、軽剥離セパレータ4の外縁は粘着シート2の外縁よりも外側に張り出していることがより好ましい。粘着シート2の外縁よりも張り出している部分の軽剥離セパレータ4の幅は、取り扱い易さ、剥がし易さ、埃等の付着をより低減できる観点から、2mm〜20mm又は4mm〜10mmとすることができる。粘着シート2及び軽剥離セパレータ4の平面形状が略長方形等の略矩形状である場合には、粘着シート2の外縁よりも張り出している部分の軽剥離セパレータ4の幅は、少なくとも1つの辺において2mm〜20mm若しくは4mm〜10mmであってもよく、又は全ての辺において2mm〜20mm若しくは4mm〜10mmであってもよい。
軽剥離セパレータ4と粘着シート2との間の剥離強度は、重剥離セパレータ3と粘着シート2との間の剥離強度よりも低くてもよい。これにより、重剥離セパレータ3は軽剥離セパレータ4よりも粘着シート2から剥離し難くなる。また、後述するように、粘着シート2に重剥離セパレータ3側に向かってブレードBが通される際、粘着シート2の外縁部が重剥離セパレータ3に押し付けられることとなる。これにより、重剥離セパレータ3は軽剥離セパレータ4よりも更に粘着シート2から剥離し難くなり、重剥離セパレータ3に剥離が生じる前に軽剥離セパレータ4を剥離させることがより容易となる。したがって、重剥離セパレータ3及び軽剥離セパレータ4を片方ずつ剥離させることができ、重剥離セパレータ3及び軽剥離セパレータ4を剥離して粘着シート2を別々の被着物に貼り付ける作業を、片方ずつ確実に行うことができる。なお、重剥離セパレータ3と粘着シート2、及び軽剥離セパレータ4と粘着シート2との剥離強度は、例えば、重剥離セパレータ3及び軽剥離セパレータ4に表面処理を施すことによって調整することができる。表面処理の方法としては、例えば、シリコーン系化合物又はフッ素系化合物で離型処理することが挙げられる。
<画像表示装置用粘着シート部材の製造方法>
本実施形態に係る粘着シート部材は、例えば、国際公開第2013/161666号に記載の方法により製造することができる。
本実施形態に係る粘着シート部材は、例えば、国際公開第2013/161666号に記載の方法により製造することができる。
<画像表示装置>
次に、粘着シート部材1を用いて作製される画像表示装置について説明する。粘着シート部材1が備える粘着シート2は、各種画像表示装置に適用することができる。画像表示装置としては、プラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、陰極線管ディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED)、有機ELディスプレイ、3Dディスプレイ、電子ペーパー(EP)等が挙げられる。本実施形態の粘着シート2は、画像表示装置の反射防止層、防汚層、色素層、ハードコート層等の機能性を有する機能層、透明保護板などを組み合わせて貼り合わせるために使用することもできる。
次に、粘着シート部材1を用いて作製される画像表示装置について説明する。粘着シート部材1が備える粘着シート2は、各種画像表示装置に適用することができる。画像表示装置としては、プラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、陰極線管ディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED)、有機ELディスプレイ、3Dディスプレイ、電子ペーパー(EP)等が挙げられる。本実施形態の粘着シート2は、画像表示装置の反射防止層、防汚層、色素層、ハードコート層等の機能性を有する機能層、透明保護板などを組み合わせて貼り合わせるために使用することもできる。
反射防止層は、可視光反射率が5%以下となる反射防止性を有している層であればよい。透明なプラスチックフィルム等の透明な基材に既知の反射防止方法で処理された層を反射防止層として用いることができる。
防汚層は、表面に汚れがつきにくくするためのものであり、表面張力を下げるためにフッ素系樹脂又はシリコーン系樹脂等で構成される既知の層を防汚層として用いることができる。
色素層は、色純度を高めるために使用されるもので、液晶表示ユニット等の画像表示ユニットから発する光の色純度が低い場合に不要な波長の光成分を低減するために使用される。色素層は、不要な波長の光成分を吸収する色素を樹脂に溶解させ、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム等の基材フィルムに製膜又は積層して得ることができる。
ハードコート層は、表面硬度を高くするために使用される。ハードコート層としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート等のアクリル樹脂;エポキシ樹脂などをポリエチレンフィルム等の基材フィルムに製膜又は積層したものを使用することができる。同様に表面硬度を高くするために、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート等の透明保護板にハードコート層を製膜又は積層したものを使用することもできる。
透明保護板は、ガラス基板、プラスチック基板等の画像表示ユニットを保護する役割を持つ材料であれば、材質に特に制限されない。また、透明保護板は、タッチパネル機能等が付与されていてもよい。
粘着シート2は、偏光板に積層して使用することができる。このとき、粘着シート2は、偏光板の視認面側に積層することもでき、その反対側に積層することもできる。
偏光板の視認面側に積層された粘着シート2の更に視認面側に反射防止層、防汚層又はハードコート層等を積層することができる。偏光板と液晶セルの間に粘着シート2を設ける場合には、偏光板の視認面側に機能性を有する層を積層することができる。
このような積層体は、粘着シート2をロールラミネート、真空貼合機又は枚葉貼合機等を用いて積層することによって得られる。
粘着シート2は、画像表示装置の画像表示ユニットと画像表示ユニットよりも視認側に設けられた透明保護板との間における、適切な位置に配置されてもよい。具体的には、画像表示ユニットと透明保護板の間に設けられる透明樹脂層として粘着シート2が応用(use)されてもよい。
タッチパネルと画像表示ユニットとの組み合わせを含む画像表示装置においては、タッチパネルと画像表示ユニットの間及びタッチパネルと透明保護板の間の少なくとも一方に設けられる透明樹脂層として粘着シート2が応用(use)されてもよい。ただし、画像表示装置の構成上、本実施形態の粘着シート2が適用可能であれば、粘着シート2が設けられる位置は限られない。
以下、本発明の一実施形態である画像表示装置について、画像表示装置の一つである液晶表示装置を例として、図3及び図4を用いて詳細に説明する。
図3は、液晶表示装置の一実施形態を模式的に示す側面断面図である。図3に示す液晶表示装置は、バックライトシステム50、偏光板22、液晶表示セル12及び偏光板20を有し、これらが液晶表示装置の視認側に向けてこの順で積層されている画像表示ユニット7と、偏光板20の視認側の面上に設けられた透明樹脂層32と、透明樹脂層32を間に挟んで画像表示ユニット7と対向する透明保護板(保護パネル)40とから構成される。透明保護板40の透明樹脂層32側の面の周縁部上には、装飾部60と透明保護板40とで段差が形成されており、この段差は、透明樹脂層32の一部によって埋め込まれている。
透明樹脂層32は、上述の第1及び第2の粘着層を備える粘着シート2の硬化物に相当する。装飾部60による段差は、液晶表示装置の大きさ等により異なるが、この高さが40μm〜1.0×102μm、特に60μm〜1.0×102μmである場合、本実施形態の粘着層を用いることが特に有用である。装飾部60の高さが上記範囲の場合、段差埋め込み性の観点から粘着シート2の厚さは厚い方が好ましいが、本実施形態の粘着シート2は、膜厚が薄くても段差埋め込み性に優れる。上記装飾部の高さがh、上記透明樹脂層の厚さがtであるとき、0.4<(h/t)<1であっても優れた段差埋め込み性を奏する。
図4は、画像表示装置の一実施形態である、タッチパネルを搭載した液晶表示装置を模式的に示す側面断面図である。図4に示す液晶表示装置は、バックライトシステム50、偏光板22、液晶表示セル12及び偏光板20を有し、これらが液晶表示装置の視認側に向けてこの順で積層されている画像表示ユニット7と、偏光板20の視認側の面上に設けられた透明樹脂層32と、透明樹脂層32を間に挟んでタッチパネル30と対向する透明保護板40とから構成される。装飾部60と透明保護板40とで段差が形成されており、この段差は、透明樹脂層31の一部により埋め込まれている。透明樹脂層31及び透明樹脂層32が、上述の第1及び第2の粘着層を備える粘着シート2の硬化物に相当し得る。
図4の液晶表示装置においては、画像表示ユニット7とタッチパネル30との間、及びタッチパネル30と透明保護板40との間の両方に透明樹脂層が介在している。しかしながら、透明樹脂層はこれらの少なくとも一方に介在していればよく、特に本実施形態の粘着シート2を透明樹脂層として用いる場合、タッチパネル30と、段差を形成している透明保護板40との間に透明樹脂層が介在させることが好ましい。また、タッチパネルがオンセルとなる場合は、タッチパネルと液晶表示セルが一体化される。その具体例としては、図3の液晶表示装置の液晶表示セル12が、オンセルで置き換えられたものが挙げられる。
近年、インセル型タッチパネルと呼ばれる、タッチパネル機能が組み込まれた液晶表示セルの開発が進んでいる。このような液晶表示セルを備えた液晶表示装置は、例えば、透明保護板、偏光板、及び液晶表示セル(タッチパネル機能付き液晶表示セル)から構成される。本実施形態に係る粘着シートの粘着シート2は、このようなインセル型タッチパネルを採用している液晶表示装置にも用いることができる。
図3及び図4に示す液晶表示装置は、本実施形態の粘着層を透明樹脂層31又は32として備えるので、耐衝撃性を有し、二重映りがなく鮮明でコントラストの高い画像を得ることが可能である。
液晶表示セル12としては、当技術分野で周知の液晶材料から構成されるものを使用することができる。液晶表示セルは、液晶材料の制御方法によって、TN(Twisted Nematic)方式、STN(Super−Twisted Nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In−Place−Switching)方式等に分類されるが、本実施形態に係る液晶表示装置では、いずれの制御方法を使用した液晶表示セルであってもよい。
偏光板20及び22としては、当技術分野で一般的な偏光板を使用することができる。それら偏光板の片面又は両面に対して、反射防止、防汚、ハードコート等の処理がなされていてもよい。
タッチパネル30としては、表面に指又は物体が触れた圧力で電極が接触する抵抗膜方式、表面に指又は物体が触れた時の静電容量の変化を感知する静電容量方式、電磁誘導方式等があるが、本発明の粘着シート2は、静電容量方式のタッチパネルを採用している液晶表示装置に用いることが特に好適である。上記タッチパネル30は、当技術分野で一般的に用いられているものを使用することができるが、上記静電容量方式のタッチパネルとしては、例えば、基板上に透明電極を形成した構造を有するものが挙げられる。上記基板としては、例えば、ガラス基板、PETフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム等が挙げられる。また透明電極としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)等の金属酸化物が挙げられる。上記基板の厚さは、20μm〜1.0×103μmである。また、上記透明電極の厚さは、10nm〜5.0×102nmである。
透明樹脂層31又は32の厚さは、例えば0.02mm〜3mm又は50μm〜3.0×102μmであってもよい。特に、透明樹脂層31又は32に本実施形態の第1及び第2の粘着層を備える粘着シート2を用いる場合、透明樹脂層が薄くても充分な段差埋め込み性を発揮するが、透明樹脂層が厚いときにはより一層優れた効果を発揮させることができる。
透明保護板40としては、一般的な光学用透明基板を使用することができる。その具体例としては、ガラス基板、石英板等の無機物の板;アクリル樹脂基板、ポリカーボネート板、シクロオレフィンポリマー板等のプラスチック基板;厚手のポリエステルシート等の樹脂シートなどが挙げられる。高い表面硬度が必要とされる場合には、透明保護板はガラス基板又はアクリル樹脂基板であってもよく、ガラス基板であってもよい。これらの透明保護板の片面又は両面に対して、反射防止、防汚、ハードコート等のための処理がなされていてもよい。透明保護板は、その複数枚を組み合わせて使用することもできる。
バックライトシステム50は、代表的には反射板等の反射手段とランプ等の照明手段とから構成される。
<画像表示装置の製造方法>
本実施形態に係る画像表示装置は、例えば、国際公開第2013/161666号に記載の方法により製造することができる。
まず、第1の粘着層及び第2の粘着層を備える粘着シート2と、第1の粘着層上に積層された軽剥離セパレータ4と、第2の粘着層上に積層された重剥離セパレータ3とを備える、粘着シート部材1を用意する。続いて、軽剥離セパレータ4を第1の粘着層から剥離して、第1の粘着層の粘着面を露出させる。続いて、第1の粘着層の粘着面を第1の被着物に貼り付け、ローラー等で押し付ける。この際、第1の被着物の表面の装飾部60により形成された段差は、第1の粘着層が流動することにより埋め込まれる。第1の粘着層を被着物に対して押し付ける際、粘着シート2全体を例えば40℃〜80℃に加熱してもよい。粘着シート2全体を40℃〜80℃に加熱することによって、第1の粘着層がより流動し易くなり、装飾部60への段差埋め込み性に優れるという効果がより顕著に得られる。この温度は、更に段差近傍の気泡をより効率的に除去できることから、50℃〜70℃であってもよい。第1の被着物は、例えば画像表示ユニット、透明保護板又はタッチパネルである。また、第1の粘着層は高い埋め込み性を有するため、第1の粘着層の粘着面を、装飾部60を有する第1の被着物に貼り合わせることが好ましい。
本実施形態に係る画像表示装置は、例えば、国際公開第2013/161666号に記載の方法により製造することができる。
まず、第1の粘着層及び第2の粘着層を備える粘着シート2と、第1の粘着層上に積層された軽剥離セパレータ4と、第2の粘着層上に積層された重剥離セパレータ3とを備える、粘着シート部材1を用意する。続いて、軽剥離セパレータ4を第1の粘着層から剥離して、第1の粘着層の粘着面を露出させる。続いて、第1の粘着層の粘着面を第1の被着物に貼り付け、ローラー等で押し付ける。この際、第1の被着物の表面の装飾部60により形成された段差は、第1の粘着層が流動することにより埋め込まれる。第1の粘着層を被着物に対して押し付ける際、粘着シート2全体を例えば40℃〜80℃に加熱してもよい。粘着シート2全体を40℃〜80℃に加熱することによって、第1の粘着層がより流動し易くなり、装飾部60への段差埋め込み性に優れるという効果がより顕著に得られる。この温度は、更に段差近傍の気泡をより効率的に除去できることから、50℃〜70℃であってもよい。第1の被着物は、例えば画像表示ユニット、透明保護板又はタッチパネルである。また、第1の粘着層は高い埋め込み性を有するため、第1の粘着層の粘着面を、装飾部60を有する第1の被着物に貼り合わせることが好ましい。
続いて、重剥離セパレータ3を第2の粘着層から剥離して、第2の粘着層の粘着面を露出させる。続いて、第2の粘着層の粘着面を第2の被着物に貼り付け、得られた積層体を加熱及び加圧する(例えば、オートクレーブによる処理)。第2の被着物は、例えば画像表示ユニット、透明保護板又はタッチパネルである。このようにして、第1及び第2の粘着層を備える粘着シート2を介して被着物同士を貼り合わせることができる。積層体を加熱及び加圧する条件は、例えば、温度が20℃〜80℃であり、圧力が0.1MPa〜0.6MPaである。被着物表面の段差が40μm〜1.0×102μmである場合は、段差近傍の気泡をより効率的に除去できることから、温度が50〜70℃であり、圧力が0.2MPa〜0.5MPaであってもよい。加熱及び加圧の時間は5分〜60分、又は10分〜50分であってもよい。
なお、上記工程は、第1の粘着層及び第2の粘着層を備える粘着シート2と、第1の粘着層上に積層された重剥離セパレータ3と、第2の粘着層上に積層された軽剥離セパレータ4とを備える、粘着シート部材1を用意し、先に第2の粘着層の粘着面を第2の被着物に貼り付け、次いで、第1の粘着層の粘着面を第1の被着物に貼り付ける工程であってもよい。
上記製造方法は、第1及び第2の被着物が、透明保護板、タッチパネル、タッチパネル機能付透明保護板及び画像表示ユニットからなる群から選択される少なくとも2種であることが好ましく、画像表示ユニット及びタッチパネル機能付透明保護板であることがより好ましい。
上記製造方法は、積層体の加熱及び加圧の前又は後に、粘着シート2における第1の粘着層に対して、両被着物(例えば、透明保護板、タッチパネル)のいずれか一方の側から紫外線等の活性エネルギー線を照射する工程を含んでもよい。これにより、高温高湿下における信頼性(気泡の発生低減及び剥がれの抑制)及び接着性をより向上できる。高温高湿下における信頼性を更に向上できる観点からは、装飾部を必要としない被着物(例えば、タッチパネル)側から粘着シート2における第1の粘着層に対して活性エネルギー線を照射することができる。
ここで、両被着物(例えば、透明保護板、タッチパネル)のいずれか一方の側から粘着シート2における第1の粘着層に対して、紫外線等の活性エネルギー線を照射する場合、装飾部60が遮光性であると、装飾部60と被着物(例えば、透明保護板、タッチパネル)に挟まれる位置にある領域(遮光部)には、活性エネルギー線が届きにくく、硬化が進行しにくい傾向がある。
装飾部60が遮光性である場合には、本発明では上述の活性エネルギー線の照射に加えて、積層体の側面から、装飾部60と被着物(例えば、透明保護板、タッチパネル)に挟まれる位置にある領域の粘着シート2における第1の粘着層に向けて、活性エネルギー線を照射することが好ましい。活性エネルギー線の照射角度は、特に限定されることはなく、水平方向に対して0°以上90°未満とすることができる。
また、上記領域に存在する粘着シート2における第1の粘着層をより均一に硬化できる観点(遮光部硬化性)から、上記(B)成分はビスフェノールA型フェノキシ樹脂を用いることが好ましい。(B)成分がビスフェノールA型フェノキシ樹脂であると、光透過率が高く、粘着層の内部まで活性エネルギー線が届きやすく、粘着シート2における第1の粘着層をより均一に硬化することができ、遮光部硬化性がより高くなる傾向にある。
活性エネルギー線の照射量は、特に制限されないが、5.0×102mJ/cm2〜5.0×103mJ/cm2であってもよい。活性エネルギー線を照射する工程は、高温高湿下における信頼性が向上する観点から、積層体の加熱及び加圧の後に行うことができる。
加熱及び加圧と、必要により粘着層に対する活性エネルギー線照射とを経て得られた構造体において、例えば被着物がガラス基板(ソーダライムガラス)又はアクリル樹脂基板である場合、粘着シート2とこれらの基板との間のピール強度は、5N/10mm〜30N/10mm、7N/10mm〜30N/10mm又は10N/10mm〜30N/10mmであってもよい。ピール強度は、引張試験機(株式会社オリエンテック製「テンシロン RTC−1210」)を用いて、180度ピール(剥離速度300mm/分で3秒間、測定温度25℃)として測定することができる。
以上の工程で、被着物同士の間に、粘着シート2の硬化物が透明樹脂層として配置される。粘着シート2(透明樹脂層)は、特に、透明保護板とタッチパネルとの間、又はタッチパネルと画像表示ユニットとの間に配置することができる。
図3の液晶表示装置は、画像表示ユニット7と透明保護板40との間に粘着シート2を介在させて積層体を得ることにより製造することができる。すなわち、図3に記載の画像表示装置において、偏光板20の上面に本実施形態の粘着シート2をラミネート法によって積層することができる。
図4の液晶表示装置は、画像表示ユニットとタッチパネルとの間又はタッチパネルと透明保護板との間に本実施形態の粘着シート2を介在させて積層体を得ることにより製造することができる。
本実施形態に係る粘着シート部材1は、第1及び第2の粘着層を備える粘着シート2と、粘着シート2を挟むように積層された第1及び第2の基材層と、第2の基材層に更に積層されたキャリア層と、を備えることができる。また、第1の基材層及びキャリア層の外縁は、粘着層の外縁よりも外側に張り出していることが好ましい。
すなわち、図5及び図6に示されるように、本実施形態に係る粘着シート部材1は、第1及び第2の粘着層を備える粘着シート2と、粘着シート2を挟むように積層された軽剥離セパレータ4(第1の基材層)及び重剥離セパレータ3(第2の基材層)と、重剥離セパレータ3に更に積層されたキャリアフィルム5(キャリア層)とを備えることができる。なお、本実施形態に係る粘着シート部材1は、粘着シート2における第1の粘着層上に重剥離セパレータ3、第2の粘着層上に軽剥離セパレータ4がそれぞれ積層されたものであってもよいし、粘着シート2における第1の粘着層上に軽剥離セパレータ4、第2の粘着層上に重剥離セパレータ3がそれぞれ積層されたものであってもよい。
キャリアフィルム5の外縁5aは、粘着シート2の外縁2aよりも外側に張り出していてもよい。また、キャリアフィルム5の外縁5aは、重剥離セパレータ3の外縁3aよりも外側に張り出していてもよい。これにより、外側に張り出したキャリアフィルム5の外縁部をつまむことによって、キャリアフィルム5を重剥離セパレータ3から容易に剥離させることができる。キャリアフィルム5の外縁5aは、軽剥離セパレータ4の外縁4aよりも外側に張り出している。これにより、キャリアフィルム5の外縁部が更につまみ易くなっているため、キャリアフィルム5をより容易に剥離させることができる。軽剥離セパレータ4の外縁4aよりも張り出している部分のキャリアフィルム5の幅は、取り扱い易さ、剥がし易さ、埃等の付着をより低減できる観点から、0.5mm〜10mm又は1mm〜5mmであってもよい。キャリアフィルム5、粘着シート2、重剥離セパレータ3及び軽剥離セパレータ4の平面形状が略長方形等の略矩形である場合には、軽剥離セパレータ4の外縁4aよりも張り出している部分のキャリアフィルム5の幅は、少なくとも1つの辺において0.5mm〜10mm若しくは1mm〜5mmであってもよく、又は全ての辺において0.5mm〜10mm若しくは1mm〜5mmであってもよい。
重剥離セパレータ3は、直前の工程までキャリアフィルム5によって保護されているため、重剥離セパレータ3の表面の傷が少なくなる。これにより、粘着シート2の傷を容易に視認でき、傷が生じている粘着シート2を被着物に貼り付ける前に容易に排除できる。
キャリアフィルム5としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の重合体フィルムが挙げられる。重合体フィルムは、PETフィルムであってもよい。キャリアフィルム5の厚さは、作業性の観点から、15μm〜100μm、20μm〜80μm又は20μm〜50μmであってもよい。
軽剥離セパレータ4と粘着シート2との間の剥離強度は、重剥離セパレータ3と粘着シート2との間の剥離強度よりも低くなっている。キャリアフィルム5と重剥離セパレータ3との間の剥離強度は、重剥離セパレータ3と粘着シート2との間の剥離強度よりも低くなっている。ここで、キャリアフィルム5と重剥離セパレータ3との間の剥離強度は、軽剥離セパレータ4と粘着シート2との間の剥離強度より低いことがより好ましいが、高くてもよい。
キャリアフィルム5と重剥離セパレータ3との剥離強度は、例えばキャリアフィルム5及び重剥離セパレータ3の間に接着剤層等を設けることにより調節してもよい。形成させる接着剤層の種類及び接着剤層の厚さによって、上記の剥離強度を調整することができる。キャリアフィルム5及び重剥離セパレータ3の間に形成させる接着剤の種類としては、例えば、アクリル系接着剤が挙げられる。キャリアフィルム5及び重剥離セパレータ3の間に形成させる接着剤層の厚さは、0.1μm〜10μm又は1μm〜5μmであってもよい。
このように、本実施形態の粘着シート部材1によれば、粘着シート2を保護しつつ、重剥離セパレータ3、軽剥離セパレータ4及びキャリアフィルム5を確実に所定の順序で、剥離不良がなく、容易に剥離させることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
以下、実施例を示して、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
(A)成分:
(ウレタン(メタ)アクリレート1の合成)
温度計、撹拌機及び還流管を備えたガラス製反応容器に、メチルエチルケトン45.01質量部、イソホロンジイソシアネート6.74質量部、ポリカーボネートジオール(T−5652(登録商標)、旭化成ケミカルズ株式会社製)45.56質量部、4−メトキシフェノール0.03質量部及びジブチルスズジラウレート0.02質量部を仕込み、撹拌しながら70℃に加温した。70℃で3時間保温した後、2−ヒドロキシエチルアクリレート2.63質量部を添加し、更に3時間撹拌して反応させた。赤外分光スペクトルを測定することにより、イソシアネート基が消失するのを確認した。その時点で反応を終了とし、ウレタン(メタ)アクリレート1(重量平均分子量は20,000)を得た。
(ウレタン(メタ)アクリレート1の合成)
温度計、撹拌機及び還流管を備えたガラス製反応容器に、メチルエチルケトン45.01質量部、イソホロンジイソシアネート6.74質量部、ポリカーボネートジオール(T−5652(登録商標)、旭化成ケミカルズ株式会社製)45.56質量部、4−メトキシフェノール0.03質量部及びジブチルスズジラウレート0.02質量部を仕込み、撹拌しながら70℃に加温した。70℃で3時間保温した後、2−ヒドロキシエチルアクリレート2.63質量部を添加し、更に3時間撹拌して反応させた。赤外分光スペクトルを測定することにより、イソシアネート基が消失するのを確認した。その時点で反応を終了とし、ウレタン(メタ)アクリレート1(重量平均分子量は20,000)を得た。
(B)成分:
(ポリウレタン樹脂1の合成)
温度計、撹拌機及び還流管を備えたガラス製反応容器に、メチルエチルケトン45.01質量部、イソホロンジイソシアネート6.98質量部、ポリカーボネートジオール(T−5652(登録商標)、旭化成ケミカルズ株式会社製)47.21質量部、4−メトキシフェノール0.03質量部及びジブチルスズジラウレート0.02質量部を仕込み、撹拌しながら70℃に加温した。70℃で3時間保温した後、メタノール0.75質量部を添加し、更に3時間撹拌して反応させた。赤外分光スペクトルを測定することにより、イソシアネート基が消失するのを確認した。その時点で反応を終了とし、ポリウレタン樹脂1(重量平均分子量は20,000)を得た。
(ポリウレタン樹脂1の合成)
温度計、撹拌機及び還流管を備えたガラス製反応容器に、メチルエチルケトン45.01質量部、イソホロンジイソシアネート6.98質量部、ポリカーボネートジオール(T−5652(登録商標)、旭化成ケミカルズ株式会社製)47.21質量部、4−メトキシフェノール0.03質量部及びジブチルスズジラウレート0.02質量部を仕込み、撹拌しながら70℃に加温した。70℃で3時間保温した後、メタノール0.75質量部を添加し、更に3時間撹拌して反応させた。赤外分光スペクトルを測定することにより、イソシアネート基が消失するのを確認した。その時点で反応を終了とし、ポリウレタン樹脂1(重量平均分子量は20,000)を得た。
PKHC(ビスフェノールA型フェノキシ樹脂、InChem製、商品名「PKHC」)
YP−70(ビスフェノールA型とF型共重合フェノキシ樹脂、新日鉄住金化学株式会社製、商品名「YP−70」)
YP−70(ビスフェノールA型とF型共重合フェノキシ樹脂、新日鉄住金化学株式会社製、商品名「YP−70」)
(C)成分:
TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、BASFジャパン株式会社製、商品名「LUCIRIN TPO」)
TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、BASFジャパン株式会社製、商品名「LUCIRIN TPO」)
(D)成分:
(D)アクリル重合体(D−1)の合成
冷却管、温度計、撹拌装置、滴下漏斗及び窒素導入管を取り付けた反応容器に初期モノマーとして、イソステアリルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製、商品名「ISTA」)96.0gと2−ヒドロキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製、商品名「HEA」)24.0gとメチルエチルケトン150.0gを加え、100ml/minの風量で窒素置換しながら、15分間で25℃から80℃まで加熱した。その後、温度を80℃に維持しながら、追加モノマーとしてのイソステアリルアクリレート24.0gと2−ヒドロキシエチルアクリレート6.0gとを、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート5.0gに溶解した溶液を120分間かけて滴下した。滴下終了後、更に2時間反応させた。
続いて、メチルエチルケトンを留去することによりイソステアリルアクリレートと2−ヒドロキシエチルアクリレートの共重合樹脂(重量平均分子量30,000)を得た。
(D)アクリル重合体(D−1)の合成
冷却管、温度計、撹拌装置、滴下漏斗及び窒素導入管を取り付けた反応容器に初期モノマーとして、イソステアリルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製、商品名「ISTA」)96.0gと2−ヒドロキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製、商品名「HEA」)24.0gとメチルエチルケトン150.0gを加え、100ml/minの風量で窒素置換しながら、15分間で25℃から80℃まで加熱した。その後、温度を80℃に維持しながら、追加モノマーとしてのイソステアリルアクリレート24.0gと2−ヒドロキシエチルアクリレート6.0gとを、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート5.0gに溶解した溶液を120分間かけて滴下した。滴下終了後、更に2時間反応させた。
続いて、メチルエチルケトンを留去することによりイソステアリルアクリレートと2−ヒドロキシエチルアクリレートの共重合樹脂(重量平均分子量30,000)を得た。
(E−1)成分:
ISTA(イソステアリルアクリレート、大阪有機化学工業株式会社製、商品名「ISTA」)
4HBA(4−ヒドロキシブチルアクリレート、大阪有機化学工業社製、商品名「4−HBA」)
ISTA(イソステアリルアクリレート、大阪有機化学工業株式会社製、商品名「ISTA」)
4HBA(4−ヒドロキシブチルアクリレート、大阪有機化学工業社製、商品名「4−HBA」)
(E−2)成分:
(E−2)ポリプロピレングリコールウレタン(メタ)アクリレートの合成
冷却管、温度計、撹拌装置、滴下漏斗及び空気導入管を取り付けた反応容器にポリプロピレングリコール(数平均分子量2,000)285.3g、不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステル修飾ε−カプロラクトン(株式会社ダイセル製、商品名「プラクセルFA2D」)24.5g、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール0.13g及び触媒としてジブチルスズジラウレート0.5gを加え、100mL/分の風量で空気を流しながら、15分間で25℃から75℃まで加熱した。その後、温度を75℃に維持しながら、イソホロンジイソシアネート39.6gを2時間かけて均一に滴下し、反応を行った。滴下終了後、6時間反応させた。イソシアネート基が消失したことをIR測定(測定波数:2270cm−1)により確認して反応を終了し、ポリプロピレングリコールとイソホロンジイソシアネートとを構造単位として有し、かつ末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリプロピレングリコールウレタン(メタ)アクリレート(重量平均分子量30,000)を得た。
(E−2)ポリプロピレングリコールウレタン(メタ)アクリレートの合成
冷却管、温度計、撹拌装置、滴下漏斗及び空気導入管を取り付けた反応容器にポリプロピレングリコール(数平均分子量2,000)285.3g、不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステル修飾ε−カプロラクトン(株式会社ダイセル製、商品名「プラクセルFA2D」)24.5g、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール0.13g及び触媒としてジブチルスズジラウレート0.5gを加え、100mL/分の風量で空気を流しながら、15分間で25℃から75℃まで加熱した。その後、温度を75℃に維持しながら、イソホロンジイソシアネート39.6gを2時間かけて均一に滴下し、反応を行った。滴下終了後、6時間反応させた。イソシアネート基が消失したことをIR測定(測定波数:2270cm−1)により確認して反応を終了し、ポリプロピレングリコールとイソホロンジイソシアネートとを構造単位として有し、かつ末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリプロピレングリコールウレタン(メタ)アクリレート(重量平均分子量30,000)を得た。
(C’)成分:
I−184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASFジャパン株式会社製、商品名「Irgacure−184」)
I−184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASFジャパン株式会社製、商品名「Irgacure−184」)
重量平均分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を使用して測定し、下記の装置及び測定条件を用いて標準ポリスチレンの検量線を使用して換算することによって決定した値である。検量線の作成にあたっては、標準ポリスチレンとして5サンプルセット(PStQuick MP−H,PStQuick B[東ソー株式会社製、商品名])を用いた。
装置:高速GPC装置 HLC−8320GPC(検出器:示差屈折計)
(東ソー株式会社製、商品名)
使用溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
カラム:カラムTSKGEL SuperMultipore HZ−H
(東ソー株式会社製、商品名)
カラムサイズ:カラム長が15cm、カラム内径が4.6mm
測定温度:40℃
流量:0.35mL/分
試料濃度:10mg/THF5mL
注入量:20μL
装置:高速GPC装置 HLC−8320GPC(検出器:示差屈折計)
(東ソー株式会社製、商品名)
使用溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
カラム:カラムTSKGEL SuperMultipore HZ−H
(東ソー株式会社製、商品名)
カラムサイズ:カラム長が15cm、カラム内径が4.6mm
測定温度:40℃
流量:0.35mL/分
試料濃度:10mg/THF5mL
注入量:20μL
<実施例1>
[第1の粘着層の作製]
軽剥離セパレータとして厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(藤森工業株式会社製)、及び仮セパレータとして厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(藤森工業株式会社製)を用いて、以下の(I)、(II)の手順で第1の粘着層を作製した。
[第1の粘着層の作製]
軽剥離セパレータとして厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(藤森工業株式会社製)、及び仮セパレータとして厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(藤森工業株式会社製)を用いて、以下の(I)、(II)の手順で第1の粘着層を作製した。
(I)ウレタン(メタ)アクリレート1を30質量部、ポリウレタン樹脂1を40質量部、PKHCを30質量部、及び2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(TPO)1質量部を秤量し、これらをメチルエチルケトン100質量部で希釈した。この希釈物を60℃で撹拌混合することによって、25℃で液状の第1の組成物を得た。
(II)(I)で得られた第1の組成物を軽剥離セパレータ上に乾燥後の膜厚が50μmとなるように塗工した。次いで、100℃の熱風循環式乾燥機内で15分間溶剤を乾燥させて塗膜を形成した後、上記塗膜上に仮セパレータを積層することによって、軽剥離セパレータと仮セパレータとで第1の粘着層を挟んだ積層体を得た。
[第2の粘着層の作製]
重剥離セパレータとして厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(藤森工業株式会社製)、及び仮セパレータとして厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(藤森工業株式会社製)を用いて、以下の(I)、(II)の手順で第2の粘着層を作製した。
重剥離セパレータとして厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(藤森工業株式会社製)、及び仮セパレータとして厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(藤森工業株式会社製)を用いて、以下の(I)、(II)の手順で第2の粘着層を作製した。
(I)アクリル重合体(D−1)60質量部、イソステアリルアクリレート(ISTA)30.9質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)5質量部、ポリプロピレングリコールウレタン(メタ)アクリレート4質量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(I−184)(BASFジャパン株式会社製、商品名「Irgacure−184」)0.1質量部を秤量し、これらを撹拌混合することによって、25℃で液状の第2の組成物を得た。
(II)(I)で得られた第2の組成物を重剥離セパレータ上に塗工して塗膜を形成した後、上記塗膜上に仮セパレータを積層し、紫外線照射装置(アイグラフィックス株式会社製)を用いて紫外線を照射(1.0×103mJ/cm2)することによって、重剥離セパレータと仮セパレータとで第2の粘着層を挟んだ積層体を得た。なお、第2の粘着層の厚さは1.0×102μmとなるように調整して塗工した。
[粘着シート部材の作製]
上記第1の粘着層の作製で作製した積層体の仮セパレータ、及び上記第2の粘着層の作製で作製した積層体の仮セパレータをそれぞれ剥離した。続いて、第1の粘着層と、第2の粘着層とを、ハンドロールを用いて25℃で貼り合わせ、重剥離セパレータと軽剥離セパレータとで第1の粘着層と第2の粘着層からなる粘着シートを挟んだ粘着シート部材を得た。
上記第1の粘着層の作製で作製した積層体の仮セパレータ、及び上記第2の粘着層の作製で作製した積層体の仮セパレータをそれぞれ剥離した。続いて、第1の粘着層と、第2の粘着層とを、ハンドロールを用いて25℃で貼り合わせ、重剥離セパレータと軽剥離セパレータとで第1の粘着層と第2の粘着層からなる粘着シートを挟んだ粘着シート部材を得た。
<比較例1>
実施例1の第1の組成物を、厚さ150μmとなるように調整して塗工し、第1の粘着層のみからなる粘着シート部材を得た。
実施例1の第1の組成物を、厚さ150μmとなるように調整して塗工し、第1の粘着層のみからなる粘着シート部材を得た。
<比較例2>
実施例1の第2の組成物を、厚さ150μmとなるように調整して塗工し、第2の粘着層のみからなる粘着シート部材を得た。
実施例1の第2の組成物を、厚さ150μmとなるように調整して塗工し、第2の粘着層のみからなる粘着シート部材を得た。
[各種評価]
各実施例及び比較例で得られた粘着シート部材について、以下の(1)〜(3)の評価を行い、その結果を表1に示す。
各実施例及び比較例で得られた粘着シート部材について、以下の(1)〜(3)の評価を行い、その結果を表1に示す。
(1)段差埋め込み性
作製した粘着シート部材を幅50mm、長さ80mmの寸法に切り出し、該粘着シート部材の片側面のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、外周部に幅9mm、厚さ60μmの寸法の装飾部を設けた56mm×86mm×0.7mmの寸法のガラス基板にハンドローラーを用いて(25℃、荷重:4.9N(500gf))貼り合わせた。なお、この貼り合わせは、第1の粘着層面を、装飾部を設けたガラス基板に貼り合わせることによって行った。次いで、粘着シート部材の装飾部を設けたガラス基板を貼り合わせていないもう一方の面のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、56mm×86mm×0.5mmの寸法のガラス基板に、偏光板(住友化学株式会社製)を貼りつけた基板の偏光板面に、真空貼合装置(株式会社タカトリ製、商品名「TPL−0512MH」)を用いて40℃、0.1MPa、真空度50Paの条件で30秒間貼り合わせ、積層体を得た。その後、オートクレーブによる処理(40℃、0.5MPa)を10分間行い、次いで、紫外線照射装置(アイグラフィックス株式会社製)を用いて装飾部側から、積層体に対して紫外線を2.0×103mJ/cm2で照射して評価サンプルとした。この評価サンプルを、85℃のオーブンで16時間加熱した後、気泡の発生数を計測し、段差埋め込み性を評価した。
作製した粘着シート部材を幅50mm、長さ80mmの寸法に切り出し、該粘着シート部材の片側面のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、外周部に幅9mm、厚さ60μmの寸法の装飾部を設けた56mm×86mm×0.7mmの寸法のガラス基板にハンドローラーを用いて(25℃、荷重:4.9N(500gf))貼り合わせた。なお、この貼り合わせは、第1の粘着層面を、装飾部を設けたガラス基板に貼り合わせることによって行った。次いで、粘着シート部材の装飾部を設けたガラス基板を貼り合わせていないもう一方の面のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、56mm×86mm×0.5mmの寸法のガラス基板に、偏光板(住友化学株式会社製)を貼りつけた基板の偏光板面に、真空貼合装置(株式会社タカトリ製、商品名「TPL−0512MH」)を用いて40℃、0.1MPa、真空度50Paの条件で30秒間貼り合わせ、積層体を得た。その後、オートクレーブによる処理(40℃、0.5MPa)を10分間行い、次いで、紫外線照射装置(アイグラフィックス株式会社製)を用いて装飾部側から、積層体に対して紫外線を2.0×103mJ/cm2で照射して評価サンプルとした。この評価サンプルを、85℃のオーブンで16時間加熱した後、気泡の発生数を計測し、段差埋め込み性を評価した。
(2)接着性
作製した粘着シート部材を幅10mm、長さ80mmの寸法に切り出し、該粘着シート部材の片側面のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、幅25mm、長さ100mmの寸法のソーダライムガラスに、ハンドローラーを用いて(25℃、荷重:4.9N(500gf))、貼り合わせた。次いで、該粘着シート部材のもう一方の面のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社製、商品名:コスモシャインA4100)を幅15mm、長さ150mmの寸法に切り出し、該粘着シートに貼り合わせた。引張試験機(株式会社オリエンテック製、RTC−1210[商品名])を用いて、23℃環境下、引き剥がし角度180°、引き剥がし速度300mm/分でピール強度を測定し、以下の評価基準にて接着性を評価した。数値が大きい程、接着性に優れる。
(評価基準)
A:10N/10mm以上
B:7N/10mm以上10N/10mm未満
C:5N/10mm以上7N/10mm未満
D:5N/10mm未満
作製した粘着シート部材を幅10mm、長さ80mmの寸法に切り出し、該粘着シート部材の片側面のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、幅25mm、長さ100mmの寸法のソーダライムガラスに、ハンドローラーを用いて(25℃、荷重:4.9N(500gf))、貼り合わせた。次いで、該粘着シート部材のもう一方の面のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社製、商品名:コスモシャインA4100)を幅15mm、長さ150mmの寸法に切り出し、該粘着シートに貼り合わせた。引張試験機(株式会社オリエンテック製、RTC−1210[商品名])を用いて、23℃環境下、引き剥がし角度180°、引き剥がし速度300mm/分でピール強度を測定し、以下の評価基準にて接着性を評価した。数値が大きい程、接着性に優れる。
(評価基準)
A:10N/10mm以上
B:7N/10mm以上10N/10mm未満
C:5N/10mm以上7N/10mm未満
D:5N/10mm未満
(3)誘電率
作製した粘着シート部材に紫外線照射装置を用いて紫外線を2.0×103mJ/cm2照射した後、幅50mm、長さ50mmの寸法に切り出し、該粘着シート部材の片側面のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、100mm×100mm×18μmの寸法の銅箔(日本電解株式会社製、商品名「SLP−18」)の光沢面側を粘着シートがはみ出さないように貼り合わせた。次いで、粘着シート部材のもう一方の面のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、20mm×20mm×18μmの寸法の銅箔(日本電解株式会社製、商品名「SLP−18」)の光沢面側を粘着シートがはみ出さないように貼り合わせた。100mm×100mmの寸法の銅箔及び20mm×20mmの寸法の銅箔のそれぞれのほぼ中央部に端子を接触させて、誘電率測定装置(Agilent Technologies製、商品名「LCR meter E4980」)により、温度25℃、周波数100kHzの条件で静電容量(C)を測定し、以下の式により誘電率εrを算出した。各実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。
C=ε0×εr×(20mm×20mm)/d
なお、ε0は真空の誘電率、dは粘着層の厚さである。
作製した粘着シート部材に紫外線照射装置を用いて紫外線を2.0×103mJ/cm2照射した後、幅50mm、長さ50mmの寸法に切り出し、該粘着シート部材の片側面のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、100mm×100mm×18μmの寸法の銅箔(日本電解株式会社製、商品名「SLP−18」)の光沢面側を粘着シートがはみ出さないように貼り合わせた。次いで、粘着シート部材のもう一方の面のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、20mm×20mm×18μmの寸法の銅箔(日本電解株式会社製、商品名「SLP−18」)の光沢面側を粘着シートがはみ出さないように貼り合わせた。100mm×100mmの寸法の銅箔及び20mm×20mmの寸法の銅箔のそれぞれのほぼ中央部に端子を接触させて、誘電率測定装置(Agilent Technologies製、商品名「LCR meter E4980」)により、温度25℃、周波数100kHzの条件で静電容量(C)を測定し、以下の式により誘電率εrを算出した。各実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。
C=ε0×εr×(20mm×20mm)/d
なお、ε0は真空の誘電率、dは粘着層の厚さである。
(4)濁度(ヘーズ)
作製した粘着シート部材を幅40mm、長さ100mmの寸法に切り出し、該粘着シート部材の片側面のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、50mm×100mm×3mmの寸法のガラス基板(ソーダライムガラス)に、ハンドローラーを用いて(25℃、荷重:4.9N(500gf))貼り合わせた。次いで、粘着シート部材の反対面のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、粘着シート面を光源側として濁度計(日本電色工業株式会社製、商品名「NDH−5000」)を用いて、JIS K 7136に準じて測定した。
ヘーズ(%)=(Td/Tt)×100
Td:拡散透過率、Tt:全光線透過率
作製した粘着シート部材を幅40mm、長さ100mmの寸法に切り出し、該粘着シート部材の片側面のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、50mm×100mm×3mmの寸法のガラス基板(ソーダライムガラス)に、ハンドローラーを用いて(25℃、荷重:4.9N(500gf))貼り合わせた。次いで、粘着シート部材の反対面のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、粘着シート面を光源側として濁度計(日本電色工業株式会社製、商品名「NDH−5000」)を用いて、JIS K 7136に準じて測定した。
ヘーズ(%)=(Td/Tt)×100
Td:拡散透過率、Tt:全光線透過率
表1に示すように、本発明の実施例1の粘着シートは、誘電率が低く、段差埋め込み性に優れ、かつ接着性に優れていることが分かった。
本発明によれば、段差への埋め込み性及び表面平坦性に優れ、誘電率が低く、かつ接着性に優れる粘着層を備える画像表示装置用粘着シートを提供することができる。このような粘着層が組み込まれたデバイスは高い信頼性を示すため、本発明に係る粘着シートは画像表示装置の用途に適している。特に、本発明に係る粘着シートは、タッチパネル等の情報入力装置と透明保護板との間を充填する際に用いられるシート材料として極めて有用である。
1…粘着シート部材、2…粘着シート、3…重剥離セパレータ(第2の基材層)、4…軽剥離セパレータ(第1の基材層)、5…キャリアフィルム(キャリア層)、2a,3a,4a,5a…外縁、40…透明保護板、7…画像表示ユニット、12…液晶表示セル、20、22…偏光板、30…タッチパネル、31、32…透明樹脂層、50…バックライトシステム、60…装飾部。
Claims (10)
- 第1の粘着層と、第2の粘着層と、を備え、
前記第1の粘着層は、(A)ウレタン(メタ)アクリレート及び(B)熱可塑性樹脂を含有し、
前記第2の粘着層は、(D)アクリル重合体及び(E)(メタ)アクリロイル基を分子内に有する化合物を含有する、画像表示装置用粘着シート。 - 前記第1の粘着層の(B)熱可塑性樹脂が、フェノキシ樹脂又はポリエステルウレタン樹脂である、請求項1に記載の画像表示装置用粘着シート。
- 前記第2の粘着層の(E)(メタ)アクリロイル基を分子内に有する化合物が、ステアリル(メタ)アクリレートを含む、請求項1又は2に記載の画像表示装置用粘着シート。
- 前記第1及び第2の粘着層の厚さの合計が、50μm〜3.0×102μmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像表示装置用粘着シート。
- 前記第1の粘着層と前記第2の粘着層とが直接接している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像表示装置用粘着シート。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像表示装置用粘着シートと、
前記第1の粘着層における前記第2の粘着層とは反対側の面及び前記第2の粘着層における前記第1の粘着層とは反対側の面の両面を挟むように積層された第1及び第2の基材層と、
を備える、画像表示装置用粘着シート部材。 - 前記第2の基材層に更に積層されたキャリア層を備え、
前記第1の基材層及び前記キャリア層の外縁が、前記第1及び第2の粘着層の外縁よりも外側に張り出している、請求項6に記載の画像表示装置用粘着シート部材。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像表示装置用粘着シート又は請求項6若しくは7に記載の画像表示装置用粘着シート部材が備える前記第1及び第2の粘着層を介して、被着物同士を貼り合わせて積層体を得る工程と、
前記積層体を、20℃〜80℃及び0.1MPa〜0.6MPaの条件で加熱及び加圧する工程と、
前記積層体に対して活性エネルギー線を照射する工程と、
を備える、画像表示装置の製造方法。 - 前記被着物が、透明保護板、タッチパネル、タッチパネル機能付透明保護板及び画像表示ユニットからなる群から選択される少なくとも2種である、請求項8に記載の画像表示装置の製造方法。
- 画像表示ユニットと、
透明保護板と、
前記画像表示ユニット及び前記透明保護板の間に介在する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像表示装置用粘着シート又は請求項6若しくは7に記載の画像表示装置用粘着シート部材が備える前記第1及び第2の粘着層の硬化物である透明樹脂層と、
を備える、画像表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014175859A JP2016050245A (ja) | 2014-08-29 | 2014-08-29 | 画像表示装置用粘着シート、画像表示装置用粘着シート部材、画像表示装置の製造方法及び画像表示装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016216644A (ja) * | 2015-05-22 | 2016-12-22 | Dic株式会社 | 粘着フィルム |
JP2016216645A (ja) * | 2015-05-22 | 2016-12-22 | Dic株式会社 | 粘着フィルム |
JP2018053212A (ja) * | 2016-09-30 | 2018-04-05 | 日立化成株式会社 | 粘着フィルム |
JP2019151706A (ja) * | 2018-03-01 | 2019-09-12 | 王子ホールディングス株式会社 | 積層粘着シート及び積層粘着シートの製造方法 |
WO2021125153A1 (ja) * | 2019-12-19 | 2021-06-24 | 昭和電工株式会社 | 粘着シート |
WO2022085340A1 (ja) * | 2020-10-23 | 2022-04-28 | ミネベアミツミ株式会社 | 液晶表示装置 |
-
2014
- 2014-08-29 JP JP2014175859A patent/JP2016050245A/ja active Pending
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